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150709応物先進PE研究会分科会

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150709応物先進PE研究会分科会
卿印如防
││IⅢ ‐
│
公益社団法人 応 用 物 理
先進 パワー半導体分
││‐
■
,
Advanced Power SernicondL
wal.02 Ho.02
‐
2015
111
第 3回 先進 パ ワ ー 半 導体 分 科 会 研 究会
■‐
‐
1‐ ‐│
―
│ │―
「次世代パワー半導体刃 Mスの進展』
骸
The Japan Society ol Applied Physics
ダイヤ モ ン ドの研 究状 況 と課 題
Current status and issues of diamond for power device app‖
cation
鹿 田首一
関西 学院 大学
理 工 学 部 、兵 庫 県 三 田 市 学 園
2-1、
SShikata@kwanSei acjp
l.概 要
本稿 で は ダイヤ モ ン ドの 六 ヮー デ バ ィ ス応 用 に向 けた現 状 紹 介 と、課 題 に つ いて 述 べ る。
)重 要 な絶 縁破 壊 電 界 の 現 状観 測最 高値 7.7MV/cmを 越 す た めの きちん と し
物性 値 と して 最 セ
た素 子構 造 で の 計 測 と高 い 数 値 の 実現 は不 可 欠 で あ る。また n型 は 、さ らな る高 品質 化 (高
移 動度 )・ 低 抵 抗 が不 可 欠 で あ る.
ウ ェ ハ に 関 して 、 大 口径 化 は モ ザ イ ク 方式 が 現 状 で の 解 答 とな るが 、 単結 晶 ブ レー トサ
イ ズ を大 き くす る努 力 が必 要 で あ る。 そ の 元 とな る低 欠陥 HPHTの 大 口径 化 と、 欠陥 の 増 え
な い CVDヨ ピー 技 術 の 向 には必須 で あ り、 見通 しは つ け られ そ うで あ る。 低 抵 抗 ウ ェ ハ に
つ い ては 、
HFCVDに よ り p型 で 高濃 度 で き る可能性 が 出 て きた が 、これ を高速 成 長化す るか 、
MPCVDで 同様 の こ とを可能 にす る必 要 が あ る。 n型 に つ い て は高濃度 ドー ブ と厚 膜 化 そ の t)
の へ の トライが必 要 で あ る。 研 究 用低 抵 抗 ・ 低 欠陥 ウ ェハ の 供 給 を急 ぐ必 要 が あ る。
デ バ イ スは 、p tt SBDは 、上 記 の 材 料物性 の 向 上 、 ウ ェ ハ 課 題 が 解 決 され れ ば、問題 は少
な い よ うに見 え る.MOSに つ い て は研 究 開 始 され た ば か りで あ り、A1203で 反転 層 観 測
(?)、
とい つた 報 告 もあ るが 、今 後 の 研 究 が待 たれ る。
2.物 性
K殻 の み で で き てい る高結 合 エ ネル ギー 材 料 σつた め 、特 異 な材 料
物 性 を多数 有す る.図 1に 他 ワ イ ド材 料 との 物性 比 較 を示 す。 ここで は絶 縁破 壊 電 界 の 教
値 と して 10MVた mを 用 い た .SiCが 注 目され 実用 化 が進 ん だ 最 大 の 理 由は、バ ン ドギ ャ ップ
ダイヤ モ ン ドは 、L及 び
が 5.48cVと 高 く絶 縁破 壊 電 界 が 高 い た め 、 高耐 圧 デ バ イ ス を低 損 失 で実現 で き る ところに
あ り、 ダイヤ モ ン ドもき ちん と した 素 子構 造 で 計 測 した正 確 な絶 縁 破 壊 電 界 の 情 報 が 待 た
れ る。 材 料 実測 デー タ と して 20MV/cmの 数 値 まで報 告 され て い るが [1]、 デ バ イ ス評 価 と し
て は 7.7MV/cmの 観 測 が 報 告 [2,3]さ れ て い る.こ の デ ー タを 図
2に 示す。 ダイ ヤ モ ン ド特
有 の 界面 で の 伝 導 (そ の 表 面 終端 処理 )、 適 切な電 界緩 和構 造 な ど、 正 確 な計沢1実 現 の た め
の 研 究進 展 と と もに 、本 来 の 数値 を明 らか にす る必 要 が あ る。 また ノくワー デ バ イ ス と して
関連 す る材 料 ・ 電 子物性 に つ い て 、 あわせ て表
1に 示す 。 そ の 他 オ ン抵 抗 に影 響 が 大 き い
電 子 ・ ホー ル の 移 動 度 、動 作速度 に影 響 す る飽 和 ドリフ ト速 度 や 誘 電 率 な ど有利 な特性 が
挙げ られ る.ド リフ ト層 想 定 の 濃 度 で の ホー ル 測 定 に よ る移動 度 は、電 子 (P)で 660cm2/Vs、
ホー ル (B)で 1870cmせ /Vsで あ る.P準 位 は 0.57oVと 深 く、 キ ャ リア濃度 は ドナー の 濃 度
よ り、補 償 比 で 殆 ど決 ま る.ホ ー ル と電 子 の 移 動度 とキ ャ リア 濃 度 の 温 度 依 存性 よ り、 高
温 で も比 較 的 高 い 移動 度 を有す る こ とが わ か って い る [46].但 し、 n型 は移 動 度 が まだ ホ
ー ル よ り相 当低 い こ とか ら、 高 品質 化 び)検 討 が 不 可 欠 で あ る。 パ ワー デ バ イ ス は用 途 に よ
っ て は常 時動 作状 態 に あ り、 自己発 熱 温度 で 200∼ 250(Cに 上 昇す るが 、 250℃ で は
-23-
SiCの
140∼
150に 比 べ て高 い 240 cm!/Vs(い ずれ もキャ リア濃度 @7x10い cm l)と な る。 冷却せず
断熱状態 で熱均 衡 を取 る こ とで 、高温 で キ ャ リアが 増加す る効 果 と併 せ て 、低損 失が実現
可能 であ る。 そ の様子 を SiCと 比 較 して 図 3に 示す [7]。 Baligaの 性能指教 (BFOM)[8]、
Huang指 標 [9]な ど報 告 され てい るが 、Ca203な どt)入 れ て 、また正確 な絶縁破壊 電 界、使用
温度 、熱伝 導な ど再 考 して 、 よ り実用 に近 い FOM比 較 を行 う4と 、
要 が あろ うか と思 われ る。
3.ウ ェハ
バ ル ク単結 晶
:
単結 晶 ウェハ 大面積 化 に 関 しては 、高温高圧 (HPHT)法 で 、概 ね 最 大 lcm角 程度 の サイ
ズが 得 られ てい る。 しか し、 これ以 上の サイ ズは望 め な いため HPHT法 による大 面積化 は実
質的 に 中断 され た ままであ る。 そ こで CVDを 用 い た手 法 に よ り大 面積化 へ の トライア ル が
な され てい る。 一つ はヘ テ ロエ ビであ り、 もう一つ は SiCの RAF法 の よ うに二次元的 に大
き くす る 手法であ る.
ヘ テ ロエ ビは Si,siCな どの 大面 積化 可能 な ウェハ 上の エ ビ [10,11]と 、 Ir等 の 金属上
へ の研 究 [12]を き っか けに 、様 々な基板 上での研 究が行 われ た
。現在 、Ir(100)/MgO(100)
上の成長 [13]や Ir/YSZ/Si上 の成 長 [14]な どが鋭 意研 究 され てい る。 前者 では 1イ ン
チ Φの結 晶 が 出来て い る。 ヘ テ ロエ ビの 欠点 は 、転移 欠陥 が 多 い こ とにあるが 、 Ir/YSZ/Si
上 の成長例 で厚膜 化す るこ とに よ り 10的 (教 um)か ら 10F cm 2台 (lmm)に 減少す る (厚 み 3
桁 で 、欠陥 3桁 )こ とが実証 され てい る [15]。 10'cm 2台 以 Fが 可能 にな るか興味深 い。
RAF法 と同様 のバ ル ク成長 は 3∼ 5mm角 程度 の 単結晶 をベ ー スに 、世 界最 大 の ハ ー フイ ン
チの 単結 晶 まで 得 られ てい る [16]ぅ
ダイヤ モ ン ドの 合成 では グラフ ァイ ト化 を防 ぐた め温
度 9001100℃ に試 料 を保持す る老、
要 が あるが 、 プ ラ ズマの ガ ス温度 の最 大は 3000℃ 近 くに
な る の で 、下部 か ら冷却 系 を導 入 し、結 果 と して 、著 しく大 きな温度 勾配 の 系 とな っ てい
る。 温度 勾配 に よる結 晶 の 歪みが 発生 し、現状 では この サ イ ズが 、 ほぼ 限界 に近 い。 この
問題 は 、 マ イ ク ロ波 プ ラ ズマ
CVD(MPCVD)の 抱 える本質的課題 で 、大 口径その他 の課題 に
t)共 通 の ()の であ り、解決策 の例 は い くつ か提 示 され てい る [17]。 後述 の 「モ ザイ ク結晶 J
を用 い る場合 で モ
)、
単結晶 プ レー トサ イ ズはな るべ く大 き い 方が よいの で 、必要 不可 欠 の
開発であろ う。
大 田径化
:
以上 の 状 況下で、提 案 され た の が 、複数 の 結 晶 を横 に接 続 して大 面積 にす る 「モ ザイ ク
結晶 Jで あ る。 これ はデ バ イ スの 場 合、 ダイ シングに よ リチ ップでサ イ ズ に分 害│さ れ るの
で 、接続 部 分 を ダイ シング ライ ン とす る考 え方 であ る。 ダイヤ モ ン ドの場合 、電流 密度 が
高 く取れ るの でチ ップサ ィ ズを小 さくす る ことが 可能 であ る とい うことと、SiCと 最近 の 高
密度 実装技術 か ら、電流密度 250A/c m2は 可能 であるので 、実用化 可能 と考 え られ る。 単結
晶 ブ レー トサイ ズ とデ バ イ スサィ ズのずれ は 、最大
30%程 度 の木使 用部分 を生む とい う問
題 が あ るの で 、単結晶 プ レー トサイ ズの 異な る ウェハ を用意 し、デ バ イ スサ イ ズ に応 じて
使 い 分 け る事 に よ り、未使用部分 は 107)以 下 に抑 え られ る。
「モ ザイ ク結晶」を記述す る前 に 、そ の 前梶技術 とな る 「コ ピー 技術
J概 要 を記載す る
-24-
上 記 の ハ ー フ イ ンチ 結 晶 を複 数 得 る には 、 ス ライ スす る こ とが 必 要 で あ るが 、 ダイヤ モ ン
ドの レー ザ ー に よ る ス ライ ス は大 き い サ イ ズ に な る と、 入射 深 度 や 切 り しろ 発生 な ど様 々
な 問題 が 発 生す る。 そ こで リフ トオ フの 手法 が 検 討 され た .イ オ ン と 入 に よ り表 面 か ら 1
∼ 2μ m深 い ところ に ダ メー ジ層 を作 り、追成 長 を行 っ た後 、 ウ ェ ッ トエ ッチ ン グに よ リグ
ラ フ ァイ ト化 した 部分 を除 去 し、追成 長 部 分 を リフ トオ フで 取 出す 手法 で あ る [18]。 この
例 で は 3MeV注 入で実験 して い るが 、200keV注 入 を用 い て ()可 能 な こ とは確 認 してお り十分
工 業 化 可能 な技 術 で あ る。「モ ザ イ ク結 晶」 は 、 こ う して 出来 た 兄弟 ウ ェ ハ が 、 全 て結 晶 の
オ フ 角、オ フ 方向 が 揃 つて い る とい う特 徴 を用 い て 合成 され る。 この ブ ロセ ス フ ロー を図 4
十
に示す [19]。 兄弟 ウ ェ ハ の 場 合 ステ ッフ が 同 一 方 向 に連続 に な るた め 、 ステ ップ フ ロー 成
ヨ
長 に 大 きな支 障 が 発生 しな い。 こ うして接 合 され た ウ ェハ を元 に 、さ らに ビー を行 うと、
ズ
完 全 一 枚 板 に な つたモ ザ イ ク状 の ウ ェ ハ を得 る。 本 手 法 を用 い て 2イ ンチ 相 当 の サ イ が
実現 で き て い る。図 5に 最 近 の ウ ェハ サ イ ズの 変遷 を示す [20,21]。 この 技 術 と長波 長 化 、
大型 設備 に関す る技術 開 発 で 、4イ ンチ や 6イ ンチ ヘ の 大 口径 化 は、将 来可能 か と考 え られ
る。
(HF)CVDを 用 い て 80年 代 後 十に Si
を基板 と した 10∼ 20μ m厚 程 度 の 多結 晶 ダイヤ モ ン ドウ ェ ハ の 開発 が進 み 、既 に 2∼ 4イ ン
チ が 実用 化 され て い る [22].HFCVD法 は 、 各種 ダイ ヤ モ ン ド製 品 の 合成 に用 い られ て い る
手法 で 、低 速 合成 (1∼ 5μ m/h)で あ る t)の の 、面積 は 300mm、 450mmサ イ ズ まで で も大 き く
大 口径 対応 の 設備 に関 して は 、 ホ ッ トフ イラ メン ト
MPCVDは 2.45GHzの ISM帯 を用 い て い るが 高 出 力電源 が な く、
す る こ とが可能 で あ る。一 方 、
大 面積 ・ 高速 合成 は難 しい .欧 米 で は ITUで 定 め られ た ISM帯 周 波 数 915MHzの 使 用 が 可能
なた め 、波長 を長 く した大面積 対応 可能 な設 備 が 利 用 可能 で あ る。4イ ンチ Φが 可能 で あ る。
また 大 出 力 の 電 源 が 可能 で あ り、 高速 合成 も 可能 で あ る。 現 在 で は 合成 圧 力 が 高 くな り、
100 400Torl・ で 50 150μ l打 hの 高速 合成 が 主流 に な つて い る [23,24]。 そ の 他 最 近 の 流れ を ま
とめた解 説 もあ り、参 照 され た い [25].
欠陥
ノくワー デ バ イ スの 用 途 とデ バ イ ス構 造 を考 え る と、低 出 力 、 高周 波 用途 は 、 Si
:
お よび GaAs、
InP及 び GaN tt MESFET、 特 に高 パ ワー で AlGaN/GaN
HEMTの
MOSFET
高 移 動度 に
「能 で あ る。 一 方、 SiCが Siを 高 出 力・ 高耐圧 分 野 で 、 まず は ユ ニ ボー ラデ
か な う事 は不 百
バ イ スか ら、そ の 低損 失 を活 か して リブ レー ス しつ つ あ る状 況 を 見 る と、 ダイ ヤ モ ン ドは
バ ス
後者 の 系譜 に属 す るで あ ろ うウ ェ ハ と して は 、 上 記 記 載 の 絶 縁 型 で は な く、最 終 デ イ
の 低 損 失 化 を 目指 した 低抵 抗 ウ ェ ハ が 不可 欠 とな る。 さ らに 、 この 用 途 の デ バ イ ス構 造 は
縦 型 で あ り、 同時 に低 欠陥 が 不 可 欠 にな る。
エ
欠陥 に 関 して は X線 トボ グラ フ ィ、 ドライ エ ッチ に よ る エ ッチ ビ ッ ト観 察 (ウ ェ ッ ト
ッチ ン グは 困難 )、 デ バ イ ス との 相 関解 析 な どで 欠陥 に つ い て の 解 析 が 漸 く始 ま つ た ところ
で あ る.こ れ ら と併せ て 、 バ ン ドギ ャ ッブ が 大 き い た め 電 子 線 を用 い た カ ソー ドル ミネ ッ
セ ン ス (CL)が Jrm在 同定 に有 力手段 とな つてい る。 CLで 観 測 され る典 型 的 な バ ン ド Aと 呼
ばれ る欠陥 が 、 X線 トボ グ ラ フ ィで観 測 され て い る こ とな どが 明確 に観 察 され て い る [26].
理 論 及 び これ まで の 転 位 及 び バ ー ガー ズベ ク トル の 解 析 か ら、 刃状 (edge)貫 通 欠陥 、 各
-25-
種 の 混 合 (Mixed)貫 通 欠陥 な どが示 唆 され て い る [2729]。
表 2に ダイヤ モ ン ドの 貫 通 欠
の
陥解 析 例 を示す 。 現 在 の 結 晶 は概 ね 10!∼ 10‐ 台た m2と ぃ うところで あ る シ ョ ッ トキー
。
バ リア ダイ ォー ドで Murphyプ ロ ッ ト (面 とデ バ ス
積
イ 生 存 率 か ら欠 陥 を推 定す る一 手段 )
を 作成 す る と、慨 ね 欠陥 教 は 101台 /c m2で ぁ り、老、
ず し も欠 陥 全 てが デ バ ィ ス に大 き く影響
す る 、 と い うこ とで は な さそ うで あ る。 しか しどの 欠陥 が どの よ うな影 を及 ぼす か
響
は研
究途 上 で 、未 だ よ くわ か っ てお らず 、今 後 の 解 析 が 待 たれ る。 ダイ ヤ モ ン ドは バ ル ク
、
、
エ ピ問 わず CVDに よ るエ ピ成 長 す るた め
の
、表 面処理 影 響 は大 き く、uvア シ ス ト研 磨 な ど
加 工 技 術 開発 も極 めて 重 要 で あ る [30,31]。 最 近 、電 子線 誘 起電 流 法 (EBIC)を い
用 てデ バ
イ ス と欠 陥 の 関連 性 を探 索 す る研 究 な ど ()開 始 され て い る [32]。
低 欠陥 基板 実 現 に 関 して 、種 とな る
既 に実 現 され て い るが [33,34]、
て 低 欠陥
HPHT(高 圧 高温 )結 晶 で は 、既 に超 低 欠 陥 の もの が
こ うい っ た 低 欠 陥結 晶 を元 に上 記結 晶 コ ピー 技 術 を用 い
CVD基 板 が 開 発 され つつ あ る。 現 状 で は 、 まだ小 さい 限 定部 分 で あ るが 、400/cm2
程 度 の 低 欠陥
CVD結 晶 の 作 製 を実証 した 例 が あ る [35]。 図 6に この 状 況 を示す 。 これ らの
技 術 の 発展 に よ り、低 欠陥 ウ ェハ は 、将 来十 分 可能 に な る ()の と予 想 され る
。
低抵抗
:
低 抵 抗 ウ ェ ハ は 縦 型 デ バ イ スの 場 合 、最 終 的 な オ ン抵 抗 を決 め る の で 、極 め て重 で あ
要
る。 最 終 的 に必 要 とな るデ バ イ ス の オ ン抵 抗 に 合 わせ るた め (熱 抵 抗 を 下 げ る
目的 と併 せ
て )ウ ェ ハ バ ックラ ップ な どを実 施 す る こ とも通 常 行 われ るが
、薄 膜 化 に モ
)限 界 が あ るた
め 、 ウ ェ ハ は な る べ く低抵 抗 で あ る こ とが 望 ま しい 。 looA以 上の
電 流 を流す 低 損 失デ バ イ
ス に は 、現状 の SiCレ ベ ル 0.ol Ωcm、 で きれ ば 0.005(2cmが
望 ま しい。 縦型 で 高 出 カデ バ
ス
イ を 目指 す 際 の 抵 抗 率 と ウ ェ ハ 厚 み の 関係 を図 7に 示す 。 n型 は前 述 の よ
うに n十 形成 ま
で ハ ー ドル が 高 い が 、 p十 は 既 に 得 られ て い る の で 、そ の バ ル ク 技 に焦 が
化 術
点 絞 られ る。
仏 CNRSの グル ー プ が 、 マ イ ク ロ波 CVDを 高 エ ネル ギー 密度 (60W/c m3)で 用 い て 300um厚
、
の 10的 cm t台 の Bド ー ブ 膜 を 作成 して い る [36]。 これ で 概 ね
数十 Ω cm程 度 と見 られ る。最 大
の 問題 は 、Bが 原 因 で 装 置 の 中 に 「スス」 が 堆 積 し、マ イ ク ロ
渡 導 入 窓 に付 着 す る と反 射 渡
が 大 き くな っ て 危 険 な こ とで あ り、現 状 は 10抑 cm Ⅲ台 に 入れ た 程 に ま っ い
度 留
て る ところか
ら打破 す る必 要 が あ る [37]。 最 近 これ を 、HFCVDを 用 い る事 に よ っ て 、一 桁
高濃度 ドー ビン
グで きた事 が 報 告 され た [38]。
この 数 値 は 、前 述 の 所 望 され る抵 抗 率 を満 足 して い る。図 8
に 、 合成 法 の 違 い に よ る p十 高濃度 ドー ビン グの 差 を示 す 。 合成 法 の い に よ り
違
、不純物 の
取 り込 み に 違 いが で きて い る訳 で 、原 因 を探 る こ とで 、MPcvDで も可能 に な るか しれ い
も
な 。
4.デ バ イ ス
ウ ェ ハ が 前述 の 状 況 で あ るた め 、 デ バ ィ ス研 究 に は実 質 的 に 、小 型 の 絶縁 基
板 しか 供 給
され てお らず 、「パ ワー Jデ バ ィ ス と呼 べ る高 耐圧 ・ 高 出 カデ バ イ スの 研 究 は殆
例
どな く、
基礎 研 究段 階 にあ る。 概 要 は既 報 を参 照 され た い [39]。
唯 一 多少 の 電圧 、電 流 で の 動 作 が 見 られ て い る の が シ ョ ッ トキー バ リア ダイ ォー ドで あ
る
P型 層 を ドリフ ト層 に した SBDが 研 究 され て い る。コ ン タ ク トは ォ ー ミック セ)シ ョ ッ トキー
も時 に大 きな課題 は な い 。 ォ ー ミ ックは 依 然 よ り超 耐 熱性 が 知 られ て い て [40]、
-26-
この 数 年
の 研 究 で シ ョ ッ トキ ー t)、 カー バ イ ド[41]、 非 カー バ イ ド[42]共 に 400500℃ 耐熱性 を備 え
て い る。 絶縁 基板 上に
p層 を積 層 した疑 似 縦 型 で
150口
mΦ の 小型 素 子で
10kVを 越 した 高耐
圧 デ バ イ スの 報 告 例 が あ る [2],電 界緩 和構 造 で A1203の FPを 設 けた研 究例 ()あ り、 大電 流
に つ い て は 、縦 型 小型 デ バ イ ス
lmm」
で 250℃ 5A動 作 の 報 告 が あ る [43].高 温動 作 に つ いて
は 、 室 温 で 出払 い 領 域 に達 して い な い た め 、温 度 が あが る とキ ャ リア 増 と散 乱 の 関係 で 、
室 温 か らい つ た ん上 昇 し、 250℃ 程度 を境 に高温側 で 減 少す る。 これ は 高温 で の 使 用 で焚動
が 少 な い とい う利 点 と 、温 度 上 昇 に よ る出 力現 象 の トレー ドオ フ が な い とい う利 点 を有す
る。 SBDの スイ ッチ ン グ特性 の 計 測 モ
)行 われ てお り、250て 動 作実 証 した ほか 、 15nsecの 高
60nJの 小 さな ス イ ッチ ン グ損 失 が実 証 され た [39,44]。 これ を図 9に 示す。
速 ス イ ッチ ン グ、
シ ョ ッ トキ ー ダイ オー ドの 類 似 デ バ イ スで は 、 シ ョ ッ トキー pnダ イ オー ドで
n層 を ドリ
フ ト層 に使 つ た試 作例 [45]、 pinダ イ オー ドの 試 作例 [46]が 報告 され て い る。
トラ ン ジ ス タは 、 さ らに基礎試 作 の み の 段 階 で あ る.JFETと して斜 め (111)面 の
ll■
層を
使 っ た焚 貝叫構 造 で試 作 が な され てお り、 ノー マ リー オ ンで トラ ン ジ ス タ動 作 が 確認 され て
い る [47].MOSFETで t)い くつ か 反 転 層 を形 成 す る試 み が 行 われ てい る。図 10に ダイヤ モ ン
ドの 表 面終端 の 状 況 と各種 絶 縁 膜 の バ ン ドア ライ メン トを示す 。S102,A1203が 適 してお り、
0終 端 で試 作 した結 果 が 報 告 され てい る [48].反 転 側 で もれ 電 流 が 大 き く、まだ解 釈 モ
)別 れ
る と ころで あ ろ う。 最 新 [49]で は 、 同様 の 0終 端 と A1203で 界面 準位 密度 3x10附 cm」 eV lを
観 測 した 、 とヽヽう報 告 t)な さオした 。
5.ま とめ
以 L見 て きた よ うに 、本 稿 で は ダイヤ モ ン ドの 現 状 と各 技 術 の 課 題 と見通 しに つ い て述
べ た 。 物性 値 と して 最 も重 要 な絶 縁破 壊 電 界 の 現 状 観 演J最 高値 7.7MV/cmを 越 す た め び)き
ちん と した素 子構 造 で の 計 測 と高 い 数 値 の 実現 は不 可 欠で あ る。 また n型 は 、 さ らな る低
抵 抗 、高 品質 化 (高 移 動 度 )が 不 可欠 で あ る
!ッ
ウ ェ ハ に関 して は 、種 結 晶 は 欠陥 レベ ル か らす る と<100cm 2が 可能 で あ り、 見通 しが き
く,大 日径 化 は 、 モ ザ イ ク方式 が 現 状 の 解 答 とな るが 、 革結 晶 ブ レー トサ イ ズ を大 き くす
る努 力が 老、
要 で あ る。そ の 元 とな る低 欠陥
HPHTの 大 日径 化 と、欠陥 の 増 えな い CVDコ
ビ
ー 技 術 の 向 上 は老、
須 で あ り、 見通 しは つ け られ そ うで あ る。 大 型 ・ 高速 合成 可能 な設 備 技
術 が 不 可欠で fflる 。低抵 抗 ウ ェ ハ に つ い て は 、HFCVDに よ り p型 で高 濃度 で き る可能性 が
出 て きた が 、 これ を高速 成 長 化す るか 、MPCVDで 同様 の こ とを可能 にす る必 要 が あ る.n
型 に つ い て は 、 高 品質 以 外 に高 濃 度 ドー ブ と厚 膜 化 そ の モ
)の へ の トライ が 必 要 で あ る。 ま
た 本稿 で は 省略 したが 、各種 加 工 技 術 開 発 は急 務 で あ る.と にか く、研 究 開 発用 の 低 抵 抗 ・
低 欠陥 ウ ェ ハ 供給 は急 務 と考え られ る.
デ バ イ ス は 、p tt SBDは 、絶 縁 破壊 電 界な ど材 料物 性 の 向 上、 ウ ェ ハ 課題 が 解 決 されれ
ば 、問題 は少 な い よ うに 見 え るc
反 転層 観 測
(イ
P)、
MOSに つ い て は研 究 開 始 され た ばか りで あ り、A1203で
界面準 位 密度 3× 101Scm 2cV lと い つた 報告 t)あ るが 、今 後 の 研 究 が 待 た
オしる。
-27-
引用文献
1)M I Landstrass,M.A.Plano,MA.Moreno and S.McWilliams,
Diamond and Relatcd Matcrials,2(1993)pp.1033-1037
2)RN.Volpc,RMuret,J Pcmot,F.Omnes,T Tcr句
1,YKoidc,F.Jomard,e,Appl.Phys.Lett,97(2010)223501
3)P N Volpe, P Murct, J.Pemot, F,Omnes,T.Tcr句
1, F Jomard, D Planson, RBrpsselard, N,Dhclllェ
B.Vergne,and S.Scharnh01tz,Phys.Status Sohdi,A207(2010)pp.2088-2092
4)T Tertti,H.` Vada,M Yamamoto,K.Arima,and T Ito,
Diamond and Relatcd Matcrials,15(2006)pp.602‐
60670
5)M.Katagiri,J.Isoya,S Koizumiand H Kanda,App.Phys.Lett,85(2004)pp.6365-636
6)R.Ohtani,T.Yamamoto,S Janssens,S Yamasaki and S.Koizumt,Apl.Phys.Lctt,105(2014)232106
7)S Shikata and H Umezawaぅ
Synthcsiology,6(2013)pp.152-161
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15)C.Stehl, M.Fischer, S Gscll, E Berdclmann, M S Rahman, M.Traeger, 0.Kleain, M Schrcck,
Appl.Phys.Lctt,103(2013)151905
16)y MokunO,A.Chayahara,y soda,H Yamadaぅ Y Horino,N Fttimori,
Diamond&Rclated Matcrials 15,455(2006)
17)鹿
1日
、梅 澤 、力11藤 、人曲 、│││IJ、 坪 内 、在野 、茶 谷原 、第 27回 ダ イヤ モ ン ドシ ンホ ジ ウム p220(2013)
18)Y MokunO,A.Chayahara and H.Yamada,Diamond and Rclatcd Matcrials 17,415(2008)
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20)H.Yamada,A.Chayahara,Y Mokuno,N Tsubouchi,S.Shikata,
Diam Rclat Mate■
33,27(2013)
21)H.Yamada,A.Chayahara,YMokuno,YKato and S Shikataュ
22)鹿 円、 弾性 渡 デ バ イ ス技 術 、 オー ム 千
11、
Appl.Phys.Lctt 104,102110(2014)
第 二章
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-28-
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45)ToMakinO,KoOyama,H Kato,D.Takcuchi,M.Ogura,H.Okushi and S Yamasakl,
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46)M.SuZuki,T.Sakai,T.Makino,H.Kato,D Takcuchi,M.Ogura,H.Okushi and S.Yamasakl,
phys sta.sol.,210(2013)p2035
47)T.IwaSaki、
`
rHoshinO, K Tsuzukt,H.Kato, T Makino, M.Ogura, D Takeuchi,T.Matsumoto,
H.Okushi,S.Yamasaki and M.Hatano,Applicd Physics Express 5(2012)091301
48)K.Kovi,O Vallin,S.Mttdi and J・ lsbcrg,IEEE Elcctr.Dcv.Lctt,36(2015)pp.603-605
49)JoPemOt,A.Marcchal,T.Pham,G.Chicot,D.Eon,E Checraert,and RMurct,
Ncw Diamond and Nano Carbons,May 24 Shizuoka proc.,pl14(2015)
-29-
0
5
1000
絶縁破壊電 界 (MVた m)
移 動 度 (cm2/vs)
Diamond
GaN
SiC
Si
0246810121416
012345
(Wた mK)
熱伝導率
バ ン ドギ ャ ップ (ev)
図 1各 種 材 料 の 物性 比 較
表
1
ダイヤ モ ン ドの電気的性 質
5 48eV
ず
抵抗率
誘 電率
57 (300K)
ず
絶縁破壊電界
77MV/cm
げ
バ ンドギャップ
ic1 3∼ 1014Ω crn
げ
ず
(実 演1報 告例 あり)
ず
寝々<↓ふ
C
遊多じ
や
金
あ奪じ
埼や
β,
(デ バ イスでの観 測例 あり)
20MV/cm
,6
‐
4
-3
Voitago【 kv,
飽和 ドリフト速度
1 l x 107cm/S
アクセプタ
ドナー
B 036eV
電子移動度 (P)
660cm2v ls l(室 温 )
ホール移 動度 (B)
電子親和 力
図2
絶縁破壊 電 界 の 実証例
(白 、赤は フロ リナ ー ト中、
青 は真空 中の 計測 )
-30-
P 057∼ 0 6eV
1870cm2v ls l(室 温 )
+0.5eV (100)2Xl)
-1 3eV (100)2Xl:H終 立
市)
+1 7eV (100)l XliO終 封
嵩)
出■
一
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図
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覇轄 F4‐ (V)
3 SiCと
ダ イ ヤ モ ン ドの 特性 オン抵抗 の温度 依存性
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図4
モ ザイ ク単結晶 の 作製 ブ ロセ スフ ロー 図
班 萩競
図5
モ ザ イ ク 事結晶 の 大型 化 の 変遷
(40x60mm2以 外 は 、 リフ トオ フ済 の ウ ェ ハ )
-31-
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営
表2
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ダイヤ モ ン ドの 貫通 欠陥 の例
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低 欠陥種 結 晶 を コ ピー して 作成 した 低 欠 陥 CVD単 結 晶
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図 7
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Brc retio tn tね
態演率 (Ω c碑 】
縦 型 で 高 出 カ デ バ イ ス を 目指 す 際 の
抵 抗 率 と ウ ェ ハ 厚 み の 関係
-32-
図8
,04
e gas phase(pp確
)
合成 法 の 違 い に よるp十 高 濃度
ドー ビン グの 差
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図9
スイ ンチンク■十
41
キ
シ ョ ッ トキ ー ダイオ ー ドの スイ ッチ ン グ特性
2
ン
熙
熙 熙
-1
-2
-3
-5
-6
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一一
・ ・・
-4
熙
0
一 一回
F せ ︱ 牛 ミ や HG 鮒 軸 翌 鮒 割 賦
1
-8
-9
-10
Si Sitt C面
4H― SiC
[珂
10
H non O Si02 A1203 Si3N4 Hf02 Zr02
Diamond
M()S用 絶 縁 膜 の バ ン ドア ラ イ メ ン ト
-33-
Fly UP