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若者の職業意識に関する調査 結果報告

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若者の職業意識に関する調査 結果報告
2007 年 12 月
調査主体:東北大学・大阪大学
調査委託:サーベイリサーチセンター
住
所:〒980-0802
仙台市青葉区二日町 11-11
電話番号:0120-02-3871
■□若者の職業意識に関する調査
結果報告□■
このたび、
「若者の職業意識に関する調査」の対象者となられた皆様からの回答の集計作
業が終わりましたので、簡単に調査結果の一部をご報告いたします。調査にご協力くださ
った皆様に深く感謝いたします。
1.調査の概要
この調査は、東北大学と大阪大学が共同で企画したものです。職業経歴と生活状態につ
いて主におたずねし、統計にとりまとめ、学術的な研究資料とするのが目的です。
この調査は、住民基本台帳をもとに無作為抽出を行い、選ばれた全国に在住の 18 歳~
34 歳の一般市民の方々4,680 名を対象としました。調査は 2007 年 1 月 11 日~2 月 26 日
の間に実施され、1,187 名の方々から回答をいただきました。
2.調査結果
以下では、1,187 名の皆様からの回答を集計して得られた結果の一部として、皆様の現
在の職業と職業に関する意識との関係をご報告いたします。
2.1 職業別にみる職業に関する満足感
はじめに、職業別にみる職業に関する満足感を見てみましょう(図1)。職業は、
「専門・
管理」、
「事務・販売」、
「生産工程・労務・農業」の 3 つに分け、満足感は「満足している」、
「どちらともいえない」、「不満である」の 3 つに分けています。満足感は、「仕事と生活
の両立のしやすさ」、「昇進の機会」、「現在の仕事の内容」の 3 つをとりあげています。
「生活と仕事の両立のしやすさ」では、どの職業においても「満足している」と回答す
る人々の割合が 4 割から 5 割であることから、職業を問わず若年の人々の約半数は現在の
仕事と生活との両立に満足していることがわかります。
「昇進の機会」では、どの職業においても「どちらともいえない」と回答する人々の割
合は過半数であり、若年の人々は昇進の機会についてはっきりとしたイメージを持ちにく
いことがうかがえます。また職業別にみると、「事務・販売」、「生産工程・労務・農業」、
「専門・管理」の順に「満足している」と回答した人々の割合が高くなっています。
「現在の仕事の内容」では、どの職業においても「満足している」と回答する人々の割
1
合が 5 割を超え、職業を問わず若年の人々の過半数は現在の仕事の内容に満足しているこ
とがわかります。また職業別にみると、
「昇進の機会」の場合と同様に、
「事務・販売」、
「生
産工程・労務・農業」、「専門・管理」の順に「満足している」と回答した人々の割合が高
くなっています。
この 3 項目以外の職業に関する満足感でも、「専門・管理」の人々はほかの職業の人々
にくらべて「満足している」と回答する割合が高いという結果が得られています。しかし、
いずれの項目も職業による違いはそれほど大きくはないといえるでしょう。
100%
80%
60%
40%
20%
0%
専門・管理 事務・販売 生産工程・労 専門・管理 事務・販売 生産工程・労 専門・管理 事務・販売 生産工程・労
務・農業
務・農業
務・農業
仕事と生活の両立
満足している
昇進機会
どちらともいえない
仕事内容
不満である
図1.職業別にみる職業に関する満足感
2.2 職業別にみる職業にたいする考え方
次に、職業別にみる職業にたいする考え方を見てみましょう(図2)。図2では、「職業
能力を向上させる機会がない」、「自分の能力が発揮できる」、「お金のためというより、今
の仕事が楽しいから働いている」という 3 つの意見に肯定である人々の割合を、職業別に
示しています。
「職業能力を向上させる機会がない」と考えている人々の割合は、
「専門・管理」では約
3 割であるのに対し、
「事務・販売」と「生産工程・労務・農業」では約 4 割となっていま
す。このことから、
「専門・管理」の人々はほかの職業の人々にくらべて、職業能力をより
向上させることができる環境にいると考えている人々が多いことがわかります。
「自分の能力が発揮できる」という項目では、どの職業においても過半数の人々が肯定
意見を持っています。しかし、職業による違いに注目すると、肯定意見は「専門・管理」
では約 7 割であるのに対し、「生産工程・労務・農業」では約 6 割、「事務・販売」では約
5 割となり、職業による大きな違いがあることがわかります。
「お金のためというより、今の仕事が楽しいから働いている」という項目でも、肯定意
2
見は「専門・管理」で約 5 割であるのに対し、「事務・販売」と「生産工程・労務・農業」
では約 4 割となっています。
以上のことから、現在の職業にたいする考え方は職業によって大きく異なることがわか
ります。
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
専門・管理 事務・販売 生産工程・ 専門・管理 事務・販売 生産工程・ 専門・管理 事務・販売 生産工程・
労務・農業
労務・農業
労務・農業
職業能力を向上させる機会がない
自分の能力が発揮できる
お金のためというより、今の仕事が
楽しいから働いている
図2.職業別にみる職業にたいする考え方
2.3 職業別にみる今後の働き方
最後に、職業別にみる今後の働き方についての意識を見てみましょう(図3,4)。
図3は、今後の働き方として、
「同じ内容の仕事をつづける」のが良いか、それとも「い
ろいろな仕事を経験する」のが良いか、どちらか一方を選ぶ形式の質問項目の結果です。
図3からは職業によって大きな違いがあることがわかります。
「専門・管理」と「生産工程・
労務・農業」では「同じ内容の仕事をつづける」というのが多数派の意見であるのに対し、
「事務・販売」では「いろいろな仕事を経験する」というのが多くなっています。
生産工程・労務・農業
事務・販売
専門・管理
0%
20%
40%
同じ内容の仕事をつづける
60%
80%
いろいろな仕事を経験する
図3.今後の働き方①
3
100%
図4は、今後の働き方として、
「自分で事業をいとなむ」のが良いか、それとも「会社づ
とめをする」のが良いか、どちらか一方を選ぶ形式の質問項目の結果です。図4からはど
の職業においても「会社づとめをする」というのが 6 割を超えており、「自分で事業をい
となむ」ということを希望している人は少ないようです。しかし、
「生産工程・労務・農業」
ではほかの職業とは異なり、約 4 割の人々が「自分で事業をいとなむ」方が良いと考えて
います。
生産工程・労務・農業
事務・販売
専門・管理
0%
20%
40%
自分で事業をいとなむ
60%
80%
100%
会社づとめをする
図4.今後の働き方②
3.おわりに
以上、「若者の職業意識に関する調査」の調査結果の一部をご報告いたしました。今後
も「若者の職業意識に関する調査」データを用いて、多くの研究がなされる予定です。な
お、本研究組織に参加する研究者の分析による報告書の刊行は 2007 年度末を予定してお
ります。最後に、調査にご協力くださった皆様に重ねて感謝いたします。
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