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1 萩の大地は約3億年以上前のはるか南の海ではじまった 石灰山 1 今から約3億年以上も前に、現在の萩がある場所より はるか南方の海底で火山が噴火し、ハワイのような火 2 山島ができました。火山の噴火が終わると、島の上部 は侵食されて海面下に沈みました。その上にできたサ 鍾乳洞 ンゴ礁(石灰岩)は海洋プレートの移動にともなって、 約2億5000万年前にはアジア大陸の近くまで運ばれ、 海溝に落ち込みました。この石灰岩が複雑な過程をへ て地表に現れました (半田石灰岩や秋吉石灰岩) 。 「名勝萩と長門峡之図」 (1932年 萩博物館蔵) 石灰岩や鍾乳洞が描かれている。 2 半田石灰岩。左の屏風の石灰山 がこの景色である。 火山島と珊瑚礁の一生 アジア 大陸 萩の大地のほとんどは、約1億年前に アジア大陸の東の端で起こった 大規模な火山噴火でできた 火山 海山と 石灰岩 の破片 石灰岩 海嶺 ホットスポット チャートは放散虫(プランクトンの一種)の遺骸が深海底 に堆積してできた。放散虫の遺骸が1mm堆積するのに 1000年以上かかる。チャートも海洋プレートによって海 溝まで運ばれて行く。 マグマ の発生 マ溜りをつくり、 リング状の割れ目から激しい火山噴火を繰り返し サンゴ礁 チャート 海洋プレート 大陸プレート アジア大陸の東の端では、流紋岩マグマが地下の浅いところにマグ 火山島 海底火山 海山 海溝 ました。その結果、陸上には厚さ1000mを超える火砕流(火山ガスの 中に火山灰や軽石・岩石の破片を浮かべた600℃∼800℃の高速の流 れ) 、 火山灰や溶岩の厚い地層ができました。 一方、 大量のマグマを噴 佐々並カルデラと田万川カルデラのできかた 出しなかったマグマ溜りのマグマは、ゆっくり冷え固まって花こう 地下の巨大なマグマ溜り 岩になりました。 3 大量の火砕流・火山灰・溶岩 から地表に向かってリン 4 グ状の割れ目ができ、 そこ からマグマが大量に噴出 した。 空っぽになったマグ マ溜りの中に地面が落ち 込んで、 大きな円筒形の凹 カルデラ 地 (カルデラ) ができた。 現 在は、 火山体の表面が削ら 指月山。約1億年前の花こう岩でできた 山。海岸や山頂に石切り場がある。 れて、 火山の内部が見えて 指月山ふもとの萩城跡の石垣。 指月山から切りだされた花こう岩。 佐々並カルデラ 火山岩 玄武岩 深成岩 斑れい岩 SiO2の量(重量%) 45 閃緑岩 花こう閃緑岩 52 63 流紋岩 花こう岩 70 深成岩は、マグマが地下でゆっくり冷え固まるので、岩石を作っている鉱 物の粒は大きい。 4 6 弥富 デイサイト れだして急に冷え固まってできた小さな鉱物やガラスでできている。 長門峡の火砕流は南西側の佐々並 南西側の佐々並 きた。 カルデラから流れてきた。 約3000万年前にも 規模な火山噴火 山噴火が起こった 大規模な火山噴火が起こった 小川 安山岩 火山岩は、マグマ溜りで結晶した大きな鉱物と、高温のマグマが地表に流 5km 3 円筒状に 陥没 マグマが固まってできた岩石 長門峡 長門峡。1000m以上の厚さの火砕流 からなる地層でできている。 マグマ溜り いる。 5 リング状の 噴火口 マグマ溜り 約40万年前の玄武岩溶岩 約4 アジア大陸が分裂・移動して、 日本列島の土台ができた 約1億年前の日本列島 約1500万年前の日本列島 約3000万年前 の凝灰岩 3km 3k km ルデ デラ 田万川カルデラ 下田原 原の凝灰岩。 下田原の凝灰岩。 その上には約40万 年前の の 年前の玄武岩溶岩が流れている。 地下深部でできた安山岩∼流紋岩マグマがリング状の割 れ目を通って上昇し、火砕流や溶岩を流しました。地下に は空洞ができたために、 その上部が落ち込んでカルデラが できました。 その後、 また地下からマグマが上昇してきて、 地下の浅いところで冷え固まって花こう岩ができました。 大陸と日本列島の間に日本海ができた 海 海洋 陸 陸地 日 日本列島の形 火 火山 海 海溝 プレートの動く方向 プ