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2013年 2013年

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2013年 2013年
2013年
2013年
巻 頭 言
会長
里
村
龍
一
今年も、会員の皆さん方が力をそそぎ、一生懸命に
なった作品が三五七編となりました。
日頃、お互いに出会う機会は少ないですが、この
詩謡集で、毎年会えることが何よりも嬉しいことであ
ります。
新人からベテランまでの会員が、それぞれの持ち味
で、この一冊のために書き上げた詩謡集の姿は見事で
あります。
多少、作品に出来・不出来はあるとしても、会員の
作品に対する思い入れに優劣は無いです。それでいい
のです。
作品の価値観は、求める人々の好みによって異なる
と思いますが、作品とメロディーの出会いに夢を求め
るのも愉しいことです。
サトウハチロー初代会長の意志を引き継いで、作詩
家協会は、この詩謡集を出し続けています。大変なこ
とですが、誇りに思っています。
来 年、 再来 年と、 す ばら しい成果 の 結実を 祈って
やみ ません。
1
2
青 木
さ
まさお……
佳津子……
真
勇
利
慶
龍
と……
帆……
一……
夫……
子……
一……
二四
二三
二二
二一
二〇
十九
十八
一
村
里
会長
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
巻 頭 言
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
藍
あ し た
明日という名の港
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
北のおんなの母ごころ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
恋の街角ふたりづれ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
新聞バトン
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
赤
あなたからの約束
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
茜
また逢いたいね
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
見つめないで
原
明 石
相
篠
二五
坂
秋
みまき……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
二六
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
恋のあやまち
原
こよみ……
二七
秋
子……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
あんたが通りゃんせ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
シルクロード
心の旅路
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
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・
おぼろ
朧
くさ
草
・
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・
・
・
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・
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・
・
・
・
・
ネオンの人魚姫
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
吉野伝説
涙の 季節めぐり
麻
夢
三〇
淑
麻 木
三一
二八
恵……
三二
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ひとひらひらり 隠れ宿
美智子……
正……
三三
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
夢みて恋して
浅 倉
美勇樹……
三四
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
いたずら夜風
二九
あかり……
三五
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
さくらじま
=桜島山
さつまの心
宮
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
枯れ尾花
恵……
飛 鳥
夫……
三六
雨
井
崎
生
美代子……
則
子……
三七
新
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
イワシ漁
麻
麻
部
榮……
三八
野
阿
夫……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
あなたと一緒に
浅
天 達
利
三九
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
サ ラ リ ー マ ン哀 歌
岡
荒 川
美智男……
四〇
味
有 田
けいじ……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
越前恋唄
英
井 口
3
原
石 川
浦
イザワ
信
桃
光……
一……
瑪……
洸……
マサミ……
かつゆき……
たかし……
四七
四六
四五
四四
四三
四二
四一
・ ・
・ ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
~夢あかり~
おだやかな思いやり
泣き虫ごこ ろ
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
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・
・
・
縁 結 び
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・
・
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・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
石
別 れ 門
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
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・
男 の 肩
・
・
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・
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・
・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
せみ
蝉
うつ
空
生 野
石
敏
生駒
出 原
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
五一
・
・
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・
・
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・
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・
女のごろり唄
あーおやじ
五二
・
・
・
・
・
・
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・
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・
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・
・
じ ん せい
トコトコ人生
四八
彩……
五三
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
流 れ 星
志……
二……
五四
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
居酒屋ゆかり
武
ひろし……
彰
巻……
五五
市 川
伊 藤
絵
作……
五六
・
・
・
・
・
・
・
おみくじ煎餅 (デュエット)
美しき命
伊 東
耕
允……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
住居侵入
四九
伊 能
裕
五七
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
海に咲く花
さとし……
井 上
ゆうき……
五八
・
・
・
・
・
・
・
・
・
一匹オオカミ・ドンの歌
森
井 上
トーマ……
五九
一
井 上
一……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
命のグラス
泣きぼくろ
伊 武
英
六〇
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
雪のれん
五〇
入 来
かづこ……
六一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
新宿摩天楼
い……
岩 白
公太郎……
六二
あ
根
二……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
がわ
川
おもひ
思
伊 藤
磐
誠
六三
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
もういいのよ
こころ酔 わせて
岩 本
いさお……
六四
いとう
鵜 水
宗……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
六五
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
男の背中
慶
光……
六六
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
とう だい
みさき
きょう
臼 杵
之……
六七
経ヶ岬の灯台
おさらば…おっ月さん
政
菜……
海 原
梅
香
垣
宇 里
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
花曇りの空
4
大 山
大
大
前
友
えんどう
えんどう
裕
豊……
みゆき……
詩
義……
央……
子……
健……
代……
真実……
要……
子……
七八
七七
七六
七五
七四
七三
七二
七一
七〇
六九
六八
理
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
円
ざくら
ひと
こい
人 恋 桜
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
津軽母温情
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
秋保旅情
及 川
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
お母さん
・
・
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・
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・
居酒屋、セレナーデ
・
・
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・
・
・
・
・
天を仰いで
・
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・
・
・
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・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
きさらぎの月
・
・
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・
生きがい酒
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・
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・
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・
・
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・
・
京都めぐり
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
奥
風
秋
莉
岡
雪
重……
小 川
幸
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
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・
うしろ影
・
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・
・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
・
げ
あい
さん
愛 散 華
小山内
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
麦わら帽子
口
小
七九
み
八〇
実……
圭……
八一
く
さ……
紅
あ
小 倉
おさべ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
おんなの秋
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
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・
八三
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
音
花街 忍 び 坂
八二
綾……
八四
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
俺とおまえ
り……
文……
八五
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
篝 火 浜
ま
悦……
八六
ゆう
まがり
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
お
ひかるげんじ
ゆう がお
夕顔と光源氏
織 田
博
子……
八七
斐
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
甲
こ もり う た
うみ
海の子守歌
常連さん
小
正
新……
八八
ま
・
・
・
・
・
・
・
開
貴男のハートに住みたいの
野
小野寺
こ……
八九
お
乙
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
か
加
五ヶ瀬大橋
こ
尾 曲 優
梁……
九〇
り
明……
秀
地
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
格
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
九二
片 桐
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
せい
きん
もく
金 木 犀
バラの花が咲くように
子……
九三
K A K U Y O…… 九一
守……
九四
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
世界の山 富士
NITABOHその愛
勝 田
けい子……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
港
恋
和
加 藤
5
ゆきお……
通
沙……
九八
九七
九六
九五
かとう
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
星のかなた
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
裏磐梯慕情
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
さ れん
横浜砂簾
流……
金
怜
明……
井
金 谷
正
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
九九
金 子
お か み
銀座八丁目の女将
勝……
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
雄……一〇〇
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
川
な
にが
はま
鎌 田
英
幸……一〇一
浜 苦 菜
諏訪のおん柱
春
井
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
惠
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
火 の 鳥
川
左池子……一〇四
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
鏡
恋
アリギリス
上
ひろみ……一〇五
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ごと
く
昭和の繰り言
かわいだ けんいち……一〇二
川
上
流……一〇六
バラ苑にて
初恋百人一首
かわじ
川
添
陽
子…… 一 〇三
河
崎
一…… 一〇七
神
・
・
・
・
・
・
・
・
~まろびのかぜ~
刹那の風
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
よ
ち
み
まさひこ……一〇八
三知余……一〇九
かんばし
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
おぼ
憶えていてくれますか
神田
芳
美
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
着たきりすずめ
淡雪の恋
岸 川
のぶや……一一一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
暦
秋
好……一一〇
岸 田
たかし……一一二
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
忠……一一三
川
喜多條
けいこ……一一四
北
村
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
月見草の 宿
湯の町情話
北
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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よう
葉
らく
落
司……一一五
・
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・
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・
恵……一一七
・
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・
・
・
・
・
―川崎尚之助―
賢
光
う……一一八
木 村
ゆ
介……一一九
奥入瀬ふたたび
京
野
京
・ ・
・ ・
・
・
・
・
・
・
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・
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・
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・
頑張らないで
明……一一六
霧
仁
多樹夫……一二〇
・
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・
・
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・
・
・
・
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・
・
・
酔いどれ将棋
京
八重の桜
久
に
星
横浜マリー
ラ ヴィ アン ローズをもう一度
く
枝
志……一二一
國
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
し
か
か
案 山 子
6
国 武
啓
浩
子……一二三
之……一二二
・
・
・
・
・
・
・
・
・
愛って愛って何でしょう
・
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・
道……一二五
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・
男の旅路
久保田
有
夫……一二六
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・
母なれば
いいかげん に
保
生……一二七
たけし…… 一 二四
藤
羽
人……一二八
熊
倉
原
良
子……一二九
・
・
・
・
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・
・
・
・
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・
娘・魚河岸三代目
―復興の祈り―
黒 皮
慶
・
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・
しのぶ橋
早春
黒 川
栗
崎
・
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・
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・
・
黒
紫陽花ロ ード
桑原 ほうめい……一三〇
・
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・
ワンダフル ソング
K Matsue……一三一
・
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・
・
・
お前と言う名の花
のぼる……一三二
坂
・
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・
志……一三五
・
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・
さすらい人
高
高
人……一三六
・
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・
・
・
・
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・
人生街道
岩室ブルース
正
子……一三七
夫……一三三
嶋
英
・
・
・
・
・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
・
・
八番目の曜日
波
小
宮
あずさ……一三八
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
別れてあげる
小 串
小
藤
く……一三九
夢 話 し
近
野
さ
人……一四〇
かずみ……一三四
紺
い
清
・
・
・
・
・
・
・
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・
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・
・
い
おとこ
こじま
さ
藤
久美子……一四一
こむらさき
三文小説家
斉
藤
濃紫の女
男が生きる道
斉
~少年の世界の緊急事態~
空の上の国
・
・
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・
月……一 四四
・
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・
・
薄 墨 桜
大三……一四二
葉
恵……一四五
さいとう
藤
向
・
・
・
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・
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・
・
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・
・
去りゆく春
路
斉
藤
人……一四六
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
城崎湯情
北
斉
正
幸……一 四七
力……一四三
五月女
照
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
夫婦うた
齋 藤
坂 口
寿美子……一四八
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
わら
ばな
笑い話しにしておいて
流 浪 酒
坂 本
7
作 間
坂 本
このみ……一五一
大
ひろし……一四九
・
・
・
・
・
じ ん せい
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
かわ
いのち
人生おんな川 (命はてるまで)
土佐の船 唄
・
・
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・
・
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・
・
・
・
・
・
・
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・
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・
・
菜種梅雨
輔……一五〇
桜
陽
子……一五二
佐 倉
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
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・
花の願い
馨……一五三
・
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・
・
ひさこ……一五四
・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
・
・
~冬の恋
待ち惚け
井
佐々木
とおる……一五五
・
・
・
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・
・
・
・
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・
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・
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・
・
・
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・
・
・
さけ
櫻
笹 森
ミユキ……一五六
俺 と 酒
は やま げん えい
佐 渡
たどる……一五七
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
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・
・
女の土俵
葉山幻影
佐 東
・
・
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・
・
・
・
・
・
し じん
みちのく詩人
一……一五八
龍
村
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
里
わすれ草
佐野 源左衛門一文……一五九
・
・
・
・
・
・
・
・
・
歌は心のタイムマシーン
澪……一六〇
沙 夜
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
こい
ふゆ
冬ざれの恋
利
・
・
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・
・
・
・
螢
明……一六一
沢
恋
麟
あ ずみ の こいうた
麒
安曇野恋唄
充
ひろし……一六二
吾
澤
山
藤 せい子……一六四
六…… 一 六三
山
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
夢よ咲け
治……一六五
賢
紫 香
・
・
・
・
・
・
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・
・
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・
・
・
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・
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・
・
・
・
しま
遥かなるロカ岬
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
貧乏 いいじゃん
・
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・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
ほおずき 酒場
男 の 涙
こ
登美子……一六九
きょう
仁……一七〇
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
燕 尾 服
しば ともなり……一六六
明
恵……一七一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
旅の宿
鳴門海峡
数寄屋橋から
千
志……一七二
・
・
・
・
・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
男の涙坂
馨 子……一六七
白 石
正
也……一七三
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
あなたさがして
嶌
白 川
晴
義……一 七四
郎……一六八
城 山
政
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ワンダーチャイルド
八
吹 田
下
野
子…… 一 七五
嶋
菅
明
野
杉 江
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
東京オアシスロード
8
せ
鈴
鈴
鈴
鈴
原
須 田
鈴
ん
瀬 端
関
我
木
木
木
木
木
のぼる……一九〇
幸
厚
康
宗
西……一八四
幸……一八三
子……一八二
正……一八一
敏……一八〇
はる か……一七九
さとし……一七八
紀
泰……一八八
健二郎……一八五
茂
葵……一八九
けいこ……一八六
東
雷…… 一 九一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
君 影 草
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ごめんなさいね
・ ・ ・
・ ・ ・
・ ・ ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ふ たたびの 桜
美しく
かなしみ
タンポポ いっぱいの
卆寿の母の一人言
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
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・
鏡よ、鏡
・
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・
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・
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・
・
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・
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・
・
春
めぐり逢い長崎
・
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・
・
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・
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・
・
千 本 桜
・
・
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・
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・
・
お酒は燗が恋い薬
・
・
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・
・
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・
・
・
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・
・
・
応 援 歌
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
お父さん
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
母
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ひと息の瞬間
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
人生七転び八起き
・
・
・
・
・
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・
・
いいんじゃ な い
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・
・
・
・
・
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・
・
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・
・
・
・
曽
浦
戸
美……一九二
ひさお……一七六
高 木
田
城
和
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
さん さん
富士燦々
助 田
高 田
髙
塚
作……一九三
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
みぞれ雨
迷 い 川
高
耕
夫……一九四
代……一七七
高 橋
敏
義……一八七
髙 橋
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
笑顔さざん か
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
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・
・
・
・
信太郎……一九七
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
あいしゅうあゆみざき
哀愁歩崎
之…… 一 九五
昇…… 一 九八
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ゆうすげの恋
和
竜
介……一九九
畑
滝
大
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ふられ雨
髙
瀧
えいじ……二〇〇
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
めぐり逢いたい
あの人の影になって
多岐川
ん…… 二 〇一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
かあさん
じゅ ん子…… 一九六
たきの
わ
筰…… 二 〇二
髙畠
た く
庄
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
この子たち
雨のしのび逢い
田 沢
9
建 石
いぶき……二〇五
一…… 二〇四
島
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
田
よもぎ饅頭
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ゆめ
てん くう
天空の夢
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
鈴虫の鳴く夜
夫……二〇三
中
克
10
隆
田
中
昌…… 二 〇六
田
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
と
い
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
はな
おいらんどうちゅう
なるみ…… 二 〇八
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
演歌ぶし
花魁道中 (花の意図)
ゆきを……二〇九
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
真夜中の太陽
しゅうじ…… 二〇七
田
雄……二一〇
田中
たなか
詞
彦……二一一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
必然の別れ
やまとだま
棚 波
文
中
谷 口
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
野
たにはら
ごめんね東京
多
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
人 生 坂
歳の恋 (そして2020年へ)
伸…… 二 一二
亮…… 二 一三
丸…… 二 一四
城
徳
玉
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
なさけ雨
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
雄……二一六
要…… 二 一五
忠
玉 利
村
紀…… 二 一七
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ある巡り愛
妻ありてこそ
田
三
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
司…… 二 一八
・
・
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辻
男のブル ー ス
草
正
一…… 二一九
千
伸
・
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・
・
・
・
・
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・
・
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・
蛍
千 羽 鶴
つ
雅 道……二二〇
・
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・
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・
そう
あわ
だち
泡 立 草
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・
じ ん せ い いち ど
人生一度
・
・
ああ
じ
津 田
光
路……二二一
つわの
タヅ香……二二二
・
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・
文……二二三
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・
しあわせ桜
出 口
義
生……二二四
・
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・
哀しみのアクトレス
仁淀川・蛍火慕情
手
幸
子……二二五
嶌
寺 島
聖
・
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・
良……二二六
天 川
天 馬
智砂子……二二七
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・
大間の男 節
夢みることにリスクはナイ
戸 川
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・
時
南紀の火祭り
ひとり遊び
子……二二八
女
礼
啓……二二九
徳 田
・
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さだめと生きる
16
多恵子……二三〇
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・
信……二三一
岡
・
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冨
飛 田
よう
すい
ふ
酔 芙 蓉
・
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・
能登・女の朝市
あした夢
富 田
慶
有…… 二 三二
子……二三三
尚
外 山
・
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結美子……二三六
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・
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・
・
・
・
・
・
・
手
握
アラ還世代
咲
あきら……二三七
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
昭和未練 唄
敏…… 二 三四
中
澤
秋…… 二 三八
豊 岡
長
恵
子……二三九
人 生 坂
ながた
聖
子……二四〇
子…… 二 三五
永 田
京
貞
れんげ花
塚
・ ・ ・ ・
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・
ふるさと
鳥 羽
お馬も人も ガンバレ!ガンバレ!
長
夢 見 川
「デカンショ」の故郷
安……二四二
巌……二四一
伸
也……二四三
那須野
私には
難 波
俊
・
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・
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・
・
役者ばか
そこがいいのよ
仁井谷
・
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・
~愛に溺れて~
陶 酔
しょうご……二四四
・
・
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・
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・
・
・
・
・
・
西
め
瞳を閉じて…
学…… 二 四五
西井戸
・
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・
西田
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・
未 練 節
母の宝物
晶……二四七
ただすけ……二四六
千
谷
西
・
・
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・
兄 貴 風
・
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・
としこ……二四九
・
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・
坂
絆
夫……二四八
風……二五〇
孝
和
芳……二五一
西 原
照
・
・
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・
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・
・
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・
・
・
富士の山
まわり灯籠
西 山
西
脇
・
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・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
お ま え
女房の寝顔
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
逢えてよかった
平
西
脇
求……二五二
西
葉……二五三
落
沼 田
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
金次郎
誠一筋
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
子……二五五
冬
野 沢
NO MOSS……二五四
中房総 ふたり旅
・
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・
・
・
女の夢灯り
愛すればこそ
のせ
よしあき……二五六
11
橋 本
橋 本
羽
の
澤
べ
真寿美……二六〇
和
文
郎……二五九
子……二五八
ひろし……二五七
吉……二六一
諭
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
釧路の灯り
・
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・
夫 婦 傘
・
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・
冬の貝殻
・
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・
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・
・
・
・
の ぞ み
・
・
・
・
・
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・
・
・
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・
・
紀…… 二 六六
・
・
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・
・
・
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・
・
・
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・
・
・
姉子泣き 砂
長谷川
利
二…… 二 六七
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
おゝ すみ ものがたり
大隈物語
指 の 涙
伸
彦……二六八
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
じょう
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
情
ゆう
友
命
ハ チ ャ ン・K……二六二
文
実……二六九
運
男の海だ (大洗編)
林
夕
葉……二七〇
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
蓮華の命
せいこ……二六三
原
明
子……二七一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
哀愁の宿
は っ とり
原
茂
輔…… 二 七二
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
今
ふるさと
故郷は
恋の唄
美 山
晃
果……二七三
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
も
と
越中おわら
菱 田
原
田
歩
一……二七四
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
よ
き
やま
ハマ・イ チ ロー…… 二 六四
肥
井
健
老友と 語る 心の声
童謡「ポンチョのうた」
平
井
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
ひら
あか
ごじゅう ねん
女の旅路
や
まさ
伸…… 二 六五
平
貴容子……二七五
五〇年の灯り
林
平 山
雅
・
・
・
・
・
ふう
ニュー東京オリンピック音頭
面影酒
風
しゅん……二七七
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
らい
浪
さす
流
こ
福 山
外美子……二七八
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
二人で力を合わせて
也……二七六
藤
風……二七九
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
不
こまるのことよ
藤 浦
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
華の鹿鳴館
二
美
譲……二八〇
治…… 二 八一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
逢いたい 、もう一度
﨑
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
藤
琴平慕情
藤 川
俊
光…… 二 八二
一…… 二八三
誠
藤 村
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
鎌倉ものがたり
12
藤 本
藤 本
五月男…… 二 八六
純
尚
行…… 二 八五
子……二 八 四
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
禁じられた思い出
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
黄昏KOBE
ひさ
藤 安
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
抱けぬ命
弘志…… 二八七
ふじわら
・
・
・
・
・
・
・
・
・
悔いはない
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
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・
・
・
・
・
・
・
ともや……二八九
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
女
雪
我が運命に
朗……二九〇
子……二八八
木
三
霧
冬
誠
子…… 二 九一
麓
平
節
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
京都恋しや
夢 迷 子
星 合
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
灯
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
梵
泣かないで
雪
間
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
本
アンドロメダ銀河
・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・
・ ・ ・ ・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
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・ ・
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・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・
・ ・
・ ・
槙
サクラ前線
― 幸 田露 伴 「 五 重塔 」 よ り ―
五重塔
おしどり人生
純……二九六
一…… 二九二
真 下
眞佐子……二九七
薬
媚
成
井
江里也……二九八
なあ半次
星 川
松
之……二九九
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
男の応援 歌
丸…… 二 九三
松 尾
博
夫……三〇〇
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
彼 岸 花
天
松 尾
捷
久……三〇一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
お天気おじさんの歌
成…… 二 九四
松 野
高
子…… 三 〇二
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
波止場情話
正
松 原
摂
い…… 三 〇三
二…… 二 九五
松 本
る
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
か た ひも
ドレスの肩紐
映
真 庭
八留男……三〇四
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
子……三〇六
丸 山
節
行……三〇七
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
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・
・
・
・
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・
・
・
人生桧舞台
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
国
帰
恋岬
ご
正
秋の風鈴
ら
浦
三咲貴……三〇八
行くぞ
い
三
浦
照……三〇九
夢見たダモイ
伊良湖
三
浦
康
涙の地平線
あつこ……三〇五
三
浦
彦……三一〇
まんだ
三
克
・
・
・
・
・
・
・
・
・
男から女へ、女から男へ
蝉
美 樹
13
美貴史
三
木
美 貴
明
政
裕
子……三一三
和……三一二
子……三一一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
拉致… 鳥に なれたら
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
み れん び
男の未練火
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
鏡
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
まさる……三一五
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
わがふるさとは緑なり
す……三一四
みさき
真
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
人生屏風
き や
岬 坊
こうじ……三一七
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
俺ら庄助さん
み
三 里
遙……三一八
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
すいか太郎
雪 の 橋
三 郷
隆……三一九
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
奇岩海峡日本海
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
南
母の讃歌
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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み
会津女ごころ
明……三一六
み ず み
苗……三 二〇
早
隆……三二一
八
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・
・
・
・
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・
いえども
雖・頑張ろう東北
・
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・
・
男が泣いて も いいじゃ ないか
ね
峰
林二郎……三二三
朗……三二二
峰 崎
しげる……三二四
・
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有
・
・
・
・
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・
・
・
四角い街
地下鉄出口
箕 山
吹
間……三 二五
水
のぶを……三二六
・
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夫……三二九
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・
戦争と平 和
﨑
哲
隆……三三〇
・
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・
ふるさとシャッター通り
宮
宮 原
清
夫……三三一
・
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・
四部作「新生」
夕焼け慕 情
好
和
司……三三二
行……三 二七
三
笠
周
・
・
・
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・
・
・
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・
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・
風よ風よ吹け
敏
武
上
たかお……三三三
・
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・
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・
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・
転
宮 下
村
り……三三四
流
心に咲いた花
村 田
る
蘭……三三五
宮代 よしはる……三二八
村 田
夏
・
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幸せは茜色
八きん恋唄
本 橋
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旅 浴 衣
ひであき……三三六
森岡
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鳴子夢の宿
司……三三七
秀
坂
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・
・
・
矢
ばたでん
ふたたび
14
女の終着駅
矢
頭
嶋
國
たかし……三三八
・
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梁……三四〇
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・
梁 川
子……三四一
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・
・
・
やま が
い
山 甲斐 晶
功……三四二
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八
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・
・
やました
湯 川
Y
結
山
山
山
山
u
城
本
田
田
田
悦
浩
諒……三五〇
ユリエ……三四九
那津子……三四七
孝
二……三五四
れい子……三五二
博
子……三五五
ちかげ……三五三
k
子……三五六
・
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・
ゆ き
恵
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ゆたか
政……三四六
ゆ ら
豊
梨
子……三五七
じ
a……三 五一
康……三 四八
由
葉
江……三五八
・
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・
と
来…… 三 六一
う……三六〇
・
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・
・
吉 田
未
すばる……三五九
こう
横 森
静
~ロンドンデリーの歌~ 吉
よしだ
田
吉 田
貴美……三四五
崎 ふみえ……三四四
山 北
山
由希夫……三四三
巻
明……三三九
矢
・
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・
・
・
・
・
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・
・
・
木の芽起こしの雨
御 同 輩
『僕がいるよ』
北 恋 港
くれな
女紅いきずな歌
花よ星よ涙よ
日暮れほろほろ灯るころ
潮騒の宿
淡 き 恋
郷
あなたさよならお元気で
故
恋 女 房
さが
関西人の 哀 し い性
ニッポン
日本のおばあちゃんへ
しゃ
思い出のリバーサイド ホテル
ふう
夢 風 車
私には……。私には……。
忠兵衛 恋のみちゆき
夜明けのフィットネスサイト
ふたり旅
風太鼓
アラスカのサムライ
紬の街の
しゅうと
お姑さんも辛いのよ
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
タプカル
踏舞の 華
よしむら
こう…… 三 六 二
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・
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・
E…… 三 六四
哲次郎……三六三
・
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・
・
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・
・
R
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吉 村
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・
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・
・
・
・
復興への道
春夏秋冬男道
15
和久洲
若 松
和香泉
連
かつ子……三六七
有
達
正……三六八
輝……三六六
人…… 三 六五
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
~恋の大和路
さようなら金沢
晩 秋
・
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・
・
六甲パース
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・
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・
・
トポフィリア ‥神戸
荒 川 線
処愛
(
)
・
・
・
・
母さんの 花 火
海を越えて 渡 辺
久
蛍
義
吾……三七三
士……三七二
雪……三 七一
昭……三七〇
・ ・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
渡 辺
平
綿
部
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
渡
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
星 野
龍 一
哲 郎
泰彦……三七四
村
わたなべ
木
わだ まさのり……三六九
・
・
・
・
・
・
・
・
・
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・
・
・
・
・
・
・
・
・
悲恋おんな川
二〇二〇年東京五輪
炎のタンゴ
港町
ありのままに そのままに
川の町
題
里
字
表紙絵
16
いさりび
漁火
さ だ め
あ し た
かもめ
旅に出る
藍
独りなの今日からは
はぐれ よ
明日という名の港
燈台
運 命な ら お な じ ね
なき がら
夜の明けぬうち
夢の亡骸 つめこんで
星をたよりに
いろ
哀しみの彩ばかり
稲妻 冷たい砂よ
明日という名の 港まで
海鳴り
打ち寄せる波さえ
旅に出る
引摺って
ひき ず
傷つく心
気付かぬうちに
旅に出る
誰でもが独りよね
人生模 様
港まで
涙を人が
あ し た
浮島
うき し ま
明日という名の
うき ぐも
浮雲
人はみな旅人
こゞ
港まで
会えると信じ
凍える心抱いたまゝ
にじ
いつかは虹に
あ し た
明日という名の
慶
子
18
相
北のおんなの母ごころ
つらくて泣ける
笑顔で暮らせます
一途さ通した国なまり
いち ず
苦労と思いば
幸せ言えば
北の女の
諭した親ごころ
さと
おふくろ
辛抱その身で
覚えているからね
ありがとう
今も忘れずに
に
来てもいいから
く
いつでも帰って
とまどう泣き笑顔
雪にさらした温もりよ
ぬく
郷里をでる日の
北の女の
おふくろ
恋しい里ごころ
ありがとう
届いた荷物の
元気でいるからね
夢街ぐらし
涙でかみしめ
なんどもつまづいた
つつんでくれる 声
おふくろ
つきることない愛に泣ける
折れそうな心
北の女の
ありがとう
優しい母ごころ
あなたの子供です
この世でただひとつ
遠くくらしても
原
利
夫
19
まち
夢あかり
北の 街
ね
きず
青
恋の街角ふたりづれ
かがや
星が輝く
とも
ゆれて灯した
忘れ なと
き れい
祈るのさ
過去のことなど
夜空の星に
綺麗だろう
寒いから
恋の街角 ふたりづれ
まち かど
見上げてごらん
あーあ
少し今夜は
俺のマフラー かけてやる
甘えなよ
ゆらすたび
遠慮するなよ
夜風が髪を
抱き寄せる
む
惚れたから
ほ
恋の街角 ふたりづれ
まち かど
小さな肩を
あーあ
そうさお 前に
過去の傷
あるものを
分けておくれよ
いつも心に
この街で
いや
癒してあげる
愛おしい
恋の街角 ふたりづれ
まち かど
いと
ふるえる 指が
あーあ
木
勇
一
20
支度を終えて
新聞バトン
年越しそばの
夜明け前
鉢合わせ
する人と
店から帰れば
新聞配達
生まれて初めて
受け取った
手から手へ 夜から朝へ
暗やみで
新聞バトン
くれました
気恥ずかしさも 疲れた顔も
暗さが隠して
明
「お早う?」それとも「今晩は?」
生きている
朝早くから
迷って言えずに「ありがとう」
遅くまで
懸命に
皆それぞれに
新聞握り「お休みなさい」
戸を閉めた
してくれた
つぶやき我が家の
元気も配達
遠ざかる
頑張るよ
わたしの走り
バイクが 次 第に
大晦日
見ていてね
新聞バトン
石
真
帆
21
あなたからの約束
赤
新しい 朝が来て
あっという間に 日が沈む
平和な日々の くりかえし
だけど もう
あなたからのメールは とどかない
「長生きするよ」って
約束して くれたのに・・・
あなたは今 どこにいるの
たび さき
旅先の 山や川
じっとふたりで 見た夕日
あなたの笑顔 わらう声
いまは もう
聞くことさえ出来ない 見られない
「愛しているよ」って
寄りそって くれたのに・・・
あなたは今 どうしてるの
十五夜の 月を見て
そっと名前を 呼んでみる
どんなに遠く 離れても
「君と見る 」
あなたからの約束 メッセージ
「心は ひとつ」って
抱きしめて くれたのに・・・
あなたは今 どこにいるの
坂
佳津子
22
また逢いたいね
歌になり
遥かに遠く
愛になる
あなたと会えた この幸せが
青空を
茜
いとしい人よ
訪ねて く ださい
旅する小鳥のように
元気でいたら
逢えるといゝね
出逢ったあの日 約束してた
また逢いたいね
思い出す
あなたの見せた その微笑みが
母さんを
とばして駆けた
いとしい人よ
竹とんぼ
あの日の故郷浮かぶ
歌いつ づ けた
いまゝで生きた 人生半分
一筋の道を
逢えるといゝね
あの花に似て
また逢いたいね
野に咲い た
いとしい人よ
逢えるといゝね
人に負けない
甘えん坊だが
心にそよ風吹いた
少年みたい
愛の歌だけは
また逢いたいね
ま さ お
23
街角で
見つめないで
黄昏せまる
偶 然 出 逢 っ た それ だけなのよ
見つめないで
残り火が
見つめないで
消したつ もりの
炎になって
か
あなたがいるわ
あの頃と
焦がすから
こ
掻き立てられて
女の心を
変わってないわ
お洒落な姿の
見つめないで
し ゃ れ
見つめないで
くどき上手に 負けたから
酔えたのね
はなかい恋の やさしい夢に
すべ
見つめないで
掴んでほしい
つか
始めたわ
全てをまかせて
灯りが点り
必ず幸せ
見つめないで
残るでしょう
思い出だから
時が過ぎれ ば お 互 い に
きれいなままの
二度ないドラマで
秋
篠
さ
と
24
涙の季節めぐり
翳る頃
かげ
夏の日盛り
彼を待ってた
ひ ざか
旅から帰る
愛していれば 愛し合えると
信じていたの
おち ば みち
無知な若さで
早る頃
はや
私 間違っていた
や
落葉路
な
蝉が啼き止む
秋が来て
ひ がく
秋の日隠れ
彼が戻った
つ
気まずい顔で
嫌われるとは
また盡くしたの
つ
盡くし通して
疑わないで
師走 の 日
細る頃
ほそ
私 裏切られてた
し わ す
街は着飾り
冬が来て
ひ だま
まま
冬の日溜り
う わ さ
彼と別れた
せ
逢えない儘に
撒いた浮言は
せ
お節介な風が
本当 そ う な の
忘れたかった
ほ ん と
遊ばれただけ
怨み雪
私
胸に積もるは
春が来て
秋
原
みまき
25
あなたに知らない
恋のあやまち
最後の恋と
石畳
打ち明けたなら
寄り添い歩く
あやま
恋の過ち
麻
・
・
・
・
・
覚えていたい
傷つける
抱きしめて
きっとあなたを
強く強く
あなたのぬくもりを
包まれながら
許して
さよならも言えない こんな別れ方
どうぞ
あなたの愛に
・
・
・
・
・
騙したくない
抱きしめて
戻れない
悔やんでみても
幸せだった はずなのに
あやま
恋の過ち
もとの私に
強く強く
あなたをこれ以上
覚えていたい
許して
抱きしめて
どうそ
さよならも言えない こんな別れ方
強く強く
あなたのぬくもりを
許して
さよならも言えない こんな別れ方
どうぞ
こ よ み
26
か
麻
あんたが通りゃんせ
っ
命でも
み
な
わずか三日間の
な
咲けばこそ
は
通りゃんせ
乱れ 雲
面影追えば
おも かげ
桜花は哭かない
月の灯りに
邪魔をするのね
あ…通りゃんせ
切り通し
ゆる
女ごころの
赦さない
ほか
通りゃんせ
他の誰にも
ひとりあんたが
うす羽かげろう お前まで
生き急ぐ
夜明けに消えりゃ
何を求めて
赫いぼんぼり
肌寒い
しん
通りゃんせ
芯はなおさら
あ…通りゃんせ
まっすぐに
迷い坂
決めておいでよ
通りゃんせ
男ごころの
ひとりあんたが
通りゃんせ
いろ あ
あ…通りゃんせ
色褪せる
なが
眺めせしまに
夢だから
通りゃんせ
春に名残りの
ひとりあんたが
木
夢
子
27
その又奥の
浅
倉
心の旅路 シルクロード
広い大地の
絹の道
身を寄せて
遥か彼方の
耐える寒さに
うだる暑さに 水求め
姿を思う
一度だけの この人生を
いにしえ人の
迷い道
定めなど
よみがえる
縫っての旅は
シルクロードよ
砂漠の道を
遥か昔が
人それぞれの
夢求めても
一度だけの この人生を
想いを馳せる
人の世なれど
シルクロードよ
遥か彼方に
限る命の
風を読み
夢は捨てない この先も
真鶴のように
飛んでゆきたい どこまでも
絹を描いた
一度だけの この人生を
いにしえ人の
心 の 旅路
美智子
28
くさ
草
おぼろ
朧
木曽路に遅い春が来て
雪どけ水が流れます
あなたの香りがしみついた
心も髪もほどけそう
嫌いになんてなれないけれど
一人で生きていけそうな
そんな予 感の草朧
妻籠の宿の根雪さえ
日に日に消えてゆくものを
あまえてばかりで本当は
あなたのすべて縛ってた
面影胸にしまったままで
一人で生きるせつなさを
抱いたままで す草朧
馬籠に向かう峠道
つぼみのままの糸ざくら
あなたを忘れるそのために
仰げば空に星ひとつ
少しは強くなれるでしょうか
一人で生きる覚悟など
口に出せない草朧
麻
崎
恵
29
ネオンの人魚姫
なりたい大人に なれないなんて
あのころ思っても みなかった
何度もウロコを 取り替えながら
気がつきゃ不夜城の 人魚姫
上手に泳げば いいものを
荒波世わたり ちと難しい
流れ流され おぼれながらも
好みのネオンで 生きてるよ
べ
に
昔はそうだね 本気でホレて
男に尽くしてさ 笑っちゃう
朝方カラ スと 演 歌 を う た い
たどるはちっぽけな 砂の部屋
一日終われば 口紅ぬぐい
水草まくらに ただ眠りましょ
夢や夢など 見たかないけど
笑顔の母さん たまにみる
こきょう
浅
やっぱり故郷に 帰れやしない
いつでもこの胸に 宿してる
ヤドカリみたいな 暮らしをしては
色んなお魚と 知り合った
誰でもしあわせ 不しあわせ
交互に打ち寄せ そうくり返す
もがきもがいて ワラをつかんで
あきらめ悪いね 人魚姫
野
淑
恵
30
吉野伝説
散りゆく恋は
みやこ
都はぐれて
花に咲く
ふえ
はて
悲しい胸に
吉野の春の
笛が聞こえる
夢の涯
吉野の山よ
あれはみちのく
あ
千本桜よ
蔵王堂
彷徨う旅は
さ ま よ
逢わせて下さい あの人に
あなた探して
たど
別れて辿る
隠れ里
ついてゆきたい この坂越えて
つ
雪が降る
愛しい人よ
募のる思いの
千本桜よ
みだ
乱れる心に
つづみ
さ だ め
見えますか
鼓 今様 涙で送る
静の舞が
運 命の 恋 を
都鳥
吉野の山よ
舞扇
添えぬ二人の
忍ぶ女の
千本桜よ
つた
伝えてこの恋
味
岡
正
31
え
て
飛
隠れ宿
散りぬるを
ひとひらひらり
ひとひらひらり
解けて
もどかしい
あァ
ゆくえ
小耳も火照る
ほ
告げるような
痺れてうずく
しび
結ばれて
帯びの固さが
あァ
爪の先まで
待てないような
じ
愛沁みの
いと し
焦らし言葉に
あー
夢芝居
堕ちて
さまよい迷う 道行きは
とぎばなし
あァ
匂うような
しっぽり届く
身悶えて
み もだ
お伽噺の
あァ
深い淵から
め ま い
目眩のような
ゆくえ
芯まで濡れる
愛沁みの
いと し
甘い吐息に
あー
こがれても
こ こ ろ
ときめく情念
泣いて
も
怖いような
ゆくゆく涯ては
あァ
隠れ宿
おう せ
戯れて
たわむ
逢瀬つかの間
あァ
あえ
喘ぐ契りの
切ないような
ゆくえ
沈んで情事る
愛沁みの
いと し
罪の奈落に
あー
鳥
美勇樹
32
本気になっても
スキなのあなた
夢みて恋して
スキよスキよ
わたしがいくら
にげて行く
許されないのね ふたりの愛は
指に振れただけで
香りをのこす
そんなかぼそい ふたりの愛に
やさしさだけの
ああ~
イヤなのあなた
負けて泣 く
夢みて恋して……
女が女に
イヤよイ ヤ よ
未練に灼けて
消えそうで
運命に負けた
さ だ め
夜明けの前に 帰らないで
愛がほど けて
ああ~
抱えたままで
だけどやさしい あなたが憎い
まっ赤な薔薇を
夢みて恋して……
ああ~
負けて泣 く
夢みて恋して……
恋は恋
女が女に
そうなのそれでも
麻
生
あかり
33
ドレミファと
いたずら夜風
カラコロカラコロ
人肌酒が
踊り出す
空き缶鳴らす いたずら夜風
くぐる暖簾も
冷めてしまうわ
いたずら夜風
戸を叩く
優しく包む
女将の差し出す ぐい飲みに
男の心を
ガタゴトガタゴト
ドラマー気取り
忘れた想い出
歌うカラオケ
切なく揺する
再びと
俺らはドラマー
やけに気に合う 飲み仲間
夜風が運んで
舞い上がる
ウインクで
いたずら夜風
ヒラヒラヒ ラ リと
女将の裾に
洒落たジョークに
手と手を握って
裏町酒場
又明 日
待っているねと 恥らいながら
夜風も妬いてる
阿
部
則
夫
34
こ こ ろ
さ く ら じ ま
天
=桜島山
命のかぎり
さつまの心
一度決めたら
それが薩摩の 男の信念
瞼に浮かぶ
父 親の 姿
お や じ
空を見上げりゃ
すき ま
ふるさと
故郷想い
こ こ ろ
雲の隙間に
誠意貫く
桜島山
変わらぬものは
さ くら じ ま
それが男の
薩摩男の
愛する心
うやま
天を敬い
太っとか山よ
かま
どんと構えた
血潮が燃える
ふるさと
握る手と手に
故郷想い
桜島山
さ くら じ ま
交わす黒ジョカ
それが男の
いだ
大 志 を 抱き
さ だ め
運命じゃないか
決めたこの道
生きる男の
薩摩の女
ま こ と
陰で支える
故郷想い
ふるさと
真実の命 尽きるまで
つくす女の
桜島山
さ くら じ ま
それが男の
達
美代子
35
つくたびに
枯れ尾花
一つ溜め息
恋だけど
や
奈落の果てに
抱きしめられて
暮らそうと
痩せる思いの
いつか二人で
そんな言葉に
落ちてゆきます
えに
愛 ゆえ 辛 い
待たせばいいと
遠すぎて
運命糸
愛し合っても 結べない
うす
薄い縁しの
妻と言う名が
貴方いつまで
聞けば薄れる
枯花に
この私
生きてゆけない 一人では
弱い女よ
荒れた心の
女の花を
愛と言う名の お水が欲しい
いつか咲かせて
雨
宮
英
子
36
俺を呼ぶ
九十九里
イワシ漁
広い海原
沖の漁場が
星を見て(ヨイショ)
井
軋む船(ヨイショ)
塩が浮く
黒い肌
新
舵を切る(ヨイショ)
追いかける
ヨイショ )
群れを求めて
(ヨイショ
叫ぶ声
ひ ぶね
と
イワ シ漁
灯船が点り
ぶ
網を仕掛けろ
か
白い安全帽 に
汗がふき出て
海が鳴り(ヨイショ)
逃げまどう
たぐる網
ヨイショ )
巻けばイワシが
(ヨイショ
力を合せ
急ぎ巻け(ヨイショ)
檄が飛ぶ
船の上
今が勝負だ イワシ漁
潮が飛び散る
お や じ
燃える船長の
大漁だ
早く引け(ヨイショ)
網が躍るぜ
イワシ漁
えびす顔
ヨイショ )
つら
(ヨイショ
ね
日焼けた面が
ふ
運搬船が重いぜ
榮
37
山があるから
一緒に渡る
一緒に上る
あなたと一緒に
川があるから
世の中の
大丈夫
旅を往く
あなたがいるから
幸せ捜しの
なにがあろ うと
冬は頑張る
雨風浴びて
緑で飾る
裸の樹でも
生きてゆく
繋ぐこの手を よろしくね
春は若葉で
想いやり
くれるもの
あなたがやさしい
私に注いで
頼りたい
いたいもの
したいもの
甘え続けて
いつも仲 良 く
やさしくされて
今日が明日に 暦が変る
いてくれて
変らないのは この愛情よ
あなたが隣に
あろうとも
幸せね
どんな苦労が
生きてゆく
涙知らず の
仲良く越えて
荒
川
利
夫
38
この世の花は
サラリーマン哀歌
浮き草と
花も咲こう
角立つ世間
流れにま かせりゃ
意地を通せば
流される
じょう
情にと竿させば
高く 上げ
ほほ え
心のアンテナを
い
怨んでみても
良い風つかめと 屋根で微笑む
遅咲きと
有
田
コップ酒
夫婦酒
みょうと ざけ
風見鶏
サラリーマン
物だねならば
ままには ならない
会社あっての
向かい風
妻だけに
我慢と辛抱で
分かってくれろよと
愚痴をこぼして
部下から小言
吹き抜ける
浮世の風が
悔しい思 いの
肌を射す
いつでも男に
叱る上司に
居酒屋で
浮世坂
会社の引け際にゃ
マ マ の慰 め
どうすりゃ越えられる
いつもの馴染みの
美智男
39
越前恋唄
窓越しに
ついて来る
いつか消え
越前岬
敦賀を過 ぎて
荒波迫る
恨みつらみも
面影だけが
これでいいのよ これでいいのよ
未練旅
切なくて
旅の宿
こころも 凍る
日本海
おんなひとりの
ぜ
夕陽が沈む
か
冷たい北風に
愛に疲れて
地酒に酔えば
胸のうち
これでいいのよ これでいいのよ
波と重なる
春呼ぶ便り
しあわせ薄い おんなにも
海鳥達の
み
捨てました
そっと最後の この 恋を
な
渦巻く怒涛に
風が切る
これでいいのよ これでいいのよ
泪ひとすじ
井
口
けいじ
40
生
おだやかな思いやり
泣くより先に なみだが落ちて
すさんだ風は
訳を聞くより こころがいたむ
こんな浮世の
来るのでしょう
優しさ抱いて
夢あかり
思いやり
どこから吹いて
おだやかな
生きて行こうよ
声かけあって
手と手を つなぎ
いつも笑顔で
言う名の明かり
温もり伝う
明日の希望と
みんなで点す 愛の輪は
届けと祈る
夢あかり
思いやり
きっと叶うよ
遠くて近い
おだやかな
大地の果ては
こころ寄せ合い 世界はひとつ
春の陽射しに 幸せの花
野
たかし
~夢あかり~
何時いつまでも
どこまでも
思いやり
咲かせてあげる
おだやかな
絶やすこと無い 夢あかり
41
生きがいと
泣き虫ごころ
貴男一人が
信じていたのに バカでした
ホロリと こぼれてきたわ
気まぐれ男に 愛想もつきて
涙
乱れる想いも 泣き虫ごころ
行けないか
惚れてしまえば 負けになる
尽くしていけるか
見えないものね
あるだろう
泣き虫ごころ
明日はくるか
耐えてる
女の運命は
夢の倖せ
我慢に
何処か良いとこ
苦労もわかる
母親わたしに 言うけれど
父親見てたら
泣き虫ごころ
こころに決めて
ごまかす
これが男と
笑顔で
生駒
かつゆき
42
縁 結 び
十九歳で契り
縁結び
る
人もうらやむ
えん ま 顔
は
わざと強がり
何時いつまでも
おんなの青春を
こんな温もり
母の手つ きは
福は内
上げ膳据え膳
髭面顔で…
こころの 中で
婿もら い
今日の晋ちゃん
縁はゆかりで
今のう ち
おとこの嘘は おんなで変わる
喧嘩するなら
何があろうと このえにし
一皮 剥けば…
山坂越えて
胸のつかえも
愛して愛して
初な人 生
あとは信じて
年が明ければ
上げ膳据え膳
初孫うまる
ご
母の手つ きは
福は内
ま
たわいごと
こころの 中で
婿もら い
母には内緒
縁はゆかりで
イザワ
マサミ
43
別 れ 門
お乳飲み足り ご機嫌の
笑顔の見 納め 今 日 限 り
冬の吉原 裏玄関
二度と逢えない この子なら
抱かせて下さい も一度
あぁ雪の 雪の 雪のすだれが
母子の縁 切り離す
三月たらずの 男の子
里子に貰われ 駕籠にのる
きっと幸せ なるんだと
泣いて見送る 投島田
緩んだ絆を なおしても
あぁ雪の 雪の 雪のすだれが
母子の縁 またほどく
墨をひと刷毛 雪景色
日本堤を 駕籠が往く
裳裾端折って 追いかけりゃ
別れの門 が 仁王立ち
運命を恨んで 泣いたって
あぁ雪の 雪の 雪のすだれが
母子の縁 遠ざける
石
浦
別れ門・・裏門にあり
※月 刊 誌 ま ん が 「 乱」 より
洸
別名縁切り門
44
男 の 肩
アイティー
人の 縁
IT社会に おぼれても
ちゃんと掴まる
男の肩は
おっとどっこい 不撓不屈の
男の肩は
惚れ込んで
世間を渡る
こっちで勝手に
胸に抱く
重たい鞄で
くどき落として
男の肩は
石
おっとどっこい ドラマティックに
男の肩は
父のこと
すやすや眠る
口数少ない
母のこと
おんなが凭れて
機転女房の
男の肩を
おっとどっこい 感謝しみじみ
男の肩を
強がりは
大 事 な写 真
楽になる
捨てなよ
長押で見ている
捨てなよ
力ぬいたら
天下を生きる
男の肩は
お っ と ど っ こ い 心 機 一転
男の肩は
うま酒一杯
川
桃
瑪
45
うつ
せみ
蝉
人の群れ
空の下
空
黄昏の
流れ行く
よぎるのは
恋の傷
やさしく
家路を急ぐ人 別れを惜しむ人
わが心
暮れ惑う
輝きは
夜よ
夕映えの
なつかしさ
せめて密やかに
遠い日の
面影
枕に
石
誇れることもな く
夢を
手放して
一握り
去りにし父母に
幸せの
それさえも
き
齢を取る
とし
季節が行き
と
せめて密やかに
空蝉の
またひとつ
せめて密やかに 眠れ
原
信
一
46
あーおやじ
世界 一
身にしみる
この俺も
俺のおやじは
自分勝手な
い
背中見せ
おやじが逝って
口にはださず
わ か ら ずに
世界 一
遅いよな
おやじの背中
いまさら涙
なあおやじ
俺のおやじは
い
かず
よくわかる
ぐうたら息子 この俺も
おやじが逝って
世界 一
遅いよな
わ か ら ずに
苦労をかけた しわの数
おやじの苦労
いまさら涙
なあおやじ
俺のおやじは
寂しさ募る
わからずに
涙雨
あわす手 に
おやじ憎んだ この俺も
い
おやじの心
遅いよな
逝って見送る
いまさら涙
なあおやじ
出
原
敏
光
47
欲しくな い
私が死んだなら
美しき命
もしも
涙は見せて
私は早く
神様の手の中に
咲く花もまた 散る花も
すべて
少しだけ
人でした
私のわがままを
散るだけよ……
いつも
許してくれる
市
美しき命
美しき命
あなたには何時までも
苦しみもまた 幸せも
だけど
逃げないことを
美しき命
幸せが
木の下に
私を連れて行く
願うだけ……
ときが
桜の花の
出逢いを信じ
再びの誕生に
咲く花もまた 散る花も
いつか
あなたとの
祈るだけ……
川
武
志
48
訳じゃない
泣きぼくろ
嫌で別れた
女の意地が
し じ ま
重荷でしょうか
あふれ出る
夜の静寂に
溶けて切なさ
わたしの一途さ
かげ ぼう し
夢みた暮らし もろくも崩れ
影法師
泣きぼくろ
バカなおんなの
君のほくろ は
しないと言った
唇噛めば
泣かされて
決して泣かせは
ことば裏腹
わる
あなたは悪ねと
背けてさった
ぶし
気弱に顔を
恨み節
うら
バカな女の
耳にして
よ
浮いた噂を
と しん
身をさらす
あなた何処よと 心で呼んで
風の音にも
鏡に写す
妬心を胸に
眠れぬ夜は
泣きぼくろ
恋しさまじりの
バカな女の
一
森
さとし
49
ひ と り
こころ酔わせて
馴れっこなのに
伊
今夜 だけ
素敵なタンゴ
こころ酔わせて
孤独暮らしは
でもね
いつかフロアの
踊る踊るタンゴ
恋の眼差し
肩寄せ合って
夢の調べに
想い 出が
刺さったままの
甘くせつない 世界です
胸にちくちく
トゲが抜けない
きのうのタンゴ
いやね
砂を噛むよな
踊る踊るタンゴ
星の 砂
なみだ散らして
出会いと別れ
回る銀河に
何処へさ まよう
男なら
踊る踊るタンゴ
夜明けのタンゴ
それでいいのよ
好きと言えない 無口なあなた
そうね
瞳閉 じれば
夢を見るよな
愛の詩
うた
縁は異なもの こころ溶かして
巡る幸せ
藤
あ
い
50
さ だ め
運命の絲で
女のごろり唄
あや取りしましょか
ごろり
い と う
転がってる…
ごろり
せめても一度 結んでほしい
ごろり
行き場がないから
雨の夜
抱きしめられた
雨の夜
あんたと別れた あの日から
女さみしい
かたり
かたり
くれると言った
この髪ほどいて
きっと倖せ
かたり
入れられない…
あの日から
はずれた引き出し
何んにも出来ない
酒の夜
酒の夜
女ひとりの
畳に落ちる
ぬる
泪の温さが
転がってる…
ごろり
いうのでしょうか
ごろり
無駄な恋だと
ごろり
行き場がないから
ごろり唄
忘られる
ごろり唄
いつまで泣いたら
女泣かせの
彩
51
じん せい
お前の好きな
茶柱が
野の花供え
トコトコ人生
一人飲むお 茶
あるよと云えば
香かおる
こう
今日は良いこと
遺影微笑み
トコトコ生きる
トコトコ生きる
心ひとつで
小さな夢は
お前心に
二人語った
この 胸に
皮 む き 干せ ば
腰を伸ば して
渋い柿とて
お前叱るな
トコトコ生きる
トコトコ生きる
甘い干し柿 なるけれど
心ひとつで
胸つく雨が
又散らす
夢のつぼみを
ちまた
巷風つれ
貧しくすると
背を撫でた
愚痴は心を
いつもお前は
トコトコ生きる
トコトコ生きる
思い出しては
心ひとつで
伊
藤
彰
二
52
しばれる 夜の
流 れ 星
木枯らし寒く
別れを告げて
流星ひとすじ 西空に
全ての星と
消え行く運命 ああ流れ星
われここにあり
輝く 星に
われは生きぬく
星は流れても
青雲の夢
夜空に満ちる
こころ 通 わ す 一 刻 を
われここにあり
ああ流れ星
この世の運命 過ぎ行く日々の
儚き夢か
星は流れても
燃やす情念
夜空を仰ぎ
消えゆく星に
愛ゆえの
わが身の行方
われは生きぬく
熱き血潮も
ああ流れ 星
青雲の夢
涙をながす
われここにあり
われは生きぬく
星は流れても
青雲の夢
伊
東
ひろし
53
今日もまた
居酒屋ゆかり
くら やみ ざか
暗闇坂を
あんたと二人 降りてゆく
お掃除すませ
盛りあげて
お店を開けたら
清めのお塩
幸せの花
積もりま す
居酒屋ゆかり
咲かせましょうね
め お と
しんと
雪の日は
夫婦のれんの
しん
暗闇坂の
しん
手に手を とって
すべ
滑らぬように
急ぎます
や
伊
いらっしゃいませ
ふたりお店へ
お待たせしました
居酒屋ゆかり
明け暮れは
雪見酒です
暗闇坂の
染みてます
し
汗と涙が
焼きもち妬いて
また戻り
お客とわたしに
別れ別れて
今夜も咲いた
居酒屋ゆかり
やっぱりあんたと
幸せのれん
能
絵
巻
54
二人
二人
女
男
女
男
女
男
女
女
二人
京都伏見の お稲荷で ふたり…
おみくじせんべい 割りました
ソワソワ恥らう 屋台よこ
酔いどれくじ引き 一枚に
心おどらせ のぞき込む
「まかせとけ~」
「おねがいね~っ」
いつの間にやら
いつの間にやら
亭主きどりの
二人づれ
京都伏見の お稲荷で ふたり…
おみくじせんべい 買いました
初めて歩いた 屋台みち
ほろ酔い加減の 石だたみ
そっとささえる うしろから
「すまんなぁあ~」
「大丈夫よ~」
いつの間にやら
いつの間にやら
女房きどりの
二人づれ
上
おみくじ煎餅 (デュエット)
二人
二人
女
男
女
男
女
男
女
男
二人
京都伏見の お稲荷で ふたり…
おみくじ開いて 読みました
人目を気にする 屋台かげ
ひとりじゃ結べぬ 縁結び
片手そえます 私から
「よろしくなぁ~」
「こちらこそ~」
いつの間にやら
いつの間にやら
夫婦きどりの
二人づれ
井
二人
二人
女
男
女
男
女
男
女
二人
二人
耕
作
55
住居侵入
とり ご
や
わが家の庭の鶏小屋の
屋根に緑の葉が見えた
何かと思いよく見ると
カボチャの蔓の先だった
にわとりごや
カボチャは隣の畑から
鶏小屋まで伸びてきて
屋根一面に広がって
やがて黄色い花つけた
花の一つが実をつけて
強い日差しに耐えながら
大きく育ち屋根の端
今にも転げて 落ちそ う に
カボチャは今や収穫期
私はお隣さん訪ね
事の子細を話したら
隣の奥さ ん 大 笑い
「住居侵入罪ですね
お宅で断罪願います」
かくしてカボチャはめでたくも
わが家の食卓賑わした
井 上
裕
允
56
海に咲く花
おまえが眠る
波の果て…
海に抱かれて
港夜景は
ひとりのまま か
枯れるな花よ
旅の空
泣いていないか
想い切れない
俺を恨んで
花よおまえは こころの港
こ こ ろ
すが って泣い た
咲いてきた…
親の愛情に はぐれたままで
ひとり気強く
そんなお まえが
夜明け間近の 港宿
連れて行けない 男の夢に
男は迷い
別れのつらさ
海の深さに
ただ祈る…
夢にこぼれる
ひとり女は
香りをのせて
熱くする
風はあの日の
今もこの胸
愛しい花よ
最後の港
海に咲く花
花よおまえが
井
上
ゆうき
57
伊
・
・
・
・
・
・
おれは
武
一匹オオカミ・ドンの歌
さびしいさ
さびしくないかって?
ほんとうは
さびしさを胸に
おれは
生きてきた
だがおれは
わらって
さよならはいわない
ひとりぼっちの ドン
死んだのさ
完膚なきまで戦って
おれのオヤジは
戦い抜いて
おれは
死んでいったのさ
ならぬことはならぬ
わらって
さよならもいえず…
ひとりぼっちの ドン
おれの前に道はない
おれの後ろに 道はできる
息子よ
きりひらく
反骨の血が
さよならはいわない
父子三代
道なき道を
Wooo
Woo o
ならぬことはならぬ
Wooo
・
・
・
一匹オオカミ ドン
トーマ
58
グラスの酒は
命のグラス
命おとした
酔うに酔えない こおり酒
から
命のグラス
空しく絡み
むな
あの娘残 し た 想い 出が
俺の心に
さそ
未練誘うよ
に
グラスを抱いて
べ
残るうす口紅
夢をみる
に
今夜あの 娘の
べ
口紅灯り
寄り添いあえば
うつ
そっと朝まで
命のグラス
窓に映した
夢もぬれるよ
くる日があれば
う
今度生まれて
幸せを
こん ど
俺はあげるよ
みたような
港の 夜は
いつかふたりで
夕陽きれいな
命のグラス
さ
ネオン星咲く
入
来
英
一
59
涙のように
雪のれん
雪のし ず くが
岩
白
そんな夜…
いとしい人を
流氷なくよな
店ののれんを 濡らす雪
ぎしぎしと
いとしい人を
そんな夜…
北の雪のれ ん
な
汐風に哭き
待っているのか
雪のつぶ てが
光る雪
ざらめ雪舞う
ハーバーライトに
わらわらと
浜の雪のれ ん
道行く人を 道行く人を
ぜ
そんな夜…
北の雪のれ ん
恋しい人を
舟唄きこえる
銀の雪
海風にゆらめき
か
呼んでいるよな
こころ
雪の魂が
旅人さそ う
※ルルルルと
恋しい人を
待っているのか
※ くりかえし
かづこ
60
磐
夜更けの街に消えた
新宿摩天楼
コツコッと
寂しげな足音残し
冷えたガラスに浮かぶ
風に乗って聞こえる
お前の面影
すすり泣きが
馬鹿な男の仕打ちを
空を焦しても
窓明かりも疎らに
許しておくれ
新宿摩天楼
見下ろすネオンの海
俺の心の時計 今も止まったまま……
あの時は
根
公太郎
我が儘を云って困らせた 悔やんでいるよ今も
今日も虚しくて
谷間の風身に沁む
俺は今でも待っている
町に住んでいるのか
一人になっても 腕に温もり残る
今はどこの
戻ってお くれ
新宿摩天楼
疲れた胸の奥は
俺の心の時計 今も止まったまま……
新宿摩天楼
俺の心の時計 今も止まったまま……
61
流れ
あわ
おもひ
思
がわ
川
漂いて
ただよ
さ さや き 春 の 川
ら
舞散る
ひな
恋ひとつ
「乙女河岸」
私が居ます
貴方 の側に
あ な た
淡 き 花びら
ゆう き つむぎ
結城紬の
く
そっと寄り添う
さ
思川桜
あゝ
川の 瀬に
思ひ 渡らせ
夕暮れ
瞬いて
またた
夏の
灯りが
よい
宵の
ほほ え
返してくれる
ふたり浮かべし 流しの雛が
ま
だ
く
ひも
恋ひとつ
舞い降りて
清し川
すが
あゝ
涼風 「よしず張り」
すず かぜ
そっと微笑み
夜店
初めの
思ひ 渡らせ
歳の
ま
小雪 ちらちら
恋ひとつ
結ぶ縁
縁の絆
えにし
間々田組み紐 羽織の紐を
ふ た り
二人織りした
はつ いち
あゝ
初市 「だるま」が
思ひ 渡らせ
岩
本
誠
二
62
もういいのよ
窓際の椅子でコーヒのみながら
表通りを行き交う人を眺めつつ
みなさん幸せかしらと
店の奥のカサブランカ私を見てる
忘れるのよ
なぜか涙がテーブルにこぼれて
もういいのよ
あてもなく通りのウインドー眺め
街はずれの公園へふじが咲き誇り
花の香りにいやされて
ブランコにそっと乗りゆらせば
忘れるのよ
無邪気に遊ぶ子供の笑い声が
もういいのよ
背中に夕日のぬくもりをかんじて
流した涙は明日への贈り物ね
切ない想い安らいで
ワインバ ーで グラスに さようなら
忘れるのよ
チゴイネルワイゼン心にしみて
もういいのよ
鵜
水
いさお
63
雪が舞う
夢褪せた
染め抜いて
臼
おさらば…おっ月さん
風が煙れば
小夜の草津湯 隠れ宿
あお に
想い出を
みれん…みれん心で
あほち
楝…青丹の手拭い
拭かせてください
杵
あなたのその背なも
檜風呂
冷たかろ
おさらば…おっ月さん
いで湯寒かろ
百舌鳥も止まり木
もつれ … ほつれ 髪 さえ 結 い 直 し
ぬばたまの
季節は帰らない
面影を
ひとり…黒髪泣かすの
拭かせてください
渡らずに
泣いても…おっ月さん
恋は北へと
渡るのね
雪みたい
いつだって
あなた南国
朧…おぼろ幸せ
まがき
白根も燃える夜
温もりを
止まる…籬も知らない
拭かせてください
おさらば…おっ月さん
慶
宗
64
心に義理を
男の背中
胸に情けを
男の背 中
嗤わば嗤え
深く刻んだ
雨よ嵐よ
空に一つの お天道様に
後に陥ちた
顔を反けた 過去はない
前に押されて
男の背中
見分けがつかぬ
火の粉火あぶり
裏とおもての
此の世の闇に
望みに変える
充てるのさ
嘘がはびこる
俺は光りを
人の悩みを
今は遙かな
媚ず驕ら ず
生きてきた
双親様の
茨の道を
運命背負った 男の背中
教え護って
海
原
光
65
し
け
きょう
かな
みさき
とう だ い
船乗りたちが
乗り切ったという
いく とし つき
懐かしく
灯台あかり
ゆ
経ヶ岬の灯台
とな
時化の海航く
きょう
みさき
経を唱えて
きょう
めい が
経ヶ岬の
よろこ
昭和の名画
ド ラ マ
「喜びも哀しみも幾歳月」の
ゆ
あ
見つめる先に
引き揚げ船の
ひ
物語の振り出し この岬から
おき
沖を航く船
デ ッ キ
甲板にあふれ
みさき
灯台白く
きょう
経ヶ岬の
巷に流れ
もう間近
まい づる
はは
舞鶴港は
がん ぺき
待つ母がいた
「岸壁の母」の歌
帰らぬ息子を
あかねに染まり
そ
暮れる海原
りょう
波間に揺れる
漁り火が
灯台点る
水平線に
みさき
夕日が沈む
きょう
経ヶ岬の
つ
イカ付け漁の
てん てん
点々とキラめいて
船まで 届 けよ 岬 の 灯 り
梅
垣
政
之
66
花曇りの空
肩揺らしてふたりで歩む
この道草の中からひとつ
拾い上げた楽しみ原っぱに混ぜて
何色になるか当てっこしよう
片手振ってふたりで歩む
この道草の中からひとつ
拾い上げた哀しみ原っぱに投げて
何色になっても泣きべそかこう
一緒に花曇り空の下
繋ぐ手温かくて振り返って
宇
ゴツンッてお星様ふたりにきらめいて
笑って幸せ感じていようね
泣いても幸せ感じていようね
重ねた手と過ごした時間
大切に育てていける様に頑張るね
里
香
菜
67
ゆる
ひと
こい
ざくら
あの時は…
人 恋 桜
許してね
見つからなくて
わ
詫びる言葉が
人恋桜
すが
こ とし
今年も
あの人が…
円
故郷恋し
ふるさと
あの日のように
泣いて縋った
はな
桜よ
なか
咲いていますか あー…
ゆめ
夢ん中
え がお
いつも変わらぬ やさしい笑顔
ささ
見せてくれます 人恋桜
あー…
いく とし づき
幾年月よ
き せつ
桜の季節
わたし
あなたの胸に
人恋桜
鞭打つ雨も
むち う
逢いたくて…
あー…
それがせめても 心の支え
遠い他国の
もう一度
おも
しの
雪の重さも
た
耐えて忍んだ
生まれ変わって
かえ
返り咲きたい
理
子
68
吹雪
あばら
むしろ
荒小屋
津軽母温情
あかぎれ
筵織 り
愛し子の
夜なべ縄ない
枕ならべた
くれた母
それが生きがい また小屋へ
命削って
踏み越えて
えんどう
ありがとう温もりいっぱいお母さん
雨も 山背も
墓建てた
粥啜り
かゆ すす
闇米 やみりんご
やみ ごめ
岩木 お山に よく似てる
戦後
売って歩いて
親父戦死の
かむ
ありがとう頑張り続けたお母さん
ほ
頬っ被り
早死には
父母の墓
津軽 じょっぱり
花と線香
母よ辛いよ
家路に 春の風
俺がせめても 長生きよ
杖で
ありがとうやさしい心のお母さん
要
69
居たという
秋保旅情
ひと月前に
来たけれど
切なさよ
登り旗
お前を追って
外は寒風
千切れる愛よ
荒れ模様
あ き う
雨の秋保は
離れても
こころ
情が切れて
二人が燃えた 熱き夜の
恋なのか
一夜 恋
いち や ご い
惚れたのに
若き遊びの
純情男
あ き う
雨の秋保は
蝉 時雨
泣いている
咲いた花
探します
明日は出ます みちのくへ
本当の愛を
川の辺に
淋しく揺れて
あ き う
雨の秋保は
えんどう
真実
70
に ぎ り しめ
お母さん
赤い手提げを
玄関に
待ちわびて
ひとり施設の
迎えのわたしを
いと
すねていたのね お母さん
愛しくて
残されて
留守 電に
抱きよせる
子どもみたいに
小さな肩を
よ
雨が降る夜の
「きてね」とぽつり
お母さん
わたしの心も 泣いてます
できることなら
離れ ずに
行くからね
ずっといたいの
あ し た
降りそそぐ
明日はきっと
蝉の鳴き 声
抱きしめて
暑い夏
しゃしん
あれは八月
ほほ え
微笑む遺影を
いつか逢えるね お母さん
ありがとう
何か言ってよ お 母 さ ん
育ててくれて
ありがとう
何か言ってよ お 母 さ ん
育ててくれて
及
川
莉
代
71
大
居酒屋、セレナーデ
カンにして
夜だから
お酒、頂だい オバちゃん
心も寒い
少し熱めの
夢にはぐれた 路地裏で
居酒屋セレナーデ
なる酒を
飲んで居酒屋
オバちゃん
飲めば涙に
少し泣かせて
帰るから
切なさを
ひと泣きしたら
未練心の
路地裏で
オバちゃん
居酒屋セレナーデ
なる酒を
酒でうすめた
飲めば涙に
飲んで居酒屋
愚痴になるけど
離せずに
愚かさを
未練の心
想い切れない
路地裏で
居酒屋セレナーデ
なる酒を
捨てて埋めた
飲めば涙に
飲んで居酒屋
友
健
72
申し上げます
天を仰いで
これをごえんに
さて おき……
お許しを
それは
失礼あったら
それは
お人とは
愛想もこそも 尽きはてる
期待をうらぎる
さっぱり
いつものように
きっぱり
んんん……責めたりしないで
さあさあ
美しく
大
お別れなさいませ
女らしく
胸がすくまで
申し上げます
天を仰いで下さいませ
祈りをこめて
恋で消す
それから……
わがままを
能がない
それで
恋路の未練は
それで
従うだけは
少しはお強く
はっきり
いつものように
しっかり
んんん……言ってみましょう
さあさあ
美しく
お次の恋からは
女らしく
胸がすくまで
天を仰いで下さいませ
前
裕
子
73
きさらぎの月
今夜限りで
罪を重ねて
見透かすような
戻ってあげて
行けないわ
あなた好きでも このまゝずっと
おんな心を
きさらぎの月
ひと
大
山
詩
央
・
・
・
ひ
と
あゝお月さま、おんな心の
ひと
わかってくれますか。
欲しくな い
奪ったような
裏表。わかって
もやっぱりあの男が好き
身を 引 く こ と は 辛 い け ど 、 哀 し い 別 れを 決 め ま し た 。 で
窓に冴えてる
と
台詞
ひ
そんな幸せ
別れが辛い
他人を泣かせて
心うらはら
も
きさらぎの月
せめても一度 わたしを抱いて
縋る夜更けの
お
ど ん な に 思慕 い 焦 が れ て も 、 あ の 男 は も う 遠 い 他人 …
明日になれば
台詞
すがる胸もない今夜のお酒は苦すぎます。あゝお月さま、
恋を失くして
ひとりぼち
とうとう私もひとりぼっちになりました。
月とおんな じ
悲しい 酒 に
夜通し泣くわ
涙注ぎ足 す
きさらぎの月
飲んで今夜は
夢も凍える
74
のむお酒
生きがい酒
ひとり酒場で
情け酒
こ こ ろ 寄せ
あなた 旅の人
誰に想いを
あなた
一夜限りの
お酒だけです 生きがいは
好きと云われた うれしさに
すがり 酒
あなた 旅の人
酔って燃えたの
あなた
すきま風
知りながら
北の街
肌をよせても
風が冷たい
そえぬ運命と
別れ酒
おんな に は
あなた 旅の人
いまは涙の
あなた
枕さみしい
お酒だけです 生きがいは
岡
み ゆ き
75
小
小雨の京都です
京都めぐり
初めて着きました
町を歩きます
となりにいたら
遠い空の上
約束したけれど
駅の近くで番傘買って
一緒に行こうねと
あの人が
あなたは急に旅立ちました
今
川
豊
楽しいでしょう 幸せでしょう 泣いてしまうでしょう
月日は過ぎたのに
断ち切れないで
あれからもう二年
あなたの影を
胸が痛みます
つづいて銀閣寺
つらい
・
・
・
・
最初は金閣寺
見かけたならば
涙こ ぼれます
大文字 夜空がきれいです
地図を広げて印を付けた 道をたどります
送り火
似た人を
なぜだか急に切なくなって
今
大きな声であなたの名前 呼んでしまいそう
・
・
・
・
つらい
私をみたら
強く生きろよと
月日は過ぎたのに
あなたの言葉
あれからもう二年
あなたの笑顔
あの人が
忘れられなくて
今
この弱虫と叱るでしょうね
月日は過ぎたのに
断ち切れないで
あれからもう二年
あなたの影を
胸が痛みます
・
・
・
・
つらい
76
秋
ススキがゆれる
風
風が吹く
なごまされ
ほほに涼しい 秋の風
心いやされ
愛が 咲く
ここまでおいで
恋が芽ばえて
秋風おいで
暑い夏
ゲリラ雨
今年の日本
空は竜巻
やさしさを
荒れた街には コスモスも
人の心に
ここまでおいで
長い道
秋色そえて
坂道峠
東京で
夢のまつりだ スポーツだ
二千二十年
オリンピック
嬉しさいっ ぱい
汗が吹き飛ぶ
秋風踊る
奥
雪
義
77
小
あなたがいるようで
うしろ影
雨の向こうに
心がかなしい
暮らしたあの部屋も
わたしです
はじめて逢って
さがしてしまう
雨の日に
好きになったは
あれから一年
お も い
蛍になれたなら
今では誰かが 住んでるでしょうか
季節はずれの
行きたい情念よ
温もり求め
あなたを追って
さみしくて
心 の 中にまで
そっと抱かれた 夜もある
あなたはわたしの
流れて泣かす恋
切ない想い出 詰め込み消えたの
きっといつかは
いつからでしょうか
まぶたに残る
気がしていたの
うしろ影
忘れられない 人でした
歩いて行くよりも
き の う
過去をひきずり
さがして生きたい
あ し た
未 来 のしあわせ
口
幸
重
78
あい
さん
とら
げ
愛 散 華
べん がら ごう し
おみな えし
囚われて
女郎花
紅殻格子に
涙で咲いてる
焦がれて燃えて
いと
鬼さんこちら
どこまでも
愛しあなたに
あぁお供しましょう
ゆく さき
目かくしされて
彼岸花
ひ がん ばな
奈落の底か
叶わぬ夢の行先は
浮世舞台の
岸辺に揺れてる
鬼さんこちら
どこまでも
手探り探り
あなたと私の 道行は
恋の闇路に
あぁお供しましょう
ゆく さき
目かくしされて
ご はっ と
どこまでも
奈落の底か
御法度破りの行先は
死ぬも生きるも
あぁお供しましょう
鬼さんこちら
奈落の底か
愛散 華
あい さん げ
目かくしされて
ゆめ
叶わぬ幻の
ひらりひらりと
小
倉
く
紅
み
実
79
ま
ち
都会の片隅
麦わら帽子
憧れた
なかったわ
生きてきた
背のびをしてさ がむしゃらに
脇見も振らずに
なんにもいいこと
麦わら帽子
遠い空
ひとり身を
気にはしていた
ふるさと さん
帰りたい…
こころに浮かぶ
恋しいなぁ
あぁ
いつだって
嫁ぎもせずの
案じているよと
花嫁姿
気づかう母さん 泣いていた
見せてもやれぬ
詫びたいよォ 帰りたい…
ふるさと さん
着の身着のまま
あぁ
明日の朝
飛び乗って
そろ
甘えたい
一番列車
むかしのわたしで
か
し
案山子の親子
か
父さんあなたと お揃いの
麦わら帽子
帰りたい…
ふるさと さん
恋しいなぁ
あぁ
小 山 内
圭
80
おんなの秋
別れ風
しのび寄る
散らした
胸のすき間に
枯れ葉
未練の川へ
恋紅葉
あかねぐも
草蔭で
くさ かげ
染める茜雲
燃えてみたって
落ちて流れる
おんな涙を
駅のホーム の
鳴くはかぼそい 虫の声
恋は夢花火
遠ざかる
離れたくない あなたを乗せて
上り列車が
お
風鈴を
追って行きたい
忘れられてる
秋の風
恋しのぶ
想い出たどる
夜にゆらして
心乱れて
浅い眠りの
消える流れ星
ねむ
おんな心に
おさべ
あ
さ
81
常連さん
常連さん
いつもは陽気な
呑んでって
客で来た
ゆっくり
今夜は終いの
いいのよ
だったのね
常連さん
酒もいい
暖簾は早めに 下ろすから
独りで手酌の
名前は知らない
同じふるさと
なつかしい
きたけれど
お国訛りが
想い出捨てて
夜がある
常連さん
帰りたくなる
黙って呑んでる
沁みわたる
このお酒
こころの奥まで
味がして
あたしのおススメ
しょっぱい涙の
いつしか笑顔に 戻れるの
いつしか笑顔に 戻れるの
織
田
ま
り
82
花街
花街の
忍び坂
長崎丸山
忍び坂
なが さき まる やま
面影残す
石に撒かれた 打ち水を
踏みしめる
消してよ
て
今朝も独りで
ほ
*消してよ
朝を待たずに
いいものを
帰った人を
身体の火照り
憎いと 思 えば
花街を
忍び坂
人目を 忍 んで
自宅に戻る
真似をする
男たち
ま
そんな昔の
い
現代はあなたが
* くり返し
お地蔵さんは
哀しい恋は
坂の真中
また誘う
一夜の夢が
浮世の色恋 知らぬふり
* くり返し
心の迷い
坂を下れば
続きは今夜と
音
綾
83
胸の 内
つき合いだから
俺とおまえ
想えば永い
すけて見えるよ
なぜかくす
悩みがあるなら言ってくれ
顔にも出てる
なぜ呷る
あお
呑めない酒を
空しいぜ
ごまかすなんて
※遠慮するなよ水くさい
作り笑顔で
カッコ悪いぜ
俺が聞く
つらくなる
心で泣いて
おまえの悩みは
肩すじ張って
生きて行くなよ
手紙に書いて
手も あるさ
出せばいい
口じゃ言え な い愚痴ならば
メールで送る
間じゃないか
バカな話さ死ぬなんて
俺とおまえの
捨てっちまえ
俺が聞く
そんな言葉は
おまえの悩みは
※ くり返し
小
野
博
文
84
篝 火 浜
ね
瑠璃の海
ふ
夜明けめ ざせよ
た
愛船と行く
う
演 歌 の帆を張り
この身に受けた 魂が
すきなのさ
踏ん張れば
海辺の暮らしを
海の土俵に
奮い立つ
よく通る
男の意地が
がきの頃から
踏み分けて
勝負だよ
荒き潮路を
波に乗る
荒声からし
波涛万里の
声を上げ
ぜひもない
海が轟く
猛り狂えば
ひきよせて
乗り越えん
愛し面影
一つになって
瀬戸であれ
ひきよせて
よごされぬ
よしや命の
男の品は
愛し面影
頑張 れる
船を出せ
この世界
一つになれば
愛と勇気の
未来の子らよ
小野寺
正
悦
85
なが
おび
ゆう がお
かす
ひ
ひかる げん
きぬ ず
じ
引きづりながら
夕顔と 光 源氏
くろ かみ
と
長い黒髪を
ほの
幽かな衣擦れ
あ か り び
うつ
帯を解く
げん せ
きちょう
仄かにゆらぎ
ふ た り
かげ
紙燭火が
几帳に映る
あい
あ の よ
現世で終えても
お
二人の影は
この愛が
みち づ
来世まで
えにし
なか
さ
縁を道連れ
たそがれ
はく ろ
なみ
しのびの逢瀬は
おう せ
腕の中に
かいな
白露はひかり
ゆう がお
はんなりと咲く
きみ
しろ
空は黄昏て
白き夕顔よ
つき み
はかなげな
げん じ
月満ちて
いだ
源氏の君の
抱かれし
あわ
波をうつ
くろ かみ みだ
うす あか
はな
黒髪乱れて
いち や いっ しょう
花の哀れよ
ゆう
ゆう がお かお
薄明りの中
なか
一夜一生は
夕まぐれ
きみ
あい
ま こ と
やみ
ささ
夕顔香る
げん じ
ほんのりと
真心を捧げ
わか
かりそめの
深き愛の闇
ふか
源氏の君に
しず
沈みゆく
よ
この世の別れは
お
尾
まがり
曲
ゆう
優
こ
子
86
うみ
な
こ
もり う た
あか
お
赤んぼ起きる
海の子守歌
かもめ
な
か
泣かれりゃヨー
 鳴くなよ
お
う
起きて
はな
てん じ ん
ふり そで
いわ
しか
甲
べに
ゆ
いろ
こ
紅の色……
な
お乳やろ…
ちち
泣く子は育つ
もぐ
斐
叱られる…
し
かかさんと…
振袖いらぬ
夢ではヨー
ゆめ
かんざし
せめて
花の
おらが 生まれて お母ぁが死んだ
し け
ふね だ
と
し
時化に 船出し お父ぅも死んだ
たらいまわ
やっ か い も の
盥廻しの 厄介者は
し おき
めし ぬ
こ もり
こ
お仕置 飯抜き 子守っ娘
はま
よ
浜は おぼろ夜 ねんねんころり
な
なみ だ
うみ
泣けば 涙も 海になる……
みさき
かみ
七 歳 の 祝い
な な つ
天神さまに
まい
こ
お参り
岬はずれの
おや
みんな
こ
そだ
貝になる
かい
髪さえ結えず
はな
離れて
な
夕焼け ねんねんころり
ゆう や
しょんぼり
親のない子は
いそ
磯は
ほほ
な
し
たっぷりヨー
泣け泣け
頬に ほんのり
ぼうや
あと
後で
あさ せ ふか せ
浅瀬深瀬と 仕込まれ潜る
あ ま
むすめ
あ ま
海女の 娘は やっぱり海女よ
とつ
わ
こ
だ
やがて 嫁いで 我が子を抱けば
き
いそ ぶえ
こ もり う た
聴こえる 磯笛 子守歌
とお
むかし
遠い 昔よ ねんねんころり
か ぜ
潮風に 吹かれて ねんころり…
新
87
私はクロッカス
貴男を思い
開
くるまりながら
ま
貴男のハートに住みたいの
人知れず
ひとり咲く花
小窓開けここ、ここよ
つもる心は重く はかないわ
こんな夜は
妖精達よ
どうかあの人に
思い届けて
受けながら
どうかあの人に
甘い口づけ
雪の毛布に
私はクロッカス
貴男のハートに住みたいの
春を待つ花
キラメイて
愛につ つ まれながら
森はダイヤダストに
こんな日は
どうかあの人に
聞きながら
妖精達よ
どうかあの人に
思い届けて
甘いささやき
貴男のハートに住みたいの
妖精達よ
どうかあの人に
思い届けて
受けながら
どうかあの人に
甘い口づけ
貴男のハートに住みたいの
こ
88
にっ ぽう
延岡駅に
五ヶ瀬大橋
日豊本線
駅前通り
十年ぶりの ふるさとよ
すっかり変わった
ひと
好きなあの女 今どこに
訪ねてみたい 今すぐに
肩を寄せ合った 山下通り
大師祭
たい し さい
春に賑あう
色とりどりの
想い出す
夏には七夕
ひと
好きなあの 女
許しておくれ 心から
鮎の群れ
一緒に遊んだ 五ヶ瀬のほとり
今も変らぬ
願い橋
何年たっても 変わらぬ心
五ヶ瀬大橋
つないでおくれ この愛を
か
加
お
乙
り
梁
89
わ か れ
き
な
哭きながら
格
バラの花が咲くように
離別のあの日
あ・想い出の
この胸に
抱いてます
想い出の
植えたバラの樹 春を待つ
想い出の
温もり捨てずに
い の ち
咲くように
生命ください
バラの花が
とげ
うわさにも
地
あ・ふたりきり
あ・あきらめず
歩きたい
ふたりきり
堪えてます
た
棘より痛い
しの
あなた偲んで
ふたりきり
バラ咲く小径を
咲くように
抱いてください 幸せの
バラの花が
迎えても
枯れません
再び冬を
愛は少しも
あきらめず
逢える日を
あきらめず
待ちますあなたに
咲くように
夢をください この胸に
バラの花が
秀
明
90
音色が渡る
じ
雪が冷たい
芸の道
風花舞って
風も泣く
KAKUYO
NITABOHその愛
津軽の海に
歩く道
まなこ
杖を頼りに
眼でも
暮らしの中で
みえるはず
見えぬ貴方の
私の愛は
明日もわからぬ
貴 方 の 背 中 が 道しる べ
ウ
音色に変えて
ボ
生きた証 しを
き
タ
身を捨てて
と
ニ
時代の流れに
も
命を賭けて
名もなきNITABOH
に
三筋の糸に
辛抱二文字 心にきざみ
音色哀し い
風に乗り
連いてゆく
たたく旋律
流転の先は
貴方を信じて
流れ流れて
夫婦旅
すぐそこに
め お と
津軽三味線
嬉しい雪解け
91
きん
もく
せい
仄かに漂う
金 木 犀
夕闇に
金木犀
波立つ この胸に
頬に触れ
想いが
言葉は 心うらはら
冷たい風が
浮かぶ
流れ星
何処かに零れる
こぼ
星月夜
夢でした
ありがとう
言葉は 心うらはら
一夜の
ひと よ
抱きしめら れ た 優 し さ も
はかない
浮かぶ
愛しい月日を
ありがとう
生きて行きます 一人でも
愛しい月日を
さくらもみじ
生きて行きます ひとりでも
ひと ひら
街明り
ひらり一片 桜紅葉
そして葉も
足元に
花の命も
舞い散る
ありがとう
言葉は 心うらはら
燃えては
浮かぶ
愛しい月日を
ありがとう
生きて行きます 一人でも
愛しい月日を
生きて行きます 一人でも
片
桐
和
子
92
世界の山富士
りょうせん
世界の山で す 富 士 山 は
なが
裾野広がり
すそ の
大きな稜線 浮き彫りです
緑の海だよ
眺めても
一の山
いや
うれしや恋しや
にっぽん
癒しくれ
じ
いつでも誰にも
ふ
富士は日本
ダイヤモンド
富士山ぴかぴか 神秘だね
夏の日夕暮れ
お と こ
冬の富士
女性です
お ん な
早起き顔出す 赤富士見えて
雲消え姿は
頂き冠雪
富士の 顔
男性です
大きな裾野は
綺麗保つ
姿は変わり
守ろう汚さず
せ だい
次世代へ
じ
宝だよ
世界の山です ああ富士山は
いまでは皆の
自然を労り
一の山
いたわ
富士は日本
勝
田
守
93
・
・
・
港
港の 酒場
恋
引き船泊まる
ゆれる肩
カクテルに
灯かりの下で
男の意気地
恋港
注 ぐ 手 も と が 酔って い た
あなたいつ来る
黙っていても
見つめ合う
ふたりで居れば
切ない過去を
結び糸
瀬戸ヶ浜
愛という名の
恋港
しあわせ寄せる
今夜もつれる
あなたが吸った タバコの匂い
周防灘
辿ってみたい 海の果て
いまごろ荒れる
恋港
波間はるかに 祈るとき
指輪おもたい
加
藤
けい子
94
星のかなた
あかりを 消しても
こころ冴えて 眠れぬ夜更け
はるかな 過ぎし日
想い出いまも あざやか
気がつけば 涙あふれ
哀しみを 抱きしめて
夕暮れの うしろ姿
いまも残る その影
前を向いて 生きてゆくわ
ひとりでも わたし
ふるさと 偲べば
いまはいずこ 幼き友よ
ひそかに 咲いてた
野の花さえも いとしい
見上げれば 星のかなた
遠い日の 夢はるか
肩寄せて 笑顔かわし
語り合えば いつしか
時は過ぎて 夜の空に
遠去かる 影よ
夜が更けて 振り返れば
まぼろしか この旅路
行く末は だれも知らず
あすの夢を 抱きしめ
星になると 信じながら
生きてゆく わたし
かとう
通
流
95
いだかれて
裏磐梯慕情
野鳥の森に
五色沼
ご しき ぬま
翠かがやく
あてもなく
いた
恋の傷でに
君こいし
遊歩道
こころを癒す ひとり旅
辿るあの日の
辿るあの日の
うら ばん だい
ひ
五色沼
覗いてる
ああ、裏磐梯に
明るい春が
五彩うるわし
ね
弾くという
と
沼の乙女が
竪琴の音が
風がなく
消えてゆく
こ
悲恋を嘆く
樹海はてなく
樹海はてなく
ああ、裏磐梯に
五色沼
見果てぬ夢に 乱れ咲く
紅い躑躅の
切なさを
今日かぎり
孔雀蝶
くじゃくちょう
女ごころの
可憐に舞うや
つらい涙は
つらい涙は
ああ、裏磐梯に 捨てて行く
金
井
ゆきお
96
さ
れん
横浜砂簾
俺の せいで いいさ
別れの その訳は
バカな 男 だって
笑って 良いんだよ
季節が移り 変わっても
死ぬまで 一緒だなんて
どちらが先に 言ったのか
お も い
思慕が渦巻く 横浜砂簾
たかが 女 一人
幸せ あげられず
夢の 続き みてる
子供の 俺がいる
港が見える 丘の上
お前は 大事な奴さ
別れてやっと 気が付いた
カモメも泣いてる 横浜砂簾
今日も、海を 見てた
一人も 良いものさ
呑んで 唄い 呑んで
強がり 見せてみる
寄せては返る 波のよに
いつかは 戻って来いよ
お前がいなきゃ だめなんだ
未練が波打つ 横浜砂簾
金
谷
怜
沙
97
三 十 余年
金
お か み
ホステス修行
南国育ち
銀座八丁目の女将
南国生まれの
花華の東京で
愛嬌があって
銀座八丁目に クラブを出した
ちょっと小柄で
クラブを開いて
名物女将
今夜も馴染みが お店を埋める
今じゃ銀座の
色気は二番
お客あつかい だれにも負けん
カラオケ一番
ん
馴染みは言うが
料理を食べれば おふくろの味
居酒屋クラブと
ど
銀座の女将だ
囲まれながら
今年八十の
若いお客に
ほろ酔い機嫌
八丁目の女将
ついでつがれて
妙に気を引く
子
正
明
98
響いたら
それ
諏訪のおん柱
神のみ渡り
諏訪の男 衆騒 ぎ 出 す
それ
それ
諏訪の
抱いてもやれないで
幸せ連れて来てくれた
ごめんね
それ そ れ
諏訪の祭りだ おん柱 やっせ
乙女の浴衣
諏訪の男衆
努めます
ちらちらら
踊り出す それ
小谷村から笛の音が
今年も先人
諏訪の
それ
それ
それ そ れ
かわ いい子
諏訪の祭りだ おん柱 やっせ
イツカなじみの
勇み肌
それ
諏訪の男衆
また来ると
それ
それ
諏訪の
おまえがいとしいよ
来年春には
伝える
それ そ れ
やっせ
やっせ
やっせ
やっせ
田
やっせ
やっせ
鎌
やっせ
やっせ やっせ
諏訪の祭りだ おん柱 やっせ
おん柱
勝
99
はま
にが
な
浜 苦 菜
砂地に落とした 涙の種は
踏まれても
心の根っこ
生きて行く
踏まれて も
つなげて伸ばす
花になる
強く優しく
浜苦菜
黄色い可憐な
胸に希望の
なりつつあるが
過去は今
今では昔に
あの日の夢なら
浮世のさだめ
浜 苦菜
歌い出 す
埋もれても
まさかもそんな
埋もれても
直ぐに笑顔で
生きてなんぼの
想い出辿れば
葉が出て元気
あの顔に
訪ねて来たんだ ふるさと恋し
芽が出て勇気
はるかなる
咲いていた
海は朝凪
浜苦菜
咲いていた
愛を育む
川
英
雄
100
アリギリス
遊ぶときには
渡る風
キリギリス
アリになり
浮き世沈み世
日本晴れ
俺は働く
胸はふくらむ
家づくり
キリギリス
アリは血の汗
休み放題
通りゃんせ
花なんだ
生きている
な に が 地 獄 か 天国か
俺はこの世で
悩む迷うが
道はいろいろ
愛してる
アリギリス
みんなみんなを
俺は人間
川
井
春
幸
101
こころ
と
かわいだ
こい
わが恋は
けんいち
( 平 兼盛 )
(権中納言敦忠)
(壬生忠見 )
立ちにけり
た
人の問ふまで』
ひと
色に出にけり
いろ
初恋百人一首
『しのぶれど
おも
ものや思ふと
この歌を初めて習った教室に
私の初恋ありました
校舎の影に、図書館に
な
思ひそめしか』
おも
わが名はまだき
彼氏の姿さがしてた
こい
『恋すてふ
ひと し
人知れずこそ
この恋を誰にも内緒にしていたら
のち
後の心に
おも
思はざりけり』
くらぶ れ ば
ほかにもたくさんあの人を
好きという娘が現れて
み
焦った気持ち見抜かれた
あ
『逢ひ見ての
むかし
昔はものを
いつの日か相思相愛結ばれて
みんながうらやむ仲でした
だけど卒業近付いて
何故か淋しい日が続く
102
大きさに
火 の 鳥
なくした恋の
頬を伝う
ひと
差しのべてくれた人
くやし涙が
熱い手を
死ぬほどに
背を向けて泣いた
ずっと
心残して
好きだった
つのる想いを 翼ひろげ届けたい
燃えて
夜空をまっしぐら
燃えて
火の鳥
燃えて
私
消えていくわ
あなたがいない 長い夜
星も流されて
思い出がよみがえり
悲しみがつのる
愛された
胸の奥から
ずっと
翼ひろげ届けます
死ぬほどに
好きだった
燃える想いを
燃えて
夜空を焦がします
燃えて
火の鳥
燃えて
私
翔んで
夜空をまっしぐら
翔んで
火の鳥
翔んで
私
川
上
惠
子
103
恋
鏡
宝だと
濡れてます
恋という名の 心の鏡
忍ぶ涙で
飾らぬおまえが
映したい
微笑むあなた
返す笑顔を
恋鏡
強く抱きしめ
愛が いのちの
ひ
赤い糸
惹かれてしまう
絡むさだめの
ないけれど
逢えばあなたに
帰れる胸では
信じた契り
映した い
通うぬくもり
結ぶ絆を
恋鏡
待ってる女
恋鏡
映したい
一緒にいたい
住めたなら
す
向かい風
愛が いのちの
春が来るまで
世間冷たい
あなたの瞳に
寝ても覚めても
せめて幸せ
愛が いのちの
川
上
左池子
104
く
ごと
昭和の繰り言
まっしぐら
仕事に暮れた
追いつけ追いこせ
昭和の時代
明日を信じ
あ し た
夢と希望で
暮らしとなって
ぐ
羽目も外した お酒も飲んだ
今じゃ年 金
昭和を忍ぶ
く ら し
細る生活で
しるべ
酸っぱい恋は
秋にはもみ じ
小川が流れる ふる さとは
春には桜
親の教えと
み
ちち はは
偲んで飲めば
俺の生き方 心の標
よ
黄泉の父母
毎日届く
やれオタク
あの日あの頃 昭和が浮かぶ
肉食草食
いじめのニュース
温情が薄い
な さ け
老いの繰り言 言いたくないが
世間みんなの
明かりとなって
昭和を探す
せめて家族の
酒と笑顔で
かわじ
ひろみ
105
咲き誇る
バラ苑は
バラ苑にて
雨上りの
色とりどりに
何を感じ
バラを見る
若い二人は
肩よせながら
何を想い
バラを見る
老いた人たち
目を細めて
人はさまざま 世代も生き方も
にぎやかな人生 静かな人生
ほどほどの人生 それぞれの人生
バラ苑は
咲き競う
昼下りの
見頃とばかり
花になって
枯れてしまう
固いつぼみが
知らないうちに
めぐるけれど
二度とない
そして季節は
今この時
人はさまざま 世代も生き方も
駈けだしの人生 半ばの人生
たそがれの人生 それぞれの人生
人はさまざま 世代も生き方も
にぎやかな人生 静かな人生
ほどほどの人生 それぞれの人生
河
添
流
106
は
ら
神
崎
~まろびのかぜ~
この海に
虹を喰み
刹那の風
夢の蛟龍
み と せ
き
そ
描きつつ。
天翔けあがる
あま か
時代あらば
と
三年とどまる
しん えん ふる
深淵震う
光となりて
ロゴスを空に
き りん
麟の影
失意の麒麟 この宇宙に
と と せ ま ど ろ
十年微唾む
得るなれば
砂塵の嵐
ひとたび生を
七天巡る
天の川。
し
この地球よ
ほ
鵬ありて
ほう
蒼天流る
わ
天空に舞う
と
永久に栄える
み もうりょう
露となり
ち
魑魅魍魎も
刹那の如し
昴の群れ。
スバル
せつ な
命あるもの
こ くう
虚空に見ゆる
陽
一
107
影ひと つ
淡雪の恋
夜のしじまに
浮かんでる
お み せ
あなたの横顔
神田
言うのでしょうか
愛を育てた この酒場
あなたは棄てると
恋だけど
落ちました
嬉しいはずの 短い春に
淡雪ふわりと
流れる
邪魔をする
泣けば
未練の疼きが
子猫のように
うず
道に迷っ た
女の心
残したままで
おびえて震える
にが
痛みと苦さ
私です
恋ですと
あなたを見送る
これが最後の
け
嘘はない
わ
誓った心に
離別の理由も
許してみたい
わ か れ
愛の傷あと
すべてを流して
融けました
最後にくれた 指輪にポツリ
淡雪ふわりと
まさひこ
108
おぼ
胸よぎる
かんばし
芳
憶えていてくれますか
おぼ
別れを 告 げた
吹き荒れて
憶えていてくれますか
春の嵐が
桜舞うなか
あの日の私…
長い月日に
溢れた涙
いと
愛しむように
想いこみあげ
そんな私を
風に泣く
日々の な か
さくら…さくら…
つらい我慢の
耐えられまし た
憶えていてくれますか
おぼ
あの日の私…
寂しさと
好きでいたから
胸をかすめる
さよなら言った
風に散る
憐れむように
あわ
未練かくして
そんな私を
さくら…さくら…
かよ
今日が最後の
憶えていてくれますか
見おさめ桜
いつも通った この道も
あの日の私…
はらはらと
おぼ
肩にこぼれて
風に舞う
愛しむように
いと
花は散りぎわ 知ってたような
そんな私を
さくら…さくら…
み
ち
よ
三 知 余
109
苦労の数は
着たきりすずめ
かけた
指では
おまえに
両手の
持 っ た あのころは
足りないね
所帯を
辛さが
困らせた
女房になって
意地らしい
ばかりで
分からずに
お前の
わがまま
隠す 涙が
かいしょなしの
時だって
笑ってた
このうちは
すずめと
年がら年中
着たきり
貧しい
絶やさずに
どんなに
笑顔を
生きている
お前は
幸せ そうに
貧乏神が
笑ってた
お人よし
やってくる
まわりもの
してると
うちの家には
間借りを
天下の
うちにも
お金は
そのうち
上手で
愛おしい
やりくり
そんなお 前が
岸
川
美
好
110
秋
暦
秋色に埋もれた私を
岸
田
拾い上げてくれたわ
そしてひとりの おんなにしてくれた
許し合う
綺麗に着飾る こころの上着
そっと脱がして
束の間の炎
枯れ葉のよ う に
愛され た 時は
※ 揺れる思いは
染まりながら
涙は朝露に ほどけて舞い散る
何もかもが琥珀 に
秋虫が鳴く
のぶや
振り返れば痩せてく
冬支度
思い出に忍び込んでは
暦一枚あれば
このままでいいのよ私は
微笑みを
窓辺を濡らし
髪もこころも 泣き切り枯れていく
夜更けに降る雨
枯れた花芽に
愛してくれた証 思い出は涙
※ 繰り返し
111
恋の道
この部屋で
いで湯町
湯の町情話
迷う心で
ど
いつしか 来 ました
や
いつもの旅館の
遅いあなたに 気がもめる
早瀬を下る
寄り添えば
情け川
灯りを消して
月の夜道で
恥ずかしさ
逢えば縋って
乱れる裾の
嬉しさも
あなたの胸で
仮の妻
影を重ねる
別れを連れた
今宵一夜は
夢枕
ひと よ
叶わぬ恋の
そむ
恋の帯
みち
倫に 背 い た
決めた夜
抱かれては
解かずにお別れ
あなたの胸に
また燃える
徒桜
あだざくら
命をかけて
情けで解けて
細い絆に
あなたを繋ぐ
北
川
たかし
112
短いと
月見草の宿
宿のゆかたが
抱きしめる
月見 草
湯煙と
笑うあなたが
窓の外には
夜空見上げる
ゆく恋も
あの月も
明日は離れて
月見草
明日は欠けゆく
知るや知らぬや
泣いてこの恋 かなうなら
花びらを
泣くものを
朝が来るまで
月見 草
涙枯れても
淡く咲かせる
ゆく恋も
あの月も
明日は離れて
月見 草
明日は欠けゆく
宿命みつめる
会えぬ月日の
燃えながら
分まで も
抱かれたい
いのち限りに
月見 草
せめてもいちど
夜風に揺れる
あの月も
ゆく恋も
明日は欠けゆく
明日は離れて
月見草
ひと よ
一夜惜しむや
喜 多 條
忠
113
から
らく
落
とっくり
空の徳利
よう
葉
ま
ひとしずく
ち
ないんだよ
未練持つなよ この都会に
あ い つ
故郷へ
ふるさと
今日限り
胸ん中
負け たわけでは
あかし
生きた証は
の れ ん
す
暖簾くぐるも
あ
言わせろよ
明日にゃ女房と
だから強がり
ちゃくち
飛んだとて
夢の着地は これからと
風に木の 葉が
夢に見て
探すのさ
土にゃなるまい この俺は
めくる暦に
花と咲く日を
北
村
けいこ
114
惚れどうし
奥入瀬ふたたび
男と女
想い出を
別れたか
辛い旅です
ひとり泣く
それがどうして
心に秘めて
零すたび
こぼ
ひと粒涙を
流れ散る
一年よ
気がかりよ
奥入瀬渓流
音信不通
何処にいるのよ
恋する想い
戻るよう
辿る道
乙女像
愛ある昔に
神頼み
十和田湖畔や
奥入瀬渓流
せん ぺん ばん か
一途です
逢いたくて
なりました
千変万化 流れ見て
澄んだ心に
今はあなたに
気持は更に
祈っては
手を 合わ す
ふたりで来ますと
奥入瀬渓流
木
村
賢
司
115
人の目に
横浜マリー
蔑むような
立つ私
ち
晒され街角に
あの日から
ま
普通の主婦が
米兵の
生きるため
ジーアイ
相手しました
生きてゆくため
マ
名を変えて
ハ
焼け野原
日が暮れて
横浜のマリーと
たたか
戦い敗れ
見渡すかぎり
還らずに
ひと
愛した男は
生き残る
呼ばれて た
哭く街で
私ひとりが
マ
汽笛切れ切れ
ハ
したと聞く
若者は
横浜のマリーと
私を抱いた
あれから戦死
生きてます
厚化粧
忘れない
死にたくないと ふるえてた
姿今でも
マ
恥をしの んで
ハ
横浜のマリーは
京
明
116
八重の桜
心をゆさ振る
京
―川崎尚 之助―
大輪の花が
美しく
今年も咲いた 遅咲きの八重桜
しなやかで
優しく包んでくれる
耐えて立つ
華やかに
折れた心も
嵐に
八重の桜
雨風
歴史をきざむ
がんじょうじ
故郷の願成寺
ふるさと
静かに石碑
縁あり結ばれ
城跡に凛と咲く
しろ あと
会津藩八重と
出石藩
心を癒してくれる
共に生き
八重の桜
悲しみ
強く優雅に
喜こび
歴史を偲ぶ
~妻、八重と共に会津の平和を守る為に戦った
やがて新しき時代を迎かえる
・
・
・
・
・
・
勇ましく散る桜
未来を信じて
ハラハラ舞って
新しい命
勇気を与えてくれる
根を張って
夢と希望と
振り絞り
負けないで
命の限りを
八重の桜
根雪にも
歴史を継ぐ
光
川崎尚之助
恵
117
・
・
・
バラの香り
窓を開ければ
霧
野
ゆ う
ラ ヴィ アン ローズをもう一度
朝の光差し込む
あなたの好きだった
あなた そこから見えますか
残されて
ふたりの庭に 今年もバラが咲きました
この世にひとり
優しい腕で抱きしめて
ついてます
もう一度
愛しているとささやいて
いつもため息
もう一度
e
s
o
R
n
e
e
i
V
a
L
ふたりで過ごしたバラ色の日々
e
s
o
R
n
e
e
i
V
a
L
窓を照らして
生まれ変わってもあなたと暮らしたい
月の光せつなく
想いを馳せる
覚えているかしら
色あせた日記に
あなた
あるけれど
ふたりで植えた 銀婚記念の白いバラ
思い出たくさん
もう一度
写真のように微笑んで
さびしい夜をなぐさめて
逢いに行きたい 夢の中
もう一度
e
s
o
R
n
e
e
i
V
a
L
ふたりで過ごしたバラ色の日々
e
s
o
R
n
e
e
i
V
a
L
生まれ変わってもあなたと暮らしたい
e
s
o
R
n
e
e
i
V
a
L
ふたりで過ごしたバラ色の日々
e
s
o
R
n
e
e
i
V
a
L
生まれ変わってもあなたと暮らしたい
118
頑張らないで
似合わない
することも
真っ直ぐ歩いて ぶつかることも
上手に世 渡り
どちらもあなたに
久
仁
わたしは大好き
いい人生を
頑張らないで
やさしさが
見栄も飾りも 捨て去った
そのままの
頑張らないで
頑張らなくても
散り落ちる
生命をいっぱい 桜は咲いて
夜風にはらはら
恨みも憂いも ない世界
夢にして
手をとりあって
頑張らないで
楽しんで
こんなところを
ゆっくりと
頑張らないで
未来へつ づく
偽りなくて
しあわせ のままに
男のつよさは
胸にある
他人の痛み に 泣 け る こ と
どちらもあなたの
あし たの 宝
いい人生を
頑張らないで
今日の日が
勝った負けたと 騒がない
なにげない
頑張らないで
頑張らなくても
京
介
119
酔いどれ将棋
きょうしゃ
香車でも
立ち往生
おだてりゃ図に乗る
向かい風なら
懐手
ふところて
長槍たたん だ
音がする
さぐ
探れば小銭の
縄のれん
勝つも負けるも 時の運
出番待つ身の
けい ま
桂馬跳び
おも わく
思惑はずれの
通せ んぼ
にら
睨まれて
とお み
飛車が行く手を
遠見の角にも
千日手
五合酒
男なら
せ ん にち て
さばけぬ人 生
し あん ろっ ぽう
思案六法
浴びて耐えるも
隠れ道
かく
裸で逃げ出す 王将に
あごで教えた
おに て
柄じゃない
あら て
昔風
むかしふう
新手も鬼手も
じょうせき
世渡り定跡
三吉にゃ
守り駒
銀に泣いても
陰の小春が
く
に
多樹夫
120
か
か
し
國
出てって何処の空
持たないで
案 山 子
携帯電話も
一人でアパート
横文字薄れた ポロシャツに
ぬくもり恋し
案山子 あんたは案山子
染みてた男の
案山子
言葉じゃ上手に
包んでくれた人
言えないで
守りに来てよ
身体で優しく
荒れた日は
も一度私を
明日が見えずに
すがって泣いた
案山子 あんたは案山子
あんたの胸元
案山子
ほころび一つ
終わってしまったね
サヨナラを
オンボロジャンパー
あんたの口から
聞かされすべてが
煙草の空箱 置き土産
来るでしょここに
煙は 何処へ
案山子 あんたは案山子
そのうち戻って
案山子
別れたあの夜の
枝
星
志
121
国
武
愛って愛って何でしょう
優しく笑う あなたのそばに
寄り添いながら 暮らして行けば
女の幸せ 十二分
掴んだような 気がするわ
愛って 愛って 何でしょう
生きてて 生きてて 良かった
愛って 愛って 何でしょう
生きてて 生きてて 良かった
命の限り 愛して行くと
心に誓った 三三九度に
女の歓び 十二分
溢れるお神酒 飲みほした
愛って 愛って 何でしょう
生きてて 生きてて 良かった
愛って 愛って 何でしょう
生きてて 生きてて 良かった
灯りをともす 畳の部屋に
命がひとつ 増える日来れば
女の生きがい 十二分
感じるほどの 祝い事
愛って 愛って 何でしょう
生きてて 生きてて 良かった
愛って 愛って 何でしょう
生きてて 生きてて 良かった
浩
之
122
いいかげんに
久保田
いいかげんにしてよね
人の幸せ話を
ほほえみながら 聞いている
見てられない
いいかげんにしてよね
お酒に逃げてばかりで
本当は 誰より しあわせ欲しいのに
いい いいのよ 私のことは
このままで 充分
いいかげんに もう
少し自分のことを 考えたらどうなの
見てられない
いいかげんにしてよね
人の恋愛話を
ほほえみながら 聞いている
見てられない
いいかげんにしてよね
自分のことは いつだって
後回しなのね おバカさん あんたって
いい いいのよ 私のことは
恋はいつも こわれる
いいかげんに してよね
臆病者ね あんた
恋なんて いくつも転がっているものよ
いい いいのよ 私のことは
このままで 充分
いいかげんに もう
少し自分のことを 考えたらどうなの
みてられない みてられない
啓
子
123
にび いろ
くも なみ
た
早 春
あ
か な た
熊
―復興の祈り―
染めながら
かえ
陽は落ちる
海に還ると
鈍色に海辺りを
雲波の彼方に
わめ
海に生きて
とげ
面影浮かぶ
影慕う
かげ し た
忘れない
ハマナスの棘に
喚くおやじの
あ~ァ
汗がしたたる
しわ
皺がれたぬくもり
し ら が
くぐ
雪を潜った
よ ぎ っ た 白 髪の
けず
雪を削り
ば
むち
うなづいて見る
と
や
卒塔婆の文字に
そ
母の強さを
あ~ァ
愛がせまるよ
お
親父の鞭
かけながら
横なぐるみぞれは
ひたすら網を
こ
海に死ぬると
だま
海に生きて
黙らせて漕ぐ
わめ
蟹舟の砂に
かに ぶ ね
喚く兄貴を
あ~ァ
春が光るよ
た け し
124
しん
船は行く
達者でな
島を出る
都会をめざし
ままならず
男の旅路
震災復興
仕事探しに
連絡船で
親父おふくろ
粉雪降る中
町はなく
山坂めざし
さよなら古里
辛い浮世の
船の旅
しお
潮路を進む
父母が
頑張れと
ちち はは
家を出る時
身体に気をつけ
困難だって
気強く励まし くれた親
ど ん な 苦労 や
達者でな
可愛い娘
負けては な ら ぬ 男 意 気
思い出すのは
元気で居てくれ
倉
藤
有
道
125
母なれば
夫婦雛
め お と びな
うたげ
今日はめでたい 披露の宴
二人並んだ
遠く見てます 末席で
拭きながら
母なれば
うれし涙を〳〵
ひ と り
わが子は独身
し じ ゅ う
四十歳過ぎても
ひと
日とてなく
だれかいい女 いないかと
心安らぐ
母なれば
おろせます
慰め合った
やっと肩の荷〳〵
さ だ め
待ちながら
祝い歌
語れない
同じ運命と
ひと
親に喜び
ひとり歌おう
母なれば
孫の抱ける日〳〵
栗
原
保
夫
126
べ
に
魚河岸育ち
娘・魚河岸三代目
築地月島
口紅つけて
手カギを 腰に
生娘やんちゃが
赤いゴム長
隅田川
どいてくれ
月と夜明ける
父親ゆずり
やわな男は
啖呵気っぷは
好い た人
胸のうち
佃の粋 か
口には出さぬ
花の明石か
聴かせたくない
弱くなる
本マグロだよ
競りの氣合が
津軽大間の
買ってゆけ
晴れる空
一歩も退かぬ
真剣勝負で
水 を さ さ れ ちゃ
河岸の朝もや
娘・魚河岸三代目
黒
皮
羽
生
127
しのぶ橋
北風騒ぐ
はや
逸るこころに
夕まぐれ
恋だけど
袂でいつも
たもと
ひなびた街の
この橋の
そし
黒
逢っていた
一途な夢が
燃えていました しのぶ橋
人目忍んだ
と
あなた
ひ
他人の誹りに
抱きしめて
しのぶ橋
生き甲斐と
震える肩を
流れて消えた 情け川
この橋で
おまえひとりが
声が哀しい
空似のひとに
あなた
通り過ぎゆく
げ
胸こがす
か
叶わぬ恋に
しのぶ橋
泣くとこ ろ
重ねる面影が
この橋は
雪が舞う
未練せつない
迷い渡れば
あなた
川
良
人
128
時間をかけて
紫陽花ロード
名高い寺院を
鎌倉寺
見事さに
マップ片手に 馳せる胸
心ゆくまで
紫陽花ロードの
願いはひとつ
ほほえみ交す
極楽寺院に
色とりどりの
誰もが笑顔で
真昼の光りと
由比 ガ浜
キラキラと
見える眼下の
遠く白波
立ち止まる
名言台詞
紫陽花ロードで
どなたが言ったか
心に映る
手触りカップ
まさしくそのまま
陶芸渋味の
背を押され
なぜか魅せられ この心
古都の木霊に
旅して 書 いた
道それて
静かな鎌倉
足跡忍ぶ
紫陽花ロードの
小説作家の
黒
崎
慶
子
129
ワンダフル ソング
桑原
ほうめい
オ ワンダフル ワンダフル ビューティフル
これこそ天下の 一大事 ウー
ふにゃふにゃしないで 背筋を伸ばせ
君らの時代が すぐそこに
歴史を学んで 未来を開け
それではテストを スール スル
採点しますよ パーラ パラ
ト トント トント トン
オ ワンダフル ワンダフル 西郷さん
オ ワンダフル ワンダフル 家康さん
何だこりゃ 変な答 五衛門さん
オ ワンダフル ワンダフ
ルつ卑弥呼さん
い
ア お猿の駕籠屋は 何時代の事
オ ワンダフル ワンダフル ビューティフル
これこそ人生の 重要事 ウー
居寝りしないで お目々を明けな
君らは未熟だ まだヒヨコ
読書を積み上げ 世の中に出ろ
それでは感想を 聞く 聞く
一番後ろの 君 君
ト トント トント トン
オ ワンダフル ワンダフル 全集かい
オ ワンダフル ワンダフル 伝記物
何だそりゃ変な本を コソコソと
オ ワンダフル ワンダフル 専門書
ア お猿の駕籠屋は コミックかい
オ ワンダフル ワンダフル ビューティフル
オ ワンダフル ワンダフル ビューティフル
なんじゃもんじゃ なんじゃもんじゃ
ビューティフル
オ ワンダフル ワンダフル ビューティフル
ア お猿の駕籠屋も ビューティフル
130
いつの日も
感じていると
K・ M atsu e
お前と言う名の花
しあわ
今の倖せ
俺の心に
愛がある
花がいる
たどり着く
迷っても
お前と言う名の
時に流され
時を楽しみ
そこに笑顔一つの
離れず
この花と……
あぁ永遠に
す
夢見て冷めて
あ
苦労する
明日の倖せ
そこ
人で誰でも
愛ならば
抱きしめて
貫いて
つらぬ
お前と言う名の
時を惜しまず
時をゆるして
花が咲く
愛だから
分けあえる
喜び合って
添いたい この花と……
こ こ で 笑顔 一 つ の
あぁ永遠に
人の倖せ
泪の数だけ
語り合う
生きぬいて
お前と言う名の
時を 一緒に
なみ だ
時の泪と
花でいい
生きたい この花と……
ずうっと笑顔一つの
あぁ永遠に
131
逢ったのは
岩室ブルース
君にはじ めて
愁い顔
夜だった
ひよ つま
よく似た
冬妻ほたるの
駒子に
忘れない
恋蛍
み
肩寄せて
ち
岩室ブルースよ
一夜限りの
ひと よ
あの横顔を
あゝ
せつない
弥彦参りに
ほんとに
好きですと
歩いた思い出 石の参道
あなたが
濡れていた
恋蛍
.び
.も
あのゆ
言ったひと
咲く頃に
岩室ブルースよ
一夜限りの
言った眸が
あゝ
泣きたい
赤いハマナス
くちびる
かならず来てよと
おくれ毛
まぼろ し か
恋蛍
岩室ブルースよ
一夜限りの
燃えた旅路の
あゝ
はかない
高
坂
のぼる
132
努力で
お利口さん
り こう
くよくよせずに
夢 話 し
小さな事 に
馬鹿でも
誰でもあるさ
小
時もあったのさ
歩いて来たが
好かれた
悲しい事なら
好いて
未来に向って
過去の夢話し
仕方ない
皆んな
恋の終りは
皆んな
していれば
忘れて行くさ
生き生き
小さな木でも 大きくなるさ
バリバリ
悲しい事は
苦労もしたが
云ったとて
未来を思って
一人旅
好いた惚れたと
いつか別れて
時は帰らない
さ だ め
幾春過ぎる
それも運 命 さ
しあわ
散っては咲いて
喜び来るさ
幸せも
悲しみ越えたら
暮らせたならば
ばら色人生
好きなあなたと
生きてれば
未来は誰でも 解らない
明日に向って
いつか呑めるさ
おいしい
美味お酒も
串
波
夫
133
こむらさき
濃紫の女
濃紫の暖簾
見ています
掛けながら
の れ ん
露地の入口
あなたどうしたの
み つき
今日で三月
止まり木
あいたいの
待ちぼうけ
木の根っこ
あいたいの
言わせ な い
待ちぼうけ
忘れたなんて
あゝ
日暮れ
あゝ
飛んで来い
荒い波の音
記念です
青いぐい飲みは
早くあの人
棚の上の
二人の能 登 の
夜明け前の
あいたいの
あいたいの
聞いていた
あゝ
流れる
あなたの胸で
演歌
通りゃんせ
通りゃんせ
細道じゃ
あゝ
あいたいの
通りゃんせ
あいたいの
早くあの人
あゝ
通せんぼ
恋だもの
通せんぼ
袋小路の
あゝ
来たらあの人 帰さない
こじ ま
かずみ
134
あ
旅さ
夢を追う
小
嶋
あ~
消えたとて
事もない
露となり
さすらい人
ど
当て所ない
騒がせ
わずら
世間を
歌を吹いて
煩わす
口笛で
ひとすじに
暮れてゆく
え
ね
旅の空 あ ~
ゆく俺さ
星みつめ
励まされ
鳥も啼く
今 日 も又
き ょ う
歩こ うか
この道を
赤く
食いながら
気兼ねなく
みち くさ
ながれ雲
川越え
路草を
野を越え
叱る声に
山の端の
おふくろの
薄れゆく
噛みしめて
ふ
歩こうか
あ~
汽笛の音が
抱きしめて
呼び止める
遠ざかる
想い出を
旅さ
あの人を
風に聞かせ
寂しく
果てしない
こころ
心に
愛しさを
人生を
いと
限りある
とぼとぼと
悔や むまい
胸張って
高
志
135
とき
か
ち
不器用なりに
止めずに俺も
移りゆく
時が代わると
人生街道
時代とは
綴る如しで
いいさ歩みを
惜しまぬこの汗
み
どんな時代に なろうとも
咲いてる 一路だ
み
ち
息吹き掛けて
前ぶれだ
今のふたりに
初心と言う花
苦労とは
やがて春来る
こご
その手凍えりゃ
心もきっと
ぬく
必ず温める
絶やさずに
つらぬ
笑顔互いに
貫く一路だ
綴るのか
叶う望みが
のぞ
生きざま悔やまず
希望とは
まれ
希な事だと
けれど掴んだ 希望が一つ
ち
灯した二人
み
夢追う一路だ
出会っても
寄り添うやすらぎ
浮世嵐に
つむ
この愛紡いで
小
宮
正
人
136
八番目の曜日
カレンダーの片隅に
花曜日を作りましょう
月 火 水 木 金 土 日
その次に……
あなたの姿 目で追う五日間と
あなたに会えない 二日
それだけじゃ 寂し過ぎるから
八番目の曜日が あればいいね
逢いたくて 逢えない
恋人たちのために
日
近
藤
二人だけの休日を
花曜日と名付けましょう
月 火 水 木 金 土 日
その後に……
あなたのメール 待ってるweekdayと
あなたを知らない 土日
一年は すぐに過ぎるから
八番目の曜日を 作りましょう
恋人と呼べない
恋人たちのために
カレンダーの片隅に
花曜日を作りましょう
月 火 水 木 金 土
その次に……
英
子
137
好きならば
別れてあげる
ほかの誰かが
日暮里で
町だから
別れてあげるわ
日暮れがきれいな
言えそうよ
茜雲
吸ったひと
棘の血を
秋の坂上
泣かずにさよなら
ひと はけ
夕焼けだんだん
び
紅の一刷け
ゆ
口づけするよに
地蔵さんに
小指に滲んだ
巣鴨のと げ抜き
瞳をしてた
め
よく 似た優 しい
根津
上野
恋の熱
始めて知った あの唇が
本郷
指に教えた
谷中
別れてあげるわ つらいけど
路地裏を
くれますか
お江戸の香りの
も一度歩いて
紺
遠ざけるよに
夜になる
あなたをだんだん
肩のあたりが
野
あずさ
138
さ
書いて見せましょう
売れっ子物書き
知っていますか?
三文小説家
私の名前を
こう見えても
どんなもので も
何でも書きます
墓場まで
格好よく
ゆりかごから
上品に
お金のためなら
どうぞよろしく
知っていますか?
今後とも
私の仕事を
ジャーナ リストさ
記事にしましょう
何を隠そう
どんなもので も
何でも書きます
辛辣に
ゴ シ ッ プ 記 事 世界 情 勢
生々しく
どこでも突撃
お電話ください
知っていますか?
その気になったら
私のことを
本当を言う と 駆け 出し作家さ
ラブスト ーリー
たくさんあります
時代小 説
赤裸々に
書きたい物は
重々しく
夢見て書きます
今のうちです
芥川賞を
親しくするなら
私の名前を覚えてください!
い
さ
く
139
おとこ
い
みち
きめた道
男が生きる道
よ そら み あげ
かえ
夜空見上て
のこ
あせ
め
苦しさよ
くる
み
む
生きて見る
い
り
帰りたいけどさ それは無理
く
い
おれ
悔いを残さず
おとこ
男が生きる
さか みち
俺の汗
のぼ
みち
登る坂道
とも
ひ
す
灯る陽に
あ
明日を見る
み
濡らす目に
ぬ
きめた道
なみだしの
すじ
涙忍んで
いのち
さか みち
命ひと筋と
くら
あ
暗い坂道
え がお
みち
づき
おぼろ月
きめた道
夢がある
ゆめ
笑顔を会わせ
あかねぐも
じ ぶん
茜雲にも
かつ
さか
勝よ自分に
ゆめ
みち
俺の道
おれ
悲しさも
かな
喜びを
よろこ
夢を咲そうよ
いのちかさ
い
命重ねた
おとこ
男が生きる
のぼ
登りばかりの
斉
藤
清
人
140
空の上の国
ひ ま わ り
嘆きのあまり
斉
藤
~少年の世界の緊急事態~
悲しみのあま り
久美子
一人で苦しんで辛かったでしょうね
あなたは人生を味わうために
残された写真だけが証になって
向日葵の花もうつむいたままで
でも負けたわけじゃないからね
この世に生まれてきたのにね
朝顔の花もとじたままでいるわ
あなたは優しい人だったから
・
・
・
少年としての夢ももっていた
に
特別な世界に召されたんだよ
たくさんの人があなたのために涙を流して
く
そこではきっと女の子たちは手をつないで
労わりあって暮らしているよ
空の上の国で
心ある人が花束を置いたよ
あなたのために胸を痛めて
空の上の国では
海や山に遊びに行ったり
男の子たちは肩を組んで
緑の木があなたを見守り
小鳥のさえずりを聞きながら
おいしい木の実をたくさん食べて
野の鳥たちが飛んできて
一人の尊い命として
湖には七色の魚がいる
肩や手にとまってくるよ
いつまでもいつまでも幸せに
・
・
・
心からの願いが届きますように
みんな の
美しい花も微笑んでいるね
みんな が
あなたの本当のお友達だよ
あれから どのくらい時計がまわったんだろう
かなたから
青空を見上げると
はる か
あなたの楽しげな歌声が聴こえてくるわ
141
北
北の港で
路
鳴いている
海鳥たちが
汽笛の代わりに
旅の果て
流れて
流れ
船も無い
さいとう
夜は更ける
ここから先は
波ばかり
明日は又来る
俺の前には
港の宿で
あぁ
冷えた心を
暖める
流れて この 俺も
熱燗二合で
流れ
恋しいよ
夜は更ける
行くからは
着く港
外国船が
波の音
明日は又来る
お前の肌が
あぁ
沈む枕に
少し戻れば
流れて
七日に一度は
流れ
そ の 先か
夜は更ける
波しぶき
明日は又来る
ウラジオ ストク
あぁ
俺の背を押せ
大
三
142
流 浪 酒
流れ雲
ごころ
天城峠の
流れ旅
な
流浪酒
な が れ ざけ
生も失い…
いま
失い俺は
な
昭和心の
帰る故郷も
る
愛したあの娘の
は
あゝ優姿…三月を哭く
哀涙 迹
齋
な み だ あと
娘だったよ
ち
だ
夢に抱く …
肌身寄せた
は
愛の旅
長岡の灯よ
ま
富士山みたいな
※ 繰り返し
偲ぶ出湯の
一期一会の
犇と縋った
面影滲んで
渡る旅
お
娘だったよ
あゝ泣き黒子…隠してた
さ だ め
不運に耐えてた
つ が い
渡る雲
※ 繰り返し
り
下田港の
と
沖鳥は番翔の
な
何処へ渡ろ う こ の 俺 は
流浪酒
な が れ ざけ
失くしたあの娘の 愛を負い
よ
娘だったよ
あゝ優姿…明日へ招ぶ
富士山みたいな
※ 繰り返し
藤
力
143
※
※
※
可憐なすがた
野山を飾る
薄 墨 桜
人里離れた
薄墨桜の
いつまでも我を失くして
斉
藤
見つめるばかり
薄墨桜
か ら だ
しびれるばかり
さくら
日本の愛娘
しみじみと花に戯れ
さくら
さくら
明るく輝らす
まな こ
さくら
せわ
む
生命力に
穢れぬすがた
忙しいこの世を
薄墨桜の
千年の風雪耐えた
苔産す大幹
薄墨桜
感激のなみだが触れた
さくら
日本の魂
愛される まま
こころ
さくら
さくら
わ
さくら
か
優雅なすがた
時代は変還れど
薄墨桜の
盃交わす
さくら
日本の誉れ
薄墨桜
あと
旅人は夢に酔いしれ
後ふりかえる
さくら
さくら
おもかげ
景観をまぶたに残し
さくら
葉
月
144
去りゆく春
愛しい日々よ
歌を唄えば
はるかに過ぎゆく
緑の丘に
喜び満ちる
なのになのに
小鳥はさえずり
あーあ
わが胸よ
呼び続ける
去りゆく春よ
はて なし
心淋しい
涙は
※永遠に
帰らぬあなた
春よ春よ春よ
青春の夢
忍んで待ちわび 焦がれた日々よ
あなた帰らず
燃えたあの頃
けれどけれど
いつしか去ったの
あーあ
わが恋よ
恋し続ける
去りゆく春よ
はてなし
心虚しい
思い出
永遠に
花咲く野辺よ
春よ春よ春よ
※ くり返し
斉
藤
向
恵
145
湯けむりを
城崎湯情
流れを囲う
戯ずらで
いた
そよぐ柳の
さ
影ふたつ
あ
こら
城崎湯 情
滾りを怺え
たぎ
旅立つあなた
覗く川面に
明日の早朝には
つい
伴てゆけない
は
太鼓ばし
幾すじも
捌いたひとすじ
おお たに
名残りとどめる
密やかに
大谿川に
寄せる湯けむり
城崎湯情
あがれぬ宿命
さ だ め
募る想いの ふたりを包む
や
老舗あと つぐ
お
湯の街も
両親のねがいか
いにしえ
古趣のこす
や
さんざめく
き
外湯めぐりで
木屋町へ
さわ
し ゃ み
ね
賑ぎ背にして
きし
湯けむりに
城崎湯 情
決別が軋む
わ か れ
三味の音のせた
若き夢との
暖簾うらめし
五月女
正
人
146
縁はない
軽くは云うが
夫婦うた
空気みたいと
それより 上の
懐刀
夫婦2文字の
おまえは俺の
押し上げて
ついて来た
表彰台に
いつも笑顔で
笑ったおまえ
ふ
酒を噴いては
あの頃は
一匹二匹
この俺にゃ
何が可笑 し い
お宝女房
浮気の虫の
バカもやったが
いいってことよ
洒落にしようぜ 済んだこと
変わり下手でも
所詮人の世
折れて来る
懐刀
世間の方で
おまえは俺の
雨の 日も
一緒だぜ
風の吹く日も
おまえ死ぬまで
坂
口
照
幸
147
わら
ほ ん と
び じん
ほう
ばな
すこ
よ
おも
ここ
こえ
すがた
坂
い
本
声も姿もすてきでさ
か
の
心ろのそこから云えるわよ
だ
ゆ
み
な
よ
とお
寿美子
気だてが良くてかわいくて
き
しゃきっとしたらどうなのよ
ずいぶん私も泣かされた
わたし
いい気になって飲みあるき
少し考え変えたらどーを
かんが
むかし
笑い話しにしておいて
おとこ
あんたは本当に昔はね
ひと
いい男だったって
いろ
でもさ
ご ぜん さま
色んな女にほれられて
まい にち かえ
ころ おも
毎 日 帰りは 午 前 様
すこ
まえ
少しはあの頃思い出し
だれ
お前の方こそ良く云うよ
すがたよ
思 って いた けど ど う なの さ
じ ぶん
誰より美人と
まえ
自分の姿良く見てみなよ
す もう と
まったく
き
おも
じ ひび
か ら だ
お前がそばを通るたび
じ しん
相撲取りじゃああるまいし
み
こと
で
たが
わす
変 っ た 事 はお 互 い ね
かわ
他人を見てる気がするよ
き
地響きするよその身体
まえ
あ
はつ こい
いい思い出も忘れちゃう
おも
どう にかして よこ んな毎 日
まい にち
貴方に逢えてよかった
あ な た
ご めん
た にん
地震が来たかと思っちゃう
むかし
い
昔のお前をさがすほど
しあわ
な ま い き 云 って 御 免 な さ い
倖せだったわ
でもさ
りょ こう
だらだらだらだらしていると
ふ た り
あ な た
こい
今の貴方に恋したい。
いま
たまには旅行もいいじゃない 初恋みたいにルンルンしてさ
むかし
昔の二人にぎゃくもどり
148
い
じん せい
かわ
せい いっ ぱい
つき の
精一杯の
いのち
坂
かわ
本
ひろし
人生おんな川 (命はてるまで)
なが
生きてゆくのか
み
月日のかずよ
みち
人生炎歌
じ ん せ い えん か
わ
いつか流れる
たに
そだ
我が身をみれば
う
生まれ育った
やま
山あり谷の
かわ
ただひとすじに
なみ だ
浮気でジェラシー
うわ き
人生おんな川
じ ん せい
きめたこの道
ああ
な
うそで泣かされ
いま
す
あふれる涙
おも
ひいのち
思いかえせば
捨てていたなら
えにし
しあわ
あの日命を
わたし
なかった縁 今の幸せ
じ ん せい
幸せの華
はな
荒波こえて
あら なみ
頼みの綱よ
たの
命だけ れ ど
いのち
人生おんな川
わら
つな
これから私 ただひとすじに
ああ
みじか
つらい短い
な
す
しあわ
やはりフレンド
泣いて笑って
たから
あ
宝のこども
かわ
ただひとすじに
人生おんな川
じ ん せい
明日にむかって
ああ
149
笑顔を染めりゃ
土佐の船唄
男夕陽に
波間切りさき 今日は出る
沖はこの俺 この船で
沖で勝負
涙海に ぶん投げて
沖で一番
命をかけりゃ
奥歯かみしめ 土佐の土佐の船唄
魚探便りに
待つ頃か
ベタ凪で
なぎ
海鳥お前も
波は出来れば
沖で勝負
土佐の親父も この時と
沖で一番
男は騒ぎゃ
ねじり鉢巻き 土佐の土佐の船唄
熱く燃え立つ
かつおの群が 見えて来た
一本 釣りが
ありゃしない
土佐の土佐の船 唄
沖で勝負
両手ふん張り
休む暇など
沖で一番
丘で待ってろ
作
間
大
輔
150
菜種梅雨
透かして見ても
消えてゆく
あの人は
霧雨を…
いつもの道を
雨蛙
菜種梅雨
見送 って
見られたくない 泣き顔を
傘でかくして
肩に冷たい
葉の陰に…
かくれて生きる
肌のほてりを
話し かけ
恥じながら
かくれ妻
傘を差し かけ
菜種梅 雨
私も同じ
肌をしずめる
虹の橋
夕暮れの…
晴れ間に懸かる
七彩が
まぶしく胸に
ひとときの
消え残る
なな いろ
うたかた消える
傘をたゝんで
想いめぐらす 菜種梅雨
桜
こ の み
151
花びらが
花でしょか
絵に描けば
花の願い
叶わぬ恋を
わ す れ な ぐさ
小さな藍の
揺れている
勿忘草の
風に静かに
あなた恋しい…
叶わぬ恋に
女郎花
夢を見た
咲く花よ
花は枯野の
忘れても
忘れないでと
名前の辛さ
栗の色
おみな えし
色は生めく
誰を恨んで
捨て場所か
散る花よ
あなた恋しい…
叶わぬ恋の
紅椿
べにつばき
隠れ深山の
忘れ雪
哀しいほどに 燃えたって
春は名のみの
あなた恋しい…
ひとり淋しさ 知る花よ
佐
倉
陽
子
152
は
や ま げん え い
葉山幻影
おんなだ て
櫻
は やま みち
何処へそんなに、急いで走る
せつ な
ざんしょう
赤い四駆で、女伊達らに、葉山道
しば
夕日よ沈むな暫し、刹那の残照
一日一度の、至福のチャンス
あれは丹沢、箱根の山か
彼方広がる、富士の高峰、相模湾
かい ろ
夕日よ沈むな暫し、海路の絶景
ゆ
立石海岸、今行き暮れて
ただ
俺に見せたい、唯それだけで
とき きざ
一分一秒、女伊達らに、時刻み
ひ
夕日よ沈むな暫し、葉山の幻影
いさりび
漁火ブイの灯、深刻の闇
井
馨
153
~冬の恋
恋のあやとり
ゆびの隙間に
窓辺にもたれ
待ち惚け
こ
日がな一日
こ
来ん来ん雪を
もつ
透かしてはかない
好きかんけど
す
ぷつりと切れた
嘘つきは
待ち惚け
かけて縺れて
嘘つ きを
つきさされ
手をもみ ながら
恋の折り鶴
あなたは心の
またのびる
ひだまりなのに
泪のツララよ
つきされ
約束わすれた あなたの胸に
※ 繰り返し
泪のツララが
※ 繰り返し
吹いて飛ばして この指とまれ
恋慕をこめます
お も い
つめたい指に 息を吹きかけ
寒い寒いと
泪のツララよ
約束わすれた あなたの胸に
※
佐々木
ひさこ
154
さけ
ひと いき
晴れるだろ
吹雪なら
飲む酒も
一息に
俺 と 酒
お酒はグラスで
や
ふ ぶ き
ひとりでしみじみ
く ろう
つ
苦労の峠が
い
ち
コップ酒
何時か止むだろ
おとこなみだ
男涙の
ぐ
愚痴ばかり
つ
ごめんよ男の
お か み
注ぐ 酒 は
え がお
笑顔で女将の
き
消えてくる
つか
こころの疲れが
飲みたいと
こん や
今夜はたっぷり
こ う じ
続きなら
ネオン小路の うきよ酒
夕べの夢の
流します
やみ よ
立ち向かう
闇夜の川に
やま さか
せ けん
山坂あらしに
す
風もある
み
見捨てぬ世間の
ほろり酒
さか ば こい
酒場恋うた
笹
森
とおる
155
や
使い分け
預かった
新弟 子を
女の土俵
いがぐり頭の
お
両親の代わりに
厳しさ優しさ
女の 土俵
力を尽くす
待ったなしだよ
部屋だけど
関取願って
掲げたばかりの
負けはし ません 心 意気
苦労は承知の この世界
仕切る裏方
親方に
女の土俵
任せて下さい これから先は
第二の人生
晴れ 姿
春を呼びたい もう一度
世間を揺さぶる
育ててみせる
女の土俵
でっかいたまごを
夢が羽ばたく
佐
渡
ミユキ
156
ふえ
ひ
がい せん
ジ
ガ
ラ
し
じん
ギ ばや し
ゆ
手振り鉦囃子
みちのく詩 人
たい こ
つ
笛や太鼓に
まつ
て
いろど
あか
と
は
え
き
た
お
こころい き
すがた
佐
し じん
見得切り進む
み
灯りに映えて
む しゃ え
は
すす
引き連れ凱旋 ねぶたが行くぞ
あら
祭りを彩る
ひ
荒ぶる武者絵が
えが
みちのく詩人
ふう ぶつ し
曳き手も跳ね人も
そろ
風物詩 描く心意気
あお もり な だい
よ ぞら
青森名代の
きた
き がん
まつ
揃えて立てる
かん とう ほうじょう
よんじゅういく
祈願の祭り
ちょうちん
はく しゅ
えが
は
北の夜空に
ご えい
竿灯豊穣
おど
四十幾つ
あやつ
御幣に提灯
拍手を起こす
おお わか こ わか
し じん
操り踊って
ふう ぶつ し
ふう ぶつ し
えが
風物詩 描く夢浪漫
ゆ め ろ まん
風物詩 描く晴れ姿
さん だい まつ
し じん
短冊揺れる
たん ざく ゆ
笹竹飾り
ささ たけ かざ
七夕様よ
たな ばた さま
三大祭り
き せつ
大若小若は みちのく詩人
あき た
とう ほく
秋田の季節の
なつ
はな
あざむ
と
夏の東北
おお
ぎん が
大とり取るのは
ねが
銀河を欺く
せん だい まち
願いの花びら
か れい
仙台町ごと みちのく詩人
みや ぎ
宮城の華麗な
東
たどる
157
生きて死んでる
人もいる
奴もいりゃ
わすれ草
死んで も 輝やく
どう生きる
来なくても
俺とお前は
花と咲く日は
道を行く
ふたりいた
馬鹿は馬 鹿なり
惚れた女が
ちぎれ雲かよ
風の中
俺たちは
泣かせてしまった ふたりとも
五十過ぎても
ご免酒
言えるやら
詫びて今夜も
いつになったら
親がいる
不孝をかさねた 詫び言葉
北の釧路に
わすれ 草
土産ばなしも ない今は
胸で揺れてる
里
村
龍
一
158
佐野
源左衛門一文
歌は心のタイムマシーン
青春の
一幕が
呼べと戻ら ぬ
熱き思いの
* 歌を唄えば よみがえる
楽しみ苦しみ悲しみ辛さ
初恋も
胸焦がし
歌は心の タイムマシーン
春に桜の
淡く切ない
面影の
旅立ち も
郷愁の
* 繰り返し
大志抱いた
汽笛尾をひく
愛し愛され
夢しずく
* 繰り返し
消えた儚い
* 繰り返し
もう 一度
限りなく
過ぎしあの日よ
来る未来よ
* 繰り返し
159
こころ
ふゆ
ともしび
まぼろし
こい
ひと
おも
想う
ひらり
凍らせたいと
つ
た
沙
ひら‥
ぼじょう
寂れた慕情
さび
冬ざれて
ふゆ
あの蝶
灯火つけて
冬ざれの恋
なか
心の中に
いま
おも
今でもそっと
しの
み
忍ぶ想いは
ゆき
むね
待ちわびる
ま
こお
ひらひら‥
雪と見まごう幻か
ひらり
つ
まど
はかなく積もるる
ひと
ち
みさき
あの蝶 惑わせ
ふゆ
だ
冬ざれ岬で
こ
き
小太刀 この胸 突き立てたなら
おに や しゃ
消えるでしょうか
す
棲くう鬼夜叉
ほそ
なみだうた
め
目を細め
ころ
のどけき頃に
泪唄
ゆき
はら‥
雪にこもれる
はらり
かな
雪化粧
ゆき げしょう
眠らせたいと
ねむ
宿世の悲しみ
す く せ
はらはら‥
ち どり
はらり
かすみ
つつ
こい
包んで
霞に千鳥は
ひと
あの蝶
ふゆ
冬ざれの恋に
夜
澪
160
しず
あ
づみ
の
やま は だ
わた
こ い うた
どり
な
こ
じ ょう ね ん
ぜ
常念岳か
安曇野恋唄
ゆう ひ
ゆき
だい ち
雪をまとった
沈む夕陽の山肌は
はる
ひと つ
遥かな大地に渡り鳥
やま
ふゆ
にお
ゆ
むね
やど
とお
こ
ふ
安曇野は
あ づみ の
烏川
からすがわ
ちぎれ雲
ぐも
冷風が吹く
か
せつなさよ
むね
ぜ
安曇野は
あ づみ の
あの人連れて何故来ない
ご しき
ああ…冬の匂いの
こころ
五色の山も この胸も
しの
忍ぶ心の
アルプスおろしの
な
かさ
泣 きだしそうな
おお せ
せ おと き
はる
瀬音聞こえる
逢瀬を重ねた湯の宿で
も
ああ…春まだ遠い
こな ゆ き
つつみ込み
つ
燃えるこの胸
ふ
粉雪 か
まど
き
安曇野は
あ づみ の
窓に降り積む
び
ああ…春まだ遠い
よ
そ
あい
かげ
こもれ陽まぶしい ニレの木に
寄り添う ふたりの愛の影
沢
利
明
161
恋
短い命と
螢
知りつつ も
つらい時には
一夜の夢を
なお さらに
生きてゆくのが この世のさだめ
夢を見るのよ
愛の炎に照らされて
燃やして
燃えつきて
飛んでゆきます 螢の群れが
燃えて
ほの字の螢になりました
ほの字の螢は夢螢
夜明け間近の
ひた すらに
雨音淋し
これまでと
ほの字の螢は恋螢
うたげ
こんな時でも
最後の夢を
楽しい宴も
夢を追うのよ
愛の炎に包まれて
燃やして
燃えつきて
舞ってみせます 命の舞を
燃えて
ほの字の螢になりました
ほの字の螢は夢螢
ほの字の螢は恋螢
澤
ひ ろ し
162
麒
麟
老いた麒麟の 見果てぬ夢は
届かぬ梢
首をどんなに 伸ばしてみても
遠いサバ ンナ
ふる 里は
海原こえて
オマエが偲ぶ
千も万もの
つめ たい雨に
いうところ
老いた麒麟よ
ほとほと迷う
この世の果てと
肩をすぼめて
最果ての町
背伸びして
オレの故郷 も
オマエみたいに
翼が あれば
追っている
今日も荒んだ 東京暮らし
叶わぬ夢を
老いた麒麟よ
海原はるか
飛び立つものを
オレもオマ エ も
遠い昔へ
風切り羽根が ちぎれても
飛ぶものを
もしや廃家の ふる里だろと
力の限り
山
吾
充
六
163
人と成れ
名こそ末代
夢よ咲け
人生一代
語り継がれる
根を張れば
あるけれど
智慧と努力で
葉も茂る
俺は俺流
やがて木になり
此の先夢よ咲け
思い出したら
目先此の先
子供の頃など
ひたすら
や
返り見ず
お
両親は我が身を
行く末を
男只管 耐え忍び
案じ涙で
負けないで
此の先夢よ咲け
雨に嵐に
目先此の先
くく
腹を括れば
きっと来る
や
死んでは ならぬと
お
此の世の春なら
か さ つえ
両親のため
傘杖を
重い荷物は
季節踏み越え
思わずに
此の先夢よ咲け
おも
先は知れずと
目先此の先
山
藤
せい子
164
泣きたい時も
男 の 涙
男にだって
ち
奥歯で耐える
愚痴さえ言わず
ぐ
辛い時には
気ままな俺に
寂しく去った
気遣いは
人目を忍んで
優しいおまえの
女だった
ひと
俺には過ぎたる
恋しく呼んだ
元気でいるか 幸せなのか
星に向って
優しい笑顔 労る顔が
し
詫びたくて
面影恋しい 瞼に浮ぶ
どんなに悔やんで
身に染みる
ひと
恋しい女よ
こ だま
おまえの情けが
戻ってほしい
つむり
木霊に乗せて
黒髪頭
風よ伝えて
綺麗なうなじ
い
目もとに映る
幸せを
俺の 所為
せ
恥らう仕草が
おまえの苦労は
償い尽くして
紫
香
賢
治
165
数寄屋橋から
め
遠くを見つめ
優しい瞳をした 女がひとり
時計気にして
チラチラ
大人の時間
誰を待つのか数寄屋橋
ネオン
さっきの女が
終った後に
微笑みかけた
ぶらり入った 小さな店で
今夜のお 店が
夜更けの銀座
大人の時間
ふたり歩こう
消えたら
愛を感じた数寄屋橋
ネオン
ホテルのバーで
き ま り
ダンスをしてる
話をしよう
何時か場面は
男と女の
枯れ葉が舗道で
好きになっても 運命があるさ
恋はムードの数寄屋橋
大人の時間
綺麗な別れ
揺れてる
ドラマみたいな
さよならしよう
ネオン
涙を見せずに
しば
ともなり
166
遥かなるロカ岬
海を見ていた
あれは遠い日 遥かなるロカ岬
二人並んで
船
忘れはしない
しま
嶌
あなたはいない
まぼろしのように
船
往き交う船
まるで
ひと
遥かなる ロカ岬
いまは独りぼっち
西のはずれ の
夢
どこか遠くへ 旅をしようと
夢
あなた
叶えられ たのね
あなたの夢
そして
嬉しそうな
暮れてゆく海 遥かなるロカ岬
さまよいながら
星
あなたはいない
かりそめのように
星
風に吹かれて
眺めた星
まるで
いまは独りぼっち
きょう
馨
こ
子
167
貧乏
笑い飛ばせ ば
そんな暮らしが
何もなくて も
いいじゃん
極楽もんさ
してみたい
いいんじゃないの
夢もふる
付いてまわるさ つめたい試練
ギヤーひとつで
お金ほしさに 眼の色変える
そんなもんだよ このうき世
いいんじゃないの
お金じゃ買えぬ
欲もほど ほど
人の情けは
騒いじゃいるが
せめても小さな おもいやり
勝った負けたで
猿芝居
旅のはて
大地にもどる
いいんじゃないの
そんな生きかた
汗が実れば
どうせ一度は
桜が訓える
嶋
八
郎
168
ほおずき酒場
くぐったら
古びた 縄のれん
して通る
露地の
踏んで
誰も 素通り
二の足
カウンター
するじゃなし
書かれた ほおずき酒場
肩も ふれ合う
壁に
愛 想 笑 いを
おチョコ
してくれる
手に乗せる
黙って
お酌を
ほおずき酒場
お手拭き
すぐに
安らぐ
見回せば
ポイッと
なぜか
辺りを
呑み干せば
ふっと
しんみりと
愛らしい
つけば
郷土玩具が
ため息
ほおずき酒場
薄灯り
ゆけそな
窓に 無月の
生きて
下
野
登美子
169
世話かけ た
燕 尾 服
二人暮しで
今日でそれとも おさらばだ
三つ指に
覚悟はしてた つもりだが
目頭かすむ
躊躇わす
た め ら
袖を通すの
燕尾服
き
秋風がくすぐる
振り切って
あ
止めるおまえを
迷惑と
く る ま
愛車汚され
え
竹竿で
い
造む愛巣を
泣かせたな
思って た
はぐく
突いて壊し
幸も逃げ たと
遠い春
き
思い出させる
し
くち
務めるさ
歪む唇
結婚式はビシッと
想うそばから
ツ
安心だ
新郎だから
ヤ
飛び立つ先は
おまえが決めた
とことんに
る
深夜の手酌は
燕尾 服
よ
揺れた尻尾の
白
石
明
仁
170
神戸
旅の宿
鳴門の海
鳴門海峡
淡路から
旅をします
めぐ
うず潮巡って
夢の中
忘れたくて
ひとりの旅路
あ な た
幸せはいつも
貴方 の愛に
たど
辿りつけない
鳴門海峡
貴方の面影
旅してみても
霧の中
消えません
だけどど んなに
熱い想いは
な
灯が揺れる
ひ
汽笛が哭いてる
沖行く船の
波の音
くだ
岩に砕ける
夜の寒さに ふるえています
ために飲む
旅の宿
ただ恋しくて
役に立ちません
貴方忘れる
お酒は
ぬく
胸の温もり
つの
忘れたくて
ひとりの旅路
逢いたさ募る
鳴門海峡
貴方の面影
旅してみても
消えません
だけどど んなに
熱い想いは
白
川
千
恵
171
負けになる
男の涙坂
弱音吐いたら
決めた道
胸の内
苦労でも
意地が支える
と
背中に重い
ひ
他人にゃ見せない
涙坂
つづら折り
男我慢の
上り下りの
あぁ…
浮き沈み
き
人のこの世の
時代の波
と
避けて通れぬ
抱えずに
泣けばいい
悔しい思い
遠慮するなよ
涙坂
晴れもある
男情けの
雨が降る日も
あぁ…
枯らさないわと
労っ て
言うお前
や っ と 根 づ い た 夢 ひと つ
寄り添いながら
咲かせたい
いたわ
春の陽射しに
男感謝の
涙坂
ふたり一緒さ この先も
あぁ…
城
山
正
志
172
逢えると信じ
あなたさがして
桜咲くころ
恋人岬
あなたの胸に
尋ねて来ました
辛い気持を
縋って泣きたい 夜でした
苦しさ悲しさ この想い
吹
いいのでしょうか
おしえてほしい
どこへ捨てれば
瀬戸の鴎よ
あなたはどこに
まつ ほ うら
私しです
わた
ひとりでみつめ
どこかにいるのね
沈む夕陽を
想い出してる
夕陽に浮かぶ
松帆浦
明石大橋
こころを決めて
優しく抱 かれ た
涙拭って
と
もう帰ら な い
ひ
別れた貴方です
言い聞かせては
港町
そっとこのむね
想い断ち切る
刻打太鼓
とき うち だい こ
遠くに励ます あの音は
心しみいる
田
晴
也
173
菅
ワンダーチャイルド
金色のオーロラルー
光の波を越えて
―スター ジャンピ ーン ―
億万光年
輝やく太陽
愛の女神に
不思議に心ときめく
空が青く透けて広がる
出会ったような
ワンダーチャイルド
あかつき
野
金色のオーロラルー
光の未来を越えて
ツーファインド、ハッピネス
あなたにあげたい
スターチャイルド
愛の言葉を
愛のすべて を
かけ
銀河を翔て
ダイヤモンドダスト
暁の女神に
自然 に心クリスタ ル
星が森へそっと帰れば
魅するような
ワンダーチャイルド
あなたにあげたい
スターチャイルド
愛の心を
ツーファインド、ハッピネス
あかし
金色のオーロラルー
愛と幸福の地球
愛の証を
輝やく惑星
ハピネス、レインボー
政
義
174
背中にし
階段降りて
杉
東京オアシスロード
北改札の
東京タワーを
異国の人も
信号渡れば
見えてくる
どこへ行くやら
しばし歩いて
竹芝桟橋が
石畳行く
乙女連れだち
結婚式場
高層ビルや
浜松町海岸通り一丁目
駅の隣りの
海辺のホテルの
バラ色に
パーティドレスの
薄紫や
ゴールドバックで
浜松町海岸通り一丁目
仲間たち
舟が着いたか キャリーバック引いて
夫婦連れやら
通り行く
人の群れ
言葉交わして
パーティ 帰りの
オフタイムの オアシスロード
浜松町海岸通り一丁目
江
明
子
175
迷 い 川
か
ゆだ
うす灯り
ね
ひとり宿
すべてのことを
迷い川
湯舟に委ね
湯の香湯けむり
細い肩先
浮世流れる
川は知って る
ああ忘れられない
ふえ
笛の音は
ゆく運命でも
迷い川
このみに沁みる
遠い夜汽車の
熱い想いの
生きる女の
いつか崩れて
乱れ髪
涙があふれ
薄化粧
ああ未練もつれる
あなた好みの
うつす鏡に
迷い川
恋路のあとを
すがる夜更けの
想いだします
ああけむる湯の街 別れ宿
助
田
ひさお
176
君 影 草
雨降る夜は
ゆれて咲く
ぬれて咲き
よる
風吹く夜は
ひたすらに…
よる
ひそやかに
ひと
来るか来ないか わからぬ男の
面影こころに 抱きしめて
白く咲く
つぶやいて
君影草は
ひとりが好きと
言 い 直す
あたたかい
知らない男が
ひと
うな だれて …
ひとりはイヤと
うつむいて
通りすがりの
ひと
泣いて咲く
惚れてる男より
君影草は
日が来ると
すみ
倖せ戻る
ゆ
信じてる
果てる日来ても
夏が逝き…
こころの隅で
ゆ
春が逝き
いつか命が
恋の花
今日も咲く
あなたを待ちます
君影草は
鈴
木
紀
代
177
ごめんなさいね
乳房触れ
天国の母さん お元気ですか
胸に抱かれて
飲みすぎて
ごめんなさいね
詫びたくて
迷惑ばかり
いつも甘えて
お布団濡らして
遅蒔きながら
何もしてやれず
思い馳せ
子供抱き
天国の母さん お元気ですか
今は宝の
在りしあなたに
ごめんなさいね
ありがとう
お布団干す度 涙があふれ
遅蒔きながら
何もしてやれず
年を取り
天国の母さん お元気ですか
人は誰でも
懐かしみ
面影揺れて
遠い昔を
お布団乾けば
詫びたくて
ごめんなさいね
遅蒔きながら
何もしてやれず
鈴
木
さとし
178
鈴
木
美しく
音もなく
ふ たたびの桜
桜ハラハラハラハラ
花衣
空ろな心に ふりつもる
私このまま
そっとこのまま眠らせて
ふたたびの
めざめます
美しく
花のころもに うずもれて
時が流れて
花の命が
桜ハラハラハラハラ
涙のひとみに 降りつもり
花のかげ
そっと このままで
私このまま
そっと
きこえたら
目を 覚ま し
春の足音
花の香りに
うたいます
ひとすじ光美しく
はるか
命のトビラノックして
命のうたを
あ…………
閉ざした心
あ……
歌を忘れて
ハラハラ
もどります
希望のうたよ
ほほえみ
桜ハラハラ
やさしい
さくらさ く ら
179
鈴
木
宗
敏
タンポポいっぱいの かなしみ
摘んだって
咲くタンポポを
どんなにどんなに
あげたかった
あたり一面
パパがおまえに
足りないよ
陽が落ちるまで
黄色くなって
幸せにはとても
走って転んで
遊ぼうよ二人で
最後の日だよ
おまえとパパが
一緒に過ごせる
かさねた頬っぺ
今日は
パパがぴったり
笑う子よ
ごめんね
おヒゲが痛いと
笑くぼだけは
ほ
どうかそのまま
いってくれ
抱き上げながら
なくさないで生きて
おまえを空へと
別れるために
どこへかくそう
ママと
こみあげる涙を
ごめんね
パパはいないよ
明日 おめめをこすり
あ し た
旅立つこのパパ 許しておくれ
ごめんね
目覚める頃には
180
卆寿の母の一人言
一人言
まだまだ人生 道半ば
卆寿の母の
平成と
生きてきた
大正 昭 和
小さな身体で
「ありがとう おふくろよ」
臥す俺を
くれるのか
また今日も
死ねないと
今もベッド に
独り残して
よろける足で
タオルを絞って
あの世まで
お前を産んだ 責任は
みんな私が
つぶやいて
戒める
背負って行くよと
そっと自分を
「ありがとう おふくろよ」
人並み に
いいんだと
したいけど
こんな俺でも
親に孝行
今のまんまで
やさしく微笑む 母の顔
「ありがとう おふくろよ」
来るけれど
くれないか
もう少し
尽きるまで
いつか別れは
灯す命が
縁…大事に
親子でいさせて
鈴
木
康
正
181
鏡よ、鏡
・
・
・
朝の化粧の前に 別れたひとは
奪えぬ場所へ 帰って行く
須
着替えを済ませ
仕事に行く
いつも逃げ道たどり
素知らぬ顔で
鏡よ、鏡
いけないの
教えておくれ
・
・
・
私の何が
鏡よ、鏡
・
・
・
お前は嘘つき
映ってないわ
鏡のように
溶け合うはず
何処にも愛など
人の心はまるで
愛せば愛され
横顔だけを
哀しいふり
なのに男はいつも
私に見せて
鏡よ、鏡
馬鹿みたい
綺麗であれば
・
・
・
幸せなんて
鏡よ、鏡
可愛いくせに
みんな嘘つき
・
・
・
誰より自分が
鏡よ、鏡
・
・
・
・
・
・
ルージュを引くの
さびしい嘘つき
いけないの
教えておくれ
ひとりで生きて
鏡よ、鏡
今夜も艶めく
田
厚
子
182
めぐり逢い長崎
いとしい人と
うしろ姿に
こみあげて
めぐり逢い
声かけられて
けむる小雨の オランダ坂で
熱い涙が
瞳がうるむ
春雨通り
港灯りに
眼鏡橋から
やせたようだと やさしくされて
思案橋
すがってみたい もう一度
迷う心の
小指の傷が
港潮風
化粧くずれ の
霧の路地裏
さ だ め船
またうずく
なみだ風
ほつれ毛に
灯りがにじむ
揺れるグラスに なみだ顔
夢の名残りの
春
原
茂
幸
183
千 本 桜
じ
ひ な た かん とう
き
現場の花よ
日向関東 つつ裏々で
い
ハンマー裁き
肩をそろえりゃ
意気地かさねる
渡り大工が
男鉄火の
汗に咲かそう
千本桜
ズンズンズイト
枝もたわわな
墨出しすれば
ぼか
支える屋組
おいら梁だと
腰決めどころ
暈しいらない
めん づら
面顔涼しく
お前柱で
男建てこみ
春を呼びこめ
千本桜
ズンズンズイト
開く花びら
物ともせ ずに
急げとせかす
暴れ風など
天上打ち上げ
ふ
腕の見せ時
け
階段叩き
そうさここらが
男蹴こみの
汗に吹ぶくか
千本桜
ズンズンズイト
命たわわな
関
東
ビル建物の仮枠大工を意味する
西
註…渡り大工、ここでは木造や宮大工ではない
184
お酒は燗が恋い薬
実らず散って
瀬
言えないあな た
勝手に恋して
それでもさよなら
女将がおごる
忘れるように
溶かしてね
わ た し
今夜は飲みましょ
涙の氷柱を
つらい別れを
人肌燗で
ごめんなさんね
笑顔花咲く
偉そに言うけど
明日を信じ
雨降る時も
連れてくる
大きな夢を
大事に生きましょ
しぼんだ心に
笑顔は幸せ
晴れた日もありゃ
なんだか今夜は
飲みたい気分
うきうきするの
酔って下さい 熱燗いかが
朝までとことん
誰でも同じ
ぬる燗どうぞ
晴れない日には
軽くなる
しんどくなるのは
前向き足取り
もしも心が
差しで飲みましょ
端
健二郎
185
応 援 歌
こんなせち辛い 世の中を
と
他人 は 云 う
ひ
生きている
やればできると
術がない
右往左往で
一歩を踏み出す
目立つけど
応援歌
すべ
不器用ばかりが
自分に歌うよ
しみてくる
無情 風が吹き みじめさが
五臓六腑に
他人は云う
味気ない
夢を持てよと
現実ばかりじゃ
失せたから
応援歌
う
生きてく勇気が
自分に歌うよ
どう変わる
あ し た
明日 運命は
応援歌
主人公
誰のもの
他人は云う
わからないから ここにいる
信じ切れよと
自分の人 生
半端に生きても
自分に歌うよ
せ
ん
けいこ
186
覗く眼に
のぞ
眼鏡越し
視つめれば
み
いることが
夜ですね
お父さん
今夜が最後の
あなたの娘で
そばに座って
ふえた白髪の
どうかしたかと
熱くなります この胸が
盃に
こ こ ろ
温ためて
あた
あったのね
あまえた背中 この肩に
私の昔が
さ
冷めているわと
つ
そっとうながす
ら
休めよと
許して ね
添えて注ぎたす この真情
言えぬ娘を
あ し た
わ
明日があるから
暮らしても
微笑った眼尻が 濡れている
たとえ遠くで
娘です
いつまでも
きっとあなたの
お父さん
そうよ 私 は
ごめんなさいね
曽
我
幸
義
187
故郷と
母
瞼とじれば
見えてくる
働いた
休みなく
母の笑顔が
朝から晩まで
わき目ふらずに
わたしが大人に なる日まで
くれた人
まさる母は無し
母あれど
すべてを支えて
百億の
我が母に
母と過ごした あの日々は
遠いむかしの 夢の中
わたしが都会へ 行ってすぐ
空の果て
孝行を
母は一人で
出来ないまんまの
遅すぎる
求めな い
悔やんでみたって
与えても
母の愛なのか
まさる母は無し
母あれど
ああそ れ が
百億の
我が母に
田
浦
泰
188
ひと息の瞬間
はじめは どこだったのだろう
ひと呼吸あった その瞬間
自分で はじめたことなのに
自分でも まるで知らなかった
無意識に生きている
そんな時もあるようだ
ひと息 ひと息に
今を感じる
ふうふう ふうふうと
漂うよう に
おわりに なにがあるのだろう
ひと呼吸に似た この人生
自分に とどめたつもりでも
自分から 抜けていく気がする
無意識に駆けめぐる
そんな時もあるようだ
ひと息 ひと息に
今を感じる
ふうふう ふうふうと
漂うよう に
ひと息 ひと息に
今を感じる
ふうふう ふうふうと
生まれては消える
高
木
葵
189
その先に
人生七転び八起き
男ゆく道
いばら道
一歩から
待つは試練の
百里千里 も
す
八つで起きる
あ
七つ転んで
明日を信じて
路地づたい
俺は行く
明日を信じて
酒によろけて
遅れても
影法師
と
泣くな嘆く な
ひ
八つで起きる
たとえ他人より
七つ転んで
焦ることない
夢の一文 字
がまん道
離さずに
焦ることない 人生は
苦労辛ぼう
花も咲く
俺は行く
八つで起きる
いつか芽も出る
七つ転んで
明日を信じて
明日を信じて
髙
城
のぼる
190
いいんじゃない
いいんじゃない
ちょっと負けても
いいんじゃない
高
いつも勝 つより
女神がきめることもある
いいんじゃ な い
ラグビーボール ころがる先は
君の責任
いいんじゃない
いいんじゃない
友達できれば
ちょっと恋して
いいんじゃない
いいんじゃない
見習えば
思うなら
何も言わず に
若くはないと
花咲く花を
振り向いたって
いいんじゃない
ふ
風に押されりゃ
いいんじゃない
いいん じ ゃない
ちょっと別れて
角で別れて
きくものさ
しお さい
いいんじゃない
いいんじゃない
ないんじゃない
潮騒は一人で
船に乗るこたぁ
カモメにまかせて
夕陽にあえ れ ば
田
戸
雷
191
さん さん
顔出す山 に
富士燦々
雲の上から
立ちつくす
耐えて来た
背すじを伸ばし
人は黙って
雨や嵐に
幾万年を
肩で風切る
おごらぬ山へ
富士に見た
生きざまを
森を育てて
手を 合わ す
俺は男の
人は思わず
ぐちも言わずに なげきもせずに
耐えて来た
富士に見た
生きざまを
幾万年を
俺は男の
どんと根を張る
彩る山を
いろど
赤い夕陽で
希望があれと
振り返る
わ
人はも一度
と
永遠にこの世に
耐えて来た
富士に 見 た
生きざまを
幾万年を
俺は男の
空でほほえむ
高
塚
和
美
192
捧げて尽くし
みぞれ雨
ひと
愛する男に
ひと
妻ある男に
みち
今はひとり寝 過去に泣く
倫に背いて
為さぬ恋
みぞれ雨
受けるでしょうか
な
罪を承知で
いつか報 いを
あぁ…問えば答えぬ
愛とはしらず
惚れさせて
行きずりだけの
甘い言葉に
哀しいものね
み ぞれ 雨
岬に立てば
恋しくて
女ごこれは
消えた人ほど
心なぐさめ
あぁ…涙まじりの
性なのに
さが
幸福 あれば
指を指す
あなたの面影 心に抱いて
行けば噂が
夢でいいのよ
それが女の
未練ばかりが 心に凍みて
あぁ…外は冷たい みぞれ雨
高
橋
耕
作
193
笑顔さざんか
もう居ない
笑顔さざん か お 前 の 花 だ
抱いた貴方は
待ちつづけ
この恋なのに
散って幾年
あの時の
命預けた
頬に紅さす
思い出 す
ほほ
胸の震えを
夕焼け雲よ
ゆらゆらゆれる
まだ逢えず
ひとり坂道
あ な た
探がす貴方に
長い影法師
また切れた
糸巻を
解いて結んで
赤い糸
堅い絆の
ふたりの絆の
香りさえ
笑顔さざん か 今 年 も 咲い た
指に伝わる
流れて解ける
し ずく
夢の雫に
星屑も
流れ 星
夜空彩る
いつか消えゆく
せめて届けよ この想い
髙
橋
敏
夫
194
髙
あの人の影になって
あの人の影になって
ついていきたい
母が恋しく
どこまでも
ふるさと の
悲しい夜には
母になって
泣けてくる
あの人の
子守歌うたってあげたい
あの人の影になって
生きていきたい
教えてあげたい
胸に住んで
風さえ知らない
顔も忘れて
いつまでも
微笑みの
倖せの
あの人の
喜びを
あの人の影になって
ついていきたい
点してあげたい
胸の部屋に
生命の灯りを
い の ち
愛の強さで
どこまでも
燃上がる
明日を呼ぶ
あの人の
いつまでも
畑
和
之
195
泣いている
雨のしのび逢い
枯葉がベンチで
別れましょう
髙畠
愛しているうち
幸せ ふしあわせ
雨の仕打ちに 泣いている
それができたら
奪えない
人生でいいの
かむときは
逢うだけの
帰さない… はなせない…
あなたと
あなたが耳たぶを
イヴになる
出逢ってた
罪を分け合う
2年も前から
他人のおともだち
奪えない
恋も芽ばえず
帰さない… はなせない…
好きなのよ好きよ
指で追う
理屈じゃわかっても
ガラスの雨粒
きめましょう
したくない
今日で最後と
あやまちなんかに
心ささげた 愛なら美しい
奪えない
振り払えないの
帰さない… はなせない…
あなたのやさしさを
じゅん子
196
そ
あいしゅう あゆみざき
お ん な
歩崎
惚れた私が
女性が一人
哀愁歩崎
添えぬ運命の
岬はずれの
お ま え
女房と呼ばれて
悪いのか しら
花を浮べた
貴方恋しや
後戻り
流れる水は
哀愁歩崎
泣いて縋れば 涙も枯れて
過ぎた昔に
湖上に浮んだ 帆引舟だよ
白帆が揺れる
湖 畔の小 径
哀愁歩 崎
何もいらない
仮りの妻
葦切り鳴いて
よし き
かもめ鳴く鳴く
あやめ哀しや
ま こも
真菰隠れに
花の咲かない
悲しさこらえて
貴方が欲しい
花咲き港
あいしゅうあゆみざき
運命哀しや
で じま
哀愁 歩 崎
かす
霞む出島よ
滝
信 太 郎
197
恋でした
ゆうすげの恋
さん ねん み つき
三年三月
さよならいやす旅の朝
風の優しさ身にしみる
湯げ上がる
ゆうすげの恋
朝つゆぬれてゆうすげの
黄く咲いた花びらの
優しい風の波しぶき
朝日を浴びた
ゆうすげの恋
別れなぐ さ の 岸辺には
歩く二人の榛名湖に
風の別れの流れ雲
淋しさこらえ
ゆうすげの恋
瀧
竜
昇
198
泣いてはる
逃げはりましたねん
通り雨
ふられ雨
ふられたのどすえ
うちはあんさんに
なな
あずまのお人は
みやこ
都を斜めに
いらか
※お寺の甍も
ずぶ
も
ずぶ濡れや
多岐川
戻っておくれやす
きらわれる
た
ずぶ
河原の小石も 泣いてはる
あやま
情け
どうぞ
謝るさかいに
どうぞ
か
ふられたのどすえ
加茂の川ぎしを
それでも追いかけ
日暮れどす
未練の傘など 役立たへんわいな
こけ でら
ほとけ
苔寺たずねた
びしょ
びしょ濡れや
無情やおまへんか
びしょ
仏にすがった おんなどす
夢も
ほんに
京都の雨はんは
ほんに
※ リフレイン
大
介
199
めぐり逢いたい
過ぎ去りし時のうしろ姿
手紙に詰めて送ります
とどけます
町をかけめぐる風の匂いを
言葉に変えて
たきの
あの頃のひとこまを
話して欲しい
※ 時には思い出して
そして夢の続き
あなたに逢いたい
めぐり逢いたい
季節が変わる度
あなたともう一度
おもいではいつも宝石のよう
あなたの愛が
心の中を照らしてる
空の広さより
目の前を駈けてゆく
大きく見えていた私
季節は急ぎ足で
めぐり逢いたい
あなたがいるから
綴りかけた愛を ふり切るように
この道の向こうに
あの頃に帰って
※ くりかえし
えいじ
200
らくがきしよう
いっぱいに
かあさん
この広さ
かあさんと
上に小さく
つかみたい
どんなにでっかい らくがきでも
自分の手で
便箋の
かあさん
た
この手だけれど
かあさんと らくがきしよう
なんにもできない
かあさん
おかあさん
つかませて
かあさん
書いても
その時 だ けは
なんべん
言っても
おかあさん
かあさんと
書いたっけ
かあさん
来ない
なんべん
返事が
かあさん
壁の隅に
小さく小さく
涙を押さえた 人差し指で
かあさん
書いても
おかあさん
おかあさん
辿るように
なんべん
言っても
想い出を
なんべん
かあさん
おかあさん
来ない
かあさん
かあさん
返事が
かあさん
く
わ
ん
201
この子たち
田
神さまがさずけて くれたこの子たち
泣く子笑う子 気が抜けなくて
せわ
いまは忙しい 毎日だけど
ともに過ごして へだてなく
ママの願いは みなすこやかに
育ってほしい この子たち
親の手はなれて 世に出すまでは
神さまからあずかった この子たち
神さまがさずけて くれたこの子たち
育ちざかりで 個性があって
そっと寝顔に 頬あてれば
ゆめをくれます それぞれに
の ぞ み
ママの希望は いつも明るく
歩いてほしい この子たち
親の手はなれて 世に出すまでは
神さまからあずかった この子たち
沢
庄
神さまがさずけて くれたこの子たち
みんな揃って 大きくなって
明日に向かって それぞれの道
越えてゆくだろ ゆめ抱いて
とし つき
ママと過ごした 歳月よりも
長い日々だよ この子たち
親の手はなれて 世に出すまでは
神さまからあずかった この子たち この子たち
筰
202
よもぎ饅頭
自転車荷 台
川の土手
はさみと袋
よもぎの 季節 や っ て 来た
妻とふたり
帰らない
作りたい
摘んだあの日は
よもぎ饅頭
もう 一度
・
・
・
知り合いに
おまえと一緒に
お隣近所
皮づくり
事あるごとに 振る舞うおまえ
俺の出番
丸くする
後押しに
いつの日か
ヘラで伸ばして
よもぎ饅頭
ふ う ふ
・
・
・
目をやれば
いつもの小道
今は亡き
夫婦のきずな
病に倒れ
お ま え
写真を連れて
川のほとり
声がする
「
」
もう 一度
作りたい
摘んであげて と
よもぎ饅頭
おまえと一緒に
田
島
隆
夫
203
・
・
・
てん くう
ゆめ
う ん かい
天空の夢
あさ ひ
雲海を照らす
ん いろ
黄金色の朝陽
山のいただき
き
小島のような
じ
人びとは
も
し
建
つくりますか
信じてた
文字なき頃の
やど
神の宿りを
ほ
天翔る
愛を教えておくれ
白馬
ペガサス
地上の楽園
あなたは誰と
心ス直に
あゝ
あま か け
天翔る
いまこの地球に
あゝ
叶うなら舞い降りて
天空の夢
きらめきの星よ
笹の葉のひと露に光る
美しき夜空
人のこ こ ろよ
めぐらせば
し
絵にうかぶ
小さきものは
てん
想いを天に
ほ
星座の神話が
祈りますか
ペガサス
白馬
天空の夢
愛で つつんで おくれ
天翔る
生命と幸せ
あなたは誰と
春夏秋冬
あゝ
あま か け
天翔る
いまこの時に
あゝ
その翼ゆりかごに
子守唄歌うのは風よ
石
一
204
気がする
開けよ う か
においに
肩に感じていたい
鳴く夜は
耳をすませていたい
鳴く夜は
鈴虫の鳴く夜
鈴虫の
心静かに
鈴虫の
風の気配を
時の流れる
心の窓を
過ぎ 去っ た日々が
鳴く夜は
戻ってくるような
鈴虫の
星を数えていたい
鳴く夜は
空を見上げて
鈴虫の
いいのよと
ないのよ
田
二度と会えない 人を想っていたい
淋しくなんか
このままこれで
清らかな宵に
流れる
ひととき
あるだけと
生きても
ひとりごと遠くへ
長い時間を
想い出ひとつ
おだやかな秋に
人生をふり返る
中
いぶき
205
はな
い
と
・ ・
・ ・
・ ・
と
・ ・
・ ・
・ ・
白色に染まる
まだ遠い
・
・
・ ・
・
・
と
田
(花の意図)
おい らん どう ちゅう
花魁道 中
想い出す
ひなげしの花を
けしの花み ゃ
ふるさと
遠い故郷
そ
ひなげしの花
にい
あか いろ
兄やがくれた
さき ざき
そ
ひなげしの 花
ゆ
い
花の意図
はな
紅色に染まる
あか いろ
紅色に染まる
行く先々で
おい らん どう ちゅう
花魁道中
想い出す
おしろいの花
おしろいの花を
名も無い花みゃ
や
白い月夜と
はだ
肌に焼きつく
かお
白色に咲いた おしろいの花
あま
甘く香って
京の都は
とお
想い出す
まだ遠い
白い雲みりゃ
京の都は
雲が意図引く ちぎれ雲
ひ
白く乱れた ちぎれ雲
い
ちぎれ 雲
雲の意図
くも
陽をさえぎる
おい らん どう ちゅう
花魁道中
中
克
昌
206
やまとだま
なりたいものさ
強さ・やさしさ この手に掴み
しん
実の男に
云われても
笑っていたい
時代遅れと
男のように
つらい時こそ
昔よくいた
人生ならば
俺も生きるさ やまとだま
惚れた女の
柄ではないが
田中
すべて背負って やろうじゃないか
愛だ恋だの
男 意気
世の 中なれど
み せ て や る のさ
嘘が飛び交う
男が廃り
すた
二言あるまじ やまとだま
義理を欠いたら
礼を欠いたら やまとが廃る
いつか覚えた 感謝の二文字
恩に靡くが
損か得かで
親に恩師に
男のように
やまとだま
動きはしない
返すのさ
おや
昔よくいた
俺も生きるさ やまとだま
しゅうじ
207
夢の糧
華舞台
片隅が
ひいきに願います
皆様に
演歌ぶし
耳も辛口
どうぞ
旅の小店の
今宵縁の
もらう拍手は
ままなら ぬ
聞いてください 演歌ぶし
浮世流せば
人生と
寒 い 夜 更 け も ござ います
歌に捧げる
決めて選んだ 旅烏
命懸けます
その夢に
演歌ぶし
酸いも甘いも 世のな ら い
夢のまた夢
明日は東か
一期一会の
足跡が
西の町
旅を行く
重ねます
歌い歩い た
演歌ぶし
晴れの舞台を
生きた証の
田
中
なるみ
208
いっぱいな
真夜中の太陽
貴方のことで
はず
たなか
ひとつ外したら
変わるでしょうか
か
この胸のボタンを
思い出が風に
き
流れていく
どうすることも出来ない 心の鼓動
と
かげ ろ う
別れには
黒 い 陽炎
時間だけがチクタクと
真夜中の太陽は
つよ
強がりだけの
似合う天邪鬼
あまのじゃく
臆病なワインが
涙のドラマ
時効の恋
じ こう
切なく甘く
もどかしい過去は
かけ が
掛替えのない出会いは
いろ あ
き ず あと
時効の恋
切なく甘く
夢 の 傷跡
色褪せて駆けめぐる
真夜中の太陽は
掛替えのない出会いは
色褪せて駆けめぐる
夢の傷跡
夢の傷跡
真夜中の太陽は
夢の傷跡
真夜中の太陽は
真夜中の太陽は
ゆきを
209
あい まい
必然の別れ
曖昧な言葉
わたし
くり返す私は
いつか あなたとの距離が
遠くなっていたと感じた
そして やがて
必然の別れ
都会の片隅 小さな部屋で
一人
もう二度と鳴らない
ケ イ タ イ
携帯電話 見つめて
泣いている
曖昧な態度
もて遊ぶ私は
いつか あなたの心が
届かなくなったと感じた
そして やがて
必然の別れ
星さえまぶしい 小さな部屋で
一人
もう二度と会えない
あなたを 想って
悔やんでる
悪いのは 私と
わかって いるから
さようなら
棚
波
詞
雄
210
グランドで
あなたには
あなたなら
谷
口
文
歳の恋 (そして2020年へ)
あれは夕暮れ
あなたには
駆けていた
先輩だった
差していた
あなたはトラック
なにか光が
歳の恋
初めて知った ときめきを
僕は感じた
僕の 想いも
霧でしょう
夢見てる
儚く消える
悟っても
歳の恋
その時に
僕の願いは
そうでしょう
歳の恋
夢を叶える
チャンスだと
あなたは賭けてる
僕は追ってる
叶わないと
オリンピックを
あなたは一途 グランドで
16
分かっても
世界で勝てる
16
遠い人だと
僕は捨てない
彦
211
16
16
ごめんね東京
うずくまり
たにはら
涙つぶ
振り返る
こぼれる
夜汽車に
思い出
忘れてみせる
女がひとり
あてもないのに
軋む度 みれんが
いつか
どうする
北へ 北 へ
レールが
北へ
逃がれて
きっと
好きな街
冷たい仕打ち
秋風吹いて
信じ重ねた
わ た し が おば かさん
いい人と
ごめんね 東京 さ よ な ら
心
笑顔が
好きな人
心
疑わず
親切で
ごめんね 東京 さ よ な ら
誰にも
嘘を
心
あなたの
ふたりの くちびる
罪よ
好きな街
嘘よ
許して東京 今でも
走る窓辺に
好きな人
北へ 北 へ
許して東京 今でも
北へ
夜明けの やさしい 薄陽が差して
も一度 さがしてみるわ
好きな街
愛を
ごめんね 東京 さ よ な ら
好きな人
夢を
ごめんね 東京 さ よ な ら
伸
212
ひとつに重ね
人 生 坂
心ふたつを
転げる夜道
耐えてきました いばらの道を
苦労の石ころ
力をあわせて これからも
つらい時こそ
歯をくいしばれ
目線を上に
越えてゆきます 人生坂を
前を見つめて
冷たい時雨
時じゃない
苦労の石ころ
弱音をはいてる
越えてゆきます 人生坂を
えにし
結びなおして
転げる夜道
声かけあって
縁の糸を
苦労の石ころ
明日もまた
目にはみえない
この夢支えて
越えてゆきます 人生坂を
多
野
亮
213
なさけ雨
やさしく包んで
せん や
千夜の想いを
こ ぬか 雨
なご
心を和ませる
抱いて下さい
あたし
未来のふたりに
あ し た
私をしっかり
あ し た
ふたりの明日へ
愛が芽生えた なさけ雨
しぐれ雨
心がもえます 吐息はみだれて
あなたを引き止める
燃えて乱れて
よ
短いひと夜に
あま おと
賛える雨音
たた
けせな い 絆を
き
祝い酒
希望を叶えて
の ぞ み
愛を灯し た なさけ 雨
と
泪をわけあい
ぬく
温もり来る季節に
私にください あなたのすべて
あふれる幸せ
なさけ 雨
ふたりの船出に
愛の花咲く
玉
城
徳
丸
214
道づれにして
長い歳月
妻ありてこそ
尽くしてくれたね
いつでも笑顔を
万葉集に
ほだ
命絆され
愛して止まない
こころみが
魂磨かれ
輝き生きる
今も愛しい
妻ありてこそ
・
・
・
妻ありてこそ
ここ に我 あり
出逢えたえにしが
玉
あの日のままさ
笑いころげる
有ることさえも
感謝の気持ちは
命に限りが
時に忘れて
子供のような
妻ありてこそ
・
・
・
妻ありてこそ
ここ に我 あり
万葉集に
利
要
この詩を米寿の野入五男博士ご夫妻に捧ぐ
妻ありてこそ
妻ありてこそ
命絆され
愛して止まない
魂磨かれ
輝き生きる ・・・
妻ありてこそ
ここ に我 あり
妻ありてこそ
ここ に我 あり
注記
215
やって来た
ゆく わたし
スクランブ ル交叉点
ある巡り愛
都会の
急ぎ足の流れを
ケイタイ耳に当て
渦巻を
感じて
イケメンに 心奪われる
すれ違い
振り向いた先の
・
・
・
・
たちまち人の波
乗るわたし
後ろ姿は
ロ
友だちの結婚式
ト
その日は
メ
風をさけて地下鉄に
いつか見た
眼差し に
気づいて
本を読んでいる
坐った目の前に
イケメ ン が
ときめいた
とまどいの 瞳
田
・
・
・
・
手を上げ降りるカレ
ゆくわたし
いる先はスカイツリー
すぐに微笑み
目指して
昨夜夢を見たから
背中でも
瞬間
カレがそこにいる
眼が合った
登った展望台
すぐわかる
振り向いて
棒立ちのわたし
・
・
・
・
カレはまっすぐ こちらへやって来る
村
忠
雄
216
千 羽 鶴
するような
千
その受け 身
茶会の夜は
誰かが噂
しなやかな
忍び逢いする
狂お しい
むせながら
恋模様
溶けていく
追いつめたのか
朝もやに
絵巻のような
めしべの 香りに
遥か昔の
鎌倉の
罪の深さが
染みついた
苦しいか
口紅が
それとも愛が
あの人の
覚悟なら
千羽鶴
親子も泣かす
啼いて飛ぶ
冷たい指が
形見の茶碗に くちづけて
別れ間際の
夕映えに
さ だ め
哀しさか
愛の宿命は
女の性の
哀切の
恋模様
そ の 余韻
清らかな
絵巻のような
千羽鶴
旅な のか
遥か昔の
消えてゆく
残してあなたも
あかね空
草
三
紀
217
男のブルース
野暮な男が
男の人生よ
心のとびらとじたまま
気まぐれ
野暮な男が
人の気持を知りながら
独りで…去った
はぐれ鳥 だよ…男の ブ ルース
私をおいて
野暮な男が
旅に出た
一緒に生きた一筋に
野暮な男が
別れことばものこさずに
涙の…男のブルース
逝ったよ…泣いた
咽ぶ
わがままばかりごめんなよ
愛した女を
野暮な男が
夢に見て
ひと
野暮な男が
そっと静かに音もなく
ともしび…消えた
胸にのこして…男のブルース
辻
正
司
218
蛍
「逃げないで
お前は俺に
ごめん…
て
あたしの掌から」
言うように
ごめんな
すり抜けて
蛍に語りかけてたね
その指を
させたりしてさ
魔が差したんだと
ひとりぼっちに
あん時は
言い訳なんか 出来ないさ
泣いたろな
ごめん…
辛かったろな
ごめんな
目が覚めた
思っていた」と
殴っておくれ
今やっと
莫迦を拳で
「死のうかと
涙でしがみつくお前
細い肩
ひ
ごめん…
あの頃よりも
ごめんな
灯をともす
す
明日からは
蛍になる よ
あ
俺はお前の
つ
じ
伸
一
219
あわ
だち
そう
ねぐら
泡立草に
泡 立 草
荒川土手の
塒がポツリ
津
陽が射しゃ起きる
青いシートの
日暮れりゃ眠り
疲れもないさ
捨てて 来 た
俺らの味方
気ままな暮しで
お天道様だけ
見栄などとっくに
け
理由でもないさ
わ
一緒になった 女もいたが
好きで暮した
別れたけれど
悔んでいない
愛想をつかれ
意気地はないが
て
ね
闇夜の続き
不貞寝する
ふ
灯りが欲しいと
精一杯で
ひとりがわびしい
生きてくだけで
思わんけれど
泡立草が
これでいいとは
寒さをしのぐ
包んでくれる
子守り唄
気ままな 暮し
世間の冷 たさ
郵便届かぬ
波音いつしか
田
雅
道
220
ああ
・
・
じん せい いち
ど
人生一度
の
つわの
求めつづけた人物だけが
も
追い求め
あけられる
とびら
夢の扉を
故郷よ
ふるさと
忘れかけていたの
ああ・・人生二度ないマラソン
おさな
幼い日よ
い
ち
からだ
つら
位置についたから
こころ
と
心 躰の辛い人達
ひ
私 今からだって遅くないわよね
さあ
ちから
自分より
力いっぱい走ってる
く
じ
意気地なしでごめん
い
ああ・・人生二度ないマラソン
思い出よ
誉められたこと昔あったのに
ほ
幼い日よ
私
い の ち
震災堪えたあの日から
た
さあ 自信抱きしめて
おも
死ぬ程の
重い生命と知りました
み
ああ・・人生二度ないマラソン
お母さんお父さんも観てて
諦めないで生きてゆけるから
あきら
幼い日よ
私
さあ ゴールめざすわよ
光
路
221
かわ も
蛍火が
枝葉より
仁淀川・蛍火慕情
しだ
川面に垂れる
ひと よ
こぼ
仁淀川
に よど がわ
腐草を
くち くさ
尽きるなら
日暮れて飛び交う
あさ せ
一夜の恋に
浅瀬に零れた
優しくすくって
も一度貴 方の そ の 手 の 中 に
蛍火が
追うように
闇夜に糸引く
私を探して
叶うなら
仁淀川
みじかよ
今宵の逢 瀬
短 夜を
水面に浮かべて
残り火抱いて
に よど がわ
夢跡残した
ひと夏限りの
よ
蛍火が
なつ くさ
夏草を
から
夜露に絡まる
揺らせば飛び散る
焦がすなら
消さぬ様に
私の胸を
未練の火種を
仁淀川
に よど がわ
激しく包んで
夢夜に乱れる この糸灯り
出
口
タヅ香
222
しあわせ桜
夫婦道
あなたお前と 呼び合って
泣いて笑って
背負わせ て
一人で重たい 荷物なら
私に少しは
しあわせ桜
咲くのも一緒 散るもの一緒
愛が絆の
くれる 人
花は散っても また咲くよ
そんな気配り
ゆっくりと
心に枯れない 花を持つ
残った道のり
咲くのも一緒 散るのも一緒
ピンク色した しあわせ桜
八 合目
照る日曇る日 あったけど
やっとここまで
ねえあなた
人生まだまだ 夢ざかり
あの世の先まで
しあわせ桜
咲くのも一緒 散るのも一緒
命道ずれ
手
嶌
義
文
223
寺
哀しみのアクトレス
待つ人居る人 愛する向こうは
覚悟にうなずく
主役を張れても
ブーケを見過ごす
映画やドラマの
リアルは脇役 袖からふるえる
島
演じるしかないでしょ
笑顔あふれている私
た
配役えられていた
あ
独り笑いの
広い庭
結ばれないのなら
洒落た家
自分戻れば
とても淋しい女
愛していけない 人でも引けずに
愛するスイッチ どうして入るの
今さら焦がれる
普通は嫌いと 上から澄まして
普通の幸せ
演じるしかないでしょ
こ ど も
赤児あやしている私
た
配役えられていた
あ
枕抱えた
揺らす肩
許されないのなら
おどけ顔
自分戻れば
とても哀しい女
幸
生
224
一番さ
生きたい僕らは
天
川
ノー!
聖
夢みることにリスクはナイ
今日をワクワク
夢をもつのが
価値がある
たとえば低ーい 階段さえも
夢に近づく
ノー!
踊り場も待ってる
後ずさり?
スクエアゾーン
スランプという名の
心迷わす
下りのステップ
苦しむ時間が
駆け上れ
君が悩んで
続いてる
ダンダンダンシン!
違う景色に
ないんだよ
叶わなかったらどうしようって
夢にリスク は
簡単なことさ
よく訊いて
夢を決めるの
君の心に
要らないよ
一番ワクワクできることだよ
僕に遠慮は
!!
今さらビ ビってる
認めてしまえ
ビッグすぎた夢に
弱気心も
大丈夫
そもそも適性 ないのかも?
強いのさ
試されてるのさ
カモカモカモン!
熱い情熱
君が想えば
ないんだよ
子
225
叶わなかったらどうしようって
夢にリスク は
!!
大間の男節
荒波海峡
大間崎
津軽海峡
ここは下北
夜明け前
男船
一本 釣りの
出船一番
マグロ船だよ
男が決めた
天
アリヤ、アリヤ、ドッコイヨーイドーコ
大間の男節
疑似サンマ
腕裏切られ
ヨーイドーコナー
マグロ気まぐれ
い
餌は生きイカ
俺じゃない
と
選ぶ相手は
送っ た釣糸 も
い
船の舳先に
七十五ひろの 返し巻き
アリヤ、アリヤ、ドッコイヨーイドーコ
大間の男節
くに訛り
大間の育ち
ヨーイドーコナー
大間生まれで
漁師自慢の
支えて来たと
二つにゃ意地で
陸の妻子を
心意気
一つぁ努力で
誉める己の
大間の男節
アリヤ、アリヤ、ドッコイヨーイドーコ
ヨーイドーコナー
馬
良
226
ひとり遊び
雨は降ります 雨が降る
外に行き た い 遊 び た い
線路つないで
夢中です
プラレール
積み木積んだり こわしたり
ひとり遊びに
近づける
冷たい 濡れちゃった
窓におでこを
うわぁ
持ち出して
続きます
塗りたくる
紙とクレヨン
赤く太陽
ひとり遊びは
晴れるかな
雨は降ります 降り続く
いつになったら
歩いてる
すぼめては
部屋をあちこち
飽きま した
口をとがらせ
ひとり遊びに
戸
川
智砂子
227
南紀の火祭り
那智の火祭り火の祭り
南紀和歌山男の祭り
激しく燃える大松を
かついで石段練り歩く
扇みこしも熊野大社の
滝に滝に滝に里帰り
山は火の滝下り滝
お燈まつりは南紀の祭り
五百三十八段を
白装束とあら縄で
燃えた若衆かけ上る
春を春を春を呼ぶ祭り
しおのみさき
風の火祭り音祭り
潮岬は炎の祭り
弓で放った火の玉が
串本町の芝を焼く
黒潮太鼓このバチさばき
天に天に天にひびいてる
時
女
礼
子
228
じゅん
こな
とき
不自由でも
宿る時
やど
徳
ああ ふっくらと
粉こねりゃ
さだめと生きる
お と め
いのち
ふっくら
純な乙女が
ふく ふく
福ゝ
あじ
味に命が
か ら だ
たとえ身体が
パン屋さん
はぐく
愛を育む
ゆだ
焼きあげる
や
ああ ふっくらと
み
身を委ね
さ だ め にく
運命憎んで
やさ
つつ
優しい顔して
あん
餡を包んで
乗り越えて
つら
辛 い毎日
パン屋さん
ああ
ふっくらと
健気さは
け な げ
母と育む
い
え がお
生きる乙女の
いのち
命を笑顔で
けしょう
化粧して
こな
粉でほっぺに
不自 由でも
パン屋さん
たとえ身体が
愛を育む
田
啓
229
すい
ふ
よう
白芙 蓉
しろ ふ よう
一日咲いて
酔 芙 蓉
この世に咲いて
朝はあさぎり
ほほえむような白い花
遠いあの日のあの恋を
あゝ
日ざしを受けて ふんわり揺れて
昼はやさしい ロゼの色
長い道のり寄りそった
淡いふたりの夢の花
一日咲いて
あゝ
この世に咲いて
紅の色
べに
ゆうべ燃えます
酔うてうたかた酔芙蓉
愛の深さに身を沈め
あゝ
飛
田
多恵子
230
あした夢
つか
冨
カンパイ、カンパイ、カンパイの
声につられて、ほろ酔い気分
いろんな人に、支えられ
いろんな時に、支えられ
学んで、やって掴んだ、このキャリア
活かしてみたい、このことを
活かしてみたい、これからは
活かしてみたい、これからは
あしたへ夢が、あるかぎり
人生、まだまだ道なかば
人生、まだまだ道なかば
うる
岡
バンザイ、バンザイ、バンザイの
声を聞きつつ、目頭潤む
いろんな人と、やりたくて
いろんな時に、やりたくて
学んで、やってみたいと、思ったことを
やってみたいな、このことを
やってみたいな、これからは
やってみたいな、これからは
あしたに夢が、あるかぎり
人生、まだまだ道なかば
人生、まだまだ道なかば
いっ しょ
ワッショイ、ワッショイ、ワッショイと
宙に舞って、もう夢心地
いろんな人の夢を、聞き
いろんな時に夢を、聞き
一緒に、やってみたいと、思ったことを
助けてみたい、このことを
助けてみたい、これからは
助けてみたい、これからは
あしたの夢が、あるかぎり
人生、まだまだ道なかば
人生、まだまだ道なかば
慶
信
231
能登・女の朝市
人の哀しみ 描 い た よ う な
泪色した 能 登 の 海
身 重 の 体 大事にしろ と
船出したまま 帰らぬあなた
北の漁場は 冷たかろうに
いっそこの子を 道づれに
あれからひと冬 ふた冬過ぎて
今日から私 朝市に出ます
あなたと暮らした 輪島の町で
母子二人で 生きて行きます
富
冬の厳しさ かみしめながら
心優しい 能登の人
微笑みかける あなたの写真
胸に抱いても 報われません
傍で小さな 寝息を立てて
何を夢見る 乳呑児よ
あれからひと冬 ふた冬過ぎて
少しは私 強くなりました
弱きな私を 叱ってくれた
あなたなしでも 生きて行けます
あれからひと冬 ふた冬過ぎて
今日から私 朝市に出ます
あなたと暮らした 輪島の町で
母子二人で 生きて行きます
田
有
232
飲もうじゃないか
いい季節
秋の 夜は
アラ還世代
月もほゝえむ
思い出語るにゃ
愉快なお酒を
過 ぎ て みり ゃ
アラ還世代 の お 前 俺
山あり谷あり
あの時代
明け暮れて
おもしろかったな
仕事仕事で
家庭は女房に まかせきり
と
外
言えないけれど
照れちゃって
思って る
とことんやったと
おかげ様でと
愛しているとは
鍛えてる
エベレスト
今さら言えない この世代
夢は世界の
心も体も
我世代
是が非でも
知っている
笑って生きてく コツなら少し
若い者より
夢中になったら
や ら な き ゃ 済ま な い
やま
山
ひさ
尚
こ
子
233
山坂ばかり
背中にせ を い
人 生 坂
苦労苦の坂
俺の人生
長いようでも 短い命
せめて生きたい 人並に
・
・
・
グビリと飲んで
夢いくつ
夜はあつかん
心の酒よ
拾い集めて
今日を忘れる
さ だ め
ままにならない この世の運命
なくす物な ど な い け れ ど
豊
・
・
・
いつしか夜更け
時には休み
いつか夜明けは やってくる
つか
歩き疲れた
路地のアパート
笑顔で暮らし
き の う
昨日今日と
一度きり
ふるさと
故郷を
生きる人生
忘れかけてた
岡
敏
234
・
・
・
夢 見 川
ゆめ み がわ
くち づけの 跡
あと
はかないの
青く涼しい橋あかり
群れとぶ虫より
は かげ
衿にかくした夢見川
えり
うなじに残る
ああ
あし
葦の葉陰のもやい舟
二人のりです 小舟です
海まで届け
ゆめ み がわ
星を消させた夢見川
ほどいた帯ひも
ああ
たれ
誰が名づけた戻り橋
あなたをお返しする橋ね
うつ せみ いろ
許して夢見川
ゆめ み がわ
空蝉色の別れを吞んで
ああ 月よ
鳥
羽
貞
子
235
握
一期一会の
手
ひ
と
感謝のしるしに
言った男性
大きな手
そっと 包んだ
握手させてと
私の右手を
あの日のあなたの
吹き込んで
握手に
この胸に
「よろしくね」の
恋の予感
そよ風が
恥じらい芽ばえた
故郷のこと
指先のたこ
好きでした
ふるさと
飛び出してきた
語るその目が
ギターつまびく
この胸を
中
のみ込んで
そこだけ固い あなたの手
ときめきが
握手が
かえてくれた
「またあした」の
私を強く
裏がえし
いつも笑いを ふりまいたのは
寂しがりやの
あげていたなら
私が居場所に なってあげると
ずっと包んで
すんだのに
握手は
なくさず に
「さようなら」の
待つ約束
温もりを
また会える日を
咲
結美子
236
昭和未練唄
母が教えて
ひっかけて
くれた唄
男の 胸に
コップ一杯
口ずさむ
昭和生まれ の
酒場の隅で
親子唄
あぁ昭和未練唄
昭和演歌は
俺を泣かせる
なじみ 唄
昭和思い出 心 の 奥 に
今も聞こえる
恋しがる
月をみるたび しみじみと
こ
なつかしい
別れたあの娘
昭和演歌が
瞼の裏に
今日も唄うさ あぁ昭和未練唄
昭和町並み
情け唄
と ま らな い
過ぎた昔と
にんじょう
なみだあふれて
昭和演歌は
あぁ昭和未練唄
宝物
人情あ つ い 絆 唄
命ひとすじ
長
澤
あきら
237
れんげ花
思い出 す
汽笛鳴るたび 心が痛む
別れ出船を
結びもするが
涙がひとしずく
切れた糸なら
なんとしよう
つむぎ織る手に
縁 切れたら
肌のほてりが
あの時言ったのに
忘られぬ
抱かれた夜の
すぐに帰ると
三年 すぎた
月の浜辺で
島を出てから
ん
え
連れて来て
は
南風よあの人
流れる歌は
や
な
ご
屋仁川通りに
島の唄
か
ため息二つ三つ
恋人を偲んだ
グラス見つめて
したって いいと
れんげ 花
どんな苦労も
思う奄美の
な がた
恵
秋
238
き
あ
永
田
聖
お馬も人もガンバレ!ガンバレ !
と
産 ま れ た そ の 瞬 間 ゲ ー ト が 開 いて
そこ から 人 生 始 ま っ た
ポ ン と 飛 び 出 す 奴 が いる
ポ ツ ン と 出 遅れ 後ろ から
追 っ つ け な がら の 奴 も い る
道 中 な に か と ご ち ゃ つ いて
出 る に 出 ら れ ぬ 奴 も いる
がむしゃら
だけど直向 走るだけ
人 生は 逃 げ て も 追 っ て も 苦 し い も の さ
つら
生 き て る だ け で 辛 い と 思う
こぶし
そ ん な 時 で も 拳 を 振ろ う
な
背 負 っ た 期 待 に カ ン カ ン 嘆 いて も
お 馬 も 人 もガ ン バ レ ! ガ ン バ レ !
いよ いよ 最 後 の こ の 直 線 に
たど
な ん とか か ん と か 辿 り 着く
行 っ た 行 っ た で 逃 げ た奴
アラ アラ いっぱ い どう したの
出 遅 れ 辛 抱 して た 奴
マク って 一 気にや って 来た
出 る に 出 ら れ ぬ 奴 だ って
隙間こ じ あ け 伸びて 来る
つね
人 生は ま まな ら な い の が 浮 き 世 の 常 も
ま まな る よ う に 頑 張 り た い ね
ど ん な 時 で も 拳 を 振ろ う
背 負 っ た 期 待 にカ ン カ ン 嘆 いて も
お 馬 も 人 もガ ン バ レ ! ガ ン バ レ !
そ う だ そ う だ よ そうな んだよ ね
人 生 つ ま ずく た び に 味が で る
お 馬 も 人 もガ ン バ レ ! ガ ン バ レ !
ばん
かちどき
ゴ ー ル 板 め が け て と び 込め 鬨 だ
子
239
可愛い あ の娘
こ
揺れている
稲穂の波が
塚
ふ る さと
長
「デカンショ」の故郷
山が育てた
手招くように
幼馴染みの
来るだろか
日暮れ待つ
デカンショ祭り
今年も踊り に
たん ば ささ やま
丹波篠山
くるくる水車
京
(
子
)
寝て暮らす ヨーイヨーイ デッカンショ
デカンショ デカンショで半年暮らす ア ヨイヨイ
(
)
すぐ戻る
恋しいあの娘
総おどり
櫓の上は
やぐら
あと の半年
点る提灯
手拍子響く
どこにいるのか
故郷よ
デカンショ祭り
顔見りゃあの日に
丹波篠山
ぶ
一年振りの
(
)
(
)
ろ
海の底 ヨーイヨーイ デッカンショ
山奥なれど ア ヨイヨイ
し
浮かび出る
盆地の城跡が
霧の降るときゃ
丹波 篠山
霧が晴れたら
ぼかし絵のよに
逢えてよかった いとしいあの娘
胸の 内
武者踊り
デカンショ祭り
今年は告げよか
丹波篠山
思いも熱く
240
口べたで
そこがいいのよ
世渡り下手で
惚れたのも
何も云えない おひとよし
そんなあんたに
私には
いつも穏やか 気もやさしくて
そこがいいのよ
下手な人
惚れたのよ
出来なくて
生き方までも
悪い事など
だからあんたに
いつも気遣う その思いやり
私には
あるという
そこがいいのよ
人生三度
見逃した
信じてる
二度のチャンスは
残る一つを
来る楽しみを
私には
いい日必ず
そこがいいのよ
私には
那 須 野
巌
241
浮世の中で
役者ばか
捨てるばかりの
理不尽ばかり
親に貰った 心根一つ
善しも悪しくも
乗り越える
愚痴を吐いても どうにもならぬ
苦労苦労を
何度も泣いて
武者修行
何度と惚れて
恋愛なんや
男一匹
それが本当の
役者道
コップ酒
寂しさ癒す
耐えて忍んだ 裏町酒場
男心の
人情濃い口
俺の人生
一人の時も
魂を込める
他人が居てへん
稽古稽古に
舞台にゃ立てぬ
役者ばか
薪をくび
役者の薬
なまじ楽すりゃ
辛抱辛抱が
心の中に
燃やせ一代
難
波
伸
安
242
何故
何故
何故
陶 酔
・ ・ ・
・ ・ ・
・ ・ ・
し
・
・
・
・ ・ ・
・ ・ ・
・ ・ ・
ふたりには
涙がでるの
愛すると
仁井谷
~愛に溺れて~
こんなにも
好きになったの
き
くちづけは
と
時 間 は流れ
甘くせつないの
秘めやかに
夢をみるの
終わりが来ても
めくるめく
たとえこの世の
離したくない あなたを
何故
何故
何故
さよならがあるの
眠る胸は
いだ
抱かれて
ほ
見知らぬ星座に
匂いなのに
いっそこのまま
今すぐ
幸せの
つれて逃げてよ
・
・
・
き
時 間 は流れ
と
秘めやかに
夢をみるの
終わりが来ても
めくるめく
たとえこの世の
離したくない あなたを
俊
也
243
・
・
・
め
め
西
しょう ご
今はもう声もきけない
想い出してごらん
瞳を閉じて…
瞳を閉じて
あの時のあの笑顔を…
この悲しさを この苦しさを どうしたらいいのでしょう
とまらないけど
なみ だ
泪はまだまだ
生きていきます
わ た し
いつまでも消えぬ温もり
想い出してごらん
私達は耐えて
め
瞳を閉じて
泣きながら手を求めて…
むな
この悔しさを この空しさを どうしたらいいのでしょう
星を見上げて
きら
夜空に煌めく
生きていきます
わ た し
色々な試練を与えて下さいます
私達は耐えて
台詞「神様は 私たちに
それでも乗り越えられないような試練はないのです」
この悲しさを この苦しさを どうしたらいいのでしょう
とまらないけど
なみ だ
泪はまだまだ
生きていきます
わ た し
私達は耐えて
244
終えた夜
母の宝物
母の葬儀を
富士山に立つ
着ていた服に セピアの写真
明るく笑い
好男子
や さ し い 母の
若かりし頃の
涙ながらに
知りました
朝夕に
父への思 い
野暮だ間抜けと
けなした母の
死んだ父
笑って聞いて
いつも威張って
そんな言葉を
定年間際に
夫婦のホンネ
いたんだね
この写真
初めて触れた
黙って語る
そっと眺めて
四十年も
手垢の染み た 大 事 な 写 真
父のすべてを
飾っておくよ
愛してたんだね お母さん
並べて二人
仲良くしな よ こ れ か ら は
西 井 戸
学
245
未練はないわ
未 練 節
あんな男にゃ
すべ
生きてく術は
未練節
男にたよらず
知っている
強がり女の
知っていますよ
背がほしい
せ
でもねでもさあ やっぱり女
今夜はすがれる
男じゃないわ
未練節
あいつばかりが
強がり女の
大きく見える
いわし
逃がした魚は
鰯でも
こざかな
しょせん小魚
うず
また疼く
情無し鷗
かもめ
愚痴ってみても
心の疵あと
一人や二人
でもねでもさあ
あんな男の
未練節
あいつは浮気な
どこ なりと
じょうな
強がり女の
飛んでおゆきよ
広すぎる
でもねでもさあ 今夜も一人
一人のベッドは
西田
ただすけ
246
作ってくれ た
泣きたい夜は
兄 貴 風
ツラ
俺が辛くて
黙ってラーメン
無口な兄貴の そのぬくもりを
生きてきた
兄貴 兄貴風は
心の支えに
兄ちゃん
あったけぇ
溺れた時も
広い東京の
南風だよ
鳥羽のカッパが
ネオンの海で
ゴツンと一発 兄貴のこぶし
目が 覚めた
厳しい ぜ
兄貴 兄貴風は
骨身に沁みて
兄ちゃん
北の風だよ
小言が肴
コ ゴト
守ってくれた
西
いつもはなれぬ キンギョのしっぽ
泣き虫弱 虫
二人で飲む時きゃ
してくれる
兄貴 兄貴風は
それでも心 配
兄ちゃん
親父がわりだ 感謝だぜ
谷
千
晶
247
まわり灯籠
ひとくぎり
いつしか過ぎて
人生なかば
きたようで
虹も嵐も
何か忘れて
探しにきたよ ふる里の街
青春の夢
淡い恋
思い出 す
無人駅舎の うすれた文字に
流した涙
まわり灯籠
今日も追う
とまらない
巡る夢
人は夢路を
いつかは晴れる
あれもこれもと
曇りのち雨
泣いて笑って ふりかえる
返せなかった 親の恩
寄り添う桜
詫びに来ました ふる里の街
古い空き 家に
夢みろと
風に聴 く
男一生
母の言 葉 を
辛くとも
つら
今がどんなに
あるかぎり
今日も追う
明かりひとすじ
人は夢路を
見上げた 空の 輝 き は
押す青さ
まだ続く
そっと背中を
人生夢は
西
原
孝
夫
248
店灯り
坂
ほっと安らぐ
人生を
絆
重荷背負うて
た
道ずれで
ここまでこれたわ これました
う
音楽が縁しの
絆坂
何んとか出せたね ふたりのお店
夢をえがいて
寄り添いで
おや
苦労買うての
父の一言身にしみる
どこまでも
あればいい
雨風吹うと
生きる強さが
魂に秘めて
こころ
必らず来る春
のぞみ坂
す
店灯り
あ
明日を信じて
守り続ける
目に浮ぶ
おや
喜びに
父の微笑み
辛抱涙は
絆坂
想いを胸に
うたはこころの ふるさとよ
選んだこの道
ともにふれあう
西
平
としこ
249
仰いでは
夢の国
片隅に
富士の山
太平洋の
小さい島の
大志 いだいて
育てきた
心を
こころ
幼な
厳しい 雪の山
秘めながら
富士の子供なる
父の声
富士の山
自然
ふるさと
心の故郷
山を指差し
おまえは
胸に厳しさ
人になれ
人にやさしく 思いやる
天を仰いだ
失敗重ねて
七つ転んで
くじけずに
起きあがる
八つ起き
富士の山
廻り道でも
喜びを
心の故郷
生れ育った
富士の山
母にあげ たい こ の 笑 顔
ふるさと
心の故郷
西
山
和
風
250
お ま え
女房の寝顔
すべて家庭は
かけてた俺さ
女房に任せ
お ま え
仕事馬鹿
苦労ばっかり
甲斐性のなさを
仕事仕事の
俺の我がまま
仕えてくれる
女房の寝顔
お ま え
責めもしないで
そんな優しい
そっと手を取り
来れたのも
涙する
いまさらながら
俺がここまで
支えがあれば
感謝感謝と
みんな女房の
元気に二人
自分は行かず
お ま え
孫もそれぞ れ
旅行一つも
尽してくれた
女房の寝顔
お ま え
俺と子供に
少しやつれた
ごめんご めんと 心 で 叫 び
詫びる俺
愛していると
男涙で
いまも好きだよ
女房の寝顔
お ま え
じっとながめる
おまえには
すまぬすまぬと 両手を合わせ
せめて幸せ
西
脇
照
芳
251
逢えてよかった
何も知らない浮世の風が
運んで来ました恋の花
あなた痛いよその顔鬚
だけど忘れぬこのぬくもりが
今が一番 幸せと見合 す 二人
逢えてよかったねえあんた
何を言っても笑顔で返す
しっかり結んだこの絆
切るに切れない強い糸
人が羨む仲睦まじさ
今が一番嬉しいと言い合う二人
逢えてよかったねえあんた
風の訪りも空とぶ鴈も
あなたのやさしいその心
これでもいいのよ離れない
何もいらない愛していれば
今が一番好きだよと抱き合う二人
逢えてよかったねえあんた
西
脇
求
252
誠一筋 金次郎
沼
田
昭和十一年三月
老舗米穀商 沼田家十代目 沼田輿右衛門が道徳の
退 廃 と 農 村 の 貧 困 を救 わ ん と 米 谷 小 学 校 に
二宮金次郎(尊徳)の石像を贈り
当時 米谷小学校六年生 三女 甲子。
米谷小学校三年生 後に作詩家
沼田落葉となる 四男 昭三郎と共に除幕式。
平成二十三年三月十日 午後二時四十六分発生の
東日本大震災により倒壊破損。
平成二十五年十月 沼田家十一代目
沼田昭三郎が銅像として再建す。
親の教えを 心に抱いて
曲がったことが 大きらい
何から何まで 真っ直ぐに
苦難の道も 越えて来た
これが誠の 人生さ 人生さ
朝日精麦 その名のとおり
朝は早 起 き 勤 勉 努力
誠 一 筋 生涯 青 春
さら
たとえ乱世に 身を晒すとも
筋道だけは 通したい
幸せ夢みて 積るほど
愛しているは お前だけ
大震災で辛い目にあっても、
夢を捨てずに笑顔で頑張っている
たくさんの方々に捧げます。
照る日曇る日 嵐の日にも
ふ た り
夫婦で歩く 浮世道
こ こ ろ
寄り添う愛情で 耐え忍び
苦労の重荷 分けあった
こ れ が 誠 の 道なの さ 道なの さ
落
葉
253
中房総 ふたり旅
いと
苦労かけたと 目で詫びりゃ
そ っ と 頬 笑 む お 前が 愛 し
薄い肩
ば
ら
な ~ が ら
NO
ち ょう な ん
長南町
おんじゅ く
か つ う ら
今日は水入らず
長柄町
二人なりゃこそ ここまで来れた
けん おう どう
細い襟足
も
茂原市
圏央道 ふたり旅
い ち は ら
市原市
すべて忘れて
中房総
いすみ
夢の旅
き
勝浦市
尽くしてくれた
支えてくれた
肩を落とした 辛い日も
強い気持ちで
こんな男に
た
御宿町
せめてあげたい 思い出を
お
圏央道
お
大多喜町
むつざわ
未来旅
情けよせれば 燃えるしぐれ宿
中房総
い ち のみ や
※圏央道
明日を彩るよ
一宮町から睦沢ま~でも
命かさねて
中房総
MOSS
254
愛の巣捨てて
愛すればこそ
つみかさねた
別れの旅に
見知らぬ町で
七色の虹にあこがれ
季節めぐり
苦労がにじむ
めぐり逢う
求人欄
見慣れた姿
手に新聞
俺にしがみつき 泣きじゃくる
泣 け 泣け
細くやせていた
枯れるまで
そのからだ
涙
瞳が輝き 心が晴れる
もう離さない いつか来た道
手をつなぎ 倖せもとめて
歓びほしい
野
刺激をもとめ さ迷い歩き
顔をのぞかせて
もっと広く
世間に
思いのまま
深く傷をおい 悔やまれる
泣 け 泣け
愛し合っ た日々…
枯れるまで
抱き合った
※涙
いつか来た道
瞳が輝き 心が晴れる
*もう離さない
手をつなぎ 倖せもとめて
※ 繰り返し
* 繰り返し
沢
冬
子
255
つらいから
また濡らす
細腕を
女の夢灯り
暖簾とりこ む
冷たい雨が
ひとりぼっちは
傘のな か
酔わせてほしい
しのび酒
灯りさがして
女ごころを
夜の裏町
ネオン川
愛 に は ぐ れ た 哀しみ も
いやしてくれる
さとすよに
燃えていた
泣いちゃだめよと
いつも背 中で
寒さにたえて
面影が
恋なのに
むかい風
花はいつ咲く
夜の裏町
遠く遙かな
いまでも胸に
生きられる
そんな未練は おもいきり
あ し た
ながれ星
くれるでしょうか
捨てりゃ明日が
夢を叶えて
夜の裏町
のせ
よ しあ き
256
釧路の灯り
さ だ め
灯りにすがり
みなと町
好きで添えない 運命に負けて
流れ女の
幣舞通りの
慰める
ぬさ まい
酒で自分を
ひとり身をひく はかない恋よ
夜更けの霧笛が
責めてくれるな
赤いネオンが
嘆くな恨むな
思 い 出す
寂しく呼んで
薄情け
悲しく誘う
釧路の灯り
な
ひどい仕打ちを
どんな小さな 幸せでいい
生きてくために
明日を励ます 釧路の灯り
辛いこの世に
掴んでいくの
いっそ想い出 捨てるだけ
これから幸せ
釧路の灯り
明日にかけて
あ し た
未練振り切り やり直す
の ぞ み
希望新たに
夢が待ってる
の
べ
ひろし
257
夫 婦 傘
茶碗二ツに
知りながら
鍋釜一ツ
押掛け女房に なった日は
先の苦労を
いつの世も
だしを入れ
我慢心抱
同じもんだと
夫婦碗
アパートで
味噌汁すする
夜風が泣いてる
かまわない
まくら も 一ツ
こんな暮らしで
一緒なら
布団一組
惚れたあなたと
なにもいらない こわくない
絵のように
流したなみだ 杖になる
逢いあい傘 の
二人寄り添う
日もくると
思い出は
にぎる手と手は 心も一ツ
いつか話せる
胸にだき
夫婦傘
妻という名を
持ちつもたれつ
羽
澤
文
子
258
濡れながら
冬の貝殻
冬の渚に
横顔に
海がある
微笑むあなたの
私の届か ぬ
暮らしても
花に溺れて
あなたに恋した 貝殻は
花に狂いて
花にまどろみ
いざよう波に 漂いながら
舞飛ぶことも
背を向けて
忘れてる
まい と
冬の浜辺に
黒髪に
海がある
悲しむあなたの
私の届か ぬ
波に沈み て
あなたを愛した 貝殻は
波に流され
と
き
波に溶けゆく この身でも
貝殻は
こ
刃向いながら
ふね
時期の定めに
舟を漕ぐ
ひ と り よ
一人善がりの
あなたに尽くした
愛に溺れて
春の 日に
愛に狂いて
愛をまさ ぐる
抱きしめながら
砂の中
愛の残り火
寂しさこらえ
橋
本
和
郎
259
出会った時から
の ぞ み
気付けば
追いかけ続けた
・
・
・
振り向いてくれる
あなたの背中
きっと
今も
のぞみ
消せず
雨の日の陽射し
少女のような
時には
いつか見た孤独に
・
・
・
振り向いてくれる
潰されそ うで
きっと
時も
のぞみ
揺らぐ
あなたはひとりと
少女のような
世界に
言うあたりまえの
・
・
・
のぞみ
振り向いてくれる
奇跡噛みしめ
きっと
少女のような
胸に 今も
橋
本
真寿美
260
糸を引き
指 の 涙
酒がみれんの
目をつむ れ
落ちる夜
浮気癖なら
くれたけど
涙が指に
誰か諭して
酔っている
許せなかった あの人を
浮かべて今日も
飛ぶ鳥の
憎めぬ嘘と
抱かれて
羽根の彩
いろ
さんざ泣かせて
冷えた翼に
なぐさ め た
いだ
火照る躰を
いつか忘れ た 思 い 出 を
ひたひたと
拾って今日も 酔っている
指のすきまを
さみしく濡らす この涙
湿らせる
跡濡らし
つらい心を
行き場所を
抜いた指輪の
落ちる涙の
探して今日も 酔っている
長谷川
諭
吉
261
呼んでいる
男の海だ (大洗編)
呼んでる
男の海が
帰って来いと
俺のふるさと
辛い時には
声がする
大洗
おおあらい
幼なじみの
大洗
となり
水戸の隣の
情け港の
か しま な だ
さらわれた
貝獲りながら
男の海だ
鹿島灘 鹿島灘
俺を育てた
あん
波にザブンと
エチコ 焼 き
兄ちゃ姉ちゃと
家族そろって
味だった
しょ
少し塩ぱい
呼んでいる
し ぶ き
呼んでいる
男の海が
ゆ か た
波の飛沫と
捩じり鉢巻き 大漁浴衣
乱れ打ち
あ ら そ
荒磯太鼓の
大洗
きん ぱ ぎん ぱ
大洗
金波銀波の
俺のふるさと
ハ チ ャ ン ・K
262
越中おわら
やつ お まち
八尾町
華が咲く
灯りが揺れる
笠の一連
艶やかに
あで
貴女の姿
風の盆
夢を見る
おわらの盆は
指しなる
今宵一夜の
囃子に合わせ
美しい
はっとり
恋の唄
いるようで
口元が
ゆび
息を飲むほど
もと
微笑みかけて
貴女から
笠の下には
目が離せない
抱きしめて
言うつもり
おわら明けたら
離さないよと
男衆が
恋の盆
かな わない
おとこしゅ
あなたと踊る
うらやましくて
おわらの盆は
せいこ
263
買い物ポンチョ
ハマ・イチロー
童謡「ポンチョのうた」
ポンチョ
服えらび
ポンチョ
幼いこどもの
ハルトとアヤカ
大さ わぎ
かけずり回る
女店員 てんやわんやの
お食事ポンチョ
ひる休み
吹く風に
ポンチョ
外国船が
ママ やっと財布をひらきます
窓の外
ポンチョ
港の汽笛が
流れてきます
ボートのスクリューに
やさしくのって
うず
窓あけ手をふれば
渦まく
ママ ハルト
アヤカ居ねむり鼻堤燈
はな ちょうちん
腹いっぱい
264
飲む酒は
面 影 酒
さかな
楽しい事が
味がする
面影を一人肴に
別れ話の
まぶた
想い出し
瞼をとじれば
ひとつふたつと
重なり増えて
つら
なおさら辛さが
林
手を添える
酔えない未練酒
な
恋しさばかりで
せ
温もりは
ぬく
後を追い背中に震える
払うあなたの
木枯らし呼んで
むな
泪する
今では虚しく
こころ寒 々
ざけ
病葉泪酒
わくらば
忘れぬ面影 心の隅で
悲しく枯れてく
くつ あと
靴跡を
後を追う
雪が舞い歩く小道の
消える時間が
自分が憎い
面影手じゃく酒
二つに破り
おぼろげに
あなたを追えない
恋の苦しさ
想い出写真を
夜空に飛ばした
伸
265
届いたら
未練がうずく
別れ た男
女のために
砂が泣く
姉子泣き砂
姉子の浜の
捨てられ迷う
三年三月で
忘れられずに
砂の泣く声
戻るでしょうか
よ
も一度縁りは
ひと粒の
逃げ 去るように
吸われて滲む
ひと足ごとに
涙が砂に
博多の街から
ここに来たけど 心は博多
ねえ助けてよ
眼をやれば
夕日が沈む
染まっても
海の向こうに
波の背紅く
砕けて散るわ
いれおくれ
明日は来ない
今さら何を
つれないままに
離れた心に
言ってみたって
砂よ泣かずに
死んだりしない 涙枯れても
林
利
紀
266
か の や
おゝ すみ もの がたり
大隈物語
鹿屋の街で恋を捨て
ま こ と
佐多の岬で泣きました
うそ
嘘と眞実の別れ道
か
馬鹿よね
げ
知らぬ私じゃなかったが
馬鹿ね
あゝあの日の面影が憎らしい
うわさ
貴方はもういない
噂にたより内の浦
行けば
あの日誓った約束は
馬鹿よね
過ぎた昔の夢ですね
馬鹿ね
逢いたいと
ひしだ川
串良街
くし ら まち
あゝ燃やした想いなつかしい
こう や ま
高山尋ね
遠い想い出
あなたも一度
し
ぶ
し
馬鹿よね
未練涙に目がうるむ
馬鹿ね
あゝ志布志の海に鳴る汽笛
原
伸
二
267
ゆう
友
たのむたのむと
俺のこの手を
じょう
情
しぼった声で
握ったあいつ
しずかに俺も
耳にひとすじ ながれた涙
見つめ泣いたよ
お前が愛した お前の妹
原
忘れはしない
愛して生きると
さんびゃくに ごう しつ
お前よりもっと
三〇二号室
今も今も
誓った
窓の初雪
瞳の奥で
笑ったあいつ
力尽きゆく
そっと優しく
遠いむかしに 会わせた日から
知っていたよと うなずくように
咲いてる胸に
しあわせあげると
お前が愛した お前の宝に
男の約束
誰よりもうんと
誓った
窓のさざんか 今も今も
お前が愛した お前の妹
忘れはしない
愛して生きると
今も今も
男の友情
お前よりもっと
誓った
窓の初雪
文
彦
268
命
頂いて
運
この世に命
この浮世
夏が過ぎ
私は生きる
春が来て
冬が来る
人生いつも
前向いて
浮き沈み
一喜一憂
めぐり逢い
秋が去り
き
いろんな人の
と
私は生きる
強い太陽と
廻る季節私の心
花が咲き
雪が舞う
辛くとも
ひ
落ち葉散り
この身がいくら
歩き続ける
原
華に生きたい
つきまとう
がまんして幸せ捜し
寂しさだけが
それでもと
哀しさと
私は生きる
嬉しさと
焦る身と
誰が知る
冷たさと
私の心
あ し た
夢の世の明日はせめて
夕
実
269
蓮華の命
天空に半月が浮かび
水面を白く光らせてる
泥水にまみれることなく
咲き誇る蓮華の花のように
苦しみに満ちた世界でも
揺がない心を持ちたい
むきだしの心の行く末
複雑にからみ合うとしても
そう あきらめたりしない
そう 華は散らない
馴れ過ぎていた悲しみなど
過ぎてみれば同じこと
死ぬことなど恐れない
生きることの儚さ知ったから
身体の中に静かに
命の火が燃え上がる
満ち欠けを繰り返す月は
人の心を虚ろにする
夜露に濡れて光っている
匂い立つ蓮華の花のように
美しさの裏に隠れた
堪え難い苦しみの果てに
彩やかな命の目覚めが
私をおだやかに包み込む
ねえ 私をすべて許し
ねえ 華は枯れない
夜明けの時が近づいてる
崩れて行く哀しみが
泥水に映り込んだ
月がじっと私を見つめてる
狂おしく一途だった
命が今花開く
美
山
明
葉
270
バッグ一つで
夢千里
降りた駅
哀愁の宿
あなた捜して
人なのに
にじむ夜
後を追う
逢っちゃいけない
罪を知りつゝ
なぜか涙が
哀愁の宿
ネオン街
あゝ愛をかえして
暗い灯影の
風の噂に今日も来た
詫びたいの
ま
過去を流 して
冷めぬ間に
たのみます
さ
愛のぬくもり
どう か逢わせて
哀愁の宿
邪魔をする
じゃ ま
苦さ連れ
にが
ああ恋のせつなさ
雨も夜風も
たず
もう 一度
募らせる
消えぬまゝ
あなた尋ねる
胸の炎は
未練ばかりを
どう か逢わせて
ああ夜が悲しい 哀愁の宿
菱
田
茂
子
271
ふるさと
故郷は
なつ
今
懐かしき里
今
故郷は
故郷は
ふるさと
子供の頃に
丘に立ち
追いかけて
星の輝く
夜はホタル
せせら ぎ に
どじょう追う
清き流れの
沢カニ取って
鳴きやまず
懐かしき友
物語り
たんぼのカエル
今
子供時代の
故郷は
三つ編みに
おさげ髪
あの顔が
あの友はどこ この友は
面影浮かぶ
髪の長い
赤いリボンの
あのニキビ顔 しゃがれ声
物語り
どうしてる
今は遠い
故郷さがし
会いたい友は
今は昔の
あの丘に
どこにきえたか 山川も
ビルが建ってる
夢の中
今はマン ション ビ ル の 谷
遠い―遠い
肥
田
晃
輔
272
村の
ばば
と
も
と
も
揃えば
集う
老 友と
会
笑顔
杖つき
ば せい
村で
泣き…
も
老友は
と
井
ほしかったョ―。
老友は
罵声が
平
老友と 語る 心の声
細道
嫁こ
お 婆 同志の
むか
昔しの
笑い
小さな
ほしかったョ―。
夢がたり…
想い 語れば 泣き
遠い 昔しの
あ… 優しい 言葉が
集まり
主さんの
も
老 友の
別れた
と
この世
話し
ぬし
想い出
燃え立ち
背中に
マグマ
あ… 優しい 言葉が
集いの
一度の
年に
福の神
倖せ
生きようョ―。
祈り
越えて この世は
叩き
膝
辛坊
しん ぼ
笑い 暴 れ て
苦労
ばば
お婆 笑顔で
まご こ
孫子の くらし
あ… 優しい こころで
歩
果
273
夢でした
諦らめたのよ
女の旅路
未練はないわよ
いけない恋は
死ぬより哀しい お別れを
最後に一つ
小さなカバン
覚悟です
黙ってするのも
女が決めた
こんなに重いの
いいかしら
思 い 出 だ け を 詰め たのに
のぞ
何から捨てれば
び
海辺の酒場
要らないわ
あれほど希んだ 妻の座だけど
た
女の旅路に
漁火ちらちら
ひとりで知った 酒の味
ある筈よ
して下さいな
一緒にどうです おかみさん
昔のはな しを
女に過去は
平
井
健
一
274
ご じゅう ねん
わか
あか
別れる日が来ると
五 〇 年の灯り
いつか
判っていたが
ごじゅうねん
知ってはいたが
永かったのか
なが
五〇年
早かったのか
流れおち
君と暮して
涙 ひとすじ
わ
今悟る
と
永久の別れを
こころ
心 残すな積木の街に
また誰か積む
五〇年
ごじゅうねん
積んでくずして
走り続けて
悪かったのか
消えてゆく
これでいいのか
煙のように
今悟る
わ
ひとりの旅立ちならば
と
永久の別れを
あわれ
笑顔で
五〇年
ごじゅうねん
見送ってくれ
せめて
君と暮して
刻んだ 幸せを
思い出し
胸に
とろり〳〵と
わ
今悟る
と
永久の別れを
ひら
平
やま
山
き
よ
こ
貴容 子
275
帰って来ました
ふう
東 京へ
風
まさ
雅
ニュー東京オリンピック音頭
ハァーアー
ソレ
孫を連れ
ヨヨイノヨイと
みんな待ってた オリンピックが
手拍子合せ
シャシャンとシャンと
広げよう
世界 へと
五輪の絆で
爺ちゃん婆ちゃん
日本の平和を
ハァーアー
今日は嬉しい 開会式よ
足取り軽く ソレ
獲れた日は
と
一、二の三、四 ワン、ツー、スリー
ひた走り
永かった
聖火を夢見て
五十六年は
黄金のメダルが
浮かれて踊る
こ が ね
ハァーアー
富士のお山も
国旗を仰ぎ ソレ
貰おうよ
君といっしょに
元気をいっぱい
ありがとう
君が代歌う
アスリート達よ
や
也
276
さす
らい
浪
背中をむけて
流
沈む夕陽に
さすらい歩く
見知らぬ町へ
何をさがしに
思いを胸に
俺は旅する
愛しあの 娘の
名もない町が
ただただ旅する
峠越えれば
待ってるように
宿無しカラスが
俺の帰りを
おまえの笑顔
裾野に咲いた 儚い椿
思い出させる
いつの日帰らん
ゆきずりの宿
忘れぬ望郷
一夜かぎり の
泣いて笑った 哀しいえくぼ
人生旅する
男の旅路
優しく抱いて やりたいけれど
今は儚い
いつの日お前と
福
山
しゅん
277
藤
二人で力を合わせて
私の悩み
あなたの悩み
あなたの悩みは
私の悩みは
あなたの優しい 微笑みを受けながら
手の平があたたかい
あなたと私は
女の気持ち
あなたと合わせた
尽したい
いつまでも
あゆみます
するものなのと
風のそよぎを聴いて
苦労は二人で
教えてくれた
倖せ の溜息を
あなたは囁き
あなたの豊かさ
手の平があたたかい
あなたと私は
あなたのものよ
あなたと合わせた
何もかも
いつまでも
夢を見る
弁当作る
温泉めぐり
染みを数えて笑い
何時かは二人で
楽しみ重ねて
花が咲き花が咲く
あなたと今夜は ワインでもかたむけて
昔の話し に
あなたにあなたに
生きてゆく
あなたと私は
尽したい
いつまでも
四季の流れ を 見つめ
外 美 子
278
こまるのことよ
足跡みつけ
不
ヤメテヨヤメテ
私の私の
とやかくゆうのは
誰にもあるのよ
は な し
過去ならあるのよ
傷つき転んだ 昔の失恋を
あぁ
あ
二
あ こまるのことよ
た
好きだった彼がいるの
な
今更持ち出し 泣かせる人ね
過ぎたあのひが
別れて近くに
私と踊る
合わせた思い出
あなたと開くの
夢にも出てきて
心の扉を
虹色グラスを
な
た
あ こまるのことよ
浮かんでくるの
あぁ
あ
好きだった彼がいるの
良いことばっかり
過ぎたあのひが
瞼を閉じたら
あぁ
あ こまるのことよ
注ぎ 足しの飲むの
渦潮どうり
寂しいものなの
好きなの今でも 心が騒ぐ
一人の心は
女の心の
思いで酒なら
過ぎたあのひが
美
風
279
む か え
すい
と
はな
が
す
じゅ うたん
ショ ウ シ ャ
シル クハッ ト
華の鹿鳴館
き
落 ち 葉 の 絨 緞 日 比 谷を ぬ けて
浮 か ぶ 花 瓦斯 黒 き 門
進む砂利道 キャリッジの
迎 賓 の花 火 菊 模様
池のほ とり の アプ ローチ
奥様 お手を 山高 帽
粋を こ ら し た 白 亜の つ くり
文 明 開 化 の シ ン ボ ルここ に
時代 の夜明 け
や か た 瀟 洒 の 鹿鳴 館
と
き
藤
ス テ ッ プ 踏 み ま しょ ウ イ ン ナ ー ワ ル ツ
バッスルスタイ ル 手に扇子
テー ルコ ー トの 高 官 の
ワイン片手に 身振りそえ
異国 言葉 の ご 挨拶
舞踏 手帳 に シ ャン デ リア
まわ り ま わ って ポ ル カ の 調 べ
気持 とけ 合う ファ ン シ ー ボー ル
時代 の 流 れ
やか た 華やぐ 鹿鳴館
う
ち
いし ずえ
と
き
お と こ
そ
チ マタ
と
シン セイ
は な し
や く そく た だ し
フ
鎖 国 や 開 国 や の 幕 末 明 けて
明 治 ご 維 新 ひ た走 る
茶化 す巷に じっと耐え
ハ ー ドな 交 渉 国 在 り て
礎 つ くる 新 政 府
日 本 に尽 く す こころ 意気
欧化 政策 条 約改正
男子 の 決 め ご と 歴 史 の 船 出
時代 の終わり
や か た 外 交 鹿鳴 館
浦
譲
280
いくとせ
藤
逢いたい、もう一度
ふるさと
母の形見の、バッグを肩に
な
故郷後に、幾年過ぎて
都会のくらしに、慣れました
あなたの優しさ、胸に秘め
つらいことにも、耐えてます
母さん逢いたい、もう一度
小部屋の隅に、古びたバッグ
抱きしめながら、帰らぬ日々の
あなたの面影、しのびます
あ し た
季節はいつしか、移り行き
明日の空は、秋の空
母さん逢いたい、もう一度
夢にまでみた、愛する人と
あなたの元に、お参りします
あか
思い出の道 に 、今頃は
紅く燃え咲く、彼岸花
一緒に見ましょう、三人で
母さん逢いたい、もう一度
川
俊
治
281
琴平慕情
木枯らしの中
琴平駅に降り立てば
表参道
今年の秋は早く過ぎ去り
セーターだけじゃ寒すぎて
ひらりひらりと蝶々のごとく
琴平のまちに雪が降る
こんぴらさんの石段を
今年はひとり登ってみるの
あなたの声が聞こえたようで
耳を澄ませ ば 風の音
あなたの影を遮るように
琴平のまちに雪が降る
あなたの姿
ひとり忍んで
重ねてみるの
遠く霞むは飯野山
届かぬ思い
巡り会いたい もう一度
どうせ降るなら積っておくれ
琴平のまちに雪が降る
藤
﨑
光
282
鎌倉ものがたり
鎌倉駅から左に行けば
そこは雪 の 下
こ ぶ く ろ
しゃれたお店が立ち並び
巨福呂坂へと続いてる
丁度五月の晴れた日で
白い帽子がよく似合う
君は華やぐ蝶のよう
お寺の庭には牡丹が咲き乱れ
眺めていたよ
いくつも変り
僕の鎌倉ものがたり
いつまでも二人
ああ
あれから季節が
古都は雪化粧
遠い歴史をしのばせる
五山の椿は何思う
※ 肩に舞い散る白い雪
花のよう
はじく指先 ふれ合って
紅い唇
藤
切なく過ぎゆく時間を追いかけて
心に刻む
僕の鎌倉ものがたり
とこしえに君を
ああ
僕の鎌倉ものがたり
※ くりかえし
ああ
村
誠
一
283
あゆ
禁じられた思い出
いくさのが
藤
戦逃れ歩む人の
はず
ゆう げ
しば しなぐさむ
本
倒れこんだ草のいきれ
たお
あれは遠い夏の記憶
あり
ね
足の痺れ
は
しび
動き続ける
かわ
長い列が蟻のように
のど
喉の渇き
ちょう
ほとり
白い蝶の羽根のそよぎ
ほこり
た
埃まみれ川の畔 村の外れ夕餉らしき
つら
飢えの辛さ
ひさ
尚
ごころ
耐えがたくて
にお
やすらぐ
そそ
捧ぐこの歌
ささ
生き残りて注ぐ涙
祈り
いの
匂い流れ
め
ここにありと
はしゃぎかける子ども心
だま
みこころ
黙りこんだ大人たちに
しゅ
主の御心
いのちはる
命遥か空に召され
よ
争いなき世を願いて
子
284
ま
ち
夕日が沈む
ひ
悲しくて
こ の 港 町は
黄昏KOBE
黄昏の
ろ
悲しくて
こ
恋しくて
あの過去の
何故か
ひ
赤い灯が点る
癒してくれる
あゝひとり歩けば
心の傷あと
あなたが後悔しないなら
神戸で
・
・
・
逢いましょう
恋しくて
北野坂
恋しくて
異人館
駆け足で
逢いたくて
黄昏の
とても
遠い北埠頭
伝えておくれ
あゝ名前を呼べば
港のカモ メよ
私は後悔しないから
神戸で
・
・
・
逢いましょう
藤
ひとり待ちわびる
死ぬほど抱いて
あゝ黄昏KOBE
も一度愛して
私は後悔しないから
神戸で
・
・
・
逢いましょう
あなたが後悔しないなら
神戸で
・
・
・
逢いましょう
本
純
行
285
じ せ ら い
今世代に
抱けぬ命
厳しい世間の
優しいお前と 心はひとつ
撫で散りいそぐ
解からぬままに
待ちに待ってた 喜びは
男と女と
十月十日を
星空に
とおか
夜空に輝く
ふたりで祈り
とつき
明日の幸せ
そむいてまでも
何で抱けない 我が子さえ
お や こ
父母の絆を
撫で散りいそぐ
いく とし
幼い命を
わか
逝れて幾年 過ぎたやら
持たせたい
名前も呼びない 運命なら
野菊一輪
撫で散りいそぐ
許して下さい ふたりの罪を
何でそんなに
藤
安
五月男
286
ひと すじ
一筋に
我が運命に
悔いはない
決めた我が道
悔いはない
ふじわら
わからぬけれど
谷があり
数知れぬ
なんども転び 立ち上がり
流した涙も
と
山あれば
ひ
他人の運など
さ だ め
出逢いから
我が運命に
こが
胸を焦した
誓い合い
知りもした
変わらぬ愛を
絆の喜び
下見ても
しあわせ
いろいろだけど
と
他 人 の幸福
さ だ め
この生命
い の ち
悔いはない
や
我が運命に
ひ
上見ても
お
忘れずに
両親に貰った
心に夢を
生きてきた
悔いはない
かぎりがないが
名誉とか
恥じない人生
と
地位だとか
ひ
他人 の 欲 に は
さ だ め
我が運命に
弘志
287
夢 迷 子
蝉しぐれ
ひとり暮らしの この部屋に
夏の名残りの
夢迷子
泣いている
ほこりにまみれた
床に転がり
ごめん…ごめんよ
お前を見捨てた わけじゃない
二年過ご し た こ の 部 屋 の
暗闇さまよう
よろけてる
夢迷子
窓をふるわす 秋の風
壁にぶつかり
ごめん…ごめんよ
おまえを忘れた わけじゃない
もう一度
夢迷子
春一番
やがて吹くだろ この部屋の
扉開けたら
焦りの上衣を
脱いでこれから
ごめん…ごめんよ
お前を見捨てた わけじゃない
麓
霧
子
288
女
シンシン雪女
雪
シーン
その日くるまで
命坂
恋をして
千 年 生 き た この里で
掟破りの
抱かれ転がる
この身消え去る
幸せを
雪女
女であること
あなたと生きたい
雪女
けもの道
シンシン
シーン
はるかにつづく
かんがらす
歩きつかれた 影ふたつ
なにがあっても
地獄でも
かまわないから
寒鴉
一緒にいきます
雪女
命泣くよに
あなたと死ぬまで
雪女
紅をさす
流れる血
シンシン
シーン
いばら
茨を握り
あい
指ですくって
隘の 路
ちじめて もいい
睨む狐火
たとえ命を
いるよりは
雪女
冷たい身体で
シンシン
女で燃えたい 雪女
シーン
冬
木
ともや
289
先斗町
京都恋しや
三条 鴨 川
人の波
舞妓さん
ウキウキ歩きの
花見小路の
呼んでいる
祇園町
鮮やかで
季節暦も
夢呼ぶ
カンザシ 帯 色
京都恋しや
映画村
鮮やかで
子役さん
人の波
四条 大宮
ウキウキ歩きの
うづまさ
太秦生まれの
チャンバラ台詞
立ちどまる
大道芸
心惹かれて
茶わん坂
撮影所
清水
京都恋しや
五条
人の波
鮮やかで
お坊さん
ウキウキ歩きの
清水寺の
筆の書初め
夕暮れ
寺の音が
今日の想い出 振り返る
京都恋しや
平
誠
三
朗
290
生きてゆこう
分けあって
指さすあなた
おしどりを
おしどり人生
川を横切る
二人のようだと
おまえと夢を
あ し た
明日を咲かせて
惚れ直す
星
あなた あなたに尽くしたい
そんな言葉に
あなた
おしどり人生
信じてきたから
めぐり合えない
許してきたの
あったけど
この世で二度と
ひとだから
心変わりも
わたしの大事な
削っても
探がしてゆくわ
谷を越え
おしどり人生
あなた あなたに尽くしたい
たとえこの身を
あなた
一つ山越え
こわれぬ倖せ
おんなの喜び あなたで知った
め お と
誰にも負けない 思いやり
夫婦星
あなた あなたに尽くしたい
空でほほえむ
あなた
おしどり人生
合
節
子
291
雪
灯
け
き
きかずとも
投げた雪玉
ゆ
声をかけても ふりむかず
あなたの背中に
わ
つめたいその 理由
心がわかる
行かないで
足の運びで
まって〳〵
襟巻きを
歩きたい
ちょっと長めの
ちどり足
影を重ねて
両手で押さえて
言ったのに
き も の
和服が似合うと
行かないで
苦しい胸が
まって〳〵
歩きたい
ひと
かるく巻いても
春を信じて
なごり雪
あの男に
情けしらず
か ら だ
おしえてほしいの
あ か り
さけ んで も
歩き たい
行かないで
とぼしい雪灯
こごえる身体で
雪と同じで
まって〳〵
夢を追いかけ
星
川
成
一
292
泣かないで
泣かないで泣かないで
朝がきたらさようならは
逢ったときからわかっていたの
抜いた指輪の寂しさは
だからもう泣かないで泣かないで
泣かないで泣かないで
ぼくがそばにいなくても
か れん
きみに寄りそう可憐な花に
風が優しく声かける
だからもう泣かないで泣かないで
泣かないで泣かないで
涙涸れて しまうから
梵
きみを泣かせたこのぼくさえつらい
心痛めているんだよ
だからもう泣かないで泣かないで
天
丸
293
たなばた様へ
星祭り
アンドロメダ銀河
にぎわう夜空は
短冊むすんで
うす化粧
スピカ姫
真夏の星空 織り姫ロマン
星の姫様
月に隠れて
宇宙のロマン
星のかけらは
島宇宙
アンドロメダ銀河
うず ま
暗黒とびちる
光の華に
渦状く星雲
夜空をいろどる
星吹雪
星くずの星 やんちゃ星
宇宙をさ わぐ
星月 夜
宇宙のロマン
見あげる夜空は
星たちの夜
アンドロメダ銀河
キラキラ輝 き
宇宙のロマン
星王子
美男 星
星影のロマン こころを誘う
おうし座いつの
光るきらぼし
アンドロメダ銀河
本
間
正
成
294
荷物
は
な
送っ たからと
サクラ前線
少し
電話
咲いた 桜の花弁も
母からの
庭に
入れておいたと
槙
板についてきた
もうすぐそこに
ひとりの暮らしも
三度目の春が
大丈夫よと
飲み込んだ
わたしのことなら
言いかけて
結婚すると
サクラ前線
南向きの窓
ありがとうのコトバ
都会の片隅
俺は
やさしさが届く
秋に
彼氏
サクラ前線
ビルのディスプレイ
なかったけれど
もうすぐそこに
どちらにも慣れて
みつけろなんて
弟の メール
早く
気楽さ
よけいなお世話
淋しさ
三度目の春が
この街で
いいことばかりじゃ
もう少し
頑張ってみるよ
開花予報流す
あしたへと続く
映
二
295
下
絆は固く
誠の心
自信の造り
真
純
―幸田露伴「五重塔」より―
五重塔は
五重塔
完成まじ かの
逆巻く風雨の 嵐に耐えた
五重塔を
職 人 気 質の
か た ぎ
貫き通した
義理ある親方 退けて
思いの工事
か た ぎ
職人気質
嵐のさなかの
親方が
見守り歩 い た 人 影 一 つ
老いの身こらえた
逆らう弟子への
工事の無事を 心に祈った
逆らう弟子へ
五重塔に
親方と
二人の名前
晴れての落成
記された銘には
お と こ
書かれた言葉を
造った大工と
命の塔に
見つめる師弟 見つめる師弟の
296
媚
薬
♬ステージに立つたびに
注射を一本打たれます
歌の神様に♪
拍手と ラ イトを浴 びながら
うたえる歓び夢心地
苦しさ哀しみのり越える
魔法の薬をのんだから
あなたの心に届けます
お願い死ぬまで歌わせて
小さな祈りを捧げます
♬ステージに立つまえに
歌の神様に♪
夕べはカクテル今日シャンパン
飲んでる気分の酔心地
若さと美貌をたもつため
魔法の薬をのんだから
誰れにも負けない頑張るわ
お願い死ぬまで歌わせて
※お願い死ぬまで歌いたい
松
井
眞佐子
297
なあ半次
あの娘の恋の
こ
半次おまえに
届くまい
はん じ
うぶな一途は
頼りの旅は
見ている空は
なあ…半次
どこへ向く
双六さ
運とまぐれが
さ
しょせん上がれぬ
け
今朝の草鞋は
やつ
半端な奴さ
半次おまえ が
す
長脇差ぬけば
なが ど
おなじ空で も う わ の 空
威勢ばかりで
咲くものか
や く に 立 た な い 及 び腰
はな み
弱いくせ
なぜ強がるか
なあ…半次
死んで花実が
がらす
半ちく鴉
半次おまえ は
酒も喧嘩 も
かた ぎ
ひと目逢いたい お袋さんが
なあ…半次
かくす笠
夢で堅気に なれと言う
うるむ瞳を
半人前の
松
尾
江里也
298
この世に男と
人生だ
生まれたからにゃ
押しまくれ
人生は
男の応援歌
押せ押せ押せよ
こ
たった一度の
大輪を
あの娘のハートも
花を咲かそう
進めば見 える
前え前え前よ
背中にしょって
明日の灯が
何事も
ついて来るかい この俺に
男と云う名を
荒波を
我が道を
越すぜこの世の
俺は信じた
湧いてくる
火のように
後にゃ引かない がんこ者
燃え燃え燃えろ
燃えれば 力が
すべてを賭けて
吹こうとも
迷うなそれゆけ
どんな嵐が
悔いはない
こ こ が 勝 負 だ 世の 為に
命かけても
松
尾
博
之
299
と
も
と こ よ
なだ
常世の暮らしは楽しかろ
彼 岸 花
戦友よ
命の心配いらなくて
松
俺は生きて帰った悔いを宥めるために
彼岸花を植えつづけた
再会という花言葉に引かされて
も
にわか
寂しい思いもあるだろに
天上からも見えるかい
平和に暮らす人々の秋のお花見
今じゃその数二十万
*お前と遊んだ川土手に
と
戦友よ
み たま
別れは俄にやってきて
俺はそんな悲しい御霊慰めたくて
彼岸花を植え続けた
現世と浄土をつなぐという花だから
**彼岸のころには 川 土手に
赤い花々どこまでも
平和を謳う人々の秋の風景
天上からも見えるかい
* くりかえし
** くりかえし
野
捷
夫
300
てん き
松
お天気おじさんの歌
人気者
よ ほう
ピカピカおつむで
ピッカピカ
にん き も の
天気予報の おじさんは
お日さまマークの
は
出すんだよ
えん そ く
いもほりに
ピカッとカードを
あしたは遠足
あやまって
おちてきた
稲妻が
いな ずま
そこでなんとか なんとか晴れにして
くも
黒い雲から
ギザギザ光って
に
テレビが まちがえ
のぞいてた
あわてて逃げ出す アマガエル
リュックが気になり
ばっちりさ
かけました
そこでなんとか なんとか晴れにして
ほし
星にねがいを
ぼう ず
ねようかな
てるてる坊主も
やることや っ たし
そらもよう
おべんとう
お目目が パッチリ
うれしい楽しみ
そこでなんとか なんとか晴れにして
原
高
久
301
ね
涙が痛い
松
本
さよならあなた
あなた…
夜風が沁みわたる
凍るほど
波止場情話
この頬が
乾いた心に
ああ 何処へ行くのよ
胸を裂く
耳をすませば 咽びなくよな
船の汽笛が
ふ
さよなら
泣く波 止 場
ここはさい果て みなと町
女が未練に
あゝさよなら
出船が出てゆくわ……
死んだって
縋りはしない
もう二度と
あなた…
傷つき泣いたから
り
さよならあなた
くだけ散っても
夢が千切れて
男の無情に
ああ
たとえ命が
かもめ町
海はつれない 波しぶき
たそがれ
ここは 黄 昏
き
さよなら
女がさめざめ 泣く波止場
あゝさよなら
ね
さよならあなた
夜霧が邪魔をする……
ふ
さよなら
泣く波 止 場
ここはさい果て みなと町
女が未練に
あゝさよなら
出船が出てゆくわ……
摂
子
302
へ
た
かた ひも
傷つける
まなざしが
いつもと変ら ぬ
不手な言い訳なんて
ド レ ス の 肩紐
いいのよ
むしろ
やさしい
最後の心を
はしゃいだ声が
女は解かるものなのよ
電話をかける
通りすぎる
私がいることさえも
恋人は気にはしない
あ な た
私の前を
そこに
もう
笑って見送るわ
五年も暮した
いいのよ
そうね
このベッド
ひも
若くはないわ
この部屋
わ か れ
抱きしめる
別 離を泣くほど
私はそっと
あ な た
肩から落ちた ドレスの紐を
恋人はいなくなる
私を呼んでも
寂しい夜がはじまる
直してくれた
きっと
あかり
街の灯が
真
庭
る
い
303
い
だ
ら
ご
乱れるままに
伊良湖 恋岬
け
恋路ヶ浜で
駆け寄るお前
紅い蹴出しも
はず
息を弾ませ
人目かまわず
身も焦げる
ひそ
抱きしめる
ご
細い肩先
ら
密かな恋が
い
伊良湖岬よ
燃える夕日に
ろ
岬の宿で
し
白砂い渚の
襟足染める
指折り数え
お酒弱いと
逢えぬ長さを
ほどく帯
いさりび
胸が痩せたと
漁火揺れて
打ちよせる
伊良湖岬よ
愛のうねり が
願いが叶う
恋路ヶ浜よ
鍵を掛ければ
結ぶ二人の
さ
乗る船だけど
け
今朝は別れて
置いて行く
遠ざかる
涙の顔と
こころお前に
伊良湖岬よ
ひか
輝る灯台
丸
山
八留男
304
父さん帰る
蝉
蝉が鳴くころ
信じてた
夢にみた
知らないが
母のこと ばを
父の顔さえ
写真ながめて
まだ遠い
外にはつめたい こな雪ふって
蝉が鳴くには
夕陽にむかい 大きな声で
父の名を
母さんが
呼んでみたいさ
畑たがやし
まっている
木の枝だいて
父の帰りを
裏山サクラの
鳴いてくれ
まだ見ぬ僕に
蝉よ早よ早よ
逢いたかったろ
戦争が
送り ます
肩先を
僕もくやしい
母の小さな
抱いてあなたを
海に出て
精霊ながしの 手漕ぎの舟で
蝉が鳴く朝
まんだ
あつこ
305
ひ
と
吹き抜ける
路地裏を
秋の風鈴
他人も歩かぬ
秋風そっ と
しまい忘れた 風鈴が
ご
寂しいね
さび
惜しむよに
ちりりんちりり ちりちりり
な
のき した
夏の名残りを
ゆ
アパ ートに
揺れる軒下
長屋のような
もう二年
戻らない
一人暮らして
女の春は
急かすよに
せ
ちりりんちりり ちりちりり
秋の訪れ
鳴り渡る
おとず
移る季節を
声を聞く
咲いている
あなたがくれた 風鈴は
赤い朝顔
風にあなたの
一人泣き
あなたへと
ちりりんちりり ちりちりり
天まで届け
秋の風鈴
三
浦
節
子
306
行くぞ
しも
・
・
・
・
・
・
(リフレン)
人生桧舞台
三
人生桧舞台
流れる小川の下行けば
川も有る
ダブって見える
途中で消える
俺の人生
中学校を中退し そのまゝ
気に入る仕事無し
仕事変え
社会に飛び込んで
五年の間
だけど
噛み合えば
猛勉強
髙校三年 生
中学時代の友達は
ほとんど
進学目指して
ツキと 実 力
浴びる事だろう
スポット ライト
奴らは有名大学 受かるよな
人生舞台の
いつかは
と
違う航路
ひ
俺は他人とは
模索する
刻んだ悪路
ひとりで花道
自分の胸に
突き進む
あわれ
憐み視線
いろいろ避けて
今に見ていろ
辿りつく
人生桧舞台
たど
見返し大河 に
行くぞ
行くぞ
浦
正
行
307
つめ
帰
が かい ど う
と
う
き
も
国
た
き
が かい ど う
か
おれ
しの
が かい ど う
三
浦
三咲貴
鎮魂歌「凍土の下に眠る5万3千人の英霊に捧げる」
き
夢見たダモイ
おろし
ヒューヒューと
は
たお
飢餓街道
ふ ぶ き
シベリヤ颪
冷たく埋もれ
い こく
やぶ
つゆ
吹雪に倒れ
ダ モ イ
さみ
破れ去る
さ
露と消え
ゆめ み
つま
だ
おっ母さん
さと おも
抱きしめて
ま
むか
こえ とど
ひ
寂しく戦友と忍び耐え
しの
異国の果てで
夢見た帰国
ツン ドラ おも
凍土重く
おろし
こと ば
飢餓街道
ヒューヒューと
かわ
シベリヤ颪
あい
のぞ
な
交わせぬ言葉 この俺だけど
ぬく
愛する妻よ
はるか
温めておくれ
き
遙に望む ふる里想い偲び哭く
おろし
ヒューヒューと
飢餓街道
はる
くに
ふ
シベリヤ颪
踏みたいけれど
ゆき ど
へい わ
つち
祖国の土を
待っている
そ こく
雪解け春を
迎え待つ
あら うみ こ
ま
平和の国の
荒海越えて この声届けいつの日か
308
果てなく続く
迷子のように
どこまで続く
涙の地平線
夢をさまよう
愛の旅
汽車の駅
あなたを忘れる
昿野を走る
…
ひとりたたずむ せつない胸を
風が切り裂く
諦めながら
涙の地平線
幾夜も泣いて
またいとしさが
追いかける
ひと夜明ければ
未練をつれて
もう戻れない おんな道
昿野に抱けば
包まれ永遠に
砂丘に埋もれ
… 涙の地平線
恋のまぼろし
空は灰色
地平の果ての
赤い夕陽に
眠り たい
さすらいの
あなたの夢見て
命を賭けた
終着駅ね
… 涙の地平線
ここが私の
花が一輪
三
浦
康
照
309
美
樹
男から女へ、女から男へ
夜は嘘をつく
男から女へ 飾った言葉で
夜は笑ってる
女から男へ 合図の仕草を
ワインにする お酒にする
心ゆれて 心溶けて
心踊るまで飲みましょう
夢を見るのよ
淋しい心の
隙間を埋め合い
飾らない言葉で
別れてゆくのよ きっと
夜を楽しんだ
男から女へ 最後のくちづけ
夜に遊ばれた
女から男へ 魔法の言葉が
も一度会う 終りにする
心ゆれる 心惑う
心満たされて落ちてゆく
甘い 囁き
陽炎みたいな
恋になるのなら
ゆらゆらと燃えましょ
別れが来るまで そっと
迷ってみる ゆだねてみる
心ゆれて 心よせて
心割けるまで愛しても
悔いはないから
天使になるかも
知れない女よ
燃えるよなくちづけ
交せば始まる きっと
克
彦
310
拉致…
涙も枯れて
あなたは消えた
鳥に なれたら
あの日突然
たずねたずねて
そ
ら
声だけで いい
どこに居るの どうして居るの
せめて声を
千里万里も
あなたは居ると
飛べれるものを
鳥になれたら この宇宙の下
海の向うに
逢えないなんて
仏よ神よ
聞けど行けない
できるならば
伝えてほしい
や
あなたを捜し
お
父母のこゝろ
命の限り
逢いたいので す
囚われの身は
とら
命ある内
知らぬ異国に
辛いでしょうね
元気でいてね
凍る淋しさ
待っていてね
助けてあげる
そ
ら
飛べれるものを
あなたのもとへ
きっときっと
鳥になれたら
千里万里も
飛べれるものを
鳥になれたら この宇宙の下
千里万里も
美
貴
裕
子
311
み
しめ
れん
び
だこ
ネオン凧
知ながら
諦つける
男の未練火
別れても
おも かげ
面影ささる
そ
盛り場を
さか
添えぬ運命と
のれん
縄裏町
や
痩せてさまよう
こらえても
び
燃えて尚増す 未練火よ
重ねても
の
呑めぬグラスを
恋しばり
裏通り
又涙
なせにとけない
しか
叱りとばして
くや
悔んでも
よ
酔ってころげて
かぞ
数えてる
すて
捨た思い出
川あれば
くる
流したい
苦しさ流す
きず
傷をちぎって
三
木
政
和
312
あ い つ
あ い つ
彼奴 が
鏡
彼奴 が
心に
彼奴 の
あ い つ
あんなこと
火が点いて
燃え上がり
火の海だ
不条理を
大火傷
せいなのに
火事だよ
火種が
したから
怒りの
火事だ
全ては
火だるま
分からぬ
押し寄せて
宗教 巡れども
こっちが
何故だか
占い
不幸の連鎖が
倍返し
せいなのに
やり たい
彼奴 の
あ い つ
神も正義も どこ行った
全ては
返して
ある朝気付いた 病室の
絶望の
鏡に映った 死神か
怒りと嘆きと
引っ張られ
自由になれるから
叩き割る
鎌を持つ手で
こぶし
思わず拳で
許そう
み
き
ちか
美貴史
あき
明
こ
子
313
雪 の 橋
女風
なみ
おもなかぜ
この川を渡るが 道がない
呼んでいるよな
愛し〳〵の うたれ心
ち
口びるに
え
雪の橋
銀の世界
み
雪よ降れ〳〵 深々と
白く花咲く
積もればしのべる
き
この川を渡るが 道がない
ゆ
したたまる
舞いちる粉雪は
恋し〳〵と
雪の橋
つつみだす
雪よ降れ〳〵 深々と
おもな
里の女を
たまればぬくまる
お が る おもな
こ
ばな
愛の音色
ひらひらと
この川を渡るが 道がない
舞風女よ
呼べどとどかぬ
雪の橋
さだめ花
雪よ降れ〳〵 深々と
いづこへなびく
春にはとろける
み
き
や
す
314
山よ
り
り
り
みさき
わがふるさとは緑なり
も
森林よ
緑 恋し
り
緑なり
母なる森林よ
も
ふり向けば
ああ…ふるさと
心の旅路
父なる山よ
り
森林よ
も
わがふるさとは
山よ
い の ち いと
も
生命愛し
も
旅立ち ぬ
緑萌え
みどりめば
緑なり
優しき森林よ
荒ぶとも
すさ
ああ…ふるさと
お
人の世嵐
お
雄々しき山よ
り
森林よ
も
わがふるさとは
山よ
ああ…ふるさと
希望に満ちて
緑なり
母なる森林よ
わがふるさとは
緑なり
父なる山よ
わがふるさとは
まさる
315
人生屏風
世渡り出来ぬ
人の 世は
程良く曲 げなきゃ
倒される
五尺の屏風と
すねを突かれりゃ
運にすがれば 肩すかし
人生屏風
風に立 つ
逃げてなるかよ
辛い憂世の
出るだろう
古傷もある
叩けば埃も
胸には癒えない
月のひかりの やさしさに
夢枕
人生屏風
しみてくるのさ そんな夜は
ままになるかよ
くの字道づれ
ふすまに描いた 大鷹の
二十年
今にも飛 び立つ 鋭 い 目 つき
節目十年
人生屏風
幾曲 がり
負けてなるかよ
鷹になる
つづく試 練の
いつか羽ばたく
岬
坊
真
明
316
会 津 磐 梯山 は ( 磐 梯山 〳 〵 )
俺ら庄助さん
エンヤー
宝の山よ(宝の山〳〵)
浮かれ踊りだす
田植えすりゃ
三
朝も早からヨー 田んぼに出かけてヨー
家族そろって
土手の桜 も
山に緑が映える頃
休む ひまもネー
雪解け水がぬるむ頃
ここら農 家は
俺らの自 慢
なりたくネー
※朝寝・朝酒・朝湯が大好きな
ご先祖様には
まんま
小原庄助さん(庄助さん〳〵)
うまい飯が
エンヤー
里
なんで身上つぶした(つぶした〳〵)
平成庄助さん
ち
夏に夜空を焦がす頃
今じゃ跡をつぐ
都会に出て
ま
誰が名付けたヨー
兄貴いつしか
次男坊がらすが
か え る
守る役まわり
真白い冬に帰省頃
俺はふるさと
町一番
嫁ももらった 娘も俺に似て
器量良しだよ
それも宝だ 俺らの自慢
※ くりかえし
こうじ
317
すいか太郎
にっこ り したぜ
眺める富士は
朝陽を浴びて
出掛けるぜ
橋の上から
黄門気取 って
エヘン
ありますが
エ
申します
虎の模様が
すいか太郎と
左を見ても
三
ヨッ日本橋
右を向いても
宿泊まり
いろんな鬼が うようよいるぜ
今夜は品川
ありますが
ヨッ舟が行く
耳打ちしたぜ
乗ってる女
三度笠
エヘン
黒い粉つぶ
エ
水も滴る
馬子の引く馬
飛び下りそっと
ぜひともご一緒 したいとさ
顔ですが
エヘン
割れば真っ赤な
エ
笠をぬぐ
ヨッ戸塚宿
すいか太郎は
郷
遙
318
にしん雲
奇岩海峡日本海
春風乱れ
船出を送る
かがりび
篝火灯し
弁天岬
め
鰊船
にしんぶね
べん てん みさき
男の漁場は
ご
奇岩海峡日本海
き がん かいきょう
港のロマン
海猫が群れ飛ぶ
高島
男の人生
おしょろ
忍路
男船
みぞれ
霙に打たれ
しゃこたん
凍てつく夜風
積丹おろし
大武蔵堆
すけそ船
だい む さし たい
男の漁場は
親子三代
港のロマン
奇岩海峡日本海
鮪船
まぐろぶね
積丹岬
しゃこたんみさき
勝負を賭 ける
まぐろ風
丸山
男の人生
シリパ
あら なみ し ぶ き
荒波飛沫
こ がね
黄金が跳ねる
男の漁場は
ほろ む
い
港のロマン
ふかせエンジン
び くに
男の人生
美国 幌武意 奇岩海峡日本海
み ず み
隆
319
母の讃歌
花の種は
胸の中に
幸せの
あなたの
教えてくれた
優しさが
あ
在ると
逝ってしまったけれど
あの日
母は
こ こ ろ
そ の 愛 情が
泣きはしない
胸いっぱいに 沁みているから
もう大丈夫
笑顔が見える
観てた
ありがとう
為に尽く す
眼を閉じれば
お母さん
た
陰でいつも
生き方を
聞いた 幸せの意味
分かりはじめた
他の人の
背中を
今は
あの日
母に学んだ
負けはしない
繋げて行くと そう決めたから
もう大丈夫
頷く顔が
ありがとう
ありがとう
夜空見れば
お母さん
幸せを
南
早
苗
320
会津女ごころ
時勢の流れに さからえど
城下 町
すべてを捧げ
こゝはわたしの
か た もり
容保さまに
悲しみひそめて
み
会津の 女
微笑かわす
ほほ えみ
華のいのちも 捨てましょう
ああ
じょうし
身につけて
みててくなんしょ
お家の薙刀
娘子 隊
会津の 女
いたわりつくす
耐えましょう
おそばに仕え
たすき十 字の
照姫さまの
さ だ め
つらい運命も
ああ お城を守って
夢みつつ
みててくなんしょ
桜の吹雪を
教えのままに
つきぬ名残りの なみだ橋
母上様の
会津の 女
明 日を 求 め
あ し た
生きましょう
いくさ
戦に負けよと
女の誠に
ああ
みててくなんしょ
ね
隆
321
いえども
海辺の町も
雖・頑張ろう東北
う
緑輝く
ぞ
無常の叫び
み
ち
未曾有の震災
の
心乱れて
い
多くの犠牲者
さ ま よ
彷徨う人々
さ だ め
哀しい運命に
ら
峰
戻って来ない
恐怖の日夜
花咲く東北
過ぎ行く月日も
雖・頑張ろう
か
戻るけれど
町の復興え
た
美観の海辺と
海の青さは
う し な
消えないままに
流失う「命・家・船」は
心の傷さえ
*過ぎ行く月日は
花咲く東北
祈りの心
生きる尊さ
雖・頑張ろう
町の復興え
命の尊さ
賑わう漁港の
* くりかえし
八
朗
322
伏せて男は起き上がれ
崎
林二郎
男が泣いてもいいじゃないか
伏せて
男は学ぶ
峰
耐えるなみだで
投げるなよ
伏せて
あきらめるなよ
血のよな苦労
深くなる
つらい辛抱の
知って男は
男が泣いても 良いじゃないか
泣いて男は艶がでる
泣いて
泣いて
男を磨く
惚れた数
振られなみだが
振られた数は
い
なみだの粒が
こ
磨くのさ
失恋の苦しい
砥いで男を
男が泣いても 良いじゃないか
負けて男は強くなる
負けて
負けて
男は育つ
春に 立つ
負けたなみだで
踏まれて麦は
芽を伸ばす
今日の悔しい なみだの雨が
明日の力の
男が泣いても 良いじゃないか
323
箕
e
d
i
r
B
e
n
u
J
すべての季節の すべての花を
旅立ちの列車に乗せて
くちづけ
接吻をしたまま あなたに贈ります
e
d
i
r
B
e
n
u
J
日本髪を結い
かんざし
花の簪を挿し
むかしながらの 嫁いだ母の
しろ む く
白無垢姿の わたしです
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d
i
r
B
e
n
u
J
e
d
i
r
B
e
n
u
J
溢れんばかりよ
熱いまぶたの 頬に
かか
抱えきれない 感謝の気持ち
あなたの子供で 良かったと
この故郷があったから
この故郷があったから
e
d
i
r
B
e
n
u
J
この故郷が
この故郷が
この故郷に
この故郷に
幸あれ と
幸あれ と
この故郷に
この故郷に
e
d
i
r
B
e
n
u
J
日本髪を結い
かんざし
花の簪を挿し
思い出ばかりが 浮かんできます
あなたの子供で 良かったと
e
d
i
r
B
e
n
u
J
e
d
i
r
B
e
n
u
J
…
山
しげる
324
地下鉄出口 四角い街
水
吹
有
間
今は 何 も 要 ら な い 人 込 み は う る さ く す ら な い
出 会 いは 出 会 い を 求 め る 人 達 が
念 じ て 誘 い こ む 未来
しわ だら け の 昨 日は ポ ケ ッ ト に 置 き 忘 れ た レ シ ー ト
転 が る リ ン ゴ が た ま る プ ラ ッ ト ホ ーム
運 ば れて ゆ く 次 の 便 で
雲 が は じ け る 空 の 下 影を 落 と す 鳥 の 下
地 下 鉄出 口 四 角 い 街
今 日 一 日 の 予 定 から 僕 は 僕 一 人 連 れ 出 せな い
追 い か け て 交 わ して き ら め い て 髪は ぬ れ て
僕が 今日 から 挑 むのは 好 き 嫌 いでは
どう に も な ら な い 世 界 さ
金 に 失 っ た 人… 気 に か か って 言 えな い 事
社 会は 時 間を 固 め た 人 達 が
信じて開く扉み たい
読 む だ け で 話 し て な い 情 報 に 笑 わ さ れて は ダ メ だ
飲み 残 し の よう に 意 見を 捨 て た 朝は
ここ に居る のに こ こ に居な い
駅 か ら 人 が 溢 れ 出 す モ ノ ト ー ン に ス プ レ ー する
音の 渦や ガ ラ ス の 街
今 日 夜 ま で の 予 定 か ら 彼は 誰 一 人 奪 わ な い
分離 帯少 し 先の 縞 々で 傘を さ して
夢は 抵 抗 の 異 名 かな 生 き 易 さ と か
話になら な い 話さ
普 段 は 帰 納 さ れ て 代 わ り は い く ら で も い る って
願 い よ 願 い よ じ っ と して いて く れ
静かな 夜 には 戻る から
ゆ び き り を し た 過 去 は 成 長を 保 証 す る
時間は感 情を 知るため だけ にある
選択 肢の 外は 雨 かな ぁ
が ん じ が ら め の 路 線 図 の 空 白 に 指を 指 し て
地 下 鉄出 口 遠 い空
今 日 夜 ま で の 予 定 か ら 彼 は 君 を 奪う こ と に し た
天 気 予 報 が 当た る 頃 明 日 を 指 す 日 時 計の 樹
地 下 鉄出 口 四 角 い 街
今 日 一 日 の 予 定 から 僕 は 僕 一 人 連 れ 出 せな い
追 い か け て 交 わ して き ら め い て 髪は ぬ れ て
325
覗いたら
夕焼け慕情
指を輪にして
ちりぢりに
夕景色
幼なじみも
街に住む
遠いあの日の
今は離れた
夕焼けこやけの このわらべうた
変わっても
一人で唄った 夕焼け慕情
ふ ぜい
村の風情は
いつも変わらぬ あかね空
安らぎで
別れた人を
暮らす里
それがせ めても
母と二人で
好きだと言えずに
山のお寺の
赤い夕日が
ままだけ ど
鐘が鳴る
沈んだら
しみじみ偲んだ 夕焼け慕情
みんな昔の
夕焼け慕情
木霊がかえる
こ だま
みんな逢えない 人ばかり
名前呼んでも
わたしにわびしい
宮
﨑
のぶを
326
うつ
心に咲いた花
ぜ
いそ
夕暮れ の 街
な
こめかみに映る
下を向いたまま
ふく
花のように
ゆう ひ
人は何故に急ぐ
夕陽に染まり
こ
ありふれた服も
か
過ぎた日々
過去に散ったまるで
夢を追いかけ
か
待っている
待ち続ける
夕陽を見つめ
ゆう ひ
みや
宮
強く生きてゆく
命を燃やし
心 に 咲いた 花
真っ赤に燃える
ま
今もどこかで
ゆう ひ
あふ
沈む夕陽が
と かい
都会に溢れる
ざっ とう
雑踏の中に
風に吹かれながら
す
枯れそうな花が
あ
過ぎた日々
明 日の 雨 を じ っ と
夢を追いかけ
忘れたか
なん
朝陽に変わる
あさ ひ
何でどこかに
ゆう ひ
沈む夕陽が
心 に 咲いた 花
あふ
都会に溢れる
過ぎた日々
と かい
夢を追いかけ
か
待っている
心 に 咲いた 花
真っ赤に燃える
ま
今もどこかで
ゆう ひ
あふ
沈む夕陽が
と かい
都会に溢れる
した
下
とし
敏
ゆき
行
327
浜で育った
土佐の荒波
男にゃ負けん
八きん娘
産湯に浴びて
八きん恋唄
酒も気性も
惚れてる あいつ
か た ぎ
いごっそ気質
夫婦の絆
命の船を
口にゃ出さぬが
カツオ漁師の
親の形見の
継いだあんたと
好かれてみたい
よさこい祭り
踊り明かして
その日が来ると
揃い浴衣で
夢をみている
一本釣りへ
潮吹く鯨
跳ねるカツオの
黒潮遥か
海の息吹か
乗れるものなら
女房でいたい
傍によりそい あんたと一緒
カツオ漁師の
宮代
よしはる
328
戦争と平和
じい
爺さんが
むご
惨いものはないと
よく云っていた
明治生れの
戦争ほど
寝言で
パパさんは
欲ばりだ
平和な時ほど 気をつけろ
人の心は
しあわせ
幸福求めて
働いた
女房子のためだと云って
安月給で
戦争のない この平和
望んでる
のぞ
地球のみんなが
戦争は
いないから
勝つも負けるも
だれも望んで
爺さんが
じい
明治生れ の
死ぬ時ひとこと云っていた
世界が平和になるように
あ ち ら
冥 腑 に 逝 っ て も 祈って る と
宮
原
哲
夫
329
故郷の町は
こ
三
好
ふるさとシャッター通り
久方ぶりの
揺れている
シャッター通り
商店街も
想い出だけ が
昔栄えた
今は淋し い
よく来た喫茶 見そめたあの娘
どこへ消えたか 喫茶店
店ま ばら
古里銀座
人出はまばら
町並み変えた
夕暮れ間近
時代の流れが
居酒屋あかり
き
角にポツリと
鉢巻親父
と
のれんを守る
嘆き 酒
駄菓子屋だった
はち まき おや じ
飲んだお客の
子供を相手
寂れたままの
さび
越したのどこへ おばちゃんは
店のカンバン
先が見えない シャッター通り
街あかり
跡継ぎすると うれしい便り
きっと戻るよ
清
隆
330
いばら
歩いても
四部作「新生」
茨の道を
進もうよ
大切に
前を見ながら
一歩一歩を
篤き時
あつ
燃えよ若人
夢語り
メッセージ
確かめて
ふれ合う友と
太い絆を
世界の人 へ
こ こ ろ を 燃 や す お もて な し
生かす愛
露までも
光る汗
差し伸べる
覇気たかく
ともに学んで
進め若人
真心込めて
手と手に薔薇と
あさ ひ
朝陽に照らす
はず
ね
未来のために 輝いて
弾む音で
根をおろし
しっかりと
爽やかに
リズムを刻み
踊れ若人
笑顔振りまき
大地に足と
む
武
かさ
笠
和
夫
331
風よ風よ吹け
昭和生まれ の ち ゃ き ち ゃ き 娘
村
どぶにすてようかと
わたしの心の 過去の出来事など
泣いてうらんでは
考えているのよ
未来にむかってさ
そんなことばかり
風よ風よ吹け
心がにているよ
昭和生まれ の ち ゃ き ち ゃ き 娘
わたしとあなたは
皺の数だけ が
未来にむかってさ
物語っているよ
鏡にうつった おまえさんの顔は
風よ風よ吹け
昭和生まれ の ち ゃ き ち ゃ き 娘
笑った顔さと えくぼ顔うつった
何年かまえの 写真を見ている
自分をなぐさめる
未来にむかってさ
まゆ毛をうごかし
風よ風よ吹け
上
周
司
332
流
あかあかと
転
きらきらと
み
せ
雨がふる
いな かった
この酒場も
新宿ネオン の
この街も
私にゃ合うては
明日はどこかへ 明日はどこかへ
流れてゆこう
しらじらと
村
小さな酒場が小さな酒場が、似合っているのさ
田
たかお
負けて逃げだすわけではないが、私にゃやっぱり路地裏の縄のれん
れんれんと
口紅も
ママが云う
浅 草 さ び し い 鐘が なる
この帯も
似合っちゃいないと
ここでも私は ここでも私は
用なしだと さ
もう一度もう一度咲きたい、華やかだったむかしのように
しんしんと
私をまってる私をまってる、街が酒場がきっとある
とうとうと
誰に もいわず に
いなかった
紅い灯も
亀 戸 わ び し い 月がて る
この河岸の
私を待っては
誰にもいわずに
渡ってゆこう
333
母さんの
幸せは茜色
父さんと
熱い想いを
愛で生まれた この命
ふとこみあげる
つないだね
うつし出すのか 夕焼けよ
三人で手 を
茜色
抱き あ い
いだ
あの日も空は
巡りあい
愛せるの
今日の幸せ
命あるから
いまかみしめる
わ
夕焼けよ
と
ここにいる
永遠に見ていて
大切な人
茜色
母さんが
ふたりの空は
父さんと
もうひとつ
夕焼けよ
くれた幸せ
家族つつんで
つなぐ愛
胸に抱いてる
つながれた愛
茜色
小さな寝顔
満ちゆく空は
村
田
る
り
334
花柄
いで湯宿
格子柄
旅 浴 衣
蝶柄
どれにしよ うと
今夜はうんと
薄化粧
甘えたい
誰も知らない ふたりきり
素足 湯上り
弾けま す
ピンボール
浴衣の裾も
輪投げに
いで湯町
射的に
はしゃぐふたりの
子供みたいに むきになる
慣れぬ下駄
あなたがとても 愛おしい
のぼる坂道
掴みます
泣きそうで
いで湯里
束の間 幸 せ は
浴衣の袖を
ひと時
朝よ来ないで
口を開けば
涙あふれる
拭います
腕枕
寝たふりしては みたものの
浴衣の襟で
本
橋
夏
蘭
335
鳴子夢の宿
抱いたような
いだ
雪を湯けむり
恋だけど
せつ
なぜか切ない
た
ね
結ぶのか
むす
下駄の音が
げ
からんころん からんころん
きずな
夜風が運ぶ
しず
ふ
夜が更ける
よ
静かに…
ふたりの絆を
静かに…
鳴子湯の里
夢物語
愛しあう
恋はいつでも
浮世離れて
てん に ょ
で
待ちわびる
ま
足音か
あし おと
からんころん からんころん
天女の歩く
ひ
明日は…
鳴子の日の出を
明日は…
掴みたい
しあわ
きっと幸せ
たび じ
二人の旅路
越えながら
こ
時は流れて
く ろう やま さか
苦労山坂
思い出し
からんころん からんころん
苦しい時には
生きてきた
過ぎても……
す
歯を食いしばって
月日は……
懐かしい
なつ
鳴子湯の宿
森岡
ひであ き
336
矢
ふたたび ばたでん
閉鎖になって
こうじょう
八王子の工場が
帰ってきたよ
想い出捨てて
ふるさと出雲に
四半世紀住んだ街
姿があった
一畑電車
いち ば た
出雲市駅で
ばたでん
人生乗り換え
ふたたび
ホームに見慣れた
昔の車両
走ってた
京王線の
八王子から新宿まで
川跡の駅で
ひとりで行って
偶然 だっ た
かわ と
幼馴染みあいつとは
再会したのさ
ばたでん
クラブにいたと
一畑電車
出来事だった
出雲大社お互いに
参拝帰りの
ふたたび
昔の車両
しばらくミナミの
南海電車
お ん な じ レ ール
走ってほしい
ばたでん
あの頃乗ったかもしれない 不思議だね
ふたたび
これから一緒に
好き だっ た
あなたの笑顔 まぶしい笑顔
憧れだったずっとずっと
坂
秀
司
337
あなたは嘘を
知らずに待った
残して消えた
女の終着駅
わたしは嘘を
甲っても
あお
誰にも言えない 悲しみを
酒に散らして
燃えない炎が
百も知り
すぐ目を浮べ
見せないけれど
残るだけ
燃えな い 炎が
アー アー
わたしは泣きを
お前は泣きを
おんなの 弱さを
冷たい貴男の
あ な た
どうせ今夜も 帰らない
あ な た
便りなさ
冷たい貴男の
アー アー
吐けると教え
つ
言葉で嘘は
吐けないものと
まいぶれ
心で泣きは
予言 が
着いたのよ
悲しい別れの
終着駅に
矢
あなたとわたしの
愛の灯に
あなたとわたしの
アー アー
嶋
たかし
338
しば
木の芽起こしの雨
凍れる冬が 白神越せば
二十と五年 早 い も の
にょうぼ
女房のしわが またひとつ
と し
重ねた歳月と 同じ数
想えば苦労 掛けたよな
口には出さぬが 胸にある
ああ 秋田大潟 米どころ
木の芽起しの 雨が降る
ど
耕す手にも 小さな夢が
かて
明日を生きる 糧となる
た ね
囲炉裏を囲み 選ぶ種子
重ねた歳月と 同じ数
秋には実る 女房の苦労
さかずき
祝いの 杯 二人して
ああ 秋田大潟 米どころ
木の芽起しの 春の雨
せ
雪解け水が 流れる背戸の
ほと
辺りに植えた 梅の木が
ふく
はなつぼみ
膨らみ見せた 花蕾
重ねた歳月と 同じ数
誰より先に 見せたくて
喜ぶ笑顔を 見たいから
ああ 秋田大潟 米どころ
木の芽起しの 雨が降る
矢
頭
國
明
339
御 同 輩
くれたナ今夜は
き ょ う
やろう じ ゃないか
よくぞ出掛けて
じっくりと
さあさ一杯
陽気も先ず先ず
屋台酒
じ
そこの馴染みで
なぁ御同輩
な
飲んで語ろや
そうよ無沙汰は お互いさまよ
言うことないさ
いいよだが
元気してりゃあ
色艶中中
なぁ御同 輩
今もよろ しく や っ て る か い
酒は妙薬
一杯やるも
久し振りだナ こうして差しで
差しでお前と
おごりだぜ
なぁ御 同 輩
愛でながら
この場はおいらの
桜吹雪を
明日に乾杯
梁
川
梁
340
君に送るよ
朝日のよ うに
『僕がいるよ』
必ずのぼる
変わらぬ愛を
合わせて
さあ 笑顔を見せて…
き ょ う
チャンネ ル
がんばる君を
僕がいること
近くで見てる
今日も 歩いて行こう
忘れずにいて
合わせて
さあ 気分を変えて…
チャンネ ル
声をかけたい
苦しいときも
僕と おしゃべりしよう
困ったときも
いつでもすぐに
さあ 涙をふいて…
合わせて
味方になるよ
チャンネ ル
君の
は
想いを馳せて
君は知って る
はるかな宇宙
続いた命
す
合わせて
さあ 手に手をとって…
あ
チャンネ ル
明日へ 伝えてゆこう
やま
が
い
山甲 斐
晶
子
341
男の海よ
北 恋 港
北の北の 港は
親父自慢のかたみの船さ
どんな嵐も 時化にも負けぬ
お ま え
許婚がいれば射を張って
鴎も泣くぜ
俺のハマナス……恋港
海よ海よ荒れるな
無事で帰るとお守り握る
の ぞ み
夢にひとすじ希望に燃えて
い の ち
生命を賭けた男のロマン
おまえがすべて
今日も大 漁の……日本 海
こころ
愛が愛が魂さ
昇る朝日に絆を染める
海は漁師の墓場と云うが
泣かせはしない倖せやるぜ
俺とおまえは ふたり船
八
巻
功
342
くれな
女紅いきずな歌
暮らしても
山
わたしの部屋に 住むひとは
信じます
離ればなれに
愛の力を
今でも
あなた…
おりません
ひたすらに
なれるよう
したくない
あの誓い
きずな歌
あなただけしか
くれな
女紅い
熱い抱擁
一+一に
いち たす いち
絵そらごとには
今こそ
こころ …
きずな歌
こころ 掛 けます
女紅い
ひとりぼっちの せつなさが
つのります
すがりつく
おかえりなさい いいたくて
日毎夜毎に
今すぐ
ドアの…
きずな歌
ドアの呼び鈴
女紅い
北
由希夫
343
なお 赤く
花よ星よ涙よ
赤いバラより
なお 白く
あで
白いバラより
カトレアよりも なお艶やかに
花なれば
涙よ
こ こ ろ
咲きしこの世の
星よ
わが心 情
花よ
散るを惜しむも
あゝ
鳥が飛ぶ
花が咲くとき 蝶が舞い
青い空には
流れ星
ちぎれた羽根の その哀しみは
遠い夜空の
湧く涙
星よ
祈るこころに
あゝ
花園に
涙よ
君は帰らぬ
花も咲く
花よ
思い残せし
捧げれば
君が影
星よ
涙よ
きらめく星も なお命あり
涙束ねて
花よ
しのぶ星空
あゝ
山
崎
ふみえ
344
うすめに引いて
や まし た
日暮れほろほろ灯るころ
紅いルージュを
しぐれ橋
あ な た
貴方を見送る
蛇の目に隠し
背に 投げた
揺れる心を
つくり笑顔を
ぼたん雪
ああ…日暮れほろほろ灯るころ
傘に重たい
指折り待てば
もう一度
しぼりの帯を
絞めつける
暦めくって
ふた え
逢いたい思いが
あか
紅い二重の
と
解いてほしいの
蝉が鳴く
き
去った晩秋
あ
抱かれた男が
ひと
ああ…日暮れほろほろ灯るころ
熱い乳房で
雪の降る夜に
別れも告 げ ずに
男傘
捨てれませんわ 今でもずっと
夢で濡れてる
ああ…日暮れほろほろ灯るころ
おんなみじかい 春を知る
貴美
345
嘘になる
言えない私
潮騒の宿
未練ないとは
言えばそのまま
燃えて過ごした あの夜の
もういちど
夢焦がす
宿の温もり
ああ、儚い女の
潮騒の宿
漁火ゆれる
ここはみちのく
波間がくれ に
目になみ だ
夢濡す
面影よ
その奥に
沖をみつめる
濡れた瞼の
浮かぶ貴方の
ああ、哀しい女の
潮騒の宿
慰める
心の傷を
ここはみちのく
私ひとりの
そっと夜風が
潮騒の宿
夢映す
指で拭く
窓に寄り添い 目に涙
落ちるしずくを
ああ、切ない女の
ここはみちのく
山
田
孝
政
346
淡 き 恋
輝やきは
はなやぐ時には ほんの少しだけ
瞳の奥眠る
思い出よ
思うのは
若き日の
あの人を恋しく
淡き恋かしら
恋かしら
乙女の
知らず
知らず
夢浮かべ
切ない
乙女ごころ
好きなのよ
さそいさそわれて
点しては
蛍の光りに
ほの
仄かにほんのり
生命火よ
包むのは
限りある
あの人の優しさ
乙女ごころ
淡き恋かしら
恋かしら
乙女の
揺れて
揺らり
夢浮かべ
切ない
言葉少しだけ
好きなのよ
旅立つ時 には
手の ひらに
吹かないで
乙女ごころ
山
淡き恋かしら
恋かしら
思うのは
儚い花びらは
風は罪
桜の
散らすも
やはり
あの人を秘そかに
やはり
夢咲かす
薄紅の
田
那津子
347
都会暮らしの
帰ります
夢を捨て
山
田
あなたさよならお元気で
北へ夜汽車で
遠ざかる
窓灯り
ひとつふたつと
お元気で
うしろ髪引く
あなたさよなら
置手紙
帰ります
振り捨てて
わがまま詫びます
恋の未練も
ひとり淋しく
尽きぬ思い出 詰め込んだ
お元気で
膝の上
あなたさよなら
闇の 中
荷物ひとつを
汽笛も泣 きます
生れ育った ふるさとへ
帰ります
握りしめ
母のもとえ と
切符片手に
明日を問う
お元気で
走る列車に
あなたさよなら
心も揺れます 右左
博
康
348
光輝く
故
畑一面
郷
えらぶ百合
思いを馳せりゃ
は
故郷よ
美しい花に
ちゅら さ ぬ
洒落たフリージャ
香り漂う
夢も嬉し い
田皆岬に
友の顔
花が咲くころ
昔馴染みの
赤いデイゴの
里帰り
美しい心
ちゅら さ ぬ
船に揺られて
母の温もり
母の顔
思い出積る
触れて嬉しい 故郷よ
姿なくても
星の光に
笑顔笑顔の
歓びの瞬間
花盛り
港和泊
親と子孫の
故郷よ
年の暮れには
心溶け合う
絆の花が
き
船が届けた
弾け飛ぶ
と
離れ小島で
山
本
ユリエ
349
恋 女 房
後にして
あと
親の許しは
夫婦道
め お と みち
苦労覚悟の
おまえの華さ
はな
一途に育てた 我が子の思い
それが一番
女の情が
恋女房
じょう
そんな女の
俺のほこりさ
人になる
振り捨てて
俺とおまえで
笑顔のうらで
浮き世しがらみ
男を支えた
こころ が 自慢
涙・枯れても 表はみせぬ
にくい心が
恋女房
す
俺の頼りさ
あ
夫婦船
明日がくる
長い人生
漕いで二人の
我が子と孫に
がん か
願掛け忘れず
夢をつかめと 両手を合わす
恋女房
きっと老いても 老いても祈る
俺の大事な
結
城
諒
350
さが
関西人の哀しい性
Y
u
暗いニュースが 毎日続いて
生きてくことさえ つらい世の中
せめてウチらだけでも 明るくいきましょ
桜の花のように パアッと咲かせましょ
笑う門には福来たる 幸せがやって来る
信じる者は救われる 気持ちの持ち方ね
関西人の 哀しい性
笑 わ せ て な ん ぼ の 世界
ウチら やります つくります
ワ・ハ・ハ 笑いの王国を
上を向いたら 今日も青空
何でもないけど ちょっと幸せ
キミもウチらみたいに 楽しくいきましょ
春風追い越したら ひまわり咲かせましょ
泣き虫さんは卒業よ 暗い顔 似合わない
.け
.ま
.つけたら大丈夫 勇気がわいてくる
つ
関西人の面白さが
伝わって いったら いいな
みんな 泣くより 笑いたい
そ ん な 時代が来る よ うに
関西人の 哀しい性
笑 わ せ て な ん ぼ の 世界
ウチら 歌って 踊ります
あ し た
ラ・ラ・ラ 明るい未来へ向かって
k
a
351
ニッポン
湯
日本のおばあちゃんへ
初めまして
日本のおばあちゃん
僕の名前は ○○です
小っちゃい頃から バアちゃんが
いつも 教えてくれました
「心はね 友だちが
頭はね 読む本が
お前を育ててくれるから
大事に選んでいきなさい」
お蔭で 利口になりました
愛しています おばあちゃん
長生きしてね おばあちゃん
ま
布団を叩いて バアちゃんが
優しく 歌ってくれました
「寝る時は ぐっすりと
いい夢が 餌になる
眠っている間に 背が伸びて
丈夫な身体に なるんだよ」
今でも聞こえる 子守唄
ご恩返しに お ば あ ち ゃ ん
歌を一曲 おばあちゃん
「お陽さまが 見ているよ
なまけてちゃ いけないよ
お前はいい子だ 世界一
生まれてくれて ありがとよ」
幸せ者です この僕は
誇りにしてます おばあちゃん
元気でいてね おばあちゃん
川
れい子
352
恋でした
川に 似た
閉じ込めて
ゆ
き
ちかげ
思い出のリバーサイドホテル
涙を心に
黙って流れる
写し絵みたいな
死ぬほど愛した 人だから
辛くでも
来るのなら…
別れてあげる
別れがど ん な に
今は笑顔で
それで明 日が
煌めいて
遠ざかる
泣きぼくろ
ネオンが哀しく
涙でくもる
あの日のあなたが
死ぬほど愛した 人だから
来るのなら…
忘れてあげる
未練が切なく 縋りつく
だけどやっぱり
それで明 日が
広すぎる
ひとり言
リバーサイドホテル
ツイーンの部屋は
ひとりぼっちの
あなたを愛した 思い出の
リバーサイドホテル
353
この
ふう
しゃ
夢 風 車
生れた愛が
連れて来て
風に乗り
きらめきを
あの幻よ
星あかり
世でひとり
遠い夜空の
空よ雲よ
夢のカケラの
海原越えて
早く来て来て
あなたが回す 夢風車
胸に抱き
風となり
あの幻よ
朝が来る
あの ふる里の 月影暗い
愛よ
夜が明ければ
夢よ
あなた身変り
希望の光り
側に来て
夢風車
早く来て来て
私は回る
あ し た
明日が見える
あの幻よ
降りそそぐ
この 手かざせば
春の陽射しが
波よ
夢つれて
風よ
虹の幸せ
彼方より
逢いに来て
水平線の
早く来て来て
ふたりで回す 夢風車
ゆたか
豊
こう
浩
じ
二
354
出て行くけれども
ゆ ら
悦
私には……。私には……。
気付かなかった 冷たい視線
淋しさ胸に
男だった
ひと
私には……。
熱 い涙
咲かない朝顔
身を切るような
朝が来る
今年は
ひとすじ流れる
私には……。
ひと
嫌らわれてた
大好きな男だった
それほど までに
夜がふけて行く
き
身をもてあまし
す
この部屋を
あ
明日は
消えたままで
じ まん
自慢の笑顔が
歌がある
うた
私には……。
まぎらす
私には……。
淋しさ
歌がある
私には……。
まぎらす
私には……。
淋しさ
子
355
忠兵衛
雪が舞い散る
落ちて行く
大和 路を
恋のみちゆき
いのち結んで
幸せやれない この俺に
由
悔いはないけど
恋のみちゆき
追われる身さえ うれしいと
晴れて夫婦の
(セリフ)俺は覚悟のうえ
こんな男の
梨
お前のやつれた顔が 死ぬより辛い
梅川 許せ
恋ならば
冥途の道連れに
元に戻れぬ
最後まで
抱きしめりゃ
恋のみちゆき
紅をひく
いっそ染めよう
ふるえる 躰を
と
凍える指で
さ
つらいだけ
親不孝
身をかくし
ひと目故郷へと
風の音にも
陰でわびてる
お前の涙が
一緒なら
恋のみちゆき
引かれる道も
雪の花道
恵
子
356
ランニ ン グ
歯を食い縛る
横
森
葉
夜明けのフィットネスサイト
風雨に打 たれ
夜明け前の
鉛色の
地をう
垂れ籠める天空
動悸の辛さ
星影ひめやか
こ
何処かに潜む
ど
鱗雲流れて
人生の落とし穴
柔らかく
アウト ラ イン
微笑みに
ほほ え
ランニング
寄り添う如く
描けば
嵌まらぬよう
長い枝葉の
灰色の空
真夏の微風
終えた今日の
あと
苦しみ後の
う す べに
フィールドを
染まる薄紅 空遙か
背にしたグリーン
現つの夜明け
うつ
総べてを待つかの
子
357
漕ぐ舟は
ふたり旅
愛するあんたと
したけれど
人 生航 路
少しは道草
故郷え
どこまで続くの
りんご花咲く
好きなあんたと ふたり旅
引き戻 し たい
急いで過した 二十と余年
失くした青春
暮らしたい
夢のせて
ば
ふたり一緒の
そ
あんたの身辺で
今度はゆっくり ふたり旅
命を重ねた ふたり華
昨日と云う日に 戻れはしない
夢の橋
離れられない ふたりなら
明日に架けよう
好きなあんたと ふたり旅
吉
田
静
江
358
アラスカのサムライ
吉
田
~ロンドンデリーの歌~
若きあなたはいずこから
幸せを届けるの
わ
道なかばにしてはかない
と
そのたましい空へ
モンティ先生よ永遠に
ゆ
アラスカのサムライは
桜のように散り行きて
みちのくに愛残す
どんなに雪降る冬さえ
春の足音 あれば
望みは必ず叶うよ
希望と夢 持って
陸前高田 子供達
忘れないでねきっと
先生の言葉あたため
次の世代伝えて
陸前高田 子供達
忘れないでねきっと
先生の言葉あたため
次の世代伝えて
次の世代伝えて
すばる
359
一人旅
くも
涙で曇る
紬の街の 風太鼓
旅の栞が
南海峡
海荒れて
やる瀬ない
夏の終わりの
紬の街も
鳴り響く
ひび
何処で打つのか 風太鼓
虚ろな胸に
こ
情けを込める
こ
切なくて
緯糸に
よこ
紬織る娘は
たて
藍の縦糸
べに ばな
手折る紅花
信じて見たい もう一度
風太鼓
鳴り止まぬ
祭り習いか
夕陽に千切れ
かえ
あの日に還る
も
ほつれ解け ば
お
夢ばかり
つの
か
また濡れる
え
募る思慕いは
表裏す枕が
船灯火り
か
北へ旅立つ
風太鼓
偲び打つ
あ
胸に高鳴る
紬の街で
吉
田
と う
360
しゅうと
変わるのよ
並べて書けば
よしだ
お姑さんも辛いのよ
女に古と
姑と言う字に
なんだけど
育てられ
自分が 言 うのも
蝶よ花よと
そんな私も 気が付けば
泣かされてるわ
お姑さんに なってたわ
息子の嫁には
血がのぼり
廊下をドタバタ はしる癖
頭に響いて
垂れ流し
眠れない
水はポタポタ
染みるのよ
枕かかえて
キリキリ胸に
へたり込む
孫には手を焼き よろける足で
追いかけ回して
使われて
私がなんで こうなるの
あごで嫁には
ベビーカー
辛いのよ
隠れけとばす
お 姑 さ んも
未
来
361
タプカル
踏舞の華
つるぎ
タプカル
ぬさ
てん
つ た え うた
ア・ホイ
北の大地の コタンの祭り
カムイ捧げて 幣が舞う
愛の調べは ムックリ添えて
アイヌモシリの 口承歌
ニシパは 剣 で 空を突き
北の大地に 幸を呼ぶ
ア・ホイ ア・ホイ
アァ… 踏舞の華
お
さ
ア・ホイ
北の大 地の コ タ ン を 清 め
鮭を捧げて 祈る長老
愛の調べは ムックリ添えて
母の教えの 口承歌
メノコは黒髪 ゆらゆらと
アツシ揺らして 鶴の舞
ア・ホイ ア・ホイ
アァ… 踏舞の華
ア・ホイ
三日三晩を 踊って舞えば
ニシパ・メノコは 春を待つ
愛の調べは カムイを揺らし
アイヌコタンの 口承歌
未来の幸せ 祈りつつ
永久に栄ん 共々に
ア・ホイ ア・ホイ
アァ…踏舞の華
注
よしむら
こう
アイヌモシリ=人間の大地、カムイ=神様、ニシパ・メノコ
=男・女、コタン=部落、タプカル=(踏舞)踊り、ムック
リ=竹を口で押えて糸を引く、アツシ=着物
362
海が
漁場 の港
復興への道
海が命の
藻くずと消えた
大震災
波に呑まれて
東日本の
呼びかける
今だ帰らぬ
夢も希望も命も呑んだ
今だ帰らぬ
家族を探して
冷たい部屋で
人の情けのおにぎり一つ
命つないだ
温もりが
人の
人の優し さ
勇気をくれた
涙噛み締め
俺の心に
涙噛み締め
春を呼ぶ
世界の人が
幸せ探して
遠い国から
両手を添えた
遠い
涙分け合い
お互いに
励まし合って
みんな友達
熱い心で
明日に向かって
探そうよ
明日に向かって
希望の光を
吉
村
哲次郎
363
春夏秋冬男道
湧いてくる
舞い上がり
新たな勇気が
打ち上がり
春には桜が
夏には花火が
どんな試練も 弾け飛ぶ
命の限り
山越え谷越え 心に花を
行くぜつらぬけ
今を生き抜き 突き進む
春夏秋冬男道
忍び寄る
舞い降ちて
静かな孤独が
身に染みて
秋には枯れ葉が
冬には吹雪が
男泣 き
心に水を
明日を見つめて
山あり谷あり
命の限り
突き進む
行くぜつらぬけ
夢を信じて
春夏秋冬男道
命の限り
山越え谷越え 心に花を
行くぜつらぬけ
今を生き抜き 突き進む
春夏秋冬男道
R
I
E
364
さい
犀川に
さようなら金沢
別れて哀しい
ひと
湯の香恋しい 旅の宿
外は雪吊り
影を忍んで
一人旅
金沢の
泣いた町
呼べど届かぬ あの男の
思い出辿る
想い橋
たど
ネオン裏 町
能登の淡雪
今夜は一人
想い出綴る
一人旅
金沢に
泣いた町
恋灯り
二人過ごした 兼六の
女せつない
明日は旅立ち この町に
恋だから
捨てました
涙色した ふたり川
女のまごころ
二度と会え な い
一人旅
縁を切ります 金沢で
未練残して
連
達
人
365
晩
秋
和香泉
~恋の大和路
風がなく
夕陽に 染 まり
寄り添う影に
一夜 旅
秋の斑鳩
この世忘れる
こえ
責めるよに
鐘の音
月影青く
古都の黄昏
かなわぬ愛を
心にしみる
け
あなた恋しい ああ
い
悲しさよ
猿沢池の水面に
揺れる心の
み
知りながら
か
夢の明日と
ぬれる黒髪
古都は更け行く
炎と燃えて
ひ
夜霧の宿 に
ああ
恋しさつ のり
命重ねる
恋の路
明日は明日香か 薬師寺あたり
二人でたどる
古都の秋行く
添えぬとも
たくす夢
抱き締めて
たとえこの世で
面影胸に
ひ ざ し
春の陽光に
あなた愛しい ああ
有
輝
366
荒川 線
町屋まで
荒 川 線
三の輪橋から
ぶらり乗るのは
出合い道
熱い街
自然公園
夢を育てた
栄町
さかえ
宮の前
かじ わら
梶原
熊野八幡
お だい
小台
飛鳥山
あ す か やま
史料館
明日の英雄 巣立つ街
古い渋沢
春は桃色
浮かれだし
待ちに待ってた 花見客
王子きつねも
酔った酔ったの 千鳥足
す がも
西ヶ原
巣鴨行き
滝野川から
散歩がて らの
押し寄せる
し
ぼ じん
鬼子母神
き
大繁盛
老いも若きも
や
地蔵通りは
が
参ります
ぞう し
親子祈願に
夢じゃない
雑司ヶ谷なら
早稲田大学
水稲荷
みず いな り
今日も見守る
若
松
かつ子
367
ところ
(トポフィリア)
あい
想いと…
ホッとする
和 久 洲
‥神戸・六甲パース
け し き
タブレット
枠絵の風情
わく え
見惚れて
処 愛
思わず
構え切り取る
若返る
高台 トポフィリア
いつも
道がある
ホッとする
青さと…
出会いと…
ホッとする
熱い
「処・ふれあい」…ああ
居場所探しの この胸に
風も涼しい
山麓
此処には
あ し た
ち へい
アカデミア
究める地平
聳える
未来 へ つづく
仰げば
こ こ ろ
若い気概が
高台 トポフィリア
湧上る
雲の
「処・ふれあい」…ああ
居場所見つけた この胸に
しず
人も閑かな
山麓
いつも
心夜景
うら や けい
唄がある
漂う余韻
ね い ろ
馴染んだ
ひびく
此処には
未来へ
いつしか
連れる恋唄
振返る
六甲 トポフィリア
いつも
夢がある
粋な
「処・ふれあい」…ああ
居場所に和む この胸に
大義彩る
神戸
とどく
此処には
未来へ
正
368
見えてくる
列車の窓を
母さんの花火
凍り付くよな
拳で拭けば
手紙を置いて
お嫁に来たの
あなたが生まれた この村に
鞄ひとつで
母の枕に
涙がこぼれ
閉め た時
あとから
静かにド アを
あとから
白い雪
畑の隅は
に じ む 夜 空 に 冬花 火
通り過ぎてく
窪地に残る
都会で生まれた 私でも
鍬音させて
合間をぬって
わだ
歳月はめぐり
き せ つ
大丈夫
しきたり
天地返えしの
習慣さえも
こ と ば
慣れぬ方言や
と
夢花火
あとから
あなたがいれば
あとから
ご
星の夜空は
し
慣れぬ農作業の
手紙を書けば 母さんの
夢花火
笑顔によく似た 花火があがる
星の夜空は
まさのり
369
いと
悲恋おんな川
ひと
抱かれて
愛しい男に 心もやし
幸せになろうと
嬉し泣く
夢花道を
何も言えずに
愛し愛され
振り向けば
好男の陰に
お と こ
歩き疲れて
夜霧に消える
泣いて叫んだ 川千鳥
貴方 の 姿
あ な た
初めて逢った
持った男
ひと
優しさ強さを
身をまかせ
夢空まわり
から
強く引かれて
惚れた女の
探しても
のこ
残り火ひとつ
び
面影うすく
影を追って
や
おんな 舟
おぼろの月に
流れ流れた
へ
こい
冷めたい居形の
恋しずく
ほそ
夢まぼろしの
未練に細る
うず
ゆらゆらと
ね
漏れる蛍火
む
さが
性ですか
ほたる川
想いでだけを
乳房の疼きは
からむ情念
幸せ薄い
恋に身を焼く
綿
木
義
昭
370
二〇二〇年東京五輪
海を越えて
かがや
愛の 輝き
あかし
平和の 証
太陽の熱い
地球はひとつ
も
東京 五 輪
ゆう し
希望に炎えて
感動の勇姿
美しい
またた
あ
二〇二〇年の
青春の
海を越え
あなたの心は
あつ
星の瞬き
平和の灯かり
友好の厚い
世界はひとつ
い の ち
東京 五 輪
わ
二〇二〇年の
湧き立つ生命
かん めい
青雲の
感銘のドラマ
きらめ
かなめ
麗し い
うるわ
夢舞台
あなたの笑顔は
あつ
月の 煌き
平和の 要
友情の篤い
仲間はひとつ
こ
東京 五 輪
よ
二〇二〇年の
感激の涙
金メダル
真夏の夜 ハートを焦がす
夢花火
あなたにあげたい
渡
辺
蛍
雪
371
私とタンゴ
炎のタンゴ
踊りましょうよ
しもべになって
激しく踊って
あなたは私の
嵐のように
あなたのものよ
か ら だ
タ ンゴ
炎のタンゴ
私の身体
タンゴ
踊りましょうよ
優しいあなた
時間を止めて
私を落として
じれったいほど
ヒールが折れて
灼熱地獄に
ドレスが裂けて
お好 きなままに
炎のタンゴ
私を見つめて
私を落として
タ ンゴ
お構いなしよ
タンゴ
灼熱地獄に
悪魔のように
私を殺して
炎で焼いて
激しいリズムで
私の身体
溶かして焼いて
炎のタンゴ
私を落として
タ ンゴ
あなたの腕で
タンゴ
灼熱地獄に
渡
辺
久
士
372
風に吹かれ
花も 咲くさ
渡
部
平
ありのままに そのままに
いつものように
気にもせず
雲のごとし
片寄らず
力抜き
自然なること
身体中の
念じていれば
実も育つよ
ありのままに そのままに
やがて大きく
見栄もなく
心広く
時を待つ
気持をはらず
心静か
気持は高く
生きていたい
呑みながら
おごらずに
人にやさしく
卑下もせず
たまには酒を
ありのままに そのままに
吾
373
川の町
港町
川の町
面影たずねた この町は
ネオンただよう
あな た
わたなべ
いいじゃない…
一つくらいは
何処にいるのよ
せめて噂の
聞かせてくれても
いいじゃない…
一つくらいは
あな た
漁師町
とき折り汽笛が この町は
はぐ
逸れかもめの
何処にいるのよ
こと づ
せめて言伝て
あずけてくれても
たずねて逢えない この町は
港町
あな た
入江ちいさな
何処にいるのよ
一つくらいは
いいじゃない…
せめて手づるの
のこしてくれても
泰彦
374
編集後記
たきの
えいじ
今年は、昨年を上回り、全国各地から三五
七編の作品が集まりました。ありがとうござ
います。
机に並べら れたその原稿の厚み。その厚み
は、詩を綴る思いと努力の結晶に他なりませ
ん。 書か れ た スタ イ ル も さ まざ まで 、 細 や か
で 柔ら か い 作 品 、 た く ま し く 力 強 い 作 品 と そ
の人なりの思いが伝わってきます。
私は、詩は、文字で描く絵と思っています。
そして、絵の奥には心があります。一行では
表現できない心を、たくさんの文字で表現す
る。その心の集まる「家」が、詩と思ってい
ます。
作曲家のみなさん。是非この詩謡集を読ん
で下さい。そして是非メロディーの舟にのせ
てみて下さい。
この詩達の新しい出会いを楽しみにしてい
ます。
編 集 に 当 た り 、 事 務 局 の 方 には 大 変 ご 苦 労
かけました。ありがとうございます。
そして、編集に取り組んでくださった委員
のみな さ んに重ねて 感 謝 とお礼を 申 しあげ ま
す。
◆おねがい
こ の 詩 謡 集 に掲 載 の 作 品 を 、 付 曲 す る 場 合 は 、
お手数でも、当協会事務局へご連絡下さい。
掲載著作者には事務局から連絡し、付曲の可、
えいじ
不可を回答いたします。
たきの
由希夫
一
新
雅 道
伸
山 北
じ
まさお
つ
斐
茜
甲
員
津 田
編纂に関しては出来るかぎり原稿に準じました。=
=
委
纂
編
きょうの詩 あしたの詩
― 日本作詩家協会年刊詩謡集 ―
( 二 〇 一 三 年版 )
里
一
行 者
日 本 作 詩 家 協 会
■■■■■■■■■
年刊詩謡集編纂委員会
龍
発
纂 者
村
編
前田印刷株式会社
本作詩家協会
所
印 刷
一般社団法人日
掲載作品を付曲される場合は事務局宛にご一報下さい。
平成二十五年十二月十五日発行
発行所
〒
東京都新宿区四谷三丁目二番地
TRⅡビル四階
TEL 〇三‐五三六三‐六一五一
FAX 〇三‐五三六三‐六一五四
1600004
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