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ゆうすげ村の小さな旅館
国 語 科 学 習 指 導 案 指導者 1 日時 平成21年7月7日(火) 2校時(9:35∼10:20) 2 学年・組 第3学年2組(男子16名 女子18名 3 指導事項 藤川 郁代 計34名) (1)読むこと ウ ・ 場面の移り変わりや情景を,叙述を基に想像しながら読むこと。 (2)言語事項 ・ 文と文の意味のつながりを考えながら,指示語や接続語を使うこと。 4 単元名 5 言語活動 ・ 6 オ(ウ) 物語のあらすじを考えながら読もう「ゆうすげ村の小さな旅館」 あらすじをまとめること 単元の評価規準 国語への関心・意欲・態度 ○ 読む能力 言語についての知識・理解・技能 ふしぎな世界を描いた物語に ○ 場面の様子について叙述に即 ○ 文と文のつながりを考えなが 興味をもち,すすんで読もうと して想像しながら読んでいる。 ら指示語や接続語を使って,あ している。 7 らすじを書いている。 単元について ○ 児童生徒の状況 ・ 音読: 本学級の児童は4月に物語や詩に書かれている場面の様子が分かるように声に出して読む こと(読むこと カ)を学習し,読み方を工夫した音読発表会を行った。また,帯時間にはいろいろ な詩を音読・暗唱し,声に出して読むことの楽しさを味わっている。 ・ 読書:本を読むことが好きな児童が多く,朝読書や図書の時間好きな本を選び集中して読んでいる。 しかし,中には漢字の習得が不十分であったり,文章をすらすら読めなかったりして物語の世界を楽 しめていない児童もいる。 ・ 指示語や接続語を使って書くこと:5月の説明文「自然のかくし絵」では,中心となる語や文をと らえながら段落を短い文章でまとめることを学習しているが,長い文章でまとめる時,指示語や接続 語を文脈に沿って適切に使って書こうとする意識はうすい。 教材の価値 ○ ・ 本単元では,場面の移り変わりや人物の行動や心情に注意して読み,物語のあらすじを正確に読み 取ることをねらいとしている。 ・ 教材文「ゆうすげ村の小さな旅館」は時間を追って話が展開していく構成になっている。時を表す 言葉を手がかりに場面分けをし,場面ごとに登場人物の心情や行動の読み取りをすることは困難では ないと考えられる。 ・ 物語の途中や挿入の絵に結末につながる「しかけ」がいくつもある。「しかけ」となる言葉をおさえ ることは叙述に即して読むことにつながる。さらに,何度も読み返すことでその表現や言葉遣いのお もしろさの工夫に気づくことができ,今までとは違った,新たなジャンルへ読書を広げるきっかけと することができる。 指導の工夫 ○ ・ 「題名読み」や「題名作り」をすることで,想像を広げたり,作品を大まかにとらえたりすること ができると考える。 ・ 時を表す言葉を手がかりにして場面分けをし,それぞれの場面の登場人物の行動について整理させ たい。この活動は,最後の物語全体のあらすじを書く活動につなげることができる。 ・ 内容を読み取る時,「つぼみさんはどんな人」「美月の恩返し」「物語の謎」を考えていく課題を提示 することで,叙述に即した読みを深めさせたい。 ・ 物語の「しかけ」を読み取る際には,登場人物「美月」のさし絵の一部変えて提示し,その絵はこ の物語に合わないことを気づかせ,そこから,美月がうさぎだとわかる多くの「しかけ」を見つける 学習へとつないげいきたい。 ・ 場面ごとにまとめたものをもとに,大切なことを落とさず,なるべく短い文章で物語のあらすじを 書く活動を取り入れる。書いたあらすじを友達と互いに読み合い,客観的に見て確認し合うことで, 指示語や接続語の使い方も意識させたい。 8 単元の学習と評価の計画(全8時間) 観 (評価方法) 題名から内容を想像し,興味をもって教材文を読み感想を書く。 (行動観察・ノート) 2 言語について の知識 ・理解・技能 一 1 動 読む 能力 次 時 習 活 国語への関心・意欲・態度 学 点 ○ 時を表すことばを手がかりに場面分けをし,登場人物の行動を一文で表す。 ○ (発言・ノート) 二 3 つぼみさんはどんな人物なのかを考える。 ○ (発言・ノート) 4 美月のした恩返しを見つけ,つぼみさんと客に起こった変化について考え る。 ○ (発言・ノート) 5 物語に出てくる謎を読み取りつぼみさんと美月の心の動きを想像しながら 読む。 ○ (発言・ノート) 三 6 7 四 8 挿絵や叙述から物語のしかけを考える。 (本時) ○ 接続語や指示語を使って,あらすじをまとめる。 (ノート) ふしぎな世界を描いた作品に興味を持ち,他の作品を選んで読む。 (行動観察) ○ ○ 9 目標(国語への関心・意欲・態度 ○ 一次1時) 題名読みをしたり,自分で題を作ったりする活動を通して,興味をもって教材文を読もうとする。 10 学習展開(国語への関心・意欲・態度 学 習 活 一次1時) 動 1 題名読みをする。 ・ ゆうすげ村はちいさな村だ。 指導上の留意事項 評価規準・評価方法 ○ 教材文に関心が持てるよう題名と 表紙絵を提示する。 ・ なんか事件がおこりそう。 2 教材文を読み,感想を書く。 ○ 今後の学習課題につながるよう (1) 範読を聞き初発の感想を書く。 に,「おもしろいところ」「ふしぎな ・ 美月がうさぎだったのがおも しろい。 ・ 最後につぼみさんに見つかっ ところ」の二つの視点で書くことを 確認する。 た所がおもしろい。 ・ うさぎなのににんじんじゃな く大根だったのがふしぎだった。 (2) 感想を交流する。 物語に別の題名をつけよう。 3 自分だったらどんな題名にするか A:教材文に興味を持ち, 考える。 自分で読み返しながら, (1) 自分で読み返し,別の題を考 ○ 想像を広げることができるよう, える。 挿絵を掲示する。 ・ うさぎ(美月)のお礼 心に残った場面の題名 をいろいろ考えること ができる。 ・ なぞのお手伝いさん ・ ふしぎな旅館の物語 ・ ふしぎな料理の出る旅館 ・ 美月とうさぎ大根 ・ うさぎ親子のおんが えし C:心に残った言葉をつなげたり,感 B:教材文に興味を持ち, (2) 考えを交流する。 4 次時の学習について知る。 想文を参考にしたりして題名を考え 別の題名を考えること るよう助言する。 ができる。 (ノート,行動観察) 9 本時の目標(読む能力 三次6時) ○ 叙述に即して想像を広げ,物語のしかけについて考えることができる。 10 本時の学習展開(読む能力 三次6時) 学 習 活 動 指導上の留意事項 評価規準・評価方法 1 物語にしかけがあることを知 る。 (1) 美月の絵を見て考える。 (2) 美月の絵について気づい たことを交流する。 ・ ○ 美月がうさぎだから色が白いこ とに気づかせるために,色の黒 い美月の絵を提示する。 美月の顔は白いはずなのに 黒いからおかしい。 ・ 髪は二つ結びのはずだ よ。 (3) 物語の中で美月の顔の色 が白くしてあった理由を考 える。 ・ 美月はうさぎだから色白 なんだ。 ・ 美月がうさぎだというこ とのヒントだったんだ。 美月がうさぎだと分かるヒントをさがそう。 2 しかけを探す。 (1)本文の中からしかけを探す ○ (2)ヒ ン ト を 短 冊 に 書 き 発 表する。 ・ けた本文に線を引き理由を書くよ 叙述やウサギの特徴を根拠に う指示する。 した理由付けを行うことがで 美月という名前もうさぎ ○ うさぎの特徴を理由付けしやす だと分かるヒントだと思う いよう,うさぎについて連想ゲー よ。 ・ 根拠を明確にするために,見つ A: しかけを3つ以上見つけ, きる。 ・ くるくるよく働くのはう ムしたものを掲示しておく。 最近耳がよく聞こえるよ うになったというところも さぎのはやく動くという特 徴なのでヒントです。 ・ 客がよく耳が最近聞こえ ヒントです。 るようになったというとこ ろもうさぎの大きな耳をイ メージするからヒントでは (3)ヒントや理由について考え を交流する。 ないかな。 ・ ウサギダイコンもヒントで す。わけはダイコンは白 C: いからです。 ・ よもぎやたんぽぽもです。 ・ それは関係あるのかな。 どういう言葉に注目したらよ B: しかけを2つ見つけ叙述 いか気づかせていくために,う やうさぎの特徴を根拠にし さぎの特徴を思い出すよう助言 する。 た理由付けを行うことがで きる。 ・ 宇佐見という名前はうさ ぎに似ているね。 ・ ウサギの月の話と関係し ているから美月という名前 にした。 (ノート、発表) 3 しかけの効果について考える。 ○ ・ ヒントがたくさんあること によって絶対にうさぎだとい うことが分かっていくところ がおもしろいから。 ・ もしこんなヒントがなかっ たら何か物足りない感じがす る。 しかけが物語のおもしろさだと いうことに気づかせるために,作 者の意図を問う。 9 目標(言語についての知識・理解・技能 三次7時) ○ 文と文との意味のつながりを考えながら,指示語や接続語を使ってあらすじをまとめることができる。 10 学習展開(言語についての知識・理解・技能 三次7時) 学 習 活 動 指 導 上 の 留 意 事 項 評価基準・評価方法 1 指示語や接続語について 理解する。 (1) 指示語や接続語が適 ○ 切でない例文を読む。 指示語や接続語着目させるために, (2) まちがった例文を掲示する。 どこがおかしいか考 える。 ・ 「しかし」がいらな い。 ・ 「あれ」がおかしい。 (3) どのような指示語, 接続語を使ったらよい か話し合う。 ・ 「この」をいれると いいよ。 ・ 「そして」をいれる といいよ。 つなぎ言葉を使ってあらすじをまとめよう。 2 指示語や接続語を使って あらすじをまとめる。 (1) いろいろな指示語や ○ 接続語があることを確 認し合う。 「そして」「しかし」「ところが」「そ の」「この」などあらすじをまとめるた めに使えそうな接続詞や指示語を掲示 する。 A: 指示語や接続語を2こ以 上で適切に使い分かりやす くあらすじをまとめている。 (2)あらすじをまとめる。 C: どんな出来事が起きたかを想起さ B: 指示語や接続語を使いあ せるために2次でまとめた表を見る らすじをまとめている。 ように声をかける。 (ノート) 3 友達とあらすじを読み合 ○ う。 推敲しやすいように,「文と文がうま くつながっているか」「大切なことがぬ けていないか」などの観点を示す。