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仙台市国民健康保険 保健事業実施計画 (データヘルス計画)

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仙台市国民健康保険 保健事業実施計画 (データヘルス計画)
仙台市国民健康保険
保健事業実施計画
(データヘルス計画)
平成28~29年度
平成 28 年 4 月
仙台市
目次
第1章 計画策定の目的と背景 .................................................................................................. 4
1
計画策定の目的と背景 ..................................................................................................... 4
2
基本方針 ...................................................................................................................... 4
3
仙台市国民健康保険の状況 ............................................................................................... 5
4
これまでの保健事業の振り返り ........................................................................................ 12
第2章 現状分析 ................................................................................................................. 23
1
医療費・疾病状況の把握 ................................................................................................ 23
(1)一人当たり医療費の状況 ...................................................................................... 23
(2)医療費の要素比較 ............................................................................................... 27
(3)宮城県、政令市、全国との医療費の比較 .................................................................. 29
(4)疾病分類別の医療費の状況.................................................................................... 33
(5)生活習慣病の受診者の状況.................................................................................... 37
2
健診状況の把握 ........................................................................................................... 46
(1)健診受診状況 ..................................................................................................... 46
(2)健診未受診者へのアンケート結果 ........................................................................... 52
(3)健診結果(有所見者)の状況 ................................................................................. 54
(4)健診結果(メタボリックシンドローム)の状況 .......................................................... 56
(5)健診結果(問診の回答内容)の状況 ........................................................................ 60
3
特定保健指導状況の把握 ................................................................................................ 66
(1)特定保健指導の実施状況 ...................................................................................... 66
(2)医療機関へのアンケート結果 ................................................................................. 71
(3)特定保健指導の効果 ............................................................................................ 73
4
レセプトと健診の状況把握 ............................................................................................. 75
(1)検査値高値者の医療機関受診勧奨事業の状況 ............................................................. 75
(2)生活習慣病基礎疾患のリスクと医療機関受診状況等 .................................................... 79
5
後発医薬品使用状況 ...................................................................................................... 85
6
重複・頻回受診の状況 ................................................................................................... 86
第3章 課題と対策 .............................................................................................................. 90
1
課題と対策の設定 ......................................................................................................... 90
第4章 保健事業計画............................................................................................................ 93
1
平成 28 年度以降の保健事業概要...................................................................................... 93
2
各保健事業(スケジュール)と目標 .................................................................................. 94
3
評価指標 .................................................................................................................. 102
第5章 その他 .................................................................................................................. 112
1
データヘルス計画の公表・周知 ...................................................................................... 112
2
事業運営上の留意事項 ................................................................................................. 112
3
個人情報の保護 ......................................................................................................... 112
4
データヘルス計画の評価方法・見直し ............................................................................. 112
第1章
計画策定の目的と背景
1 計画策定の目的と背景
わが国の社会保障制度は、世界に類を見ない少子高齢化社会に向けて、大きな転機を迎えています。
こうした中、政府は、日本再興戦略(平成 25 年 6 月 14 日閣議決定)や健康・医療戦略(平成 25 年 6 月 14 日
関係大臣申合せ)において、すべての健康保険組合に対し、レセプトデータ及び特定健康診査データの分析に基
づく効率的・効果的な保健事業をPDCAサイクルで実施するための事業計画(「データヘルス計画」)による
取組みを求めるとともに、市町村国保にも同様の取組みを推進することとしました。
本市国民健康保険では、平成 20 年度に「仙台市国民健康保険特定健康診査等実施計画」、平成 25 年度に「仙
台市国民健康保険第 2 期特定健康診査等実施計画」を策定し、被保険者の健康寿命の延伸及び医療費の適正化を
めざし、生活習慣病の予防、早期発見、早期治療、重症化予防等の取組みを進めておりますが、今迄以上に被保
険者の健康に寄与し、効果的な保健事業を実施していくため、レセプトデータ及び特定健康診査データの分析を
行いました。
2 基本方針
本計画は、「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21(第二次))」の方向性を踏まえるととも
に、「仙台市国民健康保険第2期特定健康診査等実施計画」(以下「第2期計画」という。)及び「第2期いき
いき市民健康プラン」との整合性を図ります。また、計画の期間は、第2期計画に合わせ、平成 29 年度までとし
ます。
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
H28
H29
仙台市国民健康保険
データヘルス計画
(H28~H29)
4
4
仙台市国民健康保険
仙台市国民健康保険
第1期特定健康診査等実施計画
第2期特定健康診査等実施計画
(H20~H24)
(H25~H29)
第1期
第2期
いきいき市民健康プラン
いきいき市民健康プラン
(H14~H22)
(H23~H34)
中間評価
第1章
計画策定の目的と背景
3 仙台市国民健康保険の状況
基本情報
平成 26 年度の仙台市国民健康保険加入者は、239,716 人(本市人口の 25.3%)となっており、本
市における 65 歳~74 歳の 7 割~8 割の者が本市国民健康保険に加入しています。また、男性に比べ
女性の被保険者数、人口に占める割合が高い傾向にあります(図表 1)
。
図表 1.仙台市の人口に対する被保険者構成割合(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
男性
年齢階層
人口
被保険者数
女性
割合
割合
被保険者数
人口
70 ~ 74 歳
22,591
18,857
83.5%
86.6%
23,165
26,736
65 ~ 69 歳
28,304
18,875
66.7%
77.7%
24,167
31,111
60 ~ 64 歳
35,290
11,448
32.4%
43.2%
16,608
38,441
55 ~ 59 歳
30,486
6,076
19.9%
25.2%
8,051
31,976
50 ~ 54 歳
31,652
5,750
18.2%
18.8%
6,086
32,360
45 ~ 49 歳
35,357
6,574
18.6%
17.4%
6,114
35,121
40 ~ 44 歳
42,736
7,605
17.8%
15.7%
6,569
41,719
35 ~ 39 歳
42,522
7,314
17.2%
14.1%
5,961
42,359
30 ~ 34 歳
37,362
6,648
17.8%
15.6%
5,983
38,308
25 ~ 29 歳
34,742
6,275
18.1%
16.7%
6,005
35,910
20 ~ 24 歳
30,647
5,279
17.2%
17.5%
5,387
30,790
15 ~ 19 歳
25,861
3,785
14.6%
14.5%
3,644
25,080
10 ~ 14 歳
24,543
3,172
12.9%
13.0%
2,989
23,037
5
~
9
歳
23,082
2,950
12.8%
12.5%
2,756
21,987
0
~
4
歳
23,462
2,846
12.1%
12.2%
2,777
22,680
計
468,633
113,454
24.2%
26.4%
126,262
477,611
合
出典:国保データベース被保険者と仙台市ホームページ人口情報
5
第1章
計画策定の目的と背景
被保険者の年齢構成について、男性は、全国や宮城県と比べて、39 歳以下が多く、40~64 歳、65
~74 歳が少なくなっています。一方、女性は、全国や宮城県と比べて、39 歳以下が多く、40~64 歳
が少なくなっています(図表 2,図表 3)
。
図表 2.被保険者年齢構成割合
宮城県・全国比較(男性)(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 3.被保険者年齢構成割合
宮城県・全国比較(女性)(平成 26 年度)
出典:国保データベース
<国保データベースとは>
国保データベースと表示しているデータは、国民健康保険データベース(KDB)システムによ
り作成しています。比較対象としての「宮城県」とは宮城県内の市町村国民健康保険及び国民健康
保険組合の保険者平均、
「政令市」とは政令指定都市の国民健康保険の保険者平均、
「全国」とは全
国の市町村国民健康保険及び国民健康保険組合の保険者平均を示しています。
※年度やデータの種別により、当該データベース参加市町村の数は異なります。
6
6
第1章
計画策定の目的と背景
被保険者数は、平成 23 年度まで増加し、その後減少しています。平成 26 年度の被保険者数は、平
成 20 年度に比べて約 9,000 人減少しています。一方で、65 歳以上の人数は年々増加しています(図
表 4)
。
図表 4.被保険者(年度平均人数)経年推移
( 単位: 人 )
出典:国民健康保険 事業年報
平成 26 年度の医療費は、平成 20 年度に比べて、約 10,000 百万円増加しています。
平成 24 年度の急激な増加は、平成 23 年 3 月の東日本大震災の影響が考えられます。東日本大震災
に係る医療費の一部負担金免除措置について、平成 22 年度(平成 23 年 3 月 11 日)から平成 24 年度
末にかけ実施後、平成 25 年度は廃止し、平成 26 年度は一定条件下の対象者に対して再開しました(図
表 5)
。
図表 5.医療費総額経年推移
( 単位: 百万円 )
出典:国民健康保険 事業年報
7
第1章
計画策定の目的と背景
一人当たり医療費は、被保険者数が減少しているにもかかわらず、医療費総額が増加していること
から、増加傾向にあります(図表 6)
。
図表 6.一人当たり医療費の経年推移
宮城県・政令市・全国比較
( 単位: 円 )
出典:国民健康保険 事業年報
※平成 26 年度については、宮城県や仙台市、全国の情報が計画時点で公表されていないため、本市の
情報のみを記載しています。
本市の医療施設に着目すると、千人当たり病院数、千人当たり診療所数、千人当たり病床数は、い
ずれも宮城県や政令市、全国よりも高く、医療が充実し、受診しやすい環境であることがわかります
(図表 7)
。
図表 7.医療施設数
宮城県・政令市・全国比較(平成 26 年度)
仙台市
宮城県
政令市
全国
千人当たり病院数
0.3
0.2
0.2
0.2
千人当たり診療所数
3.7
2.7
3.5
2.7
53.8
42.2
47.3
44.0
千人当たり病床数
出典:国保データベース
8
8
第1章
計画策定の目的と背景
本市の健康寿命は、男性で 65.6 歳、女性で 67.1 歳であり、宮城県や政令市、全国と比較しても若
干長いことがわかります。健康寿命とは、健康で活動的に暮らせる期間のことを意味します。
しかしながら、平均寿命と健康寿命の差は男性で 15.0 歳、女性で 19.7 歳と、男女ともに宮城県や
政令市、全国よりも大きく、医療や介護が必要な期間が長いといえます(図表 8,図表 9)
。
図表 8.仙台市の平均寿命と健康寿命
宮城県・政令市・全国比較(男性)
(平成 26 年度)
( 単位: 歳 )
出典:国保データベース
図表 9.仙台市の平均寿命と健康寿命
宮城県・政令市・全国比較(女性)
(平成 26 年度)
( 単位: 歳 )
出典:国保データベース
9
第1章
計画策定の目的と背景
介護保険の状況
本市被保険者の要介護認定者の医療機関受診状況は、宮城県とはほぼ同等の傾向にありますが、全
国や政令市と比べて、生活習慣病疾患も含めたどの疾患の保有割合も多いことがわかります(図表
10)
。介護新規認定者は、平成 26 年度 246 人となっており、比較的軽度な要支援がやや増加していま
す(図表 11)
。
図表 10.被保険者の要介護認定者の医療機関受診者割合
宮城県・政令市・全国比較(平成 26 年度)
( 単位: % )
出典:国保データベース
図表 11.被保険者の要介護認定者数の経年推移
( 単位: 人 )
認定者数
認定者数
(新規)
認定者数
認定者数
認定者数
認定者数
認定者数
認定者数
認定者数
(要支援1) (要支援2) (要介護1) (要介護2) (要介護3) (要介護4) (要介護5)
H24
6,625
186
1,437
759
1,282
1,055
753
706
633
H25
6,545
189
1,465
754
1,343
970
723
662
628
H26
6,625
246
1,490
795
1,316
1,048
666
674
636
出典:国保データベース
10
10
第1章
計画策定の目的と背景
死因の状況
本市の死因の状況は、宮城県や政令市、全国と比べて、糖尿病による割合が高く、死亡の事由別で
は、がん、心臓病、脳疾患といった生活習慣病疾患の割合が高くなっています(図表 12)
。
図表 12.仙台市の死亡の事由別割合
宮城県・政令市・全国比較(平成 26 年度)
( 単位: % )
出典:国保データベース
11
第1章
計画策定の目的と背景
4 これまでの保健事業の振り返り
本市国民健康保険は、平成 20 年 4 月から施行された「高齢者の医療の確保に関する法律」により、特定健
診、特定保健指導を中心に、生活習慣病対策を重視した保健事業を実施してきました。
平成 27 年度に実施した保健事業は、以下の通りです。
No.
事業名
1
特定健康診査
2
特定健診受診勧奨
3
4
5
6
7
特定保健指導
(動機付け支援)
特定保健指導
(積極的支援)
特定保健指導(積極的支援)
利用勧奨
検査値高値者の
医療機関受診勧奨
市民健診助成
事業の目的及び概要
【目的】生活習慣病予防・重症化予防
【概要】個別健診の実施
【目的】特定健診受診率の向上
【概要】リーフレット・ハガキ送付及び電話による受診勧奨
【目的】メタボリックシンドローム予備群者等の減少
【概要】医療機関にて、個別面接による指導
及び 6 か月後の評価
【目的】メタボリックシンドローム該当者の減少
【概要】委託事業者にて、3 か月以上の継続的な支援
及び 6 か月後の評価
【目的】積極的支援利用率の向上
【概要】リーフレット送付及び電話による利用勧奨
【目的】疾病の重症化予防
【概要】リーフレット送付及び電話、訪問による受診勧奨
【目的】市民健診受診による健康の保持増進
【概要】市民健診費用の一部助成
【目的】情報発信、健康意識の向上
8
健康情報発信
【概要】各区・総合支所でのリーフレット配布等による啓発
機関紙発行
年1回
医療費通知に保健情報掲載
12
12
9
医療費通知
10
ジェネリック通知
年2回
【目的】健康意識の醸成
【概要】医療費通知送付
年2回
【目的】医療費の削減
【概要】ジェネリック医薬品差額通知送付
年2回
第1章
計画策定の目的と背景
特定健康診査
目的
対象者
実施方法
メタボリックシンドロームに着目した健康診査を行うことで、対象者が自身の健康状態を把握
し、生活習慣の改善に役立てるとともに、生活習慣病の発症や重症化を予防する。
40~74 歳の被保険者
仙台市医師会(登録医療機関の取りまとめ)
、宮城県医師会(電算処理、血液検査等)へ委託。
対象者へ受診券を送付し、登録医療機関での個別健診を実施。
○受診券送付
6月末、対象者へ受診券と登録医療機関名簿を送付。
※受診期間中に対象となった者には、7 月、8 月、9 月、12 月に送付。
○特定健診受診
受診期間中(7~10 月及び翌年 1 月)に、登録医療機関(平成 27 年度 412 施設)にて、特
実施内容
定健診を実施。約 3 週間後に、受診した医療機関にて結果通知書を渡し、事後指導を実施。
※眼底検査を実施していない医療機関は、眼底検査依頼票を受診者に渡す。特定健診受診後 1
週間以内に、眼科登録医療機関にて眼底検査を実施。
【検査項目】①既往歴の調査
④身体計測
②自覚症状及び他覚症状
⑤血圧測定
⑥脂質検査
⑨腎機能検査
⑩血清尿酸検査
⑬心電図検査
⑭眼底検査
③理学的検査
⑦肝機能検査
⑪尿検査
⑧血糖検査
⑫貧血検査
平成 27 年度の対象者は、171,669 人、うち受診者は 73,638 人、受診率は 42.9%となってい
る(保険者実績)
。
事業成果
平成 26 年度の受診率(法定報告)は、45.9%と政令市でトップ(P.46
図表 44 参照)とな
っているが、第2期計画での目標値 49%には達しておらず、平成 20 年度の特定健診開始時と比
べると、受診率は、低下している。また、40~50 歳代の受診率は、20~30%代と低い傾向がみ
られる。
年度
年度ごとの変更点・特記事項
平成 22 年度
従来8月~10月及び翌年1月であった受診期間に 7 月を追加。
平成 23 年度
東日本大震災の影響で、受診開始月を8月に延期。
平成 25 年度
検査項目に腎機能検査(血清クレアチニン・eGFR)を追加。
平成 27 年度
検査項目に血清尿酸検査を追加。
13
第1章
計画策定の目的と背景
事業成果(法定報告)
( 単位: 人 )
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
対象者
149,237
149,588
150,494
153,130
155,174
155,358
153,657
受診者
73,577
69,953
68,859
67,863
68,688
70,420
70,466
受診率
49.3%
46.8%
45.8%
44.3%
44.3%
45.3%
45.9%
H27
未確定
平成 26 年度 年齢階層別健診受診率(法定報告)
( 単位: 人 )
対象者
受診者
受診率
40~44歳
12,193
2,700
22.1%
45~49歳
11,141
2,637
23.7%
50~54歳
10,470
3,002
28.7%
55~59歳
12,607
4,287
34.0%
60~64歳
25,153
11,213
44.6%
65~69歳
40,640
22,328
54.9%
70~74歳
41,453
24,299
58.6%
<法定報告とは>
平成 20 年 4 月より、医療保険者は、被保険者に対して、特定健康診査及び特定保健指導を実施することが
義務付けられました。これを受けて、保険者は、毎年度、当該年度の末日における特定健康診査等の実施状
況を国に報告することとされています。法定報告とは、その実績報告データを指しています。
対象者は、年間(4 月 1 日~翌年 3 月 31 日)を通して国民健康保険に加入している者となります。
14
14
第1章
計画策定の目的と背景
特定健診受診勧奨
目的
対象者が特定健診を受診することの必要性や重要性を理解することで、受診率の向上と健康の
保持増進を図る。
実施方法
リーフレット送付
40 歳の被保険者
対象者
電話
ハガキ送付
平成 20 年度以降 1 回以上の受
平成 20 年度以降受診歴がな
診歴があり、かつ前年度及び
く、かつ今年度 10 月まで未受
前々年度未受診の 43~72 歳
診の 41~66 歳の被保険者
の被保険者
実施内容
事業成果
6 月、対象者に受診勧奨の
8 月~翌年 1 月下旬、対象者
12 月中旬、対象者に受診勧奨
リーフレットを送付。
に電話にて受診勧奨を実施。
のハガキを送付。
リーフレット送付
電話勧奨 6,047 件
ハガキ送付 34,997 件
件
このうち、健診受診者 831 人
このうち、健診受診者 838 人
このうち、健診受診者 559
(受診率 13.7%)
(受診率 2.4%)
2,659
人(受診率 21.0%)
年度
年度ごとの変更点・特記事項
平成 22 年度
前年度及び当年度7~10 月未受診の 40 歳代男性 8,219 人に、受診勧奨ハガキを送付。
平成 23 年度
東日本大震災の影響もあり、未実施。
平成 24 年度
平成 25 年度
前年度及び前々年度未受診の 40~50 歳代の者 30,039 人に、未受診理由等の内容のアンケート
を送付(8 月)
。
アンケート未回答の 45 歳(484 人)
、50 歳(384 人)の者には、電話にてアンケート内容の聞き取
り及び受診勧奨を実施。
(いずれも業務委託)
平成 26 年度
40~42 歳の者 9,089 人に、受診勧奨のリーフレットを送付(6月)
。
平成 20 年以降 1 回以上の受診歴があり、かつ前年度未受診の 42~74 歳の者 10,525 人に、電話
にて受診勧奨を実施(7月~翌年1月)
。
(いずれも業務委託)
平成 27 年度
保険年金課にて実施。
15
第1章
計画策定の目的と背景
特定保健指導(動機付け支援)
メタボリックシンドロームに着目し、生活習慣を改善するための保健指導を行うことにより、
目的
対象者が自身の生活習慣における課題を認識して行動変容と自己管理を行うとともに、健康的な
生活を維持することができるようになることを通じ、生活習慣病の予防につなげる。
対象者
40~74 歳の被保険者
特定健診の結果に基づく階層化による動機付け支援の対象者
仙台市医師会へ委託し、登録医療機関にて実施(7 月~翌年 2 月)
。特定健診を受診した医療機
実施方法
関にて、事後指導(結果説明)時に対象者に利用希望を確認。希望する場合に、事後指導当日又
は後日、面接による個別支援を行い、6 か月後に評価を実施。
○初回面接(1 回 20 分)
特定健診を受診した医療機関にて、医師、保健師、管理栄養士等が初回面接を実施。所定の
テキストや帳票を使用しながら、メタボリックシンドロームや健診結果等の説明、生活習慣の
実施内容
振り返りをし、6 か月後の改善目標(体重・腹囲)と行動計画を作成。
○6 か月後評価
初回面接を実施した医療機関にて、計画策定から 6 か月経過後に、身体状況や生活習慣の改
善状況について確認。
平成 27 年度の動機付け支援の対象者は 6,097 人、うち利用者は 592 人、利用率は 9.7%(平
成 28 年 2 月末現在)となっている。
事業成果
平成 26 年度の動機付け支援の対象者(法定報告)は 5,977 人、うち終了者は 394 人、終了率
は 6.6%となっており、積極的支援と合わせ第2期計画での目標値 20%(特定保健指導全体の目
標値)に達していない。
年度
年度ごとの変更点・特記事項
平成 20 年度
総合判定が「要医療」の者を医療機関での動機付け支援実施対象から除外。
平成 22 年度
従来 8 月~12 月であった実施期間に 7 月を追加。
平成 23 年度
東日本大震災の影響で、実施開始月を 8 月に延期。
平成 27 年度
1月健診受診者も実施対象とし、実施期間を翌年 2 月まで延長。
事後指導当日に保健指導が実施できるように帳票を簡略化。
事業成果(法定報告)
( 単位: 人 )
16
16
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
対象者
8,433
7,049
6,027
6,056
5,784
5,789
5,977
終了者
99
1,313
614
495
475
445
394
終了率
1.2%
18.6%
10.2%
8.2%
8.2%
7.7%
6.6%
H27
未確定
第1章
計画策定の目的と背景
特定保健指導(積極的支援)
メタボリックシンドロームに着目し、生活習慣を改善するための保健指導を行うことにより、
目的
対象者が自身の生活習慣における課題を認識して行動変容と自己管理を行うとともに、健康的な
生活を維持することができるようになることを通じ、生活習慣病の予防につなげる。
対象者
40~64 歳の被保険者
特定健診の結果に基づく階層化による積極的支援の対象者
4 事業者へ委託(8 月~翌年 2 月)
。特定健診を受診した医療機関にて、事後指導(結果説明)
実施方法
時に対象者に利用券と利用ガイド(案内)を渡す。申込みのあった事業者にて、面接による個別
支援と電話、手紙等での継続支援を行い、6 か月後に評価を実施。
○初回面接
申込みのあった事業者にて、保健師、管理栄養士等が初回面接を実施。メタボリックシンド
ロームや健診結果等の説明、生活習慣の振り返りをし、6 か月後の改善目標(体重・腹囲)
、行
動計画を作成。
○継続支援
実施内容
各事業者の支援プログラムに沿って、3 か月以上、面接や電話、手紙等の手法を用いて行動
目標の実施状況を確認し、アドバイスをする。また、中間評価では、行動目標の見直しや具体
的な指導を行う。
○6 か月後評価
各事業者にて、計画策定から 6 か月経過後に、身体状況や生活習慣の改善状況について、面
接や電話、手紙にて確認。
平成 27 年度の積極的支援対象者は 2,152 人、うち利用者は 237 人、利用率は 11.0%(平成
28 年 2 月末現在)となっており、利用率が低迷した状態が続いている(保険者実績)
。
事業成果
平成 26 年度の積極的支援の対象者(法定報告)は 2,064 人、うち終了者は 173 人、終了率は
8.4%となっており、動機付け支援と合わせ第2期計画での目標値 20%(特定保健指導全体の目
標値)に達していない。
年度
年度ごとの変更点・特記事項
平成 20 年度
1事業者に委託。
平成 22 年度
従来 9 月~翌年 2 月であった実施期間に 8 月を追加。
平成 23 年度
東日本大震災の影響で、実施開始月を 9 月に延期。
平成 24 年度
プロポーザル方式にて委託事業者を選定。
平成 25 年度
5事業者に委託。
平成 26 年度
4事業者に委託。
→
4事業者に委託。
事業成果(法定報告)
( 単位: 人 )
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
対象者
3,692
2,538
2,168
2,270
2,148
2,140
2,064
終了者
312
188
184
97
215
209
173
終了率
8.5%
7.4%
8.5%
4.3%
10.0%
9.8%
8.4%
H27
未確定
17
第1章
計画策定の目的と背景
特定保健指導(積極的支援)利用勧奨
特定健診を受診した結果、特定保健指導(積極的支援)の対象となった者に対し、利用勧奨を
目的
行い、保健指導を利用してもらうことで、生活習慣病の予防につなげる。
40~64 歳の被保険者
対象者
特定健診を受診した結果、特定保健指導(積極的支援)の対象となった者のうち、利用の申込み
を行っていない者(検査値高値者を除く。
)
実施方法
利用勧奨リーフレットを送付後、電話勧奨を実施。
○利用勧奨リーフレット送付
健診受診の 1~3 か月後、対象者に利用勧奨リーフレットを送付。
実施内容
○電話勧奨
リーフレット送付後、電話勧奨を実施。
平成 27 年度は、1,125 人に通知を送付、824(架電 1,064)人に電話勧奨を行い、利用勧奨後
事業成果
の申込みが 140 件あった。
年度
年度ごとの変更点・特記事項
平成 20 年度
積極的支援委託事業者にて対象者に電話勧奨を実施。
平成 23 年度
各区・総合支所にて利用勧奨の通知を送付。
平成 24 年度
通知送付後、60 代男性を優先的に電話勧奨を実施。
平成 25 年度
平成 27 年度
保険年金課にて利用勧奨の通知を送付後、委託事業者にて対象者に電話勧奨及び利用しない理由
についての聞き取りを実施。
電話勧奨も保険年金課にて実施。
事業成果
利用勧奨数(保険者実績)
( 単位: 人 )
H20
H21
H22
H23
H24
H25
H26
H27
対象者
4,135
2,797
2,543
2,650
2,435
2,467
2,350
2,152
通知送付
-
-
-
695
1,436
1,394
1,134
1,125
電話勧奨
不明
不明
不明
-
153
1,284
1,129
1,064
利用者
613
278
284
145
268
260
218
利用率
14.8%
9.9%
11.2%
5.5%
11.0%
10.5%
9.3%
未確定
平成 27 年度利用勧奨結果
( 単位: 人 )
18
18
申込の時期
申込者
割合
備考
通知発送前
106
43.1%
通知発送後
66
26.8%
勧奨による申込
電話勧奨後
74
30.1%
140人(56.9%)
合計
246
100.0%
第1章
計画策定の目的と背景
検査値高値者の医療機関受診勧奨
目的
特定健診を受診した結果、早期に医療機関への受診が必要な検査値の者について、未受診者に
は早期受診を、すでに受診済の者には継続した受診を促すことで、疾病の重症化を予防する。
40~74 歳の被保険者で、Ⅲ度高血圧、HbA1c8.0%以上、中性脂肪 1000mg/dl 以上、LDL コレ
対象者
ステロール 180mg/dl 以上、eGFR50ml/min/1.73 ㎡未満又は尿蛋白 2+以上で特定健診の問
診票に高血圧症、糖尿病、脂質異常に係る服薬等をしていないと回答している者
受診勧奨の通知送付後、電話にて受診確認及び受診勧奨を実施し、電話がつながらない者、未
実施方法
受診者については、通知送付 2 か月後までレセプトにて受診状況を確認。必要に応じて、訪問し、
受診勧奨。
○受診勧奨通知の送付
特定健診受診の翌(翌々)月、保険年金課にて健診結果データより対象者を抽出し、通知及
び該当項目(糖尿病、高血圧症、脂質異常症、慢性腎臓病)についてのリーフレットを送付。
○電話による受診確認・勧奨
通知送付後、保険年金課の保健師又は管理栄養士が、電話にて受診状況を確認し、受診済み
実施内容
の者には継続受診、未受診の者には早期受診を勧奨。
○レセプトによる受診確認
電話にて未受診と回答した者、電話がつながらない者については、通知送付後 2 か月後まで
レセプトにて受診状況を確認。
○訪問による受診勧奨
電話が通じない者のうち、医療機関未受診でかつ検査値高値者については、保健師、管理栄
養士が訪問にて、受診勧奨。
事業成果
平成 27 年度は、3,034 人に受診勧奨の通知を送付後、電話勧奨を実施。
年度
平成 23 年度
平成 24 年度
平成 25 年度
平成26 年度
平成 27 年度
年度ごとの変更点・特記事項
Ⅲ度高血圧、HbA1c 8.0%以上又は中性脂肪 400mg/dl 以上の者 810 人に受診勧奨の通知を送付
後、レセプトにて受診状況を確認。
中性脂肪の対象者を 500mg/dl 以上の者に変更。
556 人に受診勧奨の通知を送付。うち 10 人に電話や訪問での勧奨を実施。
中性脂肪の対象者を 1,000mg/dl 以上の者に変更し、474 人に通知を送付。うち 474 人に電話勧
奨、11 人に訪問勧奨。
LDLコレステロール 180mg/dl 以上の者も対象とし、2,576 人に通知を送付。うち 950 人に電
話勧奨、4 人に訪問勧奨。
eGFR50ml/min/1.73 ㎡未満、尿蛋白 2+以上の者も対象とし、3,036 人に通知を送付。
19
第1章
計画策定の目的と背景
事業成果
受診勧奨者数
( 単位: 人 )
H23
H24
H25
H26
H27
対象者
810
556
474
2,576
3,036
通知送付
810
556
474
2,576
3,034
電話勧奨
-
474
950
1,687
訪問
-
11
4
5
医療機関受診
510
372
342
672
受診率
63.0%
66.9%
72.2%
70.7%
約10
未確定
※平成 26 年度の受診率は、電話勧奨した者に係るもの
平成 26 年度電話による受診勧奨結果
( 単位: 人 )
結 果
人数
割合
備考
498
52.0%
受診確認
61
6.4%
672
③電話不通 レセプトで受診確認
113
11.9%
(70.7%)
④電話勧奨後も受診確認できず
189
19.9%
278
⑤電話不通 受診も確認できず
89
9.4%
(29.3%)
①電話勧奨時に受診済
②電話勧奨後に受診を確認
20
20
第1章
計画策定の目的と背景
市民健診助成
市で実施する市民健診に係る自己負担額の一部又は全部を助成することにより、市民健診の受診を促
目的
し、被保険者の健康の保持増進を図る。
35~69 歳の被保険者
対象者
市民健診の種別により、対象とする年齢・性別が異なる。
実施方法
市民健診実施機関等からの請求により、助成額を支払う(自己負担金は、当事業による助成額を控除
した額)
。
健診名称
対象年齢
基礎健康診査
助成金
助成後
窓口負担額
35 歳~39 歳
3,580 円
1,470 円
2,110 円
35 歳~39 歳
2,430 円
1,030 円
1,400 円
40 歳~69 歳
900 円
900 円
0円
肺がん検診
40 歳~69 歳
700 円
700 円
0円
大腸がん検診
40 歳~69 歳
500 円
500 円
0円
頸部
40 歳~69 歳
1,700 円
1,700 円
0円
体部
胃がん検診
事業内容
自己負担金
子宮頸がん検診
40 歳~69 歳
800 円
800 円
0円
乳がん検診
40 歳~69 歳
1,400 円
1,400 円
0円
前立腺がん検診
50 歳・55 歳・60 歳・65 歳
1,000 円
1,000 円
0円
骨粗しょう症検診
40 歳・50 歳
1,500 円
1,500 円
0円
歯周疾患検診
40 歳・50 歳・60 歳
1,300 円
1,300 円
0円
事業成果(各種健診での助成額)
健診名称
対象年齢
基礎健康診査
1件あたり
助成額
H25年度実績
受診者数
助成額
H26年度実績
受診者数
助成額
35歳~39歳
1,470円
773人
1,136,310円
715人
1,051,050円
35歳~39歳
1,030円
628人
646,840円
547人
563,410円
40歳~69歳
900円
20,418人
18,376,200円
19,585人
17,626,500円
肺がん検診
40歳~69歳
700円
1,773人
1,241,100円
1,651人
1,155,700円
大腸がん検診
40歳~69歳
500円
26,473人
13,236,500円
26,023人
13,011,500円
頸部
40歳~69歳
1,700円
9,466人
16,092,200円
12,280人
20,876,000円
体部
40歳~69歳
800円
348人
278,400円
440人
352,000円
乳がん検診
40歳~69歳
1,400円
10,234人
14,327,600円
10,205人
14,287,000円
前立腺がん検診
50歳・55歳・60歳・65歳
1,000円
1,068人
1,068,000円
979人
979,000円
骨粗しょう症検診
40歳・50歳
1,500円
537人
805,500円
465人
697,500円
歯周疾患検診
40歳・50歳・60歳
1,300円
1,006人
1,307,800円
852人
1,107,600円
72,724人
68,516,450円
73,742人
71,707,260円
胃がん検診
子宮頸がん検診
合 計
21
第1章
計画策定の目的と背景
健康情報発信
目的
被保険者の健康意識の向上を図る。
74 歳以下の被保険者
対象者
74 歳以下の被保険者
医療機関を受診した被保険者の
世帯の世帯主
実施方法
各区・総合支所にて、
年 1 回発行する仙台市国民
健康に関するリーフレッ
健康保険料の口座振替勧奨用
ト配布やパネル等を展
リーフレット「口座通信」に
示。
健康情報を掲載し、各区・総
医療費通知に年 2 回、健康情報
を掲載し、対象者に送付。
合支所の窓口にて配布。
実施内容
特定健診及び特定保健指
平成 27 年度掲載内容
平成 27 年度掲載内容
導の啓発や高血圧症、脂
「健康管理(脂質編)
」
8月 「特定健診を受診しましょ
質異常症、糖尿病等健康
う」
に関するもの
12 月
「年末年始、食べ過ぎ、
飲み過ぎに注意しましょう」
―
事業成果
発行部数
20,000 部
発行部数
8月
124,627 部
発行部数
12 月 122,989 部
医療費通知
被保険者に医療機関への受診状況を通知することで、より一層の健康増進に努めてもらうとと
目的
もに、国民健康保険事業の健全な運営への理解につなげる。また、医療機関からの誤った請求等
の抑止を図る。
対象者
74 歳以下の被保険者
医療機関を受診した被保険者の世帯の世帯主
実施方法
年 2 回、対象者あて通知を作成し、送付。
実施内容
医療費について、1月~4月診療分を 8 月、5 月~8 月診療分を 12 月に対象者へ通知。
○平成 27 年度送付件数 247,616 件
事業成果
(内訳) 8 月
124,627 件
12 月
122,989 件
ジェネリック通知
慢性的な疾病がある者に対し、先発医薬品を後発医薬品(ジェネリック医薬品)に切り替えた
目的
場合の自己負担額削減効果を通知することにより、後発医薬品への切り替えを促し、医療費の削
減につなげる。
対象者
実施方法
実施内容
35~74 歳の被保険者
慢性疾患等の医薬品についての後発医薬品切替額(自己負担分)が 300 円以上の者
宮城県国民健康保険団体連合会より提供を受けたデータより通知を作成し、対象者へ年 2 回送
付。
宮城県国民健康保険団体連合会より提供を受けたデータに、仙台市所有の住所情報等を突合し
て通知を作成し、年 2 回(3 月調剤分を 5 月、9 月調剤分を 11 月)
、対象者へ送付。
○平成 27 年度送付件数 8,222 件
事業成果
22
22
(内訳)
5月
4,094 件
11 月
4,128 件
第2章
現状分析
1 医療費・疾病状況の把握
(1)一人当たり医療費の状況
本市被保険者一人当たり医療費は、318,195 円であり、政令市平均よりやや低く、全国、宮城県と
比べても低い金額です(図表 13)。入院、外来それぞれの一人当たり医療費においても、全国や宮城
県、政令市平均よりも低い金額です(図表 14,図表 15)
。歯科の一人当たり医療費は、政令市平均よ
りは少ないものの、宮城県よりも高く、全国と同程度となっています(図表 16)。調剤の一人当たり
医療費は、政令市平均や全国よりも高く、宮城県と同程度となっています(図表 17)
。
図表 13.被保険者一人当たり医療費
政令市・宮城県・全国比較(平成 25 年度)
( 単位: 円 )
出典:国民健康保険 事業年報
23
第2章
図表 14.被保険者一人当たり入院医療費
現状分析
政令市・宮城県・全国比較(平成 25 年度)
( 単位: 円 )
出典:国民健康保険 事業年報
図表 15.被保険者一人当たり外来医療費
政令市・宮城県・全国比較(平成 25 年度)
( 単位: 円 )
出典:国民健康保険 事業年報
24
24
第2章
図表 16.被保険者一人当たり歯科医療費
現状分析
政令市・宮城県・全国比較(平成 25 年度)
( 単位: 円 )
出典:国民健康保険 事業年報
図表 17.被保険者一人当たり調剤医療費
政令市・宮城県・全国比較(平成 25 年度)
( 単位: 円 )
出典:国民健康保険 事業年報
25
第2章
現状分析
本市被保険者一人当たり医療費を年齢階層別にみると、15~19 歳が最も少ない 37,928 円であり、
年齢階層が上がるにつれて増加し、65~69 歳が最も多い 421,341 円となっています(図表 18)
。
図表 18.年齢階層別一人当たり医療費(平成 26 年度)
( 単位: 円 )
( 単位: 円 )
年齢階層
入院
外来
入外計
0~4歳
39,639
79,573
119,213
5~9歳
15,809
57,326
73,135
10~14歳
15,442
34,058
49,500
15~19歳
13,186
24,743
37,928
20~24歳
16,926
27,543
44,469
25~29歳
19,777
39,272
59,049
30~34歳
31,747
55,278
87,025
35~39歳
44,689
74,340
119,029
40~44歳
59,040
91,018
150,058
45~49歳
78,661
118,957
197,617
50~54歳
116,634
148,667
265,301
55~59歳
134,650
183,290
317,940
60~64歳
149,101
219,480
368,581
65~69歳
165,495
255,846
421,341
70~74歳
123,301
247,345
370,646
出典:本市作成
26
26
第2章
現状分析
(2)医療費の要素比較
医療費を要素別に比較します。ここで医療費の要素とは、受診率、1 件当たり日数、1 日当たり費
用額、1 件当たり費用額、1 人当たり費用額(図表 19)を指し、全国市町村平均を 1 とした場合の比
で表しています。
入院では、受診率、1 件当たり日数が低いことから、1 人当たり費用額が低くなっています。外来
では、受診率が高い一方、その他の要素が低いことから、1 人当たり費用額が低くなっています。歯
科では、1 件当たり日数及び 1 件当たり費用額が低い一方、受診率が高いことから、1 人当たり費用
額が全国平均並みになっています(図表 20)
。
このことから本市は、受診率は高く定期的な通院があるものの、それほど重症化は進んでいないと
考えられます。
図表 19.医療費の要素
要素
受診率
説明
被保険者一人当たりのレセプト件数。レセプト件数÷被保険者数で求め
られる。受診率が高ければ、医療機関へかかる頻度が高いと考えられ
る。
1 件当たり日数
一つの疾病の治療のために医療機関にかかった日数。診療実日数÷レセ
プト件数で求められる。1 件当たり日数が高ければ、入院期間、通院頻
度が高いと考えられる。
1 日当たり費用額
医療費の単価。医療費÷診療実日数で求められる。1 日当たり費用額が
高ければ、1 回の診療費、1 日の入院費が高いと考えられる。
1 件当たり費用額
レセプト1件当たりの医療費。医療費÷レセプト件数で求められる。1
件当たり費用額が高ければ、疾病の重症度、慢性度が高いと考えられ
る。
1 人当たり費用額
被保険者1人当たりの医療費。受診率、1 件当たり日数、1 日当たり費
用額の積と等しい。1 人当たり費用額が高ければ、疾病の重症度、慢性
度が高いと考えられる。
27
第2章
図表 20.医療費3要素
医療費の要素
現状分析
宮城県・政令市・全国比較(平成 25 年度)
仙台市
宮城県
政令市
全国
入院 受診率
0.94
1.01
0.95
1.00
入院 1件当たり日数
0.92
0.96
0.96
1.00
入院 1日当たり費用額
1.07
1.00
1.08
1.00
入院 1件当たり費用額
0.99
0.96
1.03
1.00
入院 1人当たり費用額
0.93
0.97
0.98
1.00
外来 受診率
1.07
1.06
1.01
1.00
外来 1件当たり日数
0.96
0.97
1.03
1.00
外来 1日当たり費用額
0.94
0.96
0.97
1.00
外来 1件当たり費用額
0.89
0.93
1.00
1.00
外来 1人当たり費用額
0.96
0.99
1.00
1.00
歯科 受診率
1.09
0.99
1.05
1.00
歯科 1件当たり日数
0.93
0.95
1.00
1.00
歯科 1日当たり費用額
0.99
0.98
1.02
1.00
歯科 1件当たり費用額
0.92
0.93
1.02
1.00
歯科 1人当たり費用額
1.00
0.92
1.07
1.00
総計 受診率
1.07
1.05
1.01
1.00
総計 1件当たり日数
0.93
0.96
1.00
1.00
総計 1日当たり費用額
0.95
0.97
0.99
1.00
総計 1件当たり費用額
0.88
0.93
0.99
1.00
総計 1人当たり費用額
0.95
0.97
1.00
1.00
出典:国民健康保険 事業年報
28
28
第2章
現状分析
(3)宮城県、政令市、全国との医療費の比較
本市の医療費を宮城県や政令市、全国と比較します。ここでは、年齢構成の違いを考慮し、比較対
象を本市と同じ年齢構成だった場合を仮定して算出した医療費(標準化医療費)を用いています。医
療費全体は、宮城県や政令市、全国よりも高く、疾病別でも、政令市や全国と比べて、糖尿病、高血
圧症、脂質異常症、がんといったほとんどの疾病で医療費が高くなっています(図表 21)
。
図表 21.疾病別標準化医療費
宮城県・政令市・全国比較(平成 26 年度)
( 単位: 百万円 )
( 単位: 百万円 )
糖尿病
高血圧症
脂質異常症
動脈硬化症
脳出血
脳梗塞
狭心症
心筋梗塞
がん
筋・骨格
精神
その他
仙台市
3,945
3,996
2,197
127
463
1,167
1,247
254
8,968
5,328
5,461
34,920
宮城県
3,969
4,378
2,140
126
404
1,164
1,300
217
8,595
5,410
5,985
33,871
政令市
3,274
3,390
2,017
156
460
1,148
1,226
246
8,346
5,365
5,335
32,162
全国
3,361
3,520
1,908
148
446
1,143
1,162
221
7,932
5,275
6,015
30,751
出典:国保データベース及び平成 26 年度厚生労働科学研究費補助金でのツールを活用し算出
<標準化医療費とは>
高齢者ほど様々な疾患に罹患しやすく、医療費が高額になることはよく知られています。比較対象の一方
が高齢者が多いことによって一人当たり医療費が高額になっている場合は、医療費からみた健康状態に地区
間の差があるかどうか判断できません。また、人口が多ければ当然、医療費の総額も高額になります。
そこで、比較対象の年齢別被保険者構成割合が本市と同一だった場合(間接法年齢調整)に期待される疾
病別医療費を計算し、本市と比較することで、年齢の影響を補正した本市の医療費、課題疾病を確認するこ
とができます。
29
第2章
現状分析
本市と政令市の疾病別標準化医療費を男女別に比較します。本市医療費の方が高い場合はプラスで、
本市医療費の方が低い場合はマイナスで表示しています。
男性では、政令市に比べ、精神疾患、心筋梗塞、動脈硬化症を除く疾患において、プラス傾向にあ
ります。特に、がん、糖尿病、高血圧症の医療費が高い状況です。
女性では、重篤な脳疾患や狭心症は少ないものの、その手前の基礎疾患である糖尿病、高血圧症、
脂質異常症の医療費が高い状況です。また、精神疾患も高い傾向となっています(図表 22)
。
図表 22.疾病別標準化医療費
政令市との比較(平成 26 年度)
( 単位: 百万円 )
出典:国保データベース及び平成 26 年度厚生労働科学研究費補助金でのツールを活用し算出
30
30
第2章
現状分析
次に、入院外来別に政令市の標準化医療費を 1 とした場合の比で表した標準化医療費指数を確認しま
す。
男性の場合、疾病別標準化医療費指数が高い疾病は、入院医療費では糖尿病、高血圧症、がん、脳
出血などであり、外来医療費では脳出血、心筋梗塞、糖尿病、高血圧症などとなっています(図表 23)
。
図表 23.疾病別標準化医療費指数
糖尿病
入院
外来
高血圧症
脂質異常症
政令市との比較(男性)
(平成 26 年度)
動脈硬化症
脳出血
脳梗塞
狭心症
心筋梗塞
がん
筋・骨格
精神
医療費
1.26
1.14
0.76
0.91
1.12
1.05
1.04
0.87
1.13
0.91
0.93
件数
1.16
1.09
0.79
0.79
1.20
1.13
1.12
0.90
1.12
1.00
0.93
医療費
1.26
1.21
1.06
0.94
1.38
1.07
1.10
1.29
1.10
1.07
0.98
件数
1.25
1.20
1.14
0.95
1.22
1.13
1.21
1.42
1.09
1.14
1.12
出典:国保データベース及び平成 26 年度厚生労働科学研究費補助金でのツールを活用し算出
<疾病別標準化医療費指数とは>
比較対象と比べて、本市ではどの疾病の医療費が多いのかを知りたい場合、疾病ごとに医療費の占める割
合が異なるため、単純に「医療費(金額)
」で比較することができません。
そのため疾病ごとに、比較対象の標準化医療費を 1 とした場合の、本市の標準化医療費の「比」を算出す
ることで、本市がどの疾病に傾向があるのかを確認することができます。疾病別標準化医療費指数が 1 より
大きければ、その疾病は比較対象よりも医療費がかかっており、1 より少なければ、その疾病は比較対象より
も医療費がかかっていない、と読みとることができます。
ここでは、疾病別標準化医療費(図表 21)で差異がみられた政令市の標準化医療費を 1 として算出しまし
た。
31
第2章
現状分析
女性の場合、疾病別標準化医療費指数が高い疾病は、入院医療費では心筋梗塞、精神、高血圧症、
糖尿病などであり、外来医療費では心筋梗塞、脳出血、高血圧症、糖尿病などとなっています(図表
24)。
図表 24.疾病別標準化医療費指数
糖尿病
入院
外来
高血圧症
脂質異常症
政令市との比較(女性)
(平成 26 年度)
動脈硬化症
脳出血
脳梗塞
狭心症
心筋梗塞
がん
筋・骨格
精神
医療費
1.09
1.14
0.76
0.47
0.79
0.90
0.85
1.53
1.05
0.91
1.19
件数
1.12
1.17
1.11
0.35
0.95
0.93
1.00
1.03
1.09
1.03
1.22
医療費
1.14
1.15
1.11
0.66
1.17
1.08
0.97
1.24
1.01
1.02
0.98
件数
1.15
1.17
1.22
0.66
0.99
1.21
1.03
1.18
1.08
1.08
1.15
出典:国保データベース及び平成 26 年度厚生労働科学研究費補助金でのツールを活用し算出
男女ともに、糖尿病、高血圧症、脂質異常症の 3 疾患及びがんを予防するための対策をしていくこ
とが増大していく医療費の抑制、加入者の健康維持に必要であることがわかります。
32
32
第2章
現状分析
(4)疾病分類別の医療費の状況
本市の医療費について、疾病分類別医療費(大分類)を確認すると、高血圧症や心筋梗塞、脳出血
等を含む循環器系疾患が最も多く、新生物(がん等)、糖尿病や脂質異常症等を含む内分泌・栄養・
代謝疾患、慢性腎不全を含む腎尿路生殖器系疾患といった生活習慣病関連の医療費が高くなっている
ことがわかります(図表 25)
。
図表 25.疾病分類別医療費(大分類)(平成 26 年度)
( 単位: 百万円 )
出典:本市作成
高血圧症や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は、日々の生活習慣の積み重ねにより、発症、
進行します。生活習慣病は明確な自覚症状がないまま進行し、重症化してからようやく気づきます。
生活習慣病が発症する前に、又は重症化する前に、いまの健康状態を正しく理解し、進行をくいとめ
ることが大切です。
33
第2章
現状分析
疾病をさらに細かく確認します。疾病分類別医療費ランキングでは、男性の場合、入院では、統合
失調症が多く、狭心症や脳梗塞、慢性腎不全といった重症化した生活習慣病が上位にきています。ま
た、大腸がん、肺がん、胃がんといったがんや小児科疾患が上位にきています。外来では、慢性腎不
全が最も多く、次に、糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった生活習慣病が続いています。上位3疾
患(慢性腎不全、糖尿病、高血圧症)で外来医療費の3割以上を占めています(図表 26)
。
図表 26.疾病分類別医療費ランキング上位30位(男性)(平成 26 年度)
入院
外来
上位
疾患名
30疾患
レセプト
医療費
医療費
件数
(百万円)
占有率
疾患名
1
統合失調症
2,313
846
5.76%
慢性腎不全(透析あり)
2
狭心症
871
609
4.15%
糖尿病
3
脳梗塞
950
581
3.96%
高血圧症
4
大腸がん
560
463
3.15%
小児科
5
慢性腎不全(透析あり)
683
441
3.01%
6
小児科
851
441
7
肺がん
528
411
8
不整脈
408
9
胃がん
526
10
脳出血
11
糖尿病
12
レセプト
医療費
医療費
件数
(百万円)
占有率
5,642
2,404
11.69%
72,129
2,146
10.43%
120,511
1,948
9.47%
61,772
805
3.92%
脂質異常症
42,573
721
3.51%
3.01%
不整脈
16,353
530
2.58%
2.80%
統合失調症
14,258
444
2.16%
393
2.68%
前立腺肥大
23,889
438
2.13%
367
2.50%
関節疾患
20,766
385
1.87%
461
309
2.10%
うつ病
17,866
334
1.62%
619
254
1.73%
前立腺がん
5,441
331
1.61%
骨折
459
252
1.72%
大腸がん
2,750
326
1.59%
13
大動脈瘤
101
228
1.56%
緑内障
22,449
323
1.57%
14
うつ病
565
201
1.37%
狭心症
11,865
323
1.57%
15
肺炎
397
187
1.28%
気管支喘息
12,547
301
1.47%
16
心臓弁膜症
125
170
1.16%
肺がん
1,734
217
1.06%
17
食道がん
222
160
1.09%
脳梗塞
7,349
197
0.96%
18
心筋梗塞
93
152
1.04%
胃潰瘍
9,001
175
0.85%
19
大腸ポリープ
832
142
0.97%
逆流性食道炎
8,263
161
0.78%
20
肝がん
198
138
0.94%
白内障
12,909
153
0.75%
21
胆石症
222
130
0.89%
C型肝炎
1,617
146
0.71%
22
前立腺がん
219
122
0.84%
胃がん
2,526
130
0.63%
23
膀胱がん
229
121
0.82%
パーキンソン病
1,770
128
0.62%
24
関節疾患
249
119
0.81%
睡眠時無呼吸症候群
5,679
100
0.49%
25
慢性腎不全(透析なし)
187
100
0.68%
大腸ポリープ
3,450
99
0.48%
26
膵臓がん
161
99
0.67%
クローン病
435
97
0.47%
27
パーキンソン病
137
91
0.62%
白血病
242
96
0.47%
28
胃潰瘍
220
83
0.57%
慢性腎不全(透析なし)
1,232
89
0.43%
29
喉頭がん
97
74
0.51%
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
2,403
85
0.41%
30
高血圧症
231
71
0.48%
潰瘍性腸炎
1,280
84
0.41%
その他
13,121
6,913
47.13%
その他
356,266
6,849
33.31%
合計
26,835
合計
866,967
14,668 100.00%
20,564 100.00%
出典:国保データベース
※生活習慣病に背景色を付与
生活習慣病の発症
重症化・合併症
・・・・・
・・・・・・・
要介護、生活機能の低下
34
34
・・・
第2章
現状分析
女性の場合、入院では、男性と同様、統合失調症が最も多く、関節疾患、骨折、乳がん、小児科疾
患、うつ病が上位にきています。続いて脳梗塞、慢性腎不全、狭心症といった、重症化した生活習慣
病がみられます。外来では、高血圧症、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病や慢性腎不全で外来
医療費の3割近くを占めています(図表 27)
。
図表 27.疾病分類別医療費ランキング上位30位(女性)(平成 26 年度)
入院
外来
上位
疾患名
30疾患
レセプト
医療費
医療費
件数
(百万円)
占有率
疾患名
レセプト
医療費
医療費
件数
(百万円)
占有率
126,100
1,922
8.86%
50,096
1,461
6.74%
103,900
1,459
6.73%
52,191
1,203
5.55%
2,422
989
4.56%
1
統合失調症
3,380
1,240
11.12%
高血圧症
2
関節疾患
755
507
4.55%
糖尿病
3
骨折
607
390
3.50%
脂質異常症
4
乳がん
657
370
3.31%
関節疾患
5
小児科
617
319
2.86%
慢性腎不全(透析あり)
6
うつ病
865
300
2.69%
乳がん
8,389
672
3.10%
7
脳梗塞
387
257
2.30%
骨粗しょう症
40,602
652
3.01%
8
不整脈
258
232
2.08%
小児科
54,487
633
2.92%
9
慢性腎不全(透析あり)
321
205
1.84%
うつ病
29,311
514
2.37%
10
大腸がん
265
202
1.81%
緑内障
33,776
472
2.18%
11
肺がん
200
183
1.64%
気管支喘息
19,063
446
2.06%
12
狭心症
302
165
1.48%
統合失調症
15,453
413
1.90%
13
糖尿病
370
140
1.25%
不整脈
10,587
298
1.37%
14
脳出血
213
132
1.18%
白内障
25,361
268
1.24%
15
卵巣腫瘍(悪性)
198
128
1.15%
逆流性食道炎
11,926
223
1.03%
16
胃がん
179
115
1.03%
大腸がん
2,173
216
0.99%
17
胆石症
181
112
1.00%
胃潰瘍
11,066
207
0.95%
18
パーキンソン病
174
97
0.87%
C型肝炎
1,852
165
0.76%
19
大動脈瘤
31
88
0.79%
狭心症
6,713
151
0.70%
20
大腸ポリープ
517
85
0.76%
パーキンソン病
2,162
141
0.65%
21
子宮筋腫
125
85
0.76%
肺がん
1,135
133
0.61%
22
心臓弁膜症
67
81
0.72%
脳梗塞
5,793
132
0.61%
23
膵臓がん
115
80
0.72%
貧血
2,213
115
0.53%
24
肺炎
185
79
0.71%
骨折
4,335
87
0.40%
25
腸閉塞
121
76
0.68%
大腸ポリープ
2,515
69
0.32%
26
子宮体がん
119
75
0.67%
甲状腺機能亢進症
3,585
65
0.30%
27
骨粗しょう症
158
75
0.67%
潰瘍性腸炎
1,275
62
0.29%
28
白内障
275
75
0.67%
B型肝炎
1,046
58
0.27%
29
クモ膜下出血
64
65
0.58%
甲状腺機能低下症
3,312
57
0.26%
30
心筋梗塞
28
64
0.57%
胃がん
1,153
56
0.26%
その他
11,152
5,130
46.02%
その他
548,610
8,352
38.50%
合計
22,886
11,149
100.00%
合計
1,182,602
21,693
100.00%
出典:国保データベース
※生活習慣病に背景色を付与
生活習慣病の発症
重症化・合併症
・・・・・
・・・・・・・
要介護、生活機能の低下
・・・
35
第2章
現状分析
ここで、疾病分類別医療費ランキングで上位にきていた生活習慣病関連の受診者について、一人当
たり医療費をみると、慢性腎不全(人工透析あり)での一人当たり医療費が男性は約 540 万円、女性
は約 530 万円と高く、糖尿病や高血圧症、脂質異常症と比べて受診者一人につき高額な医療費がかか
っていることがわかります(図表 28)
。
慢性腎不全を引き起こす原因疾患のうち、予防可能な疾患として、糖尿病の合併症である糖尿病性
腎症が考えられることから、糖尿病の重症化対策を行うことが重要です。
図表 28.生活習慣病関連の受診者数と一人当たり医療費(平成 26 年度)
( 単位: 円 )
一人当たり医療費
男性
慢性腎不全(透析あり)
女性
5,400,310
5,258,796
糖尿病
409,112
259,303
高血圧症
444,517
304,159
脂質異常症
290,380
203,988
出典:本市作成
36
36
第2章
現状分析
(5)生活習慣病の受診者の状況
生活習慣病の受診者について経年で確認します。ここでは、国保データベースで定義されている生
活習慣病(図表 29)を対象とします。
図表 29.生活習慣病
ICD-10 による傷病名
疾病
高血圧症
糖尿病
本態性(原発性)高血圧症、高血圧性心疾患 等
インスリン非依存性糖尿病(糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症を
含む)
、栄養障害に関連する糖尿病 等
脂質異常症
リポ蛋白代謝障害及びその他の脂質血症
高尿酸血症
プリン及びピリミジン代謝疾患
脂肪肝
その他の肝疾患
動脈硬化症
アテローム(じゅく状)硬化症
脳血管疾患
脳出血、脳卒中、脳梗塞
虚血性心疾患
心筋梗塞、狭心症
がん
悪性新生物(上皮内癌含む)
筋・骨格
筋骨格系及び結合組織の疾患
精神
精神及び行動の障害
出典:国保データベース
生活習慣病受診者を平成 27 年 5 月診療分の受診者数を基に年齢階層別に確認します。男女ともに、
生活習慣病受診者は年齢階層が上がるにつれて増加傾向にあり、
60 歳代半ばでは約半数に達します。
男性は、高血圧症の受診者が最も多く、女性は、高血圧症に加え、脂質異常症も多くなっています。
また、女性より男性の方が、脳血管疾患、虚血性心疾患といった重症化した疾患の受診者数が多い傾
向にあります(図表 30,図表 31)。
37
第2章
現状分析
図表 30.被保険者数に対する生活習慣病関連疾患受診者数の割合(男性)
(平成 27 年 5 月診療分)
再掲
生活習慣病
糖尿病
高血圧症
脂質異常症 高尿酸血症 脳血管疾患
虚血性
心疾患
人工透析
30~34歳
9.0%
0.9%
1.1%
1.4%
0.6%
0.1%
0.3%
0.1%
35~39歳
12.9%
1.9%
2.3%
2.9%
1.2%
0.3%
0.3%
0.1%
40~44歳
17.9%
3.5%
4.8%
5.5%
2.1%
0.7%
0.9%
0.3%
45~49歳
22.7%
5.7%
8.8%
8.3%
3.2%
1.1%
1.6%
0.4%
50~54歳
30.2%
9.3%
15.7%
13.2%
5.1%
2.2%
2.9%
0.6%
55~59歳
35.9%
13.0%
21.9%
17.0%
6.6%
3.4%
3.9%
0.9%
60~64歳
45.8%
18.6%
31.2%
22.6%
7.9%
5.8%
6.3%
1.0%
65~69歳
56.1%
23.6%
39.2%
28.9%
10.4%
7.6%
9.3%
0.7%
70~74歳
66.7%
28.7%
46.5%
34.0%
11.9%
11.5%
12.7%
0.6%
出典:国保データベース
38
38
第2章
現状分析
図表 31.被保険者数に対する生活習慣病関連疾患受診者数の割合(女性)
(平成 27 年 5 月診療分)
再掲
生活習慣病
糖尿病
高血圧症
脂質異常症 高尿酸血症 脳血管疾患
虚血性
心疾患
人工透析
30~34歳
12.8%
0.9%
0.8%
1.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.0%
35~39歳
17.1%
1.4%
1.4%
1.9%
0.2%
0.1%
0.2%
0.0%
40~44歳
20.0%
1.9%
2.7%
3.7%
0.3%
0.3%
0.5%
0.1%
45~49歳
24.5%
2.8%
5.4%
5.9%
0.6%
0.6%
0.7%
0.2%
50~54歳
29.9%
4.8%
10.2%
9.7%
0.7%
1.0%
1.0%
0.1%
55~59歳
37.1%
7.6%
16.1%
16.7%
1.2%
1.6%
2.0%
0.2%
60~64歳
46.1%
11.3%
22.5%
25.0%
1.5%
2.8%
3.4%
0.3%
65~69歳
56.1%
15.2%
31.1%
33.0%
2.0%
4.3%
4.9%
0.3%
70~74歳
68.2%
19.5%
41.0%
41.0%
2.5%
7.1%
8.2%
0.1%
出典:国保データベース
39
第2章
現状分析
次に、疾患別に受診者数をみると、高血圧症受診者の被保険者に占める割合は、男性が約 30%、女
性が約 26%、脂質異常症受診者の被保険者に占める割合は、男性が約 22%、女性が約 27%、糖尿病
受診者の被保険者に占める割合は、男性が約 19%、女性が約 12%となっています。なお、過去 3 年
間でいずれも受診者数の大きな変化はみられません(図表 32,図表 33,図表 34)。
図表 32.高血圧症で受診した人数(40~74 歳)(各年5月診療分)
( 単位: 人 )
H25
H26
H27
男
受診者数
22,734
22,952
22,903
性
被保険者に占める割合
29.8%
30.0%
30.5%
女
受診者数
23,783
23,393
23,195
性
被保険者に占める割合
25.8%
25.5%
25.6%
出典:国保データベース
図表 33.脂質異常症で受診した人数(40~74 歳)(各年5月診療分)
( 単位: 人 )
H25
H26
H27
男
受診者数
16,706
16,871
17,209
性
被保険者に占める割合
21.9%
22.0%
22.9%
女
受診者数
24,380
23,991
24,163
性
被保険者に占める割合
26.4%
26.1%
26.6%
出典:国保データベース
図表 34.糖尿病で受診した人数(40~74 歳)
(各年5月診療分)
( 単位: 人 )
H25
H26
H27
男
受診者数
性
被保険者に占める割合
18.1%
17.9%
18.6%
女
受診者数
11,369
11,088
11,277
性
被保険者に占める割合
12.3%
12.1%
12.4%
13,839
13,725
13,962
出典:国保データベース
40
40
第2章
現状分析
糖尿病受診者のうち、人工透析を行っている者について、経年でみるとやや増加傾向にあり、平成
27 年度で 383 人となっています(図表 35)
。
人工透析は定期的な通院が必要となり、高額な医療費(p.34~36,図表 26~図表 28 参照)がか
かるとともに、QOL(生活の質)を損なうものとなるため、透析治療を予防したり、できるだけ遅ら
せる対策が必要になります。
図表 35.糖尿病で受診している者のうち人工透析を行っている人数(40~74 歳)
(各年5月診療分)
( 単位: 人 )
H25
男 受診者数
性 糖尿病受診者に占める割合
H27
289
300
2.0%
2.1%
2.1%
79
91
83
0.8%
0.7%
女 受診者数
性 糖尿病受診者に占める割合
H26
270
0.7%
出典:国保データベース
<参考>
( 単位: 人 )
H20
男 受診者数
性 糖尿病受診者に占める割合
女 受診者数
性 糖尿病受診者に占める割合
H21
H22
H23
H24
171
195
225
231
225
1.4%
1.6%
1.7%
1.7%
1.6%
49
58
59
68
70
0.2%
0.5%
0.5%
0.6%
0.6%
出典:全疾病分析支援システム
41
第2章
現状分析
糖尿病受診者について、男女別に重症化疾患の発症を確認します。男女ともに糖尿病性網膜症や糖
尿病性腎症等の重症化疾患は 30 歳代でも発症しており、いずれの疾患も 60 歳以上で急増しているこ
とから、重症化疾患を発症する前に対策を打つ必要があります(図表 36,図表 37)
。
図表 36.糖尿病受診者の重症化疾患保有者数(男性)
(平成 27 年 5 月診療分)
( 単位: 人 )
出典:国保データベース
図表 37.糖尿病受診者の重症化疾患保有者数(女性)
(平成 27 年 5 月診療分)
( 単位: 人 )
出典:国保データベース
42
42
第2章
現状分析
脳血管疾患の受診者は、男性では、被保険者のうち約 6%の割合で推移しており、そのうち約 83%
が高血圧症の受診者であり、脂質異常症や糖尿病といった他の基礎疾患も高い割合で併発しているこ
とがわかります。女性では、被保険者のうち約 4%の割合で推移しており、そのうち約 75%が高血圧
症の受診者であり、男性と同様、脂質異常症や糖尿病といった基礎疾患も併発しています(図表 38,
図表 39)
。
図表 38.脳血管疾患で受診した人数(40~74 歳)(各年5月診療分)
( 単位: 人 )
H25
H26
H27
男
受診者数
性
被保険者に占める割合
6.4%
6.2%
6.3%
女
受診者数
3,849
3,500
3,409
性
被保険者に占める割合
4.2%
3.8%
3.8%
4,893
4,740
4,708
出典:国保データベース
図表 39.脳血管疾患で受診した人の保有基礎疾患割合(40~74 歳)(平成 27 年 5 月診療分)
出典:国保データベース
43
第2章
現状分析
虚血性心疾患の受診者は、男性では、被保険者のうち約 7%の割合で推移しており、そのうち約 85%
が高血圧症の受診者であり、脂質異常症や糖尿病といった他の基礎疾患も高い割合で併発しているこ
とがわかります。女性では、被保険者のうち約 4%の割合が該当し、そのうち約 77%が高血圧症の受
診者であり、男性同様、脂質異常症や糖尿病といった基礎疾患も併発しています(図表 40,図表 41)
。
図表 40.虚血性心疾患で受診した人数(40~74 歳)
(各年5月診療分)
( 単位: 人 )
H25
H26
H27
男
受診者数
5,592
5,515
5,442
性
被保険者に占める割合
7.3%
7.2%
7.2%
女
受診者数
4,328
4,058
3,940
性
被保険者に占める割合
4.7%
4.4%
4.3%
出典:国保データベース
図表 41.虚血性心疾患で受診した人の保有基礎疾患割合(40~74 歳)
(平成 27 年5月診療分)
出典:国保データベース
脳血管疾患、虚血性心疾患で受診した者の高血圧症、脂質異常症、糖尿病といった基礎疾患の保有
割合が高く、これらの疾患の原因となっていることが考えられることから、高血圧症、脂質異常症、
糖尿病の予防対策を行うことが必要です。
44
44
第2章
現状分析
最後に、本市国民健康保険が健診助成を実施しているがん疾患について、標準化医療費を用いて医
療費を確認します。政令市に比べ、男性では、肺がん、胃がん、大腸がんが多く、女性では、乳がん、
子宮体がんが多くなっています。がんの早期発見に向けて、市民健診助成を更に周知していくことが
重要となります(図表 42,図表 43)
。
図表 42.各種がん疾患の標準化医療費
政令市との比較(男性)(平成 26 年度)
( 単位: 百万円 )
出典:国保データベース及び平成 26 年度厚生労働科学研究費補助金でのツールを活用し算出
図表 43.各種がん疾患の標準化医療費
政令市との比較(女性)(平成 26 年度)
( 単位: 百万円 )
出典:国保データベース及び平成 26 年度厚生労働科学研究費補助金でのツールを活用し算出
45
第2章
現状分析
2 健診状況の把握
(1)健診受診状況
被保険者の特定健診受診率は、45.9%(平成 26 年度)であり、政令市の中で 1 位です(図表 44)。
経年では増加傾向にありますが、平成 25 年度から平成 26 年度までにかけての伸びは、やや鈍化して
います(図表 45)
。
図表 44.被保険者の特定健診受診率
政令市比較(平成 26 年度)
出典:本市作成
図表 45.被保険者の特定健診受診率の経年変化
宮城県・政令市・全国との比較
出典:国保データベース
46
46
第2章
現状分析
年齢階層、性別の受診率をみると、男女とも 40~44 歳が最も低く、男性 18.7%、女性 25.8%です。
年齢が上がるにつれて受診率は上がる傾向にあり、70~74 歳では男性 55.9%、女性 60.9%となって
います。宮城県と比較すると、男女ともに 65~74 歳は宮城県よりも高く、40~64 歳は宮城県よりも
低くなっています。男女ともに 40~50 歳代の受診率について、
改善の余地があるといえます(図表 46,
図表 47)
。
図表 46.年齢階層別特定健診受診率
宮城県・政令市・全国との比較(男性)(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 47.年齢階層別特定健診受診率
宮城県・政令市・全国との比較(女性)(平成 26 年度)
出典:国保データベース
47
第2章
現状分析
特定健診の経年での受診状況について確認するため、平成 22 年度から平成 26 年度までの特定健診
について受診回数を年齢別にみると、受診率が高い 65~74 歳では、健診 5 回受診率が高く、健診受
診が定着している人が多いことがうかがえますが、年齢が下がるにつれて、受診回数が低い者の割合
が増える傾向となっており、継続受診について啓発を行うことが必要です(図表 48)
。
図表 48.年齢別特定健診受診回数別人数割合(平成 26 年度)
出典:本市作成
48
48
第2章
現状分析
次に、経年での受診状況についてさらに詳しく確認するため、平成 24 年度から平成 26 年度まで国
保に加入していた者について、特定健診の受診パターン別人数及び有所見者割合をみてみます。
毎年健診を受診している者は、対象者の約 34%であり、それ以外の受診パターンの者と比べて、い
ずれの検査結果でも有所見者割合が少なくなっています。一方、3 年間すべて未受診の被保険者は約
45%と約半数となっており、健康状況を把握するのが困難な状況にあります(図表 49)。
図表 49.特定健診受診パターン別人数及び有所見者割合
( 単位:人 )
特定健診受診回数・時期
有所見者割合
対象者
H24
H25
H26
数
BMI
中性脂肪
25%以上
300mg/dl 1000mg/dl
以上
以上
有所見者
割合
数
44,539 34.1%
HbA1c
6.5%以上
血圧
8.0%
Ⅱ度以上
以上
LDL
140mg/dl
Ⅲ度以上
以上
eGFR
180mg/dl 50ml/分/
1.73㎡未満
以上
●
●
●
21,358
13.7%
1.9%
0.0%
9.9%
0.9%
21.0%
3.1%
0.4%
24.0%
3.0%
-
●
●
6,150
4.7%
3,235
18.7%
3.7%
0.1%
11.0%
1.4%
22.7%
3.7%
0.4%
27.5%
4.1%
●
-
●
3,362
2.6%
1,861
19.6%
3.7%
0.2%
10.4%
2.0%
24.7%
4.7%
0.6%
30.8%
5.6%
-
-
●
5,741
4.4%
3,235
20.4%
4.2%
0.1%
10.5%
2.0%
27.6%
7.1%
1.5%
31.7%
6.5%
●
●
-
3,800
2.9%
-
●
-
4,025
3.1%
●
-
-
4,040
3.1%
-
-
-
59,131 45.2%
130,788
100%
29,689
出典:本市作成
※有所見者割合とは、各パターンの対象者数に占めるそれぞれの有所見者の割合を指します。
平成 26 年度の健診未受診者 70,966 人について、平成 26 年度の生活習慣病での受診状況を確認す
ると、レセプトなしの者及び生活習慣病レセプトなしの者を合わせた 37,987 人(53.5%)について
生活習慣病の状況が不明であることがわかります(図表 50)。
図表 50.特定健診未受診者の生活習慣病での受診状況(平成 26 年度)
( 単位:人 )
健診未受診者
70,996
レセプトあり
レセプトなし
52,906 74.5%
18,090 25.5%
生活習慣病レセプトあり
33,009 46.5%
生活習慣病レセプトなし
19,897 28.0%
出典:本市作成
※ここでの生活習慣病とは、図表 29 からがん、筋・骨格、精神を除いた疾患としています。
49
第2章
現状分析
年齢分類別に特定健診の受診月をみると、60 歳代及び 70 歳代は、受診券送付直後の 7 月の受診率
が高い傾向にあります。一方、40 歳代及び 50 歳代は、7~9 月の受診率が低く、10 月及び 1 月の受
診率が高くなっており、受診期間後半にかけこみ受診していることがわかります(図表 51)
。
図表 51.年齢分類別健診受診月割合(平成 26 年度)
7月
8月
9月
10月
1月
40~49歳
19.0%
10.6%
16.2%
29.8%
24.3%
50~59歳
19.2%
10.9%
18.1%
31.9%
19.8%
60~69歳
23.4%
13.1%
19.7%
29.3%
14.5%
70~74歳
26.9%
14.6%
21.6%
27.6%
9.2%
出典:本市作成
50
50
第2章
現状分析
年齢階層別に受診曜日をみると、金曜が多く、次に火曜、木曜が多くなっており、土曜日が少なく
なっています(図表 52)
。
図表 52.年齢階層別健診受診曜日別受診者数(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
出典:本市作成
51
第2章
現状分析
(2)健診未受診者へのアンケート結果
平成 25 年度に実施した 40~50 歳代の健診未受診者を対象にしたアンケートから、特定健診受診
率向上の課題を確認します。
特定健診の認知度をみると、全体で8割以上が「知っている」と回答しており、認知度は高いとい
えます(図表 53)
。
図表 53.特定健診の認知度
出典:本市作成
アンケート結果から、未受診理由をみると、
「受診期間が過ぎてしまった」
「仕事等で都合がつかな
かった」と回答する人が多く、健診予約の日程調整ができていないことが、主な理由であるとわかり
ます。次に多いのは、「持病があり、医療機関で検査をした」と回答した人で、医療機関を受診して
いても健診受診が必要であることをより周知させる必要があると考えられます。また、人数は少ない
ですが、
「健診の受け方がよく分からなかった」
「健診があることを知らなかった」と回答する人がお
り、特定健診に関する周知を工夫するとともに、健診受診勧奨を継続して実施する必要があります(図
表 54)。
図表 54.過去2年間の未受診理由(複数回答あり)
( 単位: 回答件数 )
出典:本市作成
52
52
第2章
現状分析
健診の曜日や時間、期間についての希望をみると、「健診を受診できる期間を延長してほしい」が
最も多く、このアンケート結果からも、健診予約の日程調整ができていないことがわかります。一方、
「好きな時、都合が良い時、予約無で受けたい」と回答した人は少なく、現在の予約方法(受診券送
付時に同封される医療機関一覧をもとに、被保険者が医療機関へ連絡して予約する)が定着しつつあ
ると考えられます(図表 55)
。
図表 55.曜日や時間、期間についての希望(複数回答あり)
( 単位: 回答件数 )
出典:本市作成
53
第2章
現状分析
(3)健診結果(有所見者)の状況
男性では、腹囲、HbA1c、ALT(GPT)、女性では、HbA1c、ALT(GPT) の有所見者の割合が宮城県
及び全国より高くなっており、男女とも特に HbA1c の有所見者の割合が全国と比べ 10%以上高くな
っています(図表 56,図表 57)
。
図表 56.健診有所見者の状況(男性)
宮城県・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 57.健診有所見者の状況(女性)
宮城県・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
54
54
第2章
検査値
現状分析
有所見基準
BMI
25 以上
腹囲
男性 85cm 以上、女性 90cm 以上
収縮期血圧
130mmHg 以上
拡張期血圧
85mmHg 以上
HbA1c(NGSP 値)
5.6%以上
中性脂肪
150mg/dl 以上
HDL コレステロール
40mg/dl 未満
LDL コレステロール
120mg/dl 以上
ALT(GPT)
31U/L 以上
出典:国保データベース
55
第2章
現状分析
(4)健診結果(メタボリックシンドローム)の状況
健診結果からメタボリックシンドローム該当者の状況を確認します。メタボリックシンドローム
(内臓脂肪症候群)とは、内臓脂肪型肥満に高血糖、高血圧、脂質異常といった生活習慣病になる危
険因子(リスク)を併せ持った状態をいいます(図表 58)
。
図表 58.メタボリックシンドローム診断基準
ステップ1
腹囲 男性 85cm以上、女性 90cm以上
ステップ2
①血糖 HbA1c≧6.0%
②脂質 中性脂肪≧150mg/dl かつ/または HDLコレステロール<40mg/dl
③血圧 収縮期血圧≧130mmHg かつ/または 拡張期血圧≧85mmHg
※糖尿病、脂質異常症、高血圧症に対する薬剤治療を受けている場合は
それぞれの項目に含める
ステップ3
ステップ1の要件を満たしステップ2の追加リスクにより次のとおり判定する
56
56
2つ以上
基準該当
1つ
予備群該当
0
非該当
第2章
現状分析
腹囲がメタボリックシンドローム診断基準に該当している人の割合は、宮城県よりも低く、リスク
が 1 つあるいは 2 つに該当する人の割合は、宮城県と同等かやや低くなっています。その一方で、メ
タボリックシンドローム該当者のうち血糖・血圧・脂質のすべてにリスクがある人の割合は、宮城県
や全国よりも高くなっています(図表 59)
。リスクが重なる程、生活習慣病重症化の危険が高いため、
対策が必要です。
図表 59.メタボリックシンドローム基準該当者割合
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
( 単位: % )
出典:国保データベース
リスク
備考
腹囲
腹囲のみ該当
血糖
メタボリックシンドローム予備群のうち、血糖リスクのみ該当
血圧
メタボリックシンドローム予備群のうち、血圧リスクのみ該当
脂質
メタボリックシンドローム予備群のうち、脂質リスクのみ該当
血糖・血圧
血糖・脂質
血圧・脂質
血糖・血圧・脂質
メタボリックシンドローム該当者のうち、血糖・血圧リスク該当
かつ脂質リスク非該当
メタボリックシンドローム該当者のうち、血糖・脂質リスク該当
かつ血圧リスク非該当
メタボリックシンドローム該当者のうち、血圧・脂質リスク該当
かつ血糖リスク非該当
メタボリックシンドローム該当者のうち、血糖・血圧・脂質リスク
すべて該当
57
第2章
現状分析
メタボリックシンドローム該当者割合は、約 20%程度で推移しており、平成 26 年度では、宮城県
よりも 0.4%、全国よりも 3.4%高くなっています(図表 60)
。
メタボリックシンドローム予備群割合は、約 10%程度で推移しており、宮城県や国よりも約 1%低
くなっています(図表 61)。
図表 60.メタボリックシンドローム該当者の経年変化
宮城県・政令市・全国との比較
出典:国保データベース
図表 61.メタボリックシンドローム予備群の経年変化
宮城県・政令市・全国との比較
出典:国保データベース
58
58
第2章
現状分析
年齢、性別のメタボリックシンドローム該当者割合をみると、男性では、年齢と共に増加して 60
~64 歳でピークを向かえ、その後減少します。宮城県と比較すると、40~49 歳は宮城県より低く、
50 歳以上は宮城県より高くなっています。男性のメタボリックシンドローム該当者割合は、50 歳代
で急増していることがわかります(図表 62)
。
女性では、年齢と共に右肩上がりに増加し、70~74 歳でピークとなります。宮城県と比較すると、
40~59 歳は宮城県よりも低いものの、60 歳代でその差が縮まり、70~74 歳では、宮城県より高くな
っています(図表 63)
。
男女とも 40 歳から年齢階層が上がるにつれて、メタボリックシンドローム該当者の増加割合が宮
城県や政令市、全国よりも大きくなる傾向にあることがわかります。
図表 62.年齢階層別メタボリックシンドローム該当者(男性) 宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 63.年齢階層別メタボリックシンドローム該当者(女性) 宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
59
第2章
現状分析
(5)健診結果(問診の回答内容)の状況
特定健診受診券の問診の質問項目の回答内容より喫煙状況をみると、男性は、全国や政令市、宮城
県よりも低い状況です。年齢別に確認した場合、40~50 歳代の喫煙率が政令市に比べ、やや高くなっ
ています(図表 64,図表 65)
。
図表 64.質問票の回答状況(喫煙)
(男性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 65.年齢階層別質問票の回答状況(喫煙)(男性)
60
60
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
第2章
現状分析
女性の喫煙状況は、全国や宮城県よりも高い状況です。特に 40~54 歳の喫煙率が高くなっていま
す(図表 66,図表 67)
。
図表 66.質問票の回答状況(喫煙)
(女性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 67.年齢階層別質問票の回答状況(喫煙)(女性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
61
第2章
現状分析
睡眠状況は、男女ともに、睡眠不足であると回答した人の割合が、全国や政令市、宮城県よりも低
くなっています(図表 68,図表 69)
。
図表 68.質問票の回答状況(睡眠)
(男性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 69.質問票の回答状況(睡眠)
(女性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
62
62
第2章
現状分析
運動習慣では、宮城県と比べて、男性は、
「1 日 1 時間以上運動なし」
「1 年間で体重増減 3kg 以上」
と回答した人の割合が高く、女性は、
「1 日 1 時間以上運動なし」と回答した人の割合が高くなってい
ます(図表 70,図表 71)
。
図表 70.質問票の回答状況(運動習慣等)
(男性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 71.質問票の回答状況(運動習慣等)
(女性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
63
第2章
現状分析
食事習慣では、宮城県と比べて、男女ともに「食べる速度が速い」「週 3 回以上朝食を抜く」と回
答した人の割合が高く、女性はこれらに加えて「毎日飲酒」と回答した人の割合が高くなっています
(図表 72,図表 73)。
図表 72.質問票の回答状況(食事習慣等)
(男性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 73.質問票の回答状況(食事習慣等)
(女性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
64
64
第2章
現状分析
生活習慣改善意欲は、男女ともに「改善意欲なし」と回答した人の割合が、全国や宮城県よりも低
くなっています(図表 74,図表 75)
。
図表 74.質問票の回答状況(改善意欲等)
(男性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 75.質問票の回答状況(改善意欲等)
(女性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
65
第2章
現状分析
3 特定保健指導状況の把握
(1)特定保健指導の実施状況
特定保健指導終了率は、7.1%(平成 26 年度)で、政令市 20 市の中で 13 位です(図表 76)
。
図表 76.特定保健指導終了率
政令市比較(平成 26 年度)
出典:本市作成
66
66
第2章
現状分析
積極的支援、動機付け支援ともに、終了率は減少傾向にあります。全国や宮城県と比較して低く、
特に、動機付け支援が低くなっています(図表 77,図表 78)。
図表 77.積極的支援終了率の経年変化
宮城県・政令市・全国との比較
出典:国保データベース
図表 78.動機付け支援終了率の経年変化
宮城県・政令市・全国との比較
出典:国保データベース
67
第2章
現状分析
積極的支援の年齢、性別の終了率をみると、男女ともに 40~44 歳が最も低くなっています。男性
は、年齢とともに終了率はやや増加し、60~64 歳が最も高くなっています。女性は、50~59 歳が最
も高くなっています(図表 79,図表 80)。
図表 79.年齢階層別積極的支援終了率状況(男性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 80.年齢階層別積極的支援終了率状況(女性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
68
68
第2章
現状分析
動機付け支援の年齢、性別の終了率をみると、男女ともに、どの年齢でも終了率は低くなっていま
す(図表 81,図表 82)
。
図表 81.年齢階層別動機付け支援終了率状況(男性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
図表 82.年齢階層別動機付け支援終了率状況(女性)
宮城県・政令市・全国との比較(平成 26 年度)
出典:国保データベース
69
第2章
現状分析
特定健診の問診の質問項目より、保健指導を希望するかという質問に「はい」と回答した人の割合
は、動機付け支援対象者では 43.7%であり、40~49 歳では半数以上が保健指導を希望しています。
また、積極的支援対象者においても、44.4%の者が保健指導を希望していることがわかります(図表
83)。
図表 83.年齢・保健指導レベル別の保健指導希望者割合(質問票)(平成 26 年度)
情報提供
年齢階層
はい
いいえ
動機付け支援
はいと回答
はい
した人の割合
積極的支援
はいと回答
いいえ
はい
した人の割合
はいと回答
いいえ
した人の割合
40~44歳
1,454
1,161
55.6%
117
110
51.5%
186
185
50.1%
45~49歳
1,301
1,217
51.7%
130
108
54.6%
147
187
44.0%
50~54歳
1,435
1,396
50.7%
86
110
43.9%
158
209
43.1%
55~59歳
2,068
2,018
50.6%
119
133
47.2%
185
240
43.5%
60~64歳
5,316
5,279
50.2%
274
328
45.5%
366
483
43.1%
65~69歳
9,930
10,898
47.7%
1,071
1,377
43.8%
70~74歳
10,161
12,113
45.6%
969
1,395
41.0%
合計
31,665
34,082
48.2%
2,766
3,561
43.7%
1,042
1,304
44.4%
出典:本市作成
特定健診の事後指導時、特定保健指導対象者に特定保健指導を利用しない理由について確認した結
果をみると、動機付け支援、積極的支援ともに、「自分で生活習慣改善に努める」と回答した者の割
合が約半数となっていることがわかります(図表 84)。
図表 84.特定保健指導未利用の理由(平成 26 年度)
動機付け支援
項目
理由
年代別(人)
40代
50代
(305)
60代
70代
(283) (2039) (1727)
積極的支援
合計
合計
(人)
(%)
年代別(人)
40代
50代
60代
(250)
(318)
(326)
合計
合計
(人)
(%)
健診受診後、高血圧・脂質異
常・高血糖に対する薬物治療を
27
29
209
170
435
9.8%
20
46
39
105
10.9%
25
20
222
174
441
9.9%
27
29
34
90
9.4%
14
10
55
61
140
3.1%
7
6
11
24
2.5%
19
12
153
118
302
6.8%
17
24
21
62
6.4%
85
71
639
523
1,318
29.6%
71
105
105
281
29.2%
0
0
3
5
8
0.2%
0
0
0
0
0.0%
9
9
51
54
123
2.8%
5
5
12
22
2.3%
146
145
1,074
902
2,267
51.0%
126
159
147
432
44.9%
38
44
143
131
356
8.0%
61
54
43
158
16.4%
開始した
医
高血圧・脂質異常・高血糖に対
療
して、医療機関において医学管
優
先
理等を行っている
その他の疾患、または心身上の
理由により保健指導の利用が困
難である
その他
医療優先合計
介護サービス、障害者福祉サー
ビス等、他の公的サービスを利
用している
対
対象者の意向(詳細な理由は不
象
明)
者
自分で生活習慣改善に努める
の
時間が取れない
意
必要性を感じない
3
6
52
51
112
2.5%
7
6
11
24
2.5%
向
面倒である
4
2
17
29
52
1.2%
0
2
5
7
0.7%
記載なし
3
10
46
45
104
2.3%
2
9
6
17
1.8%
その他
7
11
43
46
107
2.4%
3
11
7
21
2.2%
210
227
1,429
1,263
3,129
70.4%
204
246
231
681
70.8%
295
298
2,068
1,786
4,447 100.0%
275
351
336
962 100.0%
対象者の意向合計
合計
出典:本市作成
70
70
第2章
現状分析
(2)医療機関へのアンケート結果
平成 27 年度に実施した特定保健指導(動機付け支援)を委託している医療機関向けアンケート回
答結果を確認し、保健指導終了率向上の課題をみてみます。
約 8 割の医療機関において、医師が保健指導を実施しています(図表 85)
。「特定保健指導は、負
担なく実施できているか」の問いには、約 3 割が「負担があり実施できていない」と回答しています
(図表 86)
。
図表 85.特定保健指導を実施している方は、どなたになりますか
出典:本市作成
図表 86.特定保健指導(動機付け支援)は、負担なく実施できていますか
出典:本市作成
71
第2章
現状分析
負担を感じる理由としては、「希望者が少ない」「時間の確保が難しい」「医師以外の実施者がいな
い」といった理由が挙げられており、対応を検討していく必要があります(図表 87)
。
図表 87.負担を感じる理由
出典:本市作成
72
72
第2章
現状分析
(3)特定保健指導の効果
平成 25 年度の特定保健指導対象者について、指導実施者と未実施者の翌年度の健診での検査値を
確認します。積極的支援実施者では、指導未実施者に比べすべての検査値平均がより大きく改善して
おり、特に腹囲、BMI、中性脂肪、HDL コレステロールについては、有意に差がありました。また、
動機付け支援実施者においても、未実施者と比べて、全体的に改善傾向にあることがわかります。特
定保健指導の実施により、一定の検査値改善が認められることがわかります(図表 88,図表 89)
。
図表 88.平成 25 年度特定保健指導実施・未実施者(積極的支援)の翌年度健診での各種検査値平均の変化
検査項目
保健指導あり 181人
保健指導なし 1,360人
変化量
変化量
H25⇒H26の平均値
H25⇒H26の平均値
p値
腹囲(cm)
-2.856353591
-1.086764706
0.00
BMI(%)
-0.940883978
-0.224705882
0.00
収縮期血圧(mmHg)
-3.53038674
-2.096323529
0.20
拡張期血圧(mmHg)
-1.955801105
-1.536029412
0.59
中性脂肪(mg/dl)
-0.08403152
-0.041633497
0.00
HDL(mg/dl)
2.662983425
-1.241470588
0.01
LDL(mg/dl)
-8.629834254
-4.561764706
0.06
HbA1c(%)
-0.03480663
-0.022941176
0.77
有意差
(p値<0.05)
*
*
*
*
出典:本市作成
図表 89.平成 25 年度特定保健指導実施・未実施者(動機付け支援)の翌年度健診での各種検査値平均の変化
検査項目
保健指導あり 355人
保健指導なし 4,178人
変化量
変化量
H25⇒H26の平均値
H25⇒H26の平均値
p値
腹囲(cm)
-1.583098592
-0.690282432
0.00
BMI(%)
-0.349295775
-0.140019148
0.00
収縮期血圧(mmHg)
-3.343661972
-0.545236955
0.00
拡張期血圧(mmHg)
-1.61971831
-0.608664433
0.05
中性脂肪(mg/dl)
-0.008526837
-0.021791218
0.14
HDL(mg/dl)
0.594366197
-1.529767034
0.34
LDL(mg/dl)
-6.687323944
-4.840832934
0.15
HbA1c(%)
0.005633803
0.011704165
0.69
有意差
(p値<0.05)
*
*
*
出典:本市作成
<有意差とは>
統計学的に有意とは、ある事柄の起こる確率が偶然や誤差ではないことを意味します。ここでは p 値を使
用し、指導実施者と未実施者の検査値を比較しました。p 値が 0.05 以下の場合には、偶然でなく、有意に
差があることになります。中性脂肪はばらつきが大きいため、対数変換した上で、p 値を算出しています。
73
第2章
現状分析
次に、平成 25 年度の特定保健指導実施者について、翌年度の保健指導レベルを確認します。
平成 25 年度積極的支援実施者では、平成 26 年度の健診において 24.3%が動機付け支援、13.8%が
情報提供(服薬なし)に改善しており、指導未実施者と比べ、積極的支援該当者の割合が少なくなっ
ていますが、38.7%の者が積極的支援該当者のままになっています。一方、動機付け支援実施者では、
平成 26 年度の健診において 11.8%が情報提供(服薬なし)に改善しており、指導未実施者と比べ、
動機付け支援該当者の割合が少なくなっていますが、54.4%の者が動機付け支援のままになっており、
4.2%の者が積極的支援に悪化しています。
また、情報提供者(服薬なし)のうち 0.2%が積極的支援に、1.1%が動機付け支援に悪化していま
す(図表 90)。
以上のことから、指導実施者には、保健指導終了後も生活習慣改善のモチベーションを維持できる
ような働きかけ、情報提供者には、ポピュレーションアプローチの工夫などを行う必要があります。
図表 90.平成 25 年度特定保健指導実施・未実施者の翌年度健診での保健指導レベルの変化
( 単位: 人 )
H25年度
積極的支援
平成26年度
1,541
指導実施
181
積極的
動機付け
情報提供
情報提供
支援
支援
服薬なし
服薬あり
70
38.7%
指導未実施
1,360
686
50.4%
動機付け支援
4,533
指導実施
指導未実施
情報提供
服薬なし
30,635
355
4,178
15
服薬あり
20,827
24.3%
267
19.6%
193
4.2%
54.4%
144
2,608
3.4%
62.4%
65
0.2%
情報提供
44
226
1.1%
322
1.1%
1,125
5.4%
25
13.8%
208
15.3%
42
11.8%
558
13.4%
29,356
95.8%
1,427
6.9%
42
23.2%
199
14.6%
105
29.6%
868
20.8%
892
2.9%
18,049
86.7%
出典:本市作成
74
74
第2章
現状分析
4 レセプトと健診の状況把握
(1)検査値高値者の医療機関受診勧奨事業の状況
平成 25 年度に実施した検査値高値者の医療機関受診勧奨事業について、翌年度の健診状況を確認
します。検査値高値者の医療機関受診勧奨事業は、医療機関への受診が必要な検査値(図表 91)を
独自に設定し、該当者へ早期受診あるいは継続受診を促すことで、生活習慣病の重症化予防を目的と
した事業です。
図表 91.平成 25 年度検査値高値者の医療機関受診勧奨事業対象者
平成 25 年度受診勧奨基準
Ⅲ度高血圧、HbA1c(NGSP 値)8.0%又は中性脂肪 1,000mg/dl 以上かつ特定健診結果で高血圧、糖尿病、
脂質異常いずれも服薬等をしていないと回答
翌年度の健診での検査値が、受診勧奨基準(図表 91)を脱した人を「改善あり」
、翌年度も受診勧
奨基準にある人を「改善なし」、翌年度の健診未受診者あるいは国保脱退者を「健診未受診又は資格
喪失」とします。
血圧高値者は、男性では 45.9%、女性では 52.9%が改善しています(図表 92)。血圧高値者の医
療機関受診状況を確認すると、7 月に健診を受診した者 23 人のうち 22 人が改善しており、健診後受
診者が 15 人、そのうち 14 人が受診勧奨の通知送付前に医療機関を受診しています。一方、10 月に
健診を受診した者 63 人のうち 49 人が改善しており、健診後受診者が 30 人、そのうち受診勧奨の通
知送付前に医療機関を受診した者は 18 人に留まっています(図表 93)
。
血糖高値者は、男性では 37.8%、女性では 41.4%が改善しています(図表 94)。 脂質高値者は、
男性では 39.2%、女性では 42.5%が改善しています(図表 96)。血糖や脂質についても、7 月に健診
を受診した者は、受診勧奨の通知送付前に医療機関を受診する傾向にあり、10 月や 1 月の健診受診者
は、受診勧奨後に医療機関を受診する傾向にあります(図表 95,図表 97)。
これらのことから、本事業の対象者は、血糖、血圧、脂質いずれのリスク保有者であっても、改善
の傾向がみられることがわかります。また、健診受診月が早い(7~8 月)ほど、健診受診後すぐに医
療機関を受診する傾向にあり、健診受診月が遅い(10~1 月)ほど、医療機関への受診が遅くなる傾
向にあることがわかります。
75
第2章
現状分析
図表 92.平成 25 年度血圧高値者(Ⅲ度高血圧)の受診勧奨後の翌年度健診での改善状況
男性:146 人、女性:104 人
出典:本市作成
図表 93.平成 25 年度血圧高値者(Ⅲ度高血圧)の高血圧症での医療機関受診状況
( 単位: 人 )
健診
対象者
翌年度健診
受診月
数
改善結果
健診後、高血圧症で初めて受診したタイミング
健診後
平成25年度
受診者数
計
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
▲健診
7月
23
6
19
63
2月
38
4月
5月
6月
7月
▽電話勧奨
15
0
0
0
11
1
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
改善なし
1
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
6
4
0
0
0
0
4
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
改善なし
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
16
13
0
0
0
0
0
3
5
2
1
2
0
0
0
0
0
0
改善なし
3
2
0
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
49
30
0
0
0
0
0
0
7
11
4
3
0
1
1
3
0
0
改善なし
14
3
0
0
0
0
0
0
2
1
0
0
0
0
0
0
0
0
▲健診
1月
3月
22
▲健診
10月
1月
改善あり
▲健診
9月
12月
▽通知発送
▲健診
8月
平成26年度
11月
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
29
20
0
0
0
0
0
0
0
0
0
10
6
2
0
2
0
0
改善なし
9
6
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
1
2
0
0
0
0
出典:本市作成
76
76
第2章
現状分析
図表 94.平成 25 年度血糖高値者(HbA1c8.0%以上)の受診勧奨後の翌年度健診での改善状況
男性:148 人、女性:70 人
出典:本市作成
図表 95.平成 25 年度血糖高値者(HbA1c8.0%以上)の糖尿病での医療機関受診状況
( 単位: 人 )
健診
対象者
翌年度健診
受診月
数
改善結果
健診後
健診後、糖尿病で初めて受診したタイミング
受診者数
計
平成25年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
▲健診
7月
25
12
20
43
2月
32
4月
5月
6月
7月
▽電話勧奨
16
0
0
0
8
7
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
改善なし
7
5
0
0
0
2
3
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
7
7
0
0
0
0
3
3
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
改善なし
5
3
0
0
0
0
2
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
13
12
0
0
0
0
0
3
7
1
0
0
1
0
0
0
0
0
改善なし
7
4
0
0
0
0
0
2
1
0
0
0
1
0
0
0
0
0
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
27
25
0
0
0
0
0
0
7
11
3
1
2
1
0
0
0
0
改善なし
16
11
0
0
0
0
0
0
4
4
1
0
0
1
0
1
0
0
▲健診
1月
3月
18
▲健診
10月
1月
改善あり
▲健診
9月
12月
▽通知発送
▲健診
8月
平成26年度
11月
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
20
16
0
0
0
0
0
0
0
0
0
2
11
3
0
0
0
0
改善なし
12
10
0
0
0
0
0
0
0
0
0
3
6
0
0
0
1
0
出典:本市作成
77
第2章
現状分析
図表 96.平成 25 年度脂質高値者(中性脂肪 1,000mg/dl 以上)の受診勧奨後の健診での翌年度改善状況
男性:51 人、女性:40 人
出典:本市作成
図表 97.平成 25 年度脂質高値者(中性脂肪 1,000mg/dl 以上)の脂質異常症での医療機関受診状況
( 単位: 人 )
健診
対象者
翌年度健診
受診月
数
改善結果
健診後、脂質異常症で初めて受診したタイミング
健診後
平成25年度
受診者数
計
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
▲健診
7月
9
2
10
12
2月
20
4月
5月
6月
7月
▽電話勧奨
6
0
0
0
2
2
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
改善なし
3
2
0
0
0
2
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
改善なし
2
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
8
4
0
0
0
0
0
0
2
1
0
0
0
1
0
0
0
0
改善なし
2
1
0
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
0
0
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
8
8
0
0
0
0
0
0
2
2
1
2
1
0
0
0
0
0
改善なし
4
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
▲健診
1月
3月
6
▲健診
10月
1月
改善あり
▲健診
9月
12月
▽通知発送
▲健診
8月
平成26年度
11月
▽通知発送
▽電話勧奨
改善あり
15
12
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
5
3
0
2
1
0
改善なし
5
4
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
3
0
0
0
0
0
出典:本市作成
78
78
第2章
現状分析
(2)生活習慣病基礎疾患のリスクと医療機関受診状況等
ここでは、ICD-10(国際疾病分類)による傷病名に基づき、生活習慣病の基礎疾患となる3疾患
(糖尿病、高血圧症、脂質異常症)を図表 98 のとおりとしています。
図表 98.生活習慣病の基礎疾患となる 3 疾患
疾病
ICD-10 による傷病名
高血圧症
本態性(原発性)高血圧症、高血圧性心疾患 等
インスリン非依存性糖尿病(糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症を
糖尿病
含む)
、栄養障害に関連する糖尿病 等
脂質異常症
リポ蛋白代謝障害及びその他の脂質血症
平成 26 年度特定健診の検査結果とレセプトの状況より、生活習慣病の基礎疾患となる 3 疾患のリ
スクについて、フローチャートを用いて確認します。なお、治療の有無については、平成 26 年度に
生活習慣病基礎疾患である 3 疾患(図表 98)の医療費が発生しているかどうかで判断しています。
血圧検査実施者では、3 疾患のいずれかを治療中で、かつ高血圧症の治療がない者の中に、Ⅲ度高
血圧の者が 25 人います。また、積極的支援、動機付け支援該当者のうち、指導未実施者でⅢ度高血
圧以上の者が 40 人(積極的支援未実施者 20 人、動機付け支援未実施者 20 人)おり、情報提供者の
うち、Ⅲ度高血圧以上の者が 54 人います(図表 99)。
図表 99.高血圧症リスクフローチャート(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
血圧検査実施者数
74,618
3疾患治療中
3疾患治療なし
48,112 64.5%
高血圧治療中
高血圧治療なし
(糖尿病・脂質異常症治療中)
31,539 42.3%
16,573 22.2%
26,506
情報提供
動機付け支援
21,201 28.4%
特定保健指導実施
正常血圧
12,844 17.2%
正常高値
9,156 12.3%
3,520
Ⅰ度
7,753 10.4%
Ⅱ度
Ⅲ度
積極的支援
3,777 5.1%
363 0.5%
血圧分類
35.5%
1,528 2.0%
3,414 4.6%
特定保健指導未実施
113 0.2%
特定保健指導実施
1,415 1.9%
特定保健指導未実施
血圧分類計
14,602 19.6%
179 0.2%
1,546 2.1%
31 0.0%
446 0.6%
40,453 54.2%
4.7%
3,641 4.9%
95 0.1%
919 1.2%
36 0.0%
473 0.6%
17,840 23.9%
2,021
2.7%
2,511 3.4%
73 0.1%
796 1.1%
40 0.1%
386 0.5%
13,580 18.2%
1,499 2.0%
202
0.3%
393 0.5%
16 0.0%
133 0.2%
5 0.0%
90 0.1%
2,338 3.1%
287 0.4%
25
0.0%
54 0.1%
0 0.0%
20 0.0%
1 0.0%
20 0.0%
407 0.5%
10,805 14.5%
出典:本市作成
79
第2章
現状分析
HbA1c(NGSP 値)検査実施者では、3 疾患のいずれかを治療中で、かつ糖尿病の治療がない者
の中に、HbA1c8.0%以上の者が 7 人います。また、積極的支援、動機付け支援該当者のうち、指導
未実施者で HbA1c8.0%以上の者が 17 人(積極的支援未実施者 14 人、動機付け支援未実施者 3 人)
おり、情報提供者のうち、HbA1c8.0%以上の者が 50 人います(図表 100)
。
図表 100.糖尿病リスクフローチャート(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
HbA1c検査実施者数
74,612
糖尿病治療中
25,146
3疾患治療中
3疾患治療なし
48,110
26,502
64.5%
糖尿病治療なし
(高血圧・脂質異常症治療中)
33.7%
22,964
30.8%
情報提供
21,199
35.5%
動機付け支援
3,776
28.4%
363
HbA1c
0.5%
積極的支援
1,527
5.1%
3,413
4.6%
113
0.2%
2.0%
1,414
1.9%
特定保健指導実施
特定保健指導未実施
特定保健指導実施
特定保健指導未実施
HbA1c計
~5.5%
4,169
5.6%
8,291
11.1%
10,665
14.3%
85
0.1%
991
1.3%
17
0.0%
350
0.5%
24,568
32.9%
5.6~5.9%
7,770
10.4%
11,187
15.0%
8,374
11.2%
188
0.3%
1,779
2.4%
58
0.1%
756
1.0%
30,112
40.4%
6.0~6.4%
6,562
8.8%
3,255
4.4%
1,825
2.4%
79
0.1%
554
0.7%
28
0.0%
233
0.3%
12,536
16.8%
6.5~6.9%
3,464
4.6%
183
0.2%
196
0.3%
7
0.0%
50
0.1%
7
0.0%
44
0.1%
3,951
5.3%
7.0~7.9%
2,364
3.2%
41
0.1%
89
0.1%
3
0.0%
36
0.0%
2
0.0%
17
0.0%
2,552
3.4%
817
1.1%
7
0.0%
50
0.1%
1
0.0%
3
0.0%
1
0.0%
14
0.0%
893
1.2%
8.0%~
出典:本市作成
80
80
第2章
現状分析
中性脂肪検査実施者では、3 疾患のいずれかを治療中で、かつ脂質異常症の治療がない者の中に、
中性脂肪 1,000g/dl 以上の者が 4 人います。また、積極的支援、動機付け支援該当者のうち、指導未
実施者で中性脂肪 1,000g/dl 以上の者が 3 人(積極的支援未実施者 2 人、動機付け支援未実施者 1
人)おり、情報提供者のうち、中性脂肪 1,000g/dl 以上の者が 4 人います(図表 101)
。
図表 101.脂質異常症(中性脂肪)リスクフローチャート(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
中性脂肪検査実施者数
74,618
3疾患治療中
3疾患治療なし
48,112 64.5%
脂質異常症治療中
34,592 46.4%
脂質異常症治療なし
(高血圧・糖尿病治療中)
13,520 18.1%
26,506
情報提供
動機付け支援
21,201 28.4%
150未満
0.5%
特定保健指導実施
mg/dl
26,238 35.2%
10,901 14.6%
18,992 25.5%
積極的支援
3,777 5.1%
363
中性脂肪
35.5%
1,528 2.0%
3,414
4.6%
特定保健指導未実施
113
0.2%
特定保健指導実施
1,415
1.9%
特定保健指導未実施
中性脂肪計
271
0.4%
2,534
3.4%
42
0.1%
617
0.8%
59,595 79.9%
13,128 17.6%
150~299
7,231
9.7%
2,331
3.1%
1,991
2.7%
83
0.1%
779
1.0%
54
0.1%
659
0.9%
300~399
671
0.9%
176
0.2%
142
0.2%
6
0.0%
72
0.1%
8
0.0%
76
0.1%
1,151
1.5%
400~999
425
0.6%
108
0.1%
72
0.1%
3
0.0%
28
0.0%
9
0.0%
61
0.1%
706
0.9%
1,000以上
27
0.0%
4
0.0%
4
0.0%
0
0.0%
1
0.0%
0
0.0%
2
0.0%
38
0.1%
出典:本市作成
3 疾患治療中にも関わらず検査値高値の者については、レセプトの内容を確認し、必要に応じてフ
ォローを行うことが必要です。また、3 疾患の治療がなく、検査値高値の者については、医療機関で
の早期受診を勧めることが必要です。
81
第2章
現状分析
次に、CKD(慢性腎臓病)の重症度について確認します。ステージを色分けして分類しており、緑
色はリスクが最も低い状態で、黄色、橙色、赤色となるほど、末期腎不全などのリスクが高くなるこ
とを示しています。重症度分類(赤色)に該当する者は 670 人、重症度分類(橙色)に該当する者は
1,752 人います(図表 102)
。
CKD は、腎機能低下が慢性的に続く状態のことであり、自覚症状がないため、気づかずに進行しや
すく、現在全国に 1,330 万人(成人 8 人に 1 人)いると考えられています。重症化すると透析治療が
必要な腎不全となるため、重症化を予防することが必要です。
図表 102.CKDの重症化状況(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
尿蛋白区分
G1
G2
G3a
G3b
G4
G5
尿検査・GFR
A1
A2
A3
ともに実施
(-)or(±)
(+)
(2+)以上
GFR区分
74,544
(ml/分/1.73㎡)
100%
正常
または高値
正常
90以上
70,576
2,964
1,004
94.7%
4.0%
1.3%
9,405
8,976
349
80
12.6%
12.0%
0.5%
0.1%
60-90
54,847
52,462
1,919
466
または軽度
軽度~
未満
45-60
73.6%
70.4%
2.6%
0.6%
9,199
8,416
537
246
中等度低下
未満
12.3%
11.3%
0.7%
0.3%
中等度~
30-45
926
669
125
132
高度低下
未満
15-30
1.2%
0.9%
0.2%
0.2%
132
49
26
57
未満
0.2%
0.1%
0.0%
0.1%
高度低下
末期腎不全
(ESKD)
15未満
35
4
8
23
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
重症度分類
重症度分類
重症度分類
重症度分類
(緑色)
(黄色)
(橙色)
(赤色)
61,438
82.4%
10,684
14.3%
1,752
2.4%
670
0.9%
出典:本市作成
82
82
第2章
現状分析
CKD の重症度分類(赤色)該当者 670 人について、糖尿病フローチャートを用いて確認します。
HbA1c 8.0%以上の者は、全員が糖尿病治療中であり、治療なしで HbA1c7.0~7.9%の者が 1 人、
HbA1c6.5~6.9%の者が 4 人います(図表 103)
。
図表 103.CKD重症者(赤色)の糖尿病フローチャート(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
HbA1c検査実施者数
670
3疾患治療中
628
糖尿病治療中
461
68.8%
42
93.7%
糖尿病治療なし
(高血圧・脂質異常症治療
167
3疾患治療なし
24.9%
情報提供
30
6.3%
動機付け支援
11
4.5%
0
HbA1c
0.0%
特定保健指導実施
積極的支援
1
1.6%
11
1.6%
特定保健指導未実施
0
0.0%
特定保健指導実施
0.1%
1
0.1%
特定保健指導未実施
HbA1c計
~5.5%
42
6.3%
66
9.9%
16
2.4%
0
0.0%
5
0.7%
0
0.0%
0
0.0%
129
19.3%
5.6~5.9%
100
14.9%
76
11.3%
7
1.0%
0
0.0%
2
0.3%
0
0.0%
0
0.0%
185
27.6%
6.0~6.4%
126
18.8%
23
3.4%
5
0.7%
0
0.0%
3
0.4%
0
0.0%
1
0.1%
158
23.6%
6.5~6.9%
86
12.8%
2
0.3%
1
0.1%
0
0.0%
1
0.1%
0
0.0%
0
0.0%
90
13.4%
7.0~7.9%
67
10.0%
0
0.0%
1
0.1%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
68
10.1%
8.0%~
40
6.0%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
40
6.0%
出典:本市作成
83
第2章
現状分析
CKD の重症度分類(橙色)該当者 1,752 人については、3 疾患のいずれかを治療中で、かつ糖尿病
の治療がない者の中に、HbA1c7.0~7.9%の者が 1 人います。治療なしで HbA1c8.0%以上の者が 9
人、HbA1c7.0~7.9%の者が 12 人、HbA1c6.5~6.9%の者が 14 人います(図表 104)
。
図表 104.CKD重症者(橙色)の糖尿病フローチャート(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
HbA1c検査実施者数
1,752
3疾患治療中
1,509
糖尿病治療中
967
55.2%
243
86.1%
糖尿病治療なし
(高血圧・脂質異常症治療
542
3疾患治療なし
30.9%
情報提供
177
13.9%
動機付け支援
43
10.1%
5
HbA1c
0.3%
特定保健指導実施
積極的支援
23
2.5%
38
2.2%
特定保健指導未実施
2
0.1%
特定保健指導実施
1.3%
21
1.2%
特定保健指導未実施
HbA1c計
~5.5%
121
6.9%
194
11.1%
83
4.7%
0
0.0%
14
0.8%
0
0.0%
5
0.3%
417
23.8%
5.6~5.9%
257
14.7%
243
13.9%
63
3.6%
3
0.2%
16
0.9%
1
0.1%
7
0.4%
590
33.7%
6.0~6.4%
237
13.5%
95
5.4%
15
0.9%
2
0.1%
5
0.3%
0
0.0%
4
0.2%
358
20.4%
6.5~6.9%
167
9.5%
9
0.5%
4
0.2%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
1
0.1%
181
10.3%
7.0~7.9%
124
7.1%
1
0.1%
5
0.3%
0
0.0%
3
0.2%
1
0.1%
2
0.1%
136
7.8%
8.0%~
61
3.5%
0
0.0%
7
0.4%
0
0.0%
0
0.0%
0
0.0%
2
0.1%
70
4.0%
出典:本市作成
重症度分類(赤色)(橙色)に該当する者 2,422 人の中に、糖尿病治療中の者が 1,428 人おり、糖
尿病受診者が半数となっていることがわかります。糖尿病で受診している者のうち人工透析を行なっ
ている者が増加傾向にある(p.41,図表 35)ことから、糖尿病の重症化予防の取り組みを重点的に実
施してい く必要があります。
84
84
第2章
現状分析
5 後発医薬品使用状況
後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用状況を確認します。後発医薬品の数量シェアは、平成 27
年 3 月時点で 63.4%であり、厚生労働省が掲げる平成 30 年 3 月末数量シェア目標 60%(「後発医薬品
のさらなる使用促進のためのロードマップ」平成 25 年 4 月)を達成しています。平成 26 年 2 月から
後発医薬品差額通知の送付を始めており、翌月の平成 26 年 3 月から伸びていることがわかります(図
表 105)
。
図表 105.後発医薬品数量ベース診療年月別切替状況
出典:本市作成
後発医薬品新指標の数量シェア
=後発医薬品/(後発医薬品のある先発医薬品+後発医薬品)
85
第2章
現状分析
6 重複・頻回受診の状況
医療費適正化及び服薬アドヒアランス(患者の理解、意思決定、治癒協力に基づく内服遵守)の観
点から、調剤レセプトを確認します。
同一診療月に調剤薬局を5つ以上利用している受診者は、高齢になるほど多くなり、70~74 歳では
540 人が該当します。そのうち 236 人については、2 か月以上の期間で調剤薬局を5つ以上利用して
います(図表 106)。
高齢者にとって、過少でも過剰でもない適切な医療及び QOL(生活の質)を大切にする医療が最善
の医療と日本老齢学会の立場表明でも述べられています。多くの診療科に受診している高齢者には、
処方を一元管理し、治療目標や生活状況を考えながら治療薬の取捨選択を行い、必要な場合に疾患別
専門医に意見を求めることが重要です。
図表 106. 同一診療月に調剤薬局を5つ以上利用している受診者の人数(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
出典:本市作成
86
86
第2章
現状分析
同一診療月に同一薬効で3剤以上(内服薬に限る)処方されている者は、高齢になるほど多くなり、
10 剤以上処方されている者が 60~64 歳では 23 人、65~69 歳では 48 人、70~74 歳では 70 人いま
す(図表 107)
。
これらの者は、複数の医療機関から、気づかずに同一薬効の薬剤を処方されていることが考えられ
ます。
図表 107. 同一診療月に同一薬効で3剤以上処方されている受診者の人数(平成 26 年度)
( 単位: 人 )
出典:本市作成
87
第2章
現状分析
重複受診者(2 か所の医療機関)の疾病を確認すると、最も多いのが睡眠障害で、次に高血圧症、
喘息、鼻炎となっています(図表 108)。
図表 108. 重複受診者(2 か所の医療機関受診)の疾病別人数ランキング(平成 26 年度)
ランキング
ICD-10コード・名称
人数
レセプト件数
医療費
1 G47:睡眠障害
48
510
2,135,990
2 I10:本態性(原発性<一次性>)高血圧(症)
39
336
2,671,360
3 J45:喘息
37
226
1,820,550
4 J30:血管運動性鼻炎及びアレルギー性鼻炎<鼻アレルギー>
26
192
1,185,010
5 F32:うつ病エピソード
25
248
1,811,400
6 M17:膝関節症[膝の関節症]
23
210
2,023,540
7 J20:急性気管支炎
19
70
410,510
8 F20:統合失調症
18
308
8,833,810
9 E14:詳細不明の糖尿病
17
160
2,027,750
10 C61:前立腺の悪性新生物
16
174
12,431,200
11 H35:その他の網膜障害
13
124
10,167,990
12 M48:その他の脊椎障害
12
68
751,570
13 B18:慢性ウイルス肝炎
12
126
2,298,170
14 C50:乳房の悪性新生物
11
66
2,507,950
15 M06:その他の関節リウマチ
11
94
4,175,750
16 M81:骨粗しょう症、病的骨折を伴わないもの
10
100
909,120
17 N40:前立腺肥大(症)
10
60
554,770
18 I48:心房細動及び粗動
1,207,490
10
56
19 G43:片頭痛
8
64
330,000
20 H26:その他の白内障
8
38
1,711,490
21 L85:その他の表皮肥厚
7
40
1,196,660
22 J06:多部位及び部位不明の急性上気道感染症
7
20
178,050
23 L30:その他の皮膚炎
7
26
104,420
24 G20:パーキンソン病
6
68
1,200,200
25 M54:背部痛
6
22
111,850
26 M75:肩の傷害<損傷>
6
38
339,300
27 F41:その他の不安障害
5
44
196,210
28 M51:その他の椎間板障害
4
22
347,350
29 H81:前庭機能障害
4
30
370,770
30 L20:アトピー性皮膚炎
4
34
360,260
31 A09:感染症と推定される下痢及び胃腸炎
4
8
87,340
32 K21:胃食道逆流症
4
14
130,150
33 G30:アルツハイマー病
4
70
5,381,190
34 E11:インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>
4
52
650,430
35 I63:脳梗塞
4
22
472,940
36 L70:座瘡<アクネ>
4
20
60,880
37 J02:急性咽頭炎
4
10
89,920
38 T14:部位不明の損傷
3
8
67,570
39 B02:帯状疱疹[帯状ヘルペス]
3
6
89,440
40 H34:網膜血管閉塞症
3
32
1,719,730
出典:本市作成
1 か月に同一疾病(ICD-10)で 2 か所の医療機関を受診していて、その状態が平成 26 年度に3か月以上
発生した人数を疾病(ICD-10)別に集計(人数上位40疾患)
。
ただし、平成 26 年度に入院レセプトが発生した人を除く。
88
88
第2章
現状分析
頻回受診者の疾病を確認すると、最も多いのが膝関節症で、次に高血圧症、脊椎障害と続いていま
す。高血圧症及び膝関節症、脊椎障害、骨粗しょう症、脊椎症といった筋骨格系疾患が多くみられま
す(図表 109)
。
図表 109. 頻回受診者の疾病別人数ランキング(平成 26 年度)
ラ ン キ ン グ
I C D - 1 0 コ ー ド ・ 名 称
人 数
レ セ プ ト 件 数医 療 費
1M 1 7 : 膝 関 節 症 [ 膝 の 関 節 症 ]
232
1,203
29,778,540
2 I10:本態性(原発性<一次性>)高血圧(症)
230
944
12,000,130
3 M48:その他の脊椎障害
146
557
14,383,610
4 M81:骨粗しょう症、病的骨折を伴わないもの
112
335
7,232,160
5 M47:脊椎症
111
390
8,429,320
6 E78:リポ蛋白代謝障害及びその他の脂(質)血症
107
336
3,440,720
7 E14:詳細不明の糖尿病
103
357
12,006,860
8 H40:緑内障
103
381
2,789,660
9 N18:慢性腎不全
102
584
239,529,350
10 H10:結膜炎
97
190
1,087,850
11 H26:その他の白内障
96
238
3,573,000
12 J30:血管運動性鼻炎及びアレルギー性鼻炎<鼻アレルギー>
89
244
1,862,450
13 K21:胃食道逆流症
89
231
2,618,250
14 M75:肩の傷害<損傷>
88
344
7,744,210
15 H04:涙器障害
83
231
1,379,530
16 I63:脳梗塞
83
138
3,269,510
17 M54:背部痛
80
274
5,805,660
18 L30:その他の皮膚炎
74
159
985,090
19 T14:部位不明の損傷
57
136
3,812,390
20 N40:前立腺肥大(症)
57
194
1,508,160
21 J06:多部位及び部位不明の急性上気道感染症
57
81
797,810
22 M51:その他の椎間板障害
56
172
3,697,770
23 H16:角膜炎
56
150
853,150
24 J45:喘息
55
161
2,179,910
25 K29:胃炎及び十二指腸炎
54
101
1,204,300
26 F20:統合失調症
47
362
38,673,430
27 H52:屈折及び調節障害
46
56
351,420
28 F32:うつ病エピソード
46
245
4,353,470
29 G47:睡眠障害
43
196
1,566,370
30 E11:インスリン非依存性糖尿病<NIDDM>
42
166
3,265,230
31 J32:慢性副鼻腔炎
41
128
1,432,580
32 H53:視覚障害
37
81
448,930
33 L85:その他の表皮肥厚
37
76
410,090
34 G98:神経系のその他の障害
37
94
1,963,290
35 J20:急性気管支炎
36
47
631,620
36 K25:胃潰瘍
35
88
1,143,490
37 C16:胃の悪性新生物
35
35
1,072,730
38 H35:その他の網膜障害
34
69
1,680,000
39 B35:皮膚糸状菌症
33
69
346,110
40 G62:その他の多発(性)ニューロパチ<シ>ー
33
92
1,802,720
出典:本市作成
1か月に同一医療機関での受診日数が15日以上であり、平成 26 年度に 3 か月以上その状態が続いた人を
代表疾病の ICD-10 コード別に集計(人数上位40疾患)
。
ただし、入院レセプトが発生した人を除く。
89
第3章
課題と対策
1 課題と対策の設定
現状分析から、本市の課題と対策を以下のようにまとめました。
課題
〇被保険者数は減少傾向にあるものの、65 歳以上の被保険
対策の方向性

生活習慣病関連疾患の医療費が高
者が増加しており、医療費も増加している(図表 4,図表 5)
。
くなっていることから、生活習慣病
また、一人当たり医療費も増加傾向にある(図表 6)
。
の基礎疾患である糖尿病、高血圧
症、脂質異常症の予防及び重症化予
○標準化医療費総額が全国や政令市、宮城県よりも高い。ま
防の取り組みを行う必要がある。
た、疾病別でも、政令市や全国と比べて、糖尿病、高血圧症、
脂質異常症、がんといった疾病の標準化医療費が高い(図表

21,図表 24)
。
生活習慣病受診者は、年齢が上がる
につれて増加傾向にあることから、
若いうちからの対策が必要である。
○疾病分類別医療費(大分類)では、循環器系疾患、新生物、
内分泌・栄養・代謝疾患、腎尿路生殖器系疾患といった生活

習慣病関連の医療費が高くなっている(図表 25)
。
慢性腎不全(透析あり)の一人当た
り医療費が高額になっており、慢性
腎不全の原因疾患の一つであり、予
被
保
険
者
と
医
療
費
の
状
況
○疾病分類別医療費ランキングでは、男女とも慢性腎不全
防可能な疾病として、糖尿病性腎症
(透析あり)と糖尿病、高血圧症、脂質異常症といった生活
が考えられることから、糖尿病の重
習慣病が外来の約3割を占めており、入院では脳梗塞や狭心
症化対策を検討する必要がある。
症といった重症化した生活習慣病が上位にみられる(図表
26,図表 27)
。
(透析あり)が男性は約 540 万円、女性は約 530 万円と高
額になっている(図表 28)
。
○生活習慣病受診者は、男女ともに年齢が上がるにつれて増
で受診している(図表 30,図表 31)
。
○疾患別受診者数では、高血圧症受診者が男性で約 30%、
女性で約 25%、脂質異常症受診者が男性で約 22%、女性で
約 26%で推移している(図表 32,図表 33)
。
○糖尿病受診者は、男性で約 18%、女性で約 12%で推移し
ている。糖尿病受診者のうち、人工透析を行っている者は、
平成 27 年度で男性が約 2%、女性が約 0.7%となっており、
経年でみると増加傾向にある。また、男女ともに糖尿病性網
膜症や糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、人工透析は、60
歳以上で急増している(図表 34~図表 37)
。
○脳血管疾患や虚血性心疾患で受診した人の約 4~8割が基
礎疾患として高血圧症や脂質異常症、糖尿病を併発している
(図表 39,図表 41)
。
90
がんの早期発見に向けて、市民健診
の周知及び啓発を強化する必要が
○生活習慣病での受診者一人当たり医療費では、慢性腎不全
加傾向にあり、60 歳半ばで被保険者の約半数が生活習慣病
90

ある。
第3章 課題と対策
課題
対策の方向性
○政令市と比べ、男性では、肺がん、胃がん、大腸がん、
女性では、乳がん、子宮体がんの標準化医療費が高くなっ
ている(図表 42,図表 43)
。
○特定健診受診率は、45.9%と他の政令市に比べ高いが、受

受診率の維持・向上のため、継続し
診率を押し上げているのは 60 歳以上であり、59 歳以下は
て特定健診の啓発や未受診者への
40%未満に留まっている(図表 44,図表 46,図表 47)
。
受診勧奨を実施する必要がある。特
に、40 歳、50 歳代を対象とした継
特
定
健
診
受
診
の
状
況
〇平成 22~26 年度において、69 歳以上では健診 5 回受診
続受診の必要性についての啓発を
率が 30%以上となっているが、年齢が下がるにつれて受診
行っていくなどの工夫が必要であ
回数が低い者の割合が増加し、44 歳では 5.2%となっている
る。
(図表 48)
。

○平成 24~26 年度において、
健診を毎年受診している者は、
未受診者へのアンケート結果を基
に、啓発活動を工夫していく。
全体の約 34%であるが、3年間未受診の者が約 45%と健診
対象者のほぼ半数となっている。また、受診パターン別の有
所見者割合では、毎年健診を受診している者と比べ、それ以
外の受診パターンの者は、いずれの検査結果でも有所見者割
合が多くなっている(図表 49)
。
〇全国と比べ、男女ともに、BMI、腹囲、HbA1c、ALT(GPT)
特
定
健
診
結
果
の
状
況

血糖・血圧・脂質の有所見者やメタ
の有所見者割合が高くなっている。特に、HbA1c の有所
ボリックシンドローム該当者を減
見者割合が男性 66.9%、女性 68.1%と全国に比べ、10%
らすため、特定保健指導の利用勧奨
以上高くなっている(図表 56,図表 57)
。
やポピュレーションアプローチを
実施することで、生活習慣の改善を
○メタボリックシンドローム基準該当者のうち、血糖・血
促す必要がある。特に、血糖の有所
圧・脂質すべてのリスクがある人の割合が、宮城県や政令
見者を減らす取り組みが必要であ
市、全国よりも高くなっている(図表 59)
。
る。
○メタボリックシンドローム該当者割合は、約 20%であ

メタボリックシンドローム該当者
り、宮城県や政令市、全国と比べ高くなっている。また、
の 40 歳代からの増加割合が大きい
年齢が上がるにつれて増加傾向にあり、40 歳代からの増
ことから、40 歳代からの対策を行
加割合が全国や政令市よりも大きい(図表 60,図表 62,
なう必要がある。
図表 63)
。
91
第3章 課題と対策
課題
○特定保健指導終了率が平成 26 年度は 7.1%であり、低
対策の方向性

迷した状態が続いている(図表 76~図表 82)
。
特定保健指導の利用率向上のため、
継続して特定保健指導の啓発や未
利用者への利用勧奨を実施し、更な
○平成 26 年度の特定保健指導対象者に特定保健指導を利
る認知度及び訴求力の向上を図る
用しない理由について確認した結果、動機付け支援該当者
必要がある。
2,267 人(51.0%)
、積極的支援該当者 432 人(44.9%)
から「自分で生活習慣改善に努める」との回答を得た(図
特
定
保
健
指
導
の
状
況

表 84)
。
○平成 25 年度積極的支援該当者 1,541 人のうち、756
医療機関へのアンケート結果を加
味して、対応を検討していく。

自分で生活習慣改善に取り組むと
人(約 49%)が翌年度も積極的支援に、動機付け支援該
いう理由で特定保健指導を利用し
当者 4,533 人のうち、159 人(約 3.5%)が翌年度積極
ていない者への支援を検討してい
的支援に、2,801 人(約 61.8%)が翌年度も動機付け支
く。
援に該当している(図表 )
。

特定保健指導実施者については、生
活習慣改善のモチベーションを維
持するよう働きかけることが必要
である。
〇検査値高値者の受診勧奨事業において、約 1~2 割が翌
レ
セ
プ
ト
と
健
診
を
突
合
し
た
状
況

受診勧奨基準の者については、継続
年度の健診において検査値が改善しておらず、服薬等もし
して医療機関を受診するよう促す
ていない(図表 92,図表 94,図表 96)
。
必要がある。
〇生活習慣病の基礎疾患である 3 疾患(高血圧症、糖尿病、

高血圧症、糖尿病、脂質異常症の治
脂質異常症)で治療中の者に受診勧奨基準相当の者がいる
療中で、受診勧奨基準相当の者につ
(図表 99~図表 101)
。
いて、治療の状況に応じた受診勧奨
を検討していく。
○CKD(慢性腎臓病)重症度の高い者(赤色、橙色)の中
には、糖尿病リスクがあるにもかかわらず、医療機関未受

診の者がいる(図表 103,図表 104)
。
新規人工透析者を増やさないため、
糖尿病性腎症の予防のための対策
を検討していく必要がある。
受
況 診
の
状
92
92
重
複
・
頻
回
〇重複・頻回受診は、精神、高血圧症、膝関節症等といっ
た疾病での受診が多い(図表 108,図表 109)
。

重複・頻回受診への対応を検討して
いく。
第4章
保健事業計画
1 平成 28 年度以降の保健事業概要
実施事業の概要を、以下のようにまとめました。
医療機関
未受診
受診
特定健診受診勧奨
未受診
検査値高値者の医療機関受診勧奨
特
特
定
受診勧奨
定
健
健
康
康
診
診
査
受診
特定保健指導
実
(積極的)
査
特定保健指導(積極的支援)
特定保健指導(積極的支援)利用勧奨
施
事
業
特定保健指導
特定保健指導(動機付け支援)
(動機付け)
リスクなし
健康情報の発信
市民健診助成
健康保持・増進事業
及び
医療費適正化に向けた事業 等
医療費通知
ジェネリック通知
93
第4章
保健事業計画
2 各保健事業(スケジュール)と目標
特定健康診査
目的
メタボリックシンドロームに着目した健康診査を行うことで、対象者が自身の健康状態を把握し、生活習慣の改善に役立てる
とともに、生活習慣病の発症や重症化を予防する。
実施方法
仙台市医師会(登録医療機関の取りまとめ)
、宮城県医師会(電算処理、血液検査等)へ委託。
対象者へ受診券と登録医療機関名簿を送付する(6 月)
。
受診期間中(7 月~10 月及び翌年 1 月)
、登録医療機関名簿の医療機関にて健診を受診し、3 週間以後に結果通知書を受け取
りに行き、医師より事後指導を受ける。
実施スケジュール
PDCA
P
実施項目
前年度
実施年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
実施計画の策定
対象者リスト受け渡し
D
受診券の発送
特定健診実施
C
A
受診結果データの受け取り
受診状況の確認・集計
振り返り・改善計画
受診率向上のための取り組み
①
特定健診、特定保健指導についての啓発リーフレットを登録医療機関に配布し、特定健診や特定保健指導の必要性やメリ
ット等を被保険者に理解してもらえるようにする。
②
現在、主に各区役所・総合支所や登録医療機関で行っているポスター掲示を、商業施設等、多くの人が集まる場所におい
ても実施する。
③
各区役所・総合支所において、メタボリックシンドロームについての啓発や健康相談及び健康教育等の機会に特定健診受
診を勧める働きかけを行う。
④
受診券について、郵送による再発行も行う。
目標
【現状値】
特定健診受診率
平成 25 年度
平成 26 年度
45.3%
45.9%
【目標値】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
57%
60%
法定報告
94
94
第4章
保健事業計画
特定健診受診勧奨
目的
対象者が健診を受診することの重要性や利点を理解することで、受診率の向上と健康の保持増進を図る。
実施方法
リーフレット送付(6 月)
、電話(6月~翌年 1 月下旬)
、ハガキ送付(12 月中旬)を実施する。
実施スケジュール
PDCA
P
実施項目
前年度
実施年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
実施計画の策定
啓発リーフレット・ハガキ作成
D
啓発リーフレット・ハガキ送付
電話勧奨
C
A
勧奨状況の確認・集計
受診状況確認・集計
振り返り・改善計画
受診率向上のための取り組み
①
受診勧奨の対象者及び方法については、受診勧奨効果をみながら、見直しを行う。
②
リーフレットやハガキの内容について、啓発効果が高まるよう、内容を工夫する。
目標
リーフレット勧奨
40 歳の受診率
【現状値】
【目標値】
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
21.9%
21.0%
21.5%
22.0%
電話勧奨
【現状値】
【目標値】
前年度未受診者の
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
当年度受診率
25.1%
13.7%
14.5%
15.0%
ハガキ勧奨
【現状値】
【目標値】
初回受診率
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
(当年度初めて受診した者)
-
2.4%
2.6%
2.8%
95
第4章
保健事業計画
特定保健指導(動機付け支援)
目的
メタボリックシンドロームに着目し、生活習慣を改善するための保健指導を行うことにより、対象者が自らの生活習慣におけ
る課題を認識して行動変容と自己管理を行うとともに、健康的な生活を維持することができるようになることを通じ、生活習慣
病の予防につなげる。
実施方法
仙台市医師会(登録医療機関にて実施)へ委託(7 月~翌年 2 月)
。
特定健診を受診した医療機関にて、事後指導(結果説明)時に対象者に利用希望を確認。希望する場合には、事後指導当日又
は後日、面接による個別支援(20 分)を行い、6 か月後に評価を実施する。
実施スケジュール
PDCA
実施項目
P
実施計画の策定
D
動機付け支援実施
C
利用状況の確認・集計
A
振り返り・改善計画
前年度
実施年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
利用率向上等のための取り組み
①
特定健診、特定保健指導についての啓発リーフレットを登録医療機関に配布し、特定健診や特定保健指導の必要性やメリ
ット等を被保険者に理解してもらえるようにする。
②
現在、主に各区役所・総合支所や登録医療機関で行っているポスター掲示を、商業施設等、多くの人が集まる場所におい
ても実施する。
③
各区役所・総合支所において、メタボリックシンドロームについての啓発や健康相談及び健康教育等の機会に特定保健指
導の利用を勧める働きかけを行う。
④
複数年該当者やリピーターへの指導方法(使用帳票等)を検討する。
⑤
未利用者について、生活習慣改善の支援のため、啓発及び相談場所等の案内を記載したハガキ等の送付を検討する。
⑥
保健指導終了者について、生活習慣改善のモチベーション維持のため、啓発及び相談場所等の案内を記載したハガキ等の
送付を検討する。
目標
【現状値】
特定保健指導終了率
(動機付け支援)
メタボリック
シンドローム予備群の割合
平成 25 年度
平成 26 年度
7.7%
10.1%
【目標値】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
6.6%
50%
60%
9.9%
9.5%
9.3%
法定報告
96
96
第4章
保健事業計画
特定保健指導(積極的支援)
目的
メタボリックシンドロームに着目し、生活習慣を改善するための保健指導を行うことにより、対象者が自らの生活習慣におけ
る課題を認識して行動変容と自己管理を行うとともに、健康的な生活を維持することができるようになることを通じ、生活習慣
病の予防につなげる。
実施方法
事業者へ委託(8 月~翌年 2 月)
。
※特定健診を受診した医療機関にて、事後指導(結果説明)時に対象者に利用希望を確認し、希望する場合には、利用券と利
用ガイド(案内)を渡す。申込みのあった事業者にて、面接による個別支援と電話、手紙等での継続支援を行い、6 か月後に
評価を実施する。
実施スケジュール
PDCA
P
実施項目
前年度
実施年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
実施計画の策定
委託事業者の選定
D
利用ガイド作成
積極的支援実施
C
A
報告書の確認
利用状況の確認・集計
振り返り・改善計画
利用率向上等のための取り組み
①
特定健診、特定保健指導についての啓発リーフレットを登録医療機関に配布し、特定健診や特定保健指導の必要性やメリ
ット等を被保険者に理解してもらえるようにする。
②
現在、主に各区役所・総合支所や登録医療機関で行っているポスター掲示を、商業施設等、多くの人が集まる場所におい
ても実施する。
③
各区役所・総合支所において、メタボリックシンドロームについての啓発や健康相談及び健康教育等の機会に特定保健指導
の利用を勧める働きかけを行う。
④
未利用者について、生活習慣改善の支援のため、啓発及び相談場所等の案内を記載したハガキ等の送付を検討する。
⑤
保健指導終了者について、生活習慣改善のモチベーション維持のため、啓発及び相談場所等の案内を記載したハガキ等の
送付を検討する。
⑥
委託事業所と保健指導の実施状況や課題について情報共有できる機会を設ける。
目標
【現状値】
特定保健指導終了率
(積極的支援)
メタボリック
シンドローム該当者の割合
平成 25 年度
平成 26 年度
9.8%
19.5%
【目標値】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
8.4%
50%
60%
19.8%
19.0%
18.5%
法定報告
97
第4章
保健事業計画
特定保健指導(積極的支援)利用勧奨
目的
特定健診を受診した結果、特定保健指導(積極的支援)の対象となった者に利用勧奨を行い、保健指導を利用してもらうこと
で、生活習慣病の予防につなげる。
実施方法
利用勧奨リーフレットを送付後、電話勧奨を実施する。
実施スケジュール
PDCA
P
実施項目
前年度
実施年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
実施計画の策定
通知の検討・作成
D
対象者リスト作成
通知発送
電話勧奨
C
A
勧奨状況の確認・集計
利用状況の確認・集計
振り返り・改善計画
利用率向上のための取り組み
①
複数年該当者やリピーターへの案内(通知内容や電話の方法)を工夫する。
②
複数のリスクが重なる高リスク者には、保健師や管理栄養士等の専門職から保健指導も含めた利用勧奨の実施を検討する。
③
電話勧奨時に、保健指導の利用受付を行える体制づくりを検討する。
目標
利用勧奨
利用勧奨者の申込率
98
98
【現状値】
【目標値】
平成 25 年度
平成 26 年度
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
64.8%
56.5%
56.7%
57.5%
58.0%
第4章
保健事業計画
検査値高値者の医療機関受診勧奨
目的
特定健診を受診した結果、早期に医療機関への受診が必要な検査値の者について、未受診者には早期受診を、すでに受診済の
者には継続した受診を促すことで、疾病の重症化を予防する。
実施方法
受診勧奨の通知(各該当項目のリーフレットも同封)送付後、通知送付の 2 か月後までのレセプトにて受診状況を確認。未受
診の者については、電話にて受診勧奨を実施。必要に応じて、訪問での勧奨を行う。
実施スケジュール
PDCA
P
実施項目
前年度
実施年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
実施計画の策定
通知の検討・作成
対象者リスト作成
D
通知発送
レセプト確認
電話勧奨
C
A
勧奨状況の確認・集計
医療機関受診状況の確認・集計
振り返り・改善計画
新たな取り組み
①
対象とする検査項目や検査値基準については、有所見者数、受診状況等を加味しながら、見直しを行う。
②
特定健診の問診の質問項目で高血圧症、糖尿病、脂質異常症で服薬等していると回答した者も医療機関への受診勧奨の対
象に加える。
③
CKD 重症度(尿蛋白・eGFR)及び糖尿病リスク(HbA1c)が高く、未受診の者については、重点的に受診勧奨をする。
目標
【現状値】
受診勧奨者の
医療機関受診率
平成 25 年度
平成 26 年度
72.2%
73.6%
【目標値】
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
70.7%
72.0%
72.0%
63.4%
65.0%
65.0%
受診勧奨者かつ
翌年度の健診受診者に
占める検査値改善率
99
第4章
保健事業計画
市民健診助成
目的
市で実施する市民健診に係る自己負担額の一部又は全部を助成することにより、市民健診受診を促し、被保険者の健康の保持増
進を図る。
実施方法
市民健診実施機関等からの請求により、助成額を支払う(自己負担金は、当事業による助成額を控除した額)
。
実施スケジュール
PDCA
P
実施項目
前年度
4月
5月
6月
7月
8月
実施年度
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
実施計画の策定
関係機関への協力依頼
D
受診券送付
健診実施
助成額の支払い
C
健診受診者数の確認
A
振り返り・改善計画
健康情報の発信
目的
被保険者の健康意識の向上を図る。
実施方法
①
年 1 回発行する仙台市国民健康保険料の口座振替勧奨用パンフレット「口座通信」に健康情報を掲載し、各区・総合支所
の窓口に設置。
②
医療費通知に年 1 回、健康情報を掲載し、対象者に送付。
③
各区役所・総合支所において、リーフレット配布やパネル等の展示等、健康についての啓発を行う。
④
各区役所・総合支所において実施している健康講座や健康相談等への参加を促進する。
実施スケジュール
PDCA
P
実施項目
実施計画の策定
原稿の作成
D
医療費通知発送
機関誌発行
リーフレット配布等による啓発
C
A
100
100
通知発送状況の確認
機関誌発行状況の確認
振り返り・改善計画
前年度
実施年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
第4章
保健事業計画
医療費通知
目的
被保険者に受診状況を通知することで、より一層の健康増進に努めてもらうとともに、国民健康保険事業の健全な運営への理解
につなげる。また、医療機関等からの誤った請求等の抑止を図る。
実施方法
年 1 回、対象者あて通知を作成し、送付。
実施スケジュール
PDCA
P
実施項目
前年度
実施年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
実施計画の策定
対象者データの確定
D
通知作成
通知発送
C
通知実数確認
A
振り返り・改善計画
ジェネリック通知
目的
慢性的な疾病がある者に対し、先発医薬品を後発医薬品(ジェネリック医薬品)に切り替えた場合の自己負担額削減効果を通知
することにより、医療費の削減につなげる。
実施方法
宮城県国民健康保険団体連合会より提供を受けたデータより通知を作成し、対象者へ年 2 回送付。
実施スケジュール
PDCA
P
実施項目
前年度
実施年度
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
翌年度
実施計画の策定
対象者データの提供
D
通知作成
通知発送
C
切り替え効果額測定
A
振り返り・改善計画
101
第4章
保健事業計画
3 評価指標
事業成果指標として、以下を設定します。
健康寿命
( 単位: 歳 )
平成 25 年度
平成 26 年度
健康寿命(男性)
65.6
65.6
健康寿命(女性)
67.2
67.1
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
確認方法:国保データベース No.1「地域の全体像の把握」より抜粋
医療費
( 単位: 円 )
平成 25 年度
平成 26 年度
総医療費
79,300,820,910
78,546,083,725
一人当たり医療費
318,195
324,345
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
確認方法:国民健康保険事業年報より抜粋
レセプト点数(電子レセプト)
( 単位: 点 )
平成 25 年度
平成 26 年度
レセプト総点数(医科外来)
4,173,098,545
4,226,007,702
レセプト総点数(医科入院)
2,621,798,740
2,581,754,140
レセプト総点数(歯科)
386,195,625
494,412,595
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
確認方法:国保データベース No.1「地域の全体像の把握」より抜粋
レセプト件数(電子レセプト)
( 単位: 件 )
平成 25 年度
平成 26 年度
医科外来
2,060,570
2,049,683
医科入院
51,330
49,725
歯科
324,446
404,737
確認方法:国保データベース No.1「地域の全体像の把握」より抜粋
102
102
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
第4章
保健事業計画
生活習慣病受診者数(40~74 歳)
(各年 5 月診療分)
( 単位: 人 )
生活習慣病
糖尿病
高血圧症
脂質異常症
脳血管疾患
虚血性心疾患
糖尿病性網膜症
糖尿病性腎症
糖尿病性神経障害
人工透析
平成 25 年度
平成 26 年度
平成 27 年度
人数
82,212
79,469
79,831
割合
48.8%
47.2%
48.1%
人数
25,208
24,813
25,239
割合
15.0%
14.7%
15.2%
人数
46,517
46,345
46,098
割合
27.6%
27.5%
27.8%
人数
41,086
40,862
41,372
割合
24.4%
24.3%
24.9%
人数
8,742
8,240
8,117
割合
5.2%
4.9%
4.9%
人数
9,920
9,573
9,382
割合
5.9%
5.7%
5.7%
人数
1,896
1,829
1,822
割合
1.13%
1.09%
1.10%
人数
1,350
1,362
1,425
割合
0.80%
0.81%
0.86%
人数
1,009
974
902
割合
0.60%
0.58%
0.54%
人数
664
716
700
割合
0.26%
0.29%
0.29%
平成 28 年度
平成 29 年度
確認方法:国保データベース No.13~19「厚生労働省様式 3-1~70」より抜粋
103
第4章
保健事業計画
特定健診受診者・受診率
( 単位: 人 )
男性
40~44 歳
45~49 歳
50~54 歳
55~59 歳
60~64 歳
65~69 歳
70~74 歳
女性
40~44 歳
45~49 歳
50~54 歳
55~59 歳
60~64 歳
65~69 歳
70~74 歳
平成 25 年度
平成 26 年度
受診者数
1,147
1,269
受診率
16.6%
19.0%
受診者数
1,208
1,173
受診率
20.4%
20.0%
受診者数
1,227
1,226
受診率
23.2%
23.8%
受診者数
1,577
1,473
受診率
26.7%
26.7%
受診者数
3,980
3,683
受診率
35.2%
36.2%
受診者数
8,486
8,770
受診率
50.1%
49.9%
受診者数
10,291
10,533
受診率
55.7%
55.9%
受診者数
1,474
1,431
受診率
25.7%
26.0%
受診者数
1,511
1,464
受診率
28.1%
27.8%
受診者数
1,822
1,776
受診率
33.3%
33.4%
受診者数
3,009
2,814
受診率
39.9%
39.7%
受診者数
8,419
7,530
受診率
50.9%
50.3%
受診者数
12,698
13,558
受診率
58.6%
58.8%
受診者数
13,571
13,766
受診率
61.0%
60.9%
確認方法:法定報告より抜粋
104
104
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
第4章
保健事業計画
特定保健指導終了者・終了率(動機付け支援)
( 単位: 人 )
男性
40~44 歳
45~49 歳
50~54 歳
55~59 歳
60~64 歳
65~69 歳
70~74 歳
女性
40~44 歳
45~49 歳
50~54 歳
55~59 歳
60~64 歳
65~69 歳
70~74 歳
平成 25 年度
平成 26 年度
終了者数
10
3
終了率
9.0%
2.9%
終了者数
3
5
終了率
3.1%
4.7%
終了者数
11
3
終了率
11.6%
3.4%
終了者数
11
3
終了率
9.6%
2.7%
終了者数
17
10
終了率
7.2%
4.7%
終了者数
103
88
終了率
7.7%
6.4%
終了者数
96
105
終了率
7.0%
7.2%
終了者数
1
6
終了率
1.4%
7.9%
終了者数
7
3
終了率
7.4%
3.1%
終了者数
10
3
終了率
10.5%
3.5%
終了者数
8
8
終了率
5.3%
7.2%
終了者数
30
27
終了率
8.3%
7.8%
終了者数
70
73
終了率
8.2%
7.7%
終了者数
68
57
終了率
8.7%
6.6%
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
確認方法:法定報告より抜粋
105
第4章
保健事業計画
特定保健指導終了者・終了率(積極的支援)
( 単位: 人 )
男性
40~44 歳
45~49 歳
50~54 歳
55~59 歳
60~64 歳
女性
40~44 歳
45~49 歳
50~54 歳
55~59 歳
60~64 歳
平成 25 年度
平成 26 年度
終了者数
13
9
終了率
5.3%
3.3%
終了者数
18
8
終了率
7.6%
3.6%
終了者数
9
11
終了率
3.8%
4.4%
終了者数
14
12
終了率
5.1%
4.7%
終了者数
59
52
終了率
11.8%
10.5%
終了者数
7
4
終了率
13.7%
8.5%
終了者数
9
7
終了率
12.9%
12.1%
終了者数
7
13
終了率
9.3%
15.5%
終了者数
16
17
終了率
13.2%
15.3%
終了者数
57
40
終了率
17. 4%
14.9%
確認方法:法定報告より抜粋
106
106
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
第4章
保健事業計画
メタボリックシンドローム該当者・予備群
( 単位: 人 )
男性
平成 25 年度
平成 26 年度
健診受診者
27,901
28,142
腹囲のみ
1,326
1,302
割合
4.8%
4.6%
予備群
4,673
4,660
割合
16.7%
16.6%
血糖
386
408
割合
1.4%
1.4%
血圧
3,202
3,231
割合
11.5%
11.5%
脂質
1,085
1,021
割合
3.9%
3.6%
該当者
8,769
9,010
割合
31.4%
32.0%
血糖+血圧
1,453
1,582
割合
5.2%
5.6%
血糖+脂質
545
602
割合
2.0%
2.1%
血圧+脂質
3,628
3,528
割合
13.0%
12.5%
3 項目すべて
3,143
3,298
割合
11.3%
11.7%
確認方法:国保データベース No.24「厚生労働省様式 6-8
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
メタボリックシンドローム該当者・予備群」より抜粋
107
第4章
保健事業計画
メタボリックシンドローム該当者・予備群
( 単位: 人 )
女性
平成 25 年度
平成 26 年度
健診受診者
42,747
42,343
腹囲のみ
874
822
割合
2.1%
1.9%
予備群
2,458
2,349
割合
5.8%
5.5%
血糖
229
255
割合
0.5%
0.6
血圧
1,558
1,494
割合
3.7%
3.5%
脂質
671
600
割合
1.6%
1.4%
該当者
4,969
4,973
割合
11.7%
11.7%
血糖+血圧
737
746
割合
1.7%
1.8%
血糖+脂質
321
373
割合
0.8%
0.9%
血圧+脂質
2,025
1,885
割合
4.8%
4.5%
3 項目すべて
1,886
1,969
割合
4.4%
4.7%
確認方法:国保データベース No.24「厚生労働省様式 6-8
108
108
平成 27 年度
平成 28 年度
メタボリックシンドローム該当者・予備群」より抜粋
平成 29 年度
第4章
保健事業計画
質問票調査状況
平成 25 年度
平成 26 年度
高血圧症
45.0%
44.6%
糖尿病
12.0%
11.7%
脂質異常症
24.5%
24.7%
脳卒中
7.0%
6.3%
心臓病
11.3%
10.9%
腎不全
1.5%
1.4%
24.2%
23.1%
41.4%
40.8%
1 回 30 分以上の運動なし
50.9%
51.6%
1 日 1 時間運動なし
44.0%
44.9%
歩行速度遅い
41.8%
45.5%
1 年間で体重増減 3kg 以上
23.7%
21.9%
食事速度 速い
28.9%
28.7%
就寝前夕食
21.6%
20.5%
夕食後間食
6.0%
4.7%
朝食欠食
10.7%
9.6%
毎日飲酒
45.5%
44.6%
飲酒量 3 合以上
3.3%
3.4%
睡眠不足
19.9%
16.0%
改善意欲なし
30.9%
31.2%
男性
服
薬
既
往
歴
喫煙
20 歳から 10 kg 以上
体重増加
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
確認方法:国保データベース No.6「質問票調査の状況」より集計
109
第4章
保健事業計画
質問票調査状況
平成 25 年度
平成 26 年度
高血圧症
33.8%
33.0%
糖尿病
5.7%
5.6%
脂質異常症
33.6%
33.2%
脳卒中
3.3%
2.9%
心臓病
5.6%
5.1%
腎不全
0.8%
0.5%
7.4%
6.6%
26.6%
25.6%
1 回 30 分以上の運動なし
58.3%
58.9%
1 日 1 時間運動なし
41.5%
42.4%
歩行速度遅い
42.1%
44.3%
1 年間で体重増減 3kg 以上
21.0%
19.0%
食事速度 速い
24.0%
23.9%
就寝前夕食
12.5%
10.7%
夕食後間食
5.6%
4.4%
朝食欠食
7.6%
6.7%
毎日飲酒
11.0%
10.7%
飲酒量 3 合以上
0.5%
0.6%
睡眠不足
26.3%
20.9%
改善意欲なし
25.9%
27.1%
女性
服
薬
既
往
歴
喫煙
20 歳から 10 kg 以上
体重増加
確認方法:国保データベース No.6「質問票調査の状況」より集計
110
110
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
第4章
保健事業計画
健診有所見者状況
男性
平成 25 年度
平成 26 年度
BMI 25 以上
32.6%
32.1%
腹囲 85cm 以上
52.9%
53.2%
中性脂肪 150mg/dl 以上
29.0%
28.2%
22.2%
23.0%
7.2%
7.3%
64.5%
66.9%
―
―
47.7%
48.0%
21.1%
21.3%
44.9%
44.3%
2.2%
2.0%
BMI 25 以上
21.3%
21.0%
腹囲 90cm 以上
19.5%
19.2%
中性脂肪 150mg/dl 以上
14.9%
14.6%
9.8%
10.3%
1.1%
1.2%
65.0%
68.1%
―
―
40.0%
40.4%
13.3%
13.4%
56.9%
55.7%
0.2%
0.2%
ALT
31U/L 以上
HDL コレステロール
40mg/dl 未満
HbA1c
5.6%以上
尿酸 7.0mg/dl 以上
収縮期血圧
130mmHg 以上
拡張期血圧
85mmHg 以上
LDL コレステロール
120mg/dl 以上
クレアチニン
1.3mg/dl 以上
女性
ALT
31U/L 以上
HDL コレステロール
40mg/dl 未満
HbA1c
5.6%以上
尿酸 7.0mg/dl 以上
収縮期血圧
130mmHg 以上
拡張期血圧
85mmHg 以上
LDL コレステロール
120mg/dl 以上
クレアチニン
1.3mg/dl 以上
確認方法:国保データベース No.23「厚生労働省様式 6-2~7
平成 27 年度
平成 28 年度
平成 29 年度
健診有所見者状況(男女別・年代別)」より抜粋
111
第5章
その他
1 データヘルス計画の公表・周知
本計画書は、仙台市ホームページにて公表します。また、この計画書を改定した場合も、速やかに
公表を行い、周知を図ります。
2 事業運営上の留意事項
本計画にて策定した事業の推進にあたっては、健康増進法(平成 14 年法律第 103 号)に基づく保
健事業を担当する関係部局や関係機関・団体と連携し、医療費の特性や健康課題について共通認識を
持って事業を推進していくよう努めます。
3 個人情報の保護
本計画にて策定した事業の実施にあたり、個人情報の保護に関する法律(平成 15 年法律第 57 号。
以下「法」という。)及び法に基づくガイドライン等に定める役員・職員の義務(データの正確性の
確保、漏洩防止装置、事業者の監督、委託先の監督)について周知を図ります。
そして、国民健康保険法第 120 条の 2 に基づき、本市の職員及び本市の職員であった者は、保健事
業を実施する際に知り得た個人情報に関する守秘義務規定を遵守します。
また、事業を外部委託により実施する場合は、本市個人情報保護条例等関係法令に基づき、個人情
報の厳重な管理や目的外使用の禁止等を契約書に定めるとともに、委託先の契約遵守状況を監理して
いきます。
4 データヘルス計画の評価方法・見直し
本計画にて策定した事業は、毎年度、目標の達成状況を評価し、必要に応じて事業内容の見直しを
行います。
また、計画期間最終年度である平成 29 年度には、これまでに実施した事業の評価を行い、次期計
画に繋げていきます。
なお、今後、分析結果に関する知見や国の動向により、必要な場合には計画の見直しを行うことと
します。
112
112
仙台市国民健康保険保健事業実施計画(データヘルス計画)
平成 28 年 4 月
仙台市健康福祉局保険年金課
〒980-8671
仙台市青葉区国分町三丁目7番1号
電話 022-214-8351 ファクス 022-214-8195
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