職業でみる就業者―雇用環境の現状を幅広くみるために その3

平成 21 年７月 31 日
総 務 省 統 計 局
労働力調査の結果を見る際のポイント No.10
職業でみる就業者
～雇用環境の現状を幅広くみるために
その３～
労働力調査では就業者について，勤め先事業所の事業内容を分類した「産業」別の動向を中心に公表
しています。しかし，雇用環境の現状を幅広くみるためには，本人の仕事内容について分類した「職業」
別の動向を併せてみることも重要です。
「産業」と「職業」の分類については，以下のとおりです。
○ 産業 … 就業者が実際に仕事をしていた勤め先・業主の主な事業の種類（生産されるモノ又は
提供されるサービスの種類などに着目して区分）のことで，事業所を単位としています。
○ 職業 … 就業者が実際にしていた仕事の種類のことで，個人を単位としています。
例えば，製造業の事業所に勤めている就業者についてみると，工場で製品の組立ての仕事をしている
者もいれば，事務所で経理事務の仕事をしている者もいるように，同一の事業所内にも様々な職業が存
在しています。
この例の場合，同じ「製造業」という産業に分類される就業者でも，職業分類によれば前者は「生産
工程・労務作業者」
，後者は「事務従事者」となります。
＜職業別就業者数の推移＞
○ 就業者数は，前年同月と比べた減少幅が平成 21 年４月に 100 万人を超え，その後も拡大しています。
これを職業分類別にみると，平成 21 年６月では就業者数全体の減少幅の８割以上を「生産工程・労務
作業者」が占めています。また，
「生産工程・労務作業者」の減少幅は平成 20 年 12 月以降，拡大を続け
ています。
○ 一方，高い専門性や技術などを必要とする「専門的・技術的職業従事者」は，平成 21 年１月以降，前
年同月に比べ６か月連続して増加しています。
○ なお，減少幅の拡大が続いている「生産工程・労務作業者」について産業別に構成比をみると，
「製造
業」
，
「建設業」及び「サービス業」の三つの産業で，全体の７割以上を占めています。
表 職業別就業者数の推移
年　月
実
数
対
前
年
同
月
増
減
平成20年　7月
8月
9月
10月
11月
12月
平成21年 1月
2月
3月
4月
5月
6月
平成20年　7月
8月
9月
10月
11月
12月
平成21年 1月
2月
3月
4月
5月
6月
総数
6406
6405
6393
6388
6391
6331
6292
6265
6245
6322
6342
6300
-52
-41
-29
-36
-42
-65
-29
-27
-91
-107
-136
-151
（万人）
専門的・
保安職業，
管理的職業
農林漁業
技術的
事務従事者 販売従事者 サービス職
従事者
作業者
職業従事者
業従事者
917
937
953
957
948
945
962
968
952
978
985
953
6
7
7
-1
-16
-17
4
27
8
13
7
2
167
167
178
177
170
166
167
168
173
181
173
173
1
-9
-4
-1
2
-4
-10
-7
5
6
0
2
1301
1275
1284
1294
1311
1314
1308
1306
1289
1274
1274
1308
37
23
48
36
30
43
31
26
8
-10
-14
-8
870
865
865
854
857
865
884
856
852
860
879
884
-14
-11
-10
-20
-26
-25
9
-19
-27
-19
3
3
796
793
802
797
797
801
785
780
773
797
821
816
2
-12
15
20
10
24
22
8
-7
17
31
19
286
278
271
266
251
234
217
225
258
275
280
271
-23
-17
-13
-16
-12
-2
-2
3
11
-13
-27
-28
運輸・通信 生産工程・
従事者
労務作業者
203
206
199
196
194
188
197
210
213
206
196
197
-11
4
-9
-11
-5
-13
-5
9
10
2
-1
5
1798
1821
1772
1781
1792
1756
1712
1690
1677
1693
1677
1642
-43
-21
-62
-44
-29
-69
-70
-71
-80
-86
-120
-128
注）総数には「分類不能の職業」を含む。
※ 職業の分類内容については，http://www.stat.go.jp/data/roudou/pdf/shoku.pdf を参照してください。