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6 振動 6. 振動
6 振動 6. キ ワ ド キーワード ● 単振動 ● 単振り子 ● 減衰振動 ● 強制振動と共振 ● 波動 単振動とは? ある点Qが等速円運動するとき,その点Qがあ ある点Qが等速円運動するとき その点Qがあ る直径に投ずる正射影の運動を単振動という. (等速円運動をある軸上に投影した運動をいう) Q 点Qの上下方向の運動を投影 単振動とは? 単振動の基礎となる関係式 振動数 (1秒間に振動する回数) f (回/s) 周期 (1回の単振動をする時間) T (s) f = 1/T 角速度 (単位時間にまわる角) ω (rad/s) 2π ω= = 2 πf T ((1回まわれば 2π ラジアン回ることになる)) 単振動する点の変位・速度・加速度 積分 変位 x 2π x = A sin ωt = A sin t T 速度 v 2π 2π v = ωA cos ωt = A cos t T T 加速度 a 2 2π ⎛ 2π ⎞ a = −ω A sin ωt = −⎜ ⎟ A sin t T ⎝T ⎠ 2 微分 単振動する点の変位・速度・加速度 等速円運動をある軸上に投影したものが単振動だから, , その大きさは投影軸の方向成分の大きさになる. 単振動する点の変位・速度・加速度 速度 加速度 単振動する点の変位・速度・加速度 「質点」が最初(時刻0において)どこに位置しているか (1) 中心にあって最大速度で動いている場合 x = A sin ωt (2) 端にあって静止し中心に向かって動き出す 場合 x = A cos ωt v = −ωA sin i ωt a = −ω A cos ωt 2 単振動の加速度と変位の関係 に代入す と 変位 x = A sin i ωt を a = −ω 2 A sin i ωt に代入すると, a = −ω x 2 2π が得られる.この時,角振動数 ω = = 2 πf より T ω2 は変位 x ,時間 t に関係のない定数となる. したがって,単振動している質点の加速度は, 大きさは変位に比例し, し 方向は中心に向かう ばねによる振動 ばね定数 ば 定数 k のばねに質量 ば 質量 m の錘をつるして静 錘 静 止させる.錘を A だけ引き下げて,あるいは 引き上げて離すと,静止点を中心として上下 げ に振幅 A の単振動をする. この時の周期 T について考えてみる. ばねによる振動 ばねによる振動 図 6.1(b)より,ばねに引かれる力 kx0 と地球に 引かれる力 mg がつり合っているとき, mg – kx0 = 0 となる.振動しているときは,この状態から となる 振動しているときは この状態から x だけばねが伸びると考える(逆の場合もあり). この時に錘に働く力 F は, は F = mg – k ( x + x0 ) = - kx (6.2) (6 2) となる. ばねによる振動 錘は静止点を中心に単振動をしているから,この 錘は静止点を中心に単振動をしているから この 時の運動方程式は, F = ma = − kx (6.2) k a=− x m この式と,単振動における加速度と変位の関係式 a = −ω x 2 ばねによる振動 k ω= m 2π 2π ω= ,T = ω T (6 6) が得られる. (6.6) が得られる より m T = 2π k (6 9) (6.9) 弾力による位置エネルギー (図6 3のようなケースをイメージ) (図6.3のようなケ スをイメ ジ) ばねによる単振動における力学的エネルギー保存則 (運動エネルギー) + (弾力による位置エネルギー) 1 2 K = mv 2 1 2 U = kx 2 = 力学的エネルギー = 一定 単振り子とは? 細くて軽い糸に,小さい錘をつり下げたも 細くて軽い糸に 小さい錘をつり下げたも のを単振り子という.錘に働く力は,地球 が引く力 mg と,糸が引く力 S のふたつで ある. 単振り子 法線方向: S – mg cos θ 中 中心に向く加速度 向 加速度 a を錘に与えて 錘 与 円運動させる 接線方向: mg sin θ 接線方向の加速度を錘に与えて振 動させる x mg cosθ mg 図6.8 単振り子 単振り子 図 6.8のような単振り子を考える.振動中のある瞬間, 6 8のような単振り子を考える 振動中のある瞬間 角 θ が極めて小さい場合,以下の式が成り立つ. x sin θ = l これより 接線方向の力 F は これより,接線方向の力 x mgg sin θ = mgg l であり,実際には x − mg l x で示される(符号が イナスな は,θ の増える向きと で示される(符号がマイナスなのは,θ 増える向きと 逆の向きに力が働くからである.常に中心に向かう). 単振り子 この時の運動方程式より, 時 運動方程式より, x g ma = − mg , a = − x l l となる.錘の加速度 a は,常に中心 O に向かい,変 位 x に比例する.つまり,単振動する.よって,単振 に比例する つまり 単振動する よって 単振 動の式 2 a = −ω x を用いて, g ω = l 2 ∴ω = 2π l ∴T = = 2π ω g g l (6 37) (6.37) 単振り子と重力加速度 g 2π l T= = 2π g ω より l g = 4π 2 T 2 この式を用いることにより,振り子の周期 この式を用いることにより 振り子の周期 T がわかれば,その場所における重力加速度 g を測定することができる. を測定することができる 重力加速度 (1章より) 地球が物体を引く力,重力によって生ずる加速度を重 地球が物体を引く力 重力によって生ずる加速度を重 力加速度という.重力加速度の大きさは,地球上の場 所によりわずかに違う 標準には 北緯45°の海面上 所によりわずかに違う.標準には,北緯45 の海面上 の値 = 980.665 cm/s2 = 9.8 m/s2 を用いる. 赤道: 978.0 cm/s2 東京: 979.8 979 8 cm/s2 京都: 979.7 cm/s2 富士山頂: 978.8 cm/s2 極: 983.2 983 2 cm/s2 減衰振動 (p.88) (p 88) 現実の振動では,摩擦や空気の抵抗などで振 動のエネルギーが失われ,振幅が時間ととも に減衰していく. 振幅の変わらない振動を 持続振動という 振幅の変わらない振動を,持続振動という. 強制振動と共振 (p.89) (p 89) 強制振動:物体に外から周期的な力が働き, 強制振動 物体に外から周期的な力が働き 外力と同じ周期の振動を起こさせること. 共振・共鳴:ある振動体がその物体の持って いる固有の振動の周期に等しい周期で変化す る外力を受けるとき,受ける振動のエネル ギ は小さくても物体は大きく振動するよう ギーは小さくても物体は大きく振動するよう になる. 共振・共鳴の例 タコマ橋の破壊 1940年,アメリカにあったタコマ橋が18~20m/sの風に 共振して 橋にねじれ振動が発生し崩壊した 共振して,橋にねじれ振動が発生し崩壊した. その他橋の落下事故 整列した軍隊が橋を行進中,兵隊の歩調が橋の揺れを増 幅させる共振現象を引き起こし,落下した. 洗濯機の脱水機 脱水機が止まりかける前に大きく振動することがある. これは洗濯機の固有振動の周期と脱水機のかごの回転の 周期が等しくなり 洗濯機がかごに共振したためである 周期が等しくなり,洗濯機がかごに共振したためである. 波動 (p.91) (p 91) 振動が伝わる現象を波動といい,波動を伝える 振動が伝わる現象を波動といい 波動を伝える ものを媒質という.波が伝わる場合,波形はあ る方向に進行するが 媒質の各点は進行せず る方向に進行するが,媒質の各点は進行せず, つり合いの位置を中心として振動している. 横波: 媒質の各点が波の進行方向に直角に振動する波 縦波: 媒質の各点が波の進行方向に平行に振動する波 横波(a)と縦波(b) λ v = λf = T (6.61) 6章まとめ 1.単振動する点の変位,速度,加速度 単振動する点 変位 速度 加速度 2 ばねによる単振動 (運動方程式,周期) 2.ばねによる単振動 (運動方程式 周期) 3 単振り子 (周期) 3.単振り子 4.共振,波動 (主には,言葉の意味) 演習問題 6-A-3 6A3 ばね運動の振動における周期 T の式を用いて 解けます. 演習問題 6-A-4 6A4 単振り子の周期 T の式を用いて解けます. の式を用いて解けます 演習問題 6-A-5 6A5 演習問題 6-A-8 6A8 1 この時の運動方程式は,ma 1. この時の運動方程式は ma = F = kx となる. となる 2. エネルギー保存則を使うことで,解くこと , ができます. 演習問題 6-B-2 6B2 単振動の考え方で,問題を解く. 単振動の考え方で 問題を解く 振動数 f (回/s = Hzヘルツ) p.82 単振動における力Fと変位xの関係式は, 単振動における力Fと変位xの関係式は F = ma = − kx (6.1) 1 m T = = 2π f k と,f=4 Hz, a=4gを用いる 演習問題 6-B-3 6B3 重力加速度が g の時の周期 T と,重力加速度 と 重力加速度 が1/100増した時の周期 T’ との関係を考える.