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第26期第4回定例会議事録(要旨) (PDF形式 508キロバイト)

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第26期第4回定例会議事録(要旨) (PDF形式 508キロバイト)
26期第4回世田谷区社会教育委員の会議
議事録(要旨)
【1】開催日時
平成26年12月9日(火)18時30分~20時20分
【2】開催場所
世田谷区役所第2庁舎5階
【3】出席委員
齋藤委員(議長)、合田委員、林委員、直田委員、箕輪委員、萩原委員、
宇佐美委員、溝口委員、湯澤委員
【4】出席職員
教育委員会事務局
伊佐教育政策部長、林生涯学習・地域・学校連携課長、
小林社会教育係長、上原社会教育担当係長、御園生社会教育担当主査、
鈴木社会教育係主査
【5】事例報告者
【6】傍 聴 人
【7】資
料
○会議資料1
○会議資料2
○会議資料3
◎参考資料1
◎参考資料2
◎参考資料3
第4委員会室
報告者:岡さんのいえTOMOオーナー 小池 良実氏
岡さんのいえTOMO見守り隊員 小塚 秀忠氏
1人
第3回定例会議事録(要旨)
講師配布資料
岡さんのいえTOMOしんぶん 第11号
とうきょうの地域教育 No.117
こころの東京革命(第41号)
わくわくウィンタープラン2014-2015
【8】議事要旨
(1)前回議事録の承認
異議なく承認された。議事録(要旨)の署名人は、直田委員と宇佐美委員
(2)議事録(要旨)署名人の指定
第4回定例会の議事録(要旨)の署名人は、議長が萩原委員と溝口委員を指名
(3)活動事例報告「『岡さんのいえ』の活動報告について」
(報告者1)岡さんは、私の大おばさんにあたり、長年、地域で英語を教えていた。占領
下の国会議事堂で英文のタイピストをし、キャリアウーマンのはしりだった。
同じ世田谷に住んでいる親族は私だけだったので、岡さんの亡くなる6年ほど前から
私が介護の窓口となって、いろいろなことをさせてもらった。その中で、
「この家は私の
子どものようなものだから、何か地域の人に役立ててもらえないか」と遺贈され、
「さぁ、
どうしたものか」というのが始まりだった。
財団法人世田谷トラストまちづくりの「地域共生のいえ」の取組みがちょうど始まっ
1
た時期で、初期支援を受けた。2006年12月に岡さんが亡くなり、2007年7月
にオープンして間もなく、トラストまちづくり大学の講師が、フィールドワークとして
シニアのおじさんたちを連れて来た。
「どうしたらいいか?」と相談し、その方々からい
ろんな提案をいただいた。フィールドワークの成果発表を開いて、ここで昔の写真の展
示や紙相撲をした。トラストまちづくり大学の1期生の卒業生の人たちの手を借り、最
初の1年はやってみたいことをとにかくやってみようという手探りの状態だった。
2008年のひなまつりには、名古屋の「おこしもの」という、お団子の粉を練って
木の型に詰めて外して、蒸して、食紅をつけて飾る、そして焼いて食べるという一連の
ことをした。
そして、上北沢の桜まつりにあわせて「水彩の詩(うた)」という水彩画を展示した。
毎週水曜日のお昼ぐらいから5時くらいまで、
「開いているデーカフェ」と「駄菓子屋
さん」として「岡さんのいえ」を開放している。器用な人がスタッフにいて、黒板スプ
レーで掲示板を作り、今週やることをお知らせするようにした。小さな子を連れたお母
さんのサロンを開いたり、「岡さんのいえ」から出てきた古いレシピを再現したりした。
入口付近のひと棚だけを駄菓子屋さんにしているが、毎週小学生の常連さんがたくさ
ん来るようになった。活動にはお金が無いとどうにもならないので、トラストまちづく
りのまちづくりファンドの助成金を受けた。この助成金を受け取ったことで、認知を進
めようといろいろなイベントをした。シニアの方々の「そばうち」、別の場所へのお出か
け、クリスマス会、ひなまつり、和菓子作りもした。
2年目は、
「触れあう・つながる・ひろがる」をキャッチコピーとして、助成金を受取
ってまた動き出した。七夕のイベントでは、JAXAの方が来てくれ、はやぶさがちょ
うど戻ってきた時で、すごい人気だった。20人も入ればいっぱいという場所に40人
くらい入り、猛暑日にもかかわらず外に出た方が涼しかった。
上北沢児童館のまつりと合わせてイベントをしたところ、小学生が大勢来た。また、
ピアノとかオルガンがあるのでコンサートをしたり、クリスマスカードを作って飾った
りした。
3年目は、小学校の担任の先生が「地域の先輩方を探している」ということで、
「岡さ
んのいえ」の人たちが学校に行って、割りばし鉄砲などをやった。他にも、小学校3年
生を対象に、段ボールの裏を黒く塗って、裏側から千枚通しで穴を開けた「銀河箱」を
作り、宇宙を覗いているような気分を味わった。今の小学校3年生はカッターを持たせ
た途端、引かないで押したのを見て慌てて、たくさんの方に手伝ってもらった。
助成を受けられるのが3年間なので、このあとトラストまちづくりのまちづくりファ
ンドの助成金は受けていない。
また、小学校のサマースクールでは、
「岡さんのいえ」からお絵かきと囲碁を教えに行
った。学校が改築中で子どもたちが外に出られなかった時は、遊びサポーターというこ
とで20分休みに出動した。
「岡さんのいえ」は、トラストまちづくりから、インターンシッププログラムという
ことで学生が毎年たくさん来る。ある学生は絵をアニメーションにするソフトで、子ど
もが描いた絵をアニメーションにして持って来てくれた。それを見て、描いた小学生本
人が興奮して飛びついていた。また、「『岡さんのいえ』が開いている」という旗印を作
ってくれたり、紐を引っ張ると手足が動くおもちゃのようなものを作ってくれたりした。
2
それから、学生と風鈴に絵を描くワークショップをやったり、留学生が作ってくれた
食べ物を大変美味しくいただいたりした。大学の研究室の人たちが毎週水曜日の「開い
ているデーカフェ」に来てくれたりもするようになった。
2011年、世田谷美術館が1年間休館になり、
「子ども美術大学 in 『岡さんのいえ』」
という活動で、
「岡さんのいえ」を舞台に映像を作った。子どもたちにハンディカメラを
持たせて、4・5人1組にして短い映画を撮るというのもので、いろいろなところに出
て行って、夏休みを使って小さな映画を撮って、世田谷文学館で発表した。
その後、「世田谷美術館子ども美術大学 in 『岡さんのいえ』」ということで、1カ
月に1回専門の指導員の方がきて、
「岡さんのいえ」で美術教室をやった。手作りのパス
テルを作ったり、デッサンをしたりした。この頃からたくさんの方が見学に来た。何故
かというと3.11が起きたからだ。3.11の後、
「地域の絆」という言葉が独り歩き
しているような時があって、その時にものすごい数の方が視察に見えた。
川崎市多摩区が見にきて、こういう場所を始めたいと「ふらっと」という多世代サロ
ンみたいな所を開いたそうだ。江戸川区は総合人生大学という社会人大学をやっていて、
私が話をしに行ったりもした。西宮の都市整備局も「つどい場」を今展開している。
新聞社、フジテレビ、共同通信、読売新聞、韓国国営テレビ、NHK、Eテレとなだ
れを打って取材に来た。流行るということは廃れることもある訳で、私は大おばの遺志
に沿って活動をしているので、ちょっと複雑な思いがした。
「岡さんのいえ」の最大の特徴は、シニアの方から学生の方まで多世代の方がかかわ
っていることで、メーリングリストで議事録なども盛んに流し、おいてきぼり感の無い
ように気をつけてきた。
「ここはこうした方がいい」、
「ここはこうです」という意見が常
に盛んに出ている。
桜まつりでは、当時常連だった中学生が「店番する!する!」といって当番を替わっ
てくれた。土地の古いことを知っている方に案内してもらい、街歩きもした。
「岡さんの
いえ」は、ニセじぃじとニセばぁばとニセ孫がよく似合う場所だ。また、ある日近くに
ある上北沢ホームの高齢者の方3名がきて、普段無表情だったおばあさんが赤ちゃんを
抱っこしたら、一生懸命抱っこして離さなかった。多世代交流はすごくいい効果がある
ことを目の当たりにした。
JICAを通じて、トラストまちづくりが窓口になり、トルコの黒海沿岸を開発に当
たる若い役人さんたちが来た。
「岡さんのいえ」の「開いてるデーカフェ」に来て、和や
かな時間を持った。この方たちの感想は、トルコではまだまだひいじぃさん、ひいばぁ
さんが子育てをやるのが当たり前なので、他人が寄り添っているのが非常に新鮮だとい
うことだった。
「開いてるデーカフェ」に小さなお子さんを連れてお母さんが来る。このお母さんた
ちは、圧倒的に地方出身のお母さん達だ。おばあさんにちょっと預けることができなく
て、子どもと一緒にここに来ると、他の人の目と手があって、ちょっと和んでお茶が飲
めるのがとても嬉しいようで、私たちも赤ちゃんを抱っこできて喜んでいる。
縁側がありシャボン玉もやっている。砂場もスタッフがある日勝手に作ってくれた。
中学生に店番や夏休みのボランティアもしてもらうなど、ハローウィン、英語教室とい
ろんなイベントをやってきた。ピアノだったり、赤ちゃんコンサートだったり、落語、
歓送迎会、古本市、いろいろなことをやった。
3
中学生が午後6時過ぎに遊んでいると、警察に通報されるというので、
「岡さんち食堂」
というのを月1回やった時期がある。カレー、ジャーマンポテト、うどんを作った。子
どもたちの中には肉を初めて触る子もいて、肉を透かして見る子にびっくりした。
活動の中でクロスステッチを教えて欲しいと言われ、教えたこともある。
「岡さんのい
え」から出てきた手書きのレシピを、有名店のパティシエをやっていたという方に再現
してもらったりもした。
毎月月末にやっている運営会議は、実に多世代が勝手なことを言い合っているので、
非常に活気に溢れている。収拾がつかなくて大変な時もいっぱいあり、運営会議は決め
るだけで終わってしまう。もっとちゃんと話し合う場が欲しいと思い、私の提案で「食
べ飲む」会議で「食飲会議」というのを第3金曜日の夜に開いている。
始めて6年が経ち、みなさんでどうしていきたいか決めましょうと、ワークショップ
をやって、
「これまでとこれから」という小さな本を作ったりもした。また復興ファンド
の助成金を受けて、東松島市と繋がりだした。遊ぼうパンという、パン種を棒に巻きつ
けて、火で焼いて食べるというのをやっている。地元のパン屋さんがパン種をこねて待
っていてくださり、地元の復興支援の方々が火をおこして、牡蠣を山ほど用意して待っ
ていてくださったりしている。
振り返ってみて、こうした場を開くことで、出会えない人たちとたくさん出会えた。
それから、私ひとりでは本当にどうにもならないことをたくさんの目と手と知恵で乗り
切ることができた。
「岡さんのいえ」が多世代交流の良い時間が持てる場ということも気
がついた。
これからの課題は、助成金はあくまでも活動費なので、この場を継続していくために、
家賃に替わる仕組みを何かで得ていかないといけないことだ。世田谷トラストまちづく
りの地域共生のいえなので、区の助成などが検討できないかと言っているのが現状だ。
この後、スタッフの立場から「岡さんのいえ」にかかわってどうだったのかというの
をお話しいただく。
(報告者2)私は2003年8月で定年退職した。翌月から何もすることがないので、暇
でいいと喜んでいたが、これからの余生をどう過ごしていくかと考え、
「健康第一」と散
歩をしたり自転車に乗って周りを走り回ったりした。歩き回っているといい風景があり、
水彩画を描き始めた。それで、自転車や歩いて行ける範囲の世田谷の風景を描いたもの
を、「岡さんのいえ」で「水彩の詩」という展覧会として開くことになった。
18年前に家内を亡くし、北烏山に墓地があるので自転車で行きながらあちこち見て
いると、北烏山9丁目広場にトラスト協会が管理しているというサインがあり、
「トラス
ト協会というのがあって活動しているんだ」と思った。自転車で深大寺植物園に行く時
に近道を探し、野川にぶつかり、野川から帰る道にトラストまちづくりのビジターセン
ターに出合い、「そういう活動をやっているんだ」と知ったりもした。
考えてみると、会社にいた頃は自分では「仕事をしている」と思っていたが、会社の
中にいて仕事が与えられて、それをこなしていただけだった。自分から何か求めなけれ
ばいけないことに気付いて、それまで「せたがや」という区の広報誌を読んだことが無
かったが、すべて読むようになった。2006年の暮れに、世田谷トラストまちづくり
大学1期生募集という記事を見て、ビジターセンターとの出会いもあったので、世田谷
4
トラストまちづくり大学を受講した。2007年8月くらいに講義で「岡さんのいえ」
をフィールドワークで訪れて以来、現在に至っている。
「地域共生のいえ」というのが何なのかということも分からなかったが、世田谷トラ
ストまちづくり大学の良いところは実践教育を行っているところだ。理論・理屈だけで
は、「地域共生のいえ」というのは理解できないというので、「岡さんのいえ」に連れて
行かれたと思うが、まさに実践として、その中で、これやって、あれやってと言われる
こともあるが、仲間たちがみんないろいろ工夫して、知らないうちに砂場を作り、自主
的に仕事をしているというそんな雰囲気があった。私も表紙の絵を描かせていただき、
今日も楽しみながら説明をさせていただいている。地域共生のいえのかわら版も作って
いて、その編集も原稿を描いているのがオーナーさんで、イラストを私が描いている。
今71歳だが、毎年小学校へ行って絵の先生をし、道を歩いていると「おう!」と言っ
て子どもたちとハイタッチをし、今、楽しく、忙しくしている。
(4)意見交換
(委員)私は上北沢ホームの話を懐かしいという思いで聞いていた。4・5年前、園芸療
法講座を3年間やっていて、上北沢ホームに毎月通っていたからだ。
「地域の大先輩が先生に」ということで、シニア世代の方々も居場所を探しているよ
うに感じた。企業で働いて、自分のため、自分の家族のためだけに働いていたが、第2
の人生に入り「これからは人のために生きていく」と考えるようになる。
「岡さんのいえ」
は地域や社会の役に立ちたいと考え、そういう生き方をしたいと考えているのが基盤に
あるのが伝わってきた。そういう人たちの受け皿の施設が必要と感じた。
質問は、この事業の発端、開所当時の精神的なものをもう少し詳しくお聞きしたい。
企画は運営会議で決めているということだが、その構成員は、どういう方々で構成され
ているのか。課題を共有・検討するワークショップをやったということだが、そのワー
クショップもどのような構成員でやったのか。プランニングの際、この企画に参加され
た地域の方の人間性をどのように理解されているのかもお聞きしたい。
そして、この「岡さんのいえ」の活動の中・長期的な活動をするための方策として後
継者の育成は考えているか。
最後に課題を出していただいたが、ほぼ運営資金の話だった。他に課題はあるか。
(報告者1)まず、発意は、岡さんは私が中学生くらいの時「遊びに行ってもいい?」と
いうとケーキで迎えてくれるようなおばさんだった。10代の頃は、親に言えない悩み
を全部聞いてくれた。岡さんが「私はクリスチャンなので、毎晩、家族や周りの人たち
の幸せをお祈りしているの。」と言ったことが、10代の私には大変な衝撃だった。大好
きなおばさんだったが、向こうもこちらのことを思ってくれているとは思ってもみなか
った。だから、急に両想いになったみたいな衝撃は、その後の介護の窓口になったりす
る原動力になった気がする。
そして、やはり私にとってはずっと「岡さんのいえ」で、固定資産税とか光熱水費と
かさまざまな問題が降りかかってくるが、
「岡さんはどう思うかな?」というのがいつも
指針になっている。
それから、構成員は、最初のトラストまちづくり大学1期生の方々が最初中心になっ
5
て、構成員は今15名ほどいる。その15名の中には30代のバリバリに働いている女
性、学生、学生が終わったばかりの社会人、子育て中で仕事もあるお母さん、さまざま
な世代の方がさまざまな形でかかわってくださっている。
また、ワークショップは、民間企業の助成金をもらってやった。トラストまちづくり
大学の卒業生の中には、ある企業の副社長だった方もいて、助成金を審査した側だった
りする。そうすると助成金を取る方法を知っていて、それに助けられている。言ってい
ただいたご意見は、社会で生きてきた方々の貴重な意見なので、それを活かしつつ、だ
けどこの場はフラットなんだということを学んでいただきつつと、そういうところはだ
いぶ苦心してきたような気がする。
実は、
「開いてるデーカフェ」を開いた最初の日に、近所のマンションのオーナーが来
て「一体これ何やっている訳?全然分からないよ。大金持ちならともかく。こんなこと
しているより、いい不動産屋さん紹介するから、月貸ししたらいいのに。わかんねぇな
ぁ。」と言って去って行った。「これ普通の感覚だよな。」と思ったので、「そうだよね、
自分の家の隣に、
『地域共生のいえ』というのが、ある日いきなり開いたら歓迎するより、
警戒するな。」と思ったので、その後はコソコソ開いてきたという感じがある。でも、い
ろんな人が訪れて、いろんなことを言ってきてくださるのを参考にしてきた。毎週水曜
日というのは小学生の意見で、「何曜日に開けておいたらいい?」と聞いたら、「水曜日
がいい。水曜日は学校が早いから、水曜日にして。」と言ったからで、ニーズを一番反映
しているのが小学生だ。
それから、後継者はぜんぜん考えておらず、乗りかかった泥船が沈まないでいるのが
不思議なくらいで、まだ何も考えていない。
(委員)
「岡さんのいえ」は非常に興味を持っていた。もう少し静かな感じで子育て中のお
母さんが集まっているのかと思っていたが、賑やかで、活発な様子を見れた気がする。
中学生は駄菓子を売る手伝いに来ているということだが、高校生は「岡さんのいえ」
に来ているのか。
(報告者1)高校生は来ていない。中学生は友達と来たりしているが、地元の子ではない。
私は北沢にいるので、地元に根が無いのが一番弱点だ。自宅近くの中学校と「なんかの
形でつながらないか」と強く思っているが、まだ繋がっていない。
(委員)来訪者がさらに増えたら、受け入れについてはどうなるか。
(報告者1)常に賑わっている訳ではないので、できれば通学路なのでもっと帰り道に寄
ってもらいたいと思っている。
(委員)児童館も今年からようやく2館、夜7時まで開館することになった。池之上青少
年会館は10時まで開館するが、9時位までやる場所になれるのかどうか。
(報告者1)地域の絆ということで中高生の居場所になることを模索し、学生さんたちと
一緒に区外の居場所みたいなのを探しに視察に行ったりもしている。そうなったらいい
6
とは常に思っている。
(委員)野毛青少年交流センターが、
「岡さんのいえ」のようになったらいいと我々はずっ
と思っているが、今はちょっと寂しい感じだ。あそこは、近所に配慮する必要がある。
先ほど、マンションの方が最初に来たということだったが、その後近所の方から苦情は
あったか。
(報告者1)ほぼ無い。隣におじいさんとおばあさんが住んでいて、そのおじいちゃんに
縁側から、
「赤ちゃんが泣いてちょっとうるさい」と言われたので、小さい子を連れて謝
罪に行ったら、リンゴを持って来てくれた。
「このイベントはうるさいかな?」という時
は、前もって近所を回るようにしている。
(委員)私も地方出身の母親で、子どもを産むまで地域に知っている方は誰一人いなかっ
た。妊娠した時に母親学級で地域の人と知り合って、そこで知り合ったお母さん達はプ
レイパークなどでいろいろな活動をしていた。その時に声かけをしていただいて、その
ご縁でいっきに地域に知っている人が増え、子どもの教育を通じて、世界が違うお母さ
ん達とつながって、いろいろ共有できたことがありがたかった。
「もっと広い世代の方た
ちとその時に知り合うことができたら、もっと素敵だったかな」と話を聞いていて思っ
た。それと同時に、子どもの親であればPTAにかかわっていけるが、岡さんも仕事を
されながら活動していたし、有名店のパティシエの方もご自分のキャリアを活かして活
動されていたが、結婚を機に退職して子育てをしているような人は、みんなかかわりた
いと思っても、
「何か役に立てることがあるのかな」とちょっと尻ごみをしそうな気もし
た。特に特技ない人でもかかわっている方もいるのか。
(報告者1)
「開いてるデーカフェ」に来ている人達は、できることをできる時にしている。
たまたま持っているものを出しているだけで、自分から子どもが飛び出ないようにと一
番外にいて砂場を見ていている門番とか、自分ができるポジションを見つける。だから、
キャリアを競い合うようなことは一切ないので、1度遊び来て欲しい。お母さん達は、
30秒赤ちゃんを抱っこしてもらえるだけで、ちょっと息が抜けると言っている。
(委員)今、中学生や高校生の居場所が無い。たむろする場所が無くて、公園にたむろし
ているとうるさいとか、夜になると集まって何か悪さするのではないかと言われる。近
くにマクドナルドがあると、1杯100円の飲み物で中学生がずっと居てどうしてくれ
るんだという話になったりする。PTAでかかわっている保護者は、どうせ集まって話
をしているだけだろうと思うが、かかわりの少ない人は「あの集団は何をやっているん
だ?」という捉え方をする。地域の大人とつながる最初のとっかかりがなかなかうまく
いかない。
他の会議では、30代の独身でずっと家にいる人たちをどうやって外に出し、地域や
社会とつなげていこうかというのが議論になる。私も、今回「岡さんのいえ」の取り組
みを知って、このような活動にどういう風にアプローチしていけばいいのか。
また、PTAの役員のなり手がなかなかいない。
「岡さんのいえ」では、最初の一歩を
7
どうやって、遠巻きに見ていている人たちの背中を押すのかをお聞きしたい。
(報告者1)背中を押すのは難しい。PTAは私も経験したのでよくわかるが、本当に
攻防戦がこの時期繰り広げられる。トライアルみたいなのがあるとあんなに逃げ回ら
なくていいのではないかと思う。もう1つ、30代の若者はまだきたことはないので
分からないが、中学生は中学生単体では来ない。みんな信頼できる大人にくっついて
来るので、信頼できる大人を養成する。これが大事なのかもしれない。そうすると、
30代の方も信頼できる大人の方がついて来てくれれば来るかもしれない。来てくれ
れば本当に大歓迎だし、嬉しい。
(委員)何か本当にきっかけがあれば、社会とつながると思う。家の中にいても情報は
たぶん集めていると思うので、あとはそれをどう行動に結びつけるかだ。
(報告者1)
「岡さんのいえ」はいろいろチラシを作って家の前に貼ってある。持ってい
けるようにもなっている。興味を持っても、入り口から中に入るまでに何年もかかる
人がいる。チラシは置いておくと無くなるが、人数がガンと増えることもない。その
あたりは、面白いけれど難しい部分でもある。初来場者が多いのは胃袋をつかむイベ
ントで、留学生が水餃子を作る企画などは初めての方も入ってきやすいようだった。
(委員)放課後の学校以外の中学生の居場所は、公的なものだと児童館があるが、今お
話伺って、新しい可能性もあるのかなと思った。児童館は、そこに来る子どもたちは
ある一定の年齢層だが、
「岡さんのいえ」は、赤ちゃんから、遊びに来た子どもと同じ
世代も、大人もご高齢の方もいて、そこに中学生がかかわっていけるのは、ものすご
く可能性がある。中学生の女の子だと将来保育士や幼稚園の先生になりたいという子
が多く、そういう子たちは小さい子どもとかかわるのが好きそうだ。さっき中学生が
駄菓子を売っていると話をされていたが、かかわり方は自然発生的なのか。
(報告者1)中学生は東京ボランティアセンターの夏休みのボランティアで、最初から
駄菓子屋当番やってくださいとカテゴライズして募集をかけている。
(委員)中学生はこれから判断力をつけていかないといけない部分もあるが、大人があ
る程度、路線を敷いてあげると、本当によく考えて動くし、そういうのに慣れてくる
と、企画とか運営というのも十分いけると思う。
(委員)私も世田谷在住で、世田谷の教員経験も長いが、岡さんの家のことを知らなか
った。小学生にはとても健全な場所で、「岡さんのいえ」が近くの小学校が羨ましい。
例えば、小学生の頃に「岡さんのいえ」に行っていろいろ楽しい思いをした中学生
が小学生に何かすることができる仕掛けができないかと考えた。
(報告者1)中学生が出入りしていた時は、そういう動きが出そうにもなったが、高校
受験があり高校がバラバラになって途絶えてしまった。
8
(委員)例えば、青少年地区委員会でジュニアリーダーの育成をしていて、中学生がそ
ういう風に自分達で企画する場があるが、それに近いようなものがあればいいのでは
ないかと思いながら聞いていた。それから、世田谷トラストまちづくり大学というの
はどんなことをしているのか教えていただきたい。
(議長)もともと「世田谷トラスト協会」という区の外郭団体があり、自然体験とか地
域のリーダーになるような人材やボランティアの養成をやっていた。それからまちづ
くりセンターというのがあって、そちらも「世田谷区都市整備公社」という区の外郭
団体で、住民参加とか公共施設の計画に住民が参加するというのを目的として、参加
型でその場を運営するための講習会を開いていた。その2つの外郭団体が1つになり、
「世田谷トラストまちづくり」という外郭団体となって、世田谷トラストまちづくり
大学という啓発事業をやっていくことになった。自然学習系とまちづくり系と両方に
共通している参加の手法を学ぶというプログラムで、しかも、座学ではなくて、実践
的なフィールドで自分が地域活動をやる人になることを目指している生涯学習のプロ
グラムだ。
ところで、小学校でいろいろ活動しているが小学生たちはどうかかわっているのか。
(報告者1)放課後、駄菓子を楽しみに遊びに来て、駄菓子を買ってそのまま児童館に
食べに行く小学生は多い。時々、小学6年生が赤ちゃんを抱っこして来る。いえの中
にずっといるのは、小さい子を連れたお母さんが多い。
(委員)無理なくできることを続けてこられたことに私はとても感心した。これからも
地域の活動として続けていただきたい。
リーダーとして育ててくださっている中学生や高校生が、やがて地域の中でお嫁さ
んにいったり迎えたりという中で人とつながっている。そういう絆を大事にするのが
活きてくると思う。
質問は、障害のある方たちへの支援として、ニーズはどれくらいあるのを教えてい
ただきたい。
(報告者1)まだ、お見えになったことがなく、そこは把握していない。
(委員)青少年の居場所づくりの現場からは、若者だけが集まるのではなく、多世代と
か多様な人とかかわりあうというのが大事だという声が出てきている。「岡さんのい
え」の話を聞き、これから実現したいことが自然な流れの中でできているところがと
ても良い。
スタッフやボランティアさんは、みなさんどんなチャンネルで、どういうきっかけ
できているのか。
(報告者1)自分がそこでカフェをやってみたいと借りてくださった方が、そのまま運
営に携わってくださった。その方はWEBがとても得意で「ホームページを作ります」
と言ってくださった。特別に操作したり、大広報作戦をしたりということはない。
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(委員)カフェをやりたい人が、カフェができそうな場所の情報をどうキャッチされた
のか。
(報告者1)ネットが得意な方は、ネットからキャッチすることが多いようだ。
「場の力」は、やっぱり大きい。あのボロ家が気に入って、おばあちゃん家みたい、
昔の実家みたい、という方もたくさんいる。「場の持つ力」というのがある気がする。
(委員)大人がかかわるといっても、最初の一歩をどうするのかというのが難しい。
(報告者1)「岡さんのいえ」には、働き盛りのサラリーマンの男性の方はまだいない。
会議の中で、長火鉢があるのでそれで焼き鳥を焼いて、1本百円くらいで販売したら
誰かこないだろうかという話もした。
(議長)働き盛りの女性の参加はある。30代のバリバリ働いている女性はこの活動を
しているが、働き盛りの男性はこういうのは敷居が高いのかいない。女性は仕事以外
にやりたいことをいつも探しているのか、情報をキャッチすると行動力がある。
(報告者2)今、小学校へ行っても、自由な雰囲気の中で触れ合っていると、子どもた
ちは元気がいいし、発想力がすごい。
先ほど、高齢者の話をしたが、中学生・高校生はいろいろ悩んだり考えたりしてい
るが、親とは話したくないようだ。親の言うことは基本的には聞きたくないというの
が正直なところだと思うし、そういう意味では高齢者と同じように、中学生・高校生
が集える場所があって、そこに親以外の大学生だとか高齢者だとか、子育て中のお母
さんの姿を見ているだけで子どもたちはいろんなことを学んでいく。そういう場所を
先ほどから「居場所」と言っているが、そんな居場所があると子どもたちはいろいろ
なものを吸収していくし、仲良くなれば質問もしてくるだろうし、面白い関係ができ
そうだ。
(報告者1)
「岡さんのいえ」に来た大学生が、遠い親戚の家に来たみたいだと言ってい
た。顔は知らないけれど、どこか繋がっている気がする関係は双方にとって良い関係
で、昔は当たり前にあったようなものだという気がする。
(議長)公共的な施設だと、運営の仕方も、係員の人がいて利用のルールがあってとい
うのがあり、自分の家のような感じはない。
「岡さんのいえ」は学生インターンシップを受け入れていて、大学生が入れ替わり立
ち替わり来るのが、シルバー世代の方々の刺激になっている。子どもでもなく、でも、
危なっかしく「なかなか面白いぞ、こいつら」みたいな感覚で大学生のことを思って
くれている。それが刺激になって次の活動になっている。
(委員)学生インターンシップというのはどこで知ることができるのか。
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(報告者1)世田谷トラストまちづくりが公募という形を採っている。
(議長)それとは別に、大学の研究室から連絡がくることもある。研究したい面白いテ
ーマがあることが、大学生がひっきりなしにやってくる理由になっていると思う。小
学校の学校運営委員の面白い多様性というのとも違うと思うが、いろいろな拠点が地
域の中に混在しているということは健康的という感じがする。
時間を少し過ぎたが、これをもとに、次回の会議の中で議論を深めていただきたい。
(次回について)
第5回定例会:平成27年1月27日(火)18:30~ 庁議室
今年度、2回の事例報告とそれをもとに意見交換をしたが、来年度に向けての方向
性を確認したい。次回までに、みなさま方に、これまでの意見をもとに、考え方を整
理していただき会議に臨んでいただくようにお願いする。
4
その他
(1)事業報告
・平成26年12月4日(木)人権週間記念事業として「講演と映画のつどい」が
実施された。参加者は195名だった。
・平成26年12月6日(土)三茶しゃれなぁどにおいて、青少年委員とスポーツ
推進委員との合同研修会が行われた。内容は、日赤医療センターの看護師長の方
に来ていただいて、イベント中に起きやすい怪我や病気の初期対応の講義と実演
を実施した。参加者は55名だった。
(議長)以上で、本日の会議を終了する。
- 以上 -
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