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理 科 蒸気機関と産業革命 石油革命
➡自然エネルギーの利用 エネルギーと科学 理 科 ➡化石エネルギーの利用 〈石炭が中心〉 ➡電気エネルギーの利用 ◆蒸気機関と産業革命 ◆石油革命 18 世紀半ば、ワットが蒸気機関を発明し、そ 1950 年ころ、中東やアフリカに相次いで大油 れは工場での動力源のほか、蒸気機関車、蒸気船 田が発見されたり、石油の新しい採掘方法が開発 などさまざまな分野に応用されるようになった。 されたりして、石油が大量にとれるようになった。 蒸気機関の利用によって、これまでの畜力や自 日本でも 1960 年代に、エネルギー資源の主役は 理 科 ❸ エネルギーと科学 然エネルギーにくらべて生産力は大幅に向上した。 石炭から石油へ代わった。これを「石油革命」と それまで暖房用にのみ使われていた石炭が原動 いう。 力として利用され、その消費量も飛躍的に増大す 石油は自動車や船、飛行機などの交通機関に欠 ることとなった。また、石炭が豊富だったイギリ かせない燃料である。また、火力発電や工場の機 スを中心に産業革命が起こり、文明も急速に発展 械を動かす燃料として、石油化学製品の原料とし した。 て、経済の成長を支えてきた。 1800 ワットの 蒸気機関 日本初の火力発電所で使用されていた発電機 (エジソンダイナモ)写真提供:国立科学博物館 日本初の水力発電所(蹴上発電所・京都) ・アメリカが日本への石油輸出を停止 ・イギリスでラザフォードが 核反応の実験をおこなう ・猪苗代水力発電所から初の長距離送電 空気抜き ポンプ 1940 年 1919 年 1915 年 ・日本初の製鉄所創業︵福岡県北九州市・八幡製鉄所︶ が始まる ︵福島∼東京︶ ・電力の動力需要が電灯需要をこえる 1901 年 ・ベクレルが放射能を発見 ・ドイツのレントゲンがX 線を発見 ・日本初の水力発電所完成︵京都︶ ・日本初の火力発電所完成︵東京︶ 1913 年 1896 年 1895 年 1891 年 1887 年 ・﹁エネルギー保存の法則﹂の発見 ・アメリカでエジソンが電球を発明 1850 年頃 ・イギリスのグローブが燃料電池の原理を発明 1879 年 1839 年 凝縮器 ボイラー ・ファラデーが発電機を発明 シリンダー ↑ピストン↓ が起こった 弁B 弁C 1831 年 ・イタリアでボルタが化学変化を 利用して電流をとり出す電池を発明 産業革命 ・イギリスのワットが蒸気機関を発明し、 弁A ・ドイツのオームが﹁オームの法則﹂を発表 世紀半ば 18 1826 年 1800 年 28 1900 〈石油の利用拡大〉 〈天然ガスの利用拡大〉 ➡核エネルギーの利用 ◆エネルギー資源の多様化 電気エネルギーは、火力や水力などの一次エネ 日本は二度の石油ショックの経験から、ひとつ ルギーを変換して、利用しやすく加工した二次エ の資源にたよる危険性を学び、エネルギー資源の ネルギーである。社会の発展とともに、人々はエ 多様化を進めてきた。 ネルギーにパワーだけでなく、快適さやクリーン そして、石油や天然ガス、石炭などの化石燃料 さも求めるようになってきた。 に加え、原子力(核エネルギー)や自然エネルギー 電気エネルギーは、スイッチひとつで簡単に使 などを、それぞれの特性を生かしてバランスよく える便利なエネルギーであるため、その需要は増 使っていくことで、安定したエネルギーの供給が 加の一途をたどってきた。発電方法は水力や火力、 おこなわれた。 原子力、自然エネルギーが利用されるようになった。 また、地球温暖化問題を解決するためにも、エ ネルギーの多様化が求められている。 1950 2000 ・日本の中村修二が青色発光ダイオードの実用化に成功した ・地球的規模の環境問題を討議する国際会議﹁地球サミット﹂開催 2000 年代 ・持続可能な社会への変換が提唱される 1993 年 1992 年 ・日本の赤崎勇、天野浩らによって青色発光ダイオードの 原理を見つけた ・二酸化炭素の温室効果について世界的に関心が持たれる 1989 年 1988 年 ・省エネルギーの研究開発が始まる ・第二次石油ショック 1979 年 1978 年 ・石油に代わるクリーンなエネルギーの研究開発が始まる ・第一次石油ショック ・カラーテレビ、クーラー、自動車︵カー︶が3C とよばれ、 普及した ・日本初の原子力発電所が完成︵茨城県東海村︶ 1974 年 1973 年 1960 年代 1966 年 ・世界初の原子力発電所完成 ・アメリカでベル研究所がシリコン太陽電池を発明 ・高度経済成長期に入り、冷蔵庫、洗濯機、 白黒テレビが﹁三種の神器﹂といわれた ・第二次世界大戦終戦 1960 年代 石油革命 ・エネルギーの主役が石炭から石油に代わった 1954 年 1950 年代 1945 年 青色発光ダイオード ◎理 科: ・1 年…大地のなりたちと変化 ・2 年…電気の世界 ・3 年…科学技術と人間(科学技術の発展) ・3 年…自然と人間(炭素の循環) ◎その他の教科: ・歴 史…近世の日本(産業や交通の発達) ・歴 史…近代の日本(産業革命の進展) ・歴 史…現代の日本と世界(高度経済成長) ・技術分野…材料と加工に関する技術(わたしたちの生活) 関連する ページ 考えて みよう ○日本のエネルギー利用 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.12 ∼ 13 ○エネルギー資源の特徴と使われ方 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.15 ○一次エネルギーと二次エネルギー ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.31 ○さまざまな発電方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.32 ∼ 33 ○持続可能な社会をめざして・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.11、P.48 「火の利用」 、 「産業革命」 、 「石油革命」は人類 の文明を大きく発展させた。次に時代を大きく 変えるエネルギーは何か、考えてみよう。 理 科 ❸ エネルギーと科学 ◆電気エネルギーの利用 29