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獣の雌雄は判るか
獣の雌雄は判るか 隋唐鏡に見える異形の獣( 2 ) 山本 忠尚 はじめに いわゆる「海獣葡萄鏡」にあらわされた獣の多くは、うずくまって顔だけを上に向け、あたかも視線 を上空のカメラに集中させたようなポーズをとる。このように上方から俯瞰したような表現の獣形を 「仰獣」と呼ぶ。しかしながら、中には横向き、立位、仰向、あるいは蹲って尻を見せた獣もいる。 定型化した仰獣とは異なる姿勢をとる獣の中には、仰向で陽物を露わにしたものがおり、これが雄獣 であることに疑問の余地はない。背中を見せた獣の中には背骨に沿って連珠の筋を有する類とそうでな いものが描き分けられている。両者の違いは雌雄を示しているのではないか。また、主たる獣が二回り ほど小型の「小獣」を伴うばあいがあり、子連れの雌獣を表現した、と思わせる。中には、小獣を甘噛 みしているように、あるいは食らいついているように見えることがある。これと「動物闘争意匠」との 間に何らかの関わりがあるであろうか。 上のような疑問を抱き、いささか調べるところがあったので、その結果をご報告しよう。 Ⅰ 陽物を露わにした獣 海獣葡萄鏡のうち円鏡を帯圏式、棚状帯圏式、界圏式、界圏覆飾式に大別し、界圏式をさらに凸線界 圏式と連珠界圏式に分けて捉える〔第 1 図〕 。仰向の姿勢で陽物を露わにした獣は、そのうちでも棚状 帯圏式と凸線界圏式に限って認められる。同じ界圏式ではあるが、連珠界圏式には陽物を露わにした獣 は 1 例も無いのだ。 棚状帯圏式とは、帯圏式とは異なり内外区を画する帯圏の外側に区切りの界線がなく、したがって明 確な帯とならずに内圏線の外側が帯幅の分だけ一段高くなったもの。紋様はこの段差にかかわりなく横 断する。 界圏式とは、 1 本の太い界線によって内区・外区を分けた、海獣葡萄鏡の中でも定型化の著しい、最 も数の多い仲間である。凸線界圏式は 2 本の凸線を合わせたように、中央が凹む太い界圏を有する。連 珠界圏式も界圏は凸線であるが、その頂部に細かな連珠を巡らしてある。凸線界圏式と連珠界圏式を同 列に扱う研究者が多いが、これらを分けて捉えることに意味がある、と考える。陽物を露わにした獣の 有無はその一証左となろう。 なお、円鏡の他に方鏡がある。 さて、陽物を露わにした獣を表現した鏡を、棚状帯圏式 2 面、凸線界圏式21面、合わせて23面蒐集で きたので、それらの属性を一覧表に取りまとめてみた〔表 1 〕 。以下はこの表に基づく分析である。 1 1 帯圏式 2 棚状帯圏式 3 凸線界圏式 4 連珠界圏式 5 界圏覆飾式 第 1 図 海獣葡萄鏡(円鏡)の分類 このような特異な獣が存在することは予てより知られてはいた。小窪和博は「両手を上げて股間を現 わすおどけた獣が奇怪である」 、勝部明生は「仰臥して腹部を露わにし、両足を拡げたユーモラスな狻 猊紋」とか「四足を拡げて腹部と股間を露わにするもの」 、王綱懐らは「一雄獣仰面暴露性器」とその 存在を指摘しているが、それ以上追求することはなかった〔小窪 1985;図18、勝部 1996;151頁、唐 詩;図版36〕。筆者も、陽物を露わにした獣が存在することについて、別稿で触れたことがある〔山 本 2012〕 。ご参照下されば幸いである。 1 凸線界圏式 凸線界圏式21面においては、いずれも内区に獣を 6 頭あらわし、外縁に唐草紋を巡らせたところは共 通するが、獣の姿勢、地紋である葡萄唐草の単位、外区の鳥獣の数の違いなどにより、 4 グループに分 けることが出来る。 まず陽物を露わにした獣の姿勢であるが、片手(左手)を上方に挙げ、もう一方(右手)を膝ないし 腹に当てた類と、両手を上に挙げ、あたかも万歳をしているような類に 2 分できる。前者は、右手を置 く位置によって、膝派と腹派に分かれる。万歳派は体を伸ばして下半身が半身になった姿勢と、仰向で 両脚を折り曲げて上に挙げている姿勢とに分かれる。これで都合 4 グループが形成されるのである。 ⑴ 左手挙右手膝〔第 2 図 1 〕 5 面ある。径19㎝前後。獣の姿勢は、顔を上向きにした「仰獣」が 5 頭、仰向で両下肢を広げて掌を見せた姿勢のものが 1 頭である。左手を上に挙げ、右手を膝の上に乗 2 せる。この 1 頭が陽物を露わにしている。内区地紋の葡萄唐草は12串、外区には葡萄唐草を巡らし、そ の間に獣 6 鳥 6 を配する。外縁に唐草を一巡させる。 ⑵ 左手挙右手腹〔第 2 図 2 〕 6 面ある。径は18㎝ほど。獣の内訳は仰獣が 4 頭、他の 2 頭は仰向 けで下半身を半身にしたものと、両下肢を広げて掌を見せた姿勢のものがあり、後者は左手を上に挙げ、 右手を上腹部に当て、陽物を露わにする。内区の葡萄唐草は11串、外区にも葡萄唐草を巡らせ、獣 6 と 鳥 6 を配する。外縁は唐草紋。 ⑶ 両手挙半身〔第 2 図 3 〕 7 面ある。径は15㎝くらい。内区の獣は仰獣 5 頭に仰向で体を伸ばし 下半身を半身にした獣が 1 頭、それらに小獣 1 が加わる。仰臥の獣は両手を挙げ、下半身を半身にし左 足をやや上に挙げ、陽物を見せている。内区の葡萄唐草は 9 串、外区には葡萄唐草の間に獣 8 鳥 6 を配 してある。外縁は唐草紋。 ⑷ 両手挙膝屈〔第 2 図 4 〕 3 面しか見いだせなかった。径は14㎝強。獣は仰獣が 5 頭、 1 頭のみ が仰向で、膝を折り曲げ、掌を見せる。両手を上に挙げ、陽物を露わにしている。⑴∼⑶は頭位を鈕の 方に向けた「内向」配置であるが、この⑷だけは「外向」配置である。内区の葡萄唐草は 9 串、外区の 葡萄唐草の間に獣 4 鳥 8 を配する。外縁は唐草紋で飾る。 1 陜西省歴史博物館 2 泉屋博古館 3 含水居 4 賞玩 第 2 図 陽物露出獣の分類 3 浦上蒼穹堂 第 3 図 棚状帯圏式 2 棚状帯圏式 2 面は共に径20㎝を超える大型鏡である。 獣は 7 頭いるが、仰獣は 2 頭のみで、他は横向き、尻を向けたものなど様々で、 2 頭は闘争している。 1 頭は立位で右足を挙げ、両手にスパナの形をした何物かを両手で支えて銜え、陽物を露わにしている。 外向配置である〔第 3 図〕。外区には葡萄唐草に獣 6 鳥 6 のほか、蜂を 6 匹絡めてある。外縁は五星花。 3 同型鏡の存在 凸線界圏式のばあい、陽物を露わにした獣は 4 グループに分かれるのであるが、面径、内区の主紋・ 葡萄の数、獣の姿勢、外区・外縁の様相がそれぞれのグループで共通している。これはそれぞれが同一 の原型に基づいて造られた同型鏡であることを示しているのではないか。 左手挙右手膝グループにおいては、 6 曲の葡萄唐草が各獣を取り囲み、他の 5 獣すべてに次章で触れ る連珠の筋があるなど、各部位が近似している。ただ、陜西省博例のみ陽物の左右に短斜線を並べた縁 取りのような表現があり、初期に製作されたことを示している。 また、左手挙右手腹グループでは、陽物を露わにした獣と対になる位置に、仰臥して下半身だけ横向 きにひねった獣を配置している。片手を挙げ、もう一方を胸に当てている。片足は投げだし、他方は膝 を曲げているため局部は見えない。 両手挙半身のもう一つの特徴は、陽物を見せる獣の左隣の獣が後述する連珠の筋を持ち、さらに幼獣 を伴っていること。 両手挙膝屈では対面する獣が横向きであるが、他の 4 頭すべてが連珠の筋を有する。 棚状帯圏式は 2 面だけの存在であるが、両者は径も獣の姿勢・紋様の配置もそっくりで、これらも互 いに同型であると判断できる。 凸線界圏式・棚状帯圏式を通じて、計 5 群の同型鏡を確認できたが、出土地の判る例はまったく無い。 また、23面のうち10面が現在日本にあることにも注目したい。このような意匠を好んだのであろうか。 含水居(大伴公馬蒐集)に 4 面もが収蔵されているのには感心するばかり〔含水居 16・18・23・25〕。 なお、後漢代に位置づけられる神獣鏡の 1 面に特異な図像があらわされているので、付記しておきた い。王趁意の所蔵にかかる径11㎝の小型の鏡である。内区は 3 段に分かれ、上段には大きく 2 瑞龍を対 向させ、その間に宝珠を置き、右側に小さく伯牙をあらわす。中段、鈕の左右には東王公と西王母、下 段にも 2 神龍が対向する。問題の図像は 2 獣の間、すなわち鈕の直下にあらわされた瑞獣である。蹲踞 した裸体の獣が両手を一物に添えている。図録の解説は、銘文を併せて鑑みてこれを「蚩尤自慰図」と 見なし、林以彬所蔵の鏡に類例があるとその部分の拡大写真を掲げている〔古鏡今照 127〕 。 Ⅱ 背中に連珠の筋を有する獣 先述のように、海獣葡萄鏡の獣は俯瞰視した仰獣形に表現されるばあいが多い。これらは走獣形のよ うな側面描写ではなく背を見せているのであるが、その頸から背にかけて鬣(たてがみ)が生えた獣と、 背の中央から尾にかけて連珠の筋のように表現した獣とを描き分けた鏡が存在する。 この連珠の筋を勝部明生は「背骨」と称した〔勝部 1996〕。天王寺動物園でライオンを観察したとこ 4 ろ、背骨は雌雄とも見えず、雌には背の中央に色の濃い線が通ることを確認した。獣の背に表現された 「連珠の筋」はこの線をあらわしたのであろう。雄にはこの線は無く、とすれば獣の雌雄を判断する材 料となるはずだ。 連珠の筋がある獣は、ことに陽物を露わにした獣のいる鏡に多いように思われる。 左手挙右手膝の 5 面では、陽物を見せる獣以外の 5 頭すべてが背骨を見せる。 左手挙右手腹の 6 面では、陽物を見せる獣の対面は仰臥して両手を挙げ、下半身を半身とするため背 は見えないが、他の 4 頭は背骨を表現してある。 両手挙半身の 6 面では、 6 頭の獣のうち 1 は仰向で陽物を見せており、 2 頭は背が長い毛と鬣で覆わ れ、 1 頭は仰向けで腹を見せていて背の状況は判らないが、残りの 2 頭には連珠の筋がある。 6 頭を 2 頭ずつ 3 組に分けて捉えると、陽物を見せる雄と左隣の連珠の筋あり、鬣ありと連珠の筋あり、鬣持ち と腹を見せた獣という組合せとなる。鬣ありで連珠の筋を表現したものはいない。これはすなわち雌雄 を対として表現していることにならないだろうか。なおかつ陽物を見せる第 1 組の間には、次章で扱う 小獣が介在している。子持ちの番(つがい)と考えたい。 両手挙膝屈の 3 面では、陽物を見せる獣の対面は体を丸めているように見えるが、他の 4 頭は連珠の 筋を表現している。つまり左手挙右手腹と同じパターンである。 では、陽物を露わにした獣がいない鏡のばあいはどうだろうか。 帯圏式では、走獣式と同じく横向きの獣が多く、連珠の筋が認められるのは法隆寺献納宝物鏡とボス トン美術館蔵鏡の 2 面だけである。共に 8 獣のうちの 2 頭が該当する。これらにおいては、次章以下で 触れることになる、小獣を伴っていたり、2 頭が闘争している場面をあらわした特殊な鏡背紋を有する 仲間である。 棚状帯圏式のばあい、界圏が連珠のものと凸線の両種があるが、連珠の方には少なく天理参考館蔵鏡 が唯一の例ではないか。連珠の筋は 2 頭に認められ、これらも小獣を伴う。凸線には数例存在し、ウィ ンスロップ蔵〔唐鏡大観 31〕では 6 獣中 5 頭に認められる。上海博物館蔵〔練形神冶 89〕では 8 獣の うち 2 頭、ほかに千石唯司鏡・馮毅蔵鏡〔王朝の粋 137・古鏡今照 179〕の 8 頭中 3 頭などの例がある。 連珠界圏式には連珠の筋をあらわした獣はほとんどいない。凸線界圏式のばあいは、 泉屋博古館 径17. 2 ㎝ 〔博古館 M53〕 狄秀斌 径17. 1 ㎝ 〔今照 176〕 浦上蒼穹堂 径17. 1 ㎝ 〔蒼穹堂 22〕 含水居 径17. 0 ㎝ 〔含水居 20〕 浦上蒼穹堂 2 面 径13. 7 ㎝・13. 6 ㎝ 〔蒼穹堂 30・31〕 含水居 径13. 7 ㎝ 〔含水居 26〕 関信太郎 径13. 6 ㎝ 〔桃陰廬 32下〕 劉東 2 面 径14㎝・14㎝ 〔古鏡今照 181上・下〕 故宮博物院 (台北) 径11. 3 ㎝ 〔故宮特展 78〕 など10数面に認められ、陽物を露わにした獣の存在と対応する。これらのうち泉屋博古館 M53から含 水居20までの 4 面は径17㎝前後と同大、 6 頭いる獣のうち 4 頭は伏獣であるが、 1 獣は坐位で片足をや 5 や挙げているので陽物の有無は確認できないのだが、雄の可能性高く、その対面の獣は何か雷光形のよ うな物を銜えている。これらは同型鏡であろう。 続く浦上蒼穹堂 2 面から関信太郎までの 4 面も径13.6 ∼ 7 ㎝と同大で、 6 頭の獣が 1 頭おきに連珠 の筋あり・横向きの順に配されている。これも同型鏡であろう。これらの鈕は伏獣で、鬣を有する。 劉東 2 面も互いに同型である。劉東においては鈕の仰獣も連珠の筋を表現する。 故宮蔵鏡のばあいは 4 獣のうち 1 頭のみに連珠の筋があり、他は横向きで不明。それぞれ小獣 1 を 伴っている。やはり鈕の仰獣に連珠の筋が見える。 上のように、棚状界圏式でも界圏が凸線のばあいと凸線界圏式の初期段階の獣にのみ連珠の筋が認め られ、それらは雄獣と区別するように連珠の筋をあらわしているように思われる。雌である可能性が高 いのである。ただし凸線界圏式のばあい、12面は 4 グループに収斂されてしまうので、かなり特異な鏡 にのみこのように連珠の筋がある、と言えよう。定型化して獣のすべてが仰獣となった段階では皆無で あり、これらにおいては雌雄を意識していない。つまり海獣葡萄鏡でも初期のものだけにこの鬣と連珠 の筋の対比は現れるのであって、同鏡式の編年にも役立つように思える。 ここで注目したいのは正倉院南倉第10号「鳥獣葡萄背方鏡」である。一辺長17.1 ㎝と方鏡としては 最大、しかも伏獣鈕の周りに 6 頭の仰獣をあらわしてある。 6 頭もの獣を表現したのは本鏡が唯一で、 他はすべて 4 頭である(村上開明堂蔵鏡に 8 頭あらわしたものがある。本鏡は現在、根津美術館が所 蔵)。獣は皆てんでんばらばらの方を向いているのだが、幸いなことに伏せて背中を見せている。鬣を 有し背に肋骨かあるいは体毛の表現と思われる平行線を伴うものと、鬣なしで連珠の筋があるものを、 。 1 頭おきに配している。両種を区別する意図は明確で、前者が雄、後者が雌と見て誤りない〔第 4 図〕 第 4 図 連珠の筋(左)と鬣(右) 南倉第10号鏡 Ⅲ 小獣を伴う、あるいは小獣と戯れる獣 隋∼初唐鏡の中には、方格四獣銘帯鏡、海獣葡萄鏡、貼銀八稜鏡に限って、成獣と考えられる大型獣 のそばに幼獣と思われる小型の獣を伴うものがある。闘争とか獲物を狩っているのではなく、幼獣が親 に戯れていたり、成獣が幼獣を甘噛みしているように、親が仔を保護しているような場面に見える。そ れらを集成して表 2 にまとめた。 6 1 方格四獣銘帯鏡 上海博物館蔵の「方格四獣銘帯鏡」には、 1 獣につき 1 匹の犬のような小動物(以下「小獣」と記 す)と見合っている。径17. 5 ㎝、 「仙山竝照」で始まる四言八句の銘がある。規はなく、かわりにパル メットを納めた宝珠形のような単位を挿入してある。 同様の小獣は梁上椿蔵の伝河南出土鏡、中国歴史博物館(現中国国家博物館)蔵鏡、ケルン東洋美術 館蔵鏡にも存在する。これら 3 面は径15㎝前後で、界線から方格の四隅に向かうV字形(規矩の規)が 加わり、規内には三山が入る。銘は「絶照覧心」で始まる四言八句。 4 頭の成獣がそれぞれ小獣を銜え て上に持ち上げ、互いに見合い、大が小を舐め、あるいは従えている。 3 面は同型鏡と思われる。 2 海獣葡萄鏡 上記のような小獣を伴う獣形は海獣葡萄鏡にも見える。帯圏式 8 面、棚状帯圏式 8 面、連珠界圏式 1 面、凸線界圏式12面、界圏覆飾式 1 面の計30面を見つけ、それらを表 2 に取りまとめてみた。 この表から見取れるのは、まず20㎝超の大型鏡が多いこと、約半数を占める。連珠界圏式 1 面も21㎝ ある。凸線界圏式のばあい、径15㎝の中型鏡と11㎝の小型鏡の 2 グループに分けられるが、各々で背紋 が共通しており、 2 組の同型鏡であると見なせる。同様のことは棚状帯圏式にも言え、表下位の 5 面は 同型鏡の可能性が強い。天理大学附属天理参考館が所蔵する棚状帯圏式海獣葡萄鏡のばあい、陽物をあ らわした獣はいないが、 6 獣のうち 4 獣が小獣を伴う。 第二に、小獣の数は最多13匹、以下 8 、 7 、 6 から 1 匹まである。鏡が大型であるほど数が多い傾向 は見取れるが、そうとも言い切れない。凸線界圏式では、中型のばあい 1 匹なのに、小型には 4 匹いる のである。最多の13匹を擁するのは帯圏式の正倉院南倉第 9 号鏡と香取神宮鏡で、両者は同型鏡である 。 〔第 5 図 1 〕 第三点。出土地の判るものは少なく、河南洛陽 1 、河北保定 1 、湖南 1 の 3 面に過ぎない。 これらの小獣を幼獣と見なせば、大きな成獣の方は雌親である可能性が強い。 1 香取神宮 2 国立故宮博物院 第 5 図 成獣と幼獣 7 3 貼銀八稜鏡 白鶴美術館蔵鏡など貼銀八稜鏡にも小獣が認められる。同種の鏡を総じて 6 面を蒐集したので、表 2 の末尾にまとめた。すべて八稜鏡で、界圏によって内外区を分けたものと、界圏なしの両様がある。大 きさは20㎝から15㎝ほどで、中型鏡と言えよう。 獣の数は 8 ないし 5 頭、その多くは立ち上がって、あたかも舞っているかのように腰を捻ったり、手 を挙げたりした姿態を採っているので、 「舞獣」と表現する。小獣は 3 匹から 2 匹まであり、 1 頭ごと に伴うものと無いものが配されている 銀貼りでしかも界圏覆飾式が 1 面あって、海獣葡萄鏡との共通性が窺える。 Ⅳ 動物闘争意匠 村上開明堂蔵鏡58は径13. 8 ㎝の小型の鏡である〔開明堂 58〕。瑞獣獣帯鏡の一種と見なせるが、き わめて特異な鏡背紋を持つ(図録は単に「獣文鏡」と呼ぶ) 。内区に 6 頭の獣を配してあるのだが、 2 頭ずつが 1 セットになって闘争しているところを表してある。一方が小さければ前章の仲間となろうが、 2 頭はほぼ同大なのである〔第 6 図 1 〕 。スキタイの「動物闘争意匠」に近似したデザインと言えよう。 外区外縁に複線鋸歯紋と唐草紋、内縁に走獣紋を巡らせる。 このような闘争意匠は他にも数面の鏡に見える〔表 3 〕。例えば根津美術館蔵の瑞獣獣帯銘帯鏡〔唐 鏡大観17〕。これは鏡背紋が特異であり、銘文も変わっている。内区には 2 頭 4 組、計 8 獣が表されて いるが、うち 1 組が組みあっているのである。 「仙山竝照」で始まる銘文の最後に・を置いて「五月五 日造」を加えてある。 上の 2 面には小大の差はあるが、外区内縁に配された走獣鳥たちの間に、樹木あるいは岩山のような、 さもなくば珊瑚のようなものを置いているところが共通する。 以下はいずれも海獣葡萄鏡の仲間である。 法隆寺献納宝物 帯圏式 23. 2 ㎝ 〔献納宝物 302〕 馮毅 棚状帯圏式 21. 8 ㎝ 〔古鏡今照 179〕 千石唯司 棚状帯圏式 21. 7 ㎝ 〔王朝の粋 73〕 1 村上開明堂 2 馮毅 第 6 図 動物闘争意匠 8 馮毅鏡と千石鏡はきわめて特異なもので、 8 獣のうち 2 頭は仰獣形であるが、他は仰向けで陽物を露 わにし、尻を向けるもの、踊っているなど様々な姿態を採り、そのうち 2 頭が闘争意匠である〔第 6 図 2 〕 。両者は、先述のように、同型鏡と考えられる。 開明堂鏡だけは明らかに闘争意匠と見なせるが、他は単に戯れているようにも見える。 いずれも同じ鏡種の中でも特異な存在である。このような動物闘争意匠は紀元前のスキタイや匈奴な どが愛好したデザインであり、時空はかなり離れているとはいえ、その観点から判断するべきであろう。 Ⅴ むすびにかえて 先に、 「四角い板と雷光形を銜える獣」において、特異な獣をあらわした鏡は突厥(ソグド系を含め て)など遊牧諸民族へ賜与するために製作されたのではないか、との考えを提示したことがある〔山本 2013〕 。本稿で取りあげた、陽物を露わにし、背に連珠の筋を有し、仔獣を伴い、あるいは闘争してい る獣をあらわした海獣葡萄鏡は、前稿のものより一段階遅れて出現した鏡式であるが、同じく遊牧民族 への贈答用であったと考えたい。動物の生態を知悉した彼らには、雌雄の違いはすぐに見分けられたは ずである。こうした初期の海獣葡萄鏡は、やがて定型化した仰獣タイプとなって量産化され、賜与する ものとなり、墓へ副葬されるようになった。 補遺 顔を洗う獣 隋初唐鏡の中に「方格四獣銘帯鏡」という鏡種がある。 「方格四神鏡」に似るが、方格の各辺に沿っ て、四神ではなく 4 頭の瑞獣を配し、内外の境に銘文帯を有する鏡である。そのうち「玉匣聯看鏡」で 始まる銘文を有する一群に、各 1 頭の「顔を洗う獣」を見ることができる。その獣はやや腰を落し気味 にして三肢で地に立ち、あたかも猫が顔を洗うように右前肢を頬にあてた姿態をとり、頸部から背にか けてふさふさとした鬣(たてがみ)を生やしているのだ。これを雄と見ると、他の 3 頭は雌あるいは仔 ではないかと思わせる。 玉匣銘を持つ鏡は20数面ほどが知られるが、そのうちの約半数の11面にこの獣が認められる。見つけ た11面の鏡は表 4 の通り。いずれも径16㎝ほどの円鏡である(山東例の11㎝は何かの間違いであろう) 。 11面すべてが同じ構成と紋飾を持つ。太い圏線を巡らして内外を区分、外区内縁を銘文帯とする。内 外を画する圏線の内斜面に 2 重の凸鋸歯紋を、さらに外縁にも 2 重の凸鋸歯紋を巡らせる。中央の半球 形円鈕の周りに四葉座を置き、それを方格で囲み、その四辺に沿うように四獣を背を内に向けて配する。 方格の四隅に向けてV字形(漢鏡の規矩の一方が残存したものなので「規」と呼ぶ)を圏線から生やす。 規内には三岳を嵌め込んである〔第 7 図〕 。 9 第 7 図 方格四獣銘帯鏡と顔を洗う獣(村上開明堂) 4 頭の獣は鈕の方に背を向け、2 頭ずつ向かい合う「対面」の配置をとる。まず右前肢を頬にあてた 「顔を洗う獣」から時計回りにその特徴を見ると、 ①立ち止まった姿勢で、右前肢を顔の横に挙げる。ふさふさした鬣が表現されており、獅子であるこ とは明らかで、しかも雄の成獣である。 ②他の 3 頭は歩行する姿であり、鬣がない。雌あるいは仔であろう。 ③は大きく口を開け、咆哮している。頸に鬣状のものが見えるが、ほんの僅かである。 ④見返りの姿で、両肩から翼のようなものが出て後方へたなびく。 すべて同一の銘文を有する。楷書体で陽出した五言 4 句から成る短い銘文であるが、問題の多いもの である。今ひとつの釈文を記すと、 玉匣聯開鏡 輕灰暫拭塵 光如一片水 影照兩邊人 であるが、これに対して梁上椿『巖窟蔵鏡』は第 1 句に「玉匣盼看鏡」 、 「玉匣盼開鏡」 、「玉匣初看鏡」 、 「玉匣初開鏡」、 「玉匣盼開蓋」 、第 2 句に「輕灰拭故塵」 、 「輕灰暫去塵」 、 「輕灰拂去塵」 、第 4 句に「影 似兩邊人」などの異種あり、とする。 『故宮特展』71の解説に「玉匣聆看鏡」が認められる。 この「玉匣」銘を有する鏡は写真や拓本で見る限り、第 1 句 3 字目は耳偏に予のような旁を加えたよ うに見え、「聯」 、 「盼」さらには「聆」のいずれととっても可であろう。 4 字目には「開」と「看」 、5 字目には「鏡」と「蓋」の双方が認められる。 『巖窟蔵鏡』によると、周廋信「詠鏡詩」の「玉匣聯開鏡 輕灰暫拭塵 光如一片水 影照兩邊人 月生無有桂 花開不逐春 試挂淮南竹 堪能見四隣」の前半分の句を使用し、 2 文字を変えている、と 言う。とすれば上記の釈文が本来のものであったことになる。 ところが、顔を洗う獣をあらわした11面の銘文はすべて、 玉匣聆看鏡 輕灰暫拭塵 光如一片水 影照兩邊人 と読めるのである。 以上のように、これら11面は同型鏡と判断できる。なぜ、このような鏡を造ったのであろうか。前稿 10 の「四角い板を銜える獣」と同様、遊牧諸民族への贈答用である、と考えたい。 文献略号(日本語読み、五十音順) 偃師杏園 中国社会科学院考古研究所『偃師杏園唐墓』科学出版社 2001 王朝の粋 難波純子『中国 王朝の粋』大阪美術倶楽部 2004 欧米 梅原末治『欧米に於ける支那古鏡』刀江書院 1931 海外遺珠 国立故宮博物院編輯委員会『海外遺珠 銅器』国立故宮博物院 1985 海外続 国立故宮博物院編輯委員会『海外遺珠 銅器続』国立故宮博物院 1988 開明堂 西村俊範『古鏡コレクション 開明堂英華』村上開明堂 1994 勝部1996 勝部明生『海獣葡萄鏡の研究』臨川書店 岩窟蔵鏡 田中琢・岡村秀典訳『岩窟蔵鏡』同朋社出版 1989(梁上椿『厳窟蔵鏡』1940 42の翻訳) 含水居 奈良文化財研究所飛鳥資料館『含水居蔵鏡図録』東アジア金属工芸史の研究 2 奈良文化財研究所 飛鳥資料館 2002 鏡涵春秋 深圳博物館他『鏡涵春秋 青峰泉・三鏡堂蔵中国古代銅鏡』文物出版社 2012 金工 正倉院事務所『正倉院の金工』日本経済新聞社 1976 黒川 黒川古文化研究所『所蔵品選集 青銅の鏡 中国 』黒川古文化研究所 2004 遣唐使 東京国立博物館他『特別展 遣唐使と唐の美術』朝日新聞社 2005 献納宝物 東京国立博物館『特別展 法隆寺献納宝物』東京国立博物館 1996 小窪1985 小窪和博『海獣葡萄鏡』刀剣春秋新聞社 故宮特展 国立故宮博物院編輯委員会『故宮銅鏡特展図録』国立故宮博物院 1986 古鏡今照 浙江省博物館『古鏡今照 中国銅鏡研究会成員蔵鏡精粋』文物出版社 2012 湖南出土 湖南省博物館『湖南出土銅鏡図録』文物出版社 1960 三槐堂 王綱懐『三槐堂蔵鏡』文物出版社 2004 山東民間 張道来・魏傅来『山東民間蔵鏡』齊魯書社 2006 賞玩 姚江波・邱東聯『中国歴代銅鏡賞玩』湖南美術出版社 2006 賞玩続 邱東聯『中国歴代銅鏡賞玩(続編)』湖南美術出版社 2007 小校経閣 劉體智『小校経閣金文拓本』1935(劉體智『小校経閣金石文字』による) 西安精華 西安市文物保護考古所『西安文物精華 銅鏡』世界図書出版公司 2008 青銅器 段書安編『銅鏡』中国青銅器全集16 文物出版社 1998 善齊吉金 『善齊吉金録』鏡丙 千秋金鍳 陝西歴史博物館『千秋金鍳 陝西歴史博物館蔵銅鏡集成』陝西出版集団・三秦出版社 2012 蒼穹堂 浦上蒼穹堂『隋唐鏡』浦上蒼穹堂 2010 尊古齊 黄濬『尊古齊古鏡集景』上海古蹟出版社 1990 大遣唐使 奈良国立博物館『大遣唐使展』奈良国立博物館他 2010 張2011 張小麗「西安新出土唐代銅鏡」『文物』2011年第 9 期 長安文物 兵庫県立歴史博物館『中国 唐・長安の文物』兵庫県立歴史博物館 1989 桃陰廬 梅原末治『桃陰廬和漢古鑑図録』關信太郎 1925 唐鏡 泉屋博古館『唐鏡』泉屋博古館 2006 唐鏡大観 梅原末治『唐鏡大観』京都帝国大学文学部考古学資料叢刊第 3 冊 美術書院 1945 唐詩 王綱懐・孫克讓『唐代銅鏡與唐詩』上海古籍出版社 2007 博古館 泉屋博古館『泉屋博古 鏡鑑編』泉屋博古館 2004 文華館 奈良文化財研究所飛鳥資料館『大和文華館蔵鏡図録』東アジア金属工芸史の研究 7 奈良文化財研 究所飛鳥資料館 2005 11 山本2012 山本忠尚「正倉院の海獣葡萄鏡」『郵政考古紀要』第55号 山本2013 山本忠尚「四角い板と雷光形を銜える獣 隋唐鏡に見える異形の獣 ( 1 ) 」『古事 天理大学考古 学・民俗学研究室紀要』第17冊 洛陽出土 洛陽博物館『洛陽出土銅鏡』文物出版社 1988 歴代銅鏡 河北省文物研究所『歴代銅鏡紋飾』河北美術出版社 1996 歴博四 楊桂榮「館蔵銅鏡選輯(四)」『中国歴史博物館館刊』1993 2 (総21) 練形神冶 上海博物館『練形神冶 瑩質良工 上海博物館蔵銅鏡精品』上海書画出版社 2005 表 1 陽物を露わにした獣一覧 棚状帯圏式 所蔵者 径 鈕 内区主紋 姿勢 内区地紋 外区 外縁 文献 馮毅 21.8 伏獣 仰獣 2 他 2 闘争 2 仰向 1 両手でスパナ形 葡萄唐草 4 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 蜂 6 五星花 古鏡今照179 千石唯司 21.7 伏獣 仰獣 2 他 2 闘争 2 仰向 1 両手でスパナ形 葡萄唐草 4 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 蜂 6 五星花 王朝の粋73 凸線界圏式 出土地・所蔵者 径 鈕 内区主紋 姿勢 内区地紋 外区 外縁 文献 陝西歴史博物館 19.3 仰獣 仰獣 5 仰向 1 左手挙右手膝 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 千秋金鍳342 不明 19.2 仰獣 仰獣 5 仰向 1 左手挙右手膝 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 賞玩続85 陜西省博物館 18.9 仰獣 仰獣 5 仰向 1 左手挙右手膝 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 長安文物 4 大伴公馬 18.9 仰獣 仰獣 5 仰向 1 左手挙右手膝 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 含水居16 陝西長安斗門郷 18.7 仰獣 仰獣 5 仰向 1 左手挙右手膝 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 千秋金鍳311 大伴公馬 17.9 仰獣 仰獣 4 立位 1 仰向 1 左手挙右手腹 葡萄唐草11 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 含水居18 大和文華館 17.8 仰獣 仰獣 4 立位 1 仰向 1 左手挙右手腹 葡萄唐草11 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 文華館26 泉屋博古館 M52 17.8 仰獣 仰獣 4 立位 1 仰向 1 左手挙右手腹 葡萄唐草11 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 博古館117 浦上蒼穹堂 17.7 仰獣 仰獣 4 立位 1 仰向 1 左手挙右手腹 葡萄唐草11 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 蒼穹堂25 不明 17.6 仰獣 仰獣 4 立位 1 仰向 1 左手挙右手腹 葡萄唐草11 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 賞玩183 西安市文物研究中心 17.5 仰獣 仰獣 4 立位 1 仰向 1 左手挙右手腹 葡萄唐草11 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 唐草 勝部149頁 上海博物館 15.5 伏獣 仰獣 5 仰向 1 +小獣 1 両手挙半身 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 練形神冶87 故宮博物院(台北) 15.4 伏獣 仰獣 5 仰向 1 +小獣 1 両手挙半身 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 故宮特展77 王綱懐 15.4 伏獣 仰獣 5 仰向 1 +小獣 1 両手挙半身 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 三槐堂136 東京国立博物館 TE271 15.4 伏獣 仰獣 5 仰向 1 +小獣 1 両手挙半身 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 陜西歴史博物館 15.2 伏獣 仰獣 5 仰向 1 +小獣 1 両手挙半身 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 青銅器137 大伴公馬 15.1 伏獣 仰獣 5 仰向 1 +小獣 1 両手挙半身 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 含水居23 不明 14.8 伏獣 仰獣 5 仰向 1 +小獣 1 両手挙半身 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 賞玩132 不明 14.3 伏獣 仰獣 5 仰向 1 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 4 鳥 8 唐草 賞玩152 両手挙膝屈 熊野那智大社 14.1 伏獣 仰獣 5 仰向 1 両手挙膝屈 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 4 鳥 8 唐草 小窪18 大伴公馬 14.0 伏獣 仰獣 5 仰向 1 両手挙膝屈 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 4 鳥 8 唐草 含水居25 表 2 小獣を伴う獣一覧 方格四獣銘帯鏡 出土地・所蔵者 径 鈕 内区主紋 規内 界圏 銘帯 外縁 文献 名称 上海博物館 17.5 円/蓮華 獣 4 循環+小獣 4 なし 凸鋸歯 2 仙山竝照 凸鋸歯唐草 唐詩 2-5 伝河南・梁上椿 15 円/連珠 獣 4 循環+小獣 4 三山 凸鋸歯 2 絶照覧心 凸鋸歯唐草 岩窟蔵鏡437 絶照攬心四獣鏡 中国歴史博物館 ? 円/蓮華 獣 4 循環+小獣 4 三山 凸鋸歯 2 絶照覧心 凸鋸歯唐草 歴博四 8 ケルン東洋美術館 14.8 円/蓮華 獣 4 循環+小獣 4 三山 凸鋸歯 2 絶照覧心 凸鋸歯唐草 海外続175 12 仙山竝照銘神獣鏡 絶照四瑞獣銘帯鏡 銅鏡 海獣葡萄鏡 帯圏式 出土地・所蔵者 径 鈕 内区主紋 内区地紋 帯圏 外区 外縁 文献 名称 正倉院南倉第 9 号 29.8 伏獣 獣俯瞰 5 他 3 +小獣13 葡萄唐草14 葡萄唐草+鳥蝶 葡萄唐草+獣 6 天馬 2 鳥 8 連枝花 金工27 香取神宮 29.5 伏獣 獣俯瞰 5 他 3 +小獣13 葡萄唐草14 葡萄唐草+鳥蝶 葡萄唐草+獣 6 天馬 2 鳥 8 連枝花 大遣唐使181 海獣葡萄鏡 千石唯司 26.4 伏獣 獣 6 対面+小獣 7 葡萄唐草10 唐草+蝶蜻蛉 葡萄唐草+獣 8 鳥 8 鳥獣葡萄背円鏡 連枝花 王朝の粋72 走獣葡萄紋鏡 黒川福太郎 25.2 伏獣 獣 6 対面+小獣 6 葡萄唐草 8 唐草+蝶蜻蛉 葡萄唐草+獣 5 鳥 5 唐草 唐鏡大観29 海獣葡萄文鏡 ボストン美術館 23.4 仰獣 獣 4 +小獣 4 戯れ 葡萄唐草 8 唐草 葡萄唐草+獣 9 鳥 9 唐草 欧米68 法隆寺献納宝物 23.2 伏獣 獣 4 +小獣 4 戯れ 葡萄唐草12 唐草 葡萄唐草+獣 9 鳥 9 唐草 献納宝物302 海獣葡萄鏡 陜西西安市文物中心 20.7 仰獣 獣 8 対面+小獣 1 葡萄唐草 9 唐草 葡萄唐草+獣 4 鳥 4 人物 2 魚 1 唐草 西安精華71 瑞獣葡萄鏡 大英博物館 葡萄唐草12 葡萄唐草 葡萄唐草+獣 8 鳥 8 欧米70 伏獣 獣俯瞰 8 +小獣 4 ? 唐草 海獣飛禽葡萄鑑 海獣葡萄鑑 棚状帯圏式 出土地・所蔵者 天理参考館 径 鈕 内区主紋/周 23.6 伏獣 仰獣 7 横向 1 +小獣 4 内区地紋 外区 外縁 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 4 天馬 2 鳥12 ベルリン国立博物館 22.3 伏獣 仰獣 2 横向 4 龍 2 +小獣 6 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 8 鳥 8 人物 2 サンフランシスコ 21.0 伏獣 仰獣 4 龍 2 +小獣 3 鳥 3 文献 五星花 唐鏡14 名称 海獣葡萄鏡 連枝花 唐鏡大観28 海獣葡萄文鏡 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 8 鳥 8 蝶 1 蜻蛉 1 連枝花 海外遺珠206 銅鏡 藤井有鄰館 21.5 伏獣 仰獣 4 龍 2 +小獣 3 鳥 3 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 8 鳥 8 蝶 1 蜻蛉 1 連枝花 唐鏡大観35 海獣葡萄文鏡 浦上蒼穹堂 21.0 伏獣 仰獣 4 龍 2 +小獣 3 鳥 3 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 8 鳥 8 蝶 1 蜻蛉 1 連枝花 蒼穹堂20 海獣葡萄鏡 河南洛陽花子砦 20.8 伏獣 仰獣 4 龍 2 +小獣 3 鳥 3 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 8 鳥 8 蝶 1 蜻蛉 1 連枝花 洛陽出土彩 8 禽獣葡萄鏡 湖南 20.2 伏獣 仰獣 4 龍 2 +小獣 3 鳥 3 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 8.鳥 8 蝶 1 蜻蛉 1 連枝花 湖南出土22 鳥獣葡萄鏡 河北保定 20.2 伏獣 仰獣 4 龍 2 +小獣 3 鳥 3 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 8 鳥 8 朶雲58 歴代銅鏡106 瑞獣葡萄鏡 連珠界圏式 出土地・所蔵者 中国歴史博物館 径 鈕 内区主紋 内区地紋 外区 外縁 文献 名称 21 伏獣 仰獣 4 孔雀 2 +小獣 1 葡萄唐草12 葡萄唐草+獣 4 鳥 8 朶雲 青銅器132 狻猊葡萄鏡 凸線界圏式 出土地・所蔵者 上海博物館 径 鈕 内区主紋 内区地紋 外区 15.5 伏獣 仰獣 5 立位 1 +小獣 1 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 外縁 文献 名称 唐草 練形神冶87 瑞獣葡萄鏡 故宮博物院(台北) 15.4 伏獣 仰獣 5 立位 1 +小獣 1 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 故宮特展77 海獣葡萄紋鏡 王綱懐 15.4 伏獣 仰獣 5 立位 1 +小獣 1 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 三槐堂136 禽獣葡萄鏡 陜西歴史博物館 15.2 伏獣 仰獣 5 立位 1 +小獣 1 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 青銅器16 狻猊葡萄鏡 大伴公馬 15.1 伏獣 仰獣 5 立位 1 +小獣 1 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 含水居23 海獣葡萄鏡 不明 14.8 伏獣 仰獣 5 立位 1 +小獣 1 葡萄唐草 9 葡萄唐草+獣 8 鳥 6 唐草 賞玩132 海獣葡萄鏡 故宮博物院(台北) 11.3 伏獣 仰獣 1 横向 3 +小獣 4 葡萄唐草 7 葡萄唐草+獣 6 鳥 7 人物 1 唐草 故宮特展78 海獣葡萄紋鏡 大伴公馬 11.0 伏獣 仰獣 1 横向 3 +小獣 4 葡萄唐草 7 葡萄唐草+獣 6 鳥 7 人物 1 唐草 含水居29 海獣葡萄鏡 浦上蒼穹堂 11.0 伏獣 仰獣 1 横向 3 +小獣 4 葡萄唐草 7 葡萄唐草+獣 6 鳥 7 人物 1 唐草 蒼穹堂38 海獣葡萄鏡 黒川古文化研究所 10.9 伏獣 仰獣 1 横向 3 +小獣 4 葡萄唐草 7 葡萄唐草+獣 6 鳥 7 人物 1 唐草 黒川45 海獣葡萄文鏡 大和文華館 10.9 伏獣 仰獣 1 横向 3 +小獣 4 葡萄唐草 7 葡萄唐草+獣 6 鳥 7 人物 1 唐草 文華館846 海獣葡萄鏡 ガットマン 10.5 伏獣 仰獣 1 横向 3 +小獣 4 葡萄唐草 7 葡萄唐草+獣 6 鳥 7 人物 1 唐草 唐鏡大観37 海獣葡萄人物蝉文鏡 13 界圏覆飾式 出土地・所蔵者 径 村上開明堂 鈕 内区主紋 内区地紋 12.8 伏獣 仰獣 4 +小獣 2 外区 葡萄唐草 8 外縁 葡萄唐草+鳥12 文献 朶雲 開明堂68 名称 海獣葡萄鏡 貼銀八稜鏡 出土地・所蔵者 径 鈕 内区主紋 内区地 界圏 外区 外縁 文献 名称 陜西西安・陜西歴史博物館 21.5 伏獣 舞獣 6 +小獣 3 葡萄葉唐草 6 凸線 鳥 8 +花枝 花枝 青銅器125 銀背鳥獣菱花鏡 陜西西安覇橋区馬家溝 19.7 巻龍 舞獣 8 +小獣 3 葡萄唐草 8 覆飾 花枝 西安精華76 金背瑞獣葡萄鏡 白鶴美術館 19.4 伏獣 舞獣 8 +小獣 3 葡萄唐草 8 なし なし 花枝 唐鏡55 貼銀狻猊飛禽八稜鏡 花枝 欧米59 貼銀海獣葡萄文八稜鏡 フィラデルフィア大学博物館 18.3 伏獣 舞獣 8 +小獣 3 葡萄葉唐草 6 なし なし 陜西西安史家榮 15.8 巻龍 舞獣 8 +小獣 3 葡萄唐草 8 C.T.Loo 15.6 伏獣 舞獣 5 +小獣 2 葡萄葉唐草 6 なし なし なし なし 花枝 青銅器128 銀背鳥獣菱花鏡 花枝 欧米99 貼銀獣鈕狻猊飛禽華文八稜鏡 表 3 動物闘争意匠 帯圏式 出土地・所蔵者 径 鈕 内区主紋 内区地紋実 / 周 帯圏 外区 外縁 文献 名称 法隆寺献納宝物 23.2 伏獣 獣 8 闘争 2 葡萄唐草12/ なし 唐草 葡萄唐草+獣 8 鳥 8 唐草 献納宝物302 狻猊十二支葡萄鏡 棚状帯圏式 出土地・所蔵者 径 鈕 内区主紋 内区地紋 外区 外縁 文献 名称 馮毅 21.8 伏獣 仰獣 4 立位 2 闘争 2 葡萄唐草 4 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 蜂 6 五星花 古鏡今照179 海獣葡萄紋鏡 千石唯司 21.7 伏獣 仰獣 4 立位 2 闘争 2 葡萄唐草 4 葡萄唐草+獣 6 鳥 6 蜂 6 五星花 王朝の粋73 走獣葡萄紋鏡 凸線界圏式 出土地・所蔵者 径 大伴公馬 鈕 内区主紋 11.4 伏獣 獣俯瞰 4 闘争 2 内区地紋 外区 葡萄唐草11 葡萄唐草+獣 3 鳥 3 外縁 文献 雲頭花 含水居24 名称 海獣葡萄鏡 表 4 顔を洗う獣一覧 出土地・所蔵者 河南東部出土・梁上椿 a 径㎝ 重 g 規内 文献 名称 銘文 16.2 390 三岳 岩窟蔵鏡452 玉匣四獣鏡 玉匣盼看鏡 河南東部出土・梁上椿 b 16.2 362 三岳 岩窟蔵鏡453 玉匣四獣鏡 玉匣盼看鏡 河南洛陽臨如孫村 16.1 330 三岳 洛陽出土72 四獣規紋鏡 玉匣盼看鏡 国立故宮博物院 16 三岳 故宮特展71 玉匣鏡 玉匣聆看鏡 村上開明堂 16.0 382 三岳 開明堂63 狻猊鏡 玉匣耶看鏡 ? 尊古齊 a 16.0 ? 三岳 尊古齊141 なし 玉匣聆看鏡 尊古齊 b 15.8 ? 三岳 尊古齊140 なし 玉匣聆看鏡 善齊 15.8 ? 三岳 善齊吉金81 玉匣鏡 玉匣聆看鏡 青峰泉 15.5 365 三岳 鏡涵春秋141 玉匣聆看鏡四瑞獣鏡 玉匣聆看鏡 小校経閣 ? ? 三岳 小校経閣玉 2 玉匣鏡 玉匣邪看鏡 山東淄川澹廬 11 ? 三岳 山東民間198 玉匣盼看瑞獣鏡 玉匣盼看鏡 14