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第2章 メタボリックシンドローム対策 現状と課題 *特定健診受診率

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第2章 メタボリックシンドローム対策 現状と課題 *特定健診受診率
第2章
メタボリックシンドローム対策
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満を共通の要因として、高血糖、高
血圧、脂質異常などを呈する状態のことをいいます。過栄養や運動不足などにより内
臓脂肪が蓄積により、そのため引き起こされる代謝異常が原因であるとなっています。
これらが重複した状態は動脈硬化を促進させ、心疾患、脳血管疾患の発症リスクを高
めるといわれています。このようなことから、脳卒中や心筋梗塞などの予防のために
は、運動習慣の徹底、食生活の改善、禁煙など、生活習慣の改善による内臓脂肪型肥
満に着目した取り組みが重要になります。
◆現状と課題◆
平成18年の医療構造改革によって、平成20年4月から、医療保険者(国民健康保険・
被用者保険)によるメタボリックシンドロームに着目した特定健康診査(以下特定健
診という)及び特定保健指導が始まりました。第一期医療適正化計画では、平成24年
度までに特定健診実施率65%、特定保健指導実施率45%を達成するよう目標値が掲げ
られました。
生活習慣病予防の推進には、保険者が実施する特定健診及び特定保健指導を通じた
健康づくり(ハイリスクアプローチ)と、健康づくり関係機関が連携して行う普及啓
発や基盤整備(ポピュレーションアプローチ)を適切に組み合わせ、効果的に推進し
ていくことが必要になります。
*特定健診受診率・特定保健指導実施率の向上
平成23年度特定健診受診率(法定報告値)は39.8%(図1)、平成23年度特定保健
指導実施率(法定報告値)は28.2%(図2)であり、目標値には未だ及ばない現状に
あります。
平成23年度特定健診受診率を性・年齢別にみると全年齢を通して、男性よりも女性
の方が受診率は高い傾向にあります。70歳以上の受診率が最も高く、59歳以下の受診
率は25%以下に留まっています。特に45~54歳は男女ともに受診率が20%未満と低い
値になっています。(図3)
平成25年度からの第二期医療費適正化計画では、特定健診受診率・特定保健指導の
実施率は60%が目標値となります。若い世代の人を中心に、特定健診受診率の向上を
図るための取り組みが必要です。
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図1 特定健診受診率の推移
図2
特定保健指導実施率の推移
【国保連合会提供データより】
図3
性・年齢別受診率の推移
(H20~H23)
【H23 年度特定健診結果より】
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*メタボ該当者及び予備群の減少
平成23年度の特定健診結果(法定報告値)では、男性の約2人に1人(47.2%)、
女性の約5人に1人(21.2%)がメタボリックシンドロームの該当者及び予備群とな
っています。(図4)これは県平均[男性45.5%、女性19.4%(平成23年度法定報告
値)]よりも高い傾向にあります。平成20年度の健診結果と比べても、男性・女性と
もにメタボリックシンドロームの該当者の増加がみられます。
BMIによる肥満者(BMI25以上)の状況では、平成20年度よりも平成23年度の
方が肥満者の割合が高い傾向にあります。男性は40~59歳の割合が増加しており、女
性は60歳以上から肥満者の割合が高くなっています。(図5)
腹囲測定とBMIによる肥満者の状況をみると、男性の2人に1人(51.6%)が腹
囲85㎝以上に該当し、うち約半数が肥満者にも該当しています。女性は男性と比べて
肥満者に該当する人が多い傾向にあります。(図6)
第二期医療費適正化計画では、平成20年度の値を基準とし、平成29年度までにメタ
ボ該当者及び予備群を25%減少させることを目標としています。日頃から自分の適性
体重や腹囲を目安とし、内臓脂肪型肥満の予防が重要といえます。
図4 メタボリックシンドロームの該当者・予備群の割合
【H23 年度特定健診結果より】
図5 肥満者の状況(BMI)
【H23 年度特定健診結果より】
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図6 肥満者の状況(BMI と腹囲測定)
【H23 年度特定健診結果より】
◆◆重点目標◆◆
メタボリックシンドロームの該当者・予備群の減少
現 状
男性 47.2%
女性 21.2%
25%の減少
目標値
男性 35.4%
女性 15.9%
◎若いころから、運動習慣の定着と食生活の改善を柱とした健康的な生活習慣の確立を
目指し、メタボリックシンドローム該当者・予備群の減少を目指します。
◎特定健診及び特定保健指導の実施率60%を目指し、健診や保健指導の重要性を周知さ
せ、市民の健康意識を高めることに努めます。
35
指
標
現状値
平成34年度目標値
肥満者の割合
≪男性≫
①BMI25以上で腹囲85㎝以上
26.8%
②BMIのみ25以上
1.7%
③腹囲のみ基準値以上(85㎝以上)
24.8%
男性
53.3%
48.0%
①~③合計
≪女性≫
①BMI25以上で腹囲90㎝以上
15.5%
②BMIのみ25以上
4.7%
③腹囲のみ基準値以上(90㎝以上)
8.2%
女性
28.4%
25.6%
特定健診受診率
39.8%
60%
特定保健指導実施率
28.2%
60%
①~③合計
◆◆市民の行動目標◆◆
◎メタボリックシンドロームについて正しく認識し、「予防」の重要性に対する意識を
高めよう
◎日頃から自分の適性体重や腹囲を目安とし、内臓脂肪型肥満を予防しよう
◎1年に一度健診を受け、健康状態を確認し、保健指導や医療受診を通して自分の生活
習慣改善を行い、生活習慣病を予防しよう
◆◆目標を実現するための市の取り組み◆◆
☆メタボリックシンドロームを予防するための情報の提供・普及啓発
□
特定保健指導を実施し、メタボリックシンドロームに関連する生活習慣病の発症を
予防するために、適切な知識の提供と行動変容を促す支援を行います。
□
健康教室や講演会等を通じて、メタボリックシンドローム等の生活習慣病に対する
普及啓発を積極的に推進します。
□
生活習慣の中でも特に自分にあった適正な食生活を実践できるよう、食育事業を通
じて、食からのメタボリックシンドローム対策を強化します。
☆健康づくり活動の推進
□
健康づくりボランティアの積極的な活動を支援するとともに、運動や栄養など健康
に関する学習や地域ぐるみの活動を進める自主グループの活動を支援します。
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☆環境づくりへの支援
□
生活習慣病の予防等を図るため、各ライフステージの特徴や課題に応じ、ターゲッ
トを絞った栄養指導や健康教育・健康相談等を推進します。
□
事業者・医療機関等とも連携し、被保険者及び被扶養者に対し、特定健診の確実な
実施と受診率の向上を図るとともに、肥満や高血糖などのメタボリックシンドローム
の要因を有する人には特定保健指導を行い、生活習慣改善の支援に努めます。
□
地域住民を対象とした健康管理・保健サービス(地域保健)と地域の事業所の就業
者を対象とした労働安全・保健サービス(職域保健)との連携を図り、地域全体の健
康課題の明確化や生涯を通じた継続的な健康支援を進めます。
□
健康ボランティア等の地域団体と連携し、全住民に対して健康的な生活習慣づくり
や特定健診等に関する普及啓発を図ります。
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