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1 野鳥公園で保全すべき鳥類について 1.エコパークゾーンへの鳥類の
参考資料1 野鳥公園で保全すべき鳥類について 1.エコパークゾーンへの鳥類の飛来状況等(アイランドシティ整備事業環境モニタリング調査) エコパークゾーンを始めとする博多湾は,渡り鳥の中継地や越冬地として重要な役割を 果たしている。鳥類はそれぞれの特性に応じて,これらの海域及び海岸域で採餌,休息, 繁殖を行うなど,エコパークゾーン全域を一体となって利用している。 図1 博多湾に飛来する鳥類の種数・個体数 エコパークゾーン周辺に飛来する鳥類の類別個体数は,海ガモ類,陸ガモ類が多くなっ ている。 図2 エコパークゾーン周辺に飛来する鳥類の類別個体数 1 海ガモ類は海面の広い範囲を,陸ガモ類は和白干潟や多々良川河口などの広い範囲を利 用している。また,シギ・チドリ類は,採餌場としては和白干潟や多々良川河口などの広 い範囲を利用している一方で,休息場としては香住ヶ丘や香椎浜の岩礁帯などに加えて, アイランドシティ内が利用されている。 図3 エコパークゾーン周辺の鳥類の利用状況 シギ・チドリ類やカモ類が採餌に利用している和白干潟の餌生物量は,継続して確保さ れており,採餌場機能は維持されている。 10 60 50 2 乾重量(g/m ) 8 6 4 2 40 30 20 10 0 H21.1 H21.5.25 H21.9.3 H21.11.17 H22.1.28 H22.5.25 H22.9.8 H22.11.4 H23.1.18 H23.5.17 H23.9.13 H23.11.10 H24.1.24 H24.5.8 H24.9.13 H24.11.15 H25.1.24 0 H21.1 H21.5.25 H21.9.3 H21.11.17 H22.1.28 H22.5.25 H22.9.8 H22.11.4 H23.1.18 H23.5.17 H23.9.13 H23.11.10 H24.1.24 H24.5.8 H24.9.13 H24.11.15 H25.1.24 2 乾重量(g/m ) H-7 カモ類の餌生物量 シギ・チドリ類の餌生物量 主な餌生物 :巻貝類,二枚貝類,エビ・カニ類 主な餌生物 : ゴカイ類,ヨコエビ類,昆虫類等 春の渡りの時期(5月頃) 図4 秋の渡りの時期(9月頃) 越冬初期(11月頃) 和白干潟の餌生物量(底生生物)(H-7地点) 2 越冬最盛期(1月頃) 2.過去の提言等 (1)野鳥公園基本構想(H18.5) 野鳥公園で対象とする主要な鳥類は,干潟を主要な生息域とする鳥類(主にシギ・チ ドリ類),浅海域を主要な生息域とする鳥類(主にカモ類)およびこれに加え干潟を利用 する希少種とする。 (2)エコパークゾーン環境保全創造計画(H22.3) アイランドシティで埋立工事を行う工程で生じた一時的な湿地が,工事の進捗に伴い 順次消失した後の鳥類の生息に必要な機能については,エコパークゾーンを含めた周辺 環境全体で担っていくことが重要であり,今後実施すべき鳥類保全対策の検討結果は以 下のとおりである。 ○海 ガ モ 類:海面の広い範囲を利用していることから,影響は小さいものと思 われる。 ○陸 ガ モ 類:和白干潟や多々良川河口などの広い範囲を利用していることから, 影響は小さいものと思われる。 ○シ ギ ・ チ ド リ 類:採餌場機能については,和白干潟を始めとするエコパークゾーン 全体や博多湾にある干潟などで十分な餌量を確保できると考えら れるが,休息場機能については不足するおそれがある。 ○クロツラヘラサギ:本来の生息環境である多々良川河口の干潟域や今津干潟で保全す ることが最適である。 ○コ ア ジ サ シ:これまで多くの営巣が確認されている海の中道の砂浜など既存の 繁殖地をしっかりと保全していくことが重要である。 3.野鳥公園で保全すべき鳥類 野鳥公園の検討にあたっては,和白干潟や周辺の浅海域等との機能分担やエコパークゾ ーン内での連携を図ることが重要であり,今後とも鳥類本来の生息域を保全していくとと もに,野鳥公園内では,主としてシギ・チドリ類の休息場の検討が必要と考えられる。 3