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3.離婚とその後

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3.離婚とその後
10/11/15(mo.)家族と社会
3.離婚とその後
3−1.離婚とは
離婚[divorce]:基本的には夫婦関係の法的解消
潜在的離婚:夫婦としての生活はないけれど、法的解消はしていない
①別居[separation]:双方の合意の上、夫婦としての生活をしない
②遺棄[desertion]:いずれか一方による解消
※法的解消をしなければ再婚ができない
3−2.離婚に対する社会の対応
結婚非解消主義:倫理や道徳的なものとして、私たちを拘束している
結婚解消主義:要件を満たせば離婚可能
①有責主義:特定の原因を法的に定めて、これに合致する場合
②救済主義:客観的に見て、夫婦生活が双方を傷つける場合
③破綻主義:個人の自由な意志に基づいた場合
※結婚の世俗化
3−3.日本の離婚の動向
普通離婚率:人口1000人に対する年間離婚件数
・普通離婚率の推移
2.5
イギリス
2.1
スペイン
2.01
2
ロシア
1.46
1.5
1
スウェーデン
1.39
1.02
0.99
4.83
ノルウェー
1.28
デンマーク
0.74
イタリア
0.68
0.85
ドイツ
0.5
フランス
日本
0
2.02
2009
2005
2000
1995
1990
1985
1980
1975
1970
1965
1960
1955
1950
1947
1940
1935
1930
1925
1920
1915
1910
1905
1900
0.00
1.00
2.00
・国別普通離婚率(2007 年)
1
3.00
4.00
5.00
10/11/15(mo.)家族と社会
□「成田離婚」と「熟年離婚」
・同居期間別離婚件数の年次推移
0%
20%
1950
40%
60%
80%
100%
3 5 .7
1960
2年 未 満
2 9 .8
3∼ 5
1970
2 6 .9
1980
1 7 .3
1990
1 7 .6
2000
1 5 .5
2005
1 4 .8
5∼ 10
10∼ 15
15∼ 20
20年 以 上
・2005 年の夫婦数当たり離婚発生率〈図家問〉
離婚件数
総数
夫婦組数
離婚発生率
193137
31,894,622
0.61
∼19歳
1767
23,676
7.46
20∼24
17010
351,273
4.84
25∼29
34755
1,499,073
2.32
30∼34
44811
2,946,058
1.52
35∼39
32947
3,057,588
1.08
40∼45
23102
3,049,558
0.76
45∼49
15300
3,065,566
0.50
50∼54
10326
3,542,124
0.29
55∼59
7140
4,081,535
0.17
60∼64
3288
3,326,490
0.10
65歳以上
2689
6951681
0.04
3.58
1.30
0.63
0.23
0.07
※ここでいう「離婚発生率」とは(離婚件数÷夫婦組数×100)の値である。なお、いずれも年齢は
妻の年齢を基準としている。
□日本の離婚の種類:離婚の手続きを基準として
①協議離婚:当事者の合意
②調停離婚:家庭裁判所による調停
③審判離婚:家庭裁判所による審判
④裁判離婚:訴訟により地方裁判所以上の上級審による裁判
※平成 16 年に離婚手続きに関する法律が改正されたため、現在は「和解離婚」「認諾離婚」という
ようにカテゴリーが増えている。
2
10/11/15(mo.)家族と社会
民法七七〇条【離婚原因】
①
夫婦の一方は、左の場合に限り、離婚の訴を提起することができる。
配偶者に不貞な行為があったとき。
二
配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三
配偶者の生死が三年以上明かでないとき。
四
配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込がないとき。
五
その他の婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
②
一
裁判所は前項第一号乃至第四号の事由があるときでも、一切の事情を考慮して婚
姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
・離婚件数と種類別割合
1950
1960
1970
1980
1990
2000
2005
総数
協議離婚 調停離婚 審判離婚 和解離婚
83689
95.5
3.9
0 ...
69410
91.2
7.8
0.1 ...
95937
89.6
9.3
0.1 ...
141689
89.9
9
0 ...
157608
90.5
8.4
0 ...
264246
91.5
7.7
0 ...
261917
89
8.7
0.1
0.9
認諾離婚 判決離婚
...
0.5
...
0.9
...
1
...
1.1
...
1
...
0.8
0
1.2
・離婚調停の申し立て理由〈WDB〉
0
20
40
43.1
性格が合わない
暴力を振るう
5.8
19.3
精神的に虐待する
病気
12.9
27.3
25.9
17.4
3.3
16.9
13.6
14.3
家庭を捨てて省みない
8.4
10.4
家族親族と折り合いが悪い
2.4
17.6
9.4
8.4
12.4
8.2
13.4
性的不満
異常性格
同居に応じない
61.3
24.6
1.9
浪費する
酒を飲み過ぎる
80
29.6
異性関係
生活費を渡さない
60
2.9
妻から
10.7
3
夫から
10/11/15(mo.)家族と社会
□どちらが親権を行うか
・親権を行う者別にみた離婚件数割合の年次推移〈WDB〉
(夫-全児の親権)
(妻-全児の親権)
(夫と妻がそれぞれ分け合って子どもの親権を行う場
合)
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
0
5
9
1
5
5
9
1
0
6
9
1
5
6
9
1
0
7
9
1
5
7
9
1
0
8
9
1
5
8
9
1
0
9
9
1
5
9
9
1
0
0
0
2
5
0
0
2
3−4.再婚
再婚[remarriage]:死別・離婚を経験したものが再び結婚すること
・初婚・再婚の組合せ別件数および構成割合(2009 年)
夫
初婚
妻
再婚
初婚
524,480(74.1) 66,834(9.4)
再婚
50,618 (7.2) 65,802(9.3)
民法七三三条【再婚禁止期間】
①女は、前婚の解消又は取消の日から六箇月を経過した後でなければ、再婚することがで
きない。
②女が前婚の解消又は取消の前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規
定を適用しない。
□モナハンの離婚調査[1958]
初婚で離婚=16.6%
一度離婚で離婚=34.9%
二度以上離婚で離婚=79.4%
→要するに離婚したら再婚しても離婚する。
【参考資料】
森岡清美・望月嵩 1997 『新しい家族社会学 四訂版』培風館。
湯沢雍彦 1995 『図説 家族問題の現在』NHKブックス742→〈図家門〉
井上輝子・江原由美子編 1999 『女性のデータブック
4
第3版』有斐閣→〈WDB〉
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