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環境報告書 - 八王子市

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環境報告書 - 八王子市
環境報告書
2011
八王子市館清掃工場
目
次
ページ
私たちの取組・・・・・・・・・・・・・・・・
1
第1章 事業概要
1 施設のあらまし・・・・・・・・・・・・・
2 私たちの組織・・・・・・・・・・・・・・
3
5
第2章 私たちの環境配慮の取組
1 環境負荷(単年度、推移 )・・・・・・・・
2 環境対策・・・・・・・・・・・・・・・・
3 P R T R制度に基づく排出量及び移動量 ・・・
4 環境負荷を減らす取組・・・・・・・・・・
7
10
14
15
第3章 コミュニケーション
1 環境情報の公開・・・・・・・・・・・・・
2 施設の見学・・・・・・・・・・・・・・・
17
18
3
事業のあゆみ・・・・・・・・・・・・・・
18
用語と単位の解説・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
巻末資料
・ 問い合わせ先・・・・・・・・・・・・・・
22
私たちの取組
近年、地球温暖化や異常気象などにより、環境に関する社会的な関心が高まり、
国をあげて、地球温暖化防止等の環境対策に力を注ぎ、メディア等でも連日、関
連する記事が報道されています。
このような関心の高まりの中、八王子市においても環境負荷軽減の取り組みが
強化されており、廃棄物・リサイクル関連でも、ごみの減量、資源化の推進に努
めています。
平成16年10月にごみ有料指定袋施策を導入し、以来、家庭系のごみを大幅
に削減することが出来ました。
また、平成19年3月には新たな「ごみ処理基本計画」を策定し、「循環型都市
八王子」を目指し、更なるレベルアップを図っています。(本計画は八王子市のホ
ームページでご覧いただけます)
本市の清掃工場では、17年度から環境報告書を作成しています。この報告書
は22年度の施設の事業概要、処理状況及び各種データをわかりやすく掲示し、
地域の環境への安全性や環境負荷の低減への取り組みを、多くの市民をはじめと
する皆様に広く知っていただくためのものです。
このような情報の開示の取り組みにより、館清掃工場が皆様の一層の信頼を得
られるものと考えています。
なお、館清掃工場は平成22年9月末日で運転を停止いたしました。今後は、
「ごみ処理基本計画」に基づき、次世代型の清掃工場を建設し、安全・安心・安
定的なごみ処理及びさらなる資源化、環境負荷の軽減に努めてまいります。皆様
の一層のご理解、ご協力をお願いいたします。
平成23年9月1日
八王子市館清掃事業所
所
長
小林
大三
 報告する期間
平成22年4月1日から平成22年9月30日まで
準拠したガイドライン
「一般廃棄物処理施設向け環境報告書ガイドライン2005年度版」東京都環境局
■
1
第1章 事業概要
工場中央制御室
2
1
施設のあらまし




工場規模 300 トン/日(150 トン/日×2 基、うち 2 号炉休止中)
敷地面積 63,646 ㎡
建築面積 7,897 ㎡
竣
工 昭和 56 年 3 月
(平成 11 年度に 1 号炉系排ガス高度処理施設改造工事を施工)
 ごみ処理にかかる経費
ごみ 1 トン当り 19,903 円です。(平成 22 年度実績)
 焼却方式 全連続焼却式焼却炉
ごみの流れ
灰の流れ
空
ガスの流れ
気
予熱器
ごみ供給ホッパー
水の流れ
プラット
ホーム
公
害
防
止
設
備
へ
ごみクレーン
ガ ス
乾燥火格子
冷却塔
燃焼火格子
回転キルン
ごみピット
灰押出機
灰ピット
へ
プラットホーム
ごみピット及びごみクレーン
焼却炉内
ごみ収集車が運んで来るごみ
清掃工場に入ったごみは、焼却する
ここで、ごみが 800℃以上で完
は、ここからごみピットへ投入
まで一時ここに貯留します。ごみク
全燃焼されます。
されます。
レーンで、ピットのごみを焼却炉に、
運びます。
3
公害防止設備
排ガス
空気式ガス
ろ過式
冷却器
集じん機
煙
突
誘引送風機
集じん灰固化
灰ピットへ
設備
灰,洗車汚水
灰汚水
汚水処理設備
処理水
再利用
生活雑排水
乾式有害ガス除去装置
ろ過式集じん機
集じん灰固化装置
ごみの燃焼によって発生する有
排ガス中のばいじんやダイオキシ
ろ過式集じん機で取り除いたば
害ガスを薬品で除去します。
ン類を、ろ過式集じん機(バグフ
いじんを、薬剤処理で固めます。
ィルター)によって微細なばいじ
んまで除去します。
4
2.私たちの組織
工場長を含む、45名で構成されています。
焼却設備の運転は、1 班5名の5班編成により交代勤務で、土日祝祭日を含めて昼
夜、運転及び監視・点検等にあたっています。
工場長
1名
維持管理・計画
担当19名
焼却設備運転管理
担当25名
(庶務担当)
予算管理、文書管理、会計
設備機器の運転・監視、巡
回点検、及び受入業務など
管理、組織・執行管理など
(維持管理担当)
設備機器の点検維持管理補
修、及び計量業務など
5
第2章
私たちの環境配慮の取組
高尾山より工場を望む
6
1 環境負荷
(1)平成22年度の物質収支
受電電力量
灯油
上水
2,400MWh/4~9 月
49 ㎘/4~9 月
32,900 ㎥/4~9 月
薬剤使用量
消石灰
重金属固定剤
尿素水
可燃ごみ
ごみ搬入量
14,000 トン/4~9 月
96 トン/4~9 月
8.4 トン/4~9 月
16.3 トン/4~9 月
館清掃工場
焼却炉
ごみ焼却量
15,800
トン/4~9 月
ごみ焼却量
運転日数
182,700 トン/年
156 日/4~9 月
焼却炉の能力
300
トン/日×2炉
150
トン/日×2 炉
(うち 1 炉休止)
公害防止設備
排ガス処理設備
排水処理設備
灰処理設備
など
館清掃工場
灰搬出量
排ガス結果
P10 へ
1,700 トン/4~9 月
排水結果
P11 へ
二酸化炭素排出量
4,500 トン/4~9 月
7
(2)平成18年度から22年度の推移
ごみ搬入量の変化
平成 16 年 10 月からのごみ有料化に
伴い、搬入量については、減尐後横ば
い傾向です。
ごみ搬入量(トン)
50,000
40,000
30,000
30,000
27,000
29,500
30,000
※平成 22 年度は 4 月~9 月までの半年分
14,000
20,000
(9 月に工場閉鎖のため)
10,000
0
18年度
19年度
上水使用量の変化
20年度
21年度
22年度
上水使用量(m3)
上水は主に炉内冷却用及び排ガス
温度低減のために利用しています。
運転状況により変動します。
100,000
70,000
74,000
80,000
57,300
58,600
60,000
32,900
※平成 22 年度は 4 月~9 月までの半年分
40,000
(9 月に工場閉鎖のため)
20,000
0
18年度
排水量(再生水)の変化
場内の排水は砂ろ過及び活性炭の高
19年度
20年度
21年度
22年度
排水量(m3)
20,000
度処理した後、高温の排ガス温度を低
減する冷却水として循環利用してい
ます。
15,000
14,000
13,900
15,000
11,700
10,200
10,000
※平成 22 年度は 4 月~9 月までの半年分
5,000
(9 月に工場閉鎖のため)
0
18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
電気使用量の変化
電気使用量は大きな変動はなく、ほ
電気使用量(MWh)
6,000
ぼ横ばいの使用量で推移しています。
運転状況により変動します。
5,000
4,600
4,600
4,400
4,500
4,000
2,400
3,000
※平成 22 年度は 4 月~9 月までの半年分
2,000
1,000
(9 月に工場閉鎖のため)
0
18年度
8
19年度
20年度
21年度
22年度
薬品使用量:消石灰
消石灰(トン)
消石灰は、排ガス中のダイオキシ
ン類などが含まれるばいじん及び
硫黄酸化物や塩化水素など酸性ガス
を除去するために使用します。
使用量は焼却状況等により変動し
ます。
300
230
270
250
172
200
160
150
96
100
50
※平成 22 年度は 4 月~9 月までの半年分
0
18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
(9 月に工場閉鎖のため)
重金属固定剤(トン)
薬品使用量:重金属固定剤
ばいじんに含まれる重金属の溶出
を防ぎ、無害安定化の効果がありま
す。
30
25
21
20
19.9
19
18.2
15
使用量は焼却状況等により変動し
ます。
7.1
10
5
※平成 22 年度は 4 月~9 月までの半年分
0
(9 月に工場閉鎖のため)
18年度 19年度 20年度 21年度 22年度
薬品使用量:尿素水
尿素水は、排ガス中に含まれる窒
尿素水(トン)
60
素酸化物を除去するために使用して
います。
使用量は焼却状況等により変動し
ます。
50
50
40
40.5
40
30.2
30
16.3
20
10
※平成 22 年度は 4 月~9 月までの半年分
0
(9 月に工場閉鎖のため)
18年度
灯油使用量の変化
灯油は主にごみ焼却施設の暖房や
19年度
20年度
21年度
22年度
灯油使用量(kl)
200
小動物焼却、助燃(焚き付け)に用い
ます。
150
※平成 22 年度は 4 月~9 月までの半年分
100
(9 月に工場閉鎖のため)
130
170
133
128
49
50
0
18年度
9
19年度
20年度
21年度
22年度
2 環境対策
(1)排ガス(6回/年 測定値平均)
ばいじん(g/m3N)
ばいじん
ごみの焼却で発生するばいじんは、
ろ過式集じん機で除去します。
測定値は公害防止協定値に適合し
ています。
公害防止協定値 0.05g/m3N
国基準値
0.08g/m3N
0.08
0.07
0.06
0.05
0.04
0.03
0.02
0.01
0
(国とは大気汚染防止法)
<0.001
<0.001
<0.001
<0.001 <0.002
18年度
19年度
20年度
21年度
硫黄酸化物(SOx)
1
22年度
硫黄酸化物(ppm)
ごみに含まれている硫黄分は、焼却
により硫黄酸化物が生じます。
硫黄酸化物は、薬剤の消石灰を使用
し、ろ過式集じん機で低減されます。
公害防止協定値 30ppm
国基準値
K値規制
100
80
60
40
20
16
13
15
18年度
19年度
20年度
13
10
0
21年度
22年度
窒素酸化物(ppm)
窒素酸化物(NOx)
ごみを焼却すると、窒素と酸素分が
反応し、窒素酸化物が生成されます。
窒素酸化物は薬剤の尿素水を使用
し、脱硝設備により、分解除去されま
す。
7 公害防止協定値 110ppm
国基準値
250ppm
250
200
150
100
68
57
69
50
51
20年度
21年度
22年度
50
0
18年度
19年度
塩化水素(ppm)
塩化水素(HCl)
消石灰で、ごみに含まれる塩素と塩
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
化水素ガスを除去します。
塩化水素ガスは、薬剤の消石灰を使
用し、ろ過式集じん機で低減されま
す。
公害防止協定値 300ppm
国基準値
700mg/m3N
(430ppm)
29
18年度
10
14
14
18
14
19年度
20年度
21年度
22年度
(2)排水(12回/年 測定値平均)
pH(水素イオン濃度)
pH
水の酸性やアルカリ性を知るもの
です。
焼却後の排ガスの洗浄廃水や灰の冷
却廃水は酸性やアルカリ性です。その
廃水を排水処理施設で中和処理をし
ています。
基準値
pH5.8以上 pH8.6以下
9
8
6.7
6..7
6.6
7
6.7
7.0
6
5
18年度
BOD(生物化学的酸素要求量)
排水中の有機物の量を知るもので
す。排水は生物処理や活性炭処理など
の 3 次処理をしています。基準値と比
べて低い値を推移しています。
19年度
20年度
21年度
22年度
BOD(mg/l)
25
20
15
10
公害防止協定値
都基準値
5mg/ℓ
25mg/ℓ
5
1.4
1.0
18年度
19年度
0.7
0.8
1.0
21年度
22年度
0
SS(浮遊物質量)
排水中のにごりを知るものです。
生物処理や砂ろ過で処理しています。
20年度
SS(mg/l)
50.0
40.0
※数値は、調整池(敷地境界)の水質のため
30.0
天候等により泥水等の流入のため濁ることが
あります。
(数値が高くなる)
20.0
公害防止協定値
都基準値
10.0
9.2
10mg/ℓ
50mg/ℓ
3.0
3.0
3.0
3.0
0.0
18年度 19年度
11
20年度
21年度
22年度
(3)ダイオキシン類(6回/年 測定値平均)
排ガス中のダイオキシン類濃度
1
0.9
0.8
濃度(ng-TEQ/m3N)
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0.065
0.041
0.022
0.027
0.042
H19
H20
H21
0
H18
基準値は1ng-TEQ/m3N です。
(基準値はダイオキシン類対策特別措置法に準拠します。)
尚、排出水、焼却灰、ばいじんについても基準値に適合しています。
12
H22
(4)一般環境大気館町測定室の測定結果(測定場所は館町 市立館中学校)
館町測定室は館町地域を中心に、人が生活する大気中の有害大気汚染物質を毎日測定し、
人の健康及び生活環境に係る被害の発生を未然に防止するため、常時監視しています。
二酸化硫黄(SO2)
環境
1時間値の
基準
1日平均値
達成
の
状況
浮遊粒子状物質(SPM)
環境
1時間値の
年平均値
基準
1日平均値
(ppm)
達成
2%除外値
の
状況
(mg/㎥)
2%除外値
(ppm)
(mg/㎥)
基準値 0.04
○
年平均値
基準値 0.10
0.002
0
○
0.041
0.016
二酸化窒素(NO2)
環境
1時間値の
基準
1日平均値
達成
状況
年平均値
の
(ppm)
年間98%値
(ppm)
基準値 0.04
~0.06
○
0.025
0.011
(5)環境大気中のダイオキシン類調査結果(単位:pg-TEQ/㎥)
平成20年度平均値
八王子市片倉町局
平成21年度平均値
0.026
0.029
平成22 年度平均値
※ 0.025
※ 平成22年度のデータは速報値となりますので訂正する場合があります。
(参考)大気環境基準
調査回数
0.6pg-TEQ/㎥
6回/年
調査日は、調査日から1週間連続して採取しています。
ただし、平成 22 年度から 4 回/年の測定回数となりました。
詳しくは、八王子市環境白書2011 データ集をご覧ください。
13
3 PRTR制度に基づく排出量及び移動量
PRTR 制度:化学物質を取り扱う事業者に、化学物質の排出量、移動量の届出を
義務付ける制度。
目的:化学物質を取り扱う事業者が、どれだけ化学物質を環境へ排出しているか
について自ら把握して届け出ることにより、自主的な管理を促進し、環境
保全上の支障を未然に防止する。
対象化学物質:第一種化学物質のうちダイオキシン類
大気への排出量:煙突からの排出量
工場から最終処分場への移動量:工場から出る焼却灰量とばいじん量
PRTR対象物質(ダイオキシン類)
移動量
1800
1600
mg-TEQ/年
1400
1200
1000
800
600
400
310
270
210
200
77
107
0
18年度
19年度
20年度
14
21年度
22年度
PRTR対象物質(ダイオキシン類)
大気排出量
40
mg-TEQ/年
30
20
10
7.6
4.1
4.4
19年度
20年度
7.8
7.8
21年度
22年度
0
18年度
4 環境負荷を減らす取組
(1)地球温暖化対策の推進
省資源・省エネルギーなどの事務事業活動に伴う二酸化炭素等の温室効果ガス
の排出量を削減していきます。
二酸化炭素(CO2)排出量の変化
焼却量とごみの成分により、二酸
化炭素排出量は増減します。
リサイクルを推進しているため、
二酸化炭素の排出量は抑制傾向にあ
ります。
CO2排出量(tCO2)
25,000
20,000
15,000 14,000
15,000
13,600
11,400
10,000
4,500
5,000
※平成 22 年度は 4 月~9 月までの半年分
0
(9 月に工場閉鎖のため)
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
(2)焼却残渣の減容化
平成18年7月より東京たま広域資源循環組合において、最終処分場の延命化と
リサイクルの推進を図るため同組合のエコセメント化施設が稼動しました。
平成18年10月から焼却残渣は埋め立てせずにエコセメント化施設に搬入し
ています。
15
第3章 コミュニケーション
計量棟
16
1 環境情報の公開
(1)インターネットにホームページを開設しています。ぜひご覧下さい。
http://www.city.hachioji.tokyo.jp/sisetsu/kankyo/tateseisokojyo/index.html
(2)運営協議会の開催
隣接住民代表委員と環境整備等諸問題を協議し、相互の理解を深め事業の円滑
な推進を図ることを目的として、年3回の協議会を開催しています。
館清掃工場運営協議会では、清掃工場の運営状況(ダイオキシン類等・排ガス測
定結果など)を報告しています。
運営協議会委員の構成




館町会代表委員:2名
上館町会代表委員:1名
館町団地自治会代表委員:3名
館ヶ丘団地第一街区自治会代表委員:1名


館ヶ丘自治会代表委員:4名
市委員:5名
合計
16名
17
2 施設の見学
平成22年度の見学者は、総数 607 人となりました。
主な内訳は、
・ 小学校
・ 中学校
・ その他
見学者数(人)
513 人
0人
94 人
1,288
1400
1,106
1000
800
(幼稚園、高校、大学、一般)
合計
1,177
1200
689
607
21年度
22年度
600
400
607 人
200
0
18年度 19年度
20年度
リサイクルマスコット 「クルリ」 登場
工場見学(ごみクレーン室)
工場見学(ごみ投入体験)
3 事業のあゆみ
年
月
出
来
事
昭和53年10月
館清掃工場着工
昭和56年 3月
館清掃工場しゅん工
平成 2年12月
脱硝設備工事(窒素酸化物除去装置設置)
平成12年 3月
1号焼却炉排ガス高度処理設備改造工事
(ろ過式集じん機〔バグフィルター〕設置)
2号焼却炉停止
平成22年 9月
館清掃工場閉鎖(ごみ受入れ及び焼却炉停止)
18
* 用語と単位の解説
用語集
硫黄酸化物(SOx)
二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)などの総称です。ごみの中の紙類、
生ごみのタンパク質、染料、加硫ゴムに含まれている硫黄分は燃焼で酸化され、硫
黄酸化物が発生します。紫外線で酸化され無水硫酸になり、水に溶けやすいため、
硫酸となり酸性雨の原因物質になります。硫黄酸化物は呼吸器を刺激し、せき、呼
吸困難、ぜんそく、気管支炎などを起こします。
窒素酸化物(NOx)
一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)の総称です。ごみの中の窒素分は生ご
みのタンパク質やウレタン、メラミン、ユリアなど窒素系樹脂に含まれています。
そのごみの中の窒素と空気中に含まれている窒素が焼却炉内の高温域で酸化され
発生します。雨や霧に溶け硝酸になり、酸性雨の原因物質になります。窒素酸化物
はせき、たんなど呼吸器障害のほか、太陽の紫外線、炭化水素と関係してオキシダ
ントを生成し光化学スモッグの原因になっています。
塩化水素(HCl)
塩化水素の発生の多くの原因としては、塩化ビニール系プラスチックの燃焼によ
るもの、生ごみの中の食塩など無機塩類からも発生することが知られています。雨
や霧に溶け塩酸になり、酸性雨の原因物質になります。また、塩化水素は気管支炎
などの呼吸器系への影響が認められています。
ばいじん
ごみ燃焼に伴い発生する灰には粒径が大きい焼却灰(ボトムアッシュ)とおおむ
ね数μmから数百μm程度で飛散性が高く、小さな粒径の飛灰(フライアッシュ)
があります。この飛灰をばいじんといいます。このばいじんはダイオキシン類や比
較的沸点の低い重金属を含み、ろ過式集じん機で捕集されます。ばいじんは重金属
固定剤で溶出しないように無害安定化をさせています。
ダイオキシン類
ダイオキシン類は75の異性体のあるポリ塩化ジベンゾパラジオキシンと13
5の異性体のあるポリ塩化ジベンゾフラン、13の異性体のあるコプラナPCBの
総称です。ダイオキシン類の発生源は廃棄物焼却炉、農薬中の不純物、PCB製品
等があげられます。毒性は慢性毒性、内分泌かく乱作用、発ガン性等広範囲にわた
る影響が報告されています。
19
pH(水素イオン濃度)
水の酸性、アルカリ性を示す指標です。0から14の間の数値で表現されます。
pH7が中性、7から小さくなるほど酸性が強く、7を超えるほどアルカリ性が強
くなります。通常、日本の河川のpHは7前後です。水質汚濁防止法による排水基
準では、pH5.8~8.6の範囲を定めています。
生物化学的酸素要求量(BOD)
水質汚濁の状態を示す指標です。水中の汚濁物質を微生物によって酸化分解され
る際に必要とされる酸素量をもって表したものです。
化学的酸素要求量(COD)
水質汚濁の状態を示す指標です。水中の有機物に酸化剤を加えて反応させ、消費
した酸化剤の量を酸素の量に換算した値です。
浮遊物質量(SS)
水中に浮遊して、溶解しない物質の総称です。水の汚濁の状態を示す重要な指標
の一つです。
温室効果ガス
大気中に放出された二酸化炭素(CO2)などの微量な気体は太陽から届く日射
は通しますが、日射を受けて温度が上昇した地球が放射する赤外線を吸収するため、
それらの気体が地球を温室のように暖めています。この温室効果をもたらす気体を
温室効果ガスといいます。この温室効果ガスには二酸化炭素、水蒸気、メタン、ハ
ロカーボン類(フロン、ハロン類)、一酸化二窒素、六フッ化硫黄、オゾンなどがあ
ります。
近年、人間活動の拡大に伴い二酸化炭素の排出量が増加し、それに伴い大気中の
二酸化炭素の濃度が大きくなっています。1990年以降、年平均気温が急上昇し
て、過去100年当り世界で0.7℃、日本で1.0℃の割合で上昇しています。
二酸化炭素など温室効果ガスの増加で起こる温暖化は森林破壊、砂漠化、異常気象、
豪雨や干ばつ、海面上昇などをもたらし、マラリアの発生、熱中症の増加など健康
にも影響を及ぼしています。
消石灰
ごみ焼却炉で発生する有害な酸性ガス、塩化水素(HCl)、硫黄酸化物(SO
x)の除去に著しい効果を発揮する薬剤です。
尿素水
ごみの中の窒素や、空気中の窒素が燃焼、酸化されて発生する窒素酸化物(NO
x)を低減させる薬剤です。
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重金属固定剤
ばいじんに薬剤と水を加え十分に混練し、灰の中の重金属と反応させることによ
り、重金属の不溶出及び封じ込め、無害安定化の効果があります。この薬剤を重金
属固定剤といいます。
単位の説明
● 重さを量る単位
kg(キログラム)
g(グラム)
mg(ミリグラム)
μg(マイクログラム)
ng(ナノグラム)
pg(ピコグラム)
=10-3(千分の 1 グラム)
=10-6(100 万分の 1 グラム)
=10-9(10 億分の 1 グラム)
=10-12(1 兆分の 1 グラム)
● ppm:
濃度や含有率を示す時に用いる容積比や重量比を表す単位で、100 万分の
1 を 1ppmと言います。たとえば、空気 1m3 中に 1cm3 の物質がふくまれている
ような媒体、あるいは水 1m3(1t)中に 1gの物質が溶解しているような場合、こ
の物質濃度を 1ppmと言います。(1ppm=1000ppb)
● 1pg:
東京ドームに相当する体積の入れ物を水でいっぱいにした場合の重さが
約 1012g(100 万t)です。この入れ物に水を満たして角砂糖 1 個(1g)を溶かし
た場合を想定すると、その水 1cc に含まれる砂糖が 1pg(ピコグラム)になりま
す。
● 1m3N:
0℃、1 気圧の状態に換算した気体の体積です。
(立法メートルノルマル)
● TEQ:
ダイオキシン類の量を、ダイオキシン類の中で毒性の強い 2.3.7.8TCDDの量に換算したものです。
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本報告書に関するお問い合わせは、下記までお願いします。
名
称:八王子市環境部館清掃事業所
所 在 地:〒193-0944 東京都八王子市館町2700番地
電
話:042-665-2531
F
A X:042-662-2926
発
行:平成23年9月1日
作 成 者:八王子市環境部
発行責任者:小林 大三(館清掃事業所長)
HP:http://www.city.hachioji.tokyo.jp/shisetsu/kankyo/tateseisokojyo/index.html
E-mail
:[email protected]
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