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Ⅳ 家庭用燃料電池の保安に係る技術的検討結果について 第3章 使用環境

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Ⅳ 家庭用燃料電池の保安に係る技術的検討結果について 第3章 使用環境
-139-
都市ガス
配電線
ガス・スペシャリスト
マイコンメータ
系統連系
ガス事業法の対象範囲
LPガス
電力量計
燃料電池発電設備
(電気工作物)
消防法,建築基準
法に適合する設置
電気主任技術者
分電盤
液化石油ガス
設備士
保安規程
給気
排気
交流電圧
-140-
直流電圧
パワーコン
ディショナ
マイコンメータ
LPガスボンベ
液化石油ガスの保安の確保及び取引
の適正化に関する法律の対象範囲
燃料電池設備
電気工事士
燃料
一般用電気工作物の
場合,電気主任技術
者,保安規程は不要。
配管接続部
給水
危険物
取扱者
配管技師
灯油
電気工事士法に基づく電
気工事士が据付施工
排水
火力,電気の技術基準
に適合する設備
注)電気工事士法は,電気事業
法の範囲外。
灯油タンク
消防法の対象範囲
電気事業法の対象範囲
図17 家庭用燃料電池のモデル設備に関する概念図
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-143-
-144-
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2.継続運転段階における安全に係る基本的要件
家庭用に導入した発電設備が技術基準を満足し継続的に運転を行うためには,所定の安全に
関する機能を発揮し,システムの動作が可能なように維持することが望ましい。
家庭用燃料電池の安全性は,第1章及び第2章の検討結果に示される要件により確保される
ことを前提とし,実際に家庭用燃料電池を使用する一般のユーザが,その安全性を確保する機
能を維持しながら不足の事態が発生しても適正・適切な対応が行われることが望ましい。
しかしながら,技術的知識と技能を有していない一般のユーザに対して,最新の設備である
家庭用燃料電池の保安性能を維持することを求めることは困難であることから,継続運転段階
として,以下の要件を満たす必要があると考える。
・安全に継続使用するために必要な点検事項とその周期
・表示等,注意喚起の方法
・機器異常発生時のフォロー
・地震等災害発生時の停止と再起動
・燃料,副産物が人体に影響を与えないための措置
2.1 安全に継続使用するために必要な点検事項とその周期
自家用電気工作物の所有者は保安規程にて点検をすることを宣言し,これを実施すること
により保安を確保している。
一方,一般用電気工作物の場合,所有者が保安規程を持つことは無いが,電気事業法第 57
条【調査の義務】の規定により,電気供給者が供給する電気を使用する電気工作物について
技術基準に適合しているかを調査し必要な措置を取ることとしており,これにより保安が確
保されている。
しかしながら,今回の家庭用燃料電池を一般用電気工作物して位置付けた場合,電気事業
法第 57 条【調査の義務】の規定対象とならないことから,一般家庭において,どのような
措置により保安が確保されるかを検討することが重要である。
このことから,今回の検討では機器の仕様に係らず保安を確保する為に必要と思われる点
検項目と周期を検討し,それを実施する制度について検討した。
なお,検討の範囲をパワーコンディショナと燃料電池設備とした。
電力量計
燃料電池発電設備
排
給
直
燃料電池設
備
分電盤
パワーコン
ディショナ
燃料
配管接続部
点検の検討範囲
給排水
図 18 点検の検討範囲
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-147-
-148-
-149-
-150-
(2) 異常時の表示
家庭用燃料電池を一般用電気工作物して位置付ける為には,装置に異常や故障が発生し
た際や災害等が発生した際に安全に停止できることが必要条件であるが,次のステップと
して,異常・故障が発生したまま長時間放置した為に災害等が発生しないように,一般の
ユーザが異常等により停止したことを認識し,必要な対処方法が機器外装や取扱い説明書
等に明記されていることが必要である。
一般のユーザが異常発生により停止したことを認識する為には,パワーコンディショナ
や操作パネルに事態を把握できるサインを明示するようにする。
また,異常発生の部位を燃料電池設備に特定する場合は,燃料電池設備に液晶等を装備
し随時表示することが望ましい。
これによって,機器の異常・故障要因による停止を認識した後,一般のユーザが取扱い
説明書により発生した異常および故障の内容がわかるように,操作パネル等の故障・異常
表示と対応する異常・故障の発生原因を明示することが望ましく,復旧の方法や製造者へ
の連絡等の対処方法を明記することが必要である。
なお,取扱い説明書が速やかに用意できない事態を考慮し,機器の外装等に製造者もし
くはサービス体制への連絡先を明記することが必要である。
(3) 表示例
この注意喚起に関する現行規格の一例として,JIS S2092「家庭用ガス燃焼機器の構造
通則」があることから,これに準じ燃料電池に必要とされる注意喚起の表示案を次に示す。
<銘板表示>
(a) 製造業者の装置の名称(固体高分子形燃
表示装置
料電池発電システム)
(b) 製造業者の機器の形式
取扱注意表示
(c) 使用燃料名
(d) 使用燃料供給圧力(ガスの場合のみ)
操作部
(e) 燃料消費量
(f) 定格電力(kW)
(g) 発電電力の仕様(電圧,相数,周波数)
銘 板
(h) 質量
(i) 設置使用条件
取扱い説明書
(j) 製造年月又はその略号
(k) 製造番号又はロット番号
(l) 製造業者名又はその略号
<操作部表示>(本体,リモコンなど)
<操作部表示>(本体,リモコンなど)
図 19 表示イメージ例
19 表示イメージ例
起動・停止などの使用操作が容易に判断でき
るように,機器の見やすい箇所に,容易に消えない方法で,その使用操作の方法を簡
潔明りょうに表示する。
<取扱注意表示> (機器表示)
(a) 取扱い説明書に従って使用する旨の注意
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