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にいがた交通戦略プラン 本編(PDF:14489KB)
本 編 にいがた交通戦略プラン策定協議会 目 次 はじめに 1. まちづくりとめざす都市のすがた........................................ 1 1−1.都市づくりの考え方と目指す都市のすがた ................................... 1 1−2.まちづくりと都市交通のシナリオ ............................................ 3 2.戦略プランの方向性と基本方針 ........................................ 6 2−1.交通施策の立案考え方 ................................................... 6 2−2.交通戦略プランの基本方針 ................................................ 7 3.基本計画 .......................................................... 13 3−1.施策の方向性と施策一覧 ................................................. 13 3−2.多核連携型の都市構造を支える交通戦略 ................................... 15 3−3.地域の快適な暮らしを支える交通戦略 ...................................... 28 3−4.市街地の賑わいと都市の活力を創出する交通戦略 ............................ 32 3−5.地域や関係者が一丸となって取り組む交通戦略 .............................. 45 4.重点プロジェクトの抽出 ............................................... 48 5.重点プロジェクト ..................................................... 53 5−1.JR越後線の利便性と運行頻度向上に向けた取組み........................... 53 5−2.白根方面骨格幹線バス(国道8号)を主軸とするバス利用サービスの向上 ......... 62 5−3.地域の特性に応じた生活交通の確保 ....................................... 79 5−4.新潟駅を南北に結ぶ基幹公共交通軸の形成 ................................. 102 5−5.古町地区における道路の役割分担と道路空間の利活用........................ 118 5−6.万代地区の交通結節機能の強化と歩行者空間整備 ........................... 130 5−7.モビリティマネジメントの推進 .............................................. 136 6.成果目標 .......................................................... 145 6−1.成果目標の設定 ........................................................ 145 6−2.成果目標値 ............................................................ 147 7.戦略プランの進行管理・推進体制 ...................................... 157 ●事業の実施プログラム(案) .................................................... 160 【附属資料】 は じ め に ◆戦略プランの目的・位置づけ にいがた交通戦略プランは、本州日本海側初の政令市にふさわしい活力と魅力にあふれる多核 連携型のまちづくりに向けて、第 3 回パーソントリップ調査で提言された将来交通計画の目標を 実現するため、交通政策の基本理念と短・中期(概ね 10 年間)に取り組む基本的な行動計画を策定 することを目的とします。 新潟市都市圏交通の目標(第 3 回パーソントリップ調査より) 1.多様な都市活動や地域間の交流・連携に対応した 移動しやすい交通体系 2.信頼性・安全性・快適性・選択性を向上した 災害に強く、質の高い交通体系 3.都市の発展と環境との調和に向けた 持続性を支える交通体系 ◆戦略プラン策定の必要性 社会情勢の変化を見据え、新潟市が中枢拠点都市として一段と飛躍していくためには時代の要 請を的確に把握し、将来への明確な展望のもとに関係者が互いに知恵を出し合い、協力・連携す ることが求められています。 社会情勢の変化 1.高齢化の進展 2.深刻化する環境問題 3.厳しさを増す都市間競争 4.政令指定都市への移行 5.都市化社会(市街地の拡大)から都市型社会(成熟型社会)へ 6.厳しさを増す行財政環境 ◆戦略プラン策定後の進め方 この戦略プランを今後着実に進め目標を達成するには、この計画で提示した内容だけでなく、 施策毎に関係者が連携し、社会情勢やニーズの変化に対応する柔軟な姿勢が必要と考えます。 そこで、行政・市民・交通事業者などが継続的にコミュニケーションを図り、それぞれの役割 に立った意見を踏まえ、計画進捗状況の確認・評価・見直しを行いながら、目標に向かって施策 を推進していきます。 行政、市民、交通事業者などが継続的に連携を図り ながら、目標に向かって一歩一歩進んでいきます 高い 効果 利便性など ( ) 低い 現在 (計画策定) 計画の進捗状況 目標 (戦略プランの方向性) 必要に応じて、計画進捗状況 の確認・評価・見直しを行い、 目標に向かって施策を展開 将来 1.まちづくりとめざす都市のすがた 1−1.都市づくりの考え方と目指す都市のすがた 交通戦略プランでは、上位計画である新・新潟市総合計画および新潟市都市計画マスタープ ランで示された都市像、都市づくりの方向性、理念、目指す都市のすがたの考え方に基づき、 必要な交通施策を展開していきます。 [将来の目指す都市像] 新・新潟市総合計画より 【目指す都市像】 【重点プラン】 地域と共に育つ、分権型協働都市・・・協働による地域づくりの推進 大地と共に育つ、田園型拠点都市・・・環境先進都市の構築 世界と共に育つ、日本海交流都市・・・拠点性の強化 安心と共に育つ、くらし快適都市・・・快適な住環境の構築、公共交通の充実 ※重点プランのうち交通戦略プランに関わる項目を抜粋 [都市づくりの方向転換] 新潟市都市計画マスタープランより 従来と比べ、都市づくりに求められるもの・望ましい姿が変わってきた 人口減少や超高齢化 に対応できない 従来のビジョン 人口は増加する 市街地を拡大する これからのビジョン ○人口は減っても都市の活力を維持 ○誰もが暮らしやすい都市にする ○作り続けるのではなく使いこなす ○地球環境への負荷を軽減する 従来の方向性 進むべき方向性 長期 短中期 新たな基本方針は、 新たな都市マスは、 これまでと違う方向 を見ている に向かうべき 現在 従来の計画 −1− −1− [都市づくりの理念] 新潟市都市計画マスタープランより 『持続的に発展する政令市』 −都市全体の観点 全市レベルの理念− 新潟らしさを形づくる歴史や文化、恵まれた自然、築いてきた田園や都市基盤など、これら の「都市の財産」を守り育て、他都市との違いや優位性を活かし、必要なことを見極めて施 策を展開していくことにより、持続的に発展する都市づくりを進めます。 『誰もが暮らしやすい個性ある地域』 −地域の観点 生活圏レベルの理念− 地域の個性を活かしながら、各地域の市街地中心部(まちなか)の充実や、日常生活拠点の 機能の向上、地域内の連携・交流の促進を図り、各地域の自立性を高め、生活圏としてそこ で暮らし続ける市民の満足度を高める地域づくりを進めます。 [めざす都市のすがた] 新潟市都市計画マスタープランより 田園に包まれた多核連携型都市 −新潟らしいコンパクトなまちづくり− 多核連携型都市とは? ●多核:各区それぞれが、自立した個性ある生活圏となること ⇒各区にはまとまりのある市街地と豊かな自然・田園がある ⇒各市街地には地域性を活かしたそれぞれの「顔」「中心」となる場を持つ ●連携:新潟市は個性ある8つの区の連携により発展する都市であること ⇒利便性のある交通のネットワークにより、各区の連携を高める ⇒各区が持つさまざまな機能を連携させ、市全体で活用する 多核型都市 区(生活圏) それぞれが自立した 個性ある生活圏であ ること まち(市街地) まちなか(中心部) まとまりのあるまち と豊かな自然・田園 があること 顔・中心(まちなか) となる場をもつこと 連携する都市 まちなかを交通軸がネ ットワークし、連合体 としての連携・一体性 を高めること −2− −2− 1−2.まちづくりと都市交通のシナリオ (1)都市の現状と顕在化する問題 自動車の普及は、市民の生活に多くの恩恵を与えてきましたが、その一方で過度の自動車依存により環境負荷の増大・整備 費用の増加・都市機能の郊外流出による都心部の活力魅力の低下といった様々な問題を引き起こす一因となっています。 人口減少・少子高齢化が進む中で、このまま自動車に依存した都市構造が続いた場合、さらに問題は深刻になり、新潟市の 健全な経済活動および市民生活に影響を与えるものと考えられます。 [現状の都市における問題と将来の問題] (現 状) (顕在化する問題) ■交通渋滞が発生 ■二酸化炭素排出などの環境負荷が増大 ■高まる自動車への依存度 新潟都市圏の代表交通手段別分担率 0% 20% 40% 80% 鉄道・バス 12.9 100% 参考:速度別のkm当たり二酸化炭素排出量 (g-CO2/km・台) 二輪車・徒歩 46.1 1600 1400 1200 52.0 S63年 7.9 渋 滞 自動車 41.0 S53年 60% 速度低下により 二酸化炭素の 排出量が増加 大型車 小型車 1000 40.0 800 600 69.6 H14年 5.4 400 25.0 200 0 10 (資料)新潟都市圏パーソントリップ調査 105.0 新潟市のDID地区※面積の推移 100.0 30 40 走行速度(km/h) ■道路や下水道といった社会基盤の 整備費用が増大 50 60 このまま自動車依存が続くと、 95.0 DID面積(km2) ■市街地 の 郊 外への拡大と 低密度化 20 90.0 85.0 持続的な都市の発展が困難 80.0 75.0 70.0 65.0 60.0 (資料)国勢調査 S55 S60 H2 H7 H12 ■自動車が自由に使えない市民に とって暮らしづらい街が拡大 学生・高齢者・障がい者にとって 日常活動に公共交通は必要です。 学 生 高齢者 ■鉄道・バスなどの公共交通が衰退 新潟都市圏の公共交通利用者数推移(S63年を100とする) 150 指 数 鉄道利用者数 100 101 100 100 59 50 鉄道利用者数は、 平成8年を境に減少 バス利用者数 バス利用者数は、 年々減少 ■都市全体の 活 力 や 個 性、魅力が 低下 古町・万代地区の歩行者交通量の推移 歩行者が年々減少 閑散とする市街地 S63 H2 H8 H13 (資料)東日本旅客鉄道株式会社、新潟交通株式会社 ■都心および都心周辺部、各地域のまちなかの空洞化 医療・教育・商業などの都市機能が郊外へ移転 ( 資 料 ) 平 成 17 年 歩行者通行量 調査表 新潟 市商店街連盟 ※DID 地区 総務省統計局国税調査による地域別人口密度 が 4,000 人/k ㎡以上であり、その全体が 5,000 人以上となっている地域 −3− (2)選択すべきまちづくりのシナリオ 新潟市では、歴史や文化、産業など個性ある複数の地域が育まれてきました。このような各 地域の特色を活かしつつ、利便性の高い生活環境を実現するため、各地域の自主性と連携を強 化することにより、都市全体として活力ある地域社会の発展を目指していく必要があります。 さらに、自然環境や田園の保全を図り、既存の都市基盤や施設を有効に活用する観点からは、 土地利用のあり方を公共交通と連動して考え、集約型の便利で効率のよい市街地整備を進める 必要もあります。 ※1 市街地の成長管理 本格的な少子高齢化社会を迎え、都市の人口増加が落ち着きを見せる中、効率的な社会経済活動により環境負荷 を軽減し、住む人や訪れる人にとって便利で快適な都市環境の実現が求められています。 本市では、主要な公共交通軸と連動した土地利用の誘導を図り、車に過度に頼らなくても公共交 通の利便性の高い地域で快適に生活でき、環境負荷を軽減する都市環境整備(次ページ参照)を目 市街地の成長管理とは、郊外部の環境整備に努めつつ、既存市街地内の低未利用地の活用や土地利用の高度化を 図り、市街地全体の質を高めていくことを言います。 指します。 交通戦略プランでは、このシナリオの実現に向けて都市交通を強化・改善していく役割を担 います。 ※2 自動車と公共交通のバランスのとれた交通体系 車への過度な依存を見直し、様々な交通手段の選択(使い分け)を可能にするため、都市構造の現状・地域の特性・ 市民のニーズに応じて必要な交通手段が確保されている交通体系を言います。 [まちづくりの進むべき方向性] 具体的な交通の考え方は以下のとおりです。 土地利用の適正な誘導と 公共交通の活性化 市街地の成長管理※1 「歩行者や公共交通を中心とした 交通環境の形成」 まちなかや公共交通沿線 自動車と公共交通の における居住機能の充実 バランスのとれた交通体系※2 利便性の高い生活環境が整った 「公共交通と自動車との 組み合わせによる軸の形成」 集約型の都市構造を形成 社会経済の発展と環境との調和のとれた持続可能な都市 「道路によるネットワークの強化」 ※第 3 回新潟都市圏パーソントリップ調査 −4− [新潟市が選択するまちづくりのシナリオ] 現 状 増え続ける自動 車に対応する従来 の対処療法的な交 通施策の実施 目指すべきシナリオへ 方向転換 低密度 ステップ 1 短中期的施策 現状∼10 年後 これまでの拡大型市街地整備 まちなかから郊外に流 出する都市機能、大規模 商業施設・住宅供給を目 的とした低密度市街地の 拡大 基幹公共交通軸や地域間の 連携を強化する交通ネットワ ーク整備を推進するとともに、 これら交通施策と連動した土 地利用施策の誘導を図ります。 高密度 (まちなかの にぎわい空間) 市街地の適正な成長管理 長期的将来の過程として、秩序 ある市街地形成と拠点地域間の アクセス向上に取り組みます 繰り返される 道路混雑と道路整備 低密度市街地の拡散が必要以上に進行すると・・・ ○都市基盤整備需要が拡大し、維持管理コストが増大 ○公共交通空白地域が拡大し、車を利用しない人のモビリティ (移動性)が低下 ○自動車利用が増大し、CO2・NOx の増加、騒音・振動など自動 車に起因する環境問題が深刻化 ○田園や自然環境が減少 ○郊外への商業施設の出店が続き、古町・万代地区や各地域の まちなかの空洞化問題が発生 ステップ 2 長期的展望 10 年後以降 自動車交通の適正な誘導と 公共交通軸や交通結節点への 都市機能集積により、機能性が 高く拠点性と暮らしやすさを 兼ね備えたメリハリのある都 市構造を構築します。 交通軸上への市街地誘導 公共交通の利便性をさらに向 上させ、長期的に公共交通軸への 市街地密度を高めていきます −5− 2.戦略プランの方向性と基本方針 2−1.交通施策の立案の考え方 歴史や文化、産業集積など各地域の特色や優位性を最大限に活用し、魅力と活力ある地域社 会づくりを進めるためには、将来への明確な展望を持ちながら、限られた財源の中で実効性の ある行政運営に努める必要があります。 また、本格的な少子高齢化社会を迎え、これからの都市政策は人口増加や市街地の拡大とい う「都市化社会」から、暮らしやすさやまちの魅力といった都市の質的向上を重視する「成熟 型社会」に大きく転換しつつあります。 交通の分野でも、増え続ける自動車への対応といった従来の対処療法的な交通施策だけでな く、既存の社会資本を活用し、 「歩く」といった人の日常生活行動を基本に、暮らしやすい地域 社会づくりや持続的な都市の発展を促す取り組みが重要となっています。 このような考え方のもと、本計画では、交通環境整備に戦略性を持って取り組む考え方とし て、次のような視点から検討を進めます。 [施策および施策実施に関する基本的考え方] 渋滞対策から都市の体質改善を図る交通戦略へ ○ 〇 ○ 都市の交流を拡大し、多様な社会経済活動を支える交通施策 既成市街地の再構築や公共交通の機能強化に資する交通施策 施策の再評価と時代に即した実施計画の立案 都市の体質改善:都市交通体系に関わる問題の原因を根本から改善すること 渋滞等の問題発生のたびに施策を 実施し問題を解決するという対処療 法的な手法から、問題を起こさないた めに、問題の原因を根本から取り除い ていくことをいいます。 ◇体に例えると・・・ 病気の度に治 療(薬)に頼る 体から・・・ 体質改善 健康に気を つけて、丈 夫な体に! まちづくりと連動した地域交通施策の推進 ○ ○ ○ ○ ○ 土地利用の誘導と持続的な成長を促す交通施策 公共交通軸と連動した土地利用の促進 拠点地域を結びつけ複合的な魅力を引き出すネットワーク強化 まちの賑わい創出とまちづくりの可能性を広げる交通施設整備 行きやすく誰もが快適に歩いて回遊できるまちなかの移動環境 人に優しいきめ細かな交通施策 ○ ○ 利用者のニーズを重視したハード・ソフト施策の展開 地域における日常生活行動を支援する交通サービスの提供 関係者の連携と役割分担による施策の展開 ○ ○ ○ 交通施策に関する市民・企業への参加型意識啓発 交通・まちづくり関係者の連携と役割分担による推進体制の構築 施策を展開する制度・運営検討、提案 −6− −6− 2−2.交通戦略プランの基本方針 国内外との交流を深め、魅力と活力のある地域社会づくりを進めるためには、本市の 地理的な優位性を活かし、広域交通体系によってもたらされる社会経済活動の恩恵や発 展の可能性を市域全体に広く展開する基盤整備が重要となります。 また、地球環境問題や本格的な超高齢社会を迎え、公共交通の役割が全国的に見直さ れる中、市民生活の観点からは、人々が目的に応じて快適に移動でき、車を利用しなく [交通戦略プランの基本方針] ■基本方針1 多核連携型の都市構造を支える交通戦略 ⇒8 ページ参照 各地域の特色や歴史を活かしつつ、個々の地域では持ち得ない広域的な都市機能を共有する政令市 新潟 の多核連携型の都市構造を支える交通基盤整備を推進します。 ても日常の生活に必要なサービスを享受できる暮らしやすいまちづくりを進める必要 があります。 視点A.都心に行きやすく地域間の結び付きを強化する交通施策 さらに、まちなかの賑わいや魅力といった観点からは、道路が持つ多様な機能に着目 し、堀の復元や基幹公共交通軸と連動した街なかの回遊空間など、歩行者や自転車の側 から発想した柔軟な道路空間利用への要望が高まりを見せています。 このようなハード・ソフト両面の施策を多角的に展開するためには、行政や交通事業 者など関係者が互いに連携協力するとともに、市民や企業の意識啓発を図り、めざすべ き都市交通の実現に地域ぐるみで取り組む必要があります。 ■基本方針2 地域の快適な暮らしを支える交通戦略 ⇒9 ページ参照 各地域のまちなかに賑わいを創出し、快適な暮らしを支える安全で快適な交通環境の整備を進めると ともに、生活に必要な公共交通の維持・確保を図ります。 本市では移動の利便性が高く、常に活発な国内外との交流、地域間交流、地域内活動 が行われている都市を目指し、以下に示す4つの基本方針のもとに、具体的に取り組む 視点B.各地域の特性とコミュニティを大切にする交通施策 施策を視点別に提案します。 ■基本方針3 市街地の賑わいと都市の活力を創出する交通戦略 ⇒10 ページ参照 〔基本方針の視点イメージ〕 都心や都心周辺部に集まる交通を適切に誘導し、多様な都市活動に柔軟に対応できる質の高い移動環 境を実現するとともに、まちの賑わいや魅力の向上に資する道路環境整備や公共交通を活かした人に優 しいまちづくりを推進します。 視点C.質の高いサービスと移動性を確保する都心部および都心周辺部の交通施策 視点D.都心部における賑わい空間や魅力に資する交通施策 ■基本方針4 地域や関係者が一丸となって取り組む交通戦略 ⇒12 ページ参照 環境問題や高齢化社会への対応など、進むべき都市交通のあり方について、意識啓発と関係者の連携 強化を図り、まちづくりと連動したハード・ソフトの交通施策を適正な役割分担のもとに、地域が一丸 となって取り組む環境づくり進めます。 視点E.市民や事業者とともに進める全市的な交通施策 −7− (基本方針1) 多核連携型の都市構造 を支える交通戦略 各地域が育んできた個性や特色を活かしながら、都市全体として健全な社会経済活動を推進するた めには、国内外の交流や地域間の連携を支える交通基盤整備をさらに充実させる必要があります。 また、市民の多様な移動ニーズに応え、環境負荷の少ない豊かな地域社会を構築するためには、自 動車への過度な依存を見直し、公共交通の利用促進や交通施策と連動した土地利用を誘導する取組み が重要です。 本市では、放射方向に伸びる国道バイパスを横断的に結ぶ放射環状型の道路網を構築するとともに、 都心方向を結ぶ既存公共交通機関の利便性向上を図ります。 さらに、各地域(区)における交通結節点の接続機能を強化することにより、 「都心にいきやすく、 各地域が互いに連携しあう都市構造」の実現を目指します。 現 状 目指すべき方向性 ■車に過度に依存した交通体系 ・増え続ける自動車交通と道路混雑 ・環境負荷や交通事故が増加 ・利用者減と公共交通サービスの低下 ■放射状を基本とする道路網 ・都心および都心周辺部に車が集中し,新潟バイパス (国道 7 号、国道 8 号)などで交通混雑が発生 ・周辺部における各地域間の連携が弱い ■公共交通を活用した環境や人に優しい都市構造 ・都心方面を結ぶ公共交通のサービス強化と利用促進 ・都心部への拠点都市機能の集積 ・公共交通体系との関係を重視した土地利用の誘導 ■国内外につながる広域交通体系 ・交通拠点施設を結ぶ都市内の交通ネッ トワークの強化 (市街地) 低密度 にぎわい (市街地) 低密度 にぎわい :連携軸 :連携軸 ■郊外への都市機能の拡散と低密度市街地の拡大 ・まちなかの活力低下、商店街の空洞化 ・道路や下水道など社会基盤の整備費用や維持費が増大 ・低未利用地の発生 ■交通結節点を活かした魅力ある生活圏の形成 4 ・交通結節点のアクセス機能の強化 ・地域のまちなかへの都市機能の集積 ■放射環状型の道路網の形成 ・市街への導入拡散路として交通を適正に誘導 ・災害に強く、健全な社会経済活動の発展を支える 道路体系 ・高速道路など既存社会資本の活用 −8− 古くから生活の拠点として重要な役割を担ってきた新津や白根、豊栄、巻などの地域では、郊外化の進展や自動車 (基本方針2) 地域の快適な暮らし を支える交通戦略 の普及などを背景に、既存商店街の衰退といったまちなかの活力の低下が指摘されるようになりました。 しかし、高齢化社会を迎え、日常における暮らしやすい生活環境を確保するためには、文化や産業など地域独自の 個性を活かしながら、地域のまちなかという身近な場所に生活を支える主要なサービス機能を充実させていくことが 重要です。 さらに、地域全体の交通アクセスを改善し、車を利用しない人々も生活に必要なサービスを受けられるよう移動し やすい交通環境を整備していく必要があります。 このような考えのもと、地域のまちなかでは、主要な施設に市民が徒歩や自転車で安全・快適に移動できる空間を 整備するとともに、既存公共交通の活用や改善に取り組み、各地域のまちなかを結ぶ交通結節機能を強化します。 また、住民バスや区バスといった地域のニーズに応じた適正な公共交通サービスの向上を図り、生活圏の中心であ るまちなかの活性化と地域間の移動手段に多様性を持たせることにより、 「便利で快適に暮らすことができる地域生 活圏」の実現を目指します。 現 状 目指すべき方向性 ■車が無いと日常の生活にも不便を感じ る、まちなかへも行きづらい 生活圏 ■車に頼らなくても生活に必要なサ ービスを享受できる日常生活圏 ■車を運転できない人のた めの交通確保 生活圏 徒歩による移動圏域 自宅 自宅 ■商店街の衰退 ■まちなかの活力の低下 学校 日常の行動圏域 学校 都心および都心周辺部 公民館 都心および都心周辺部 田園地域 区役所 公民館 病院 田園地域 区役所 病院 商店 商店 鉄道駅 鉄道駅 鉄道 既存バス路線 鉄道 ■日常生活を支える主要なサービス機能を充実 ■祭りや地域の産業、伝統、文化を活かしたまち づくり 既存バス路線 ■まちなかを結ぶサービスの強化 ・公共交通乗り継ぎ強化 ・交通結節点の環境整備 −9− (基本方針3) 市街地の賑わいと都市の活力 を創出する交通戦略 (1)都心部のまちづくりと交通施策 古町・白山・万代・新潟駅周辺からなる都心においては、新潟市を代表 現 状 ■都心部の衰退 ・都市機能の郊外流出 ・都市拠点間の連携が十分でない する「顔」として政令市に相応しい都市機能集積と各拠点間を結ぶ基幹公 鉄道により分断 共交通軸の形成を図ることで、常に活気と賑わいのある都市空間づくりを 推進します。 また、陸の玄関口である新潟駅周辺地区や大型商業施設が立地する万代 地区では、市民や訪れる人にとって快適でわかりやすい交通の利用環境を 凡 例 実現するとともに、古町周辺地区では旧小澤家住宅などの歴史的な建物の 一方通行規制 保全活用や掘割の検討など、湊町「にいがた」の街並みの再現や創出など :快適な歩行者 自転車空間 により、歩いて楽しいまちづくりを進めます。 さらに、多様な世代が住める都市型住宅の供給や誘導など、都心の交通 政策と連動した市街地の再整備により、居住人口の増加を図ります。 このように、若者から高齢者まで、多くの人々が集まり住む都心では、 誰もが快適に移動できる交通環境として、歩行者、自転車や公共交通によ ■多くの自動車交通が集中 ・道路や駐車場で渋滞が発生 ・一方通行により迂回が発生 ■快適な歩行者自転車空間が不連続 ・自動車を主とした道路断面 る移動の利便性向上に取り組みます。さらに都心の移動空間の連続性や快 適性を高め、人々の多様な移動ニーズ、移動形態に対応する交通体系を構 築することにより、新潟駅周辺、万代、古町地区の拠点性を連携強化し、 目指すべき方向性 都心の賑わいの向上を目指します。 ■都心全体が一体となった賑わい空間 ・公共交通軸上を中心とした都市機能の集積 ・各拠点間の連携強化 ■都心環状機能の強化による交通分担 ・市街地内の通過交通排除 ・市街地へのアクセス機能向上 ・公共交通の走行性向上 鉄道連続立体交差化 通行規制の見直し ■移動しやすい都市環境 ・公共交通を優先した公共交通軸の形成 ・通行規制の見直し ・公共交通軸と一体となった歩行者自転車空間の 連続性の確保 ・様々な駐車問題への対応 公共交通を優先した交通軸 ■歩いて楽しいまち ・歴史、文化などをつなぐ、回遊性の 高い歩行者自転車空間整備およびネ ットワーク整備 ・公共交通軸と一体となった歩行者自 転車空間ネットワーク整備 凡 例 :快適な歩行者 自転車空間 −10− (2)都心および都心周辺部のまちづくり と交通施策 都心周辺部には、都心と近接する自然環境を活かした文化・交 流・医療などの機能が集積する鳥屋野潟南部開発地区、日本海側の 現 状 ■拠点間の連携不足 ・拠点間のアクセス性が悪いため、様々な拠点 がもつ魅力が複合的に機能していない 国際的な交通拠点である新潟港と新潟空港、国の行政施設と県庁を 核とした広域的な行政拠点となる新光町・美咲町地区等の複数の都 市拠点を擁しています。 本市では都心の強化と同時に、これら都心と性格の異なる拠点の 整備と機能集積を図り、都心と各拠点間の交通アクセスを強化・連 接することによって、都心及び都心周辺部の魅力をより一段と高 め、新潟の活力を創出します。 さらに、住宅地においては、良好な生活環境の形成と保全を図る とともに、利用者のニーズに着目した公共交通のサービス向上など ■都心へのアクセスは自動車が主体 ・万代島および鳥屋野潟南部への公共 交通アクセスが不十分 ・空港アクセスは、より質の高い公共 交通アクセスが必要 公共交通と自動車のバランスに配慮した交通への取組みを推進し ます。 ■近くて遠い都心 ・都心に向かう有効な公共交通がな い 目指すべき方向性 ■拠点および都心の連携を強化する交通体系 ・基幹公共交通軸の形成 ・環状道路網の整備による自動車交通分散 ■拠点の魅力をさらに高める交通体系 ・空港と新潟駅を結ぶ公共交通の運行本 数増便等による運行サービスの改善 ■暮らしやすいまち ・都心に行きやすくなるための公共 交通の確保と利便性の向上 −11− (基本方針4) 地域や関係者が一丸となって取り組む交通戦略 これからの交通施策は、渋滞緩和・事故削減を目的とした道路整備だけでなく、 歩行者・自転車、公共交通をはじめ、景観・環境やにぎわい、防災など多様な道 路機能に着目した取り組みが重要です。また、中心市街地活性化・地区レベルの 交通環境改善に、地域の特性や市民ニーズを踏まえて、まちづくりの観点から取 り組むためには、管理者・事業者・住民が共に考え協働していく必要があります。 特に、公共交通は、まちなかの賑わい創出などまちづくりにとっても重要な役 割を果たしますが、一定のサービスレベルを満たしながら地域に即した運行形態 を維持してくためには、利用者である住民が知恵を出し合い支えていくという意 識をもつことが不可欠であり、また、公共交通を運行・運営する交通事業者への 行政の関与が重要と考えます。 このように、今後は目指すべきまちづくりに向けて、住民や関係機関が互いに 信頼関係を築き、意見を交換しながら、適切な役割分担のもと地域に根ざした交 通体系づくりを推進します。 これまで ・ 採算を重視した公共交通運行サービスの提供の中で、 輸送人員の減少により廃止路線が増加。 [これまでの公共交通に関わる 3 者の関係イメージ] ・ 利用者減に伴う不採算路線の存続に向けた財政面に おける公的支援が拡大。 ・ 地方自治体が施策をハード・ソフト両面から多角的に 展開するためには、交通管理者・事業者など多くの関 係機関との調整が必要であり、 現状の関係だけでは主 導的な実施は困難。 ・ このような問題を踏まえ、 新潟市では公共交通に関し て、住民が主体となったバス路線の検討・確保に向け て取り組みを実施。 目指すべき方向性 ・ 行政・住民・交通事業者が互いに協力連携し、地域 ●地域・関係者が一丸となって取り組み体制イメージ −公民協働による施策の展開− のニーズや特性に対応するなど、顧客サービスに配 慮した交通施策を展開。 [目指すべき公共交通に関わる 3 者の関係イメージ] ・ 住民・企業に対して、環境問題や公共交通利用に関 する意識啓発を行い、関係者が目標を共有しながら、 ◆まちづくり多様な道路空間整備 自発的な公共交通利用を促す取り組みを推進。 ・道路の再構築などによる沿道のまちづくりと一体と ・ 地域における公共交通サービスを日常生活に必要な なったにぎわいや魅力の創出 移動手段として定着させるためには、地域住民が利 用し、守り育てる意識が重要。 など ◆ハード・ソフト両面からの公共交通施策の推進 ・目標の共有 ・連携、調整 ・公共交通利用に向けた市民への意識啓発 ・社会実験など交通施策への積極的な住民参加 など ◆住民参加によるまちづくりの推進 ・地域コミュニティ形成に資する交通施策の展開 ・市民参加による公共交通の維持確保 ・住民や利用者による施設管理 など −12− 3.基本計画 3−1.戦略別施策の方向性と施策一覧 ◆市街地の賑わいと都市の活力を創出する交通戦略・・・P32 参照 ◆多核連携型の都市構造を支える交通戦略・・・P15 参照 視点C.質の高いサービスと移動性を確保する 視点A.都心に行きやすく地域間の結び付きを強化する交通施策 都心部および都心周辺部の交通施策 ○放射環状道路網の整備や本市の特徴である放射状に伸びた高速道路網の都市内活用により、都市 全体の恩恵や交流拡大を広く享受できる都市環境を整備し、地域の特色を活かしたまちづくりを 推進します。 ○拠点地域や空港・港などの交通結節点がある都心周辺地区は、多様化・活発化する社会経済活動 に対応するため、これら拠点間を結ぶ交通機能の充実強化を進め、円滑な移動の確保を図ります。 ○また、環状方向の道路機能を強化し、都心および都心周辺部方向に集中する自動車交通の導入分 散と各地域の連携強化を図るとともに、迂回ルートの確保など災害に強い社会基盤整備を目指し ます。 ○都心への行きやすさに重きをおいた幹線バス路線の運行サービス向上・交通結節機能の強化や走 行環境の改善などメリハリのあるバス路線網の形成により、まちなか居住の優位性を最大限に活 かした都市構造への転換を誘導します。 ○各地域と都心部および都心周辺部のアクセスは、道路だけでなく公共交通のサービス水準の向上 など多種・多様な交通手段について取り組むものとし、特に通勤・通学時において快適かつスム ーズに移動できる環境整備を推進します。 ○特に、基幹公共交通軸となるバス路線は、わかりやすく気軽に使える移動手段として、質の高い バスの運行サービスと利用環境を提供します。 ○また、交通渋滞や駐車場不足などアンバランスな需給関係に起因する問題を解消し、効率的な都 市内の移動環境を実現するため、バス停環境の整備やP&Rなど公共交通への転換を促す取組み を推進します。 ○さらに、通勤通学や買物といった利用者のニーズに応えたきめ細かなバスサービスの提供を促進 します。 ◆地域の快適な暮らしを支える交通戦略・・・P28 参照 視点B.各地域の特性とコミュニティを大切にする交通施策 ○各地域では、旧市町村の行政区など自立的な生活圏を基本に、商業・医療・教育・生涯学習など、 地域内の生活関連施設を車に頼らなくても利用できる生活交通サービスの向上を図ります。 ○各地域の拠点施設としての役割を担う鉄道駅については、交通の結節機能を強化するとともに、 地域の拠点施設として利用を促進する取組みを進めます。 視点D.都心部における賑わい空間や魅力に資する交通施策 ○都心は、基本的に自動車交通の整流化を図り、人の移動を補完する公共交通サービスを基軸に回 遊性の高い「歩いて楽しいまちなか」を創造します。 ○さらに、現在の自動車の円滑な交通流動に重点を置いた道路機能を見直し、自転車や歩行者が安 全で快適に移動できる道路環境やまちの賑わい・憩いの空間を演出する道路の多様な活用を図り ます。 ○また、地域内における通過交通の流入を抑制し、自転車や歩行者に配慮した安全かつ快適な交通 環境の整備を推進します。 ○また、都心と都心周辺に立地する歴史・文化施設や海岸・信濃川・港といった水辺空間を巡る移 動手段として、レンタサイクルのサービス拡大やベロタクシー・水上バスの活用を促進します。 ◆地域や関係者が一丸となって取り組む交通戦略・・・P45 参照 視点E.市民や事業者とともに進める全市的な交通施策 ○まちづくりや交通関係者の協力と連携を図り、まちづくりと連動した交通施策や公共交通の利用 活性化など、地域の特性や住民のニーズに対応した多様な交通施策を適切な役割分担のもとに推 進します。 ○都市交通に関する理解を深め、市民の自発的な公共交通の利用や事業者の施策への参加を促進す るため、市民との交流機会やメディアなどを活用し、意識啓発活動に積極的に取り組んでいきま す。 −13− −13− ◆施策一覧 関連する施策種類 視点 D 都心部における賑わい空間 や魅力に資する交通施策 基本方針 4 地域や関係者が一丸 となって取り組む交 通戦略 視点 E 市民や事業者とともに進め る全市的な交通施策 道路整備 視点 C 質の高いサービスと移動性 を確保する都心部および都 心周辺部の交通施策 自転車利用環境整備 基本方針 3 市街地の賑わいと都 市の活力を創出する 交通戦略 視点 B 各地域の特性とコミュニテ ィを大切にする交通施策 ■放射状道路ネットワークの強化 ■環状道路ネットワークの強化 ■災害に強い道路ネットワーク強化 (2)都市内交通の円滑化を図るための高速道路の利用促 ■スマート IC の整備推進 進や渋滞交差点の改良 ■高速バスのサービス向上 ■都心部や渡河部渋滞交差点の処理能力向上 (3)鉄道の利便性向上 ■鉄道駅の特性機能に応じた駅利用環境の整備 ■各地域と都心を結ぶ鉄道運行サービスの改善 (4)都心方向へのバスサービスの向上 ■各地域と都心を結ぶ路線バスのサービス改善 (5)安全・快適で回遊性の高い自転車利用環境の整備 ■広域的な自転車道ネットワークの整備 ■他の交通手段との連携 ■自転車の利用促進に向けた情報提供・PR (1)ニーズに対応した生活バス路線の適正な運行と移動 ■区バスの運行改善と利用促進 サービスの向上 ■住民バスの運行支援に向けた取り組み ■区バスおよび住民バスの他路線とのサービス統一に向けた検討 (2)徒歩や自転車による生活を支援する地域内の交通環 ■安全で快適な道路環境整備 境の整備 (3)駅施設を利用した多様な活用方策の検討 ■駅施設の多様な活用 (1)まちなかを快適に移動できる利便性の高い公共交通 ■基幹公共交通軸の形成に向けた取り組み の実現 ■バスの定時性・走行性の向上に向けた取り組み ■利用者の視点に立ったきめ細やかなバスサービスの提供 (2)拠点間を結ぶ公共交通の充実・強化 ■拠点への公共交通アクセス性改善 ■イベント開催時におけるシャトルバスの運行改善に向けた取り組み (3)自動車交通を適正に分散・誘導する都市内道路網の ■円滑な交通を確保するための道路整備 整備 ■まちづくりと連動した道路整備 (1)都心部道路の役割分担と道路空間の再構築 ■都心環状道路の整備促進 ■将来を見据えた段階的な交通規制の見直し ■道路機能の分担と再構築による多様な道路空間整備の推進 (2)歩いて楽しい回遊性の高い都市環境整備 ■都心地区を回遊できる歩行者空間ネットワークの形成 ■快適でうるおいのある歩行者自転車空間の整備 (3)まちづくりと一体となった駐車・駐輪対策 ■都心地区における放置自転車の削減 ■道路空間や既存駐車場施設を活用した効率的な駐車対策 (1)行政・事業者・住民の役割分担・連携強化 ■関係機関との体制づくり (2)過度な自動車依存の軽減に向けた意識啓発 ■環境や公共交通利用に関する意識啓発 歩行者空間整備 基本方針 2 地域の快適な暮らし を支える交通戦略 視点 A 都心にいきやすく地域間の 結び付きを強化する交通施 策 具体的な取り組み バス利便性向上策 基本方針 1 核連携型の都市構造 を支える交通戦略 施 策 鉄道利便性向上策 戦略プラン基本方針 (1)社会経済活動を支える放射環状道路網の構築 −14− ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● −14− 3−2.多核連携型の都市構造を支える交通戦略 (1)社会経済活動を支える放射環状道路網の構築 ① 課 題 都心および都心周辺部と他地域とを結ぶ放射状道路は、集中する自動車交通によって 渋滞が発生し、所要時間が増大するなどアクセス性が低下しています。 また、各地域間を結ぶ幹線道路は、集中豪雨時の河川増水によって通行できなくなる 区間(潜り橋)があるなど、ネットワークとしての信頼性が十分に確保されていません。 このため、放射状道路の機能強化や環状道路の整備促進など、円滑で災害に強い道路ネ ットワークを構築する必要があります。 ② 基本的な考え方 放射環状方向の国道バイパス等の整備を促進するとともに、(仮称)新潟中央環状道路 の未計画区間の早期事業着手や国道 460 号の潜り橋区間の改善に取り組みます。 〔幹線道路の道路混雑度〕 都心および都心周辺部と他地域 を結ぶ、放射状道路の混雑度が高 くなっています。 (資料)H17 年道路交通センサス −15− ③ 具体的な取り組み案 ■放射状道路ネットワークの強化 ・松浜橋上流橋の整備促進 ・国道 8 号白根バイパスの整備促進 ・国道 403 号バイパスの整備促進 ■環状道路ネットワークの強化 ・(仮称)新潟中央環状道路の国道 8 号∼国道 49 号間の事業化に向けた検討 ・国道 460 号バイパスの整備促進 ■災害に強い道路ネットワーク強化 ・国道 460 号臼井橋の架け替えの整備促進 〔放射環状幹線道路の事業位置〕 ① ⑥ (仮称)新潟中央環状道路 ⑤ ② ⑪ 国道 460 号 ⑫ ④ ⑨ ⑭ ⑬ ⑦ ⑩ ③ 事業中 ⑧ 計画中 未計画 路線名等 計 画 概 要 暫定4車線供用に向け事業中 ②栗ノ木道路 笹越橋立体化に向け事業中 国道8号 ③白根バイパス 暫定2車線供用に向け事業中 国道49号 ④亀田バイパス 4車線供用に向け事業中 国道113号 ⑤松浜橋上流橋 暫定2車線供用に向け事業中 国道402号 ⑥402号バイパス 暫定2車線供用に向け事業中 国道7号 放射方向 名 称 等 ①万代橋下流橋 国道403号 国道460号 環状方向 (主)新潟大外環状線 ⑦亀田新津道路 暫定3車線供用に向け事業中 ⑧小須戸田上バイパス 暫定2車線供用に向け事業中 ⑨巻南バイパス 暫定2車線供用に向け事業中 ⑩臼井橋 臼井橋架け替えに向け事業中 ⑪(仮称)新潟中央環状道路 国道116号∼国道8号間 合併建設計画区間(暫定2車線) ⑫(仮称)新潟中央環状道路 国道8号∼国道49号間 早期事業化に向けた検討 ⑬(仮称)新潟中央環状道路 横越工区 暫定2車線供用に向け事業中 ⑭(仮称)新潟中央環状道路 豊栄工区 4車線(橋梁部暫定2車線)供用に向け事業中 −16− (2)都市内交通の円滑化を図るための高速道路の利用促進や渋滞交差点の改良 ① 課 題 国道バイパスなどの放射状道路では、朝夕のピーク時に交通渋滞が発生しています が、それに並行して整備されている高速道路では容量に余裕があり、ピーク時でも渋 滞なく走行することが可能です。 このような現状を踏まえ、既存の社会基盤を活かし、都心および都心周辺部へのア クセス性を向上させる観点から、走行性が高い高速道路の有効活用が望まれます。 ② 基本的な考え方 路線バスの導入社会実験を含めたスマート IC の整備活用を推進するとともに、料金 の割引制度の導入や自動車と高速バスの組み合わせ利用を可能にするパークアンドラ イドなどの TDM 施策を推進します。 また、都市内の自動車交通の円滑な処理を図るため、ボトルネックとなっている渋 滞交差点の交通処理能力を高める道路改良を推進します。 〔一般道と高速道路の需給バランス〕 0 平日日交通量(千台/日) 50 100 0 20 平日日交通量(千台/日) 40 60 100 78 88 国道7号 99 国道8号 80 150 126 容量を超過する交通量 容量を超過する交通量 日東道 21 北陸道 46 容量に余裕がある 交通量 交通容量 12 36 容量に余裕がある 交通量 交通容量 高速道路は混雑時 でも渋滞なく走行 できます。 平均混雑時旅行速度(km/h) 90 81 80 70 60 50 40 34 30 20 10 0 新潟市内の 放射状幹線道路 0 5 平日日交通量(千台/日) 10 15 20 19 国道403号 25 30 26 (資料)H17 年道路交通センサス 平日 ※放射状幹線道路:紫竹山 IC を中心に東西および南 に放射状に伸びる一般国道 ※高速道路:北陸道・磐越道・日東道の市内区間 容量を超過する交通量 磐越道 8 15 新潟市内の 高速道路 交通量 交通容量 容量に余裕がある −17− ③ 具体的な取り組み案 ■スマート IC の整備推進 ・(仮称)新津西スマート IC の整備に関する検討 ・スマート IC アクセス道路の整備検討 ・スマート IC の大型車対応 ETC ゲートの整備促進 ・料金施策(短距離割引など)の導入検討 など ■高速バスのサービス向上 ・日東道を利用した都市間高速バス路線網の拡大 ・パークアンドライド駐車場の新規整備促進・検討 ・高速バス運行本数の増強 ・スマート IC を利用した白根方面急行バスの導入検討 など ■都心部や渡河部渋滞交差点の処理能力向上 ・栗ノ木道路(笹越交差点立体化、万代島ルート線)の整備促進 など 〔スマート IC 設置候補位置〕 豊栄スマート IC 利用状況 豊栄スマート IC ・アクセス道整備検討 黒埼スマート IC ・アクセス道整備 ・大型車対応 ETC ゲート の導入検討 (仮称)新津西スマート IC ・新設検討 凡 例 高速道路 主要道路 高速道路を活用した白 根方面急行バスの導入 検討 スマートIC −18− 新設検討 整備供用済 将来構想 (3)鉄道の利便性向上 ① 課 題 鉄道網は新潟駅を中心に放射状に整備されていますが、地域によって運行頻度や乗り 換え利便性などに差が生じています。地域間の均衡のとれた連携強化を図るためには、 鉄道駅周辺部のまちづくりを促進するとともに、運行サービスや交通結節点機能の強化 によって鉄道の利便性を向上させる取り組みが必要です。 ② 基本的な考え方 鉄道施設の現状や、地域にとって駅が担うべき役割を踏まえ、運行サービス改善や 他交通手段との乗り換え利便性の強化など、それぞれに必要な取り組みを順次推進し ます。特に、新津駅・亀田駅・豊栄駅に比べ、都心方向の運行本数が少ない西蒲区巻 駅方面の運行頻度アップについて重点的に取り組みます。 〔鉄道サービスの現状〕 西蒲区から都心に向かう運行本数 が他地区に比べ少ない。 ※運行本数は H18 年末現在 :事業中(H19 年 9 月現在) 南区には軌道系の交 通手段がない。 ※新潟駅:新潟駅連続立体交差化 南口広場整備 など 矢代田駅:駅橋上化、駅前広場整備 −19− 〔新駅設置案〕 ③ 具体的な取り組み案 ※第 3 回新潟都市圏パーソントリップ調査における長期案 ■鉄道駅の特性機能に応じた駅利用環境の整備 ・事業計画の立案および事業の推進 ⇒主要交通結節点における駅前広場・交通広場の整備促進、駅橋上化または鉄道 横断連絡自由通路の整備促進 ・バスとの乗り継ぎ利便性の強化 ⇒駅を中心とした路線バスの再編、駅前バス停環境の整備促進 ・マイカー・自転車からの乗り換え利便性強化 ⇒パークアンドライド駐車場の整備促進、駐輪場の整備促進 ・鉄道駅のバリアフリー化の推進 など ■各地域と都心を結ぶ鉄道運行サービスの改善 ・新駅設置に向けた検討 ・JR 越後線(内野駅∼巻駅間)の運行本数増加に向けた検討 など 〔新潟市における鉄道駅の分類〕 1.中枢拠点駅(新潟駅) ○新潟都市圏のターミナル機能を担うだけでなく、首都圏などからの広域的な交通を受ける結 節点であり、新潟市の玄関口として広域交流・情報発信機能も担う鉄道駅。 〔駅分類別施策の重点化〕 鉄道駅の利用環境については、駅の特性・機能・利用者数に応じて、それぞれにふさわし い整備を順次進めていきます。 2.地域(区)拠点駅 生活拠点駅 ○周辺に区役所や病院などの都市機能が集中し、地域内で最も利用者数が多い地域の中心的 な鉄道駅。 駅の機能強化に望まれる施策ポイント 中枢拠点駅 地域(区)拠点駅 ・・・巻駅、新津駅、豊栄駅、亀田駅、白山駅、内野駅 3.生活拠点駅 ※乗降者数が概ね 4000∼5000 人/日程度の駅 駅舎の整備(橋上化・自由通路) ○周辺には比較的多くの人口を抱える住宅街が広がり、主に都心や区中心方面への通勤通学 利用者が多い駅。 ・・・小針駅、寺尾駅、新潟大学前駅、荻川駅、越後石山駅、東新潟駅 ②その他 12 11 西区 秋葉区 東区 8 8 7 8 2 5 5 5 ○ 新潟駅周辺整備 (交通広場整備) ◎ ○ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ ◎ ○ 駐輪場の整備 ◎ ◎ ◎ ○ コミュニティー・生活拠点としての活用 ○ ◎ ◎ ◎ ◎:特に重要 ○:重要 ・駅前広場および駅橋上化整備事例 6 5 3 1 参考値) 新潟駅乗降者数 74 千人/日 北区 2 1 1 4 4 4 2 1 2 2 0 1 3 2 0 0 越後曽根 巻 岩室 青山 小針 寺尾 新潟大学前 内野 内野西が丘 越後赤塚 白山 関屋 荻川 さつき野 新津 古津 矢代田 東新津 新関 亀田 越後石山 東新潟 大形 新崎 早通 豊栄 黒山 乗降者数(千人/日) 10 3 ◎ 江南区 中央区 4 新潟駅周辺整備 (鉄道連続立体交差化) パークアンドライドに向けた駐車場整備等 1 日当たりの乗降者数(H17 年、新潟駅除く) 6 ○ 鉄道駅のバリアフリー化 ○上記以外の生活拠点駅 西蒲区 交通結節点機能の強化 (バス乗降場の整備、駅前広場の整備など) その他 ◎ 業務・商業・交流などの高次都市機能の集積 ①利用者数が多い駅 乗降客が 多い駅 ※豊栄駅橋上化および駅 前広場 H18 年完成 ※JR 東日本データ 駅橋上化された豊栄駅の駅前広場 −20− 豊栄駅内の自由連絡通路 −20− (4) 都心方向へのバスサービスの向上 ① 課 題 新潟市内のバス路線網は、大きく分けて都心部および都心周辺部方向にアクセスする 路線と他地域間を結ぶ路線によって構成されています。 しかし、都心部および都心周辺部方向に結ぶバス路線では、朝夕の道路渋滞による走 行性低下が生じており、また、各地域ではバス路線間の乗り継ぎが不便でわかりにくい といった問題があります。 このため、これらバス路線について利用者のニーズを的確に把握し、路線間の円滑な 乗り継ぎや各路線に求められるサービスの向上を図る必要があります。 ② 基本的な考え方 新潟市内のバス路線を体系的に分類し、それぞれの機能・役割を踏まえた必要な環境整 備を行うとともに、鉄道を含む公共交通を一体的なネットワークとして機能させることに よってバス利用の利便性を高めます。 〔バス路線網と公共交通空白地域〕 ※路線バスの考え方については次ページ右上参考「新潟市のバス交通の分類」参照 ※公共交通空白地域:バス停から半径 300m 以上かつ鉄道駅から半径 500m 以上の集落 〔白根線急行バス(潟東営業所∼新潟駅)の国道 8 号白根(北田中)∼黒埼 IC 間における走行性〕 北田中→黒埼IC間所要時間(分) 0 非降雨(雪)時 昼間オフ ピーク時間平均 非降雨(雪)時 朝ピーク 時間帯 降雨時 朝ピーク時間帯 10 20 30 40 50 60 70 19 昼間オフピーク時に 比べ 3 分増加 22 26 大通地区における朝の状況 ※H18 年白根線急行バスプ ローブデータより 昼間オフピーク時 に比べ 7 分増加 降雪・積雪時 朝ピーク時 間帯 60 −21− 昼間オフピーク時に 比べ 41 分増加 ③ 具体的な取り組み案 ■各地域と都心を結ぶ路線バスのサービス改善 ・国道 113 号、国道 116 号、(主)新潟新発田村上線の利用環境整備 ⇒PTPS、バス接近表示システム、バス停環境改善など ・国道 8 号白根方面バスの走行性改善に向けた実証実験の実施 ・幹線バスと区バス・住民バスの結節強化 など 〔新潟市におけるバスの分類(高速バスは除く)〕 〔将来の幹線バス網計画〕 1.幹線バス(基幹・骨格幹線・その他幹線バス) 広域・幹線路線 ○都市内の社会経済活動を支える路線、または地域の交 流・連携を図る広域的な路線 ※第 3 回新潟都市圏パーソントリップ調査 における長期案 ○基本的には交通事業者が主体となって運行するが、重要 路線との位置づけから行政も支援 《幹線バスの分類》 ①基幹バス 都心および都心周辺部を循環し、主要な拠点を結ぶ路線バス ②骨格幹線バス 以下の役割を担う路線バス ・各方面からの都心アクセス交通に対して、主要都市拠点への交通の円滑な誘導を担う路線バス ・鉄道利用不便地区において都心部へのアクセス交通を担う路線 ③その他バス路線 基幹バスと骨格幹線バスを補完する路線バス 2.区バス ○区の一体感の醸成など区のまちづくりに資するととも に、生活交通の充実に寄与する準幹線的路線 ○区民の合意のもと、行政が主体となって運行 3.住民バス ○廃止バス路線や公共交通空白地域を対象に、日常生活 に必要なバスを地域が主体的に運行する路線 ○地区住民が主体となって運営を行い、行政が一定の補 助上限枠を設け支援 地域密着路線 バス利用環境整備については、路線毎の機能や利用者数に応じて、それぞれに ふさわしい整備を順次進めていきます。 〔住民バスと区バスが担う役割イメージ〕 ・公共交通空白地域 で運行 ・バス路線廃止地区 で運行 都心 取り組み 基幹バス 骨格幹線バス その他幹線バス 専用カラーリングの導入 広告付きバス停上屋の整備 支所 支所 区役所 バス停環境整備 支所 鉄道 病院 ・公共的施設へ アクセス 〔幹線バスの分類別施策〕 ノンステップバスの導入 区役所 商業施設 快速バスの導入 駅 にいがたバスiの導入 支所 バス接近表示システムの導入 ・区のまちづくりに資するもの ・住民の新たなニーズに対応 ・目的地まで概ね30分 バスレーン・PTPSの導入 凡 例 広域的・幹線的路線 地域密着路線 交通事業者が主体 広域的・幹線的バス路線 行政が主導 区バス 地元が主体 住民バス −22− 運行本数の増加 −22− (5) 安全・快適で回遊性の高い自転車利用環境の整備 ① 課 題 自転車は買物・通勤・通学、レジャー・レクリエーションなど様々な目的で多くの人々 に利用されており、全国の自転車の保有台数は自動車を上回るペースで年々増加してい ます。 近年では、排気ガスや騒音などの環境負荷が小さく、経済的な交通手段として見直さ れ、またガソリン価格の高騰や健康志向の高まりなどから、全国的にその利用ニーズが 高まっています。 このような中、新潟市においては、地域間連携や交流を支える多核連携型の都市構造 の構築に向けて、主要な拠点を結ぶ自転車の広域ネットワークの整備などにより、自動 車や公共交通だけでなく自転車利用ニーズにも対応します。また、自転車の環境面にお けるメリットをより活かし、まちなかの中距離移動手段として自転車を活用するための 通行環境整備により、自転車の利用を促進していくことが必要と考えます。 ② 基本的な考え方 水辺空間などの活用により各地域拠点・他交通手段との交通結節点・種々のレジャ ー・レクリエーション施設を結ぶ回遊性の高い広域ネットワークやまちなかの拠点を結 ぶ快適な通行環境の整備を推進します。また、レンタサイクルの拡充・サイクルトレイ ン(自転車と一緒に乗車できる鉄道)・水上バスへの自転車乗船といった他交通手段との 連携など、二次交通における自転車利用を促進するための取り組みを推進します。 〔全国の自転車保有台数の推移〕 自動車の保有台数を上回るペースで増加 9,000 全国の自転車保有台数 自転車保有台数(万台) 8,500 全国で 8,665 万台 8,000 7,500 7,000 全国の自動車保有台数 6,500 6,000 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 (資料) 自転車保有台数→自転車産業振興協議会資料 自動車保有台数→新潟運輸局新潟陸運支局「新潟県陸運概況」各年3月31日の状況 参考)平成 19 年度現在実施中の自転車と他交通手段と連携した取り組み(サービス) サービス内容 都心部を中心とした自転車レンタルサービス 通勤時に新津駅・新潟駅で自転車をレンタルす る鉄道の乗り継ぎ利便性を高めるサービス 信濃川ウォーターシャトルの自転車乗船 自転車乗船サービス。通常200円であるが、 における割引サービス レンタサイクルの場合100円割引 にいがたレンタサイクル(H14年4月∼) エコ自転車通勤システム(H12年10月∼) −23− ③ 具体的な取り組み案 ■広域的な自転車道ネットワークの整備 ・電鉄跡地を活用した自転車道の整備 など ■他の交通手段との連携 ・サイクルトレインの導入検討 ・レンタサイクルステーションの増設 ・創意工夫によるレンタサイクルの普及促進 など ■自転車の利用促進に向けた情報提供・PR ・案内板・道路標示の設置、サイクリングマップ作成 など 〔自転車道整備事例(新潟市内)〕 ・新潟安田自転車道 (信濃川やすらぎ堤) ・萬代橋 〔他交通手段との連携事例〕 ・エコ自転車通勤システム(新潟市秋葉区) ※H12 年 10 月 1 日∼12 月 31 日現在は本格実施中 新津駅前駐輪場 モニター募集に よる PR 活動 ・JR 白新線におけるサイクルトレイン 「チャリっ子」※H18 年 6 月 24、25 日実施 PR チラシ 実施状況 −24− 〔広告設置権利を活用したレンタサイクル事例〕 ・オスロ市(ノルウェー)におけるレンタサイクル施設と広告看板 自転車導入台数:1,200 台 設置ラック数 : 100 基 資料)クリアチャネル・ジャパン株式会社 ・パリ市(フランス)「Velib」運営の仕組みと概要 市内 1,600 箇所の広告 パネル設置優先権 大手広告会社 パリ市 [JC Decqux 社] 広告優先権料 広告優先権取引による収入を活 用したレンタサイクルの実施 レンタサイクル「Velib」の概要 ■2007 年 7 月 15 日より実施 ■約 2 万台のレンタサイクル ■300m おきのステーション ■料金 (登録料) 1 日 :1 ユーロ 1 週間:5 ユーロ 1 年 :29 ユーロ (使用料) ∼30 分:無料 31∼60 分:1 ユーロ 61∼90 分:2 ユーロ 91 分∼ :30 分ごとに 4 ユーロ ずつ課金 −25− 広告優先権料と使用 料により、新たな納税 者負担を強いることな く、大規模で安価なレ ンタサイクルを運営 都心部の自転車通行環境整備イ メージは次ページ参照 自転車通行環境(整備中・整備済み) −26− −26− 都心部における 自転車通行環境整備イメージ図 新潟島一周自転車道のネットワーク化 新潟駅と海を結ぶ 自転車ネットワークの整備 道路空間活用などによる駐輪スペースの確保 ・自転車等放置禁止区域の拡大検討エリア ・計画的な駐輪場の確保 自転車走行空間の確保 新潟駅連続立体化事業に合わせた ・駅南広場などの整備に伴う駐輪場の確保 自転車利用環境の整備 ・新潟駅南口∼鳥屋野潟南部地域方面へのレン (都心地区全体) タサイクルステーションの導入検討 ・既設駐車場を活用した ・自転車等放置禁止区域の拡大検討エリア 駐輪スペースの確保 −27− −27− 3−3.地域の快適な暮らしを支える交通戦略 (1) ニーズに対応した生活バス路線の適正な運行と移動サービスの向上 ① 課 題 自動車を利用しなくても日常生活に必要な一定のサービスを享受できるようにする ため、公共交通による「まちなか内」 ・ 「周辺からまちなかへ」 ・ 「地域間」の移動手段を 確保し、路線バスをはじめ区バスや、住民バスを地域の生活交通として定着させていく 必要があります。 ② 基本的な考え方 日常生活における市民ニーズを的確に把握し、各地域の実情に応じて、より効率的な バスの運行実現と利用環境整備に取り組みます。区バスについては、利用者が見込めな い場合廃止し、新たな運行形態を検討します。 また、地域が主体となって、自らの生活交通確保に取り組む住民バスを積極的に支援 していきます。 ③ 具体的な取り組み案 ■路線バスの維持・確保 ・利用促進と運行補助 ■区バスの運行改善と利用促進 ・試行運行に関する事業評価と情報開示、区民の利用啓発の推進 ・需要に応じた新たな運行形態の検討(デマンドバスまたはタクシーシステムなど) ・福祉有償運送サービスや通学バスなどの目的バスとの機能連携検討 など ■住民バスの運行支援に向けた取り組み ・需要に応じた新たな運行形態の検討 ・新規運行、計画の企画・立案の協力 ・大型商業施設・協賛企業等の協力による新たな運行スキームの検討 など ■区バスおよび住民バスの他路線とのサービス統一に向けた検討 →バス停の相互利用、乗継割引、乗り継ぎダイヤ、路線表示の統一、IC カード利用 など ■路線の再編に向けた取り組み 〔区バス・住民バスの改善方針〕 調査 地域住民 のニーズ と評価 以下の項目について利用しない人も含めた地域住民の期待度・満足度 を把握し、地域住民の満足度が低く期待度・重要度が高い項目について 対応策を検討します。 運営と運 行の評価 運営・運行に関する改善ポイ ントは以下の通りです。 ・収入と支出のバランス ・運行の適切性(他バス路線 と競合していないか? な ど) 改善方法の検討 環境負荷軽減、まちづくり への寄与、移動制約者の移 動確保など 収入(運賃収入、補助金、 寄付、会費など) 支出(バス停費用、 人件費、車両の維持 費、など) ■検討のポイント ※区自治協議会とは ①利用者の意見を反映させる検討体制 新潟市が目指す分権型政令 ②地域の利用者ニーズに対応したサービスの改善 市を実現し,市民と行政との協 働によって,住民自治の推進を ・車両、ルート、運賃、運行本数などの変更 図るために,各行政区に設置す ③運営・運行に関する改善 る市長の附属機関です。 ・他路線との重複の見直し ・デマンド形式などのさまざまな運行方法の検討 ・区自治協議会※・地元団体・NPO など地域主導による運行確保 ・企業支援による運行・運営(例.大規模商業施設からの巡回バスなど) ・多様な収入源の確保(例.広告収入など) −28− (2) 徒歩や自転車による生活を支援する地域内の交通環境の整備 ① 課 題 歩行者・自転車が関わる交通事故は、交通事故全体の増加率を上回るペースで増 加しています。このような事故の危険性の多くは、歩道や自転車の通行環境ネット ワークが不連続で道路が狭く、通過交通が多い生活道路で発生していることから、 通過交通の適切な誘導や歩道および交通安全施設の整備を進め、市民が安全・安心 に暮らせる居住環境の整備を推進する必要があります。 ② 基本的な考え方 多くの人々が利用する商店街や公共施設周辺では、徒歩や自転車が安全で快適に通 行できるバリアフリーに配慮した道路環境を整備するとともに、主要施設の駐輪施設 整備を促進します。 また、地区内の生活道路では、見通しの悪い交差点の改善や自動車の速度を低下さ せる工夫について検討を進めます。 さらに、バリアフリー新法の施行(平成 18 年 12 月 20 日)に伴う移動円滑化に係わ る対象事業が拡大されたことから、旅客施設からの徒歩圏外も対象とした歩行空間お よび施設のバリアフリー化に向けた検討を進めます。 H13年を100とする指数 〔旧新潟市における歩行者・自転車事故件数の推移〕 114 120 115 (1,228件/年) 112 109 110 105 100 100 歩行者・自転車の事故が 全事故件数を上回るペー スで増加しています。 107 104 103 (4,306件) H14 H15 H16 95 90 H13 交通事故件数計 歩行者・自転車が関連した事故件数 (資料) 新潟市統計書 〔自宅からの距離帯別の歩行中死亡事故件数割合(全国)〕 不明 2.6% 2km以上 21.7% 1km∼2km 6.9% 500m以内 56.3% 500m∼1km 12.5% (資料)国土交通省(H12 年データ) −29− ③ 具体的な取り組み案 ■安全で快適な道路環境整備 ・公共・医療福祉・教育施設周辺の歩道及び交通安全施設の整備促進 ・公共施設・鉄道駅・主要バス停への駐輪施設の整備促進 ・事故危険交差点の改善策の実施 ・駅周辺のバリアフリー化 ・自転車通行環境の整備 など 〔地域内の歩行者空間および自転車の通行環境の安全性・快適性向上イメージ〕 クランクやハンプによる自動車交 通の速度抑制による住宅街の安全 性向上 駅周辺における歩行空間の確 保とバリアフリー化 公共施設を中心にした歩 道や自転車通行環境ネッ トワークの連続性確保 駅 学校 公共施設周辺の歩道の整 備やバリアフリー化 バス停や駅における駐輪場の整備 歩車分離式信号設置などによ る事故危険交差点の改善 :快適かつ安全な歩道や 自転車通行環境の整備 −30− (3) 駅施設を利用した多様な活用方策の検討 ① 課 題 多くの人々が利用する鉄道駅は、来訪者が最初に訪れる場所であり、個性ある まちづくりに欠かせない拠点施設として、その活用が期待されます。 ② 基本的な考え方 鉄道駅の交通結節機能の強化に加え、鉄道利用者だけでなく多くの人々が集うま ちなかの拠点施設としての特性に着目し、地域の情報発信やコミュニティ形成とい った多様な活用方策について関係者とともに検討を進めます。 ③ 具体的な取り組み案 ■駅施設の多様な活用 ・情報案内機能の強化 ・観光・地域・防災などまちの情報拠点としての連絡通路等の駅舎空間活用方策検討 ・多くの市民が利用するサービス・コミュニティ拠点としての活用方策検討 ・駅関連施設整備と管理に係る関係者の連携協力体制のあり方検討 など 〔地域拠点施設として望まれる駅の機能〕 基本的な駅の 機能(従来の駅) 機能の分類 代表的な施設 交通結節機能 通路、乗降施設、駐輪場、バス 乗降場、乗り換え案内表示、運 行情報提供施設、乗り換え待ち スペース など 地域拠点施設 として求められる 駅の機能 情報提供機能 地域情報案内所 防災情報掲示板 施設案内所 など 住民サービス・ コミュニティ拠点機能 特産品の販売・展示、集会広場、 コンビニ、公共サービス施設 託児所、福祉施設 −31− など 3−4.市街地の賑わいと都市の活力を創出する交通戦略 視点 C:質の高いサービスと移動性を確保する都心部および都心周辺部の交通施策 (1) まちなかを快適に移動できる利便性の高い公共交通の実現 ① 課 題 都心や都心周辺部の公共交通の利便性を高め、まちの賑わいや活力を創出するまち づくりを推進していくため、新潟駅直下を結ぶ基幹公共交通軸の形成に向けて、運行サ ービスの向上や交通結節点の強化に先行的かつ段階的に取り組む必要があります。 また、野球場など拠点施設の整備が進められている鳥屋野潟南部開発地区において、 開発計画との連携を図りながら、アクセス軸となる公共交通サービスを充実させる必要 があります。 ② 基本的な考え方 基幹公共交通軸の形成に向けた「にいがた基幹バス(りゅーとリンク)」(平成 19 年 11 月運行開始)を中心とする都心および都心周辺部における公共交通の利便性向上に 向けて、市中心部に集中する路線間の乗り継ぎ利便性の強化や利用者の視点に立った きめ細やかな利用サービスの提供に向けた取り組みを推進します。 〔基幹公共交通軸形成に向けた「にいがた基幹バス(りゅーとリンク)」(H19 年 11 月運行開始)〕 万代島再開発事業 新潟駅周辺整備 シビックコア地区整備 鳥屋野潟南部開発地区 −32− ③ 具体的な取り組み案 ■基幹公共交通軸の形成に向けた取り組み ・にいがた基幹バス(りゅーとリンク)の運行サービスの向上 →交通結節機能の強化、弁天線へのバスレーンの導入検討 など ・公共交通軸沿線への適正な土地利用の誘導 など ■バスの定時性・走行性の向上に向けた取り組み ・IC カードの導入 ・公共車両優先システム(PTPS)の拡充 など ■利用者の視点に立ったきめ細やかなバスサービスの提供 ・ノンステップバスの導入 ・IC カードを活用した乗り継ぎ運賃サービスの向上 ・バス待環境の改善(バス停上屋整備・隣接する商業施設(コンビニ、病院など)との 連携など) など 〔基幹公共交通軸形成後の基幹バスと郊外路線との接続イメージ〕 西新潟 方 面 市役所 県 古 町 万 代 113 号 方 面 旧 7 号, 牡丹山 方 面 庁 新潟駅 新市民病院 8 号方面 曽野木 方 面 駅南・ 長潟 旧 49 号 方 面 基幹バス 郊外方面バス 交通結節点 −33− 〔利用者の視点に立ったきめ細やかな対応策例〕 利用者の属性 買い物客 通勤・通学者 広域からの来訪者 (観光・イベント来 訪者など) 高齢者、障がい者 利用者が求めるサービス 対応策例 ・時刻表を気にせず、待たずに乗れる ・屋根があるので雨にぬれない ・荷物をおいてゆっくり休める ・乗り換え料金を気にせず利用できる ・料金体系が分かりやすい ・バス IC カードで買い物の支払いが できる ・買い物すればするほど、運賃が安く なる ・バス内で荷物をおける 運行本数の増強、バス i 導入 バス待ち環境の整備 バス待合室やベンチの整備 1 日フリーパス、乗り継ぎ割引 ワンコインバスの導入 買い物と運賃支払いができる共 通 IC カードの導入 商業施設と連携した IC カード割 引 利用しやすい車両の導入 ・郊外ショッピングセンターと市内の デパートの両方で買い物できる ・バスの到着時間を把握でき、待たず に乗れる ・他路線との乗り換えがしやすい ・渋滞に遭わず、始業時間に間に合う ・遅い時間でも利用できる ・快適に目的地まで行ける ・新幹線、在来線からの乗り継ぎがし やすい ・乗りたいバスに、迷わず乗れる ・一目で乗りたいバスが分かる ・待たずに乗れるバス運行(数分おき の運行) ・行きたいところへ、すぐ行ける ・段差がなく乗りやすい 郊外の商業施設からの P&R 導入 ・バス停と公共施設までが近い ・バスのカラーリング バス i やバスロケーションシス テムの拡充) 交通結節点機能の強化 PTPS の導入など 深夜バスの導入 急行・快速バスの導入 鉄道駅での乗り継ぎ利便性の強 化 案内表示の設置 バスのカラーリング 運行本数の増強 直通バスの導入 ノンステップバスの導入(バリ アフリー化) バス停配置の改善 ・ノンステップバス H19 年 11 月から運行の(仮称)にい がた基幹バスのデザイン −34− (2) 拠点間を結ぶ公共交通の充実・強化 ① 課 題 万代島(朱鷺メッセ、佐渡汽船)・鳥屋野潟南部開発地区・新潟空港・県庁地区などの 拠点と新潟駅を結ぶ路線バスの運行サービスを強化・充実するとともに、各拠点間を結 ぶ公共交通の利便性を高める必要があります。 ② 基本的な考え方 基幹公共交通軸沿線の拠点については、 「にいがた基幹バス(りゅーとリンク)」の運行 サービス向上と交通結節機能の強化により拠点アクセスの利便性を向上します。また、 新潟空港へのアクセスについては、早期に実現可能な改善策に取り組み、空港利用者の 動向を把握しながら、本格的なアクセス改善を段階的に推進します。 ③ 具体的な取り組み案 ■拠点への公共交通アクセス性改善 ・新潟駅と新潟空港を結ぶアクセス改善への段階的取組み(新潟駅南口広場を前提に 発着するリムジンバス運行)の推進 ・新潟駅から万代島地区、西港の旅客ターミナルへの公共交通サービスの向上 ・県庁方面と新潟駅を結ぶバス路線へのバスレーンの導入検討 など ■イベント開催時におけるシャトルバスの運行改善に向けた取り組み ・新たなシャトルバス運行の検討(J1サッカー試合、トキめきにいがた国体開催時 など) など 〔空港アクセス改善に向けた段階的な取り組み方策〕 超短期的取り組み ② 空港バス運行頻度アップ社会実験(H19 年 7 月∼H20 年 2 月) ③ 乗り換え案内の充実 短期的取り組み 中・長期的取り組み 新潟駅南口からの空港リムジンバス新設 段階的なアクセス改善を進め着実に利用者を増加させつつ、将 来の社会情勢の変化等を踏まえながら、定時性・速達性に優れた 鉄軌道を中心としたアクセス改善策の検討を行う。 新潟空港アクセス改善検討委員会の提案(平成 18 年 12 月)より −35− 段階的な取り組みの推進 ① 新潟駅空港バス降車場の変更(H19 年 3 月∼実施) 〔短期的取り組みイメージ〕 新 幹 線 改 札 口 エスカレーター タ ク シ ー 乗 降 場 バスターミナル 空 港 リ ム シ ゙ ン ハ ゙ ス 乗 降 場 ( 予 定 ) E V 自 駐 動 車 専用リムジン車両導入イメージ (仙台空港アクセスバス) 車 場 新潟駅南口広場整備イメージ 自動券売機設置イメージ 〔中・長期的取り組みイメージ〕 空港アクセス鉄道整備イメージ 〔事例;仙台空港アクセス鉄道〕 仙台空港駅 車内状況 −36− (3) 自動車交通を適正に分散・誘導する都市内道路網の整備 ① 課 題 都心部や都心周辺部では、交通渋滞の緩和や住宅地への通過交通の流入を 抑制するため、河川断面の交通容量確保や新潟バイパスなど広域幹線からの アクセス道路の整備を進めてきました。 今後は都市環境をさらに良好なものとするため、交通の円滑な処理を引き 続き図るとともに、土地利用やまちづくりと連動した道路網整備を推進する 必要があります。 ② 基本的な考え方 新潟駅の南北を結び、駅周辺の一体的な都市構造を構築する道路網整備や都 心および都心周辺部の関連交通を適正に誘導分散し、円滑な交通処理を図る都 心環状道路など、幹線道路網の整備を推進します。 ③ 具体的な取り組み案 ■円滑な交通を確保するための道路整備 ・寄居浜女池線や網川原線の整備促進 など ■まちづくりと連動した道路整備 ・都心環状関連道路の整備促進 ・新潟駅周辺を一体的に結ぶ鉄道断面における道路整備 など 〔新潟駅周辺整備における幹線道路網計画〕 新潟駅周辺では鉄道の横断 路として 4 路線を整備 (資料)新潟駅周辺整備の計画概要 −37− 〔都心環状道路の位置〕 都心部に集中する自動車交通の誘導分散を図る都心環状道路の整備促進によ り、まちなかに流入する通過交通を抑制し、人や環境にやさしい都心環境の実現 を目指します。 《都心環状道路の構成ルート》 (都)万代島ルート線(笹越橋交差点∼柳都大橋∼広小路∼寄居町交差点) 一般国道 116 号〔東中通〕(寄居町交差点∼市役所前交差点) 一般県道白山停車場女池線(市役所前交差点∼昭和大橋∼堀之内交差点) 主要地方道新潟黒埼インター笹口線〔笹出線〕(堀之内交差点∼笹越橋交差点) (都)東港線(上所島幸西 3 丁目交差点∼柳都大橋東詰交差点) 寄居町交差点 柳都大橋東詰交差点 市役所前交差点 上所幸西 3 交差点 堀之内交差点 −38− 笹越橋交差点 〔柾谷小路での交通状況〕 視点D:都心部における賑わい空間や魅力に資する交通施策 (1) 都心部道路の役割分担と道路空間の再構築 ① 課 題 様々な交通が集中 し、走行性が低下 都心地区では万代島ルート線の整備や新潟駅連続立体交差化に伴い、交通流動が大きく変化する ものと予測されます。 このため、これらの整備状況に合わせて、自動車交通の円滑な処理や歩行者にやさしく利便性の 高い道路空間整備に段階的に取り組み、都心地区を賑わいや魅力あるものとする必要があります。 ③ 具体的な取り組み案 ② 基本的な考え方 都心環状道路の整備や新潟駅連続立体交差化を促進するとともに、基幹公共交通軸や快適で賑わい のある歩行者空間など、道路の機能分担に応じた多様な道路空間整備を推進します。 ■都心環状道路の整備促進 ・万代島ルート線 西堀∼秣川岸通間 ほか ■将来を見据えた段階的な交通規制の見直し ■道路機能の分担と再構築による多様な道路空間整備の推進 ・自転車通行環境の整備、駐輪施設の設置 ・違法駐車対策、荷捌きスペースの確保 など 〔都心部の道路網の現状と将来の再構築後道路ネットワークと役割分担イメージ〕 現 状 将来イメージ 公共交通軸分離型 歴史や文化を生かした賑わい空間活用型 (モール、歴史・文化) −39− −39− (2) 歩いて楽しい回遊性の高い都市環境整備 ① 課 題 賑わい創出や魅力あふれるまちづくりを進めていくためには、水辺空間、歴史 的建造物、拠点などを結ぶ歩行者自転車空間を改善または整備し、街に来る人、 住む人の目的に合った回遊性の高い都市環境整備を推進する必要があります。 ② 基本的な考え方 基幹公共交通軸を中心に回遊性の高い歩行者自転車空間ネットワークを構築す るとともに、既存レンタサイクルの充実強化に向けた検討を進めます。 特に大規模商業施設、大規模駐車場、市内および郊外への路線バスが集中する万 代地区と古町地区では、地区内の歩いて楽しい快適な歩行者自転車空間の整備を重 点的に推進します。 ③ 具体的な取り組み案 ■都心地区を回遊できる歩行者空間ネットワークの形成 ・万代地区における拠点施設を結ぶ歩行者空間の整備 ・古町地区の歴史、文化、商業を結ぶ歩行者空間の整備 ・堀と柳の歴史を活かしたみちづくりと市民参加 ・水上バスを活用した回遊ルートの検討 ■快適でうるおいのある歩行者自転車空間の整備 ⇒緑化、景観整備、公共スペースのイベント活用 など など 〔まちづくりイメージ〕 ・町屋を活かした湊町の息吹を感じるイメージ ・快適で楽しく回遊できるまちのイメージ (資料)古町周辺地区まちづくり基本計画 −40− 都心部における 歩行者空間整備イメージ図 快適で回遊性の高い賑わい空間 ■ 歩行者が安全に通行できる連続性 を持った道路空間整備 ■ オープンカフェや緑陰スペースな ど、道路空間の多様な活用方策の検討 ■ 路地・小路が持つ個性や魅力を活か した環境整備、情報案内板の充実 学校町通方面と白山地区を結ぶ 動線軸の強化 新潟島を一周できる歩行者ネ ットワークの形成 古町地区と信濃川・港を結ぶ 動線軸の強化 ■ 旧新潟税関と海岸の遊歩道を 結ぶ歩行者空間の整備 ■ ■ 旧国道 116 号(県庁裏線)の車線運 用を見直し歩行者空間に活用 新堀通り・新津屋小路と水辺を 接続する歩行者空間の整備検討 會津八一記念館 マリンピア日本海 美術館 砂丘館 旧新潟税関 大 大 みなとぴあ 高 大 NEXT21 佐渡汽船ターミナル 医歯学総合病院 高 クロスパル にいがた 高 白山駅と周辺施設を結ぶ 歩行環境の改善 ■ がんセンター方面を接続 する快適な歩行者空間整備 ■ 駅前広場の整備と連動し た周辺道路環境の整備検討 朱鷺メッセ 古町 高 高 高 高 快適で回遊性の高い賑わい空間 市役所 萬代橋 ■ JR 白山駅 陸上競技場 県政記念館 万代クロッシング りゅーとぴあ 県立がんセンター 歩行者が安全に通行できる連続性 を持った道路空間整備 ■ オープンカフェや緑陰スペースな ど、道路空間の多様な活用方策の検討 ■ 万代クロッシング接続する快適な 歩行者空間整備、情報案内板の充実 県民会館 万代市民会館 安田新潟自転車道線 ウォーターシャトル 安田新潟自転車道線 総合福祉会館 凡 歩行者空間の主軸 水上バス乗り場 交通結節点 街なかを結ぶ動線 行政・文化・交流施設 水辺に沿った動線 国指定・登録文化財 検討・提案ルート 高・大 高校・大学 広域自転車道 レンタサイクルステーション 面的な広がりイメージ 病院 中央図書館 高 例 自転車空間との分離 歩行者が自由に行き来できる 駅周辺環境の整備 JR 新潟駅 ■ 歩行者と自転車の分離検討、自 転車走行空間の確保 ■ 連続立体交差化事業と関連街路 の整備推進 ■ 利便性の高い駅内通路や広場環 境の整備、情報案内板の充実 −41− −41− (3) まちづくりと一体となった駐車・駐輪対策 〔都心地区内の駐停車および駐輪対策の考え方〕 ① 課 題 ■自動車・オートバイの駐停車対策 歩行者自転車の通行の妨げとなっている歩道駐輪やタクシー・荷捌きの駐停車スペースの不足 など都心部内の様々な駐停車問題を解決し、魅力ある都心のまちづくりを推進するため、都心部 内の自動車交通の削減や駐停車の適正化に向けた新たな工夫を取り入れながら、多様な駐車ニー ズへの取り組みを総合的に進めていく必要があります。 (自動車) ・自動車交通の増加に伴う供給を主とした駐車場施策を見直し、必要に応じた駐車施設の整備を 図りながら、まちづくりや既存駐車場の効率的活用の観点から施策を展開するとともに、マナ ーアップ活動を強化。 ② 基本的な考え方 (オートバイ) 基幹バスやレンタサイクルと連携した郊外部駐車場におけるP&Rや都心環状道路沿いの駐車 場の整備など、都心部内のマイカー交通の削減に向けた取り組みを推進します。 また、都心部内では安全で快適な自転車の通行環境や駐輪施設の設置等による秩序ある自転車 利用を促進するとともに、駐停車問題に対し、違法駐車対策・荷捌きスペースの確保など、関係 者との連携を図りながら適切なルールづくりや施設整備・既存施設の効率的な活用を促進します。 〔顕在化する問題〕 万代地区 ・自転車等の対策と併せて、既存駐車場および駐輪場の効率的活用等により施策を展開するとと もに、マナーアップ活動を強化 ■自転車の駐輪対策 ・放置自転車の削減に向けて、駐輪施設の充実・既存施設の活用または連携により、適正に駐輪ス ペースを確保し、自転車等放置禁止区域の拡大などによりマナーアップ活動を強化。 古町地区 ・違法駐停車やタクシーの客待ち待機列など による交通環境の阻害 駐停車対策 ・道路の路肩で行われる積み卸し 駐輪対策 ○駐輪スペースの確保 ○分かりやすい情報提供などのソフト面の ・無秩序な自転車の駐輪・オートバイの駐車 や違法駐車による歩行者自転車の通行阻害 と景観悪化 ・駐輪施設整備 対応による駐車場の有効活用と運営管理 ・既存の民間施設との連携 ○歩道への乗り入れ口削減に向けた駐車場 商業施設周辺の無秩序な自転車の駐輪と自動二輪車の駐車 など の集約化・共同化 ○郊外 P&R など、他交通施策との連携 ○既存駐輪場と連携したオートバイの駐車 スペースの確保 ○荷捌きスペースの確保 東掘通 隙間なく駐車するタクシー 利用ルールづくり、モラル向上に向けた啓発活動 荷捌きスペースがないため、 やむを得ず路上駐車 〔多様な交通手段に対応した都心アクセス のイメージ(施策効果の方向性)〕 〔都心部アクセスと駐停車の現状〕 マイカーに依存した都心アクセス 〔都 路上駐車・駐輪が発生 心〕 多様な移動ニーズに対応した都心アクセス 都心アクセス交通の交通手段別トリップ数 徒歩 54,394 14% 二輪車 36,434 10% 自動車 221,557 58% バス 37,543 10% 鉄道 29,675 8% 全手段 379,603 100% 駐輪スペース オートバイ マイカー P&R 駐車場 駐車場 バス 鉄道 バス停 駅 レンタサイ クルステーション ※オートバイ:原動機付自転車、自動二輪車 ※平成 18 年 11 月の改正駐車場法の施行により、自動車二輪車は自動車に追加さ れ、駐車面積など条件によっては、技術的な基準が設けられました。 自転車 割合 レンタサイ クルステーション 駅 レンタサイ クルステーション バス停 レンタサイ クルステーション バス 鉄道 OD 単位:トリップ/日 駐輪スペース 駐車場 ・安全快適な歩行者自転車空間 荷捌きスペース タクシープール 業務車両・タクシー 自転車 オートバイ マイカー 心〕 ・回遊性の高い都市空間 荷捌きスペース タクシープール 業務車両・タクシー 〔都 凡 例 施設の新設または 既存施設の効率的活用 乗り継ぎ連携 マイカーによる アクセスを削減 ※新潟都市圏パーソントリップ調査(H14 年) ※集計エリア:古町・万代・新潟周辺地区 −42− −42− ③ 具体的な取り組み案その 1:自動車・オートバイの駐停車に関わる施策 ■道路空間や既存駐車場施設を活用した効率的な駐車対策 ・商店街と連携した荷捌きスペースの確保、利用ルール(荷捌き可能時間帯など)の検討 ・タクシー乗り場など交通利用施設のサービス向上と適正配置 ・にいがた基幹バス「りゅーとリンク」と連携したP&Rの実施 ・レンタサイクルステーションとの連携および既存駐車場、駐輪場の活用 ・カーナビ等を活用した分かりやすい情報提供 ・付置義務駐車場のあり方や駐車場の集約化・共同化に向けた検討 〔タクシー待機所確保事例(郡山市タクシー対策社会実験 H16.10∼)〕 市営西口駐車場 駅前広場から離れた 市営駐車場にタクシ ー待機場所を設置 実験前 →駅前広場 ・駅前タクシープール から繋がるタクシー 待機列 ・待機列は 1 車線を完 全に塞ぎ、一般交通 の妨げになってい る。 実験中 →駅前広場 ・適切にタクシーの配 車が管理され、違法 駐停車問題を解消。 郡山駅 〔共同荷捌き場の確保事例 (金沢市片町暫定荷捌き駐車場)〕 〔荷捌きスペース整備事例(東京都千代田区)〕 市の用地を暫定的に荷捌き駐 車場として利用 路上の荷捌き停車区画 −43− 〔カーナビを活用した情報提供事例(東京都渋谷)平成 13 年度社会実験〕 情報センター カーナビ 利用条件 の希望 利用者 情報提供 【システム導入効果】 ・利用者の 76.2%が情報を参考に駐車場を利用 ・ 〃 の 65.5%が実用化時に「利用する」と回答 ・路上駐車削減効果:導入前約 1000 台⇒導入後約 470 台 〔既存駐輪場・駐車場を活用したオートバイ駐車スペースの確保〕 ・東京都品川区大崎駅東口 区営自転車等駐車場 ・東京都八王子市 市営旭駐車場 駐車場入口 駐車状況 駐車状況 ③ 具体的な取り組み案その 2:自転車駐輪に関する施策 ■都心地区における放置自転車の削減 ・近くて利用しやすい駐輪場の整備(駐輪場付置義務条例の制定) ・裏通りや既存駐車場施設を活用した自転車駐輪施設整備 ・自転車等放置禁止区域の拡大 ・既存民間施設(駐車場等)と連携した駐輪スペースの確保 〔駐輪場整備事例(ドイツ カールスルーエ)〕 〔商業施設と連携した駐輪スペース 確保事例(寝屋川市ライフ香里園店)〕 自転車駐輪施設(表通りに接続する道路の 歩道上に駐輪ラックを設置) 資料)自転車環境創造ネットワーク −44− 3−5.地域や関係者が一丸となって取り組む交通戦略 (1) 行政・事業者・住民の役割分担・連携強化 ① 課 題 交通施策をハード・ソフトの両面から多角的に展開するためには、様々な分野の関 係者が互いに連携し、合意に基づいて、着実に施策を推進する必要があります。 ② 基本的な考え方 計画の進捗・達成状況を定期的に確認し、評価・見直しを行う推進体制を構築する とともに、地方自治体が国、交通事業者、住民(利用者)との適正な役割分担のもと、 都市交通施策を推進する体制を構築します。 ③ 具体的な取り組み案 ■関係機関者からなる推進体制づくり ・まちづくり、交通関係者からなる都市交通施策推進組織の設置 など 〔まちづくり、交通関係者からなる施策推進組織の設置イメージと PDCA サイクルマネジメント〕 学識経験者・JR・市民・交通事業者などの関係者で組織される協議会を設置し、専門 家や利用者の意見反映・実施に向けた役割分担の明確化・PDCA サイクルによるマネジメン トの実施により、地域が一丸となって効率的に施策を推進します。 ●施策推進体制イメージ JR東日本 これからは・・・ 鉄道事 業者 今までは・・・ 個別に調整を行 うため、協議に 時間がかかる 学識経 験者 市民 【協議会】 鉄道事 業者 バス・タクシ ー等の交通事 業者 交通管理者 道路事業者 地元団体組織、 NPO など ○○ 推進WG ○○ 推進WG 新潟市 バス・タク シー等の交 通事業者 協議・調整 交通管理者 道路事業者 国・県・警察 新潟市 新潟交通(株)など ●PDCAサイクルによる施策実施マネジメント 計画 Plan 見直し 当該年次の目標及び 実施内容の設定 Action 当該年次の問題点・改 善点を明らかにし、次 年度の取り組みを設定 実行 Do 関係機関の連携によ る各施策の実施 点検・評価 Check −45− 各施策の進捗状況、目標の達成状況、 施策の有効性確認 (2) 過度な自動車依存の軽減に向けた意識啓発 ① 課 題 自動車への依存を軽減するためには、利用者である市民が公共交通を利用しようと する意識を持つことが何よりも大切です。 ② 基本的な考え方 「ひとり一人のモビリティが、社会的、個人的にも望ましい方向に自発的に変化す ることを促す」というモビリティ・マネジメントの思想を受け、行政・交通事業者が 市民と継続的にコミュニケーションを図り、市民自らが便利な自動車の利用を減らそ うとする目的意識の醸成により、公共交通の利用促進と市民が支える都市交通の実現 を目指します。 ③ 具体的な取り組み案 ■環境や公共交通利用に関する意識啓発 ・「環境や健康(美容)」をテーマとした公共交通利用促進キャンペーンの実施 ・免許証自主返納者への助成 ・市民活動・住民組織との協働(にいがた都市交通マップの活用ほか) ・子どもや女性をターゲットにした親しみのあるバスデザインの導入 ・小学校を対象にした交通エコロジー教室の開催(H19年度実施 次ページ参照) ・市民や事業者が参加しやすいイベント型啓発事業の実施(バスの日ほか) ・新世代バス(ハイブリッド車など)の導入検討 など 〔意識啓発事例〕 「にいがた都市交通マップ」 にいがた環境交通研究会作成 ※今年、マップを活用したエコロジー教 室を開催予定 「新たな交通システムを考えるワークショップ」 H16.9 新潟市役所の1階ロビー バスの日のイベント会場 子どもたちに人気のあるラッピングバス −46− 〔交通エコロジー教室の実施状況(平成 19 年 10 月 31 日(水))〕 交通エコロジー教室の教材 ・ 地球温暖化問題、大気汚染等の環境と交通の問題 に関心や理解を深めて貰うことを目的として、新 潟大学教育人間科学部付属新潟小学校3年2組 で、総合学習授業を活用した「交通エコロジー教 室」を開催 ・ 交通エコロジー教室では、市民団体「にいがた環 境交通研究会」や新潟交通株式会社等と連携し、 にいがた都市交通マップを使って児童らが目的 地までのバス路線を調べ、実際にバスに乗って行 く体験学習を実施 交通エコロジー教室の開催状況写真 −47− 4.重点プロジェクトの抽出 (1)重点プロジェクト抽出の基本的な考え方 目指す都市の実現に向けて、今後 10 年間に推進する取り組みの中から、重点プロジェクトを位 置付け、重点的な推進を図ります。 抽出にあたっては、都市政策の長期展望を踏まえ、これまでの交通施策の流れに加え、高齢化・ 環境問題といった社会情勢の変化やまちづくりの観点から、今後ますます重要性を増していく 「公共交通の役割」と「既存社会資本の有効活用」に着眼し、以下3つの基本的考え方から重点 プロジェクトを抽出します。 [重点プロジェクト抽出の基本的な考え方] Ⅰ.多核連携型の都市構造と地域のまちづくりを支えるプロジェクト ○現在、地域間格差の改善が緊急の課題となっている中で、新潟市においても、鉄道 の運行本数が少ない地域、軌道系交通手段がない地域など交通サービスに地域差が 生じています。 ○さらに、高齢化が進む中で、高齢者などの移動制約者に対して一定水準のモビリテ ィを確保するためには公共交通の役割が重要と考えます。 ○このため、地域の個性や拠点性を活かしたまちづくりを推進し、一体的な都市構造 の実現を図る公共交通への取り組みを重点プロジェクトとします。 Ⅱ.都心地区のまちづくりを支援するプロジェクト ○新潟市が政令市として発展していくためには、社会経済活動の中心的役割を担う都 心地区において、まちの賑わいや活力といった観点から、まちづくりと連動した交 通施策を推進する必要があります。 ○さらに、既に着手している新潟駅連続立体交差化事業や万代島ルート線の整備の効 果を最大限発揮させるためには、基幹公共交通軸の形成や道路空間の再構築に向け て、今から先行的に取り組む必要があります。 ○このため、都心地区のまちづくりを支援する総合的な交通施策を重点プロジェクト とします。 Ⅲ.市民の自発的な公共交通利用や交通施策への参加を促すプロジェクト ○高齢化社会や環境問題への対応は国レベルでの最重要課題であり、これら課題解決 に向けて、公共交通の果たす役割は大きいと考えます。 ○一方、公共交通については、その利用者である市民の理解と協力が無ければ、施策 の実現性や有効性を高めることはできません。 ○このため、関係者が互いに連携し、市民の自発的な公共交通利用と交通施策への参 加を促す取り組みを重点プロジェクトとします。 −48− (2)重点プロジェクトの抽出 以下の 7 項目を重点プロジェクトに位置づけます。 取り組み 戦略プラン基本方針 基本方針1 多核連携型の 都市構造を支 える交通戦略 施策 重点プロジェクト 具体的な取り組み Ⅰ.多核連携型の都市構造と地域のまちづくりを支えるプロジェクト (1)社会経済活動を支える ■放射状道路ネットワークの強化 視点A ・(仮称)新潟中央環状道路、国道460号の整備促進 ほか 都心にいきやす 放射環状道路網の構築 ■環状道路ネットワークの強化 く地域間の結び ■災害に強い道路ネットワーク強化 付きを強化する 交通施策 (2)都市内交通の円滑化を ■スマートICの整備推進 Ⅰ-1.JR 越後線の利便性と運行頻度向上に向けた取り組み 図るための高速道路の利 ・(仮称)新津西スマートICの検討 ほか 用促進や渋滞交差点の改 ■高速バスのサービス向上 良 ■都心部や渡河部渋滞交差点の処理能力向上 (3)鉄道の利便性向上 ■鉄道駅の特性機能に応じた駅利用環境の整備 ・駅前広場や橋上化駅の整備 ・バスとの連携強化 ほか Ⅰ-2.白根方面骨格幹線バス(国道 8 号)を主軸とするバス利用サービスの向上 ■各地域と都心を結ぶ鉄道運行サービスの改善 ・運行頻度アップ、新駅設置に向けた検討 ほか (4) 都心方向へのバス サービスの向上 基本方針2 地域の快適な 暮らしを支え る交通戦略 ■各地域と都心を結ぶ路線バスのサービス改善 (5)安全・快適で回遊性の ■広域的な自転車道ネットワークの整備 高 い自転車利用環境の整 ■他の交通手段との連携 備 ■自転車の利用促進に向けた情報提供・PR (1)ニーズに対応した生活 ■区バスの運行改善と利用促進 視点B ・需要に応じた新たな 各地域の特性と バス路線の適正な運行と ■住民バスの運行支援に向けた取り組み 運行形態の検討 ほか ■区バスおよび住民バスの他路線とのサービス統一に向けた検討 コミュニティを 移動サービスの向上 大切にする交通 (2)徒歩や自転車による生 ■安全で快適な道路環境整備 施策 活を支援する地域内の交 ・歩行者空間、駐輪場の整備 通環境の整備 ・バリアフリー化 ほか 視点C (1) まちなかを快適に移 質の高いサービ 動できる利便性の高い公 スと移動性を確 共交通の実現 保する都心部お よび都心周辺部 の交通施策 ■基幹公共交通軸の形成に向けた取り組み ・交通結節機能の強化 ・土地利用の誘導 ほか ■バスの定時性・走行性の向上に向けた取り組み ・ICカードの導入 ほか ■利用者の視点に立ったきめ細やかなバスサービスの提供 ・ノンステップバスの導入 ・バス待ち環境の改善 ほか Ⅱ-2.古町地区における道路の役割分担と道路空間の利活用 (2)拠点間を結ぶ公共交通 ■拠点への公共交通アクセス性改善 の充実・強化 ・新潟駅と新潟空港を結ぶアクセス改善の段階的な取り組み ほか ■イベント開催時におけるシャトルバスの運行改善に向けた取り組み (3)自動車交通を適正に分 ■円滑な交通を確保するための道路整備 散・誘導する都市内道路 ■まちづくりと連動した道路整備 網の整備 ・新潟駅周辺の鉄道断面における道路整備 ほか 視点D (1)都心部道路の役割分担 ■都心環状道路の整備促進 都心部における と道路空間の再構築 ・万代島ルート ほか 賑わい空間や魅 ■将来を見据えた段階的な交通規制の見直し 力に資する交通 ■道路機能の分担と再構築による多様な道路空間整備の推進 施策 ・荷捌きスペースの確保 ・駐輪施設の設置 ほか (2)歩いて楽しい回遊性の ■都心地区を回遊できる歩行者空間ネットワークの形成 高い都市環境整備 ■快適でうるおいのある歩行者自転車空間の整備 (3)まちづくりと一体と なった駐車・駐輪対策 基本方針4 地域や関係者 が一丸となっ て取り組む交 通戦略 Ⅱ.都心地区のまちづくりを支援するプロジェクト Ⅱ-1.新潟駅を南北に結ぶ基幹公共交通軸の形成 (3)駅施設を利用した多様 ■駅施設の多様な活用 な活用方策の検討 ・情報発信やコミュニティ形成などの活用方策の検討 ほか 基本方針3 市街地の賑わ いと都市の活 力を創出する 交通戦略 Ⅰ-3.地域の特性に応じた生活交通の確保 Ⅱ-3.万代地区の交通結節機能の強化と歩行者空間整備 Ⅲ.市民の意識向上のためのプロジェクト Ⅲ-1.モビリティマネジメントの推進 ■都心地区における放置自転車の削減 ■道路空間や既存駐車場施設を活用した効率的な駐車対策 視点E (1)行政・事業者・住民の ■関係機関との体制づくり 市民や事業者と 役割分担・連携強化 ともに進める全 市的な交通施策 (2)過度な自動車依存の軽 ■環境や公共交通利用に関する意識啓発 減に向けた意識啓発 ※モビリティマネジメント 一人一人の移動が、社会的にも個人的にも望ましい方向に自発的に変化す ることを促す、コミュニケーションを中心とした交通政策 −49− −49− (3)重点プロジェクト選定のポイント Ⅰ.多核連携型の都市構造と地域のまちづくりを支えるプロジェクト Ⅰ-1.JR 越後線の利便性と運行頻度向上に向けた取り組み 西蒲区の拠点駅である巻駅は、区の拠点駅となっている信越線の亀田駅・新津駅や白新線の 豊栄駅に比べ、日中の運行本数が少なく、沿線地域の鉄道分担率も他地区に比べ低い値を示す など十分に活用されていない状況が伺えます。(以下参考図参照)。 このため、鉄道が持つ利点を最大限に活かした沿線地域のまちづくりに向けて、JR越後線 の駅環境整備や運行サービスの向上に重点的に取り組む必要があります。 Ⅰ-2.白根方面骨格幹線バス(国道 8 号)を主軸とするバス利用サービスの向上 南区は唯一軌道系交通手段がなく、通勤や通学など日常活動における自動車の依存率が他地 区に比べ高い地域となっています(以下参考図参照)。 このため、南区方面の公共交通によるアクセスを改善し、軌道系交通手段に代わる基幹軸と して、バス路線の利便性を最大限高める取り組みを重点的に推進する必要があります。 〔地区別機関分担〕 全目的 0 20 40 60 80 単位:% 100 0.3 北部 3.6 21.2 74.9 0.5 3.7 70.1 東部 25.7 0.4 南部 1.3 76.5 21.8 (資料)第 3 回パーソントリップ調査 ※北部:旧豊栄市 東部:旧亀田町、旧横越町、現秋葉区 南部:現南区 西部:現西蒲区(岩室地区は除く) 0.9 71.1 西部 自動車 通 0 2.4 25.6 バス 鉄道 勤 20 北部 40 60 80 単位:% 100 0.6 84.9 4.5 10.0 その他 通 学 0 5.713.3 80.5 71.9 東部 0.8 13.0 13.0 73.2 25.4 5.2 1.0 11.1 南部 西部 85.9 2.3 0.8 11.0 西部 鉄道 80 単位:% 100 1.6 0.4 87.5 バス 60 0.6 13.1 14.4 南部 自動車 40 北部 0.5 東部 20 67.8 4.5 14.4 自動車 その他 −50− 70.3 10.8 バス 鉄道 その他 Ⅰ-3.地域の特性に応じた生活交通の確保 平成19年度より7つの区で運行を開始した区バスは、厳しい運営状況となっており、(以下 参考図参照)、地域の特性に応じた運行サービスや新たな運行方式の導入など、市民の移動手段 として、さらに定着させるよう必要な改善措置を早急かつ重点的に講じる必要があります。 〔各区バスの収支率〕 40.0% 35.0% 収支率の目標値 30% 30.0% 収支率(%) 26.4% 25.0% 20.0% 15.0% 13.0% 11.6% 10.8% 10.0% 7.0% 5.7% 5.5% 5.0% ※収支率:期間内運賃収入÷期間内運行経費 ※H19 年 10 月 31 日までの利用実績より算定 0.0% 北 区 東 区 江南区 秋葉区 南 区 西 区 西蒲区 Ⅱ.都心地区のまちづくりを支援するプロジェクト Ⅱ-1.新潟駅を南北に結ぶ基幹公共交通軸の形成 新潟駅連続立体交差化事業の整備状況を勘案し、現在進行中のオムニバスタウン計画(平成 19 年度から 5 年間の計画)に引き続き、新潟駅直下を結ぶ基幹公共交通軸形成に向けた公共交 通の利用環境改善を重点的に取り組む必要があります。 Ⅱ-2.古町地区における道路の役割分担と道路空間の利活用 都心環状機能を有する万代島ルート線(西掘∼柳都大橋間)の整備状況によって、交通流動が 大きく変化する古町地区の道路機能を見直し、賑わいや魅力の創出といった観点から、段階的 な道路空間の再構築や適正な道路の利用について重点的に取り組む必要があります。 Ⅱ-3.万代地区の交通結節機能の強化と歩行者空間整備 万代地区は、多くの郊外バス路線が集中する都心の重要な交通結節点であり、基幹公共交通 軸の形成に合わせて交通結節機能を強化するとともに、新潟駅や古町地区などを結ぶ都市拠点 として連続性のある都心空間整備を重点的に取り組む必要があります。 −51− Ⅲ.市民の意識向上のためのプロジェクト Ⅲ-1.モビリティマネジメントの推進 高齢化や環境問題に対する社会的要請が高まっている中で、新潟都市圏の自動車分担率は約 70%と全国と比較して高い状況にあり、過度な自動車依存から自動車と公共交通のバランスのと れた交通体系を整備することが早急に求められています。 ただし、こうした課題に対応して公共交通サービスを強化するだけでは、自動車の利便性に おける優位性から施策の効果を十分に発揮できないと考えられます。 そこで、利用者である市民の理解と協力を得るため、関係者が互いに連携し、市民の公共交 通利用に対する意識向上を促進する取り組みを重点的に推進する必要があります。 〔都市圏別の代表交通手段分担率〕 0.0 10.0 20.0 代表交通手段分担率(%) 40.0 50.0 60.0 30.0 70.0 72.2 富山高岡都市圏(H11年) 90.0 4.0 69.6 新潟都市圏(H14年) 80.0 23.8 5.4 25.0 熊本都市圏(H9年) 59.3 5.9 34.8 金沢都市圏(H7年) 59.2 7.1 33.7 岡山県南都市圏(H6年) 56.4 静岡中部都市圏(H13年) 55.0 長崎都市圏(H8年) 5.9 34.9 37.7 6.7 51.7 高知都市圏(H9年) 38.3 4.0 44.3 13.8 自動車 公共交通 100.0 51.3 その他 (資料)第 3 回パーソントリップ調査 −52− 5.重点プロジェクト 5-1.JR越後線の利便性と運行頻度向上に向けた取組み JR越後線巻駅(新潟市西蒲区) プロジェクトの概要 JR越後線の運行状況は、新潟大学が利用圏域に含まれる内野駅までは概 ね 20 分間隔の運行が確保されていますが、内野駅以西では日中 60 分間隔 と白新線・信越本線に比べ、運行本数が少ない状況にあります。 しかしながら、これからの区をメインステージとしたまちづくりを進める ためには、各区を結ぶ公共交通サービスの効果が重要であり、特に西蒲区 の拠点駅となる巻駅までの運行頻度向上が望まれます。 このことから、越後線の運行改善に向けて、まずは駅の利用環境の改善と 交通結節機能の強化など市民が利用しやすい駅環境整備を推進します。 さらに、運行頻度向上を目指した鉄道事業者・関係機関からなる実現化検 討体制を構築し、技術的検証など実現化に向けた検討を進めます。 また、駅舎におけるコミュニティ活動など多様な活用に向け、活用策や管 理に関する関係者の連携・協力方策の検討を行います。 JR越後線 −53− (1)越後線駅環境整備の推進 ① 駅の担う役割や利用状況に応じた駅環境整備 >>駅環境整備の基本的な考え方 誰もが便利で快適に利用できる利便性の高い駅環境を創出するため、以下の 視点から想定される施策メニューに基づき、駅の担う役割や利用状況に応じた 整備を推進する。 整備の視点 施策メニュー 駅利用者数(乗降客数) 橋上駅・自由通路の整備 地域拠点としての駅の位置づけ 駅舎等のバリアフリー化 バリアフリー基本構想 駅前広場整備(結節機能強化) 合併建設計画での位置づけ 整備方針 整備内容 対象駅 多核連携型の都市構 地域拠点としての魅力向上と周辺地域の活性 白山駅 造を支える地域拠点 化を図るため、バリアフリー化を踏まえた駅舎 内野駅 駅の形成 及び自由通路等の整備を推進するとともに、広 巻駅 域的な鉄道利用を促進するため、バスとの結節 機能強化を図るバス乗り入れを考慮した駅前広 場整備を推進する。 駅のバリアフリー化 バリアフリー基本構想に基づく特定旅客施設 (エレベーター設 ならびに乗降客が多い駅(概ね 5,000 人以上) 新潟大学前駅 置)の推進 において、バリアフリー化を推進する。 小針駅 地域生活を支援する 生活拠点としての鉄道利用圏域の拡大や利用促 越後赤塚駅 生活拠点駅の形成 進を図るため、P&R・C&R、区バスとの結 越後曽根駅 節などを考慮した駅前広場や駐車場整備に向け 岩室駅 た取り組みを推進する。 −54− 寺尾駅 ■地域拠点駅における橋上化・自由通路・駅前広場整備 賑わいと魅力あふれる地域づ くりを支え、都心や地域間など 〔橋上駅舎&自由通路整備イメージ〕 の交流・連携を強化させる地域 拠点駅の形成に向け、白山駅・ 内野駅・巻駅においてバリアフ リー対応の駅舎及び自由通路、 駅前広場整備について検討を進 めます。 −55− ◇白山駅での取り組み ・半地下駅舎の整備 〔白山駅周辺整備イメージ図〕 ・自由通路の整備 ・バス乗り入れを考慮した駅 前広場整備 ◇内野駅・巻駅での取り組み ・橋上駅の整備 〔内野駅周辺整備イメージ図〕 ・自由通路の整備 ・バス乗り入れを考慮した駅 前広場整備 ■バリアフリー基本構想に基づく重点駅のバリアフリー化 乗降客が概ね 5,000 人/日以上 と利用が多い新潟大学前駅・寺尾 駅・小針駅において,昇降施設の 設置などによるバリアフリー化を 進め,利用しやすい駅環境整備を 目指します。 −56− 〔エレベーター設置イメージ〕 〔駅前広場段差解消イメージ〕 〔エスカレーター設置イメージ〕 ■生活拠点駅におけるP&R駐車場整備の検討 鉄道利用圏域の拡大を図り、利用 〔P&R駐車場整備イメージ〕 しやすい鉄道とするため、越後曽根 駅・岩室駅などの生活拠点駅におけ るP&R駐車場の整備に向けた検 討を進めます。 JR 磐越西駅 新関駅 P&R駐車場 ② 駅舎の多様な活用方策の検討 〔駅舎の複合利用イメージ〕 駅を交通結節点としてだけではなく、 地域のコミュニティ活動拠点や観光情報 発信拠点、にぎわい空間などの多様な活 用に向け、関係者の連携・協力により方 策の検討を行います。 〔JR 浜小清水駅&道の駅はなやか小清水〕 ☝道の駅「はなやか(葉菜野花)小清水」 は「道の駅」と JR 浜小清水駅の駅舎機 能が共有された全国的にもユニークな 施設で、「クリーン農業=小清水町」を 全国に発信する施設です。 〔亀田駅に直結する亀田駅前地域交流センター〕 −57− ☜亀田駅前地域交流センターは、JR 亀田 駅の自由通路と 3 階で接続され、1・2 階は駐輪場、3 階にはギャラリーや多目 的ルームのほか、行政サービスコーナ ーなどを備えた市民が気軽に立ち寄り 交流できる施設です。 (2)地域拠点駅へのバス利便性向上 ① 鉄道とバス相互の乗り継ぎ改善・ ダイヤ連携などによる利用促進 内野駅・巻駅などの地域拠点駅にお いて、駅前広場整備にあわせ、鉄道と 区バスや路線バスとの乗り継ぎを考慮 したダイヤ設定などの連携強化を進 め、利便性の向上を図ります。 〔西蒲区における公共交通の現状〕 巻駅拡大図 内野駅 内野西が丘駅 越後赤塚駅 越後曽根駅 巻駅 鉄道・バスの乗り継ぎ強化 ■ 駅広内へのバス乗入れ ■ 乗り継ぎダイヤ設定 ■ 案内・誘導の充実 岩室駅 H17年10月路線廃止 〔巻駅前バス停位置図〕 〔巻駅前バス停現況〕 ※巻駅とバス停間の距離;約60m −58− 〔巻駅周辺の公共施設分布とバス路線網〕 巻駅から 1km 圏域には、区役所、学校、 病院などの公共施設が分布しています。 −59− (3)運行本数の増加に向けた取り組み ① 鉄道事業者や関係機関からなる 想定される検討項目 実現化検討体制の構築 駅環境整備や交通結節機能の強化 ・JR 越後線の今後の利用動向 による鉄道利用圏域の拡大と利用促 ・沿線開発など新たな需要確保策 進に併せ、越後線の運行頻度アップに ・行き違い設備等の整備計画 向けた実現化検討体制の構築を行い、 ・ダイヤ設定および運行計画(車両・人員含む) 実現化に向けた検討を進めます。 ・事業手法および事業主体 ・事業採算性 ② 運行本数の増加(20分間隔) など 【 【越 越後 後線 線ダ ダイ イヤ ヤグ グラ ラム ムの の検 検証 証】 】 に向けた可能性評価 新潟∼巻駅間での 20 ヘッド運行 を実施した場合の施設・設備面で の対応について、ダイヤグラムか ら検証を行うと、内野西が丘駅へ の行き違い設備の新設により可能 性が認められることから、さらに 技術的検討を進めます。 内野西が丘駅への 行き違い設備の設置 により可能 〔内野西が丘駅 ホーム現況〕 行き違い設備の設置 に必要な用地あり。 対面式ホーム設置等 の駅舎改良が必要 −60− 〔運行本数の増加に向けた取り組み事例〕 JR髙山本線活性化社会実験 ◇実験期間 平成 18 年 10 月 21 日∼平成 20 年 3 月 ◇運行頻度の増加 区 間 実験中 実験前 増減 富山∼速星間 50本 36本 +14本 富山∼越中八尾間 50本 34本 +16本 富山∼猪谷間 33本 21本 +12本 ◆行動計画(案) 計画当初(H20) 5年後 前 期 計 画 先行的実施 概ね 10 年後 後 期 計 画 長期的対応 越後線駅環境整備の推進 ・駅の担う役割や利用状況に応じた駅環境整備 (橋上駅、自由通路、駅前広場、昇降施設、P&R駐車場、等) ・駅舎の多様な活用方策の検討・実施 検討協議会の設置 鉄道とバスの連携強化 ・連携強化方策の検討 駅前広場へのバス乗入れ 乗り継ぎダイヤ 案内・誘導の充実 ・実現に向けた 技術的検証 ・実現化方策の 検討・協議 ・関連施設整備 ・ダイヤ設定 ※事業実施にあたっては、新たな補助制度の活用も視野に検討を行う。 (例:地域公共交通活性化・再生法に基づく補助制度など) −61− 運行頻度アップ 運行本数の増加に向けた取り組み 5-2.白根方面骨格幹線バス(国道8号) を主軸とするバス利用サービスの向上 プロジェクトの概要 軌道系の公共交通がなく,バスが主要な公共交通となっている白根方面につい て,公共交通のサービス水準の向上に重点的に取り組むため,検討協議会を設 け,関係者の連携のもとに取組みを推進します。 検討協議会では,利用者のアンケート結果を踏まえ,ボトルネック交差点の混 雑緩和やバス待ち環境の改善,総合交通ターミナルの導入検討を行うととも に,区民を対象としたバス利用に関する啓発活動を展開します。 さらに,運行本数の充実や運賃負荷の軽減など事業者の自助努力だけでは改善 できない事業運営上の課題や,通勤・通学時の定時性確保を目的に国道8号バ ス路線を補完する高速バス社会実験を実施します。 〔国道8号沿線のバスに関する要望(H19年)アンケート結果〕 ・バス利用者からの改善要望 0% 10% 20% 30% 40% 50% 53.6% 運行本数の増発 36.2% 時刻表通りの運行 運賃の値下げ(特定エリア内の均一料金制の導 入など) 28.6% 運行時間帯の延長(始発を早く、終バスを遅 く) 低床バスの積極的な導入 60% 27.2% 16.1% ・マイカー利用者からの改善要望 0% 10% 20% 30% 40% 50% 50.1% 運行本数の増発 42.6% 運賃の値下げ(特定エリア内の均一料金制の導入など) 36.4% 運行時間帯の延長(始発を早く、終バスを遅く) パークアンドバスライドシステムの導入 時刻表通りの運行 −62− 22.0% 19.9% 60% (1)バス運行サービスの向上 〔新潟駅接続イメージ図〕 新潟駅 ① 鉄道駅などの結節機能の強化 駅への 接続 現在,バスセンター止まりで新潟駅との乗り継ぎ が不便になっている白根線を新潟駅に接続すると 万代バスセンター ともに,高速道路やバイパスから新潟駅南口に接続 する速達性を重視した路線の検討を進めます。 現在 白根方面 〔白根線急行バスを対象とした新潟駅接続社会実験の結果〕 ・新潟駅→潟東営業所間の乗車数内訳 0 万代シティ バスセンター 132 (66%) 実験前 ( )内はシェア− 乗車人員(人/日) 100 150 50 200 250 実験前:H18 年 9 月第 3 週平日平均 (旧9便) その他バス停 68 (34%) 減少 実験中 新潟駅 34 (17%) 万代シティ バスセンター 104 (51%) 実験中:H18 年 10 月、11 月、12 月、 H19 年 1 月第 3 週平日平均 (9便) その他バス停 66 (32%) ※H19.4 月以降本格運行 〔深夜バス利用状況(H18.12.1∼H18.12.22)〕 ② 運行時間の拡大 白根線深夜バス運行状況 60 平成18年に実施した忘年会シーズン中 50 続するとともに、通年的な運行実現向けて, 乗車人数 50 の深夜バス運行を19年以降も引き続き継 バス事業者や飲食店関係者などとの連携を また、利用状況の推移を見ながら、今後 20 47 45 40 36 33 28 30 10 22 19 25 27 10 0 図り、PR活動や運行計画の検討を進めて いきます。 40 H18.12.1 H18.12.8 H18.12.15 H18.12.22 〔深夜バス運行広報ポスター(H18)〕 さらなる運行時間の延長についても検討を 進めます。 −63− 22:00 22:30 23:00 ③ 通勤・通学時における快速バスの導入検討 〔市内を走行する快速バス〕 南区から都心部方面に向かう人々の利 便性を向上させるため,朝のピーク時間 を対象に,黒埼地区のバス停をノンスト ップで走行する快速バスの運行の導入検 討に取り組みます。 〔通勤・通学時における快速バス導入検討イメージ図〕 通勤・通学時における 快速バスの導入検討 ■ 快速バスの運行 凡 例 想定快速運行区間 (主要バス停のみ停車) 各停区間 −64− (2)バス走行性及び利用環境の改善 ① バス待ち環境の改善 都心方面に向かう特に利用者の多いバス停(大通ニュータウン,横町など) や冬場の雨風を防げるバス停上屋のリニューアル,ベンチ,駐輪場の整備(上 塩俵・北田中,保坂など)について検討をすすめ,利用者の待合環境の整備を 推進します。さらに住宅団地・公共施設・商業施設など(能登,白根健生病院 前など)を最短で結んだ利用しやすいバス停配置の再編を行います。 〔上屋の老朽化が進んでいるバス停〕 〔整備された下善久バス停〕 〔バス待ち環境の整備イメージ図〕 山 山 崎 興 野 山崎 崎興 興野 野 バス停上屋のリニューアル、 ベンチ、駐輪場の整備 北 北 田 中 北田 田中 中 保 保 坂 保坂 坂 利用者の多いバス停の上屋の 整備や情報案内など バス停の新設検討 十 十 五 間 五間 十五 間 魚 魚 町 魚町 町 能 能 登 能登 登 白 ス コ 白 根 ジ ャ 白根 根ジ ジャ ャス スコ コ 五 五 の 町 五の の町 町 白 白 根 健 生 病 院 前 白根 根健 健生 生病 病院 院前 前 日 日 の 出 町 日の の出 出町 町 公共施設や商業施設と結 節したバス停位置の再編 南 南 区 役 所 南区 区役 役所 所 横 横 町 町 横町 緑 緑 が 丘 病 院 前 緑が が丘 丘病 病院 院前 前 白 白 根 農 協 前 白根 根農 農協 協前 前 白 白 根 健 生 病 院 白根 根健 健生 生病 病院 院 凡 例 バス停 商業施設など 公共施設 −65− ② 情報提供システムを活用したサービスの向上 バス待ちの不安感などを軽減させるため、現在、白根線急行バスのみで実施してい る「にいがたバスi」の路線バス車両への普及を図るとともに、主要なバス停におけ るバスの接近表示システム導入し、利用者にバス位置情報を提供します。 バス接近表示システムの導入にあたっては、バス i システムを活用したシステムを 試験的に導入し、実用性と汎用性を検証することで、利用者が多い郊外部バス停への 新たな導入・展開と運行管理におけるシステム活用方策を検討します。 〔バス i システムを活用したシステムイメージ〕 今までのバス i システム ※写真は事例 バス i システムを活用した新たな展開 −66− ③ 渋滞区間の改良 バスの走行性や定時性を確保するため、旅行速度の低下が見られる信濃川大橋西詰交 差点や大野大橋南詰交差点付近の渋滞緩和に向けて、引き続き関係者と対応策を検討し ていきます。 さらに現在,黒埼の脳外科病院付近まで整備されている公共車両優先システム(PT PS)の拡充や主要交差点の信号処理の改善について検討を行い,スムーズなバス運行 確保を図ります。 〔上り(白根→新潟)方向朝ピーク時間帯(6∼9 時)における旅行速度〕 降雪・積雪時 朝ピーク時間帯 降雨時 朝ピーク時間帯 60 非降雨(雪)時 朝ピーク時間帯 非降雨(雪)時 昼間オフピーク時間平均 50 バス旅行速度(km/h) 37 36 33 32 37 40 27 30 23 28 26 22 25 22 23 23 26 24 19 26 20 20 12 14 20 20 27 29 25 25 19 11 15 14 9 10 6 0 北 田 中 上 塩 俵 6 大 通 南 2 車線 9 5 下 塩 俵 大 野 町 西信 詰濃 川 大 橋 善 久 4 車線 〔路線バスが国道8号の渋滞に巻き込まれ ている状況(大野大橋付近白根方面)〕 ふ る さ と 村 前 中 山 田 黒 埼 I C ※新潟国道提供バスプロー ブデータより集計 〔信濃川大橋西詰交差点の渋滞状況(朝)〕 信濃川大橋西詰交差点 −67− 〔バスの走行性及び利用環境の改善イメージ図 〕 市 市 所 役 市役 役所 所 万 万 代 シ テ ィ ン タ ー バ ス セ バス ー スセ セン 万代 代シ シテ ティ ィバ ンタ ター 県 県 庁 県庁 庁 新 駅 新 潟 新潟 潟駅 駅 黒 黒 埼 C C 黒埼 埼IIIC バス待ち環境の改善 ■ ■ ■ ■ 上屋整備・情報案内など バス位置情報の提供 駐輪場の整備 バス停の新設 女 女 池 C C 女池 池IIIC 情報提供システムの充実 信 濃 川 大 橋 西 詰 信 川大 大橋 橋西 西詰 詰 信濃 濃川 交 交 差 点 交差 差点 点 ■ にいがたバス i ■ バス接近表示システムの導入 大 橋 南 詰 大 野 大 南詰 詰 大野 野大 大橋 橋南 交 交 差 点 交差 差点 点 大 大 通 南 交 差 点 大通 通南 南交 交差 差点 点 大 大 通 七 丁 目 付 近 大通 通七 七丁 丁目 目付 付近 近 交 交 差 点 交差 差点 点 渋滞区間の改良 ■ 交差点の改良 ■ PTPS の導入検討 ■ バス通過性の改善検討 潟 所 潟 東 営 業 潟東 東営 営業 業所 所 日 日 の 出 町 交 差 点 日の の出 出町 町交 交差 差点 点 主要交差点 −68− (3)南区方面におけるバス交通体系の強化・検討 ① 白根地区総合交通ターミナルの導入検討 白根中心部に集中する郊外バス路線と白根方面骨格幹線バスの乗り継ぎ拠点 として,南区における分かりやすく利用しやすいバス交通網の構築と鉄道駅に 相応する交流拠点として周辺地域のまちづくりを促進する白根地区総合交通タ ーミナルの導入について検討を行います。 また,P&R駐車場やバス停の駐輪施設整備,商業施設との連携による待合 環境の改善など,バス利用環境の改善に取り組みます。 〔白根地区総合交通ターミナルの導入イメージ図 〕 ・事例:盛岡市都南バスターミナル ・事例:盛岡市松園バスターミナル 中心部 ■新潟駅 ■万代シティ バスセンター 白根地区周辺 区バス運行 (仮称)白根基幹バス運行 区バス運行 白根地区総合交通ターミナル ■乗継利便性の向上 ■情報案内 ■P&BR,P&CR の実施 など 路線バス運行 路線バス運行 路線バス運行 新津方面 燕・三条方面 加茂方面 −69− ② まちなかの賑わい創出に向けたターミナルの多様な活用方策の検討 白根地区総合交通ターミナルの導入検討にあたっては、路線バスや他交通手段と の乗り換え利便性向上を図るだけでなく、周辺地域のまちづくりと一体となった検 討が必要と考えます。具体的には、地域のコミュニティ活動の拠点としての活用や 地域の情報発信、その他集客施設との連携・一体的整備など、多様な活用方策の検 討が望まれます。 このような考えから、コミュニティ活動の拠点機能がある既存集客施設のターミ ナル化も視野に入れながら、まちづくりにふさわしいターミナルの配置を検討する 必要があります。 〔白根地区中部のバス網と施設の現状〕 ↑都心 既存施設の活用も視野に入 れながら、周辺集客施設と 秋葉区→ の連携・相互補完が可能な ターミナルの配置を検討 ←西蒲区 ↓三条 加茂↓ ※大規模小売店舗は 5,000m2 以上の施設、病院は第 2 次救命救急医療施設、学校は高等学校を表示 −70− 〔ターミナルに求められる まちなか の機能連携イメージ〕 休憩機能 『わかりやすい』 バス乗車施設、バス案内所 『バス待ちが苦にならない』 休憩所、周辺商業施設との連携 まちなか (地域の交流核) 白根地区総合交通 ターミナル 情報発信 機能 (交通機能) 交流機能 『多くの人々が集う』 地域のコミュニティの場 、内と外の交流の場 『ここに来ればすべてがわかる』 地元観光などの地域情報発信 〔旧役場庁舎を活用したバスターミナル事例(柏市:沼南庁舎バス乗継場)〕 ・完成後写真 ・バスターミナル平面図 柏市沼南庁舎 【柏市沼南庁舎整備】 市民交流サロン、こども図書 館、郷土資料展示コーナーの整備 を予定しており、待合場としての 活用が期待されます。 【柏市沼南庁舎バス乗り継ぎ場】 ・目的 沼南地域における公共交通網の整備促 進を図り、市民の移動選択性の向上や運 行の効率化を図ることを目的とする。 ・運用開始:平成 19 年 11 月 23 日∼ ・乗り入れ車両 路線バス(東部バス、阪東バス)、かし わコミュニティバス、かしわ乗合ジャン ボタクシー、タクシー ※一般車両は乗り入れ原則禁止 ・乗り入れ時間 8:00∼18:00 −71− 〔商業施設を活用したバスターミナル事例(八戸市 八戸ラピアバスターミナル)〕 ・バスターミナルの位置 ※南部バス株式会社 HP より ・ショッピングセンター八戸ラピア バスターミナル −72− ラピアバスターミナルに は市内各所へのバスと高速 バスが乗り入れており、待合 室と乗車券(定期券、回数券、 一日乗車券など)の販売所を 備えています。 ③ 地域バス路線との乗継向上 南区内のバス路線や市が運行する区バス・鉄道駅など 各モード間の乗継機能の強化(区バスによる田上駅乗り 入れ)、連携したダイヤ設定、利用しやすい運賃体系の導 入検討により,移動しやすいまちづくりを推進します。 〔新潟市南区の公共交通網〕 白根市街地拡大 ○白根方面骨格幹線バスや 地域バス路線など、各方面 路線バス相互の乗継向上 〔運行本数〕 −73− (4)(仮称)白根基幹バスの導入検討 ① 高速道路を活用した急行バスなどの運行 冬期の積雪時などにおける市の中心部へ速達性を高めるため,黒埼スマート IC を活用した高速バス社会実験を行い導入効果について検証を進めます。 また、高速バス停へのアクセス確保に向けた検討を進めます。 〔高速道路を活用した取り組み案〕 鳥原高速バス停 ・アクセス確保に 向けた検討 黒埼スマート IC ・アクセス道整備 ・大型車対応 ETC ゲート の導入検討 潟東高速バス停 ・アクセス確保に向 けた検討 凡 例 スマート IC を活用し た白根方面急行バス の導入検討 高速道路 主要道路 スマートIC 新設検討 整備供用済 将来構想 ② バス車両の更新検討 通勤・通学時におけるバスで過ごす時間の快適性を高めるため,利用者のニ ーズに対応したバス車両の導入と運行について検討を行います。 〔バス車両導入イメージ〕 利用者のニーズ 導入車両のイメージ ■ 通勤・通学時 座席数の多い観光 バスタイプ (長時間の乗車) ■ 快速バス(来訪者) ■ 各停バス(日常の利用) −74− 低床,ノンステップ バスタイプ ③ 運行本数の増発検討 地方都市における公共交通の維持・活性化に向けた取り組みの重要性を勘案し, 運行本数の充実や運賃負荷の軽減など,計画から運営・運行にかかわる一連の課題 を関係者が一丸となって,利用促進に向けて検討を進めます。 〔運行サービス向上後の運営維持の課題〕 【現状の運営状況】 サービス向上 運行改善による 運行経費<運賃収入 経常利益 サービス水準 現状の サービス水準 現状の 運行経費 【運行サービス向上】 運行経費>運賃収入 運賃収入 赤字欠損 運行改善 運行経費 にかかる 経費増分 増分 現状の 現状の 現状の 運行経費 運賃収入 運行経費 運行改善に かかる運営 補助等のあ り方につい て検討必要 利用者 の増加 に伴う 収入増 〔官民の役割分担についての検討イメージ〕 運行計画 現状 〔参考〕 区バス (運行委託) 住民バス (地元支援) サービス購入型 運行サービス 強化型 環境整備型 (車両まで) 環境整備型 (停留所まで) 施設 バスレーン等 停留所等 民間 民間 公共 公共 公共 地元 公共 地元 公共 公共 公共 公民協同 公共 公共 公民協同 公共 公共 公民協同 公共 (※公共) 車両 民間 公共 民間 (※民間) (※民間) 民間 (公共支援) 民間 公共 (貸与) 運営 運行 民間 民間 公共 民間 (委託) 地元 (運営補助) 公共 民間 民間 (公共支援) (運営補助) 民間 (公共支援) 民間 民間 民間 (委託) 民間 民間 民間 民間 民間 (※公共):民間が主体となっているが,公共で行っているものもある (※民間):公共が主体となっているが,民間で行っているものもある :公共の関与があるもの −75− ◆行動計画(案) 計画当初(H20) 先行的実施 5年後 概ね 10 年後 前 期 計 画 後 期 計 画 長期的対応 バス運行サービスの向上 ・鉄道駅などの結節機能 の強化 ・運行時間の拡大 H19.10 信濃川大橋東詰交差点 信号機運用変更 バス走行性及び利用環境の改善 検 討 ・バス待ち環境の改善 ・情報システムの充実 協 議 ・渋滞区間の改良 ・通勤・通学時における 快速バスの導入検討 会 設 南区におけるバス交通体系の強化・検討 置 ・地域バス路線との乗継向上 ・ターミナル計画の検討 ・総合交通ターミナルの整備 (仮称)白根基幹バスの導入検討 ・高速道路活用の検討 ・運行本数の増発検討 ・本格運行 ・バス車両の更新検討 −76− 【参考】白根方面骨格幹線バスの機能強化に向けた推進体制 ■ 路線バスの機能強化に向けた取り組み方策 路線バスの機能強化に向けた取り組みを総合的かつ一体的に推進していくためには、バ ス利用者となる住民意向を踏まえながら、交通事業者・道路管理者・交通管理者などの関 係者の連携強化が重要となる。 また、運行本数の充実などのバス運行サービスの向上を目指すためには、事業採算性を 確保する観点から、利用者を増加させる取組みや市民の意識啓発なども重要となる。 このため、下記のような検討組織を設置し、機能強化に向けたハード・ソフトの両面か らなる施策の調整や、市民の意識啓発などによる利用促進を図りながら、運行サービス向 上に向けた課題について、関係者が連携し検討を進める。 〔(仮称)南区方面バス利便性向上施策検討協議会〕 行政(交通部門) 交通事業者 交通管理者 道路管理者 住民代表 ◇交通事業者が主体的に実施する取り組みに対する 提案・助言、調整及び利用促進 ・既存の運行形態の工夫や改善により可能な取り組み (例;大通始発バス運行、急行バスの新潟駅延伸、深夜バスなど) ◇バス走行および利用環境整備の推進を図るための 関係者間の連携・調整 ・道路管理者、交通管理者等の連携が必要な取り組み (例;定時性向上策、バス停上屋整備、情報案内施設など) ◇バス運行サービスの向上を目指し、計画・運営・運 行に関わる課題を踏まえた取り組みの検討・推進 ・関係者が課題を共有し、利用促進を図りながら、一丸 となって総合的に検討を進めるべき取り組み (例;運行本数の増加、運賃負荷の軽減、バス路線網の充実など) −77− 〔バス事業者による利用促進に向けた短期的・段階的施策〕 ◆ 鉄道駅との結節強化 ⇒ 骨格幹線バス路線を運行する全便の新潟駅への接続(急行バスは実施中) ◆ 運行時間帯の拡大 ⇒ 深夜バスの継続と運行時間・本数の拡充(季節運行を実施中) ◆ 乗継利便性の向上 ⇒ 骨格幹線バスと他の路線バス、区バスの乗継向上を図るバス停配置の見直し 〔関係者が連携したバス走行および利用環境整備〕 ◆ バスロケーションシステムの拡充 ⇒ にいがたバスiの導入拡大(急行バスは実施中) ◆ 定時性向上策の推進 ⇒ 公共車両優先システム[PTPS]の導入拡大 (寺地交差点∼千歳大橋西詰交差点 導入済) ⇒ バスレーンの導入拡大 (青山道下交差点∼新潟第一高校前交差点 導入済) ⇒ 渋滞区間の改良(信濃川大橋西詰交差点改良など) ◆ バス待ち環境の改善(上屋、ベンチ、情報案内等)の推進 ⇒ バス停上屋、ベンチ等の整備 ⇒ バス停配置、運行時刻等の情報案内の充実 ◆ 交通ターミナル導入を含めたバス結節・連携強化 ⇒ 白根地区総合交通ターミナルの導入検討 ⇒ P&BR、C&BRを想定した駐車場・駐輪場整備の検討 〔計画・運営・運行を踏まえた運行サービス改善施策〕 ◆ 運行本数の充実(運行頻度アップ) ⇒ 自動車からの転換など利用促進を図りながら、段階的に拡充 ◆ 運賃負荷の軽減 ⇒ バス相互の乗り継ぎに伴う乗継割引の検討 ⇒ 定期利用者に対する割引拡大 ⇒ ICカードの導入、ポイント還元などの検討 ◆ バス路線相互の乗継強化 ⇒ 他のバス路線や区バス等との乗り継ぎ強化に向けたダイヤ設定 ◆ バス路線網・バス停等の再編 ⇒ より利用しやすいバス環境の創出に向けた検討 −78− 5-3.地域の特性に応じた生活交通の確保 茅野山・早通乗合バス (新潟市江南区) プロジェクトの概要 これまでの生活交通の取り組みとして、路線バスへの運行費補助をはじめ、地 域住民が主体となって運行する住民バスへの支援や政令市移行に伴う新たな 移動ニーズや区のまちづくりに資する区バスを運行しています。 しかし、一部の住民バスや区バスでは採算性が課題となり継続運行が難しい状 況にあります。また、地域の高齢化等を背景に、よりドアーツードアに近い運 行形態に向け、従来の路線バスとは異なる車両や運行形態で公共交通空白・不 便地域の解消に取り組む地域も生じています。 このため、より便利で、より効率的でさらに持続可能な生活交通の確保に向け て、従来の定時・定路線型の運行に加え、デマンド(需要対応)型のバスの運行 や補助路線や区バスの再編も含め、より住民ニーズに即したバス運行に向けた 取り組みを積極的に推進します。 −79− 〔バス路線維持・確保に向けた現在の取り組み〕 ■補助路線:旧市町村界を跨るなど、国庫補助基準等に準じて、欠損額を市が 負担することで、路線維持を図っているバス路線。 ■区バス :区政導入によって生じる住民の新たな移動ニーズに対応すること を目的として、市が主体となって運行委託するバス路線。 収支率 3 割以上が運行継続の条件。 ■住民バス:バス路線廃止地域や公共交通空白地域において、生活交通確保の 観点から、住民組織が主体となって取り組むバス路線維持策に対 し、運行経費の7割を上限として、市が助成するバス路線。 〔バス交通網の現状イメージ〕 ・バス路線廃止地区で運行 都 心 交通結節点 区役所 病院 商業施設 区役所 周辺拠点 区役所 公益施設 駅 出張所 周辺拠点 (凡 周辺拠点 例) 広域・幹線路線 鉄道 中心部 区域界 公共交通空白地域 幹線系バス路線(国補助含む) 交通事業者 が主体 準幹線系バス路線 (市補助含む) 行政が主導 区バス 地元が主体 住民バス 地域密着路線 〔区バスの現状〕 ・収支率(再掲) 10.0 40.0% 9.0 35.0% 8.0 7.2 7.0 26.4% 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 25.0% 20.0% 15.0% 13.0% 11.6% 10.8% 2.3 1.7 目標収支率 30.0% 7.0 収支率(%) 1便当たりの利用者数(人/便) ・1 便当たりの利用者数 2.2 1.7 1.3 10.0% 7.0% 5.7% 5.5% 5.0% 1.0 0.0% 0.0 北 区 東 区 江南区 秋葉区 南 区 西 区 西蒲区 ※H19 年 10 月 31 日までの利用実績より算定 北 区 東 区 江南区 秋葉区 南 区 西 区 ※収支率:期間内運賃収入÷期間内運行経費 ※H19 年 10 月 31 日までの利用実績より算定 −80− 西蒲区 (1)地域ニーズの把握と運行システムの検討 ∼検討・推進の考え方∼ 市民に持続的な生活交通を確保するためには、地域ニーズを的確に把握し、そ のニーズに対応しながら、収支のバランスの取れた運営を行う必要があります。 そこで、地域ニーズに関する調査を実施するとともに、以下の視点から路線バ スの運行・運営について検討します。 【検討の視点】 「利用者と収入をどうやって増やすか?」 「どうやって支出を抑制し、安定した運営基盤を確保するか?」 〔検討の流れ〕 ◆地域ニーズを的確に把握 ◆運行システムの検討 (検討のポイント) ・地域ニーズにあった運行計画 ・新たな旅客需要の開拓 ・運賃以外の収入の確保 検討の視点1 :利用者と収入を増やす 収 入 乗車運賃 補助 車両減価償却費 支 出 燃料費 人件費 その他 税金・保険料 負担の大きい要素 車両修繕費 検討の視点2 :支出の抑制と安定した運営基盤の確保 (検討のポイント) 効率的な運行形態・シ ステム・運営主体 路線の再編を含めた段階的な改善 地域のニーズに対応した持続可能な生活交通の確保 −81− ① 地域ニーズの把握 必要な調査を実施し、生活交通確保に対する地域のニーズを把握します。 〔調査の種類と内容〕 利用状況、地域の状況(集落や各施設の立地状況、道 現地調査 路整備状況)などについて把握します。 既存のバスのサービス等 の把握 廃線路線を含めた地域の路線バス・区バス・住民バ ス・その他(スクールバス・福祉バス等)の取り組み状況 について把握します。 地域住民の移動ニーズ 現在の公共交通利用者や利用しない(できない)地域住 の把握 民の普段の日常生活における移動実態を把握します。 〔地域住民の移動ニーズ調査例〕 ○移動実態把握調査 市民の移動実態(目的、目的地、交通手段、交通手段など)や公共交通の現状に 対する改善要望や代替案(新規サービスや路線再編案)の利用意向などをアンケ ートやヒアリングにより把握します。 ○グループインタビュー調査 数名の住民に対してインタビューを実施し、現状の公共交通の改善点や代替案 等に関する意見を把握します。アンケート調査に比べ、本音の意見を聞けること から、より正確な需要を把握できます。 ※上記以外の調査についても必要に応じて実施します。 移動実態調査 検討対象地域 新規にバスを 運行する地区 病院 グループインタ ビュー調査 商業施設 既存バス路線を見 直しが必要な地区 既存バス路線 新規運行またはルート見直し検討区間 −82− グループイン タビュー調査 〈事例:三重県鈴鹿市 「C−BUS」グループインタビュー調査〉 『千枚のアンケート(建前)よりも、ひとりの切実な思い(本音)』 ・鈴鹿市では、アンケートなどの定量的なデータを取得するとともに、 「一人の本音」 を重要と考え、グループインタビュー調査を実施 ・地域の代表者ではなく、実際に移動に困っている人、例えば、運転免許のない高齢 者、自分で移動できる手段が公共交通しかない学生の保護者などをグループインタ ビュー調査のメンバーに選定 〔三重県鈴鹿市グループインタビュー調査状況写真〕 −83− ② 運行システムの検討 検討の視点 1:利用者と収入を増やす 1) 利用者の目的にあった運行計画 運行ルート毎、あるいはコミュニティ毎などに、公共交通がどのような利用者ター ゲットするのかなど、運行のねらい・目的を明確にし、ターゲットに配慮した運行計 画を検討します。 〔都心地区への通勤・通学者を主なターゲットにする場合の検討例〕 鉄道駅 鉄道駅 (都心地区) ・鉄道駅との発着にあわせた時刻表 ・朝と夕方を中心に運行 自宅 〔高齢者を主なターゲットにする場合の検討例〕 病 院 商業施設 自宅 鉄道駅 ・多少遠回りでも、病院や商業施設を巡回 ・商業施設の営業時間や病院の診察時間に 合わせて運行 ・ノンステップバス等の導入により、高齢 者の乗り降りに配慮 −84− 〔夜間人口の高齢者人口割合(H17年)〕 地域ニーズ把握にあたっては、地域 ごとに詳細を調査します。 資料)国勢調査(H17 年) 2) 利用者の安定確保に向けたサービスの導入 会員制による特典制度や商業施設と連携した割引制度など、様々なサービスを導入 することで利用者の安定した確保を図ります。 〈公共交通と商店街の連携事例:香川県高松市「高松琴平電気鉄道株式会社」〉 高松市中央商店街振興組合連合 会(8 商店街)で一定金額以上のお 買い物をされたお客様に電車・バス で 100 円券としてご利用できる「共 通乗り物券」を配布し、公共交通機 関の利用を促進 共通乗り物券のPRポスター −85− 3) 地域住民だけでなく、訪れる人も使いやすいバス 平日の通勤・買い物目的利用だけでなく、地域の特性に合わせて、鉄道駅と美術館や 温泉施設等の観光施設を結び、その地域を訪れた人にとっても使いやすい運行形態を検 討します。 〔秋葉区区バス路線図〕 秋葉区区バスでは、商業 施設以外にも新津美術館 や花の湯館などの観光施 設を経由 新津美術館 うららこすど 石油の世界館 花の湯館 −86− 4) 広告収入等による収入源の確保 企業や地元住民組織からの運行協賛金など、運賃収入以外の収入源の確保に向けた取 り組みを進めます。 〔企業・商業施設の協賛金によるバス運行の考え方〕 〔運行主体〕 (運賃収入・補助金) 〈バス運行〉 施設までの交通確保 車内広告・PR 企業・スーパー・病院・ 地元自治組織など 協 賛 金 運行委託 交通事業者 〈協賛企業の車内広告・PR事例:東京都「丸の内シャトル」〉 〔協賛企業と周辺施設のリーフレット〕 −87− 〔バス後部の協賛企業名〕 検討の視点2:支出の抑制と安定した運営基盤の確保 1) デマンド方式等、様々な運行システムの積極的な採用 定時定路線型だけでなく、デマンド方式の採用、既存目的バス(福祉バス、スクールバ ス)の活用、他路線との重複競合の見直し等も見据え、地域のニーズに対応しながら、無 駄のない効率的な運行システムを検討します。 〈フルデマンド型の運行事例:岩手県岩手郡雫石町「あねっこバス」〉 〔運行体制〕 参考)あねっこバスの運行概要 ・運行開始日 平成 16 年 4 月 1 日∼ ・運行システム:路線型デマンドバス ・実施主体:雫石町 ・運営業務委託先:特定非営利活動法人しずくいし・いきいき暮らしネットワーク ・運行業務委託先:有限会社 雫石タクシー ・運行日:平日および土日祝祭日(通年運行:平日6往復、土日祝祭日3往復、な お、予約がない便は運行しない) ・運賃:一般(中高校生 65 歳以上含)200 円、小学生 100 円(チケット制) ・使用車両の特徴:9 人乗りジャンボ車両 4 台、小型車両 2 台 計6台 −88− 〈定時定路線型+デマンド型運行の事例:滋賀県米原市山東地区「カモンバス」〉 〔予約専用バス停を利用する場合のしくみ〕 〔運行ルートとバス停〕 参考)カモンバスの運行概要 ・運行開始日:平成13年3月1日∼ ・運行方式:定時定路線型+デマンド型 ・実施主体:米原市(旧山東町) ・運行業務委託先:湖国バス(株) ・運行日:年中運行 ・運行時間:6:50∼19:25 ・運行本数:5 本/日 ・運賃:大人 200 円、小人 100 円 ・使用車両の特徴:小型バス、17人乗り1台、11人乗り(リフト付き)1台 −89− 〈スクールバスと路線バスの統合による効率化事例 :神奈川県相模原市(旧藤野町)「藤野町町営バス」 〔スクールバスと路線バスの統合イメージ〕 学校 見直し前 自宅 スクールバス 鉄道駅 交通事業者が運行する路線 バス→不採算路線 学校 見直し後 自宅 鉄道駅 路線バスとスクールバスを統合し、効 率化により、生活交通を維持 参考)スクールバスの活用に至った背景 ・神奈川県旧藤野町では、中学校のスクールバス(計3台)を運行していたが、現行 の乗合バスの運行区間と重複する部分が多く、提供する交通サービスが非効率な状 態となっていた ・そこで、利用者が多く乗合バスの存続が可能となり得る区間はバス事業者が乗合バ スを運行(維持)し、利用者が少なく乗合バスの撤退が予想される区間は、藤野町所 有のスクールバス等を学生と一般利用者が一体的に利用する形態で運行 −90− 2) バスの小型化やハイブリッド車の導入検討 燃料費等の削減に対応するため、利用ニーズにあったバスの小型化やハイブリッドバス の導入を検討します。 〔車両の大きさと費用の関係〕 大 多い 大型車 重量税・燃料費・車両点検・消耗品等のコスト 利 用 者数 小 少ない 小型車 −91− 3) より地元に密着した効率的な運営主体と行政の支援 それぞれの地域を熟知する地元団体やNPO等が、地元のバス運行・運営に参加 できる体制を構築し、地元住民のアイデアを生かしながら運営の効率化を図ります。 また、減価償却費にかかるバスの購入費等を行政が負担し、健全な運営を支援す る取り組みを検討します。 〈NPO が運行主体となった事例:三重県四日市市「生活バスよっかいち」〉 〔協働関係イメージ〕 (地 元) (地域住民) まちを自由に 動きたい! 運行サービスの提供 要望 (地元企業) 住み やす い 地 域づ くり に 貢 献したい! 協賛金 (運行主体) NPO法人 生活バス四日市 運行要望/ 委託金 (バス事業者) たくさんの 方にご利用 いただきた い! 補助金 (四日市市) 生活バスよっかいち 【バス運行・運営における様々な工夫】 ・無理のない事業性の維持 →地元企業からの協賛金 ・徹底したニーズへの対応 →商業施設、病院へのルート乗り入れ ・きめ細やかな対応 →病院の玄関口まで乗り入れ など −92− (2)バス利用環境の整備 ① 他路線との乗り継ぎ利便性の向上 バス停の集約化など、他のバス路線や鉄道駅との連携を強化し、乗り継ぎ利便性の強化を 図ります。 〔他路線との乗り継ぎ改善イメージ例〕 見直し前 見直し後 病 バス停を集約し、乗り継ぎ 利便性を強化 院 病 幹線 バス 幹線 バス 〈バス停乗合タクシーサービス事例 「さんさんバス&乗合タクシー」 愛知県三好町〉 ・自宅からバス停までの移動 に乗合タクシーサービス を提供 ・バスとの乗り継ぎを含めて 利用料金が 100 円 さんさんバス −93− 院 ② バス待ち環境の改善・整備 ターミナル機能を有するバス停や複数の路線が交差するバス停において、ベンチ や照明施設の整備、バス停上屋設置など、利便性向上やバス待ち環境改善に向けた 取り組みを進めます。 このような取り組みでは、公共施設・商業施設・空き店舗など既存施設の積極的 な有効活用を検討するとともに、市民が公共交通に愛着を持ち「自ら守り育てる意 識」の醸成により市民の協力を得ながら円滑な推進を図ります。 〔バス待ち環境に求められる付加価値〕 ・バス待ちが苦にならない工夫 →公共施設や商業施設(書店、コンビニなど)との連携 ・地域のコミュニティの場 ・地域の情報発信の場 など 既存施設の有効活用によるバス利用環境の整備事例:岩手県岩手郡雫石町「あねっこバス」〉 空き店舗のスペースを活用した待合室 村役場や診療所等、町内 10 箇所に予 約専用無料電話を設置 地域住民によるバス停環境改善活動の事例:北海道札幌市清田区〉 地域住民の自発的な バス停周辺の植花活動 −94− (3)地域とともに取り組む持続可能な運行を目指して 利用者の利便性を向上させながら持続可能な運行を維持するには、交通事業者に頼るだ けでなく、地域住民による積極的な利用や積極的なバス運営への関与が重要と考えます。 これからは、運行に関わる 3 者が以下に示す役割を担い、協働しながら持続可能な運行 を支えていきます。 〔運行に関わる3者の役割〕 【住民等】 市民・学校・企業等 計画から運行まで直接関わり、積極 的に利用することで支える 【行政】 新潟市・国・県 【交通事業者】 鉄道・バス等 積極的かつ適切に関与し、運行 効率的で安全・安心な運行をする を支援する ① 路線の再編 補助路線および区バスの利用者が少ない(または収支率が低い)路線については、路線の 見直しを図るとともに、利用者数の状況に応じて住民が主体となったバス運行や既存目的 バスを活用したバス運行について検討します。 〔路線見直しの考え方〕 補助 路 線 一定の利用者があ る路線 さらな る利用 促進に 向 けて、継続的に見直し・ 改善を図る 維持が困難な路線 地域に密着した路線 区バ ス ・市が運行主体 ・定期定路線型 運行 収支率 30%を超 える路線 収支率 30%以下 の路線 住民 バ ス ・住民組織が運行主体 補 助 路線 と し て 維持 住民バスへの再編 さらな る利用 促進に 向 けて、継続的に見直し・ 改善を図る デマンド交通 など新たな運 行形態の導入 を検討 区 バ スと し て 維 持 目標達成 区 バ スと し て 維 持 目標未達成 住 民 バス 等 の 検 討 住民が主体となって、さらなる利 用促進に向けて、継続的に見直 し・改善を図る −95− 効率的な運行に向けてさらなる改善 ・交通事業者が 運行主体 ・定期定路線型 運行 〔検討の流れ(再掲)〕 ◆地域ニーズを的確に把握 ◆運行システムの検討 (検討のポイント) ・地域ニーズにあった運行計画 ・新たな旅客需要の開拓 ・運賃以外の収入の確保 検討の視点1 :利用者と収入を増やす 収 入 乗車運賃 補助 車両減価償却費 支 出 燃料費 人件費 その他 税金・保険料 負担の大きい要素 車両修繕費 検討の視点2 :支出の抑制と安定した運営基盤の確保 (検討のポイント) 効率的な運行形態・シ ステム・運営主体 路線の再編を含めた段階的な改善 地域のニーズに対応した持続可能な生活交通の確保 −96− ② 検討体制の構築 計画をより円滑に推進し効果を発揮させるため、各区において地域住民・交通事業 者・行政から成る生活交通確保に向けた検討体制を構築し、PDCAサイクルにより 継続的な見直し・改善を図ります。 〔検討体制イメージ〕 情報交換等 新潟市地域公共交通会議 地域公共交通会議 分科会 分科会 ↑ 自治協議会 自治協議会 市 ↓ 地元住民のニーズ・意向 住民バスの場合 区バスの場合 補助路線の場合 (補足説明) ■新潟市地域公共交通会議とは 平成 18 年 10 月 1 日の改正道路運送法の施行に伴い、地方自治体がこの会議を主宰し、会議で 関係者の協議を調えることによって、地域の実情に応じた運賃体系や運行形態の適用が可能とな ったことを受けて、地域のニーズに即した乗合運送サービスの運行形態(市町村運営バスの必要 性を含む)、サービス水準、運賃等について協議するために平成 18 年 11 月 30 日に設置された組 織です。構成員は北陸信越運輸局や交通事業者、利用者代表、道路管理者、新潟県警察など。 ■区自治協議会とは(再掲) 新潟市が目指す分権型政令市を実現し,市民と行政との協働によって,住民自治の推進を図る ために,各行政区に設置する市長の附属機関です。 ■コミュニティ協議会とは コミュニティのさまざまな地域課題を解決するために,地域が一体となり,自治会,町内会を 中心にさまざまな団体等が参加する、小学校区または中学校区の組織であり、地域の課題を協議 します。協議の結果、提案された内容については区自治協議会に提出します。 ■広域的な幹線バスの協議について 新潟県生活交通確保対策協議会などで協議します。 −97− 地域住民 区役所 コミュニティ協議会 コミュニティ協議会 コミュニティ協議会 コミュニティ協議会 ↑交通事業者↓ ××区 △△区 関係機関 地域公共交通会議 本庁 △△区 必要に応じて ○○区 新潟県生活交通確保対策協議会 〔PDCA サイクルによる継続的な見直し・改善イメージ〕 Action 見直し・改善 Check 継続的な見直し・改善 ・より効率的なサービス への見直し・改善 等 ・地域ニーズの把握 ・運行形態の検討 ・サービス内容の検討 Plan Do 評価 ・輸送サービス内容の問題点の 整理 ・結果の検証・評価 等 計画 運行・運営 ・地域住民へのPR ・利用者数等の利用実態の把握 (参考)現在の PDCA サイクルにおける住民と行政の主体的な関わり方イメージ −98− 等 等 〈見直し改善により利用者数が増加した事例(広島県広島市「やぐちおもいやりタクシー」)〉 ・ 運行開始当初は、1 日当たりの目標利用者数 40 人の半分も満たない利用者数で低迷が 続き事業継続が困難な状況でした。 ・ しかし、関係する専門家や地域の関係者で構成される「やぐちおもいやりタクシー活 性化検討委員会」による実験運行の検討、実施、評価、見直し・改善によって、採算 ラインまで利用者が増加。 〔やぐちおもいやりタクシーの利用者数の推移〕 地域が一丸となって PDCA サイクルによる見直し改善 を進め、利用者が増加 50 44.1 1日当たりの利用者数(人/日) 45 採算ライン 40 人 40 39.1 35 31.5 31.5 利用者数が低迷 30 23.5 25 20 17.7 16.9 15 15.1 42.7 25.0 23.4 22.6 23.2 33.5 44.1 41.1 35.1 36.0 29.2 24.7 17.0 16.6 18.0 13.4 13.0 11.1 12.0 10 5 H17.9 H17.10 H17.8 H17.7 H17.6 H17.5 H17.4 H17.3 H17.2 H17.1 H16.12 H16.11 H16.9 H16.10 H16.8 H16.7 H16.6 H16.5 H16.4 H16.3 H16.2 H16.1 H15.12 H15.11 H15.10 H15.9 H15.8 0 本格運行開始※2 運行開始 アンケート 実施 ダイヤ 見直し アンケート 実施 本格運行の検討 実験運行の実施※1 実験運行の検討 やぐちおもいやりタクシー 活性化検討委員会を設置し検討 町内会が中心となって検討 〔委員会構成員〕 交通事業者、地元商業施設、自治体、 国、地域住民 ※1)実験運行における新たなサービス ・1 周 5km→8km に変更 ・携帯電話を活用したデマンド型運行を一部で導入 ・最終便の繰り下げ、土曜日・日祝の運行 ・往復割引券の発行 ・商業施設との連携による復路割引(復路が無料) ※2)本格運行における変更点等 ・運行ルート変更なし(1 周 8km) ・一部ルートにおいて、デマンド型運行の定路線型 運行に変更 ・土曜日・日祝の運休 ・往復割引券の継続 ・商業施設と連携した復路割引の継続 −99− 〈実験運行実施に向けた取り組みと役割分担を明確にした事例: (広島県広島市「やぐちおもいやりタクシー」)〉 〔やぐちおもいやりタクシーの検討体制〕 〔取り組み毎の役割分担〕 改善項目 運行経路 取り組み ○経路変更の申請・許可 役割分担 交通事業者・運輸局 ○停留所の設置 ダイヤ ○実験ダイヤの設定と掲出 交通事業者 運行環境の改善 ○停留所の改善・増設 交通事業者・地元 ○デマンド型運行システムの導入 交通事業者・運輸局 ○往復割引券の準備 交通事業者・運輸局 運賃 商業施設・医療機 ○各店との交渉 地元・市 関との連携 広報・周知PR ○実験運行の周知 地元・交通事業者・市・ ○運行車両に行灯つける 運輸局 ○チラシ配布など −100− ◆行動計画(案) 計画当初(H20) 5年後 前 期 計 画 先行的実施 概ね 10 年後 後 期 計 画 地域ニーズの把握と運行モデルの検証 《区バス》 検討体制の構築 (試行運行)本格運行 継続運行 ニーズの把握 と見直し 廃止(他の移動手段へ) デマンドモデルの 検証・試行運行 各区バスの評価 新潟市地域公共交通会議の設置 再編も含めた 再編も含めた 段階的な改善 段階的な再編 《住民バス》 継続運行 ニーズの把握 と見直し 区バス代替 地区の検証 《補助路線》 利用状況など の精査 継続運行 ニーズの把握 と見直し 必要性の検証 代替モデルの検証 ・試行運行 バス利用環境の整備 ・他路線との乗継利便性向上 ・バス待ち環境の改善・整備 地域とともに取り組む推進体制の構築 ・検討体制 の構築 −101− 長期的対応 5-4.新潟駅を南北に結ぶ基幹公共交通軸の形成 にいがた基幹バス「りゅーとリンク」 プロジェクトの概要 新潟駅を南北に貫くサービス度の高い基幹公共交通軸の形成に向けて、既存の バス交通を活かしながら、市民が魅力を感じ利用したくなるような公共交通の 利用環境を先行的かつ段階的に整備します。 具体的には、オムニバスタウン整備総合対策事業を活用し、平成 19 年 11 月か ら運行開始した専用バス車両によるにいがた基幹バス「りゅーとリンク」の充 実を図るため、バス待ち環境や路線間の乗り継ぎの改善、ICカードの導入な どサービス向上に取組みます。 さらに、現状では事業採算面の負担が大きいLRTや次世代型バスシステムの 導入も見据え、将来の走行空間となるバスレーンの確保や新潟駅の連続立体交 差化、基幹軸沿線における土地利用の計画的誘導・促進を図ります。 (1)にいがた基幹バス「りゅーとリンク」の充実 ① 専用車両の導入 基幹公共交通軸に市民や来訪者が一 目でわかる専用デザインを取り入れた ノンステップバスを導入し、新潟駅か ら万代、古町、県庁、駅南、鳥屋野潟 オムニバスタウン計画 の整備目標(予定) ◆りゅーとリンク専用デザイン ノンステップバスの導入 南部間を結ぶ快適でわかりやすい運行 ※ りゅーとリンクを含め市全体で計 画期間中にノンステップバスを 110 台導入 サービスを提供します。 バリアフリー対応車両導入率 現況 28.5% → 計画 51.6% −102− 〔りゅーとリンクの車両の概要〕 「夕焼けの中を飛んでいる 白鳥」をイメージした専用 ※市内でデザインを専攻している学生からデザ インを募集して選考・決定しました。 デザイン→ ←スムーズな乗り降りと多様なサービスの 可能性を広げる IC カードの導入を今後検討 ※IC カード、ノンステップバスは、 「りゅー とリンク」に限らず市内のバス路線を対象 に普及を図ります。 ←液晶表示による見やすい車内案内と多 様な情報サービス ←段差が無く、乗り降りが 容易なノンステップバス −103− 〔りゅーとリンクの運行ルート〕 ①( 「中央循環線」グループ) ②(「駅南口∼弁天線∼市民病院」グループ) 7A 8A・駅前∼県庁∼駅南口 532 10 530 531 ・駅南口∼弁天線∼市民病院 ∼曽野木ニュータウン・大野仲町 ・駅前∼県庁∼市民病院 ・駅南口∼弁天線∼市民病院 〔りゅーとリンクのさらなる改善に向けた取り組み〕 分かりやすく、さらに利用しやすい「りゅーとリンク」を実現するため、 以下に示す取り組みについて、引き続き関係者と検討を進めます。 ○ わかりやすい路線案内 路線の単純化、表示の統一・簡素化 (市民病院止まり ・ 環状路線化) ○ 利用しやすい運賃体系 均一料金・乗継割引の導入検討 ○ 待たずに乗れるバス運行 運行便数・運行時刻の見直し検討 −104− ② 高機能バスの導入検討 ハイブリッドバスや連節バスといった高機能バスを試験的に導入し、環境に 優しくより効率的な「りゅーとリンク」の運行や、サッカーの試合などイベン ト時のシャトルバス利用について効果を検証します。 〔様々な高機能バス〕 ハイブリッド電気バス (省エネルギー、低公害、低騒音) ※ マイクロタービンエンジンにより発 電した電気をバッテリーに蓄電し、そ の電気でモーターを駆動 ※ ディーゼルエンジンバスに比べ、 NOx(窒素酸化物)排出量は 1/5、HC は(炭 化水素)1/3、CO(一酸化炭素)は 1/10、 PM(粒子状物質)は 1/3 ※ 騒音も 53dB と低く、エンジン音を気 にせず車内で会話が可能。 東京 丸の内シャトルに導入された ハイブリッド電気バス ※ ディーゼルエンジンにより 発電した電気をバッテリー に蓄電し、モーターを駆動 ※ 約 4 割の燃費向上と約 6 割 の NOx 低減で最新のクリーン 性能を達成 国産ハイブリッド電気バスの事例 連節バス(大量輸送が可能) ※長さは 17.99m、定員 129 人と 電車 1 両分の長さと定員 ※海外では、都市の主要なバス路 線に数多くの車両が導入され ています。 神奈川中央交通が導入したノンステ ップ連節バス〔ツインライナー〕 −105− ③ バス走行空間の路面標示 道路利用者に基幹バス路線を視覚的にアピールす るため、バスの走行空間をイメージしたカラー舗装 やバス停の位置を示す路面標示を推進します。 〔バス停の路面標示事例(新潟駅前)〕 〔バス走行空間のカラー舗装事例(柾谷小路)〕 ④ PTPSの拡充、バスレーンの導入・検討 公共交通優先システム(PTPS)の活用促進を図り、バスのスムーズな走行を確保します。 ま た、にいがた基幹バスの導入に伴い、運行本数の大幅な増加が見込まれる弁天線へのバスレー ン設置について検討を進めます。 〔PTPS〕 〔都心および都心周辺部におけるバスレーン およびPTPS設置状況〕 公共交通軸の 関屋大橋 例 バス専用レーン設置済 バス優先レーン設置済 バスレーン導入検討 PTPS導入済区間 PTPS導入予定区間 −106− 新潟駅 弁天線 凡 笹出線 白山停車場女池線 小張木関屋線 ※PTPS路上に設置した光ビーコンがバス の信号を受信し、進行方向の信号機をバス 優先にコントロールするシステム 萬代橋 市役所 昭和大橋 千歳大橋 R116 機能強化検討 (バスレーンの充実など) 鳥屋野潟南部公園線 基幹バス路線 また、万代島ルート線など都心環状道路の整備の進捗状況に合わせ、古町地区にお ける基幹公共交通軸を強化するため、道路網の適正な役割分担による円滑な交通処理 と、公共交通軸としての柾谷小路の空間整備やバスレーンの時間運用などについて、 関係機関と十分な調整を図りながら検討を進めます。 〔柾谷小路の車線運用イメージ(案)〕 通 常 バス優先時間帯 ④ バス停留所のハイグレード化 基幹公共交通軸をはじめ、一般国道 116 号などの幹線バス路線を対象にデザ イン・快適性・情報案内に優れたバス停上屋の整備を進め、利用しやすいバス 待ち環境を実現します。 〔H19 年 4 月に整備された東大通の広告付きバス停〕 オムニバスタウン計画(新潟 市バス停環境整備検討部 会)の整備目標(予定) ◆バス停上屋の整備 事業者実施 68 基 国実施 13 基 新潟市実施 20 基 −107− (2)便利で使いやすい基幹バスの利用環境整備 ① 既存バス路線の再編整備 利用者にわかりやすい都心のバス環境を実現するため、郊外バス路線の発着場所 を市役所周辺と新潟駅に集約するとともに、サービスの維持向上を図りながら、市 役所周辺及び古町地区のバス停群を再編整理して簡素化を図ります。 〔バス路線再編イメージ〕 市役所周辺のミニ バスターミナル化 船江町方面 バス停群の再編整理 〔にいがた基幹バス「りゅーとリンク」と既存バス路線の役割分担〕 今後行う IC カードの導入とともに、次のような観点から、効率的なバ ス路線網の再編検討を進めます。 ○基幹バス : 高頻度運行、路線・案内表示の明確化 ○既存バス(郊外線): 基幹バスとの連携、速達性の向上 ○既存バス(市内線): 路線重複区間の見直し、効率的な路線配置 〔にいがた基幹バス「りゅーとリンク」と既存バス路線の役割分担〕 現 状 再編のイメージ 快速化 バス停が混在 乗継が不便 乗継強化 凡 例 基幹バス 郊外線 バス停の整理 市内線 起終点 路線が重複 −108− 基幹バス・市 内線・郊外線 別に明確化 路線統合・運行頻 度向上・乗継強化 ② 都心部のバスを便利にする多様な仕掛け作り 歩くという基本行動を補完する移動手段として、集客・駐車場施設・レンタサ イクルとバスの連携を図り、都心に訪れる人びとがバスを気軽に楽しく利用でき る環境づくりを促進します。 拠点施設における情報提供 〔バスを便利にする多様な仕掛けイメージ〕 ■情報が見やすい大型高精細パネル ■使いやすいタッチパネルインターフェイス ■運行・次便情報をリアルタイムで表示 都心部におけるバス利用サービスの向上 液晶モニタ 路線マップ表示 液晶モニタ 運行状況表示 タッチパネル情報検索端末 ■既存駐車場群のフリンジパーキング利用 ■ワンコインバスの導入検討(古町地区) ■ICカードを活用した買い物客利用割引 ■バス停付近へのレンタサイクル ステーションの設置促進 バス停への 路線図表示 古町 市役所 万代 万代∼古町間の相互交流の促進 ■既存駐車場と古町・万代地区 商業施設との相互連携の促進 ■萬代橋上へのワンコインバス導入検討 凡 例 駐車場集積地 ワンコインバス 情報案内拠点 新潟駅 水上バス乗り場 レンタサイクルステーション 設置候補地 既存 新潟駅南北のバス乗り継ぎ強化 万代地区に集積する大規模駐車場 ■ICカードによる乗継割引 ■駅前広場間のバス案内板の充実 −109− ③ にいがた基幹バスに接続する交通結節機能の強化 郊外バス路線や鉄道駅と「にいがた基幹バス」の乗継利便性を向上させるため、乗 継拠点となるバス停の運行案内や待合環境の整備を推進します。さらに、高速道路網 の市内乗入れ口に位置する市民病院周辺や弁天線沿線、バスターミナルが整備されて いる県庁周辺を対象に P&R による基幹バスへの利用転換を促す取り組みを推進します。 〔交通結節機能の強化イメージ〕 市役所周辺のミニバスターミナル化 万代地区の情報案内・交通結節機能の強化 ■西新潟と東新潟方面の乗継拠点として情 報案内・待合機能を整備 ■市役本館周辺にバス乗り場を集約 ■市役所市民ロビーを待合場所に活用 白山駅との結節機能の強化 ■東新潟方面と基幹バス路線の乗継拠点として情 報案内・待合機能を整備 ■万代クロッシングの活用 ■万代バスセンターへのわかりやすい誘導案内 西新潟方面 ■白山駅南口の開設 ■駅前広場内へのバス路線接続 白山駅 市役所 万代 県庁バスターミナルの交 通結節機能の強化 &R施策の導入 ■大規模商業施設等の駐車 場を 活用したP &R施策 の導入検討 ■イベント時や高速道路を 利用 する車を対 象とした シャトルバス運行・P&R 施策の導入検討 新潟駅 越後線 信越本線 既存駐車場を活用したP 県庁 南新潟方面 ■南新潟方面・高速バスと基 幹バ ス路線の乗 継拠点と して情報案内・待合機能を 整備 東新潟方面 鳥屋野潟南部 市民病院 新潟亀田 I.C 南営業所 凡 例 乗継利便性の向上 にいがた基幹バス路線 P&Rの促進 中央循環線 郊外バス路線 長潟線 鉄道・高速道路 新設路線 大規模商業施設 −110− 亀田駅との結節機能の強化 ■亀田駅西口広場の整備 ■駅前広場内へのバス路線接続 亀田駅 新潟中央 I.C (3)駅前広場と基幹公共交通軸の段階的機能強化 ① 駅南広場整備と鳥屋野潟南部方面のバス利便性向上 〔新潟駅南口広場の混雑状況〕 国体が開催される平成21年の供用開 始に向けて、新潟駅南口広場の整備を進め るとともに、弁天線のバス停上屋整備やバ スレーン導入検討など鳥屋野潟方面のバ ス利便性向上を図ります。 さらに、万代 広場における案内サインの充実や広場間 の連絡施設の改善を図ります。 〔国体開催時(H21)の整備イメージ〕 万代広場案内サインの充実 東新潟方面 南口広場接続路線の利便性強化 東新潟方面と新潟駅の 長潟線(東跨線橋経由) 新 潟 駅 鳥屋野潟方面 結節強化の検討 古町 万代 万代広場 南口広場 市役所 西新潟方面 県庁方面 空港リムジンバスの南口広場発着検討 〔空港リムジンバスの新潟駅万代広場 への乗り入れ状況〕 新潟駅から新潟空港のアクセスを改 善する短期的施策として、駅ホームから 雨に濡れることなくスムーズに乗れる 南口の空港リムジンバス発着について 県や交通事業者など関係者とともに検 討を進めます。 さらに、中長期的な空港アクセスの改 善策についても、引き続き取組みます。 −111− ② 新潟駅直下を結ぶ基幹公共交通軸の形成 新潟駅の連続立体交差化に併せ、駅 〔駅前広場完成平面図(1F)〕 南北を結ぶ基幹公共交通軸と鉄道を 最短距離で移動できる交通広場を駅 高架下に整備します。 交通広場への 進入は、バスまたは新しい公共交通シ ステムのみを対象とし、タクシーや自 動車と分離することによって、広場内 の良好な都市空間を確保します。 また、交通広場の整備に併せて、西 新潟方面と鳥屋野潟南部方面のバス 路線の接続や、東新潟方面と新潟駅間 の結び付き強化など、路線網の再編強 化に取組みます。 さらに、空港を結ぶ軌道系アクセス の導入に向けて、関係者間の連携のも と、実現化方策を検討します。 〔新潟駅連続立体交差化後の整備イメージ〕 新潟空港へのアクセス改善 東新潟方面 東新潟方面と新潟駅の結節強化 駅直下を結ぶ路線網の再編強化 万代 連続立体交差化 市役所 西新潟方面 新潟駅高架下 交通広場 県庁方面 −112− 鳥屋野潟方面 新 潟 駅 古町 (4)基幹公共交通軸沿線の土地利用の高度化 ①鳥屋野潟南部開発及び公共施設跡地利用の推進 公共交通を基軸としたクオリティの高い都市環境の実現を目指す取組みとして、鳥 屋野潟南部開発とにいがた基幹バス「りゅーとリンク」の密接な連携を図り、安定し た需要創出と拠点施設への良好なアクセスを確保します。 さらに、基幹公共交通軸の沿線に点在する公共施設の大規模跡地について、一部公 共機能の導入も視野に入れながら、提案コンペ等を行い民間による開発を推進します。 ② 市街地再開発事業、まちなか再生建築物整備事業の促進 交通と連動した土地利用面での都市の成長を適正な方向に誘導し、魅力ある中心 市街地形成を図るため、市街地再開発事業やまちなか再生建築物整備事業など民間 のノウハウや資金を活かしたまちづくりを促進します。 〔基幹公共交通軸沿線の土地利用の高度化イメージ〕 旧魚市場 旧万代小学校 新潟駅 凡 例 H19 年 10 月現在事業中 鳥屋野潟南部開発計画 公共施設跡地利用計画 旧市民病院 (仮称)食と花のにい がた交流センター (H24 開園予定) 新市民病院 (H19 開院) 市街地再開発事業 まちなか再生建築物整備事業 民間開発(開発行為) 県立野球場(∼H21) −113− (5)さらなる公共交通利便性向上に向けて 新たな交通システムの導入を見据えた検討 さらに公共交通利便性を向上させ都心の魅力を高めるために、前述した既存公共交通 の改善等により段階的なサービスレベルの強化を進めながら、LRTや次世代型バスシ ステムなどといった新たな交通システムの導入を見据えた検討も進めます。 ◆導入検討にあたって 新たな交通システム導入には多額な費用が要することから、まずは既存公共交通の サービスレベルの強化と意識啓発等により公共交通利用の人の流れをしっかり作り出 すことが重要であるとともに、市民との合意形成を十分に図っていくことが必要です。 そこで、市民とともに考えながら、検討を進めます。 サービス水準 新たな交通システム導入を見据えて 市民のみなさんと 考えながら・・・ ■将来に向けた検討 オムニバスタウン計画 まちづくりとの一体化 市民・行政・交通事業者の連携 公共交通の利用促進 時間軸 −114− さらなる公共交通利便性の向上イメージ ∼快適性と機能性を兼ね備えた都市の実現に向けて∼ 検討課題2:走行空間の確保 ① 既存バスレーンの区間拡大・延伸 ② 物理的分離、時間帯区分による空間確保 ③ 専用信号による優先走行 LRT(フライブルグ:ドイツ) ※ ゴムタイヤトラムTVR (ナンシー:フランス) バスレーンとバス専用信号 (クライストチャーチ HP より:NZ) 検討課題1:必要とするシステムの選択 ① システムに求められる性能・機能の評価 ② 採算性・財源確保 ③ 軌道系またはバスシステム LRT(ナント:フランス) ※ 専用走行路、チューブ式バス停留所 (クリチバ:ブラジル) 検討課題3:停留所・乗継施設の工夫 ① 対面式乗継施設、段差の解消 ② 交通手段との連携強化P&R,C&R ③ 運賃収受の簡素化 ※ 物理的に分離した専用走行路 (ジャカルタ:インドネシア) 検討課題4:既存バス路線との関係整理 ① 路線の再編・階層化 ② 運賃の体系化、乗継割引の工夫 ③ 現行事業体制との調整・段階的推進 ※ 対面式乗継施設、交通結節点 (ナンシー:フランス) 検討課題5:土地利用との連携 ① 沿線土地利用の高度化、低未利用地の活用 ※ 洗練されたデザインの車内空間(TVR) ※ 広い乗降口、段差のない乗降施設 (ボゴタ:コロンビア) −115− ※印 写真資料提供 横浜国立大学大学院工学研究院 教授 中村文彦 ・ −115− ◆行動計画(案) 計画当初(H20) 5年後 前 期 計 画 先行的実施 概ね 10 年後 後 期 計 画 長期的対応 にいがた基幹バス「りゅーとリンク」の充実 IC カード導入 オムニバスタウン指定 バス停部会設置 ・専用車両の導入 ・IC カードの導入検討 ・バス停のハイグレード化 ・新たな交通システムの導入検討 ・高機能バスの導入検討 (社会実験の実施) ・バス走行空間の路面標示 ・PTPS の拡充 ・バスレーンの導入、検討 便利で使いやすい基幹バスの利用環境整備 ・既存バス路線の再編整備 社会実験の実施 ・都心部のバスを便利にする多様な仕掛けづくり ・にいがた基幹バスに接続する交通結節機能の機能強化 市役所ミニターミナル化 駅前広場と基幹公共交通軸の段階的機能強化 ・新潟駅連続立体交差化 ・南口広場整備 ・万代広場整備 H21 供用開始 ・駅直下を連絡する基 幹公共交通軸の形成 ・鳥屋野潟南部方面のバス利便性向上 基幹公共交通軸沿線の土地利用の高度化 ・鳥屋野潟南部開発の推進 ・大規模跡地利用の推進 H19 新潟市民病院開院 H21 県立野球場供用開始 H24 開園予定(仮称)食と花のにいがた交流センター ・市街地再開発事業、まちなか再生建築物等整備事業の促進 −116− 2007 連続立体交差事業着手 (H19 年) 駅南広場整備着手 2008 サミット・プレ国体 (H20 年) 2009 駅南広場完成 (H21 年) 新潟国体開催 検討課題 ○ 南口バスターミナルの運用 ○ 空港リムジンバスの南口発着 ○ 万代広場の暫定整備 2013 新幹線同一ホーム 乗換え(暫定供用) (H25 年) 2014 北陸新幹線供用開始 (H26 年) 2015 連続立体交差化完了 (H27 年) 検討課題 ○ 新潟駅西線と新潟駅東線を通過 するバス路線の再編・整備 ○ 通行を阻害する駐停車対策 2016 ∼概ね 5 年間 (H28 年∼概ね 5 年間) 交通広場完成 万代広場完成 検討課題 ○ 新潟駅を南北に貫く基幹公共交 通軸の形成 ○ 道路機能の役割分担と道路空間 の再構築 2020 年代 (H32 年∼) 都市施設の概ね完 了までの 5 年間 都心環状の完成 −117− 検討課題 ○ 都心環状(出来島上木戸線)の 整備効果を最大限に発揮させる新 たな交通施策の展開 ○ 基幹公共交通システムの強化 自動車の主動線 〃 : の地区内動線: 公共交通の主動線 : 5-5.古町地区における道路の役割分担と道路空間の利活用 NEXT21 前交差点(新潟市中央区) プロジェクトの概要 道路が担う多様な機能に着目し、自動車交通の適正な分散誘導と基幹公 共交通軸の形成を図ることにより、分かりやすく行きやすい古町地区の 交通環境を実現します。 具体的には、万代島ルート線の整備にあわせ、地区内の交通に対応する アクセス道路や柳都大橋に誘導する道路、歩行者重視の道路など、メリ ハリのある道路空間整備を目指します。 さらに、利便性の高い基幹公共交通軸の形成に向けて、現在、柾谷小路 に集中している自動車交通を万代島ルート線へ適正に誘導することに よって、バス交通の段階的な機能強化を図ります また、古町地区の歴史や文化を活かした魅力あるまちづくりを推進する ため、関係者と連携を強化しながら、安全で回遊性の高い歩行者空間・ 自転車の通行環境整備などを目指すとともに、放置自転車や違法駐車、 荷捌きスペースの確保など様々な交通の課題に対応していきます −118− 。 (1)都心環状道路の整備と地区内道路の再構築 ∼検討・推進イメージ∼ 都心部においては安全・快適でゆとりと潤いのある空間づくりが求められ、そのた めに地区内の道路機能の役割分担が必要となります。 回遊性・賑わいを高めた面的な歩道や自転車通行環境整備を実現するには、限られ た道路空間の活用を進めていきます。また、地区内への自動車交通量を軽減するため、 通過交通を抑制するトラフィック機能重視型の都心環状道路整備や、環状道路を補完 しつつ経済活動を支える沿道アクセス道路の機能の分担を図っていきます。そして、 自動車に頼らないまちづくりを進めるため基幹軸における公共交通の機能の向上を 進めていきます。 〔面的な歩行者空間ゾーンの整備イメージ〕 −119− ① (都)万代島ルート整備・促進と道路機能の役割分担 都心環状道路に位置づけられる万代島ルート線の整備を促進し、都心部に流入す る通過交通を適正に誘導することによって、わかりやすい地域の円滑な交通処理と 柾谷小路を主軸とするバス交通サービスの向上を目指します。 また、地区内への関連交通に対応する沿道アクセス路線や歩行者や安全性や快適 性を重視した歩道や自転車通行環境整備など、役割分担による道路空間の再構築を 推進し、訪れる人が楽しく回遊できる魅力ある街づくりを進めていきます。 〔古町地区の交通の現状と取り組みイメージ〕 ■現状の交通問題 ・柾谷小路には様々な交通 が集中 ・来街者にとって分かりに くい交通案内 ・違法駐車などによる交通 環境の阻害 ・駐輪、荷捌き、交通事故 などへの対応 資料)H17 年道路交通センサス日交通量 ■取り組みイメージ ・まちなかを快適に移動で きる利便性の高い公共交 通を実現 ・万代島ルート線の整備と 道路の機能分担による適 正な交通の分散・誘導 ・道路空間の多様な利活用 ・回遊性の高い歩行者空間 −120− 〔道路機能の役割分担イメージ図(将来)〕 (都)万代島ルート線 (供用:長期) 本町通り 鍛治小路 東堀通り 柳都大橋 新津屋小路 古町通り 新堀通り 柾谷小路 ︵国道7号線︶ 西堀通り 広小路 ︵都・万代島ルート線︶ 東中通り (国道116号線) (都)万代島ルート線 (供用:短・中期) 萬代橋 八千代橋 昭和大橋 トラフィック重視路線 公共交通重視路線 面的な歩行者空間ゾーン 沿道アクセス重視路線 環境・景観重視路線 賑わい地区(中心商業業務地区) 地区道路重視路線 右折禁止交差点 既存駐車場 ② 西堀通、東堀通などの一方通行規制の見直し 古町地区の交通規制は、昭和 41 年 に、慢性的な交通渋滞の緩和や交通事 〔道路機能の役割分担イメージ図(将来)〕 メーター 現状イメージ が、その後の橋梁や街路の整備により 万代橋などの交通量が減少するなど、 歩道 交通状況が大きく変化しています。 1.2 このような交通環境の変化や万代島 3.0 3.0 4.5 パーキング 故の防止を目的として実施されました 歩道 2.9 3.0 13.1 4.4 22.0 ルート線(柳都大橋∼東堀通間)の供 用開始にあわせ、分かりやすく円滑な 交通処理と柾谷小路における基幹公共 見直しイメージ 交通の機能強化を図るため、新潟県警 など関係者と連携し、交通規制の見直 歩道 しを含めた新潟島都心部の交通環境の 4.5 改善に取り組みます。 3.0 3.0 3.0 13.1 22.0 −121− 歩道 活用空間 0.5 3.0 0.6 4.4 〔交通規制見直しの背景〕 ① 交通環境の変化と時代の要請に応じた施策の展開 ② 柳都大橋延伸整備に伴う新たな交通の流れに対応 〔一方通行の現状と見直し案〕 現在の交通規制 市 役 所 日銀 国道116号 東中通り 西堀通り 西堀通り 白 山 公 園 一 番 堀 通 り 東堀通り 至 昭和大橋 柾 谷 小 路 新 津 屋 小 路 広 小 路 五 菜 堀 通 り 東堀通り 至 萬代橋 至 柳都大橋 ○ 西堀通りは一番堀通りから五菜堀通りに向かっての一方通行 ○ 東堀通りは五菜堀通りから一番堀通りに向かっての一方通行 ○ 新津屋小路は東堀通りから西堀通りに向かっての一方通行 交通規制の見直し 市 役 所 日銀 国道116号 東中通り 西堀通り 西堀通り 白 山 公 園 一 番 堀 通 り 東堀通り 至 昭和大橋 新 津 屋 小 路 柾 谷 小 路 至 萬代橋 東堀通り 広 小 路 五 菜 堀 通 り 至 柳都大橋 ○ 西堀通り・東堀通り・新津屋小路は相互通行となります ○ 柾谷小路から西堀通り・東堀通りへの右折は22時か ら7時まで右折できます。 −122− ③ 柾谷小路における基幹公共交通軸の形成 様々な方面へのバス路線が集中している柾谷小路において、バス利用者が迷 うことなく、快適に利用できるようにするため、にいがた基幹バス(りゅーと リンク)や市内線、郊外線ごとにバス停の集約・簡素化を図ります。 〔基幹公共交通軸として位置づけがある区間における今後の取り組み〕 〔様々な路線が発着するバス停の例〕 万代シティバスセンター前バス停(萬代橋東詰) −123− (2) 歩行者・自転車の環境整備 〔取り組み案〕 ① 快適な歩行環境の検討・整備 歩行者の動線として重要な役割を持 ●安心・安全な歩行環境の整備 ・歩道の拡幅と段差・勾配の改善 つ、古町通りや本町通り及び柾谷小路、 ・視覚障がい者誘導用ブロックの整備 西堀、東堀通り、新津屋小路、新堀通 ・自転車と歩行者の通行分離 りの良好な歩行環境を整備し、障がい ・分かりやすい歩行者用サインの整備 者・子供・高齢者など、多様な利用者 がまちなかを安全に快適に回遊できる 歩行者ネットワークを形成します。 ・通り名による道案内の推進 ●水辺・賑わい空間との回遊性 ・回遊性の高い歩行者ネットワークの形成 また、本市のシンボルである信濃 川・やすらぎ堤と商店街を結ぶ歩行者 動線や、堀や町屋など地域が持つ歴史 や文化を感じることができるようなま ちづくりを推進します。 ・信濃川ウォーターシャトル乗り場とのアクセス強化 ●堀と柳を活かした水辺空間の創造検討 ・堀割の再生検討 ●環境・景観の向上 ・商店街と連携した沿道緑化の促進 ・景観に配慮した歩行者空間の整備 〔整備イメージ(事例)〕 (新潟市やすらぎ堤) (新潟市亀田) 〔新潟市内の水辺空間〕 堀と柳の歴史を活かした空間整備イメージ例 信濃川ウォーターシャトル 萬代橋西詰乗り場 (資料)信濃川ウォーターシャトル株式会社HPより −124− ② 安全で快適な自転車通行環境の整備 歩行者と自転車が安心・安全に通行でき るようにするため、まちなかの自転車通行 〔取り組み案〕 ●自転車交通の適正化 環境を整備します。放置自転車対策につい ・自転車通行環境ネットワークの形成 ては、商店街への利便性と景観に配慮した ・主軸となる自転車走行空間の整備 ルールづくりと必要な駐輪施設整備を行 ・自転車利用の安全指導 います。 ・バスへの自転車積み込み検討 また、より多くの人が自転車を気軽に利 ●放置自転車対策 用でき商店街の活性化や環境に優しい社 ・駐輪禁止区域の設定 会に資するため、レンタサイクルのステー ・適切に位置する駐輪施設の設置 ション拡充やベロタクシーの普及に向け ●自転車利用の促進・PR ・自転車マップの作成 た取組みを促進します。 ・レンタサイクルの普及促進 〔整備イメージ(事例)〕 国道 7 号(秣川岸通∼東掘通、新潟市中央区) 地域交流センター(新潟市江南区)の駐輪場 〔新潟市内を走行するベロタクシー〕 古町通りを走行するベロタクシー ※H19 年 10 月 7 日∼営業開始 −125− (3) 道路空間の再構築とルール化 ∼検討・推進イメージ∼ 都心部では、買い物や業務活動などに伴うマイカー・歩行者・自転車・公共交通と いった様々な交通ニーズがあります。 これら交通に適切に対応し秩序と調和の取れた交通環境を実現させるためには、沿 道の事業者や交通管理者と連携し、駐車場、荷捌き施設、駐輪施設の適切な配置と利 用を促進する施策を進めていく必要があります。 −126− ① 多様なニーズに対応した既存道路空間の利活用 西堀、東堀および本町通りの車道には、現在、パーキングメーターやタクシー 乗場、バス停などが配置されています。 交通規制と連動した道路機能の見直しに合わせ、これら施設や荷捌き、歩道の 拡幅など、余裕の生じる車道空間や裏通りを活用した道路空間の再構築について 検討を進めます。 〔既存道路空間が活用可能な配置イメージ〕 柾谷小路 新津屋小路 鍛治小路 東中通 タ タ 広小路 (アーケード) (アーケード) 古町 坂内小路 タ 新堀通り 西堀 タ 東堀 本町 (アーケード) タ タ 上大川前 秣川岸線 昭和大橋 八千代橋 萬代橋 【既存施設】 【活用可能な既存空間】 パーキングメーター設置範囲 タ タクシー乗場 既存空間の利活用 ・既設停車帯の適切な活用 裏通りの利活用 ・歩行者優先道路やアクセス 道路に隣接する裏通りの空 間利用 自転車駐輪場 アーケード 創出空間の利活用 ・アクセス道路の空間を再構 築することで創出可能な空 間の利用 その他、運用時間に配慮した アーケード内での荷捌きの 可能性 −127− 柳都大橋 ② 適切な荷さばき・タクシー乗場の設置検討とルール化 地区内の業務活動や来街者の利便性向上には、荷捌き車両やタクシーの秩序ある駐 停車環境の整備が必要であることから、地元商店街や事業所などの関係者と連携して、 停車場所の利用方法やルール化について検討します。 〔取り組み案〕 〔地元のルールにより運用される荷捌き ベイ(坂内小路)〕 ●荷捌き車両対策 ・タイムシェアリング ・荷捌きベイの設置 ・対策運用時の検証システムの検討 ●タクシー乗場対策 ・乗場位置の移設検討 ③ 商店街の歩行者環境と景観に配慮した駐輪施策 古町通りや本町通りのアーケード内における自転車駐輪について、表通りの歩行者自 転車の通行環境と景観に配慮し、裏小路など既存空間を活用した自転車駐輪施設の設置、 既存民間駐車場の活用の可能性について検討していきます。 〔裏小路に設置された自転車ラックの例〕 〔取り組み案〕 ●放置自転車対策 ・裏小路など既存空間を活用した自 転車駐輪施設の設置 商店街表通り ・商店街と連携した放置自転車の移 動または撤去の可能性検討 (独・カールスルーエ) −128− ◆行動計画(案) 5年後 計画当初(H20) 概ね 10 年後 前 期 計 画 先行的実施 後 期 計 画 長期的対応 (都)万代島ルート整備・促進と道路機能の役割分担 (都)万代島ルート整備 (都)万代島ルート整備 (東堀∼西堀) (柳都大橋∼東堀) 西堀・東堀等の 交通規制見直し 協議会の設置 柾谷小路における基幹公共交通軸の形成 歩行者・自転車の環境整備 快適な歩行環境の整備 西堀・東堀 歩行者空間整備 新たな賑わい空間の整備検討 改組 新協議会の設置 安全で快適な自転車通行環境の整備 道路空間の再構築とルール化 既存空間を活用した必要 な交通機能の配置検討 社会実験の 検討・実施 適切な荷さばき・タクシー乗場の設置検討 とルール化 商店街の歩行者環境と景観に配慮した駐 輪施策 −129− (都)万代島ルート整備 (西堀∼寄居町) 5−6.万代地区の交通結節機能の強化と歩行者空間整備 万代クロッシング(新潟市中央区) プロジェクトの概要 大型商業施設や大規模駐車場、万代バスセンター、水上バス乗り場といった 拠点施設が集中する万代地区は、ショッピングなどで余暇を過ごす人々やバ スを利用する人々で賑わう商業空間を形成しています。 しかし、その一方で、基幹公共交通軸から奥まった位置にあるバスセンター が分かりにくく、ぺデストリアンデッキや万代クロッシングといった恵まれ た歩行者施設が十分に活用されていないという課題も指摘されています。 このため、訪れる人たちやバスを利用する人にわかりやすい都心部の重要な 交通結節点として、天候の影響を受けない選択性の高い歩行者空間ネットワ ークを強化し、新潟の情報と魅力を発信する快適な都市環境整備を進めます。 (1)万代クロッシングの交流・情報拠点広場活用 ① 都市・交通情報案内 システムの整備 〔バス路線が集中する 万代クロッシング上部〕 にいがた基幹バスと郊外バ ス路線の結節点に位置する万 代クロッシング内にバスの運 行状況や地域情報を提供する 案内システムを設け、訪れる人 が気軽に安心して目的地へ行 くことができる「まちなか情報 ステーション」として活用を図 ります。 −130− 〔液晶モニターで路線マップ、運行状況等を表示、また情報検索端末機を設置〕 液晶モニタ 路線マップ表示 液晶モニタ 運行状況表示 タッチパネル情報検索端末 概要 説明 1 路線図表示:バス停と路線別の色によるラインで表示 2 バス停検索:路線/目的地/行き先のバス停の検索によるバス路線/乗り場/時刻表表示 3 次便情報表示:周辺のバス停からこれから運行するバス情報表示 4 通過バス停表示:周辺のバス停に発着する路線の通過バス停表示 5 お知らせ:予告情報などお知らせ表示 6 災害等緊急表示:災害などの緊急情報を文字、画像などでの表示 7 音声ガイダンス 〔待合スペースのイメージ〕 ② 快適な待合環境整備 万代地区のバス停群の中央に位置す る万代クロッシングをバス待ちの時間 調整や悪天候時の退避場所、街に訪れ る人の待ち合わせ場所として活用する とともに、バス停や目的地へのスムー ズな誘導を図るサインシステムの導入 を推進します。 〔わかりやすいサインイメージ〕 〔万代シティ周辺のバス乗り場〕 万代クロッシング位置図 −131− (2)選択性が高く快適に移動できる都市空間整備 ① 拠点施設を一体的に結ぶ 歩行者ネットワークの検討 万代地区の交流拠点施設の結びつけを強め、一体的 な都市集積としてまちの魅力を発信し、訪れる人々が 快適に過ごせる都会的な空間整備を図るため、交通や まちづくり関係者の連携を図り、ぺデストリアンデッ キ網の強化や緑豊かな歩行者自転車の通行環境ネッ トワークの実現に向けて検討を進めます 〔万代地区歩行者動線整備イメージ〕 やすらぎ堤の水上バス乗り場 万代島方面 萬代橋方面 P 水上バス乗場 万代クロッシング 万代バスセンター 基幹公共交通軸 P P P 新潟駅方面 凡 例 総合福祉会館方面 基幹公共交通軸に位置する万代クロ ッシングを基点に、バスセンター・や すらぎ堤を結ぶ歩行者動線軸を形成 主 交通拠点 要 商業施設 施 設 大規模駐車場 歩行者動線 〔万代シティのぺデストリアンデッキの現状〕 オープンスペースとなって いるバスセンター(2F) 駐車場ビルや大型商業施設を結ぶ 2階ぺデストリアンデッキ網 −132− P ② 自由度の高い移動環境とバリアフリー化の推進 ぺデストリアンデッキや地下連絡通路など万代地区の恵まれた歩行者空間と、隣接 する商業ビルなど建物内通路及び昇降施設の連絡性を高め、利用者が天候や気分・目 的に応じて道路空間やビル内を 3 次元的に回遊できる自由度の高い移動環境整備を目 指します。 さらに、移動環境のバリアフリー化に向けて関係者間と連携して検討を進めます。 〔縦断方向からみた自由度の高い移動環境の整備イメージ〕 万代バスセンターの バリアフリー化促進 萬代橋方面横断歩道橋の必要性検討 伊勢丹方面とやすらぎ堤を結ぶ (歩道及び民間施設との連続性) 2階レベルのアクセス検討 ラブラ万代 伊勢丹 BP BP2 横断歩道橋 万代シティ 船着場 EV EV EV EV 万代クロッシング EV ESC EV 万代バスセンター 万代クロッシングとラブラ万代 施設間通路の 地下連絡通路の可能性検討 バリアフリー化検討 −133− (3)街の賑わいを創出する多様な交通施策の推進 〔施策イメージ〕 ① まちの賑わいを演出する 歩行者空間のアクセス強化 道路空間整備 万代地区の活性化を図る観点から、地 区内の道路が担う多様な機能に着目した 道路空間整備について検討を進めます。 土地の有効活用と機能集積 ■やすらぎ堤・水上バス乗り場方面と ビルボードプレイスを結ぶ2F レベ ルの歩行者動線整備 ■やすらぎ堤と万代橋方向を結ぶ歩行 者アクセスの強化検討 ■歩道緑化、人だまり空間の創出 ■低未利用地・跡地などの開発促進 ■隣接街区との連携・アクセス強化 万代クロッシングを活用した 情報・交流拠点機能の充実 ■待合環境・情報表示システムの導入 ■周辺バス停の利用環境整備、 サインシステムの充実 ■選択性の高い道路横断環境 さらに、関係者との連携を図り、地区 内に流入する一般車両の抑制や道路空間 ミナミプラザ の再構築による賑わい空間の創出といっ た地区レベルでの交通環境の改善に取り マンション 建設中 組みます。 道路空間を活用した緑豊かな 賑わい空間の創出 ■一般車両の進入規制 ■周辺緑化、人だまり空間の創出 ■駅方面を結ぶ歩行者空間の整備 万代船附場 マンション 建設中 TAXI 荷捌き車両、自転車駐輪への対応 ラブラ万代 国交省 新潟総合庁舎 シルバー ボウルビル ■荷捌き・自転車駐輪のルール化 ■荷捌きスペース、駐輪ラックの整備 万代1丁目の緑豊かな歩道空間 ② タクシー、荷捌き車両、 自転車駐輪への対応 TAXI バスセンター ビル ビルボード プレイス2 道路空間の再構築・機能分担によ ■連続性のある歩道環境整備 ビルボード プレイス る安全で快適な交通環境を実現する 新潟 伊勢丹 ため、タクシー車両の待機スペース や荷捌きのルール化、自転車駐輪施 タクシー 待機場所 設の整備について、沿道施設や関係 者との協調を図りながら検討を進 め、実現に向けて取り組みます。 駅方面を結ぶ歩行者空間整備 TAXI ショットガン方式による 快適な歩道空間の整備 ■歩道環境整備・人だまり空間の創出 ■荷捌き・自転車駐輪のルール化 ■荷捌きスペース、駐輪ラックの整備 タクシー乗り場の導入検討 既設駐輪場 −134− ■TVモニターを活用したタクシー待機 システムの導入 ■タクシー待機スペースの確保 凡 例 建 商業施設 築 業務施設 物 駐車場ビル ペデストリンアンデッキ 低未利用地 主要バス停 −134− 〔万代地区の現状〕 ラブラ万代前に並ぶタクシーの車列 通行が困難な歩道環境 歩道上に無秩序にとめられた自転車 ◆行動計画(案) 計画当初(H20) 先行的実施 5年後 前 期 計 画 概ね 10 年後 後 期 計 画 万代クロッシングの交通・情報拠点広場活用 ・情報案内システムの整備 ・快適な待合環境整備 選択性が高く快適に移動できる都市空間整備 ・歩行者空間ネットワークの検討 ・自由度の高い移動環境とバリアフリー化の推進 ・やすらぎ堤を結ぶ2階 レベルのアクセス検討 まちの賑わいを創出する多様な交通施策の推進 ・関係者を交えた まちづくり勉 強会の開催等 まちの賑わいを演出する道路空間整備 ・タクシー、荷捌き車両、 自転車駐輪への対応 −135− 長期的対応 5-7.モビリティマネジメントの推進 プロジェクトの概要 戦略プランでは、環境や人に優しく、人々が日常生活に必要なサービスを享受 できる暮らしやすいまちづくりを進めるため、自動車と公共交通のバランスの 取れたと交通体系の実現を目指しています。 しかし、環境問題や地域社会を支える移動手段として期待される公共交通も、 利用者であるより多くの市民から、実際に利用していただかなければ、その効 果を発揮し、一定のサービスレベルを維持することはできません。 このため、公共交通の利便性を高める取組みとともに、市民一人一人が過度に 自動車に依存した行動を見つめなおし、無理のない範囲で自発的に変化するこ とを促すモビリティ・マネジメントを推進します。 (参考)モビリティマネジメントとは? ○ 定 義 ・・ ひとり一人のモビリティ(移動)が、社会的にも個人的にも 望ましい方向(注)に自発的に変化することを促す、コミュニケー ションを中心とした交通施策 【注):例えば、過度な自動車利用から公共交通・自転車等を適切に利用する方向 モビリティ・マネジメントの3つの特徴 z z z 自発的な行動変化を期待する 意識や習慣等の社会的・心理的要素に配慮する 大規模かつ個別的なコミュニケーションを主体とした施策である 【モビリティ・マネジメントの手引き】 −136− 土木学会より 5.重点プロジェクト (1)市民意識やニーズを踏まえた活動展開 ① (仮称)にいがたMMネットワークの設立 モビリティ・マネジメントをより実効性の高い活動とするため、環境問題やま ちづくり・経済活動など様々な分野で活動する団体や市民などの意見を取り入れ ながら、施策や進め方について検討を行う(仮称)にいがたMMネットワークを 設立します。 〔モビリティマネジメントの推進イメージ〕 【推進体制の狙い】 市民と行政が互いの得意分野を活かしつつ共に連携・協力し、市民参加のもとに交通 の観点からまちづくりを考え、市民の自発的な行動の変化を促す「新潟版モビリティマ ネジメント」に取組みます。 行 NPO 等市民団体 政 (仮称)にいがた MM ネットワーク 連携・協力 国・県・交通事業者など 豊富な市民活動実績、 人と人とのつながり 関係機関との連携・協力 市民が参加して結果的に納得感を得ることができるプロセスデザイン 交通だけでなく、環境・健康・経済・教育・生活といった多面的な考察 ○ 都市交通施策の検討・推進 情報交換 ○ 施策の効果検証・評価見直し ○ 市民意見を反映できる場作り ○ 市民参加の目的を明確にし共有 ○ MM に関する企画と技術的検討 ○ 公共交通などの利用啓発活動 活動連携 ○ 活動成果の評価 ○ 市民の意向を反映した運営提案 ○ 適切な参加方法の提案・実施 ○ 市民への情報発信 より多くの市民が参加できる機会の創出と施策の展開 −137− 〔当面の作業スケジュール〕 平 成 19 年 度 (仮称)にいがたMMネット ワーク準備会の結成 新潟版「モビリティマネジメント」 とはなにか?考える切り口を見出す 関連行政組織の取組み 情報提供 ・フォーラムの開催など ・行政、交通事業者との意見交換 専門家によるアドバイス 先進事例の紹介 交通戦略プランの説明 広報活動の実施(マスコミ掲載・リレートーク・PR 冊子など) 次 年 度 以 降 基本方針・次年 度活動計画検討 提案・要望 MM 施策・関連施策提案 協力・支援 (仮称)にいがたMMネットワークの設立 連 携 関連施策の実施 施策の実施・展開 ② モビリティマネジメントの施策内容の検討 モビリティ・マネジメントの推進に向けて、行政の視点だけでなく、参加メリット や共感を得られやすい目標設定など、市民の視点に立った活動計画を検討します。 〔施策の方向性〕 a.共感を得るための仕掛けづくりと情報発信 ・・・ 行政だけでなく、より多くの団体や個人から、いかに理 解と協力を得られるか? ■ 賛同していただける理念、相互理解と信頼感を醸成する機会の創出 ※ わかりやすく共感を得やすい目標設定。 ■ より多くの市民に伝わるネットワークづくり(情報発信) b.参加意欲を駆り立てる環境づくりと場の提供 ・・・ ■ 自発的に参加してみたくなる気運をいかにつくるか? メリットや魅力を感じる活動・会合、課題・危機意識の扇動 c.活動を広めるためのアイテムづくり ・・・ ■ セグメント(属性)に応じた仕掛けづくりが必要! 話題作り、ニーズや目的に応じた小道具の作成 −138− 5.重点プロジェクト ③ 広く市民を対象にしたモビリティマネジメント 過度な自動車依存を見直し、公共交通などの環境負荷の少ない交通の利用を促進 させるためには、環境問題などに対する意識の醸成を、特定の地域だけでなく市全 体で継続的に実施していくことが重要と考えます。 そこで、キャンペーン、TFP、総合学習など様々な手法を用いて、広く市民を 対象にしたモビリティマネジメントを展開します。 ※TFP(トラベル・フィードバック・プログラム)とは アンケートなど複数回の個別的なやりとりを通じて、対象者の交通行動 の自発的な変容を期待する施策 〔広く市民を対象にしたモビリティマネジメント取り組み(案)〕 手法 キャンペーン TFP 総合学習 ホームページ その他 内容(案) ・ノーマイカーデーの実施 ・健康と環境をテーマにしたライフスタイルに関するキャンペーンの実施 ・飲酒運転撲滅に向けた、深夜バスの乗り場を紹介するマップの作成 ・車の利用を控え、公共交通を利用する運動に参加する市民の募集し、参 加者にガソリン節約額やカロリー消費量などの診断書を発行 ・公共交通の利用実績や歩いた距離を記録し、行動変化に伴う CO2 削減量 や消費カロリーなどを換算するエコカレンダーの作成 ・小学生向け、環境と交通読本の作成 ・(仮称)にいがたキッズエコロジーの開催 →環境と交通に関するテキストの配布とバス乗車体験会の実施 など ・エコ貢献度、消費カロリー計算ホームページの開設 ・都市交通に関するシンポジウム・ワークショップの開催 ・自動車免許の自主返納の支援の検討 ・目的(学校への登下校、観光など)に応じた都市交通マップを作成 ・公共交通を利用しない人を含め、公共交通を楽しく面白い都市の要素と して活かすアイデア募集などによる話題づくり 〔ノーマイカーデー実施事例「ノーマイカーデーひろしま 2006」 ・取り組みを広くPR ・公共交通利用促進に向けた サービスの展開 ・イベント等による啓発活動 アストラムライン割引1日乗車券 ・一層の普及を目指した環境行動モニターの募集 市民 291人 (7%) チラシ 0 官公庁 職員 534人 (14%) 500 環境の日ひろしま大会 (パネル展示、環境クイズ) 事業所従業員 3048人 (79%) 1000 1500 2000 モニター登録状況 −139− 2500 3000 3500 4000 ※2006 年 11 月キャンペーン実施後の状況 (2)交通施策と連動したモビリティマネジメントの推進 ① りゅーとリンクの利用を促進するモビリティマネジメント 公共交通指向型の土地利用を促進する先導的なまちづくりの一環として、りゅ ーとリンク沿線の利用促進に関わるモビリティマネジメントを展開します。 具体的には、平成 19 年度においてりゅーとリンク沿線の中央区高美町・上沼 町で実施したワンショットTFPの結果を踏まえ、沿線住民に対する有効な意識 啓発活動の検証と、新たな沿線地域への活動拡大を進めます。 ※ワンショットTFP(ワンショット―トラベル・フィードバック・プログラム)とは 公共交通などの情報提供と組み合わせて、「コミュニケーションアンケート」のみ実施 する最もシンプルなTFP 〔りゅーとリンク沿線のモビリティマネジメント実施エリア」 平成 19 年度に ワンショットT FP実施エリア 平成 20 年度以降意識啓発活動の拡大予定エリア −140− 5.重点プロジェクト 〔事例:中央区上沼町・高美町で実施したワンショットTFPの配布物(一部)〕 ○りゅーとリンクお試しグッズ 広げると ポケットサイズの上沼町・高美町版時刻表 ○アンケート調査票 ○PR紙 出典:北陸信越運輸局 −141− ② 国道8号方面バス利用を促進するモビリティマネジメント 国道8号方面の白根線バスを強化していくためには、利用者ニーズと連動した施策展開 とより多くの利用者からの愛着が大切なことから、計画段階からの利用者意見の把握と、 行動変容を促しながら自動車利用からの転換を図る取り組みを進めます。 また、白根地区の商業・観光の活性化の観点から、まちなかに賑わいを創出するため、 「白根地区市街地の情報発信と総合的な交通案内がセットになった交通マップ」や「沿線 の情報マップ」の作成を検討します。 さらに、白根地域における「アダプト制度の導入検討」により、沿線地域住民が知恵を 出し合い議論する場を設け、地域が生活交通を守り育てる取り組みや機運づくりを促進し ます。 ※アダプト(adopt)とは 「養子縁組をする」という意味で、市民が公園、緑地などの公共施設 を養子のようにいつくしみ、世話をすることから名づけられました。 〔商店街の情報発信と総合的な交通案内がセットになった交通マップ事例「ふるまちマップ」〕 駐車場案内 商店街情報 レンタサイクル案内 バス案内 −142− 5.重点プロジェクト ③ モラル・マナーの啓発 放置自転車や歩行者と自転車のトラブルの増加といった問題に対応するため、自歩道や 駐輪場などの利用環境の整備促進を図るとともに、利用にあたってのモラル・マナーの啓 発に取り組みます。 〔自転車マナーアップデー パンフレット事例 高崎市〕 ④ 住民バスや区バスなど生活・地域交通に 関するモビリティマネジメントの推進 中央区以外の7区では、市民が自らの区内で一定の生活を行なうとともに、個々の観光 資源を活かすなど地域の活性化を図っていくためには、まず、住民バスや区バスなどの生 活・地域交通の安定した利用者数の確保により、持続可能な運行を確立させることが重要 と考えます。 そこで、送迎負担軽減や社会参加の機会増加など、地域交通としての公共交通の利点・ 効果を全国の先進的な事例を用いて理解してもらうなど、生活交通を支える意識の醸成に 資する取り組みを進めます。 〔生活交通を支える意識の醸成に向けた施策イメージ〕 公共交通がなくな っては困る! 〔公共交通の利点・効果〕 ・社会参加の機会増加 バス運行の先進事例を用い たPRビデオ(DVD)などを 用いて、情報提供 市 民 公共交通をみんな で使えば、環境にも やさしい! ・家族の送迎負担の軽減 公共交通があれば、 外出機会が増えて、 歩いて健康的! ・歩くことによる健康増進 など 公共交通を使って、 支えよう! −143− ⑤ 骨格幹線バス路線や鉄道を利用促進する モビリティマネジメント 他路線に比べ、高い運行頻度サービスがある国道 116 号・国道 113 号方面の路線バスの さらなる利用促進に向けて、沿線地域の特性(施設分布など)を把握し、大学・病院・企業 などをターゲットにした新たな施策を検討するとともに、その施策に合わせて目的にあっ た公共交通マップの作成やTFPなどによりモビリティマネジメント施策を展開します。 鉄道については、駅でのパークアンドライドなどの施策を検討するとともに、骨格幹線 バス路線と同様に、その施策に合わせてモビリティマネジメント施策を沿線地域で展開し ます ◆行動計画(案) 計画当初(H20) 5年後 前 期 計 画 先行的実施 概ね 10 年後 後 期 計 画 市民意識やニーズを踏まえた活動展開 にいがたMM ネットワーク設立 MMネットワーク 準備会設置 ・市民、企業と連携した意識啓発活動 エコ通勤、ノーマイカーデーの実施 健康や環境をテーマとしたライフスタイルの提案 ほか ・バスマップを活用したPR活動 ・交通エコロジー教室の開催 ・自転車の利用促進を図る情報提供・PR 活動 交通施策と連動したMMの推進 ・りゅ−とリンク利用促進 ・国道8号方面バス利用促進 ・区バスなど生活・地域 交通に関するMMの推進 新潟国体 オムニバスタ ウンサミット −144− 長期的対応 6.成果目標 6−1.成果目標の設定 (1)成果目標とは 戦略プランで提案され今後実施されていく施策が、戦略プランで示した基本方針(目標)に向 かって有効に効果を発揮しているか、その成果を確認するための数値目標です。 (2)目標年次 平成 20 年度から概ね 10 年後の目標とします。 (3)指標の選定 以下の条件により指標を選定しました。選定した指標は次ページの通りです。 指標の選定条件 ①市民の視点に立った指標 ②戦略プランの基本方針(目標)を適切に評価できる指標 ③施策の実施による効果を測る客観的な指標を基本とする。ただし、整備量やサービ ス水準が市民にとって分かりやすい場合は、それら指標も用いる。 ④検証可能な指標 −145− 市民の視点に立った成果指標 基本方針 地域拠点から都心へアクセスしやすくなる 視点A 都心にいきやすく地域間の結び付きを強化する交通施策 基本方針1 多核連携型の都市構造を 支える交通戦略 基本方針2 地域の快適な暮らしを支 える交通戦略 指標:都心地区への交通手段別アクセス時間 具体的施策案 (1)社会経済活動を支える放射環状道路網の構築 (2)都市内交通の円滑化を図るための高速道路の利用促進や渋滞交差点の改良 (3)鉄道の利便性向上 (4)都心方向へのバスサービスの向上 (5)安全・快適で回遊性の高い自転車利用環境の整備 具体的施策案 (1)ニーズに対応した生活バス路線の適正な運行と移動サービスの向上 (2)徒歩や自転車による生活を支援する地域内の交通環境の整備 (3)駅施設を利用した多様な活用方策の検討 指標:公共交通沿線の居住人口割合 都心部および都心周辺部の公共交通による移動性が高まる 指標:広域交通拠点から都心および都心周辺部の主要施設へのアクセス時間 ※その他指標→バス優先レーン設置路線数 PTPS設置路線数 基幹公共交通軸におけるバス運行頻度 ノンステップバス導入台数 具体的施策案 (1)まちなかを快適に移動できる利便性の高い公共交通の実現 (2)拠点間を結ぶ公共交通の充実・強化 (3)自動車交通を適正に分散・誘導する都市内道路網の整備 都心地区を快適に通行できる 視点D 都心部における賑わい空間や魅力に資する交通施策 指標:都心地区の歩行者交通量 具体的施策案 (1)都心部道路の役割分担と道路空間の再構築 (2)歩いて楽しい回遊性の高い都市環境整備 (3)まちづくりと一体となった駐車・駐輪対策 基本方針4 地域や関係者が一丸と なって取り組む交通戦略 公共交通の便が良くなる ※その他指標→公共交通に関する市民満足度 バリアフリー対応駅数 橋上化駅数 ハイグレードバス停の箇所数 バス接近表示システムの設置バス停数 乗り継ぎ拠点の箇所数 視点B 各地域の特性とコミュニティを大切にする交通施策 視点C 質の高いサービスと移動性を確保する都心部および都心周辺部の交通施策 基本方針3 市街地の賑わいと都市の 活力を創出する交通戦略 ※その他指標→高速道路 IC の整備箇所数 パークアンドライド駐車場の整備箇所数 渋滞が少なくなる 指標:渋滞損失時間 安全に通行できる 視点E 市民や事業者とともに進める全市的な交通施策 指標:交通事故件数 具体的施策案 (1)行政・事業者・住民の役割分担・連携強化 (2)過度な自動車依存の軽減に向けた意識啓発 地球環境の保全に貢献できる 指標:自動車CO2 排出量 指標:エネルギー消費量 −146− −146− 6−2.成果目標値 第 3 回新潟都市圏パーソントリップデータや時刻表データなどの活用により、10 年以内に予 定されている取り組みを想定した目標値を算定しました。 なお、モビリティマネジメントなど算定にあたって、想定が難しい取り組みについては今回 の算定条件に含まれていません。したがって、ここで示す数値はすべての取り組みを反映した ものではなく、それ以上の効果が期待できるものと考えます。今後、計画の推進に際して、効 果算定の方法について検討し、目標値を見直していく必要があります。 (1) 地域拠点から都心へアクセスしやすくなる ① 都心地区への交通手段別アクセス時間 ■指標説明 ・西蒲区、南区、秋葉区、江南区、北区の中心部から都心までの移動に要する時間 ・公共交通利用の場合は、バス停・鉄道駅における待ち時間も考慮した移動時間 公共交通によるアクセス時間=バス停・鉄道駅における待ち時間+各施設間の移動時間 ■将来目標 各地区から都心に向かう自動車のアクセス時間を 2 分∼3 分短縮することを目指します。 また、公共交通については、巻∼都心(鉄道利用)、白根∼都心(バス利用)を待ち時間を含め て 10 分短縮し、その他は最低限、現状維持することを目指します。 〔都心へのアクセス時間〕 現況値→目標(概ね 10 年後) ■西蒲区からのアクセス時間 西蒲区役所 自動車 鉄 道 (JR 越後線) 《都心》 47 分→44 分(3 分短縮) 新潟市役所 延長 26km 巻駅 42 分→現状維持 新潟駅 延長 26km 平均待ち時間 22 分→15 分(7 分短縮) 《都心》 ■南区からのアクセス時間 南区役所 自動車 43 分→41 分(2 分短縮) 新潟市役所 延長 19km バ ス (白根線バス) 白根健生病院前 バス停 52 分→48 分(4 分短縮) 延長 22km 平均待ち時間 17 分→現状維持 −147− 新潟駅 ■秋葉区からのアクセス時間 秋葉区役所 自動車 《都心》 新潟市役所 32 分→30 分(2 分短縮) 延長 17km 鉄 新津駅 道 新潟駅 28 分→現状維持 (JR 信越本線) 延長 15km 平均待ち時間 9 分→現状維持 ■北区からのアクセス時間 北区役所 自動車 《都心》 新潟市役所 45 分→43 分(2 分短縮) 延長 20km 豊栄駅 鉄 道 (JR 白新線) 新潟駅 29 分→現状維持 延長 15km 平均待ち時間 10 分→現状維持 ※自動車は国道 116 号、8 号、7 号、49 号の主要幹線道路を利用した場合の 所要時間 ※白根線は急行バスを含む平均移動時間 ※現況値→H17 年道路交通センサスピーク時旅行速度より算出 ※10 年以内に整備が予定されている道路整備、バスレーンおよびPTPSの 導入、鉄道運行本数の増強を条件として算出 ※今後の、新たな施策展開によって、数値が変更になる場合あり ② その他指標 現況 高速道路 IC の箇所数 パークアンドライド駐車場箇所数 将来 9 箇所 10 箇所 16 箇所 22 箇所 −148− (2) 公共交通の便が良くなる ① 公共交通沿線の居住人口割合 ■指標説明 新潟市総人口に対するバス停から 300m 圏域、鉄道駅から 500m 圏域の居住人口割合 ■将来目標 新潟市の全体公共交通沿線の居住人口割合現況値 84.2%に対して、将来は 86.2%より向 上させることを目指します。 [公共交通沿線の居住人口割合] 公共交通沿線の居住人口割合(%) 概ね 10 年後に市全体で 86.2%を目指します 100% 90% 80% 70% 60% 82.0% (66.7万人) 84.2% (68.5万人) 86.2% (70.1万人) 参考値 現況(区バスなし) 現況値 概ね10年後 50% 40% 30% 20% 10% 0% ※現況値は乗合旅客を運送する交通を対象に集計 ※現況値→平成 20 年 3 月現在の路線配置、H17 年国勢調査人口から算出 ※H17 年国勢調査人口 新潟市 814,000 人 ※公共交通サービス圏域の考え方 バス停から 300m:バス停の設置計画の検討において、一般的な人(歩行速度 80m/分)の 90%が抵抗 を感じない距離が 300m(徒歩時間 3.5 分)であることを参考に、サービス圏域を バス停から半径 300m に設定 鉄道駅から 500m:旅客施設に関わるバリアフリーの重点整備地区の設定において、一般的に旅客 施設から 500m∼1km が徒歩圏内とすることを参考に、サービス圏域を駅から半 径 500m に設定 −149− ② その他指標 現況 公共交通に関する市民満足度 将来 2.806 点 2.933 点以上 バリアフリー化対応駅数 7駅 8駅 橋上化駅数 8駅 11 駅 280 箇所 390 箇所 35 箇所 45 箇所 − 7 箇所 バス停上屋の整備済み箇所数 バス接近表示システム設置バス停数 乗継拠点の整備箇所数 ※今後整備する箇所 ※満足度スコアとは、不満・やや不満・普通・やや満足・満足の 5 段階評価を点数化し、回答者数で割り 返した平均点数。点数が高ければ、満足度が高く、不満が少ないと言えます。 ※バリアフリー化対応駅とは、高齢者や障がい者の鉄道利用を円滑にするため、エレベーターを設置する など、移動バリアを取り除いた駅施設 ※ハイグレードバス停については P102 参照 ※バス接近表示システム (補足説明)公共交通利便性に対する市民満足度 ■指標説明 市総人口のうち、公共交通利便性に対して満足している人の割合 ※現況値は平成 18 年度新潟市市民満足度調査より設定 ●新潟市市民満足度調査(H18 年)の概要 対象地域:新潟市全域 調査対象:満 20 歳以上の男女個人 標本数 :3,000 人 抽出方法:確率比例系統抽出法 調査方法:郵送法(調査の配布、回収とも) 調査時期:平成 18 年 7 月 24 日∼平成 18 年 8 月 4 日 調査内容:福祉・環境・教育など、さまざまな分野における市の取り組み(95 項目)に 対する市民の満足度と重要度を調査。設問は 5 段階による評価。 満足度順位 第1位 第2位 第3位 第4位 第5位 ・ 第 77 位 ・ 第 95 位 廃棄物の減量、リサイクルの推進 下水道の充実 消防体制の強化 水辺を活用した「にぎわい空間」 豊かな水と共生するまち (満足度スコア) 3.292 点 3.288 点 3.273 点 3.247 点 3.220 点 安全で便利な公共交通の構築 2.806 点 既存産業の振興 2.542 点 全体平均 2.933 点 ■将来目標 現状の平均点 2.933 点以上を目指します。 −150− (3) 都心部および都心周辺部の公共交通による移動性が高まる ① 広域交通拠点から主要拠点へのアクセス時間 ■指標説明 広域交通拠点(新潟駅、新潟空港)から、都心および都心周辺部の主要拠点(古町、万代、 県庁、市民病院等)への公共交通によるアクセス時間 公共交通によるアクセス時間=バス停における待ち時間+各施設間の移動時間 ■将来目標 広域交通拠点(新潟空港、新潟駅)から都心および都心周辺部の主要施設までのアクセス時 間については、現状維持または現状より 2 分∼9 分以上の短縮を目指します。 [広域交通拠点から主要拠点へのバスによるアクセス時間] 新潟駅から 目的地 現況 新潟空港から 目標 現況 (概ね 10 年後) 目標 (概ね 10 年後) 万代 8分 現状維持 48 分 43 分 古町 10 分 現状維持 50 分 45 分 県庁 31 分 29 分 71 分 64 分 新潟市民病院 29 分 25 分 69 分 60 分 東北電力ビッグスワン 24 分 20 分 64 分 55 分 新潟大学 47 分 現状維持 87 分 82 分 ※待ち時間を考慮したアクセス時間 ※現況値→H19 年現在の時刻表より算出 ② その他指標 現況 将来(概ね 10 年後) バスレーン設置延長 35.6km 40.5km PTPS導入延長 15.5km 23.2km 10∼20 分間隔 10∼15 分間隔 18% 概ね 5 年後 31% (142 台/780 台) (240 台/780 台) 基幹バスりゅーとリンクにおけるバス 運行頻度 バリアフリー対応車両の導入台数 概ね 10 年後 さらに増強 ※バスレーン・PTPSについては P101 参照 ※バリアフリー対応車両→ワンステップバス、ノンステップバス −151− (4) 都心地区を快適に通行できる 都心地区の歩行者交通量 ■指標説明 古町地区、万代地区、新潟駅周辺地区の主要地点断面(18 箇所)の歩行者交通量の合計値 ■将来目標 都心地区の歩行者交通量は現況 15.7 万人/9h に対して、将来約 20%(3.3 万人/9h)以上の 増加を目指します。 [都心地区の歩行者交通量] 8%増加 190,000 都心地区の歩行者交通量(人/9h) 200000 180000 近年の最高値である平成 12 年の水準まで回復 157,000 160000 140000 120000 100000 80000 60000 40000 20000 0 現況値 概ね10年後 ※現況値→資料 新潟市商店街連盟 歩行者通行量調査(H18 年 10 月 21 日(土)10:00∼19:00) (参考)旧ダイエー前および大和前道路断面における歩行者交通量 都心の主要地点の歩行者交通量を見ると、年々減少傾向にあり、H18 年には H15 に対して約 約 4 分の 1 減少しています。 35,000 歩行者交通量(人/9h) 30,000 25,000 18,049 18,431 20,000 15,076 9,623 15,000 ラブラ万代前 大和前 10,000 5,000 12,952 13,225 12,208 13,183 H15 H16 H17 H18 0 資料)新潟市商店街連盟 歩行者通行量調査 調査日時:毎年 10 月下旬の土曜 10:00∼19:00 −152− (5) 渋滞が少なくなる 年間渋滞損失時間 ■指標説明 渋滞のない状態で、ある区間を自動車で走行する場合に要する基準的な旅行時間と、通 常の旅行時間との差分の合計。対象は新潟市内の県道以上の道路。 年間渋滞損失時間 =Σ{(区間距離÷通常の旅行速度)−(区間距離÷基準旅行速度) ×区間交通量×平均乗車人数} ■将来目標 新潟市内の道路混雑による渋滞損失時間を現況 1830 万人時間/年に対して、18%以上の削 減を目指します。 [年間渋滞損失時間] 渋滞損失時間(万人時間/年) 2500 18%削減 2000 1830 1500 1500 1000 500 0 現況値 概ね10年後 ※対象道路は県道以上の道路 ※現況値→道路交通センサス調査をベースにした平成 18 年値 −153− (6)安全に通行できる 交通事故件数 ■指標説明 新潟市内の 1 年間に発生した交通事故件数 ■将来目標 新潟市の交通事故件数を現況 6,200 件/年に対して、将来 3%以上削減を目指します。 [交通事故件数] 3%削減 6,400 死傷事故件数(件/年) 6,200 6,200 6000 6,000 5,800 5,600 5,400 5,200 5,000 現況値 概ね10年後 ※現況値→H17 年値(新潟県警データ) −154− (7) 地球環境の保全に貢献できる ① 自動車 CO2 排出量 ■指標説明 新潟市内を走行する自動車の 1 年間における CO2 排出量 ■将来目標 自動車CO2 排出量は現況 137 万 6 千 t-co2/年に対して、将来 6%の削減を目指します。 [自動車 CO2 排出量] 6%削減 150 CO2排出量(万t-co2/年) 140 137.6 129.2 130 〈森林創出効果〉 削減量は、2,700ha(鳥屋野潟面積の 約 20 倍)のブナ林が 1 年間に吸収す る量に相当します。 120 110 100 90 80 70 現況値 概ね10年後 ※現況値・将来値ともに、第 3 回パー ソントリップ調査ベースの交通シミ ュレーションにより算出 ※「平成 17 年道路政策評価通達集」の 二酸化炭素排出原単位を使用 ② エネルギー消費量 ■指標説明 エネルギー消費量は、自動車走行で利用されるガソリンの 1 年間の総量 ■将来目標 自動車走行によるガソリン消費量は、現況 59 万 3 千キロリットルに対して、将来 6% の削減を目指します。 ガソリン消費量(万キロリットル/年) [エネルギー消費量] 6%削減 65 60 59.3 55.7 55 ※上記の自動車 CO2 排出量に CO2 排出係数を乗じて算出 ※CO2 排出係数として、 「地球温 暖化対策の推進に関する法律 施行令」第 3 条第 1 項におい て規定されているガソリン値 を使用 50 45 40 35 30 現況値 概ね10年後 CO2 排出量とエネルギー消費量については、MMの推進などにより上記以上の削減を目指します。 −155− (参考)新潟市の二酸化炭素排出量 〔新潟市の二酸化炭素排出量の部門別構成〕 新潟市の二酸化炭素排出量の部門別割 合を見ると、運輸部門(旅客および貨物) は新潟市全体の 21.3%を占めています。 運輸部門 21.3% また、旅客における一人当たりの CO2 産業部門 40.9% 排出量は都道府県県庁所在地の中で 3 位 民生部門 37.9% と非常に高い状況にあります。 ※H15 年値 資料)新潟市地域新エネルギービジョン(H18.2) 〔全国の都道府県県庁所在地 47 都市の運輸部門における一人当たりの CO2(二酸化炭素)排出量〕 資料)2000 年国勢調査、国立環境研究所「市町村における運輸部門温室効果 ガス排出推計手法の開発および要員分析」によるデータ (参考)新潟県のガソリンおよび軽油の販売量の推移 新潟県におけるガソリン販売量の推移をみると、自動車の燃費向上等が図られている ものの、ガソリン消費量は増加しています。 石油製品販売量(千kl) 1,400 1,200 1,000 800 600 400 ガソリン 200 軽油 H2 H3 H4 H5 H6 H7 H8 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 資料)新潟市地域新エネルギービジョン(H18.2) −156− 7.戦略プランの進行管理・推進体制 戦略プランでは着実な進行と効果発現に向けて、進行管理体制を構築し、定期的に計画の進行 状況を確認するとともに、データ収集や調査により目標達成状況を確認し、必要に応じた計画・ 目標の見直し・提案を行います。さらに、戦略プランの短期および中期の最終年には、それまで に実施した施策について総括し、達成できなかった項目の検証とその後の対策について検討を行 います。 また、戦略プランに対する理解や協力を得るため、このような情報を利用者である市民に提供 していきます。 〔進行管理のポイント〕 ■定期的な施策の進行状況確認およびモニタリング 計画の進行状況の定期的な確認や既存資料の収集、調査の実施により成果 目標の達成状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて計画・目標値の見 直していくことによって、戦略プランの着実な推進を図っていきます。 ■短期および中期の最終年における総括 5 年後、10 年後の節目において目標達成状況を総括し、その後の方向性と 施策展開の方針について検討します。 ■市民への積極的な情報発信 施策の認知度アップや内容の理解や協力を得るため、利用者である市民に 対して、進捗状況・目標達成状況・施策の整備効果等の情報発信を積極的に 行います。 〔進行管理および施策展開の体制イメージ〕 ○進行管理 ・戦略プラン全体の進行状況確認 ・目標達成状況の確認 ・節目ごとの戦略プランの評価 ○施策展開 ・横断的な事業の推進 ・変化に応じた新たな施策の提案 など 【市 民】 (仮称)にいがた MMネットワーク 情報提供 意見 【にいがた交通戦略プラン推進会議】 (構成員) 国、市町村、都道府県、交通事業者、市民(地元代 表組織など)、学識経験者 等 状況報告 情報交換・ 活動連携 【関係機関】 交通事業者 交通管理者 道路管理者 など 見直し・提案 【個別の事業推進体制】 新潟市オムニバスタウン計画策定・推進協議会 新潟島中心部交通政策検討協議会 南区方面バス利便性向上施策検討協議会 など −157− ○施策ごとの検討、実施 ○個別事業の整備効果の確認 など −158− 既 存 調 査 市民に対する状況報告 パーソントリップ調査 道路交通センサス調査 目標達成状況・整備効果の確認 施策の進捗状況の確認 節目ごとの評価および見直し 〔進行管理スケジュール案〕 2年目 3年目 4年目 6年目 7年目 8年目 ・短期に実施された施策の評価 ・中期における見直しの検討 5年目 中期 11年目∼ 長期 ・短中期のの達成状況の確認 ・次期戦略プランの策定 9年目 10年目 ・施策の実施に合わせて調査を実施し、目標達成状況・整備効果を確認 ・必要に応じた計画・目標値の見直し ・短期における施策の評価 ・見直しの検討 1年目 短期 ■目標達成状況の確認に向けた調査 ・以下表に示す調査を実施し、施策後の指標値を算定します。 ・達成状況の確認に向けた調査にあわせて、公共交通利用者数・土地利用の変化・利用者の意 見などを把握することで、達成に至った要因や整備効果の分析も実施します。 〔指標算定に必要な項目と把握方法〕 指標 都心地区への交通手段 算定に必要な項目 自動車 別アクセス時間 ・放射状幹線道路の旅行速度 ・プローブ調査 ・白根線バスとJR越後線の走行 ・バスプローブ調査 時間 公共 交通 把握方法等 ・ ・時刻表 〃 の運行 頻度 公共交通沿線の居住人口割合 ・公共交通の見直し後のバス 停、駅の位置 ・地区別人口 広域交通拠点から主要拠点間への アクセス時間 都心地区の歩行者交通量 ・りゅーとリンク、新潟空港線 バスの走行時間と運行頻度 ・都心地区主要地点の歩行者交 ・バス運行計画書 ・国勢調査または住民基 本台帳 ・バスプローブ調査 ・時刻表 ・歩行者交通量調査 通量 渋滞損失時間 ・道路整備区間の交通量と旅行 速度 ・交通量調査 ・プローブ調査 交通事故件数 ・交通事故件数 ・新潟県警提供データ 自動車CO2排出量 ・道路整備区間の交通量と旅行 ・交通量調査 エネルギー消費量 速度 ・プローブ調査 ※プローブ調査とは、GPS(全地球測位システム)と連動した機器を搭載した車両を運行し、車 両の位置と時間情報を収集する調査。所要時間(旅行速度)を把握等に用いられています。 −159− 凡 例 事業の実施プログラム(案) 事業実施 ※整備方針が明確な事業のみ掲載 事業スケジュール(H20∼H29) 前期(H20∼H24) 後期(H25∼H29) 事業主体 (予定) 事業名 事業化に向けて検討 事業メニュー (予定) H29以降 ◆多核連携型の都市構造を支える交通戦略 ●社会経済活動を支える放射状道路網の構築 R402号 新潟海岸バイパス整備 市 〔 整 備 〕 交通円滑化 R403号 亀田新津道路整備 市 〔 整 備 〕 交通連携(公共交通機関支援) R403号 小須戸田上バイパス整備 市 〔 整 備 〕 交通連携(公共交通機関支援) R460号 巻南バイパス整備 市 〔 整 備 〕 交通連携(踏切除却) R460号 臼井橋整備 市 〔 整 備 〕 交通円滑化 R113号 横土居バイパス整備 市 〔 整 備 〕 交通連携(公共交通機関支援) (仮称)新潟中央環状道路 前新田バイパス整備 市 (仮称)新潟中央環状道路 横越バイパス整備 市 〔 整 備 〕 地方道路整備臨時交付金 〔 整 備 〕 地方道路整備臨時交付金 ●都市内交通の円滑化を図るための高速道路の利用促進や渋 滞交差点の改良 (仮称)新津西スマートIC整備事業 市 巻・潟東IC周辺地区(パーク&ライド駐車場整備) 市 矢代田駅周辺地区(パーク&ライド駐車場整備) 市 〔 整 備 〕 地方道路整備臨時交付金 〔 整 備 〕 まちづくり交付金 〔 整 備 〕 まちづくり交付金 ●鉄道の利便性向上 JR越後線の利便性と運行頻度向上に向けた取組み 〔勉強会・協議会設立〕 〔事業化に向けて検討〕 市ほか 〔 事業実施 〕 白山駅周辺整備事業 市 〔 整 備 〕 まちづくり交付金 内野駅周辺整備事業 市 〔 整 備 〕 未定 矢代田駅周辺整備事業 市 交通バリアフリー推進事業 市 〔 整 備 〕 まちづくり交付金 〔 整 備 〕 ●都心方向へのバスサービスの向上 (仮称)白根基幹バス路線を主軸とするバス利用サービスの向上 バス運行円滑化事業 白根地域総合交通ターミナル調査事業 市ほか 〔社会実験〕 国,県警,市,交 通事業者 〔 整 備 〕 市 〔継続・本格化〕 〔継続的に整備〕 未定 未定 〔 事業化に向けて検討 〕 〔調査〕 ●安全・快適で回遊性の高い自転車利用環境の整備 西5-270号自転車歩行者道整備(新潟交通電車線跡地) 〔 事業実施 〕 〔調査〕 市 地方道路整備臨時交付金 ◆地域の快適な暮らしを支える交通戦略 ●ニーズに対応した生活バス路線の適正な運行と移動サービ スの向上 新たな形態による生活交通確保策の創出検討 市 バス交通支援事業(住民バス,区バス) 市 〔調査,実験〕 〔 調査結果により実施 〕 地域公共交通活性化・再生総合事業 〔 継続的に事業実施 〕 ◆市街地の賑わいと都市の活力を創出する交通戦略 ●まちなかを快適に移動できる利便性の高い公共交通の実現 オムニバスタウン計画の推進 国,県警,市,交 通事業者 〔事業実施〕 【バス停上屋整備】 国,市,交通事業 者 〔事業実施〕 都市交通システム整備事業 市 〔事業実施〕 まちづくり交付金 交通事業者 〔事業実施〕 オムニバスタウン整備総合対策事業等 【市役所周辺ミニターミナル化】 【ノンステップバスの導入】 【ICカード導入】 公共交通の更なる利便性の向上 市,交通事業者 ほか オムニバスタウン整備総合対策事業等 〔事業実施〕 オムニバスタウン整備総合対策事業等 〔継続的に整備〕 市ほか ●拠点間を結公共交通の充実・強化 空港アクセス(短期・南口シャトルバス) 県,市 空港アクセス(中・長期) 県,市 〔見直しを行いながら継続〕 〔運行開始〕 〔 方 策 検 討 ・ 実 施 〕 ●自動車交通を適正に分散・誘導する都市内道路網の整備 新潟駅連続立体交差事業 市 新潟駅連続立体交差関連街路事業 市 〔 事 業 実 施 〕 地方道路整備臨時交付金等 〔 事 業 実 施 〕 地方道路整備臨時交付金等 ●都心部道路の役割分担と道路空間の再構築 古町地区における道路空間の再構築(道路改良) 市 〔調査〕 〔事業実施〕 〔継続的に整備〕 地方道路整備臨時交付金 ●歩いて楽しい回遊性の高い都市環境整備 新潟都市圏自転車環境整備 国,県警,市 〔社会実験〕 〔事業化に向けて検討〕 未定 早川堀通り水と緑のみちづくり推進事業 市 〔事業化に向けて検討〕 まちづくり交付金 水辺空間自由通路整備事業 市 〔 整 備 〕 まちづくり交付金 まちなかお宝解説板等整備事業 市 〔 整 備 〕 まちづくり交付金 ◆地域や関係者が一丸となって取り組む交通戦略 ●過度な自動車依存の軽減に向けた意識啓発 環境にやさしい交通施策の推進(ノーマイカーデー・MM・P&Rなど) 市ほか 〔社会実験〕 〔継続的に実施〕 未定 ※今後、プラン見直しの際に、追加修正していきます。 −160−