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[ 複素数の要点(1) ] −− 複素数と計算方法 −−
[ 複素数 の要点(1) ] −− 複素数と計算方法 −− 1.複素数とは、 3.共役複素数 a,b が実数を表すとして、 複素数 = a + j b 「 実数 」: 普通の数 (例: 1, 0.33, -282.9 など) 「 j 」: 虚数単位と呼び、 j × j =−1 である。 上式の、 a を実数部 b (または j b ) を虚数部と呼ぶ ◇複素数とは、実数部(通常の数)に加えて、 虚数部を持つ数である。 ◇ 複素数の例 1+ j 0.33, −2.2+ j 2.2 −j 88.333, j (実数部が 0 のものを純虚数ともいう) ◇ 虚数部の+−が反転したものを「共役複素数」と呼ぶ。 例えば、a+ j b の共役複素数は、a− j b. また、a− j b の共役複素数は、a+ j b ◇ 複素数と、その共役複素数の積は正の実数になる。 例えば、a+ j b と、その共役の積は、 (a+ j b )×(a− j b )=a2−( j b)2 =a2+b2 ◇ 複素数 Z の共役複素数は、Z* や Z と表される。 ◇複素数 Z と、その共役複素数 Z*の積の平方根は、 (注1) j の変わりに i を用いることもあるが、 電気系では、j を用いる。 (注2) j =√(−1) という定義は 誤りなので 注意 2.複素数の計算(和、差、積) ◇ 和と差は、実数部と虚数部とをそれぞれ別個に 計算する。。 Z1=a1+ j b1, 複素数の 「 絶対値 」 と呼ばれ、 | Z | と表される。 例えば、Z=a+j bのとき、 | Z | = √(Z・Z*) = √(a2+b2 ) 4.複素数の商 ◇ 商は分母に共役複素数を掛けて、分母を実数にする。 Z2 =a2+ j b2 としたとき (和) Z1+Z2 =(a1+a2)+ j (b1+b2) (差) Z1−Z2 =(a1−a2)+ j (b1−b2) (商) Z1÷Z2 = = ◇ 積は、実数部、虚数部、それぞれの積を計算する。 j × j =−1 を利用する。 = (積) Z1×Z2 =(a1+ j b1 )×(a2 + j b2 ) = =(a1 ×a2)+(a1 × j b2 ) +( j b1 ×a2 )+( j b1 × j b2 ) 1 =−j j =a1a2−b1b2 + j (a1b2+b1a2) j*=−j (a1+ j b1 ) (a2+ j b2 ) (a1+ j b1 )(a2− j b2 ) (a2+ j b2 ) (a2− j b2 ) a1a2−b1b2 + j (a1b2+b1a2) (a22+ b22 ) a1a2−b1b2 (a22+ b22 ) (実数部) +j (a1b2+b1a2) (a22+ b22 ) (虚数部) [ 複素数 の要点(2) ] −− 直交座標系表示と極座標系表示 −− 7.オイラーの公式 5.直交座標系表示 ・ 複素数平面 または ガウス平面 x−y 座標 系の ように、横軸に実数、縦軸に虚数を とった平面。 ・ 複素数平面上の複素数 複素数は、複素数平面上の1点として考えられる。 また、原点とその1点とを結んだベクトルを考えることが でき、これを 「複素ベクトル」と呼ぶ。 ・ 複素指数関数e j θ には、次のオイラーの公式が 成立する。 e j θ= cos θ+ j sin θ ・ e j θ は絶対値(長さ)が1であるので、、θが 0°から 変化するにつれて、半径1の円上を移動する。 虚数 虚 例) Z=a+ j b j 虚数 Z=a+ j b 図1 b (a,b) e jθ e jθ 1 −1 θ sinθ cosθ θ 1 実 実数 −j 0 実数 a ・ 直交座標系表示 (実数)+(虚数) という通常の複素数表現は、直交 した実数軸と虚数軸の成分で表されているので、「複 素数の直交座標系表示」 とも言われる。 ・ これより、複素指数関数 | Z | e j θ は、次のように 直交座標表示に変換される。 | Z | e j θ = | Z | cos θ+ j | Z | sin θ = a + jb 8.直交座標系表示 と 極座標系表示の 変換 (まとめ) ◇ 直交 a+ j b → 極 | Z | 6.複素数の極座標系表示 (極形式) e jθ | Z |= √(a2+b2 ) ・ 複素数平面に極座標系を導入する。 ・ 極座標系とは、ある点を、原点からの距離 と 角度 で表示するものである。複素ベクトルに対しては、 図2に示した 複素ベクトルの長さ と向き θ の2つで 表すことに対応する。 (複素ベクトルZの長さは、図1より √(a2+b2 ) であり、これは、複素数 Zの絶対値 | Z | になる。) ・ 極座標系に対応する複素数の表現は、 「複素指数関数」 | Z | e j θである。 θ=tan-1(b/a) ☆ただし、電卓などの計算結果では、 θは -90°<θ< 90°の範囲で得られる ので 、a <0 のときは、θに ±180° する ◇極 |Z| e j θ → 直交 a+ j b a = | Z | cos θ b = | Z | sin θ 9.極形式を用いた積と商 虚数 図2 Z1=| Z1 | Z= | Z | |Z| e jθ ( | Z |,θ) θ 実数 e j θ1 Z2=| Z2 | (積) Z1・Z2 = | Z1 | e j θ2 としたとき e j θ1・| Z2 | e j θ2 = | Z1 | ・| Z2 |・e j (θ1+ θ2) (商) Z1/Z2 = | Z1 | e j θ1/| Z2 | e j θ2 = | Z1 | /| Z2 |・e j (θ1−θ2)