...

FPU NEWS 第84号

by user

on
Category: Documents
30

views

Report

Comments

Transcript

FPU NEWS 第84号
http://www.fpu.ac.jp/index.html
■発行/公立大学法人 福井県立大学
2014年3月31日発行
福井県吉田郡永平寺町松岡兼定島4-1-1
TEL.0776-61-6000 FAX.0776-61-6012
84
No.
2014
福井県立大学広報
王立ブータン大学の学生と教員25名 来学 !
日本とアジア大 洋 州 地 域をつなぐ青 少 年 交 流 事 業
「JENESYS2.0」
の一環で福井県を訪問している王立ブー
タン大学の学生と教員が、
3月14日
(金)、福井キャンパス
を訪れました。
歓迎交流会には、本学学生だけでなく、福井大学、仁愛
大学の学生も参加。遠くブータン王国から福井を訪れた
23名の学生を歓迎しました。
今回の交流会はブータン大学の学生にとっても県内学
生にとっても、国境を越えて同世代と交流できる貴重な体
験となりました。
生け花と茶道の体験をするブータン大学のみなさん
王立ブータン大学の学生と教員25名 来学! ………………………………………………………………… 1
県大ニュース
バイオインキュベーションセンター/福井県科学学術大賞 濱野准教授 受賞……………………………… 2
小浜ニュース
研究紹介 海洋生物資源学部 田原大輔准教授 ………………………………………………………………… 3
恐竜学研究所/キャリアデザイン特別講座 …………………………………………………………………… 4
就職内定者の声 …………………………………………………………………………………………………… 5
王立ブータン大学の学生との交流会開催/企業見学会 ……………………………………………………… 6
インターゼミナールコンテスト ………………………………………………………………………………… 7
県大トピックス/本学関係者の出版の紹介 …………………………………………………………………… 8
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
1
FUKUI CAMPUS
県大NEWS
FBICの機能
Bio-incubation center
バイオインキュベーションセンター開設
1月28日、福井キャンパスにバイオインキュベーションセンター※(FBIC)
を開設しました。生物
資源学部微生物棟の一部を改造して活用します。
魚醤類の
開発・生産
発酵
オープンラボ
微生物
開発・培養
FBIC
本学では、
これまで産学連携によりワインやビール、魚醤等の製品を開発し商品化するなど、酒類
や発酵食品の製造に繋がる多くの研究成果を出してきました。
FBICは、本学が保有するこうした
研究成果を基に、
より多くの民間企業へ、技術の移転や発酵技術のコンサルティングなどを行うこと
バイオ新事業
開発支援
発酵技術
コンサルティング
によって、
地域のバイオ産業の活性化を図ろうとするものです。
※ インキュベーションとは、親鳥が卵を温めてヒナをかえすように、新事業を生み・育てる事を意味します。
■FBICの大きな特徴は、発酵関連の開発設備を県内の企業に開放することにあります。既に、福井の老舗醤油メーカー(株)室次が入居しており、新た
に設立されたバイオベンチャー「福井ビオテック(株)」と共に本学と連携し、既に販売に至っている減塩醤油「旨醤」の大量生産技術や、新しい魚醤
油の開発に取り組んでいます。
■今後、FBICを地域のバイオ技術開発拠点とし、産学官連携を積極的に進めることによって福井発の新商品を提案するとともに、研究開発を通じて、
バイオものづくり人材の育成を目指しています。
生物資源学部 濱野吉十 准教授
第9回 福井県科学学術大賞 受賞
生物資源学部 濱野 吉十准教授は、ペプチド系抗生物質の生
産を担う新奇微生物酵素を発見した業績が評価され、第9回福
井県科学学術大賞
(福井県版ミニ・ノーベル賞)
を受賞しました。
濱野准教授は、微生物から合成される抗生物質のストレプトス
リシンとポリリジンの遺伝子を初めて特定し、
これまでにない合
生物資源学部 准教授 成酵素によって形成されることを解明しました。
さらに、動物細胞
濱野 吉十(はまの よしみつ)
への毒性が強いストレプトスリシンの構造を改変し、抗菌性を
[専門分野]
応用微生物学、
天然物化学、
生物化学、
分子生物学
博士
(工学)
保ったまま毒性を下げることに成功しました。発見した合成酵素
をさらに改良することにより、新たな医薬品やバイオプラスチック
の開発が期待されます。
授賞式の様子
「最先端の研究を福井から世界へ」
を合言葉に
思いもよらぬ受賞で大変恐縮しています。
受賞対象の研究テーマは、
私が2003年に本学に着任し
てから立ち上げたオリジナルな研究テーマであり、
このように福井県に高く評価されたことは、
県立大学の教員として大変大きな喜びです。
これからも、
研究室の合言葉である
「最先端の研究を
福井から世界へ」
を忘れずに、
キラリと光る研究を続けたいと思っています。
最後に、
共同研究者、
学生の皆様に改めて感謝申し上げます。
生物資源学部 准教授 濱野 吉十
2
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
■福井県科学学術大賞
福井県内で科学技術の開発または学術研究
に携わり、福井県の発展に大きく貢献した研
究者等を顕彰する福井県の表彰制度です。
昨年の看護福祉学部の本田教授に引き続
き、
本学教員が2年連続の受賞となりました。
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
3
OBAMA CAMPUS
小浜NEWS
子どもたちに、
豊かな九頭竜川を
受け渡していくために
伝統的食文化の再生をめざす
永平寺町にある福井キャンパスと小浜市にある小浜キャンパス。本学のこの2つの地
域を結び、
海洋生物資源学部の田原大輔准教授の研究が今大きく動きだしています。
昨年12月、
田原准教授は小浜水産高校との高大連携で養殖試験を進めていた
「アラ
レガコ」
を初出荷。成魚までまとまった数を養殖することが難しい、
とされてきたアラレ
ガコの飼育技術の確立に成功しました。
これにより、
九頭竜川流域の多くの方々の手で
進められている
「九頭竜川のアラレガコ伝統食文化の復活」
に向けた活動が、
また一歩
前進しました。
九頭竜川 提供
(公益社団法人 福井県観光連盟)
伝統文化の復活を、九頭竜川の環境保全につなげていく
九頭竜川流域では昔から、
アラレガコを漁獲
た行為のようにみえますが、養殖によりアラレ
するための伝統漁法(網戸漁やエバ漁)
や、甘露
ガコの郷土料理を食べることができるようにな
た。
このような九頭竜川のアラレガコ伝統文化は
ガコ伝統文化への関心が再起し、九頭竜川のア
煮や蒲焼などの独特の食文化が発達してきまし
全国的に類を見ず独特であることから、
この文化
れば、流域住民の皆さんにアラレガコやアラレ
ラレガコが絶滅の危機にある現状を理解しても
の元を保護するためにアラレガコ生息地が昭和
らえると考えています。こうした流れが起これ
た。つまり、
この郷土の文化財(天然記念物)を
気運が高まっていくのではないでしょうか。
10(1935)年に国の天然記念物に指定されまし
守っていくには、
アラレガコの保護だけでなく、
そ
の伝統漁法や食文化も継承していくことが必要
ば、自ずと九頭竜川のアラレガコ保全に向けた
今後、本学や福井県内水面総合センター等
の研究機関、福井県や九頭竜川流域の市町な
となります。
どの行政、そして九頭竜川流域住民も含めた三
る一助として、アラレガコの増養殖研究を続け
に取り組み、郷土の文化財であるアラレガコ伝
私は福井県のアラレガコ伝統文化を継承す
ています。一見すると、養殖 と 保全 は相反し
者が一体となって、九頭竜川アラレガコの保全
統文化を継承できる日を切に願っています。
から揚げ
刺身
網戸
(あど)
網漁
エバ漁
伝統漁法
甘露煮
アラレガコ
海洋生物資源学部 准教授 田原 大輔 (たはら だいすけ)
[専門分野]
魚類生理生態学、
水産増殖学
2004年より、
内水面養殖の振興およ
び天然資源の回復を目指し、
福井県
の地域特産種であるアラレガコを
中心とした淡水カジカ類の増養殖
に関する研究を行っている。
博士
(水産科学)
焼き物
伝統料理
九頭竜川プロジェクト
伝えよう!九頭竜川の食文化
∼アラレガコ、
サクラマスの郷土料理∼
昨年11月に、九頭竜川プロジェクトの一環として、九頭竜川流域市町の後援を受けて
「伝えよう!九頭竜川の食文化∼アラレガコ、
サクラマスの郷土料理」
をテーマにしたミニ
シンポジウムを開催しました。
九頭竜川のアラレガコ・サクラマスは、
かつては重要な内水
面漁業資源として、
九頭竜川流域で広く食されてきました。
しかし、近年では食材となる天
然ものが獲れなくなり、
九頭竜川の食文化が消滅の危機にあります。
シンポジウムでは、九頭竜川の漁や伝統食、
アラレガコ・サクラマスの郷土料理が紹介
されました。
このような九頭竜川に残る食文化を学び、
その文化的、資源的、環境的価値
について議論を深めました。次回はアラレガコ・サクラマス等の試食会も兼ねたシンポジウ
ムを企画しています。
ぜひ一度、伝統料理を味わって、
さらに九頭竜川の環境について一緒
に考えていきましょう。
2
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
「九頭竜川のアラレガコ伝統文化」
について講演する
田原准教授
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
3
恐竜学研究所
1
タイの国立大学研究所と学術交流協定を締結しました
昨年12月、
恐竜学研究所は、
タイ国立ナコーン・ラチャシーマ・ラジャバット
大学附属珪化木鉱物資源東北調査研究所
(通称コラート化石博物館)
と、
共
同研究の推進と相互交流などを図り、
学術交流協定を締結しました。
恐竜学研究所の東洋一教授は
「福井県立恐竜博物館とコラート化石博物
館とは、
2007年より恐竜化石共同発掘調査を実施しており、
その中で、
新種
の草食恐竜の発見や命名、
さらに全身骨格の復元もなされました。
今回の締
結によって発掘や研究がさらに充実し、学生や研究者の交流がより活性化
することを期待します」
と話しました。
協定締結の様子
2
世界最古の鳥の卵殻化石を確認しました
3月17日
(月)
恐竜学研究所は福井県勝山市に分布する北谷層
(白亜紀前期、
1億2千
万年前)
で24年前に発見されていた卵殻化石が、
鳥類のものであることを発表しました。
研究したのは恐竜学研究所の研究生である今井拓哉さん。
今井さんは、
米モンタナ州
立大学在学中より恐竜の卵の化石について研究しており、
昨年9月から恐竜学研究所に
在籍しています。
この成果は3月21日
(金)∼23日
(日)
に開催された
「アジア恐竜国際シンポジウム福
井
(会場 福井県立大学など)
」
でも発表されました。
右)
恐竜学研究所 東洋一教授
左)
恐竜学研究所 今井拓哉研究生
新発見の概要
● 鳥類の卵化石は白亜紀後期
(約7,210万年∼8,360万年前)のものがこれまでで最も古いが、
今回の新発見はこの鳥類卵化石を5000万年近くも遡る白亜紀前期のものであり、極めて珍し
く、現在世界最古のものとみられている。絶滅した原始鳥類が、既に白亜紀前期には現生鳥類と
非常によく似た卵殻構造を有していたことを示している。
● 今回の化石の発見は、
1億2千万年前の北谷で、鳥類が繁殖していた証拠といえる。
勝山市に分布す
る北谷層で、24年
前に発見された
卵殻化石。
3
デイヴィッド・ヴァリッキオ博士による講義を行いました
恐竜の生態や小型の獣脚類の研究で世界的に著名なデイヴィッド・ヴァ
リッキオ博士
(米モンタナ州立大学准教授)
が本学で講義を行いました。
11月に開催した特別公開講座で反響があった
「恐竜の卵と繁殖」
につ
いて
「地球生命史学」
で講義。約80名の学生が受講しました。
通訳を務めたのは恐竜学研究所
柴田講師。
キャリアデザイン特別講座開催
企業で働く女性社員と
学生との交流会
キャリアデザイン概論では実際に企業を訪問する企業見学会な
ど、
働くことの意義とキャリア形成の重要性を学ぶフィールドワーク
をさまざまな形で取り入れています。
11月26日
(火)
、
28日
(木)
の2回にわたり、
企業で働く先輩女性
社員を招き、
職務内容、
仕事のやりがいをはじめ女性の仕事・将来設
計について懇談する交流会を開催しました。
様々な分野で活躍している先輩女性から直接話を聞ける機会と
いうこともあり、
50名の2・3年次生で満席となった会場では、
学生か
ら次々と質問が投げかけられました。
4
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
交流会は3つのテーブルに分かれ、
20分ごとにテーブルを移動することで、
全ての女性社
員から話を聞くことができました。
11月26日
(火) 13時∼
■会場/地域経済研究所 企業交流室
■参加企業・団体/アボットジャパン株式会社、福井貨物自動車株式会社、福井県総務部
11月28日
(木) 13時∼
■会場/地域経済研究所 企業交流室 ■参加企業・団体/株式会社 GAIA、松文産業株式会社、福井県国民健康保険
団体連合会、福井商工会議所、国立大学法人 福井大学
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
5
就職内定者の声
自分を知ること +相手を知ること。
そして、
「素直」
に本音を語ること。
内定先
アイシン・エイ・ダブリュ工業株式会社
経済学科 4年 前田翔太朗
就職活動の選考において自分を売り込むためには、自分を知ること+
相手を知ることが必要です。
そのために私が重視したことは2つあります。
第一に自分を知るために、様々な可能性を考えることです。興味のある
業界、
ない業界、興味のある会社、
その会社の取引先・ライバル会社、向い
ている職種、
向いていない職種など全て理由を付けて考えました。
第二に相手を知るために、相手の立場に立って考えることです。会社に
よって求めている人材は違います。全ての会社で話が上手い人が欲しい
わけではないと思います。
また、
よくコミュニケーション能力と言われます
が、
これは話す能力より、聞き取る能力のことであると思います。
これは就
職活動を通して感じました。
また、面接試験では飾らず、素直に本音を答
えるといいと思います。面接官も当たり障りのない回答ばかりの中に、一
人だけ
「この学生は本音だな」
と感じる学生は評価するそうです。
「教員になりたい」
その目標と憧れを忘れずに。
福井商工会議所
私は、就職活動は「自分が成長する良い機会」だと思います。私の
場合、初期の面接の時、ずっと緊張していてうまく話せませんでし
た。
しかし、何回も数をこなし、
どこがだめだったかという反省を繰り
返していくうちに、
アピールしたいことを分かりやすく相手に伝える
ことができるようになりました。なかなかうまくいかなくても、諦めず
に続けていれば、
自然と成長しているということがあると思います。
後輩の皆さん、就職は今後の自分の一生に深く関わることなの
で、後悔しないように頑張ってください。
しかし、就職活動中はうまく
いかず、辛い時もあると思います。
その時は、家族や友人、先輩、後輩
達と息抜きをしたり、何もしない日を作ったりなど、
たまにはリフレッ
シュしてくださいね。
就職活動を通して、
多くの人との会話を楽しもう。
海洋生物資源学科 4年 山本達郎
私は、今年の4月から福井県の農業高校教員として着任することになりま
した。私にとって教師は目標であり、中学生の頃から憧れの存在でした。私が
中学生の時、生徒目線で生徒と真剣に向き合っていた先生方を見て
「こんな
大人になりたい」
と感じたことがきっかけです。
また、大学生活を送りながら、
私は勝山相撲教室で小・中学生の子供達に相撲の指導を行ってきました。
子供達と触れあいながら一緒に学ぶことができ、感動を味わうことが出来ま
した。
この経験は私にとって宝物になり、貴重な体験になりました。教員に
なったら、生徒との信頼関係を大切に毎日全力で頑張りたいと思います。
教員を志望される後輩の皆さんには、採用試験の情報収集を早めに始め
て欲しいと思います。平成25年度から試験の内容が大きく変わり、戸惑うこ
とが多かったですが、私はキャリアセンターや先輩のアドバイスを参考に勉
強することが出来ました。
自分の目標に向かって一生懸命頑張ってください。
私が就職活動において大切にしてきたことは、人との会話です。就職
活動を始めるにあたって、最初にすることは自己分析だと思います。
自
分を知るために1人で考えることも大事ですが、私は大学の職員の方
や、先生、
アルバイト先の社員さん、友達など様々な人たちと世間話を
することで、
自分がどのような人間なのかを知ることができ、
自分にどう
いった仕事が向いているのかを考える上で、
とても参考になりました。
多くの人たちと話をした経験は面接にも役立ちました。面接はとても
緊張しますが、企業の方とおしゃべりするだけと考えることで緊張も和
らぎ、面接を楽しむことができます。
また、
自分の人柄を知ってもらうた
めに、面接は自然な会話ができるようにすることを意識しました。
皆さんも就職活動を通して、人との会話を楽しんでみて下さい。
きっ
とうまくいきますよ。
就職活動は、
必ず自分の力になっていく。
迷ったり、
焦ったり、
そんな時は初心に返って集中しよう。
内定先
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
内定先
経営学科 4年 新本琴未
福井県 高等学校教員 生物資源学科 4年 宇佐美元気
内定先
4
うまくいかなくても
諦めずに続けることで成長できる。
福井県 保健師
内定先
内定先
株式会社 武生製麺
敦賀市 精神保健福祉士
看護学科 4年 加藤成香
社会福祉学科 4年 宮永糸麻
私が就職活動を通して得たものは2つあります。
まず1つ目は、
自分を知ることができたことです。エントリーシート
を書くために自分自身を分析する必要がありました。すると自分が
得意とすることに気づけました。
それから初めて自覚した短所につい
ては、
どうすれば克服できるのかについて考えることができました。
次に、
自分についての表現手段を得たことです。面接では、わかり
やすく自身を伝える能力が必要です。最初はなかなか上手くできず、
何度も助言を頂きながら練習しました。そのおかげで「自分を表現
する」
という力が身に付き、何かを報告する際や卒業研究の発表な
どで役立ちました。
このように、就職活動は「必ず自分の力になっていく」
と実感でき
る機会です。諦めずに最後まで自分を信じて頑張って下さい。
小学生のとき、知的障害児を支援するボランティアをしたことが
福祉に関心を抱くきっかけでした。大学で専門の勉強をする中で、
社会福祉士と精神保健福祉士の国家資格を取得して、福祉を将来
の仕事にしたいと思うようになりました。同時に、国家資格取得者が
行政機関で活躍することが期待されている全国的な動向を知り、私
自身の道として考えるようにもなりました。
しかし、公務員試験に合
格する自信がもてず、就職活動も当初は空回りし、迷いと焦りが圧し
かかるだけでした。そこで、改めて福祉にかける私自身の志にたち返
り、受験勉強に集中しようと努めました。幸いにして内定をいただけ
ましたが、
スタート地点に立ったばかりだと思っています。初心と地
道な努力を忘れずに、公的部門の福祉に取り組んでいきたいと考え
ています。
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
5
学 生 の 活 躍
王立ブータン大学生との交流会 開催
3月14日
(金)
に開催されたブータン大学の学生との交流会
には、WorldCaféの学生スタッフを中心に本学より15名、福
井大学3名、仁愛大学4名の学生が参加し、理事長、学長とと
もに23名のブータン大学の学生を歓迎しました。
学内やWorldCaféの見学、
グループごとの意見交換会など
での交流の後、昼食会を挟み午後からは、本学華道部・茶道部
が生け花と茶席でもてなしました。
最後の挨拶では学生代表の高坂彩乃さん
(経営学科4年)
が英語でスピーチ。最後に、
「カディン チェ!
(ありがとう)」
とゾ
ンカ語で締めくくり、
ブータン学生から歓声があがりました。
「ありがとう!」
と
「カディン チェ!」
の言葉が互いに交わされ、
両国の学生に多くの思い出を残して交流会は終了しました。
・
越前和紙の伝統と革新を学ぶ ∼木野准教授
生産管理論演習∼
県下のモノづくりを実際に見て学ぶ企業見学会では、今回、越前和紙の
伝統と革新について学ぶことを目的として、越前市の越前和紙の里と有限会
社小畑製紙所を訪問しました。
越前和紙の里では紙の文化博物館と卯立の工芸館で、約1500年に及ぶ
和紙の歴史とその高度な技術について学びました。有限会社小畑製紙所で
は、生産のピークにあった卒業証書や相撲の番付表などの製造工程を見
学。
その後、新製品開発の取り組みについての説明を受けました。ICタグを
漉き込んだ和紙や、
フェアトレード認証も受けているアフリカのザンビアで
生産されたバナナ繊維を使った和紙、
そして、和紙の手触り感を生かした恐
竜のペーパークラフト
「わしのざうるす」
など、
それらの開発の経緯や市場開
拓について話を聞きました。
今回の演習は、
モノづくりの伝統を継承しつつ、常に積極的な取り組みを
続ける経営者の
「生の声」
を直接聞くことができる貴重な機会となりました。
社 名:有限会社小畑製紙所
代 表:小畑 明弘
所在地:越前市大滝町23-22
同社は大正時代に創業し、
全国では3社しかない、
角度が変わると色や模様が変わる
「ホ
ログラム」
加工を施した紙の製造ができる企業。
主力商品の卒業証書や大相撲の番付表
の他にも、
県内外の企業などと連携しながら新製品開発に積極的に取り組んでいる。
6
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
学生の感想
製紙工場では、従来からの定番品を製造し続けているイメージがありま
したが、和紙の質感や特徴を生かし、時代のニーズに合わせ、差別化され
た商品を考えていることがわかり、また伝統を守りながらもそれに固執
しない柔軟性を感じました。
特に印象に残っているのは、
小畑社長の製紙
事業に対する想いです。
恐竜クラフトやバナナペーパーなど、
様々な事業
を積極的に展開される姿勢に「自社の製紙技術を世界に発信していきた
い」
という強い想いを感じました。
経営学科 3年
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
7
学 生 の 活 躍
第9回
SMAPインターゼミナールコンテスト
昨年12月、経済学部の9つのゼミに所属する3年次生78名による、インターゼミナールコンテストが開催されました。
「人
口減少」
「 少子高齢化」など、チームで一つのテーマを設定し、互いに議論し、研究を深めプレゼンテーションするこのコンテ
ストは、評価、審査も含め学生がそのすべてを担当します。9回目の今回は、前回に引き続き、6名の特別審査員による審査も
行われました。 Aセッション
チーム賞
Bセッション
チーム賞
[最優秀賞]
[審査員特別賞]
『人口減少時代における地方都市』
上田チーム(新宮ゼミ)
[最優秀賞]
[審査員特別賞]
『受信料、払ってますか?∼あなたが変わればNHKは変わる∼』
高畠チーム(桑原ゼミ)
[優秀賞]
[審査員特別賞独創賞]
『教えてチョビ髭ww 消費者の心を動かすには?』
浅野チーム(北島ゼミ)
[優秀賞]
[審査員特別賞]
『SOS!商店街大遭難時代!』
中山チーム(新宮ゼミ)
個人賞
個人賞
[ベスト・プレゼンテーション賞]綿谷真央(杉山ゼミ)
[ベスト・プレゼンテーション賞]中山拓輝(新宮ゼミ) [ベスト・コメント賞]浅野祐介(北島ゼミ) [ベスト・コメント賞]山下薫(清水ゼミ) [ベスト・リプライ賞]大西清(原田ゼミ)
[ベスト・リプライ賞]佐藤詩織(北島ゼミ)
▲ 聴く力
参加学生は、全チームのプレゼンを
「聴く力」
も問われる。
メモをとり、評価をつけ、優秀チーム
を選出することが求められている。
聴講する多くの2年次生そして、4年次生で会場は毎年満席に。
「3年になったらゼミコンに出
たい」
と、立ち見の会場で聴講を続ける2年次生も。
▲ 伝える力 そして チームワーク
調査・分析し、
パワーポイント、
シナリオを作成し、
プレゼンの練習を積
み上げてきた学生たち。
当日は各ポジションに分かれ、
それぞれの役割
を果たす。息のあったチームワークも評価につながる。
▲ Good questionを生むために
プレゼンと質疑応答の間には、質問をまとめる
ための時間が設定されている。
「より生産的な
質問」
を生み出すため、
チームでまとめあげる。
▲ 問う力 そして 答える力
質疑応答では、研究がより深まる効果的な質問をすることも、参加学
生の大事な役割の一つ。鋭い質問に丁寧に答える中で、
それまで見え
てこなかった新しい発見が生まれる。
特 別 審 査 員 講 評
コンテスト審査は論理展開の巧みさが優劣の基準だろうと思っていましたが、実際に発表を聴いてみると、
テーマ設定の
理由・背景、聴衆を引き付ける発表方法なども大切な要素だと思いました。
さらに、
フィールドワークの深さが説得力を高め
ることを確認しました。
また、参加した学生たちから独自の切り口で質問が多くあり、感心しました。
このコンテストは、学生たちの表現力、思考力向上に大きな効果があると思いますし、指導されている教員も気付きがあ
るのではと思いました。今は有志の教員で運営されているようですが、経済学部のもっと多くの学生が参加するコンテスト
になればと思います。
6
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
7
県
大
ト
ピ
ッ
ク
ス
イノシシへしこの手まり寿司をぜひ!
福井駅前のテイクアウトランチ専門店「ジビエ Cafe 森の星」
で
は、生物資源学部の宇多川特任教授が研究開発した技術を使った
「イノシシへしこ」
の手まり寿司を購入できるのをご存知ですか?
福井の伝統的保存食「へしこ」
の技術が「農作物に被害をもたら
す厄介者のイノシシ」
の活用に役立ち、
「自然の豊かな味をオリジナ
ルの加工・調理でぜひ味わってほしい」
と願う
「森の星」
で美味しい
手まり寿司になりました。
ジビエ Cafe
福井県福井市中央1丁目10-27
T E L 0776-26-7607
営業時間 11:00∼19:00
定 休 水曜日
イノシシへしこの手まり寿司は
「4個入で500円
(税別)
」
です。
JR福井駅から徒歩3分。
福井駅前ガレリア元町商店街入ってすぐ。
本学関係者の出版の紹介
経済学用語考
日中オフショアビジネスの展開
下谷政弘 著 日本経済評論社 定価 2,800円(税別)
北島啓嗣 共著 同友館 定価 2,800円(税別)
本書は、経済学で使われる用語の故事来歴
を追究し、
その背景にあった時代の変化につ
いて議論している。明治期には
「経済学」
の語
が忌避され
「理財学」
が好まれたのはなぜか。
「重化学工業」
という経済学用語が誕生した
背景は何か。日本だけの特殊な経済学用語
の使い方について、その秘密を解明したユ
ニークな作品である。
実践・職場のメンタルヘルス 90年代以降、ITの発展により日本国内でのソ
フトウェア・システム開発が中国などにアウト
ソースされることが多くなってきた。
これは、人
件費抑制、人材不足などには効果があるが、
日
中間の文化的な距離の問題は、組織間のコ
ミュニケーションにおいて思わぬ取引費用を発
生させている。本書はこのオフショア問題を分
析するとともに日本での地域活性化の一つと
してソフトウェア開発∼ニアショアリングの可
能性を分析する。
北島は、
第11章を担当。
原子力発電と地域政策
−地方自治体と大学との協働−
−
「国策への協力」
と
「自治の実践」
の展開−
大森晶夫 他 編著
清水聡、
塚本利幸、
黒田祐二 共著
創造出版
定価 2,800円(税別)
井上武史 著 晃洋書房
定価 3,500円(税別)
実際に行った調査結果の分析や研修内容が
詳述され、特に第5章では近年のトピックで
ある発達障害について対応を含めわかりや
すく説明している。多くの職場やあらゆる立
場の読者にとって有用な一冊であろう。
原子力発電所の立地によって地域が「国策へ
の協力」
を前提としながら主体的な
「自治の実
践」
を進めたことを明らかにし、東日本大震災
後の新たなエネルギー政策にも
「自治の実践」
の視点が重要であることを述べる。
『ようこそ 県大研究室』放送中
FBCラジオ
キャンパス
福井県立大学では
「FBCラジオキャンパス ふくいいいもの探検隊」
の後半第2部に
「ようこそ県大
研究室」
を放送しています。本学の教員が毎回登場し、研究や教育について語ります。
また、県大H
Pでもバックナンバーを聴くことができます。
「ようこそ県大研究室」
のバナーからお入りください。
<放送時間> ● 毎週土曜日/午後5時34分∼5時44分
● 毎週日曜日/午前8時19分∼8時29分
(再放送)
FPU NEWSに対するご意見・ご要望がありましたら、
下記アドレスまで
[email protected]
8
Fukui Prefectural University News 2014 No.84
県立大学では、経営企画部研究・交流推進課内に
「地域連携相談窓口」
を設置しています。大学との連
携に関する相談などを下記の直通番号で承ります。
0776-50-6300
県立大学ホームページは
こちらから
Fly UP