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ノバルティス ファーマ株式会社 〒105-6333 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー http://www.novartis.co.jp/ MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG 2015年6月23日 報道関係各位 ノバルティス ファーマ株式会社 この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2015年6月12日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳 (要約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。 英語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。 ノバルティス、「ゾレア®」が慢性特発性蕁麻疹患者さんの生活の質を 78%改善するとの新たな解析結果を発表 • 主要な第 III 相臨床試験の新たな解析結果、「ゾレア」(オマリズマブ)が慢性特 発性蕁麻疹(CSU)患者さんの生活の質スコアをプラセボに比べて有意に改善 1,2 • 世界皮膚科学会(WCD)で発表された追加データによると、不安や抑うつ、業務 能力や医療制度のコストへの影響など、慢性特発性蕁麻疹は一貫して健康への悪影 響や経済的負担をもたらしていることを示した 3,4 • CSU は、持続性のそう痒、腫脹、発疹などの症状を伴う重度の皮膚疾患で、その症 状は自発的に発現し 6 週間以上にわたって再発 5-7 2015年6月12日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは本日、「ゾレア®」(一般名: オマリズマブ、以下「ゾレア」)が慢性特発性蕁麻疹(Chronic Spontaneous Urticaria)患 者さんの生活の質(Quality of Life、以下、QOL)に関する指標において有意な改善を示 した、主要な第III相臨床試験の新たな解析結果を発表しました。これらの解析結果はカナ ダのバンクーバーで開催された第23回世界皮膚科学会(World Congress of Dermatology、 以下、WCD)で発表されました。 慢性特発性蕁麻疹(米国とカナダではChronic Idiopathic Urticaria)は、持続性のそう痒、 腫脹および発疹などの症状を呈する苦痛を伴う重度の皮膚疾患で、その症状は「明らかな 誘因無く皮膚に発現し、6週間以上にわたって繰り返し症状が現れる蕁麻疹」と定義され ています5-7。主要な第III相臨床試験(ASTERIA I試験、ASTERIA II試験、GLACIAL試験) において、「ゾレア」は前治療が奏効しなかった患者さんにおける慢性特発性蕁麻疹症状 の軽減または解消のいずれかに極めて効果的であることが判明しました8-10。 WCDで発表された新たな事後解析では、「ゾレア」による12週間の治療を受けた患者さ んがQOLの有意な改善を経験し、皮膚疾患のQOL評価(Dermatology Life Quality Index 、 以下、DLQI)を用いた評価では78%(プラセボは44%、p<0.0001)、慢性蕁麻疹のQOL 質問票(Chronic Urticaria Quality-of-Life Questionnaire、以下、CU-Q2oL)を用いた評価 では最大69%(プラセボは40%、p<0.0001)の改善がありました1,2。 ノバルティス ファーマのグローバル開発部門責任者であるヴァサント・ナラシンハン (Vasant Narasimhan)は次のように述べています。「慢性特発性蕁麻疹は患者さんの日 常の活動やQOLに著しい悪影響を及ぼす、解明が進んでいない消耗性の皮膚疾患の一つで す。これらの解析結果は、「ゾレア」が慢性特発性蕁麻疹の症状を改善するだけでなく、 この予測不可能で辛い疾患に苦しむ患者さんのQOLを効果的に改善することを裏付けて います」 1/4 さらに、ASSURE-CSU研究では、慢性特発性蕁麻疹が無治療で放置されると患者さんの QOLに恒常的な悪影響があることが判明しました。この影響は、7日間における蕁麻疹活 動性スコア(UAS7:Urticaria Activity Score over 7 days)、CU-Q2oLおよびDLQIによって 測定されました3。同様に、SOLVE-BOI研究でも、慢性特発性蕁麻疹患者さんは慢性特発 性蕁麻疹でない人々に比べて、不安、抑うつ、睡眠困難、身体および精神状態の低下など を訴える率が高いことが判明しています4。また、慢性特発性蕁麻疹患者さんは医療提供者 の受診頻度の他に救急医療の利用や入院を必要とする頻度が2~3倍高く、欠勤率(11.3% に対して非CSU患者さんは5.2%、p<0.0001)や全体的な業務能力低下を経験する率(36.9% に対して非CSU患者さんは20.2%、p<0.0001)も2倍高くなっています4。 「ゾレア」の慢性特発性蕁麻疹に対する主要な第III相臨床試験について 主要な第III臨床相試験であるASTERIA I試験、ASTERIA II試験およびGLACIAL試験では、 ヒスタミンH1受容体拮抗薬による治療にもかかわらず症状が持続する約1,000人の慢性特 発性蕁麻疹患者さんを対象として「ゾレア」の有効性と安全性を評価しました8-10。 主な有効性に関する結果は2013年に公表されています。これら3つの第III相臨床試験のす べてにおいて、かなりの割合の患者さんが痒みや蕁麻疹が完全に消失するか(範囲 34~ 44%; p<0.001~p<0.0001、300mg)、症状を最低限まで抑制されました(52~66%; p<0.0001、300mg)。 「ゾレア」12週投与後、患者さんの健康関連のQOL(health-related quality of life、以下、 HRQOL)の改善をプラセボと比較した事後解析では、有効性が検証されている以下の患 者報告アウトカム指標(Patient-Reported Outcomes Measures)の変化を測定しました。 • 皮膚疾患の QOL 評価(DLQI):総スコアは、最良が 0 で最悪が 30 であり、11 を超えるスコアは CSU/CIU が患者さんの生活に及ぼす影響が「かなり大きい」か ら「極めて大きい」ことを示している • 慢性蕁麻疹の QOL 質問票(CU-Q2oL):蕁麻疹に特異的な QOL を測定(最良を 0、最悪を 100 として総スコアを算出) 12週間の治療期間の後に、3つの主要な試験全体でHR QOLスコアに以下の改善率が認め られました: • 「ゾレア」: DLQI - 73~78%; CU-Q2oL - 66~69% • プラセボ : DLQI - 22~47%; CU-Q2oL - 32~42% ASSURE-CSU研究について ASSURE ‐ CSU ( ASsessment of the Economic and Humanistic Burden of Chronic Spontaneous/Idiopathic URticaria PatiEnts)は難治性慢性特発性蕁麻疹が個人と経済の両 方にもたらす負担を評価する最初の国際研究です。 WCDで発表されたデータは、 カナダと英国のコホートのいずれにおいても慢性特発性蕁麻 疹がDLQIおよびCU QOLで測定したHR QOLに類似かつ有意な影響を及ぼしたことを示 しています3。予想された通り、HR QOLの低下は疾患重症度と共に大きくなりました3。 この研究結果は、慢性特発性蕁麻疹の疾患管理に全人的かつ有効なアプローチをとるよう にするために慢性特発性蕁麻疹患者さんのQOLスコアを測定する必要性を裏付けていま す3。 SOLVE-BOI研究について SOLVE-BOI研究では、EU5カ国(フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国)におい て実施されたNational Health and Wellness Survey(NHWS)のデータを解析し、慢性蕁麻 疹(慢性特発性蕁麻疹の代替としてchronic hivesを疾患名として用いた)に対して処方薬 2/4 を現在使用していると答えた慢性蕁麻疹患者さん(n=369)を、慢性蕁麻疹の経験がない 回答者からなる対照集団(n=1476)と比較しました4。 この研究から、慢性蕁麻疹患者さんは調査実施前の6カ月においてHR QOLの有意な低下 を経験しており、 心理学的な愁訴が多く、 業務能力低下および医療機関への受診率が高く、 慢性特発性蕁麻疹が患者さんおよび社会に対して大きな負担となっていることを示唆して いることが判明しました4。 「ゾレア®」について 「ゾレア」は免疫グロブリンE(以下、IgE)と結合する標的療法薬です。「ゾレア」は、 おそらくIgE減少と細胞活性化機序の下流に作用してヒスタミン誘発性の皮膚反応を抑制 します。慢性特発性蕁麻疹における「ゾレア」の作用機序解明のための研究は現在進行中 であり、疾患発症への理解が深まる可能性があります。 「ゾレア」は米国カナダとEUの他に10カ国を超える国々において慢性特発性蕁麻疹の治療 薬として、それぞれ承認されています。日本では、慢性特発性蕁麻疹の効能追加のために 第III相臨床試験を実施中です。「ゾレア」は2003年に承認された米国および2005年に承認 されたEUを初めとして90カ国を超える国々において中等度から重度の持続性アレルギー 性喘息の治療薬として承認されており、服用患者数は400,000人・年を超えています。EU では、小児(6歳以上)、青年および成人の重度の持続性アレルギー性喘息の治療薬とし ても承認されています。また、EUではプレフィルドシリンジに充填された「ゾレア」の液 剤が承認されており、ほとんどの欧州諸国で上市されています。米国では、適切なアレル ギー性喘息患者さんに対する皮下投与用「ゾレア」がノバルティス ファーマとジェネンテ ック社の共同で販売促進されています。 免責事項 本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その 内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、 ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。 ノバルティスについて ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼 科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅 広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2014年の売上高は580 億米ドル、研究開発費は99億米ドル(減損・償却費用を除くと96億米ドル)でした。スイ ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約120,000人の社員を擁しており、世界150カ 国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。 http://www.novartis.com/ 参考文献 1. 2. 3. 4. 5. 6. Maurer M, Khalil S, Balp MM, et al. Chronic idiopathic/spontaneous urticaria (CIU/CSU) refractory to standard of care: omalizumab improves quality of life (QoL) as assessed by the chronic urticaria quality of life questionnaire. 23rd World Congress of Dermatology, Vancouver, Canada, 2015. Oral presentation (presentation number FC23-04). Rosén K, Khalil S, Balp MM, et al. Chronic idiopathic/spontaneous urticaria (CIU/CSU) refractory to standard of care: omalizumab improves quality of life (QoL) as assessed by the dermatology life quality index. 23rd World Congress of Dermatology, Vancouver, Canada, 2015. Oral presentation (presentation number FC23-06). Sussman, G, Nakonechna A, Lynde C, et al. Impact of chronic idiopathic/spontaneous urticaria on health related quality of life: ASSURE-CSU study results from Canada and the UK. Poster presentation at: 23rd World Congress of Dermatology, Vancouver, Canada; 8-13 June 2015. Balp MM, Jeffrey V, Haijun T, et al. Economic burden and quality of life in patients with chronic idiopathic/spontaneous urticaria from 5 European countries. Poster presentation at: 23rd World Congress of Dermatology, Vancouver, Canada; 8-13 June 2015. Asthma and Allergy Foundation of America (AAFA) website. "Chronic Urticaria (Hives). "http://www.aafa.org/display.cfm?id=9&sub=23&cont=328. Accessed May 2015. American Academy of Allergy Asthma & Immunology (AAAAI) website. "Skin Allergy Overview." http://www.aaaai.org/conditions-and-treatments/allergies/skin-allergy.aspx. Accessed May 2015. 3/4 7. Maurer M, Weller K, Bindslev-Jensen C, et al. Unmet clinical needs in chronic spontaneous urticaria. A GA2LEN task force report. Allergy. 2011;66:317-330. 8. Saini S, Bindslev-Jensen C, Maurer M, et al. Efficacy and Safety of Omalizumab in Patients with Chronic Idiopathic/Spontaneous Urticaria Who Remain Symptomatic on H1 Antihistamines: A Randomized, Placebo-Controlled Study. J Investigative Dermatology 2014 Aug;135:67–75 9. Maurer M, Rosén K, Hsieh HJ, et al. Omalizumab for the treatment of chronic idiopathic or spontaneous urticaria. NEJM. 2013; 368(10):924-35. 10. Kaplan A, Ledford D, Ashby M, et al. Omalizumab in patients with symptomatic chronic idiopathic/spontaneous urticaria despite standard combination therapy. J Allergy Clin Immunol. 2013 Jul;132(1):101-9 以上 4/4