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光との出会い ~ステンドグラスにおける色づくりに挑戦しよう
学習力 1 題 材 第2学年2組 美術科 学習指導案 第2美術室 指導者 近藤 光との出会い∼ステンドグラスにおける色づくりに挑戦しよう∼(9/12時間) 理沙 2 本時の学習指導 (1) 目 標 ① 自分が見てきた配色や混色の特徴を理解し,グループのメンバーに積極的に伝えることができ, 他の生徒の説明を理解しようとする。(意欲・関心) ② 三原色のステンドカラーを用いて,正確に多くの色をつくり出すことができる。(技能・表現) (2)生徒の実態 美術の授業では,グループで一台の机を共有するという教室環境もあり,題材におけるアイディア や制作方法をグループで考えたり,教え合ったりする協同学習の場が常に設定されている。 制作当初は,人間関係ができていなかったことも考えられるが,周囲の生徒に自分のアイディアス ケッチを見せないように手元を隠しながら,黙々と一人で考え込んで,制作が進まない生徒も多くい た。しかし,授業や学級での様々な協同学習の場を通して,個人の意見を人に伝えたり,またグルー プのメンバーの意見を聞いたり,理解し合うことを経験してきた。その成果もあり,多くのグループ で,制作方法やアイディアについて教え合う姿が見られるようになってきた。 現在は『おかざきっ子展』の作品制作に取り組んでいるため,個人での制作が中心となっている。 毎時間の制作課題における個々のアイディアの他に,グループのメンバーのアイディアを間近で見て, 知ることで,アイディアに広がりが生まれ,より良い作品制作を行おうとする生徒が増えている。 継続観察生徒「人間関係力下位」のT・Cは,人前で話すことを極端に苦手とし,人の目を見て話 すことができない。また,自分の考えていることを言葉や絵にして,表現することも苦手な生徒であ る。そのため,アイディアスケッチが思う通りにならず,下描きの段階で足踏みをしてしまっている。 しかし,同じグループで,日頃から周りの状況をよく見て行動できる「人間関係力上位」のM・Aが T・Cにかかわり合うことでT・Cは,少しずつグループの中で意見を言えるようになってきた。よ って,この二人をかかわらせることで,さらにT・Cの美術に対する苦手意識を減らし,積極性を伸 ばしていきたい。 「人間関係力中位」のO・Mは,率先して学級の目標の実現に向けて努力しようとする姿勢が見ら れるため,学級のなかでも目立つ生徒である。しかし,人の意見やその場の状況に流されやすいため, 最後まで集中して制作することができない。そこで,同じく自分の意見が持てず,周りの状況に流さ れてしまいやすい継続観察生徒「人間関係力下位」のK・Yや「人間関係力下位」のS・Rとのかか わりを通して,所属するグループが制作課題に積極的に取り組めるように働きかけをさせたい。 (3)本時の協同学習 本時では,題材に赤・青・黄のステンドカラーとアクリル板を使用する「光との出会い」における ステンドグラスの着色について学ぶ。 本時の協同学習は,教師が見本として制作したステンドグラス作品の配色と混色の特徴を,グルー プのメンバーに正確に伝えること。伝えられたことをしっかりと聞きとり,より正確な色づくりを行 うことの 2 つである。 本時の協同学習で学んだ,ステンドカラーの特徴を生かした色づくりが,今後のステンドグラスの 制作活動につながっていくと考える。 (4)協同学習を支える手だて 生徒全員が「赤・青・黄」の 3 色を用いた色づくりを理解できるように,3 色の微妙な分量によっ て生まれる色にはどのようなものがあるか,色見本を提示する。また,一人ひとりが正確なステンド カラーでの表現ができるように,前時に学んだステンドカラーの使い方についてのワークシートと各 自で制作したプレートのふりかえりを活動前に指示する。この他にも,協同学習がより活発化するよ う,配色の伝え方や表現の仕方についての指示も手だてとして考える。 - 29 - (5)展 段階 導入 問題 10 開 生徒の活動 教師の活動 1 赤・青・黄の三原色によって,つくること のできる色について考え,理解する。 ・混色における各色の割合について知る。 2 本時の学習課題を知る。 ・三原色の特徴について説明する。 ・3色の割合を変えることによって,様々な色 が生まれることを示した色見本を提示する。 ・学習課題を板書する。 ステンドグラスにおける色づくりに挑戦しよう。 3 ステンドカラーの使い方をふりかえる。 ・ワークシートとプレートを使って,ステンド ・始めの色が乾く前に,次の色を乗せると カラーの使い方をふりかえるように指示す ムラなく色が混ざる。 る。 ・グラデーションを作るときは,2つの色 ・道具を利用した混色の仕方やグラデーション, の境目をつまようじで混ぜるとよい。 模様のつくり方におけるヒントを与える。 説明 5 4 本時の制作活動について知る。 ・課題シートを配布する。 ・制作活動について説明をする。 ・見本作品を見に行くことができるのは,グル ープで一人であることを告げる。 追究 25 5 グループでステンドグラスの制作をする。 〈予想されるグループの表現方法〉 ・青に赤を少しずつ足していくと,むらさ きから赤むらさきに近づいていく。 ・二重ぬりをすると,一重ぬりのときより 色が濃くなる。 ・見本作品を見に行く人は,グループに色の配 色や割合を正確に伝えるように指示する。 ・グループに正確な配色を伝えている生徒を称 賛する。 ・ポイントの明確な伝え方や聞き方を行ってい るグループを全体に伝わるように称賛する。 ・メンバーの説明をよく聞き,プレートを参考 にして,グループで表現方法を考えるように 指示する。 ・すべてのパーツが完成するように励ます。 ・早く終わったグループから,道具やステンド カラーの片づけをするように伝える。 整理 6 本時の取り組みに対するふりかえりをし, グループで発表する。 ・説明や表現の仕方についての自己評価 ・制作活動におけるメンバーの良いところ ・本時の感想 ・ふりかえりシートに自分の説明や表現の仕方 についての自己評価とメンバーの良いところ を記入したあと,グループで発表し合うよう に告げる。 ・数名に指名し,感想を発表させる。 10 7 教師の話を聞く。 ・本時の活動における良かった点などを称賛し, 今後の制作活動に発展させていくように励ま す。 (6)評 価 ①〔A評価〕見てきた配色や表現の特徴を理解し,メンバーへ正確にわかりやすく伝えようとしたか。 〔B評価〕見てきた配色を理解し,正確に伝えようとしたか。 ②〔A評価〕ステンドカラーの特徴を生かした,正確な色づくりや表現をすることができたか。 〔B評価〕割合を意識した色づくりをすることができたか。 - 30 -