Comments
Description
Transcript
第三回 (10.24) (複素数)
基礎電気回路 (T3049) 第3回目 情報工学科 西森 健太郎 http://www.gis.ie.niigata-u.ac.jp/mlab/class/2011/bct.html 1 全体の予定 回/週 内容 1 抵抗回路 2 回/週 内容 9 回路方程式, 回路に関する諸定理(1) キルヒホッフの法則 10 回路方程式, 回路に関する諸定理(2) 3 複素数 11 演習問題 (8-10回分) 4 回路素子と正弦波 12 2端子対網と その基本的表現(1) 5 交流回路と計算的記号法 13 2端子対網と その基本的表現(2) 6 直並列回路 14 これまでの復習 7 演習問題 (1-6回分) 15 期末試験 8 RLC直列共振回路 RLC並列共振回路 2 複素数・複素ベクトルの導入 なぜ複素数で回路解析を行うか? 直流回路 オームの法則 交流回路 電流・電圧 四則演算 正弦波(三角関数) 微分積分 L・C i ⇒複素数・ベクトルの導入で簡便に表現できる 3 複素数・複素ベクトル 正弦波(三角関数)の表現⇒一定の速度で 角度が変化 等速円運動するベクトル ベクトルを複素数で表す⇒ 実数成分: 有効成分、同相 虚数成分: 無効成分、直交(π/2進み、遅れ) 虚軸j t ωt 実軸 e = sin ωt 4 複素数 ・ b Z=(a,b) θ a 5 複素数ベクトルの指数関数表現 オイラーの公式・・・指数関数と三角関数の関係 e は自然対数の底=2.718・・・ • オイラーの公式の変形 • 小川洋子著 「博士の愛した数式」 のとき e-jπ = -1 6 複素数・複素ベクトル表現 虚軸j jb ・ |Z| 複素平面 (ガウス平面) ・ Z θ a 実軸 直交座標表示 極座標表示 指数関数表示 7 共役複素数と複素数の絶対値 j jb -jb ・ |Z| ・ Z θ θa - ・ Z 複素数の絶対値は、その複素数と共役複素数の積のルート 8 複素数の加減(和・差) j j(b+d) jb ・ Z1 ・ Z2 jd a c a+c 9 複素数の乗(積) j j(bc+ad) jb ・ ・ Z1×Z2 ・ Z1 jd ac-bd a ・ Z2 c j ・ ・ Z1× Z2 ・ ・ ・ |Z1|・|Z2| Z1 ・ |Z1| ・ θ1+θ2 θ1 Z2 ・ θ2 |Z2| 複素数の積:絶対値はその積 位相角はその和 10 複素数の除算 ・ Z1 j jb jd ・ Z2 ・ ・ j(bc-ad) Z1÷ Z2 2 2 c +d a c ac+bd c2+d2 ・ j Z1 ・ ・ |Z1| Z2 ・ ・ |Z2| |Z | 1 ・ ・ ・ |Z | θ 2 Z1÷ Z2 θ1 2 θ1-θ2 複素数の商:絶対値はその商 位相角はその差 11 複素数のn乗 12 複素数(複素ベクトル)の回転 ・ jZ j jb ja -b ・ jZ ・ Z a j jb ・ Z a ・ -Z 回転ベクトルjをかけるとπ/2回転 (-jをかける=jで割る=‐π/2回転) ・ -jZ ejπ/2=cos(π/2)+jsin(π/2)=j 13 [例題]複素数(複素ベクトル)の計算 ・ Z1=3ejπ/2=3×(cos(π/2)+jsin(π/2))=3j 14 [例題]複素数(複素ベクトル)の計算 [例題3]次の値を複素平面上にベクトルで図示せよ (1)Z1=20∠-π/6 (2)Z2=-10+j10 (3)Z3=20ejπ/3 ・ Z2 -20 ‐10 [例題4]次の複素数の絶対値と 位相角を求めよ j 20 ・ Z3 10 0 10 -10 -20 (1)Z4=1+j 3 (2)Z5=-√-j (1) |Z4|=√2 (2) |Z5|=√=2 4 θ1=tan-1 1=π/4 θ2=tan-1 -1/(-√)=7π/6 3 20 ・ Z1 15 以降のスライドは電気回路での表現 (詳細は次回以降の講義でも述べる) 複素表示 • 振幅1、角速度ωの回転運動は、ej(ωt-θ)で表せる • 一定周波数成分を省略 ej(ωt-θ) → e-jθ • 大きさ(絶対値)を実効値 I で表すと 正弦波交流電流の複素表示は • 同様に交流電圧は、電流との位相差φとすると 電圧の瞬時値 に対して、 電圧の複素表示は 17 複素表示 電流、電圧の瞬時値を複素表示で表すと これらの微分・積分は(例えば電流の場合)、 すなわち、 微分は ×jω 積分は /jω で計算できる 18 ・ 抵抗回路に正弦波交流電圧(複素数) E をかける ・ I 交流電圧 交流電流 + ・ e E R 複素表示 最大値 実効値 同じ位相・ E ・ I e i t 19 ・ インダクタンス回路(コイル)に電圧E をかける ・ I ・ E + L 交流電流 交流電圧 (瞬時値) 電圧に対して 交流電圧 電流位相遅れ (複素表示) ・ E e i 最大値 実効値 ・ I 電圧に対して 電流位相遅れ t 20 ・ 静電容量回路(コンデンサ)に電圧E をかける ・ I 交流電流 ・ E + 交流電圧 (瞬時値) C 電圧に対して 電流位相進み ・ I 交流電圧 (複素表示) i e 最大値 実効値 t ・ E 電圧に対して 電流位相進み 21 複素インピーダンスと電圧降下 時間領域(time domain) 周波数領域(frequency domain) 22