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世界の食料需給の中長期的な見通しに関する研究(PDF:126KB)
平成21年度 プロジェクト研究評価報告 プロジェクト研究課題名 世界の食料需給の中長期的な見通しに関する研究 研究実施期間 平成20~22年度 プロジェクト研究の概要 バ イ オ 燃 料 向 け 農 産 物 需 要 の 拡 大 、干 ば つ な ど 異 常 気 象 の頻発などにより、近年、世界の食料需給は不安定さを増 しており、将来的には、ブラジル、ロシア、インド、中国 といった新興経済国の経済成長の影響も大きくなってく るものと考えられる。また、食料輸出入の世界の貿易地図 も中長期的に大きく変わる可能性がある。 こ の よ う な 状 況 変 化 に 対 応 し て 、国 民 に 対 す る 食 料 の 安 定供給を引き続き確保していくため、途上国も含め、でき る限り客観的な食料をめぐる動向や世界の食料需給の見 通しに関する情報を収集・分析し、その結果を新たな食料 戦 略 の 検 討 に 供 す る と と も に 、国 民 に 対 し て も わ か り や す く提供する。 第1小課題:世界の食料需給の中長期的な見通しを行うた めの独自手法の開発 評価結果 ○評価会議名及び開催日 外部評価会議 【評価項目ごとの評価】 ( )は3名の評価委員の投票数を示す。 ○ 社会的ニーズへの対応 A評価(3) ○評価委員名 ○ 政策の企画・立案への貢献 A評価(3) 坪田邦夫 ○ 学術面からみた研究成果の評価 A評価(1)、B (九 州 大 学 ア ジ ア 総 合 政 評価(2) 策センター教授) ○ 研究計画の妥当性 A評価(2)、B評価(1) 中川光弘 ○ 研究資源・実施体制の妥当性 A評価(2)、B評価 (茨 城 大 学 教 授 ) (1) 金田憲和 ○ 研究目標の達成度 A評価(2)、B評価(1) (東 京 農 業 大 学 准 教 授 ) 平成22年3月18日 ○評価基準 評価項目毎の評価 A ,B ,C の 3 段 階 評 価 総合評価 1~4の4段階評価 【総合評価】 ( )は3名の評価委員の投票数を示す。 1.順調に進行しており、問題はない。(3) 第2小課題:研究ネットワークを活用した各国情報の収集 ・分析 【評価項目ごとの評価】 ( )は3名の評価委員の投票数を示す。 ○ 社会的ニーズへの対応 A評価(3) ○ 政 策 の 企 画・立 案 へ の 貢 献 A 評 価( 2 )、B 評 価( 1 ) ○ 学術面からみた研究成果の評価 B評価(3) ○ 研究計画の妥当性 A評価(2)、B評価(1) ○ 研究資源・実施体制の妥当性 A評価(1)、B評価 (2) ○ 研究目標の達成度 A評価(1)、B評価(2) 【総合評価】 ( )は3名の評価委員の投票数を示す。 1.順調に進行しており、問題はない。(2) 2.ほぼ順調であるが、改善の余地がある。(1) 第3小課題:バイオ燃料原料用農産物の需要拡大が食料需 給に及ぼす影響分析 【評価項目ごとの評価】 ( )は3名の評価委員の投票数を示す。 ○ 社会的ニーズへの対応 A評価(2)、B評価(1) ○ 政 策 の 企 画・立 案 へ の 貢 献 A 評 価( 2 )、B 評 価( 1 ) ○ 学術面からみた研究成果の評価 A 評 価( 2 )、B 評価(1) ○ 研究計画の妥当性 A評価(2)、B評価(1) ○ 研 究 資 源・実 施 体 制 の 妥 当 性 A 評 価( 1 )、B 評 価 (2) ○ 研究目標の達成度 A評価(2)、B評価(1) 【総合評価】 ( )は3名の評価委員の投票数を示す。 1.順調に進行しており、問題はない。(3) 【評価委員からの主な意見】 第1小課題 ○ 国際 的 に の根 拠 や 期末 在 庫 な説明を ○ アジ ア ・ 変化 の 反 2007-08 きる モ デ よら な い 望まれる ○ 毎年 定 期 公表する ○ モデ ル 構 ル構 造 の 薦する ○ モデ ル の 他 、 率 準 中 映 年 ル 中 の 実 が 備 南 、 に の 期 モ 質 さ し 米 供 起 開 見 デ 価 ら て を 給 き 発 通 ル 格 に お 中 弾 た 、 し と が 下 く 心 力 よ さ 方 も 中 が こ に 性 う ら 法 比 長 る と 、 の な に 論 較 期 理 が 所 見 乱 は の さ に 由 必 得 直 高 需 検 れ 上 等 要 弾 し 下 給 討 る ので 、 前提 昇 する 原 因、 に つい て 明確 的 体 造 ド に 制 に キ 国 を つ ュ 際 整 い メ 食 え て ン 料 て は ト 需 は 、 を 給 ど 構 ま 予 う 造 と 測を 政 策研 と して か 方程 式 群な ど モデ めて お くこ と を推 力 を を 均 や 性 行 説 衡 併 の う 明 モ 用 最 ほ 再 デ な 近 か 現 ル ど の 、 で に が 改 善は 順 調に 進 んで おり 、 昨年 度 より さ い ○ モ 影 ○ 一 で ら る デ 響 部 、 に 詳細 で妥 当 性の 高 い分 析結 果 が得 ら れて ル によ る価 格 予測 に おい ては 、 為替 に よる を検 討すべ き 国 別 に 見 る と 違 和 感 の あ る 部 分 も あ る の 第2 小課題 と 連携し精 査する こ と 第2小課 題 ○ サ ブ サ ハ ラ ア フ リ カ や 、 南 西 ア ジ ア 、 東 欧 な はさらな る情報 の 収集と分 析が必 要 ○ ① 国 に 特 化 し て 専 門 的 に 長 期 に 研 究 す る 人 材 ② 現 地 専 門 家 の 活 用 、 ③ 十 分 か つ 定 期 的 な 現 調 査 が 欠 か せ な い の で 、 十 分 な 資 源 の 投 入 と 長 期 に わ た る 継 続 的 な 調 査 分 析 が 必 要 で あ り 今後のさ らなる 体 制の充実 に期待 ○ 世 界 モ デ ル に よ る 計 量 予 測 と 主 要 地 域 ご と の 向 分 析 の 両 部 門 か ら 得 ら れ た 知 見 の 共 有 と そ を踏まえ た統合 的 視点から の政策 提 言を期待 ○ 世 界 の 栄 養 不 良 人 口 の 動 向 分 析 も 重 要 な の で ないか ○ 収 集 さ れ た 各 国 情 報 を モ デ ル 予 測 の 結 果 と つ あ わ せ る こ と で 、 モ デ ル 分 析 の 結 果 を 検 討 す こ と に 利 用 す る な ど 、 情 報 の 利 用 度 が 上 が っ おり評価 ○ サ ブ サ ハ ラ ア フ リ カ に お け る コ メ の 導 入 に つ ては、現 地情報 を 十分に分 析する こ と ど 、 地 、 、 動 れ は き る て い 第3小課題 ○今後は、非食料バイオ原料の技術開発の動向や経済性分 析、石油を中心としたエネルギー市場の分析とその部分 的内生化なども含めた幅広い研究に発展していくことを 期待 ○主要国の動向分析と世界モデル分析とをバランスよく堅 実に進めているが、大豆ミールを主に消費する畜産部門 とのリンクを工夫する必要(最も簡便な方法は、畜産部 門の大豆ミール需要関数を組み込むこと) ○バイオエタノールの内生化やバイオディーゼル政策の分 析など、新しい分析が順調に進んでおり、今後の成果も 期待 今後の対応方針 第1小課題 引き続き、他の2小課題の研究成果も活用しながら、 各パラメータの見直し等を行いモデルの精度を上げると ともに、植物油由来のバイオディーゼルの需給に係る方 程 式 等 を モ デ ル に 内 生 化 す る 等 の 改 良 を 加 え 、 20 20 年 に おける世界食料需給見通しを行い、合理的な説明を加え られるように努める。 また、モデルにおける為替の影響について、研究を進 める。 第2小課題 引き続き、研究者とのネットワークを活かし、主要な 国や品目等について、食料需給関連情報の収集、分析を 深化させ、国、品目相互間の研究成果を有機的に結びつ けていく。特に、サブサハラ等についての情報収集には 情報源も広げる等情報の精度向上に努める。また、第1 小課題のモデルによる食料需給見通しの予測結果につい て、各国の状況に照らして齟齬がないかを検証し、モデ ル開発と予測にフィードバックする。 さらに、プロジェクト最終年に当たって、研究成果を 総括した出版等を検討する。 第3小課題 引 き 続 き 、世 界 の バ イ オ 燃 料 政 策・需 給 動 向 に つ い て の調査・分析を行うとともに、バイオ燃料原料用農産物 の需要拡大が農産物の国際価格に及ぼす影響について影 響試算を行う。特に、世界大豆・大豆製品需給予測モデ ルにおいては、大豆油、大豆ミールに加え、畜産物の需 給についても反映させられるよう、他機関の研究も参考 にしながら精度を向上させるとともに、結果を第1小課 題のモデルに内生化できるよう関係者間の連携を深め、 研究を進める。