五月 - bicoid

bicoid MAY
note
2014
140505:2027
まとめて送る
三月と四月のテキストをまとめました。
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140510:0108
我らガンジスの民と
さんに席を返してもらおうかと思ったけれど、意表をついて
そのおばあさんが不満をTwitterで拡散する可能性もあるた
め、おとなしくポエムを作りながら梅田に着くのを待った。
隣に立つ学生たちがスマートフォンを手に、「五駅ほど先
の踏切で女性が跳ねられたらしい」という情報を共有し合っ
ていた。いつの間にか僕たちは複雑な世界に住んでいて、そ
昨晩は眠りについたのが午前四時過ぎだった。なぜはっき
りと覚えているかというと、キーボードを叩き終えて時計が
午前四時になったのを見て、「あ、午前四時だ」と感じ、そ
の世界では五駅ほど先の踏切で発生した情報がスマートフォ
ンから取得されるのだ。そして僕たちは、今からそのレール
を踏み越えていく。
れから布団に向かったからです。
なんだか、この列車と線路はまるでガンジス川みたいだ
まるで感謝祭の前夜に墓場から掘り起こされた山城新伍さ
んのように、比較的ぐったりと阪急電車のソファに眠ってい
ると、目の前に完全なおばあさんが立っていた。「ポエムで
な、と僕はそのとき思った。それは生を運び、死を流す。祈
りを届け、つかの間の眠りに誘い、メルヘンに形を与える。
そして山城新伍は今も死に続けている。
すね、メルヘンですね」と紳士な口ぶりで彼女に席を譲った
途端、人身事故で電車が止まっていることに気がついた。
ぜんぜん動かない。A列車で行こう！ と叫んでもここは
阪急沿線。10分が過ぎてもぴくりとも動かないので、おばあ
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140514:0127
ゴーストライターの今
る音符をそれぞれ適切な位置に並べ直しているんじゃないか
と思うくらい良い。
煙草を嗜む幽霊の話を書こうとすると、やはり書き手はゴ
ーストライターと呼ばれ、ゴーストがライターを使うたびに
払拭しきれぬ駄洒落感に悩まされるのだろうか。
去年の暮れ、SONYのSRS-BTX300を買おうと思っていた
のだけど、実物をちゃんと確認する暇もないまま時は流れ、
いつの間にか店頭に並ぶのは「展示品処分セール」的なもの
ばかりになり、「なんだかなぁ」と声に出して言おうとした
ら、「だか」の辺りで後継機SRS-X5が登場した。ので一ヶ月
半ためらってから買った。
結論から言うと、あと四ダース追加で買おうかと思うくら
い良い。
聞き慣れた曲を再生してみても、目を閉じて耳を澄ませ
ば、そこにはこれまでとは違った瑞々しさを覚える。スピー
カーの裏のくぼみの所に小型の新垣氏が潜んでいて、通過す
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