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当日配布資料 - 新技術説明会
立体ナノ構造形成技術を用いた バイオナノインジェクターの作製 研究者:兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所 松井真二 教授 1 細胞内操作のためのバイオツール,分析デバイス 生体内の未知の現象を解明する事を目的とし、 細胞内操作を行うためのバイオツール 個々の細胞内小器官を分析するための分析デバイス に関する研究を行う。 バイオ・ナノインジェクター 細胞壁切断ツール ナノネット マニピュレータ ・ ・ ・ 2 1. 集束イオンビームを用いた 化学気相成長法(FIB-CVD)について 3 集束イオンビームシステム ・ Ion Source / Ga+ ・ Acc Voltage / 30 kV ・ Beam Diameter / 5 nm ▲ 集束イオンビームシステム / SMI2050MS2 (SII NanoTechnology Inc.) 4 DLC成長過程 1. 吸着 2. 励起状態 1次イオン 2次電子 C14H10 3. 核生成 4. 成長 C析出 H2 DLC H2 5 FIB-CVD3次元構造成長メカニズム Ga+ (30 keV) フェナントレンガス (C14H10) 吸着分子の分離 1次イオン 2次電子 DLCピラー Si 6 1µm (a) 2 . 75 µ m (b) (a)シリコン基板状、および(b)髪の毛上に作製された ナノワイングラス 外径:2.75μm、高さ:12μm 7 DLCピラーのヤング率の測定 電子ビーム 共振周波数 2次電子検出器 f = オシロスコープ 2次電子 f rect DLCピラー Piezo ▲ 実験模式図 スペクトルアナライザ β2 L2 EI ρS aβ 2 E = 2πL2 12 ρ (For square cross-section) f ; 共振周波数 β ; 共振モード a ; 直径 L ; 長さ E ; ヤング率 ρ ; 密度 8 測定結果 f rect ▲ 共振するDLCピラー aβ 2 E = 2πL2 12 ρ ヤング率 E = 100 [GPa] 9 2.集束イオンビームを用いた ガラスキャピラリー上での立体ナノ構造デバイス に関する研究 10 ◆本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :微小立体構造マニピュ レータ • 特許番号 :特開2004-345009 • 出願日 :平成15年5月21日 • 出願人 :科学技術振興機構 • 発明者 :松井真二、米谷玲皇 11 ◆従来技術とその問題点 ● 従来のインジェクター Tip of Bio Nano-Injector サイズ,形状に限界がある。 Cell Glass Capillary ◆新技術の特徴・従来技術との比較 ● バイオ・ナノインジェクター 用途等により自由に先端のサイズ,形状を変える ことができる。 12 ◆期待される用途 ● 細胞内の細胞小器官などへ、直接、溶液を正確にそして容 易に注入。 ● 吸引器として使うことで、細胞から細胞小器官等の選択的な 取り出し。 ● インジェクターの先端の形状及びサイズを、自由にコントロー ルできることによる、実験において細胞にかかるメカニカルス トレスの軽減。 ● FIB-CVDにおいてタングステンガスを用いて、インジェクター 上に電極を作製した場合、細胞,細胞小器官,そして膜に存 在するイオンチャンネル等のきわめて部分的な電位測定。 13 立体ナノ構造作製・加工原理 Ga+ Beam Gas Nozzle Phenanthrene Gas Glass Capillary Chemical Vapor Deposition by Focused Ion Beam 14 立体ナノ構造作製・加工原理 Ga+ Beam Glass Capillary Etching by Focused Ion Beam 15 FIB-Etchingによる先端の形状コントロール 1. 通常のマイクロインジェクター ガラスキャピラリ−を、 引き伸ばすことにより作製 16 FIB-Etchingによる先端の形状コントロール A. 垂直に切断 Ga+ Beam 17 FIB-Etchingによる先端の形状コントロール ● Exposure Time / 30s ● Beam Current / About 120 pA 18 FIB-Etchingによる先端の形状コントロール B. 斜め方向からの切断 Ga+ Beam 19 FIB-Etchingによる先端の形状コントロール ● Exposure Time / 300 s ● Beam Current / About 120 pA 20 バイオ・ナノインジェクターの作製 ● Exposure Time / 600 s ● Beam Current / 6~8 pA ● Scan Size / 4.0μm 21 Glass Capillary Nano-Injector Cell ;100µm FIB-CVDにより作製したバイオナノインジェクターによるカタユウレイボヤ卵母 細胞への注入 22 3. 静電反発力により駆動する ナノマニピュレータ 23 ◆本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 :微小立体構造マニピュ レータ • 特許番号 :特開2004-345009 • 出願日 :平成15年5月21日 • 出願人 :科学技術振興機構 • 発明者 :松井真二、米谷玲皇 24 ◆従来技術とその問題点 ● 従来のナノスケールマニュピレーター ・AFMのカンチレバー等の上に多数の工程を用いて作製 FIB-CVDによる 3次元構造造形技術を利用 ◆新技術の特徴・従来技術との比較 ● ナノピンセット ・FIBによるCVDが主な工程となるため、 ごくわずかな工程により作製できる。 ・ガラスキャピラリー上に作製するため、 幅広い分野で使用できる可能性が非常に高い。 25 ◆期待される用途 ・ ナノ部品のマニピュレーション・組み込み ・ ナノレベルでの細胞操作 ○ 特徴 ・駆動力として静電反発力を利用 ⇒ 導電性の材料もマニピュレーションできる。 ・幅広い分野で使用されているガラスキャピラリー上に作製 ⇒ 汎用性,実用性が非常に高い。 ・ 3次元指構造を持ったマニピュレータである。 ⇒ マニピュレーションが高効率 26 作製プロセス ガラスキャピラリー 3. FIB-CVDによる三次元構造の作製 Ga+ 集束イオンビーム 1. 引き伸ばし ガスノズル フェナントレンガス 2. Auでの表面コーティング Au (電極用) DLC ガラスキャピラリー 27 ナノピンセットの作製 190nm 510nm 1470nm ● Exposure Time / 780 s ● Beam Current / 6~8 pA ● Scan Size / 4.0μm 28 ナノピンセット + + + + + + + ▲ SIM 画像 + + + + + + + ▲ 動作原理 29 印加電圧によるナノピンセットの動作 撓み率 : 1.1 nm/V 撓み量が飽和 弾性 領域 塑性 領域 850V ・ 0-850Vの範囲で、線形的な電圧コントロールが可能 ・ 850V以上では、ピラーの塑性により撓み量が飽和した。 30 2本爪ナノマニピュレータ + + + + + + + + + + + ▲ 2本爪ナノ・マニピュレータのSIM画像 + + + + + + + + + + + ▲ 動作原理 31 3本爪,4本爪ナノマニピュレータ ▲ 3本爪ナノ・マニピュレータ のSIM画像 ▲ 4本爪ナノ・マニピュレータ のSIM画像 32 マニピュレーション実験 光学顕微鏡 ナノ・マニピュレータ Z X ポリスチレン・マイクロビーズ(直径約1µm) Y 33 マニピュレーション 34 マニピュレーション後のナノマニピュレータ 35 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + (a) (b) コイル型静電アクチュエータの(a) SIM画像と(b)動作原理説明図 36 +++ +++ +++ +++ +++ +++ +++ +++ +++ +++ (a) (b) ヒダ積層型静電アクチュエータの(a)SIM像と(b)動作原理 37 ◆マッチングが想定される業界 想定されるユーザー バイオ関連研究機関 製薬メーカ、DNAチップ装置関連 想定される市場規模 数千万円/年 38 ◆実用化に向けた課題 • 現在、ナノインジェクターについて形状等の精度に ついて開発済み。しかし、耐久性について検討する 必要がある。 • 今後、耐久性について実験データを取得し実際に 適用していく場合の条件設定を行っていく。 • 実用化に向けて、ナノインジェクション内径精度を 50nmまで向上できるよう技術を確立する必要もあ り。 • 共同研究を希望される企業を募集中 39 ◆本技術に関する問い合わせ先 兵庫県立大学 高度産業科学技術研究所 TEL 0791-58-0473 FAX 0791-58-0242 E-mail matsui@lasti.u-hyogo.ac.jp HPアドレス http://www.lasti.uhyogo.ac.jp/nanostructure/index.html 40