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米国ビジネス・ニュース* Vol. 2

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米国ビジネス・ニュース* Vol. 2
A Publication of Global Network for Japanese Practices
米国ビジネス・ニュース* Vol. 2
エグゼクティブのための最新会計・税務情報
2009年1月
徳弘 高明/Takaaki Tokuhiro
日系企業部税務パートナー
新年のご挨拶
(646) 471-3164
[email protected]
300 Madison Avenue
New York, NY 10017
1 月 20 日にオバマ新大統領が盛大な式典を経て正式に就任し、アメリカは変革
と再生へ向けて新たなスタートを切りました。昨年からの金融危機とそれに伴
う米国、および世界景気の後退はまだ出口が見えず、円高の進行も衰える気配
は無く、アメリカでビジネスを行っている日本企業にとっても厳しい冬の時代
が続いています。私どもプライスウオーターハウスクーパース日本企業部は、
この難局に立ち向かわれている日系企業の皆様に、より一層付加価値の高いサ
ポートを提供すべく、創造的思考のもと、職員一同日々クライアントサービス
に励んでいく所存ですので本年もよろしくお願い申し上げます。
さて、今回お届けするのは昨秋創刊されました、日系企業のための出版物「米国
ビジネス・ニュース*」の 2009 年新年号(第二号)です。会計面では国際財務報告
基準(IFRS)の導入、税務面ではオバマ政権、議会の税制改正の動向等が話題に
なっていますが、今年の日本の税法改正にも、日本の親会社が海外の子会社等
から受取る配当金を非課税とする旨の改正案が含まれており、海外でビジネス
を展開する日本企業にとって注目すべき内容となっています。
従来は、アメリカの現地法人が法人税の節税を行ったとしても、その利益を親
会社への配当という形で日本に持ち帰った場合には、その配当に日本で法人税
が課税されるため、最終的な節税には繋りませんでした。しかし、今後、海外
子会社からの配当が日本で非課税となれば、海外における節税がそのまま日本
本社の税引後利益、あるいはキャッシュ・フローの増加となり、適切な税務プ
ランニングの導入により会社の財務体質の改善が可能となります。この点の詳
細については PwC Japan の税務ニュース(こちらをクリックして下さい)をご参
照下さい。
今年も皆様にとってよい年となることをお祈り申し上げます。本号、あるいは
その他についてご質問があれば、巻末の日本人担当者までお気軽にご連絡くだ
さい。
*connectedthinking
pwc
米国ビジネス・ニュース*
小林 清隆/Kiyotaka Kobayashi
監査マネージング・ディレクター
SFAS 141(R) - 企業結合に関する会計基準
監査/Assurance
2007 年 12 月に、米国財務会計審議会(FASB)は企業結合会計に係る基準
SFAS141 号を改定する SFAS141(R)号, Business Combinations (企業結合)を公
表しました。この改訂により、従来の企業結合の会計処理や連結財務諸表に対
する基本的な考え方は大きく変わることになりました。改訂基準は、2008 年
12 月 15 日以後開始する事業年度における企業結合について強制適用されます
(早期適用は禁止)。
(859) 226-3123
[email protected]
448 Lewis Hargett Cir, Suite 280
Lexington, KY 40503
以下に、SFAS141(R)号の適用に当り留意すべき主な変更点をまとめます。
取得法(Acquisition Method)と非支配持分(Noncontrolling Interest)
企業結合の形態がパーチェス(買収)とは限らないため、パーチェス法は取得法
(acquisition method)という用語に変更され、また従来の少数株主持分には非支
配持分(noncontrolling interest)という用語が採用されています。
取得関連費用(Transactions Cost)
企業結合に関連して取得者で発生する取得関連費用は、従来の基準では取得価
額に含め資産として処理しましたが、改訂基準では取得価額には含めず、発生
年度の費用として処理されます。費用として処理される取得関連費用には、紹
介、助言、法律、会計、評価、コンサルティング、一般管理費等が含まれま
す。これらの費用は取得企業の公正価値の一部ではなく、事業の取得に係る経
費であると考えられるためです。
偶発事象から生じる資産と負債(Assets and Liabilities Arising from
Contingencies)
取得者は契約に関する偶発事象(契約偶発事象)は全て取得日に公正価値で認識
します。契約に関連しない偶発事象(その他の偶発事象)については実現の可能
性が 50%超かどうか("more likely than not")で認識の判定を行い、認識の必要が
あれば公正価値で取得日に認識します。取得日後の測定期間内(後述)に、新し
い情報が入手された場合には、その時点で SFAS5 号の基準で評価した場合の
額と取得日の公正価値とを比較し、資産の場合には低い方を、負債の場合には
高い方を採用し、その新しい情報を入手した年度に取得日に認識した見積公正
価値との差額を損益として認識します。
研究開発資産(In-Process Research & Development)
研究開発資産は取得日の公正価値にて無形固定資産として計上します。従来の
基準では一旦取得資産に含めますが、将来の代替的な用途がない場合には取得
日に一括費用処理することを要求していました。改訂基準では、将来の代替的
な用途の有無にかかわらず、即時費用処理することは無く、SFAS142 号に従っ
て資産計上し、研究開発が完了した時点から将来に亘って償却され、減損会計
の対象となります。研究開発が破棄された場合にはその年度で損失計上となり
ます。取得日後に発生した研究開発費は費用処理されます。
段階取得(Step Acquisition)
段階的に持分を増やして支配を獲得した場合は段階取得と呼ばれます。段階取
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得では支配の獲得時点が取得日となります。改訂基準では、累積の持分全体を
公正価値で再評価し、支配獲得日以前の持分についても損益を認識する事にな
ります。従来の基準では、支配獲得日以前の持分については公正価値での再評
価は行われず、支配を獲得した時点の追加取得持分のみ公正価値の評価を行い
ました。
のれん(Goodwill)
従来の基準では,取得者の持分についてのみのれん(購入のれん)が認識され
てきました。一方、改訂基準では,非支配持分も含めてのれん(全部のれん)の
認識が行われることになりました。
取得者が支払った対価が取得した企業の公正価値を下回る事があります。この
ケースをバーゲン パーチェースと呼びます。改訂基準によれば、このようなケ
ースでは、取得者はすべての取得資産と引受負債が正しく認識されているか再
評価を行い、その再評価後もバーゲン パーチェースの状態の場合にある場合は
その下回る額を取得日の利益として認識します。従来の基準ではその下回る額
を逆のれん(あるいは負ののれん)と呼び、その額を比例的に長期性資産に減額
配分し、取得した純資産と対価を一致させる処理が行われてきました(ただし、
長期性資産の減額後も逆のれんが残る場合には特別利益として処理することと
なっていました)。
測定期間(Measurement Period)
取得年度内に会計上の測定作業が完了しない場合には暫定額をもって財務諸表
に計上します。取得者は、測定期間内に確定された暫定額を取得日に遡って修
正します。測定期間は最長で取得日から一年です。従来の基準では、一般に、
確定された期の財務諸表で修正を行っていましたが、改訂基準では取得日と年
度が異なる場合には遡及して財務諸表を修正する場合があります。また、測定
期間内に入手された情報により、取得日に認識されていない追加の資産または
負債が存在したことが判明した場合にも取得日に遡って修正します。測定日以
降の変更に関しては SFAS154, Accounting Changes and Error Corrections に従
って処理されます。つまり測定日以降の変更については性質によっては過去の
誤謬として財務諸表を遡及して修正することもあります(prior year
restatement)。
小林 徹/Tetsu Kobayashi
税務マネージャー
業績後退局面におけるタックスマネジメント
連邦税/Federal Income Tax
昨秋の金融危機以降、多くの企業が業績後退の局面にあり、予期していなかっ
た欠損金や課税所得の極端な減少が生じている企業が少なからずあると思いま
す。こうした状況において、逆に欠損金や課税所得の減少を利用して、キャッ
シュフローを確保するためのタックスマネジメントの方策を、簡潔にいくつか
ご案内します。
(313) 394-6321
[email protected]
1900 St. Antoine Street
Detroit, MI 48226
税務上の会計方針の変更による過去の繰越欠損金の利用
ご承知のとおり、タックスマネジメントの基本のひとつは、可能な限り、益金
算入を繰り延べ、損金算入を早めることです。しかし、過年度からの繰越欠損
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金が生じている企業では、逆に益金算入を早め、損金算入を繰り延べることに
より、繰越欠損金の利用を早め、将来のキャッシュフローを確保することがで
きます。こうした益金・損金算入時期の変更は、税務上の会計方針を変更する
ことで可能になります。米国連邦税法上、税務上の会計方針の変更は、Form
3115(Application for Change in Accounting Method)の提出により認められ、そ
の内容により、自動変更(Automatic Method Change)と、非自動変更(NonAutomatic Method Change)とに分類されます。自動変更は、変更年度の申告書
に Form 3115 を添付することで自動的に認められる一方、非自動変更は、
Form 3115 を課税年度の終了日までに内国歳入庁に提出することが必要です。
欠損金の繰戻による還付
米国連邦税法上、欠損金(Net Operating Loss)は、2 年の繰戻(Carryback)と 20
年の繰越(Carryover)が認められています。したがって、過去 2 年間に課税所得
および税額が生じており、今年度に欠損金が生じた企業の場合、欠損金の繰戻
を行うことで過去 2 年間に支払った税金を取り戻すことが出来ます。更に、欠
損金の繰戻し還付申請を、Form 1139(Corporation Application for Tentative
Refund)により課税年度終了後 12 ヶ月以内に行う場合は、過去の事業年度に関
する修正申告を行うことなく、迅速な還付を受けることが出来ます。なお、今
後の改正で、繰戻し対象期間が現行の 2 年から 5 年に拡大される可能性もあり
ます(以下、「オバマ大統領の税制改正案」参照)。
過払いとなっている予定納税額の早期還付請求
年度の途中から業績が悪化したことにより、四半期ごとに納付している予定納
税額が過大になると見込まれる場合、通常はその年度の税務申告書の提出まで
還付を申請することは出来ませんが、年度終了後二ヵ月半以内に、申告書提出
に先立ち Form 4466(Corporation Application for Quick Refund of Overpayment
of Estimated Tax)を提出することにより、迅速な還付を受けることが出来ま
す。
小林 徹/Tetsu Kobayashi
税務マネージャー
連邦税/Federal Income Tax
(313) 394-6321
[email protected]
1900 St. Antoine Street
Detroit, MI 48226
渡辺 司 / Tsukasa Watanabe
マネージャー
自動車産業分析チーム
(313) 394-6796
[email protected]
1900 St. Antoine Street
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自動車産業: 不良資産救済プログラム(TARP)に
よる GM およびクライスラーの救済
去る 2008 年 12 月 19 日、ブッシュ大統領(当時)は、2008 年秋以降の金融危機
および世界同時不況により生じた急激な資金繰りの悪化に伴い、経営破綻の危
機を迎えている GM およびクライスラーを支援するための総額 174 億ドルの財
政支出を承認しました。これは、2008 年 12 月および 2009 年 1 月に、合計で
GM に 94 億ドル、クライスラーに 40 億ドルを短期資金(つなぎ資金)として貸
与し、2009 年 2 月の経営再建計画提出後に、追加で GM に 40 億ドルを貸与す
るというものです。
この財政支出による支援において、両社は、2009 年 2 月 17 日までに、経営再
建計画を策定することを条件とされています。その内容には、負債を資本に転
換するデットエクイティスワップにより借入金を 3 分の 1 以下に減らすこと、
United Auto Workers Union (UAW:全米自動車労働組合)との労働協約に関し、
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米国ビジネス・ニュース*
Detroit, MI 48226
退職者医療制度への拠出金の半分を株式化すること、休職者に引き続き給与を
支給するジョブバンク制度を廃止すること、競合する外国自動車メーカーに匹
敵する労働条件および賃金水準等について合意を引き出すこと等が求められて
います。原則として 2009 年 3 月 31 日までに、政府に経営再建計画が受け入れ
られない場合、両社は、財政支出を受けた資金の返済を直ちに求められ、倒産
の危機に陥ることになります。
今回の支援は、金融危機の沈静化を意図して発動された、総額 7,000 億ドルの
TARP の残額の 3,500 億ドルの活用によるものです。12 月 11 日に自動車産業
救済法案が上院において否決されたことで、今回の TARP の活用による支援に
至っています。
自動車産業救済法案が廃案となった理由として、まず、経営陣の策定した経営
再建策が不十分であり、自動車産業の競争力の回復にはつながらず、単に財政
支出が拡大し納税者が被害を被るだけとの見方が強かったことが挙げられま
す。これに加え、法案に含まれていた、(1)州および地方の交通当局の有する資
産を投資家に売却しリースバックするというスキーム、および、(2)企業再編に
おける繰越欠損金および譲渡資産の含み損の使用制限(内国歳入法第 382 条)に
ついての特例措置、等について、不公正であるとの強い反対がありました。リ
ースバックのスキームは、交通当局に公的資金を注入するとともに、投資家の
節税を政府が援助するものであると批判されました。また、内国歳入法第 382
条の特例措置は、デットエクイティスワップによる経営再建の結果、内国歳入
法第 382 条による制限の対象となってしまう可能性があるため、債権者および
新株主の利益のため法案に含まれていましたが、これも上院の賛同を得られま
せんでした。
2009 年 1 月 21 日現在、両社の経営再建計画策定および UAW との交渉の行方
はまだまだ不透明であり、一方で、内国歳入法第 382 条の特例措置の立法化を
再度模索する動きも見られています。また、イタリアの FIAT 社によるクライ
スラーの支援の計画も表面化していいます。こうした米国の自動車産業の動向
に関し、税制面も含め、今後もアップデートをしていく予定です。
村岡 欣潤/Kinjun Muraoka
税務マネージャー
連邦税/Washington
National Tax Services
(202) 346-5206
[email protected]
1301 K Street NW, Suite 800W
Washington, DC 20005-3333
中村 智昭/Tomoaki Nakamura
税務シニア・アソシエイト
個人税/Personal Income Tax
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オバマ大統領の税制改正案
戦後最悪と言われるこの不景気の中、2009 年 1 月 20 日にバラック・オバマ氏
が第 44 代米国大統領に就任しました。新政権は経済再生を第一の政策として
掲げており、米議会のリーダー達も経済再生法案の作成にオバマ氏就任前から
着手しており、事実 1 月 15 日に総額 8,250 億ドル(2,750 億ドルの減税案を含
む)の経済再生法案が議会に提出されました。2月半ばには大統領が署名、成立
する予定です。この経済再生法案に含まれる税務政策が 2009 年初頭の焦点に
なりそうですが、この他にもオバマ大統領は選挙活動中に様々な税制改正を提
唱しており、特に中間所得層の税負担の軽減、法人税の改正、保健医療制度の
改善、環境問題、エネルギー自立が主な内容となっています。これらの詳細は
2月か3月に提出されるであろうオバマ政権の 2010 年度予算案の中で明確に
なると予測されますが、現時点(1 月中旬)のオバマ新政権の税制改正案の概要は
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以下の通りです。
(513) 631-8135
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720 E. Pete Rose Way, Suite 400
Cincinnati, OH 45202-3504
個人所得税
オバマ大統領が選挙期間中より提唱していた税制改正の中核は、高額所得者へ
の課税強化と低・中所得者への減税で構成されており、ブッシュ前大統領が
2001 年及び 2003 年に実施した富裕層向けの減税の一部を撤回し、低・
中所得層向けの恒久的な減税を実施する内容となっています。ブッシュ前
大 統 領 に よ る 減 税 は 2010 年 で 期 限 切 れ に な り ま す が 、 オ バ マ 新 大 統領
は、年収が 250,000 ドルを超える世帯、または年収 200,000 ドルを超え
る単身世帯は「高額所得者」として増税の対象とし、年収がそれ以下の場合
は現行の減税策の恩恵を引き続き享受できるものとし、全米の 95%の世
帯の税負担は軽くなるか現状維持になると主張しています。
具体的には、低・中所得層を対象とする現行の税率枠(10,15,25,28%)は維
持し、これより上位の所得に対する税率枠を現行の 33%から 36%、35%
か ら 39.6% へ と 、 2001 年 以 前 の レ ベ ル に 引 上 げ 、 高 額 所 得 者 に 対 し て
は、キャピタル・ゲインの最高税率も 15%から 20%に、配当所得に対する税
率も、キャピタル・ゲインの税率から通常の所得税率(最高 39.6%)へ引上げる
としています。また、扶養者控除及び個別控除項目の所得制限を復活させ、社
会保障税も 250,000 ドル以上の所得に対して 2~4%の課税(今現在 2009 年度は
106,800 ドル以上の所得については非課税)を行う等、高額所得者に対する増税
を提唱しています。当初、オバマ大統領は 2009 年度よりこの改正を実施する
方針を打ち出していましたが、景気回復の見通しがつかない等の理由により、
現時点では高額所得者に対する増税は 2010 年に繰延べられる見通しです。
オバマ政権は、当面は景気回復のための減税に焦点を当てると思われ、上記の
経済再生法案にも低・中所得層を対象に、就労者 1 人当たり 500 ドル、世帯当
たり 1,000 ドル(共稼ぎの場合)の税額控除(Making Work Pay Credit)、2008 年 7
月に成立した 7,500 ドルの住宅購入資金援助の返済義務の免除(2009 年 1 月 1
日以降に購入された住宅のみ)などが盛込まれました。その他、包括的住宅ロー
ン減税、扶養者控除の拡充、教育費の所得控除から税額控除への移行、年収
50,000 ドル以下の高齢者に対する課税の廃止、401(k) の期限前引出しに対する
罰則金の一時免除や失業保険税の免除等が提唱されており、既存の優遇税制の
延長も検討中です。
その他、新政権が取り組むと考えられるのは、長い間議論されている個人に対
する代替ミニマム税制の改正です。インフレの影響を考慮していないため、本
来は高額所得者の課税逃れを抑えるための税制が、今では低・中所得者にも影
響を与え始め、現行の一時的な救済措置が延長されない場合、2009 年には課税
対象者が 2,800 万人に上ると見込まれています。オバマ大統領は救済措置を続
ける意思を表明していましたが、残念ながら今回の経済再生法案にはこの処置
は取り込まれず、上院で法案修正の可能性が示唆されています。いずれにして
も、代替ミニマム税についてはより抜本的な改正が必要とされています。
法人税
個人税と同様に、新政権の法人税政策の焦点も経済再生です。今回の経済再生
法案には既存の割増償却制度の 2 年間延長、欠損金の繰り戻し期間の 2 年から
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5 年への延長、中小企業のための新規取得資産の一括償却の上限額の増額(現在
は 2008 年は 250,000 ドル、2009 年は 125,000 ドルまで、提案では 2009 年も
250,000 ドルとする)、および再生可能燃料に対する税制上の優遇処置が盛り込
まれました。法人減税の目玉と考えられていた新規雇用に対する税額控除(New
Hire Business Credit)は、自動車産業など業績悪化により解雇を強いられている
企業には効果が無いとの批判もあり、この法案には含まれませんでした。
この他には 2009 年に失効する優遇税制の延長が考えられます。昨年 10 月に可
決された金融安定化法案では、試験研究費税額控除、特定のリース資産とレス
トラン資産の改善費用の早期(15 年)償却等が 2009 年まで延長されましたが、
個人所得税同様、景気回復のためにこれらの優遇税制を再延長する動きが出て
います。その他、外国子会社からの配当の益金不算入の復活案も出ています。
これらは今回の経済再生法案に含まれていませんが、2010 年、又はそれ以降に
盛り込まれる可能性もあります。
これらの改正案が 2009 年度の国家予算(見込みでは約 1.2 兆ドルの赤字)を更に
圧迫するのは必須であり、景気が回復に向かった場合、次に新政権が焦点を当
てるのは、財政収支改善と思われ、前述の個人所得税同様、法人税の増税は避
けられないと思われます。詳しい内容は現時点で分かりかねますが、選挙中に
オバマ大統領はタックスヘイブン対策の強化、かねてから議論されている経済
実体要件(Economic Substance)の法制化、ヘッジファンド、非公開投資会社マ
ネージャーの受取る報酬に対する課税強化(キャピタル・ゲインではなく通常の
累進税率で課税)、役員報酬の損金算入制限の「抜け穴」阻止などを掲げおり、こ
れらが今後の改正案に組み込まれる可能性があります。
最後に
近年稀にみる国民的支援と民主党がコントロールする議会をバックに就任した
オバマ大統領ですが、経済再生、財政赤字の他にも国際財務報告基準(IFRS)の
導入と税制への影響など、今後数年間、税務を巡る環境が今までに無いスケー
ルで変わっていくことが予測され、これらの変化に新政権がどう対応していく
かが注目されます。
田中 寛/Hiroshi Tanaka
税務ディレクター
個人税/Personal Income Tax
(513) 723-4731
[email protected]
720 E. Pete Rose Way, Suite 400
Cincinnati, OH 45202-3504
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国外保有預金口座の報告義務の強化
アメリカでは、所得がある限り確定申告書を年に一度提出しなくてはならない
ことはご存知の事と思われますが、所得が無くともアメリカ国外に預金等を保
有している場合には、年に一回報告書を提出しなくてはならないことをご存知
ですか?
2008 年 10 月に今まで利用されていた、国外保有口座の報告書:様式 TD F 9022.1 が改定され、申告義務者の明確化や更なる詳しい情報の提供が要求される
ようになりました。また、この報告を怠ることによる罰則規定が強化され、
IRS 内での取り締まり強化が強められておりますのでご留意下さい。さらに、
以前の様式では不可能であった修正申告も新しい様式で出来るようになりまし
た。改定された様式では次のような規定となっております。
PricewaterhouseCoopers
米国ビジネス・ニュース*
報告義務者:
ƒ アメリカ市民権保持者・永住権保持者・アメリカ居住者・または、非居住
者でアメリカ国内で業務を行っている者で、
ƒ 国外預貯金残高の全ての合計金額が 1 万ドルを超える者。例えば 4 千ドル
の口座を 3 つ保持している場合には、合計残高が 1 万ドルを超過するた
め、全ての口座の報告義務が発生します。
ƒ 法人口座でその口座の署名権を保持している場合には、その口座も報告義
務対象となるので注意が必要です。
報告しなくてはならない口座:
ƒ 通常の都市銀行やゆうちょ銀行の口座はもちろんの事、社内預金、財形、
住宅貯蓄、年金貯蓄、投資信託や、プリペイ・カードまで含まれます。
報告しなくてはならない情報:
ƒ 口座保持者の住所・氏名・誕生日
ƒ 納税者番号(ソーシャル・セキュリティー番号)もし納税者番号がない場合に
は、パスポート番号等
ƒ 金融機関名
ƒ 口座の番号・種類及びその年間最高残高
ƒ 金融機関の住所
報告期限:
暦年ベースで次の年の 6 月 30 日まで。延長はよほどの理由がない限り認めら
れません。
送付先:
U.S. Department of the Treasury
P.O.Box 32621
Detroit, MI 48232-0621
罰則規定:
申告を怠った場合の罰則として、50 万ドル以下の罰金及び 5 年以下の懲役と厳
しい規定となっております。
丹生谷 岳夫/Takeo Niunoya
税務ディレクター
米国実質関連所得及び恒久的施設に関する IRS
税務調査の強化
連邦税/Federal Income Tax
(646) 471-0592
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300 Madison Avenue
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Page 8
February 1, 2009
近年の経済の更なるグローバル化に伴い、非米国企業、例えば日系企業の日本
本社が米国での事業に直接参加する取引形態が増加しています。米国税法上、
一般に非米国法人が米国で事業を行い、その事業に実質的に関連する所得(以下
「米国実質関連所得」)を稼得する場合には米国連邦法人税の課税対象となりま
す。日米租税条約の適用がある日本企業の場合には、当該所得が米国での恒久
的施設(Permanent Establishment、以下 PE)を通じて稼得された場合にのみ米
国連邦法人税の課税対象となります。
PricewaterhouseCoopers
米国ビジネス・ニュース*
これまで IRS において、米国実質関連所得及び PE の有無に関する税務調査の
優先順位は比較的高くないと考えられてきました。しかし、非米国企業の米国
での事業活動が拡大する状況に対応するため、IRS は以下のような対策を導入
しています。
ƒ IRS 内の PE 問題の専門家と IRS 税務調査官との密な連携体制の構築
ƒ IRS 税務調査マニュアルに PE の調査手法に関する説明を追加
ƒ IRS の国際税務のトレーニングで使用する資料に米国で事業を行う非米国
会社の税務上の取扱い及び PE に関する記述を追加
ƒ PE の有無の判断のための資料収集方法の拡大(会社のホームページ等の一
般に公開されている情報、米国での事業活動に関する質問書の送付、従業
員とのインタビュー、租税条約に基づく他国との情報交換等)
今後、IRS が米国実質関連所得及び PE に関する税務調査を強化するに従い、
PE に関する係争が増加すると予想されます。米国で直接事業を行う日本企業
は、税務リスクを適切に管理するために、PE とみなされる可能性がある活動
を見直し、自社の税務ポジション・リスクを再検討することが肝要です。余談
ですが、IRS 長官が昨年末にジョージタウン大学で行われた国際税務シンポジ
ウムで、源泉徴収を最優先事項の一つとすると発言しました。現時点では詳細
は不明ですが、今後は国際取引にかかる源泉徴収義務の履行について IRS の税
務調査が強化されることも予想されます。
小林 清隆/Kiyotaka Kobayashi
監査マネージング・ディレクター
監査/Assurance
(859) 226-3123
[email protected]
448 Lewis Hargett Cir, Suite 280
Lexington, KY 40503
FASB 解釈指針第 48 号「法人所得税における不
確実性に関する会計処理 - 財務会計基準書第
109 号の解釈指針」(FIN48)
米国財務会計基準審議会(FASB)は、2006 年 7 月、FASB 解釈指針第 48 号「法
人所得税における不確実性に関する会計処理 - 財務会計基準書第 109 号の解
釈指針」(FIN48 Accounting for Uncertainty in Income Taxes ‒ an Interpretation
of FASB Statement 109 、以下「FIN 48」)を公表しました。FIN48 は、2006 年
12 月 15 日以降に開始する事業年度の期首より適用の予定でしたが、一部の非
公開企業については1年間の延期が認められました。そして、2008 年 12 月に
FASB は一部の非公開企業に対して更に 1 年の適用延期を決定しました。
FIN48 は、法人所得税における不確実性に関して一定の情報開示要件を設ける
と共に、米国会計基準で認識できる税効果の基準をより明確にしたものです。
税務申告を行う際には、節税目的等で様々なタックスポジション(税務上の判断
事項)が採用されます。これらのタックスポジションは、法解釈や見解の相違な
どにより税務調査において否認されることがあります。税務当局が否認する可
能性が一定水準以上と判断される場合には、その税務リスクを会計上反映する
ことが求められます。FIN 48 以前は、このような不確実なタックスポジション
から発生した税務上のリスクの会計上の認識について、実務上の対応が明確に
統一されておりませんでした。以下に、FIN 48 における主な解釈指針をご説明
します。
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タックスポジション
法人所得税申告書を作成する際に採用した、または、将来の法人所得税申告書
を作成する際に採用する特定の事柄に関する判断事項を言います。タックスポ
ジションを採用することにより、法人所得税が永久に、あるいは、一時的に減
額さることになります。タックスポジションの例としては以下の事柄が挙げら
れます。
ƒ 特定の申告書を提出しなくても良いという判断
ƒ 特定の国、州間における所得の配賦
ƒ 特定の所得を非課税として取り扱う判断
ƒ 特定の取引あるいは事業を非課税として取り扱う判断
引当金の設定
FIN 48 に基づき、採用したタックスポジションを見直し、その税務リスクを評
価します。この評価はおおむね以下の2つのステップにより行います。
Step 1: 不確実性の認識(Recognition)
会社が採用したタックスポジションが税務調査において否認されるリスクを評
価します。否認されるリスクが 50%超("more likely than not")の場合に FIN 48
による引当金等の設定の検討が必要となります。
この時に重要なのは、税務調査でこのタックスポジションが調査されることを
想定してリスクを評価する必要があるということです。税務調査を受けない、
あるいは、当該ポジションが調査対象とならない可能性は考慮しません。
Step 2: 不確実性の測定(Measurement)
上記 Step 1 で認識された項目に関するタックス・ベネフィットに対して必要と
なる引当金の額を測定します。引当額は、最終的に税務当局と納税者の間で合
意されると判断される追徴金額です。同時に相応の利息ならびに罰則金も引当
てる必要があります。
見積の変更
FIN 48 を採用した決算期以降において、引当金を設定したタックスポジション
について新しい事実や情報が得られた場合には引当額を見直します。この時の
変更額は見積の変更として取り扱います。
財務諸表への開示
財務諸表上、FIN 48 の引当金に関する質的、量的な開示が求められています。
基本的な開示事項は以下の通りです。
ƒ 利息ならびに罰則金が計上されている勘定項目の明示
ƒ 引当金(あるいは未計上のベネフィット)残高の推移
ƒ 引当金(未計上のベネフィット)の額およびこれが実現した場合の実効税率へ
の影響
ƒ 当該会計年度に計上された利息ならびに罰則金の額および貸借対照表上の
未払利息ならびに罰則金の累計残高
ƒ 計上されている引当金について、期末から 12 ヶ月以内に合理的に予想され
る変更に関する情報
ƒ 主要な税務当局(連邦、州など)による税務調査が未了となっている年度の開
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示
FIN48 は、米国会計基準で財務諸表を作成している企業において、会計方針、
財務諸表の開示、データ収集のプロセス、内部統制に大幅な変更をもたらすこ
とになります。また、既存の法人税のタックスプランニングや、タックスマネ
ージメントのプロセスにも大きな影響を与えることが考えられます。
高橋 良/Makoto Takahashi
税務ディレクター
州税及び地方税/
State and Local Tax
(415) 498-6239
[email protected]
Three Embarcadero Center
San Francisco, CA 94111
米国税法アップデート
去年 10 月から 12 月までに発表された主な税法改正の内容を簡単にまとめまし
た。詳しい内容は www.japan-bus.pwc.com/ をご参照ください。
2008 年 12 月 15 日 (月)
ニュージャージー州における欠損金の繰越期間の延長
ニュージャージー州における欠損金の繰越期間は、損失発生年度以後 7 年間で
したが、2008 年 11 月 24 日に成立した Senate Bill 2130 により 20 年間に延長
されました。この改正は 2009 年 7 月 1 日以降に終了する課税年度を対象とし
ます。
2008 年 12 月 22 日 (月)
ニュージャージー州:Throw Out Rule の撤廃 等
ニュージャージー州では、課税所得の州間配賦率の計算上、Throw Out Rule と
呼ばれる規定が適用されてきましたが、2008 年 12 月 19 日に成立した
Assembly Bill 2722 により、2010 年 7 月 1 日以降に開始する課税年度より撤廃
されることになりました。
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全米日本語コンタクト
Office
Name
Specialty
Title
Phone
Sr. Assoc.
(678) 419-1742
Email Address
ATLANTA, GA
Kana Yamamoto
山本 佳奈
税務
CHICAGO, IL
Jonathan Kim
金 栄進
監査
Partner
(312) 298-2908
[email protected]
Kumiko Watanabe
渡辺 久美子
税務
Director
(312) 298-2322
[email protected]
CINCINNATI, OH
Hiroshi Tanaka
田中 寛
税務
Director
(513) 723-4731
[email protected]
COLUMBUS, OH
Chikara Tanaka
田中 力
税務
Manager
(614) 225-8819
[email protected]
DALLAS, TX
Sayatake Komine
小峰 明武
監査
Manager
(214) 754-5448
[email protected]
DETROIT, MI
Yoshimasa Terauchi
寺内 義昌
監査
Partner
(313) 394-6741
[email protected]
Tetsu Kobayashi
小林 徹
Manager
(313) 394-6321
[email protected]
Tsukasa Watanabe
渡邉 司
税務
自動車産業
分析チーム
Manager
(313) 394-6796
[email protected]
FLORHAM PARK, NJ
Keishin Kono
河野 恵心
税務
Manager
(973) 236-4465
[email protected]
LEXINGTON, KY
Kiyotaka Kobayashi
小林 清隆
監査
Managing Dir.
(859) 226-3123
[email protected]
LOUISVILLE, KY
Ryuji Sumi
鷲見 龍児
監査
Manager
(502) 585-7725
[email protected]
Shuji Hasegawa
長谷川 修司
監査
Partner
(646) 471-4096
[email protected]
Takaaki Tokuhiro
徳弘 高明
税務
Partner
(646) 471-3164
[email protected]
Shuji Hasegawa
長谷川 修司
監査
Partner
(646) 471-4096
[email protected]
Takaaki Tokuhiro
徳弘 高明
税務
Partner
(646) 471-3164
[email protected]
Masaru Onoda
小野田 勝
監査
Sr. Manager
(415) 498-7812
[email protected]
Makoto Takahashi
高橋 良
税務
Director
(415) 498-6239
[email protected]
LOS ANGELES, CA
NEW YORK, NY
SAN FRANCISCO, CA
WASHINGTON, DC
[email protected]
Shunichi Tsutsui
筒井 俊一
税務
Managing Dir.
(914) 672-9845
[email protected]
Kinjun Muraoka
村岡 欣潤
税務
Manager
(202) 346-5206
[email protected]
japan-bus.pwc.com
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