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「傷ついた野生動物の保護について」(PDF:1051KB)

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「傷ついた野生動物の保護について」(PDF:1051KB)
「目の前で、傷つき苦しんでいる野生動物がいる。」「地面に鳥のヒナが落ち
ている。」こんなとき、あなたならどうしますか?
この野生動物をなんとか救ってあげたいと思い、行動することは、生命を大
切に思う人の自然な心だと思います。こうした要望も踏まえて京都府では、傷
ついた野生動物を治療し、野生へ復帰させるため、府内の4つの組織(京都市
動物園、福知山市動物園、京都府獣医師会、京都市獣医師会)と協力して「野
生鳥獣救護事業」を実施しています。
また、野生動物を善意で保護したことが、かえって野生動物、自然環境や社
会にとって良くない結果を招くこともありますので、野生動物を保護する前に
このリーフレットを読んでいただき、野生動物に正しい保護の手を差し伸べて
ください。
京都府農林水産部森林保全課
野生動物とのつきあい方
野生動物は野生の中で人間の手助けなしに生活しています。ほとんどの野生
動物は、寿命が尽きる前にケガや病気、エサ不足などで弱り、そのまま死んで
しまいます。ですが、こうして弱ったり、死んだりした野生動物を、他の野生
動物が食べることで、また多くの生命が育っていきます。野生動物はこうした
生命のつながりの中で生きているということをまず理解して欲しいと思います。
野生動物の生命も、人間やペットの生命と同様に尊重されるべきものです。
ですが、野生動物は人間やペットとは生き方も死に方も異なるものなのです。
かわいそうにも思えますが、自然の中での出来事には手を出さず見守ることが
基本であり大切なことなのです。
人間が保護するのは最終手段です
では、人間が野生動物に手助けをすべきなのはどのような状況でしょうか?
京都府では、交通事故や窓ガラスへの衝突など、人間が原因で傷ついてしまっ
た野生動物に対しては人間の手助けが必要だと考えています。特に都市部では
こういった野生動物が後を絶たないため、保護された方の要望があれば、その
ような目にあった野生動物が再び元の野生のなかで生きていけるように、京都
府から動物園(京都市動物園、福知山市動物園)や動物病院(京都府獣医師会
及び京都市獣医師会の指定医)へ治療や保護飼育の業務を委託しています。
ただし、そのような場合でも、野生の動物であるということは忘れないでく
ださい。野生動物は軽いケガであれば自然に回復するたくましさを持っていま
す。彼らにとって人間は恐ろしい天敵であり、人間が捕まえることによるスト
レスやショックで弱ったり死んでしまうこともあります。人間が手を差し伸べ
るのは最後の手段であることを理解してください。
ヒナを拾わないでください!
春から夏にかけて野鳥のヒナを拾う方が多くおられますが、これは巣立った
ばかりのヒナであり、飛行訓練中に地面に落ちて休憩していたり、親鳥がエサ
を運んでくるのを待っているだけの場合がほとんどです。このようなヒナを拾
ってしまうと親鳥から我が子を引き離す「誘拐」になってしまいますので御注
意ください。ヒナは親鳥と過ごす間に、飛び方、エサの採り方、何が危険か、
仲間とのコミュニケーションの取り方など、野生の中で野鳥として生きていく
ために大切なことを学んでいるのです。人間がそれらをヒナに教えることはで
きません。ヒナはとてもかわいいもので、思わず手を出してしまいがちですが、
人間の子どもを野生動物が育てられないように、野生動物の子どもを人間が育
てることも非常に困難なのです。
受入れできない野生動物があります
京都府が受入れの対象としている動物は、野生の鳥類とほ乳類です。は虫類、
両生類の他、野良犬や野良猫、ペットや家畜などは受入れておりません。
また、以下に掲げる動物は、保護して野生へ復帰させることが広く社会の利
益にならないなどの理由から受入れをお断りしております。
◆外来生物
外来生物とは、主に外国から人間の活動によって国内に持ち込まれ、そのま
ま定着した動物を指します。外来生物は、地域固有の生態系に悪影響を及ぼす
など全国的にも大きな問題になっており、各地域で根絶が図られています。
◆農林水産業や生活環境へ被害を与えている動物
生息数の多い一部の野生動物は、農林水産業や生活環境へ深刻な被害をもた
らしています ※。府内の中山間地域では被害に苦しんでおられる方々が大勢おら
れ、被害を防ぐための努力は地域や社会にとって大きな負担になっていること
から、受入れをお断りしております。
カテゴリー
種 名
外来生物
アライグマ、ヌートリアなど
農林水産業や生活
ニホンジカ、イノシシ、ニホンザル、タヌキ、アナグマ、ハクビ
環境へ被害を与え
シン、カラス、ドバト、キジバト、スズメ、ヒヨドリ、ムクドリ、
る動物
カワウ
※
府内の農林水産業被害額:7.9億円(H23)
府内で被害を防ぐために捕獲された動物(鳥と獣)の数:1.6万頭羽(H23)
◆独り立ちしていないヒナや幼獣
京都府では「動物を元の野生に返すこと」を目的にしています。先に書いた
とおりこれらの動物は、人間に育てられると野生の中で生きていく力を失って
しまうため、受入れをしておりません。
知っておいてください。野生動物を受入れたあとのこと
傷ついた野生動物を保護し、救護施設へ収容したらそれですべての野生動物
が助かる訳ではありません。京都府で受入れた野生動物のうち、ケガが治り野
生に復帰できた動物は全体の3~4割程度でしかないのが現状です。救護施設
へ運ばれた野生動物は既に危険な状態であることが多いためです。
また、生命は助かっても、翼を失ったりして野生には復帰できない動物も発
生します。このような野生動物を狭いカゴやオリで飼い続けることは、施設の
能力面でも限界がありますし、何より野生に生きるべき動物の尊厳を奪うこと
になります。そのため、このような野生に復帰できない動物は、安楽死させる
場合もありますので御理解をお願い致します。
新たに救護の対象外となる動物
●農林水産業、生活環境などへ被害を与えている鳥獣
ニホンジカ
イノシシ
ニホンザル
タヌキ
アナグマ
ハクビシン
カラス
ドバト
キジバト
スズメ
ヒヨドリ
ムクドリ
カワウ
●人間が育てることで、自然の中で生きていく力が失われるおそれの高いヒナ、幼獣
巣立ち前のヒナ
巣立ち後のヒナ
幼獣(ニホンジカ)
※ 上 に 掲 げ る 動 物 の ほ か 、外 来 生 物 で あ る ア ラ イ グ マ 、ヌ ー ト リ ア 、野 良 犬 や 野 良
猫、は虫類や両生類は既に救護対象から除いております。
傷ついた野生動物の保護について
編集発行
京都府農林水産部森林保全課野生鳥獣担当
〒 602-8570 京 都 市 上 京 区 下 立 売 通 新 町 西 入 薮 之 内 町
TEL 075-414- 5022 FAX 075-414- 5010
E-mail [email protected]
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