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概要版 - 仙台市水道局
環境報告書 概要版 平成 25 年度実績 仙台市水道局 はじめに <編集方針> 環境報告書は、水道事業と環境との関わりや、仙台市水道局が行っている環境に配慮した 取り組みを紹介することを通して、本市水道事業への理解を深めていただきつつ、お客さま からご意見をいただくことで、より良い事業運営を目指すものです。 この概要版は、環境報告書の多岐にわたる内容を分りやすくまとめたものです。 ◆ 対象組織 仙台市水道局の全組織 ◆ 対象年度 平成 25 年度(平成 25 年 4 月 1 日から平成 26 年 3 月 31 日まで) ◆ 対象範囲 仙台市水道局における事業活動 ◆ 参考資料 環境省「環境報告ガイドライン(2012 年版) 」 水道事業の基盤となる水循環 - 1 - ウォッターくん (仙台市水道局マスコット キャラクター) 1 水道事業と環境負荷 (1)水道水ができるまで 水道水は水源、浄水場、配水所を経てお客さまに届けられます。水道局では、この過程において 環境負荷を低減させる様々なエコな取り組みを行っています。 水道水をつくるには多くの エネルギーが必要なんだ。 だからこそエコな取り組み が大事なんだね。 (2)事業活動に伴う環境負荷※1(平成 25 年度実績) 水道局の事業 ◆原水 3 9,155 万m ◆エネルギー ・凝集・pH 調整等用 2,918t ・消毒用 3,138t ・異臭味等対策用 128t ◆水道水の供給 12,025 万m3 ◆取水・導水 ・エネルギーの消費 ・購入電力 1,737 万 kWh ・太陽光発電 25,008kWh ◆浄水 ・ガソリン 70kl ・エネルギーの消費 ・灯油 9kl ・薬品の使用 ・軽油 8kl 投入 ・浄水発生土の発生 ・重油 0kl ◆送水・配水 ・LP ガス 1,518kg ・エネルギーの消費 ・都市ガス 122,248Nm3 ◆水道工事・施設建設 ・天然ガス 467Nm3 ・建設副産物の発生 ◆薬品 生産 ◆温室効果ガス ・二酸化炭素 10,899t-CO2※2 ◆廃棄物 ・建設副産物 112,659t (リサイクル量 88,276t) 排出 ・浄水発生土 5,151m3 (リサイクル量 3,811m3) ◆庁舎・車 ・産業廃棄物※3 3496.3t (リサイクル量 3130.3t) ・エネルギーの消費 ・廃棄物の発生 ・一般廃棄物※3 (リサイクル量 55t 39t) ※1 水道局において消費・排出しているもののみ集計しています。 ※2 地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドライン(環境省地球環境局 平成 19 年 3 月)及び電気事業者の排出係数を用いて計算しています。 ※3 水道局発注工事に伴って排出される廃棄物は除いています。 - 2 - 2 環境負荷を低減したエコな水道 ◆配水量1m3 当たり電力消費量 (kWh/m3) =全施設での電力使用量/年間配水量 0.40 0.28 0.30 大都市平均と比較しても、半分の電力消費 量で水道水をお届けしているよ。 0.20 0.15 0.15 0.15 0.15 0.14 H21 H22 H23 H24 H25 0.10 0.00 大都市 平均 (H24) ◆配水量1m3 当たり二酸化炭素排出量(g-CO2/m3) =(総二酸化炭素排出量/年間配水量)×106 140 140 二酸化炭素の排出を抑えたエコな水道 120 100 80 75 77 H21 H22 84 が実現されているんだね! 91 68 60 40 20 0 H23 H24 H25 大都市 平均 (H24) -3- 3 環境施策の取り組み (1)温室効果ガスの削減に向けた取り組み ◆再生エネルギー導入の推進 再生可能エネルギーの導入として、太陽光発電と小水力発電に取り組んでいます。太陽光発電は、 主要浄水場への発電設備の設置を進めており、小水力発電は、配水所(1 箇所)への発電設備の設置 工事に着手するとともに、上追沢沈砂池における官民連携による小水力発電事業を進めています。 茂庭浄水場の太陽光パネル ◆省エネルギー型機器への更新 ポンプ場や浄水場などの施設の設備更新に合わせて、高効率の変圧器やモータ、ポンプを採用する など、省エネルギー型機器への切り替えを行っています。 ◆公用車の低炭素化 公用車の低炭素化の取り組みとして、公用車の更新に合わせて、 「仙台市次世代自動車等導入方針」 に基づき、環境負荷の少ないハイブリッド自動車等を導入しています。 <公用車のエネルギー使用量と二酸化炭素排出量> 4,000 400 (公道を走行しない特殊車両を除く) 3,403 3,060 2,678 2,515 300 3,000 2,762 2,000 1,000 234 190 200 210 184 173 0 100 0 H21 H22 H23 H24 H25 ハイブリッド自動車 エネルギー使用量 -4- 二酸化炭素排出量 (2)資源の有効活用の取り組み ◆浄水発生土の有効活用 「浄水発生土」とは、浄水場において、浄水過程 で取り除かれた河川中の濁り(土砂)や浄水処理に 用いられた薬品類などの沈澱物(汚泥)を集め、天 日乾燥や機械脱水処理をしたものです。 水道局では、この浄水発生土の有効活用を図って います。 震災後、福島第一原子力発電所の事故の影響によ <浄水発生土の有効利用状況> (t) (%) 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 り、放射性物質濃度が1キログラム当たり 100 ベ 86.8 97.3 100 70.8 74.0 80 36.2 60 3,811 5,193 40 4,322 2,156 4,593 20 0 H21 H22 H23 H24 H25 (年度) クレル以上のものは再利用できないことから、 有効 有効利用土量 活用は一時的に低下しました。 浄水発生土の有効利用率 現在、放射性物質濃度の低下に伴い、有効利用率 は回復傾向にあり、今後も可能な限り有効利用を図 ります。 ◆建設副産物のリサイクル 水道工事の際には、建設発生土、アスファルト 塊、コンクリート塊といった「建設副産物」が発生 します。 水道局では、これら建設副産物の有効活用を図る ため、民間の改良土センター(工場)や再資源化 施設に搬出し、工事の際の埋め戻し材や再生アスフ ァルト材、再生砕石などとして再利用できるように する取り組みを進めています。 アスファルト塊、コンクリート塊のほぼ 100%が 再資源化されています。 ◆水道メーターケースの再利用 計量法の規定により水道メーターを8年ごとに取り替えています。資源の節約と廃棄物の削減の取 り組みとして、メーターケースを可能な限り再利用しています。 平成 25 年度は、74,940 個のうち 30,302 個(約 40%)のメーターケースを再利用しました。 再利用 メーターケースを再利用した 再利用可能なメーターケース 水道メーター -5- (3)健全な水循環の形成に向けた取り組み ◆水源保全の取り組み 水源水質を良好に保つことは、安全で良質な水道水をお客さまにお届けするために不可欠です。 水道局では、水源涵養林の保全・育成や、水源の周辺自治体・流域に立地する事業所への働きかけ などにより、水源保全に取り組んでいます。 ①水源涵養林の管理と周辺の整備 仙台市の水源の一つである青下水源地(青下ダム)の周 辺と上流域の森林(合計 86ha)を、水源涵養林として保 全・育成しています。 また、水源のほとりに建つ水道記念館を、ダム周辺の散 策路とともに、水道の歴史と文化に触れながら水と環境に 親しめる憩いの場として市民の皆さまに開放しています。 ②水源流域の保全に向けた活動 <水道水源流域における諸開発などの抑制> 青下水源地(上)と水道記念館(下) 水道水源を汚染・汚濁する可能性のある開発行為を抑 制するため、 「杜の都の風土を守る土地利用調整条例※」 などの制度の活用を図るとともに、水道水源の水質汚 染・汚濁を防止するための施策強化などについて、国・ 宮城県などに働きかけています。 ※杜の都の風土を守る土地利用調整条例 郊外部における土地利用のあり方を「土地利用方針」として定 め、事業計画の早期段階で、当該方針との適合などを事業者に検 討してもらうことで、法制上規制が困難な事項についても、事業 者・市民・仙台市の合意形成の中で土地利用に対する適正な配慮 を求めるもの。 <適正な施設管理の要請> 水源流域内に位置する産業廃棄物処分場やゴルフ場と水源保全に関する協定を締結しており、 協定を締結した事業者を対象に、放流水や使用農薬などについて、適正な管理を行うよう要請す るとともに、監視や立入調査を行っています。 平成 26 年 3 月現在、 2 箇所の産業廃棄物処分場、 1 箇所のゴルフ場と協定を締結しています。 <お客さまとの協働による水源保全活動> 水源保全の重要性についての理解を深めていただくた め、水源の清掃活動など、お客さまと協働で実施する水源 保全活動に取り組んでいます。 釜房ダム湖畔清掃の様子 毎年秋に、市政だよりで公募した一般市民の皆さまのほか、 水道モニター、関係機関・団体、水道局職員で清掃活動を行っ ています。 また、他のダムや河川水源の周辺でも、地元の町内会の皆さ まや諸団体の方々による清掃活動が行われており、水道局職員 も積極的に参加しています。 -6- 4 環境コミュニケーション ◆広報活動 お客さまが参加・体験できるイベントをはじめとしたさまざまな広報活動を実施し、お客さまとの コミュニケーションを図っています。 ①水道フェア 「水道フェア」では、来場者が気軽に体験・参加でき る企画を随所に取り入れ、来場者が楽しみながら、水道 への関心を深めていただけるよう配慮しています。 また、 青下水源地について紹介し、水をテーマとした絵画・写 真展を実施するなど、環境啓発も行っています。 ②水道セミナー 「水道セミナー」は、お客さまの関心が高いテーマに きき水体験(水道フェア) ついて施設見学を交えながら説明する研修会です。 茂庭浄水場において、安全でおいしい水の製造過程と あわせて、太陽光発電設備が実際に稼働している様子を ご覧いただきました。 ③浄水場での見学者受け入れと出前水道教室 小学校 4 年生を対象にした浄水場の見学と、浄水場の 職員が希望する小学校で訪問授業を行う「出前水道教室」 を実施しています。 浄水場の見学や「出前水道教室」では、水源の説明に 関連して森林の役割や水資源の大切さ、自然環境をきれ いに保つ必要性に触れ、水道と環境との関わりについて 理解が深まる内容としています。 出前水道教室での「ろ過実験」 ◆広聴活動 広報紙によるアンケートや、水道局ホームページ、 窓口、電話、受託業者を通じたものなど、寄せられた お客さまの声や、公募により委嘱した「水道モニター」 の方々からいただくご意見を的確に把握し、水道局内 での情報共有を図るとともに、施策に活かしています。 水道モニター会議の様子 より良い環境施策の実現のため、ご意見をお寄せ下さい。 【連絡先】仙台市水道局総務部総務課 電話:022-304-0007 Fax:022-249-2006 Web ページ:http://www.suidou.city.sendai.jp メールアドレス:[email protected] -7-