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メディアコンテンツストア万引対策協議会について

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メディアコンテンツストア万引対策協議会について
2010 年7月 23 日
メディアコンテンツストア万引対策協議会について
1.背景と経緯
小売店における万引き被害は不景気の反映もあって増加している。
盗難被害にあった商品は、リサイクルショップを通しての換金が容易であるため万引
きの対象に「なり易い」書籍、コミック、CD、DVDなどの商品である。
とりわけ青少年の間では、万引き行為がゲーム感覚でなされていることに危惧する。
万引きを単なる軽微な犯罪として捉えるのではなく、より悪質な犯罪への「ゲートウ
ェイ犯罪」と位置づけ、青少年の健全な成長のためにも悪の芽を摘んでおく必要があ
る。
そこでメディアコンテンツ商品の販売に関わる小売店は結束して、関連団体、行政機
関等と協力しながらこの問題に取り組むことにした。
2.名称
メディアコンテンツストア万引対策協議会
3.構成団体
z
日本書店商業組合連合会
z
日本レコード商業組合
z
日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合
z
日本テレビゲーム商業組合
z
日本出版インフラセンター
3.責任体制
z
代表幹事
z
幹 事 矢島 靖夫(日本レコード商業組合渉外及び官界担当理事)
z
幹 事 世良與志雄(日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合理事長)
z
幹 事 新谷雄二(日本テレビゲーム商業組合理事長)
z
幹 事 相賀昌宏(日本出版インフラセンター代表理事)
大橋信夫(日本書店商業組合連合会会長)
①
¾
事務局長
¾
事務局
中嶋俊彰(日本レコード商業組合専務理事)
¾
事務局
若松修(日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合専務理事)
¾
事務局
三輪浩司(日本テレビゲーム商業組合事務局長)
¾
事務局
永井祥一(日本出版インフラセンター運営委員)
大川哲夫(日本書店商業組合連合会専務理事)
4.基本方針
①
メディアコンテンツ販売の小売店を対象とする
②
ICタグ等IT機器類の活用を図る
③
万引き防止に重点を置く
④
経済産業省、警察庁、警視庁等との連携も図る
5.当面の活動計画
①
自助努力の遂行
・万引き防犯機器類の導入・活用
・万引き犯に対する素早い処置
②
業界スキーム作り
・盗品の買取り防止策の構築
・本人確認の徹底、台帳管理の会員カード化、購入データの3年間保存など
・JPO中古図書販売研究委員会のガイドライン等の宣伝
③
ICタグ導入の促進
・メディアコンテンツ共通スペックの研究・開発
・廉価なICタグ、リーダー等の機器類普及
④
啓発普及
・万引き防止の共同ステッカー・ポスター
・その他必要事項
6.行動計画
必要に応じて実務者によるWGを作り検討する。
7.設立趣意書(※別紙)
②
メディアコンテンツストア万引対策協議会設立趣意書
近年、小売店における万引き被害金額は、増加の一途をたどっている。しかもこれは小
売店の経営を脅かすほどになっている。
例えば昨年の数値では、書店における売上高対経常利益(平均)の3倍以上が万引き被
害にあっていて、万引き被害の3割を取り戻せれば、利益は今の倍になるという計算にな
る。万引き被害をなくすことが、書店経営の改善に直結するのである。
また警視庁報告書によると、少年の場合、万引きをした理由の第 1 位が「ゲーム感覚」
となっている。万引きを単なる軽微な犯罪として捉えるのではなく、より悪質な犯罪への
「ゲートウェイ犯罪」と位置づけて社会ぐるみで取り組むとしている。
また何があれば、万引きを断念したかという問いでは、
「店員からの声掛け」というのが、
6割を超え、警備員の配置や防犯カメラの設置など、小売店での自助努力で、万引き行為
の8割を思い止めさせることができる。
しかしながら小売店における自助努力だけでは、万引き問題はなかなか解決しない。と
いうのも、JPO報告書によると、書店における万引きの目的は最終的に「換金」という
のが7割を越している。書籍、コミック、CD、DVDなどのメディアコンテンツ商品は、
他の商品と比較して換金目的での万引きが目立つので、安易に換金できないシステムを作
り上げる必要がある。
古物営業法と同法の施行規則によれば、一万円未満の場合は本人確認の義務を免除され
ている。これをなくして、バイクの部品やゲームソフトのように強制的に本人確認を義務
付け、中古販売店での買取りの際には本人確認の徹底を図るべきである。
さらにはIT技術の活用や世論の喚起など必要な対策を講じていくことが求められてい
る。ICタグの活用は、万引きなどを含む不正流通防止の切札として期待されているが、
今後は様々な分野での活用や行政等の支援により需要が増え、ICタグの導入コストが軽
減されることにより装着等の環境が整っていくものと思われる。
こうした業界、産業、社会ぐるみの万引き防止の取組みを積み重ねていくことを目的に、
ここにメディアコンテンツストア万引対策協議会を結成するものである。
2010 年7月 23 日
③
新刊書店が中古本を併売するに当たっての販売ガイドライン
2010 年 5 月 10 日 公正取引委員会確認済
2010 年6月 17 日
一般社団法人日本出版インフラセンター
中古図書販売研究委員会
1.中古本の定義
公衆へ譲渡された後に買取る等の方法により引き戻された本のこと。古書、リサイクルブ
ック、ユーズドブック、リユーズブックともいう。
2.不正返品について
不正返品とは、中古本を新本(公衆へ譲渡されたことのない本)の仕入れ取引先へ返品す
ることで、これは詐欺罪に相当する犯罪である。(※参考条文下記)
※刑法第 246 条(詐欺罪)
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
3.「中古本」の表示について
読者に誤解をあたえないように、新本と中古本との区別を明確にする。
そのため中古本を取り扱う場合は、
(1)不正返品を防ぐためにも、商品の書籍JANコード(2段バーコード)のいずれか
が判読できなくなるように、シール貼付等の加工を行う。
(2)中古本を販売する場所では、看板や掲示物、宣伝物等に「中古本」と表記するもの
とし、「本」と表記するのは読者に誤解を与えるので避ける。
4.盗品買取りの防止策について
(1)中古本を取り扱う小売店は、盗品買取り防止に努力する。
(2)万引きを誘発する宣伝行為は止める。
(3)すべての買取りについて本人確認を行う。
※本人確認について
現行規則では、買取り額が1万円未満の場合は、相手方(本を持ち込んだ人)の本人確認と帳簿
等への記載義務が免除されている。売却する場合も、相手方(中古本を購入する人)の本人確認と帳
簿等への記載義務が免除されている。
確認の方法は、運転免許証や保険証などの証明書で住所、氏名、職業、年齢を確認する。証明書
等がない場合は面前でその住所、氏名、職業、年齢を記載した本人署名のある文書を提出してもら
い次回証明書による再確認が必要。未成年者の場合は保護者の同伴か同意書の提出。
5.著作者への利益還元
著作者の利益や創作意欲を損なうことがないよう配慮し、著作者の要請に応える努力をす
る。
以上
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