Comments
Description
Transcript
小学校教員養成におけるものづく りに関する科目 「子どもと
学校教員養成 におけるものづ くりに関す る科 目 「 子 どもと手仕事 」 の教育実践 鈴木 隆司 小学校教員養成 におけるものづ く りに関す る科 目 「 子 どもと手仕事 」 の教育実践 鈴木 隆司 は じめに 現在 の 日本 で 「 小学校 教員養成課程 」 と銘打って教員養成 を実施 してい る大学 は ご くわずか である。 多 くは 「 学校数員養 成課程 」 とい うよ うに 中学校以上の教員養成 の課程 と小学校 の教員養成 が混 同 され てい る。 そ うした 中で、千葉 大学 は 「 小学校教員養成課程 」 を堅持 してユニー クなシステムを展 開 してい るO千 葉 大学 では、受験生 は 「 小学校 教員養成課程 」 を各選修別 に受験 ・入学す る。 しか し、入学後選修 に関す る科 目は最低 8単位 を取得す る こ とにな ってお り、その他 は、選集 に関す る科 目に関 しては、学部 の開設 科 目か ら自由な選 択 が可能 で あ る。 と りわ け卒業研究 ( 所属研 究室) は、小学校課程 に関係 してい る教員 の中か ら選択す るこ とにな る。選択 に関 しては、 自己の所属す る選修 にこだわ らない。選修 は算数だが、 卒業研 究は家庭科 とい う学 生 もい る。 卒業研 究に関す る科 目としてゼ ミナールや 関連す る演習 な どの単位 数 は 日単位 を超 え るこ ともあ る。 つ ま り、算数 を選修 とした学生であって も、大学時代 に熱 を入れ て学ん だ専門は家庭科 で あ る とい う学生 も存在す ることにな る。 さらに小学校課程 の学 生 には、選 修 に関係 な く共通 して聞いてほ Lい講義 を選択料 巳として各教員 が開 設 してい る。 「 小学校課程 に関す る科 目」 とい うのがそれ である。千葉大学教育学部生活科 は、現在専任教 員 が 1名 で運営 してい る。 そのため、小学校教員 の免許 取得 に必要な必修科 目である 「 小学校 生活科 」及 び 「 小学校生活科教 育法 」 を 1人で負担 す ることにな る。教員の負担 が過大であ るこ とか ら、 当初必修科 目しか開設 で きなか ったた が、「 生活科 に関す る科 目を増や してほ しい」とい う学生の要望及び生活科 に関 してわずか 3単位 しか学習す る機 会 がない とい う状態 を何 とか したい とい う教員 の希望 を鑑み て、平成 1 7年度 か ら 「 子 ども と手仕 事 」 とい う科 目を新 しく開設 した。生活科 に関 しては、多 くの教員養成 大学で 必修科 目であるに も関わ らず 専任教員 が配置 され ていない現実がある 1) 生活科 は、低学年の段階で もの づ くりを必修 として位 置 づ けてい る貴重 な教科である。 教員養成 にお いて も、 ものづ くりの基礎 を扱 う科 目として、小学校 の教科 との関連 で教授 され る科 目が設置 され ることは必要 なのではないか。 千葉大学教 育学部の 「 子 ども と手仕 事 」 は こ う. した経緯 で設置 され るに至 った。 本報告 は、その実践報告 である。 。 1.学生 の期待 に応 え る教 育 を わた しは大学 に赴 任 して、学生の期待 と開設 され てい る授業内容 に齢酷 がある とい うこ とを感 じた。 教 員 養成 系学部 は入 学時点 で は教員- の志望 を表明す る学生が 日割 程度存在す る。 ところが、 これが 1年 た つ と 6割程度 にまで減少す る。 これ は学生 の期待 に大学 が応 え切れていない と言 う側面 もあるのではない か と考 える。 小学校教員 は、学校 の教員 と しては全教科 を指導す ること、学級担任制 であ ること、子 どもの成長 ・発 達 に 6年 とい う大 きな差異 が あ る二・ とな どの特徴 があ る。学生 は こ うした特徴 を受 け とめ、それ に即応 し た専門 を学 ぼ うと してい る。 そ の期待 に応 えるためには、教育現場の実際的 な側 面を示 しなが ら、い ま、 ここで学ぶ こ との意 味 を説 得 的 に説 明 で きなけれ ばな らないだろ う。 そ うした意味では、真 に教育現場 に 繋 が る実際的 な授 業 が少 ない こ とに改善 の余地がある と思 った。 必修科 目の 「 小学校生活科 」 では学生 を 附属小 に連れ てい き、附属 の子 ども と交流す るとい う活動 を取 り入れ た。 そ こでは学生の要求 が、ナマの 子 どもと出会 い ・ふれ あ うこ とにあ るこ とが明 らかになった 2)。 さらに、学生 の期待 は一方的 な受 け身 の 講義 ではな く、 自分 た ち 自身 が活動 した り、体験 した りしなが ら学ぶ ア クテ ィブな授業形態 を望んでい る こ と、子 どもとの関わ りの実際や教材研 究 をす ることの意味 を知 りたがってい るこ とが明 らか になった。 「 子 どもと手仕事 」 では、 こ うした学生 の期待に応 えることを第一 として授業内容 を考 えた。 さらに、大学生 が さま ざまな体験 を していいない こ と、その ことが小学校教員 にな るための資質 と して 39 技術教育学研究室 研究報告 技術教育学の探究 第 4号 2007年 9月 大 きな問題 で あるこ とを筆者 自身 の小学校教員の経験 か ら考 えて、 ものづ くりを中心 としつつ も、 ものを つ くることを広 くとらえて生活 との関わ りの 中か ら授業内容 を構成 した。 体験 しただ けで終わ るのではな く体験活動 を学生 自身が反廟 して、子 どもとともに活動す るには ど うすれ ばよいか、授業 として展 開す る と言 うこととの関連 を問 いか けるために毎回 レポー ト作成 を義務 とした。 ただ し、通 常の レポー トと異 な り 「 子 どもに説 明す るた めのプ リン トをつ くる」や 「 子 どもは どの よ うな ことに興味 を持っか予想 してみ る」 〔 実際の授業実践 を ビデオで見せ て 自分. の出 した予想 を考察す る。)その教材 を生 か した単 元構成 を考 えるとい う実際的な課題 をか した。 2.授業 の構想 と計画 授業 は以下の よ うに実施 した。 第 1講 ガイダンス ( 紙鉄砲 を作 って遊 ぼ う) 第 2講 第 3講 第 4講 第 5講 タル タル シャボン玉の製作 ( 工夫す るお もちゃの製作) 春 を食べ よ う ヨモギ団子の製作 ( 季節 を体験す る) 紙 で楽器 を作 ろ う ( 協 同でつ くるこ との意味) 第 6講 第 7講 手打 ち うどん体験 ( 作業 のお も しろ さを さぐる) エイ トブ ロックパズル の製作 ( 教材 開発の新 しい視点) 第 8講 指編 み-道具 を使わない ものづ く り 〔 手だけでつ くる教材 の研 究) 第 9講 梅 ジュー スづ くり ( 季節 と自然 を実感 して理解す る) 第 10講 第 1 1講 第 12講 第 13講 金属鏡 をつ くる 〔 普段使 わない材料 に親 しむ) 梅 ジャムをつ くる ( 捨 て るものを利用す る) 二十 日大根収穫 ( 栽培 と現実社会 との接点) 附属小学校 との交流活動 ( 子 どもとの交流活動) グライ ダー を作 ってみ よ う ( 教材 の奥深 さ〕 綿菓子製造機 の製作 ( 教材開発の方法) 第 14講 第 15講 栽培箱の製作 と栽培 ( 栽培活動の新 しい位 置づ け) ここでは各回の詳細 を述べ る余裕 がないので典型的 な部分 のみ を紹介 したい。 一覧 に してみ るとわか る よ うに、内容的 には極 めて多岐 にわたってい る。 その根底 にあるもの と しては、チ ビも達 と教 師が ともに 手を使 って取 り組 める生産的活動であること、 これ までの教育実践で一定の成果が示 され てい るものであ り、その位 置づ けや展開の方法 については、新 たな可能性 があるものを取 り上 げてい る。 学生 に とっては 自分 自身が実際に手 を使 ってつ くる とい う体験 をふ まえて、子 どもと実際に分 か ち合 うには ど うすれ ばい いか とい うこ とを考 えるこ とができるよ うに授業 は構成 され てい る。 3.子 どもとの関わ りの実際か ら考 える一第 t 13講 の成果 よ り一 二の授業 の成果が典型 として あ らわれ てい る場 面であ る第 13講 を紹介す る。第 13講 では 、これ まで の成果 を試 す ために附属小学校 の低学年 と実際の ものづ くり交流 を行 った。学生は任 意 に選んだ班 を編制 して、班単位 で活動 を行 う。 1班 は 4- 6名 であ り、 12班編制 され た。 交流活動 は、 1班 にチ ビも 34人が張 り付 き、そのチ ビもたち と 40分 間過 ごす。学生はそれ ぞれ準備 して きた手 づ く り教材 を子 ども と楽 しむ。 この活動 は、教員 の予想 以上にお もしろい もの となった。 学生 ・子 ども双方 は、最初緊張 して いたが、 ものづ く りが始 まる とす ぐに うち解 け合 い、最後には名残惜 しんで分かれ るこ とにな った。チ ビ も達 もいろい ろな ものづ くりができて とて も喜んでいた。つ くった もの を大切 そ うに持 って帰 る姿が印象 的だった。 「こ うすれ ば時間が足 りな くなるか ら、ここはや ってお こ う」 「ここを工夫すれ ば子 どもはきっと喜ぶ に 違 いない」「 子 どもの注意 を引 くために何 を しよ うか」「 子 どもの 自由な発想 を引き出 したい」「 見本 でたっ 大学生 と子 どもが交互 にす わ るよ うに した 」 「 子 どもに教 えに行 くとい うよ ぷ り遊 んでか ら製作 に入 る」 「 りも、待 ってあげたい ・励 ま してあげたい」 「 子 どもの楽 しめるよ うな言葉 を選 んで説 明 した」 「 大 きな も の、形 を変 えた ものな どバ リエー シ ョンがで きるよ うに した」「 いっ しょに遊ぶ ための時間 をた っぷ りとっ 40 学校教員養成におけるものづ くりに関す る科 目 r 子 どもと手仕事」の教育実践 鈴木 隆司 た」「 子 どもが 自分がつ くった とい う実感 が もて る. よ うに した 」「 子 どもと競争 してわた したち も楽 しんだ 」 「 下準備 を十分 に した」 な どが学生の準備 に向けての取 り組みの レポー トか ら出 され ていた声 である。 これ ら声か らは学生が具体的 な子 どもを想 定 して考 えてい るこ とを読み とるこ とがで きる。 また、具体 的な場 面を想 定 してい ることがわか る。子 どもに こ うしたい、チ ビもとこ う結び合いたい とい う願 いを読 み とることがで きる。 さらに、チ ビもがや りたい とい う気持 ちを抱 くだろ うとい うこ とを想定 して、それ を引き出 した り、充分 に保 障す る とい う考 えを読 み とることがで きる。彼/彼女 は単 な る 「 や り方」だ け を学 んでい るのではな く、基本的 な考 え方 を身 につ けてい ることを読 み とることがで きる。∴ 学 生の工夫の 多 くは、小学校低学年の子 どもを意識 した ものであ り、机上の学習 と違 って、実際的 な配慮 が かな りされ てい ることがわか る。 学生 は通例 の大学 の講義 では、この よ うな具体的 な疑問や方法 を考 える とい うことがで きない。「 子 ども は 00 とい う傾 向が あるか ら、準備 では△凸に注意す る」 とい うよ うに具体的には見 えない一般 的 な子 ど も像 を想定 して、そのチ ビも像か ら抽象的な留意 点 を述べ るに過 ぎない。学生 自身は こ うした抽象的な記 述 を要求 され る課題 に対 して も応 えては くるが、そ こか ら自らの学び を形成 した とい う実感 に乏 しくなる。 こ うした抽象的な記述 には学生 白身 の考 えがあ らわれ に くい。 多 くは、イ ンターネ ッ トや参考文献 か ら構 成 した一般 的な見解 をなぞ って くるにす ぎない. ところが、教育現場 では教材 の良 さを引き出す ためには、具体的な子 どもを想 定 した授業展 開 を考 える ことが重要 な課題 となる。 この重要 な課題が これ までの大学の講義では十分 に対象化 され て こなかったの ではないだ ろ うか。 その ことが学生 を受 け身 に して しまったのではないだろ うか と考 える。教 育実習 に出 かけて子 どもとの対応 に困 る学生が多いのは、授業 として子 どもに接す る以前 に、ひ と りの子 どもの こと を考えその子 にいかに按す るか とい う具体的な学びが欠 けてい る。「 子 どもと手仕事 」 では、学 生 自身が具 体的に考 える機会 を与 え、実際の子 どもとふれ あい、 自分 の考 えを反 鶴す る機会 を与 えることで、講義の ね らい とした具体的 な子 どもを想 定 した ものづ く りの教材研 究の考 え方やその実際についての基本的な枠 組み を とらえることをね らい とした。 41 技術教育学研 究室 研 究報告 技術教育学 の探 究 第 4号 2007年 9月 4.授業 の実 際一第 9講 :梅 ジュースづ く り 〔 季節 と自然 を実感 して理解す る) 次に実際の授業の様子 を紹介す る。第 9講 は、学内にある梅林 に行 き、梅 を もぎ取 りそれ を使 って梅 ジ ュースをっ くる とい うこ とを課題 とした。チ ビも ・学生 の回 りには加 工食 品があふれ 、実際 に収穫か ら加 工、食事 までの過程 を連続 して学ぶ ことがないだ ろ う。教育現場 の授業では 「 単元」 とい う構成方法 を用 い ることが あ る。 単元 を構成す るためには さまざまな方法が あるが、 こ うした現実の生産過程 を丸 ごと追 体験す るとい う単元構成 の方法が ものづ くりにはあることを実際 にや ってみ る中で学 んで もらお うと考え た。 授業では、教材 の位 置 と展 開例 を教育実践か ら示 し、それ を 自分 たち・ もや ってみ る。 その上で 自分 な りの 新 しい展開方法を考 える とい う形態 を とった。 以下に授業で用いた講義 ノー トを紹介す る。 42 学校教員養成におけるものづ くりに関す る科 目 r 子 どもと手仕事J の教育実践 鈴木 隆司 第 9講 講義 ノー トよ り ① .梅 ジュー スの教材 としての位 置 梅 ジュースを教材 として生活科 の授業 を され る方 は多 くあ ります。それ はい ろいろ な理 由 があ ります が、子 どもか ら教材 を作 る ときに出てきやすい教材 なのです。 わた しの勤務 していた学校 では、朝の時間に 「 発表十 を行 っていま した。 学校 に 帰 りの会 」 とい うものがあ ります。 いわ ゆるシ ョー ト ・ホー ムルー ムです。 は、 「 朝の会 」 「 朝 は、今 日一 日の予定 を子 ども と確認 して、今 日一 目がんばろ うな とい う会が多 くな され ます。 帰 りは今 日一 目の反省や 、明 日の連絡事項 な どを伝 えますo わた しは この 「 朝の会 」「 帰 りの会 」 .を とて も重視 していま した。 どうしてか。わた しの勤務 校では、朝 20分 、帰 り 20分が これ にあて られていま した。 この時数だけを考 えてみ て も、 これ がいかに大切 なのかがわか ります。朝 20分 +帰 り 20分 - 40分。これ は授業時間 1時 間分に相 当 します。これが月∼金 までびっ しりとあるのですか ら、最大授業時数 の教科 と同等 の時数があるのです。つ ま り、子 どもが育っチャンスが ここにあるのです。そのチャンスを括 かす のが 「 発表 」です。発表 を うま く活かせ るポイ ン トは、低学年では具体的 な もの を求 め る ことです。 わた しは必ず何 かモ ノを持 って くるか、自分が体験 した ことを発表す るよ うに子 どもに呼び かけま した。 チ ビもはいろいろな ことを発表 して くれ ます が、ここで季節のは しりものが よ く出て くるので す。今 の時期 には梅 がでて きます。それ を取 り上げて、そ こか ら梅 を加 工 してみ よ うと生活科 を始 めていきま した。 この時期です と、暑 くなってだれ始 めた ときや クラスのま とま りをつ くる ( 運動会 な ど) ' .時 に 「 乾杯」 を します。 また、-学期の成功 を祝 って終業式に 「 乾杯 」 した りしま した。 ②梅 を取 りに行 こ う !! 今 日は梅 を取 りに行 くところか ら始 めます。 これ か ら千葉大学 ・教育学部農場 に出かけ耳す。 注意は、いろいろな ものが植 わってい るのでそれ を決 して踏 まないで下 さいね。 この時期です と、梅 は木 の高い とこ. ろにあ ります。棒でたたきお とした り、梯子 を使 った り二 木 に登 った りして取 ってみま しょ う。ビンの大 き さに もよ ります が、ひ と り 5- 7個 くらいで いいだろ うと思います。 梅 ジュー 封 こ適 した梅 は青いモ ノです。黄色 くなった もので もできな くはないのです が、青 い方がおい しくで きます。 ③梅 ジュー スの作 り方 梅 ジュー スは ミキサーで砕 いて絞 るのではな く、砂糖 の浸透圧 を利用 して梅 のエキス を抽 出 す る方法 で作 ります。従 って梅 をつぶ した り砕 いた りす る必要はあ りませ ん。 1.材料 の用意 ① 青梅 ② グラニ ュー糖 または氷砂糖 このふたっ をほぼ同 じ重 さだけ用意す る。 ③ 焼酎 20度 2.作 り方 ① 爪楊枝 な どを使 い- タを取 り、表面の汚れ を洗い落 とす ② 1昼夜水 に漬 け、水か らあげた ら水分 を しっか り拭 き取 るほ うが よい。 43 技術教育学研究室 研究報告 技術教育学の探 究 第 4号 2007年 9月 ( 今 日は時 間の都合 上、 これ は しませ ん)) ③ ㊨ 梅 に竹 串な どでつつ き、沢 山穴を開ける 広 口瓶 を焼 酎 を しみ こませ たペーパーで よ くふ き取 る。 殺菌( カ ビの発生や発酵 を押 さえる) のためで、米酢 で も良い ⑤ 氷砂糖 とグラニ ュー糖及 び梅 を交互に入れ る ⑥ ⑦ 冷暗 な場所 に、 ビンを寝せ て(口の方 をやや上げて) 2、 3 日経 っ とビンに果 汁が溜ま り始 めます 一 日に数 回 ビンを回転 させ 、 グラニ ュー糖や抽 出 した硬が梅全体 に かか る よ うに します。 ⑧ 2週 間 も経 つ と、 ビック リす るほ どの畳の ジュースがたま ります0 梅 はす っか り萎 んで しまい ます。 ⑨ これ で完成 別 の容器 に移 し、冷蔵庫 で保存 します。 ※ ここで一度 80 度 くらいまで加熱 して、梅 を出 してお くと発酵 が とま って まろや か にな ります。 ⑩ 保存剤 な どが入 って いませ ん し、完全 な殺菌は され ていません 早 めに飲 ん で しま しょ う。 本 日の レポー ト課題 : 梅 ジュー スつ く りを中心 とす る 5時間 くらいの単元 を考 えて、 その指導計画 をつ くって下 さい。 A 4で 1枚以内にま とめて くだ さい。 5.授業 を受 けた学生 の感想 よ り 選択科 目であ るこ とも影響 してい るが、受講生 はかな り熱 心 に取 り組 んで くれ た。 出席 を とってい るわ 来 けではないが、常時 95% 以上 の出席 が あった。 理 由があって欠席す る学生で も欠席 の連絡 を くれ て 「 週何や るんです か」 と聞 いてきて くれ た。 〔 次回何 をす るか もお楽 しみであま り事前通告は しない) また、 単位 と関係 な く ( 単位 なんて ど うで もいいか らとい う思 いで)受講 してい る とい う学生が多 くいた。 それ は、 レポー トをサ ボ る とか消極 的 な意味 ではな く、「この授業はお も しろ くて、ためになって、友 だ ちまで 今時 の大学生 が単位 目当てでな く受講 して くれ る と言 うの は、開講 し で きるか ら」 来 る とい うのであ る。■ た者 と しては うれ しい限 りであ る。 最近 では単位 はい らないか ら受講 させ ては しい とい う申 し出 を して、 2度 目の受講 を希望す る学生が い る。 学生が この よ うな授 業 を ど う受 け とめたのか、学生の感想 か ら小学校教員養成 にお けるものづ く り教 育 の意義 を探 り出 してみ たい。 毎回新 しい発 見 が あ って とて も楽 しか った。 特 にタル タル シャボ ン玉 には衝撃 を受 け た。 見た 目が本物 の シ ャボ ン玉 そ っ く りで本 当に驚 いた。 これ を最初 に考 え出 した人 は、 す ぼ ら しい発想 力 を持 ってい る と思 う。 この授業で少 しは 自分 の発想 力が養 えた と思 う。 わた しは頭 が固 くて、柔軟 な発想 とい うものが苦手だ し手先が不器用 なので小学校 の生活 科や図工は、あま り好 きではなか った。 ( 作業 自体は好 きだったのだが授業時間内に作業が 終わ らない こ とが嫌 だ った) しか し、 この授業 を受 けて ものづ く りに対す る 「 嫌 だ 」 とい う気持 ちがす っか りな くな った。 ものづ く りの本 当のお も しろ さに触れ 、時間が気 にな ら ない くらい、 ものづ く りを楽 しむ こ とがで きた。 この授 業 で学 んだ こ とは、 きっ とこれか らの人生で大 いに役 立っ と思 う。 44 学校教員養成におけるものづ くりに関す る科 目 「 子 どもと手仕事」 の教育実践 鈴木 隆司 子 ども と手仕事 の授業 は全部 とて もお も しろか ったです。幼稚 園選修 の他の子 は、 この授 業 を とれ ないので、いっ も今 日は何作 った よ- !と自慢 してま した。 グループでの活動 だ ったので、 この授業で友達がた くさん増 えま した。特 にグルー プの 子 とは週 1しか会わな いのにす ご く仲 良 くなれ て うれ しいです。 I!一番楽 しかったのは今 日のわたが Lと うど t んです。 タル タル シャボ ン玉はまだ家にちゃん とか ざって あ ります。たまにあそんでます。 全部の授業が とて もわ くわ くして、次は何 をや るのかな- と楽 しみで した。 この講義 の特徴 は、小学校段 階の ものづ くり教育 を これ までの技術教育 とは違 った枠組 みで とらえてい る ことにあるだ ろ う。 これ までの技術教育 は、「 技術 」 の教育であ り対象 とす る技術 がいわゆる工学的 ない し は農学的内容 を分析 的 に捉 えて、それ を教授 内容 として前面 に出す き らいがあった よ うに思 え る。 中等教 育段階以上では、そ うした内容構成 がチ ビもに とって意味のある ことか も しれ ないが、小学校段階ではそ れ だけで子 どもの成長 ・発達 を充分 に保障で きない と考 える。 これ まで教育現場 では、教科の裏付 けがな いので、 ものづ くりは生活科や学級指導 な どの時間を使 ってお こなわれ てきた。 そ うした ものづ く りの教 育実践は、そ うした分析 的な枠組みで とらえきれ るものではない。 小学校教員 を 目指す学生 に とって必要 なのは 「 技術 」 に関す る教科 を担 う分析的な力だ けでは充分ではない とわた しは考 える。 ここが通常の算 数や国語 と違 うところだ。教科 の専門性 を背景 と したいわ ゆる教材 単元 を構成す る能 力 を与え るこ とでは 充分ではない。小学校 の教師 はその大部分が学級担任 である。 学級 の子 どもたち と日々の生活 を送 ってい く中に、 ものづ く りが有機 的 に入 り込み、子 どもの学校生活が よ り豊かになるとい う視点で ものづ く りの 教材構成や教材開発 がで きるよ うになることが大切 なのではないだ ろ うか。学級担任 としては、子 どもの 生活 を中心 とした生活単元 を開発で きる能力 ・視 点が必要であ る と考 えてい る。 現在 の学校教育の閉塞性 は、 こ うした生活 と結びついた視点が不充分 であ ること、そ してその視点 を支えるカ リキュラムの開発 が ひっ よ うではないだ ろ うか。 小学校教員養成 と しての技術 ・ものづ くりの教授 を開発す るた めには、小学校教育 の特徴 を もっ とよ く とらえ、 これ までの教育実践 を考察 した上で、それ らを理論 的 に位 置づ けることがで きる枠組 みが必要 で ある と考 える。 1)鈴木隆 司 「 我 が国の教員養成大学 ・学部 にお ける生活科 関連 科 目の教育 に関す る一考察 」 技術教育学 の探究 ( 技術 ・職業 教育苧研 究室 5. 究室 2005. 研 究報告)名 古屋大学大学院教育発達科学研 究科技術 ・職 業教育苧研 2) 同上。 45