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南アフリカ水セクター事業機会 の調査と分析

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南アフリカ水セクター事業機会 の調査と分析
www.pwc.com
南アフリカ水セクター事業機会
の調査と分析
Strictly Private
and Confidential
31 March 2014
Japanese Ministry of Economy, Trade and Industry
(経済産業省)
目次
Section
Overview
1
南アフリカにおける水事業の方向性
1
2
水供給公社と自治体のアセスメント
13
3
プロジェクト機会のアセスメント
25
4
官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
46
5
調達方針と法制度
55
6
水セクターで事業を行う民間事業会社の紹介
58
7
結論
62
Page
セクション 1
南アフリカにおける水事業の方向性
南アフリカ水セクター事業機会の調査と分析
• Japanese Ministry of Economy, Trade and Industry
(経済産業省)
1
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
南アフリカの水インフラ管理体制
• 南アフリカの制度上の枠組みの大部分は、水資
源の統合管理の原則を明確にした1966年の水道
と公衆衛生に関するホワイト・ペーパーに基づ
いている。
• 国の水道法と水道サービス法が基本的な法制上
の枠組みを示している。
• 水道事業大臣は、南アフリカの水道の管理者で
ある。権限を集中させて容易に変革できるよう
にしている。
• セクターは比較的分権化されているが、断片化
されている側面もある。
• 約450の水道施設が大臣の直轄である(自治体
を除く)。
• 水道管理省は、施設の数を合理化するためのプ
ロセスに着手した(制度の改革および再編成プ
ロセス)。
2
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
水道セクターの枠組み - 役割分担メンバー
水供給公社(Water Boards)の役割
• 地域の水資源、大規模な水道サービス、お
よび廃水インフラ開発及び管理を実施。
• 地域の大規模な水道インフラの資金調達、
開発、管理、運用、および保守に責任を負
う。
自治体水道サービス局(WSA)の役割
• 水道サービスのプランニング、提供する水
道サービスの利用保証および規制(給水と
公衆衛生)に責任を負う。
• 水道サービスを自ら提供するか、または外
部水道サービス・プロバイダー(WSP)と
契約することがある。
• 取水免許と廃水を水資源に排出する免許を
DWAから取得する責任を負う。
水道管理省(DWA)の役割
TCTAの役割
水道サービス・プロバイダー(WSP)の役割
• 政策策定・方針作成、戦略的プランニ
ング、規制監督、およびサポートを担
う。
• LHDPに資金を供給するSPVと
して開設されたが、戦略的な水
道プロジェクトに予算外資金を
調達する上で重要な役割を果た
した。
• 水の販売契約を結ぶか、または処理すべき
廃水を受け入れる。
• 水資源インフラの開発、資金調達、運
用、および保守には直接関係しなく
なった。
• 地域内の消費者に水道小売サービスを提供
する責任を負う。
• 約束された購入量に基づいて、
商業的に存続可能なプロジェク
トに資金を供給する。
3
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
水資源
•
南アフリカは、降雨パターンが極めて多様で水資源に乏し
い国である。
•
財政面では、2000年には半数を超える水道管理地域が赤字
を計上した。
•
南アフリカには、水資源の乏しさの他、水源汚染と非水源
汚染による水資源の品質という課題もある。
•
需要がある場所に水を送る一連の流域間移送により発達し
た水資源インフラ環境を実現してきた。
•
ダムや移送系統を増やす機会は限定されているが、南アフ
リカが東海岸と西海岸で2つの大洋に面していることは幸運
である。
•
これらを用いた海水淡水化の機会が考えられる。沿岸部で
の水の供給コストは長年の間に淡水化した海水のコストに
近づくため、大規模な海水の淡水化が間もなく始まる。
•
こうした水資源不足を解決するため廃水の再利用が増える
大きな可能性がある。
•
鉱山酸性排水(AMD)の対応の重要性が増している。
4
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
水道サービスのインフラ(1/2)
南アフリカは旧来の問題に対処しているため、水道セクターは過
渡期に入っている。1994年以来、人々に飲料水を供給することに
重点が置かれた。
• 1994年に基本的な給水を利用できなかった人々は1,200万人、
基本的な公衆衛生サービスを利用できなかった人々は2,000万
人に上った。
飲料水の
利用
• 給水管に接続された家庭の割合はどの州でも高く、国全体の平
均は73.4%である。
• 給水管に接続されていない家庭は8.8%にすぎない。
• 下水道に接続された水洗トイレを利用できる家庭の割合は、
50%(2001)から57%(2011)に増加した。
• トイレのない家庭の割合は13.3%(2001)から5.2%(2011)に
低下した。
公衆衛生サービ
スの利用
• 次の移行段階での重点は、提供される水道サービスのレベル
(信頼性、質、および量)の向上に移る。
下水処理施設の増強:
• 40%を超える家庭がまだ下水道に接続されていない。
• 既存の下水処理施設のほとんどがフル稼働している。
下水処理施設を大幅に増強することにより、公衆衛生要件の増
大に対処できると考えられる。
出典: Census 2001、Community Survey 2007、およびCensus 2011
5
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
水道サービスのインフラ(2/2)
市場課題:
•
南アフリカは基本サービスの改善に取り組んでいたため、長年にわたって廃水セクターへの投資が過少であっ
た。
•
ほとんどの下水処理施設が設計能力を超えて稼働している。
•
ほとんどの自治体の下水処理施設が日常の保守を行っていなかったため、プラントの損傷が大きくなった。
•
60%~80%の下水処理施設が規制基準と規定された水質基準の両方を満たしていない。
•
南アフリカの廃水管理の事業機会はかなり大きい。
•
下水処理施設は約970カ所にある。
•
1日の廃水処理量は平均750万m3である。
•
下水処理施設では、長時間抜気、活性汚泥散水、生物ろ過、酸化池などのさまざまな技術を使用している。
•
下水処理施設の平均寿命は15~20年である。
•
施設の保守ルーチンによって決まる。
経済的観点からの廃水:
•
廃水処理セクターは経済的に重要であると考えられる。
•
すべての下水処理プラントの資本代替価値見積もりは230億ラ
ンド(約2,185億円)である。
•
すべてのプラントのO&Mコスト見積もりは年間約35億ランド
(約332.5億円)である。
•
水道セクター全体の年間予算見積もりは約214億ランド
(2,033億円)であり、これはGDPの1%を超える。
6
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
淡水化 - 海水
状況分析
• 南アフリカは淡水化戦略の草案を作成し、国家水資源戦略の中で発表し
た。
• 沿岸部での淡水化は、限りある淡水源を経済的に見合う方法で利用する
ことに制約が加わるにつれて、ますます有望になっている。
• TCTAは、水道セクターの施設に技術の選択、モデルの認定、およびそ
の他の関連問題に関する助言を与える中核的な研究拠点として発展して
いる。
• 水道事情が厳しい沿岸部の自治体のいくつかが小規模なものを使用して
いる。
• ケープタウンは大規模な淡水化(100,000㎥/d)を検討中であり、
フィージビリティー・スタディーを2013年12月に終える予定。
資金調達方法
• 150 ,000㎥/dの施設の現地調達コストは17億~27億ランド(約
161億円~256億円)と見積もられる(設計の複雑さと性能に
よって決まる)。
• プロジェクトは、財務的に区分されていなければならず、法的
にもそうであることが望ましい。
• プロジェクトへの資金供給を確約する前に、プロジェクトの長
期購入契約を締結する必要がある。
• 大都市圏は、大規模な淡水化プロジェクト用の独自資金を調達
する状況になければならない。
• その次のレベルの都市圏も、大都市と同様にTCTAを利用して淡
水化プロジェクトの資金を調達することがある。
• ダーバンは淡水化のオプションを検討中であり、それぞれ150,000 ㎥/d
の2つの淡水化プラントに対するフィージビリティー・スタディーを実
施。
考えられる実装モデル
• バッファロー・シティー、ネルソン・マンデラ・ベイの他、ジョージ、
モッセル・ベイなどの都市は、TCTAを使用して淡水化プロジェクトの
資金を調達する可能性がある。
• 大規模な淡水化プロジェクトは複雑でコストが高いため、単独
の主契約企業が指名されて全体のリスクを管理し、実施責任を
負う。
Eskom(電力会社):
沿岸部のどの発電所も以下のような淡水化設備を必要とする。
• アトランティスとモッセル・ベイにあるガス発電所は、IRP 2010に従っ
て複合サイクル(CCGT)に転換させる必要があるためにさらに多くの
水を要する。したがって、淡水化の必要がある。
• 新しい原子力発電所建設プログラムには、処理水を供給するための淡水
化(逆浸透膜処理または蒸留)が必要である。
• 設計-建設-運用-保守(DBOM)方式に従って、納入リスク
と運用に伴うリスクを減らす可能性が高い。
• 設計フェーズと建設フェーズの運用に別々の契約企業を指名す
るのはリスクが高すぎると考えられる。
• 現地調達化と現地での開発は政治問題の影響を受ける。

土木工事と配管は地元企業から調達する可能性がある。

高リスク作業のパッケージ(膜技術、ポンプ、トンネル掘削
設備など)は経験豊かな国際的ベンダーから調達する。
7
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
淡水化 - AMD(1/2)
酸性鉱山排水(AMD):
• 南アフリカにおけるAMDは、水、黄鉄鉱などの硫化鉱物、およ
び酸素(これらが結合して鉄分に富んだ硫酸溶液が形成される)
の間に起こる一連の化学反応から生じる。AMDの一般的な特徴
は以下の1つ以上である。

低いpH

高い全蒸発残留物 (TDS)

高い硫酸塩 (SO4)

高レベルの重金属
• 環境と社会経済に潜在的に大きな影響(生物学的および人間の
健康に対するさまざまな悪影響)を及ぼす。
• AMDは硫化鉱物が環境中の空気や水分にさらされる場所に生じ
るが、採鉱によって新鮮な硫化鉱物が自然にさらされる地域に
最も多く見られる。
• AMDは南アフリカの多くの地域にあることが知られているが、
とりわけ以下の地域に多い。



ウィットウォーターズランドの金鉱

各地の炭田

オ・キップ銅山
ウィットウォーターズランド盆地ではAMDが特定の箇所に集中
する懸念があり、水道事業大臣の優先プロジェクトと見なされ
てきた。
バール河系の水をレソト高地プロジェクトによって運び込んだ
水で希釈して資源や下流に住むユーザーへの影響を最小化する。
南アフリカの課題:
• 金鉱にある多くの鉱山が今では廃坑になったり、なくなっ
たりしていることを考慮して、AMDの処理に必要な資金を
供給すること
• AMD処理技術を選定すること
• 制度モデルが最終決定されていないこと
8
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
淡水化 - AMD ウィットウォーターズランド(2/2)
ウィットウォーターズランド AMD:
• 大規模なAMD処理を2016年までに実施する必要がある。
 バール川の硫酸塩負荷をLHWSから得られる「高
価」な水でいつまでも希釈することはできない。

オリファンツ川の硫酸塩濃度は極めて高いため、環
境と経済に悪影響を及ぼす。
適用可能な処理モデル:
• オプション1: AMDに必要最低限の処理を行い、水源
に排出する。

炭鉱とエネルギー・プロバイダーへの影響

現在は石炭価格に含まれていない環境コスト
• オプション2: 水資源から更なる取水を行い、他者が利
用できる水準までAMDの処理を行う。

資源から取水する。これは下流に住むユーザーに影
響を及ぼす。

処理したAMDを使用または売却する目的でAMD処理
ソリューションを実施する会社は、資源から取水す
ることに対する補償を下流に住むユーザーに実施し
なければならない。

そのような水は、灌漑やその他の目的には使用でき
ない。
• 現在、政府はAMDに関する明確な方針を示しておらず、
AMDは価格設定戦略に挙がっていない。
• DWAは、ウィットウォーターズランド AMDのフィージ
ビリティー・スタディーを2013年末までに終えること
になっている。制度モデルの見通しは立っていない。
ウィットウォーターズランド AMD処理の役割を分担す
るメンバー:
• 南アフリカ政府
 水管理省(DWA): 水道管理者。短期的な対策に
注力し、11のAMD指令のうち、これまでに実施し
たのは2つ(安定化および中和)にすぎない。
 環境問題局(DEA):NEMAに従って適合性をモ
ニターし、施行する必要がある。
 鉱物および資源局(DMR):これまで、AMDの議
論に積極的な役割を演じたことはない。
• TCTA
 DWAがAMD実施者として指名した。
 AMDを実施するための資金を調達する。
 AMDソリューションの設計、構築、およびO&Mを
含む「統合」パッケージになると考えられる。
 O&Mへの対応方法およびO&Mを外注するかどうか
は不明確である。
 TCTA調達モデルは、鉱山や適用すべきPFMA調達
ガイドライン(TORが確定した 公開入札プロセ
ス)とは異なる。
• ランド・ウォーター
 AMDがランド・ウォーターの投資計画の一部にな
る可能性がある。
 AMDを飲用規格に従って処理し、バール河系ユー
ザーに「混合」料金を請求する可能性がある。
 現在の技術はAMD処理に適していない。
9
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
淡水化 - 塩水処理
AMDからの塩水処理を内陸部で行うことは、解決すべき現時点で最大の環境課題の1つである。
塩水処理:
• 国家水資源戦略では塩水を貯蔵するための地域施設の設置に言及しているが、このソリューションは環境政策が変更
されたら実行できなくなる可能性がある。
• 塩水処理プロセスはコスト効率が悪く、実際のAMD処理プロセスより1桁大きなコストがかかる可能性がある。
• WRCは、共融冷凍塩水処理プロセスの研究開発資金を供給した。

この技術は商業的な可能性が高く、研究室レベルやバッチ処理レベルでは実証されている。

連続使用プロセス技術の工業化と商業化に設備投資が必要である。
現在、コスト効率の高い(実行可能な)塩水処理ソリューションはまだ実証されていない。
Eskom塩水処理要件:
海水の淡水化から得られる塩水:
• 塩水中の塩分を恒久的に取り除くことが主な課題で
あり、Eskom内の大きな機会である。
• 水研究評議会は、SWROプロセスから得られる塩水も南
アフリカの潜在的な問題であると考えている。
• 塩水の取り扱いおよび/または処理は複雑な課題で
あり、廃水排出運営システム(WDCS)の一部をな
す。
• 長年(10~20年)にわたって大規模な淡水化SWROソ
リューションを実施してきた地域で大洋エコシステムに
及んだ広範な悪影響に関するケース・スタディーが最近
公表された。
• 現在、Eskom(および南アフリカの業界)は実行可
能な塩水処理ソリューションを持っていない。
• 環境に優しい方法で塩水に対処することがコンプラ
イアンス事項になった。
• そのため、SWROの塩水処理も将来対処すべき主な環境
問題になる可能性がある。
• Eskomは、塩水をコスト効率よく環境に優しい方法
で処理できるようになるまでの間、 余分な塩水を貯
蔵するための塩水池を増設できる。
10
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
南アフリカにおける水の再利用 (1/2)
状況分析:
• 南アフリカでは、再利用水が総使用水量の約14%を占める。
• 水の再利用は、将来利用可能な水量と必要な水量のバランスを取るための多くの重要な戦略の1つと考えられている。
• 南アフリカでは水の再利用が時間とともに大幅に増えるであろう。
• 水の再利用は、場所、規模、および重要性の点で直接的/間接的、意図的/非意図的、計画的/無計画的、局所的/地
域的/国家的になる可能性がある。
• 水の再利用には、多様な目的を持つさまざまな種類(または単一)の処理が関係する可能性がある。
• 水の再利用の種類が異なれば、再利用の方針の意味も異なる。
• 資源を無駄遣いしないために水をすでに再利用している自治体も多い。
水を再利用する上での課題:
• DWAの直近の重点は計画して構築したインフラを実装する
ことである。水の効率性(水の再利用)は、その後初めて主
な優先事項になる。
• 一般大衆は、廃水を飲用規格に従って処理して再利用するこ
とに現在は反対しているが、将来、危機的な給水状況(干ば
つ)に直面したら認識が変化するであろう。
• 水の再利用が無計画的、無秩序および/もしくは意図してい
ないまたは望ましくない結果が得られるという付随的なリス
ク
• 業界がこの戦略を追求しようとする誘因がないこと
11
セクション 1 – 南アフリカにおける水事業の方向性
水の再利用 - 市場機会 (2/2)
水を再利用する上での自治体との協力:
沿岸部で水を再利用する機会:
ダーバン、ケープタウン、ポート・エリザベス、
イースト・ロンドンなどの都市では、飲用再利用水
の市場を展開する前に業界規格に従った廃水処理を
追及する必要がある。
•
クワァズルナタル沿岸都市圏地域:再利用のために集めら
れてイナンダおよびハゼルメアダムにポンプで揚水された、
簡単に利用可能な廃水による再利用機会の第1段階。それ以
上の再利用はさらに高価であり、詳細を検討予定。
•
エムハラトュゼシステム:通常の自治体/家庭廃水と同様
に、沖合いで大洋に放流された複雑な組成の工業廃水が機
会(環境への適合)をもたらす。
• ヨハネスブルグ ・ウォーター(Northern
Works):約450 ,000 ㎥/dを処理し、水の再利
用固有の機会を提供する。
•
アマトーレシステム:イースト・ロンドンからの大量
(40 ,000 ㎥/d )の都市廃水を該当する再利用規格に従っ
て処理可能
• ラステンバーグ 市:プラチナ鉱山を開発した結
果、水不足と急速な経済成長を経験する。
•
アルゴア地域:ポート・エリザベスで無駄遣いされずに1サ
イクル使用した後の水のほとんどが大洋に放流されている。
約40 ,000 ㎥/dを取水して再利用処理が可能である。
鉱山には水が必要であるが、工業用途には処
理後の廃水を供給可能である。
•
• マガラクウェナ 市およびラペレラ 市:いずれ
の地方自治体もラステンバーグ市と同様の成長
を経験し、ビジネス・パートナーになる可能性
があると考えられる。
アウテニクウァ沿岸地域:ジョージとモッセル・ベイの両
方での再利用によって、大量(約22 ,000 ㎥/d )の水をシ
ステムに戻すことが可能
•
西ケープシステム:現在、1サイクル使用した後で海に放流
されている水の大部分を必要な再利用規格に従って処理可
能
• ダーバン:40 ,000㎥/dの廃水が業界規格に従っ
て処理され、サッピに供給されている。これは
サッピへの飲用水供給によって補われ、将来は
100 ,000 ㎥/dに増える予定である。

12
セクション 2
水供給公社と自治体のアセスメント
南アフリカ水セクター事業機会の調査と分析
• Japanese Ministry of Economy, Trade and Industry
(経済産業省)
13
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
水供給公社
南アフリカの憲法では3つのレベルの政府が規定されている。
• 南アフリカ政府
• 州政府
• 地方政府または自治体政府
国家レベル: 水道事業大臣が国の水管理省(DWA) を通して権力を行使する。
州レベル: 南アフリカには9つの州があるが、水道セクターで州政府が大きな役割を果たすことはない。
• 南アフリカ政府(大臣)が水供給公社
の唯一の所有者である。
• 水供給公社は、地域ベースで運営され
る国の公共団体である。
• しかし、運営されている12の水供給公
社が南アフリカ全土を対象とするわけ
ではない。
• 水供給公社は大量の飲用水を自治体に
供給する。
• 水供給公社は川から取水して処理し、
自治体の貯水池に分配する。
• 多くの水供給公社は規模が大きく、う
まく組織化され、大きな水処理施設
(WTW) を運用している。
14
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
水供給公社のランキング
アマトー
レ・ウォー
ター
ブルーム・
ウォーター
ラペル北・
ウォーター
マガリス・
ウォーター
エムハラチュ
ゼ・ウォー
ター
ランド・
ウォーター
セディベン
グ・ウォー
ター
ウムジェニ・
ウォーター
魅力度
水供給量
下水処理能力
水質
収益
純利益/損失
D/Eレシオ
債権回収機関
統治リスク
受容度 / 事業機会
設備投資費
民間企業との協業
受容度
事業機会
事業スコープ
15
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
水供給公社のランキング
順位
水供給公社
1
ランド・ウォーター
2
ウムジェニ・ウォーター
3
セディベング・ウォーター
4
アマトラ・ウォーター
5
マガリス・ウォーター
6
ブルーム・ウォーター
7
ラペル北・ウォーター
8
エムハラチュゼ・ウォーター
16
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
大都市圏の自治体
• 南アフリカの自治体の3つのカテゴリー
•
大都市圏の自治体 (8)
•
地域の自治体 (44)
•
地方の自治体 (226)
• 大都市圏の自治体は以下の特徴を持つ大都市
圏として定義する。
• 人口密度が高い区域
• 人、物品、およびサービスの集中的な移動
• 大規模な開発
• 複数の商業地域と工業地帯
• 南アフリカの8つの大都市圏にある自治体
• この業務範囲では、PwCが8つの大都市圏のす
べてを調査する必要があった。
17
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
大都市圏の自治体(1/2)
18
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
大都市圏の自治体(2/2)
大都市圏の自治体は以下の利益水準に到達している;
• 300億ランドから350億ランド(約2,850億円~3,325億円):3/8の
自治体
• 200億ランドから250億ランド(約1,900億円~2,375億円):2/8の自
治体
• 50億ランドから100億ランド(約475億円~950億円):3/8の自治体
•
ヨハネスブルグ市が490億ランド(約4,655億円)の利益を上げており、
最大である。(R4.9 billion)
•
ネルソン・マンデラ・ベイ市は損失であった。
大都市圏の自治体の投資余裕額:
• 20億ランド~40億ランド(約190億円~380億円) :3/8の自治体
• 6億ランド~10億ランド(約57億円~95億円) :3/8の自治体
大都市によるインフラ整備補助金の拠出:
• エクルレニで15億ランド(約143億円)以下の拠出
19
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
大都市圏の自治体のランキング(1/2)
バッファロー
市
ケープタウ
ン市
エクルレニ市
ヨハネスブ
ルグ市
ツワネ市
エテクィニ
市
マンガウ
ング市
ネルソン・
マンデラ・
ベイ市
魅力度
分類
統治
成長度合い
財務数値
水インフラ
受容度 /事業機会
重要な事業投資
民間事業者を含め
る必要性
事業機会
事業スコープ
20
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
大都市圏の自治体のランキング(2/2)
順位
大都市圏自治体
1
ツワネ市
2
エクルレニ市
3
ケープタウン市
4
エテクィニ市
5
ヨハネスブルグ市
6
マンガウング市
7
バッファロー市
8
ネルソン・マンデラ・ベイ市
21
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
地方自治体
•
南アフリカには226の地方自治体がある。
•
調査スコープの範囲内で認識された、実施が見込まれている海水淡水化・再生水利用事業
を含む14の自治体を選定した。
22
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
地方自治体
23
セクション 2 – 水供給公社と自治体のアセスメント
地方自治体のランキング
順位
地方自治体
1
イレンべ市
2
ウグ市
3
エムフレニ市
4
オーヴァースタンド市
5
ラステンバーグ市
6
アグラス市、アマトラ市、 ビ
トゥ市、ジョージ市, ヘッセ
クウァ市、クニスナ市, モー
セル・ベイ市、スウェレンダ
ム市、シーウォタースクルー
フ市
24
セクション 3
プロジェクト機会のアセスメント
南アフリカ水セクター事業機会の調査と分析
• Japanese Ministry of Economy, Trade and Industry
(経済産業省)
25
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
プロジェクトの重点領域
淡水化 - 海水
• 現地調達化と現地での開発は政治問題の影響を受け
る一方、大規模な淡水化プロジェクトはコストと複
雑さによって決まる。

土木工事と配管は地元企業から調達する可能性が
ある。

高リスク作業のパッケージ(膜技術、ポンプ、ト
ンネル掘削設備など)は経験豊かな国際的ベン
ダーから調達する。
淡水化 - 酸性鉱山排水 (AMD)
• AMDは、水と硫化鉱物(これらが結合して鉄分に
富んだ硫酸溶液が形成される)の間に起こる一連の
化学反応から生じる。
• 南アフリカでのAMDは、採鉱によって新鮮な硫化
鉱物が環境内の空気と水分にさらされる地域に最も
多く見られる。
• AMDは、とりわけウィットウォーターズランド金鉱や
さまざまな炭田に多い。
水の再利用
• 水道料金が安いため、水の再利用はいまだにコスト効率が
悪い。
• 急激な人口増加に伴って、都市での集中供給オプションは
もはや実行可能なオプションではなくなった。将来は、水
の再利用を含む分散給水オプションが必要であろう。
• 水の再利用はどの都市にも重要である。大都市圏では容易
であるが、小規模な自治体はプロジェクトの構造化、資金
調達、および管理能力を備えていないことを考慮すると、
モデルをどのようにパッケージ化するかは不明確である。
廃水処理施設
• 970カ所の廃水処理施設で、長時間抜気、活性汚泥散水、生物ろ
過、酸化池などの技術を使用して日量約750万m3 の廃水を処理し
ている。
• ほとんどの自治体の廃水処理施設は日常の保守を行っていな
いため、60%~80%の廃水処理施設が規制要件を満たしてい
ない。
インフラの改修
• 自治体レベルでの水インフラのO&Mは重要な問題であり、関連する民間部門に固有の事業機会をもたらす。
• しかし、ソリューションを革新的にパッケージ化しない限り、日本企業はこのマーケット・セグメントに限られた
可能性しか見出せないであろう。
• 大都市圏とその次のレベルの都市にWC/WDMを実装し、NRWを低減することは、自治体の水道セクターに属する
民間部門が参画する最大の機会であると考えられる。
• 既得権者と技術の封じ込みは南アフリカで超えなければならない高いハードルである。
26
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
潜在的なプロジェクトに優先順位を付けるためのランキング基準
#
水道サービス・プロジェクト:
1
• 潜在的なビジネス・パートナーの175プロジェクト
を分析した。
• 以下の領域のプロジェクトをさらに評価してラン
クを付けるものとして挙げた。
•
•

淡水化

水の再利用

廃水処理施設

改修(水の損失に対処する水の節約および需要
管理を含む)
プロジェクトのラ
ンキング基準
プロジェクト・タ
イプ
2
プロジェクト・ス
ケジュール
3
ビジネス・パート
ナー
4
•
それらはまだ水供給公社や自治体の予算に
入っていない。
5
•
プロジェクトの正確な範囲と時期は不明
6
ビジネス・パート
ナー機会プロファ
イル
自治体のランキン
グ
資金割り当て
7
調達モデル
8
ランキング
いくつかのプロジェクトが水事業調査および戦略
の一環として国レベルで特定された。
すでに表明または契約されたプロジェクトは除く。
プロジェクトのランキング:
• 定義された基準に基づいてプロジェクトにランク
を付けた。
• プロジェクトは以下のように考える必要がある。

第1ランク: 高優先度 - 達成すべき

第2ランク: 中優先度 - 達成してもよい

第3ランク: 低優先度 - 検討してもよい

第4および第5ランク: 検討しない
基準
 淡水化
 水の再利用
 廃水処理
 改修および水の節約/水需要管理
魅力度のレベル
 3年未満:高
 3~5年:中(3年のMTBFを外れると資金調達が不確
実)
 5年超:低
 水供給公社を定義する。
 自治体を定義する。
 その他のパートナーを定義する。
 水供給公社/自治体に従う。
 魅力度:低、中、高
 受容性/確実性:低、中、高
資金調達元(ローン、助成金、PPPなど)を特定する。
 入札:公開入札プロセスを含む。
 TCTA契約(DBOOM、DBOTなどを含む場合がある)
 PPP(南アフリカ政府、水供給公社、または自治体
PPPのいずれかとともに)
 公開入札
 TCTA
 PPP
 その他
以下の優先度の順番でランキング基準を使用した。
 規模および範囲
 適時性
 ビジネス・パートナーの安定性
 調達およびPPP可能性
27
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
優先順位が高い事業 (#1)
事業
種類
規模
タイムライン
事業パートナー
順位
発電所における塩水処理
再生水 (brine)
~R 1,000 million
FY 14 - 16
Eskom
1
発電所用の鉱山廃水処理
再生水 (AMD)
TBC (30,000㎥/d)
FY 15 - 17
Eskom
1
塩水貯蔵池における塩水処理
再生水 (brine)
FY 14 - 16
Sasol Synfuels
1
ERWAT 下水再利用 (工業用水200 ,000㎥)
再生水 (WW)
FY 15 - 18
エクルレニ市
1
R100 million
TBC
エテクィニ市北下水処理施設設備更新
下水
R 2,000 million
FY 13 - 16
エテクィニ市
1
ツワネ下水処理施設入れ替え及び更新
下水
R 236 million
FY 12 -15
ツワネ市
1
フィッシュ・ウォーター・フラッツ下水処理
施設更新
下水
R 242 million
FY 13 - 16
ネルソン・マンデ
ラ・ベイ市
1
ポツダム 下水処理施設増強
下水
R 300 million
FY 13 - 16
ケープタウン市
1
ザンドウリート下水処理施設増強
下水
R 300 million
FY 14 - 16
ケープタウン市
1
フェニックス下水処理施設増強
下水
R 200 million
FY 14/15
エテクィニ市
1
FY- 13 - 22
エクルレニ市
1
節水・水需要マネジメント
WC/WDM
R 1,800 million
アトランティス天然ガス複合発電所(淡水
化)
淡水化
TBC
FY 15 - 18
Eskom
1
モーセル・ベイ市天然ガス複合発電所淡水化
淡水化
TBC
FY 15 - 18
Eskom
1
28
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
優先順位が中位の事業 (#2)
事業
種類
規模
タイムライン
事業パートナー
順位
淡水化
R1,500 million FY 20 - 22
ケープタウン市
2
ミッチェルズ・プレイン下水処理施設
下水
R 104 million FY 13 - 16
ケープタウン市
2
エムフレニ RBIG 下水処理施設事業
下水
R 328 million
FY 13 -15
エムフレニ市
2
クア・マーシュ 下水処理施設規模増強
下水
R 180 million FY 14/15
エテクィニ市
2
KWT地域下水インフラスキーム構築
下水
R 230 million FY 13 -17
バッファロー市
2
リーストンフェーズ3下水道管サービス
下水
R120 million
FY 14 -16
バッファロー市
2
海岸地域、内陸部公衆衛生
下水
R 118 million FY 13 -16
バッファロー市
2
CCT下水処理施設インフラ更新
下水
R 67 million FY 13/14
ケープタウン市
2
エテクィニ市
2
ラステンバーグ市
2
ケープタウン 淡水化事業
下水の再生・工業用水利用 (サッピ)
再生水
下水の再生・工業用水利用 (鉱山)
再生水
アウテニクウァ海岸地域下水再生
再生水
TBC
FY 14 - 16
アルゴア、ポートエリザベスのための再生水
造成
再生水
40,000㎥/d
FY 14 - 16
Gcin Amanziでのオペレーション– 節水
WC/WDM
TBC
FY 13 - 14
R 100 million FY 14 - 15
R 983 million FY 13 -16
ジョージ/モーセルベ
イ市
ネルソン・マンデ
ラ・ベイ市
ヨハネスブルグ市
2
2
2
29
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
優先順位が低い事業 (#3)
事業
アマトーレ再生水 (40 ,000㎥/d)
種類
再生水
3年間の水ロス防止事業
下水
トンガート中央下水処理施設
下水
規模
タイムライン
TBC FY 15 - 16
事業パートナー
順位
バッファロー市
3
FY 14/15
エテクィニ市
3
65,200,000 FY 14/15
エテクィニ市
3
69,850,000
バッファロー 淡水化
淡水化
TBC FY 20 - 22
バッファロー市
3
ネルソン・マンデラ・ベイ 淡水化
淡水化
TBC FY 20 - 22
ネルソン・マンデラ・
ベイ市
3
118,840,145 FY12 - 14
マンガウング市
3
FY 12 - 14
マンガウング市
3
WC/WDM
74,000,000 FY 12 - 15
マンガウング市
3
廃水流路の変更(アマリンダからリーストンへ)
下水
85,000,000 FY 13 -16
バッファロー市
3
KWT及びビショ下水処理インフラ
下水
FY 13 -16
バッファロー市
3
WC/WDM
53,000,000 FY 13 -16
ケープタウン市
3
上水
58,000,000 FY 13/14
ヨハネスブルグ市
3
ネイバル・ヒル 貯水タンク(35 ,000㎥)
上水
ステークウォーター下水処理施設 (10,000㎥)
下水
水道メーター及び消火栓の更新
水道メーター細網化
ディップスラウッド・ウエストの新しい貯水タ
ンク
68,490,492
60,000,000
30
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
優先順位が高位・中位の事業(順位#1, 2)
優先順位が高位(順位#1)の事業
優先順位が中位(順位#2)の事業
31
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
事業のライフサイクルマッピング
エテクィニ
エテクィニ
エクルレニ市 /
ERWAT
ネルソン・
マンデラ・ モーセル
・ベイPSSasol
ベイ市
Brine
バッファロー Atlantis
市
PS
< R1 billion
Gcin
Amanzi
Eskom
AMD
エクルレニ市
エムフレニ市
ポツダム
アマトーラ
ザンドウリート
アルゴア
Outiniqua
ラステンバーグ
< R500 million
PROJECT SIZE (R)
ケープタウン
フィッシュウォーター
サッピ /
eThikwini
ツワネ
KWT
フェニックス
淡水化
再生水
KwaMashu
Mitchells
Plain
CCT
WC/WDM
ケープタウン
リーストン
Naval
Hill
Sewage (下水処理施設)
Planning
Feasibility
Tender / Contracting
LIFE-CYCLE
マンガウング
Implementation
32
< R200 million
Eskom
Brines
> R1 billion
Wits
AMD
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
優先順位を付けたプロジェクトの詳細アセスメントの結果
優先順位が1、2、および3のプロジェクトの詳細アセスメント:
•
•
合計40プロジェクトにランクを付けた。

優先順位#1:14プロジェクト

優先順位#2:14プロジェクト

優先順位#3:12プロジェクト
32プロジェクトがライフサイクル・マッピングに含まれた。
日本企業にとって魅力的な事業
廃水処理
• エテクィニ 北 WWTW
• エムフレニ RBIG WWTW

優先順位#1と#2である28プロジェクト全部
• ポツダム WWTW(ケープタウン)

優先順位#3のプロジェクトのうち、予算が1億ランド(約9.5
億円)を超えていた/超える可能性がある4プロジェクト
• Phoenix (エテクィニ)
プロジェクトをさらに詳細に評価し、状況、範囲、および日本
企業が関与する可能性を確認した。
日本企業の重点プロジェクト:
• 不適格とされた優先順位#1、#2、および#3のプロジェクト:

実装段階に入ったプロジェクト:
ほとんどが、あるレベルの義務を負って実装フェーズに入っ
た下水処理施設 およびWC/WDMプロジェクト

2億ランド(約19億円)未満の(またはすでに実装段階にあ
る)プロジェクト:
ほとんどが、2億ランド未満(約19億円)で、参加するには
規模が小さすぎるかまたは進みすぎている下水処理施設およ
びWC/WDMプロジェクト

従前の義務があるプロジェクト:
技術またはパートナーが義務付けられた延長契約

プランニング段階のごく初期にあるプロジェクト:
プランニング・フェーズのごく初期にあり、実装時期の明確
な約束がなされていないプロジェクト
• Fishwater Flats WWTW(ネルソン・マンデラ・ベイ市)
AMD処理・再利用
• Eskom クリエル・マトラ 鉱山排水処理
• Eskom 塩水処理
• Sasol 塩水・下水処理
• エクルレニ/ERWAT 下水処理
• アルゴア 水再利用
海水淡水化
• ケープタウン 海水淡水化
• Eskom海岸沿い天然ガス複合発電所 (アトランティス
市及び モーセル・ベイ市)
リハビリテーション・WC/WDM
• エクルレニ WC/WDM
33
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
エテクィニ
エテクィニ
ケープタウン
Eskom
AMD
ネルソン・
マンデラ・ モーセル
・ベイPSSasol
ベイ市
Brine
バッファロー Atlantis
市
PS
< R1 billion
エクルレニ市 /
ERWAT
エクルレニ市
エムフレニ市
< R500 million
ポツダム
アルゴア
Fishwater
Phoenix
淡水化
< R200 million
PROJECT SIZE (R)
Eskom
Brines
> R1 billion
日本企業にとって魅力的な事業(弊社案)
再生水
WC/WDM
Sewage (下水処理施設)
Planning
Feasibility
Tender / Contracting
LIFE-CYCLE
Implementation
34
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
クリエル・マトラ坑内水処理および再利用
AMD汚染水でに浸かった石炭をEskomに供給するムプマランガ Highveld上の鉱山。同時に、ムプマランガの水収支
は割り当てに利用できる追加の水がない負の収支である。処理された坑内水は、AMD汚染問題と水不足問題の一部を
解決する可能性がある。
プロジェクトの概要:
• ムプマランガ傾瀉内のEskom発電所にある、隣接する2つの
鉱山から得たAMD水の傾瀉によって水源が汚染する。
• クリエル発電所、マトラ発電所、および鉱業会社は、水を
処理してそれを同意した料金で2つのEskom発電所、2社の
鉱業会社、およびその他の当事者に販売するサード・パー
ティーの事業者を指名する予定である。
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲:日量約30 ,000㎥のAMDを処理する必
要がある。
• プロジェクトの体制:外部当事者が資金を調達してAMD水
を処理する事業および財務モデルをEskomが実装する。
• 契約モデル:

Eskomが「テイク・オア・ペイ」ターンキー・モデルで
競争入札/テンダー・プロセスをフォローする。

サード・パーティーによる設計-資金供給-運用モデル
が望ましい。
• 技術:技術は指定されていないが、逆浸透膜処理になると
予想される。
• 予算または資金調達元:サード・パーティーの事業者から
と予想される。料金は今後交渉する。
• 連絡先: Anesh Surendra(運用マネージャー:水)、083
564 5085
クリエル・マト
ラ発電所
スケジュールの状況:
• Eskomは、フィージビリティー・スタディーと実
装すべき制度モデルを完了した。
• プロジェクトは2016年から機能しなければならな
いため、このプロジェクトに対するEskomの公開
入札は緊急度が高い。
35
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
Eskom塩水処理(再利用)
生水および/またはプロセス水をEskom発電所で処理するために逆浸透プロセスで塩水から塩分を恒久的に取り除く
ことは、対処する必要がある大きな環境問題である。
プロジェクトの概要:
• 塩水の取り扱いおよび/または処理は、現時点で南ア
フリカの業界が経済的に実行可能かつ持続可能なソ
リューションを利用できない複雑な問題である。
• 塩水が浸出すると環境に影響があるため、従来の塩水
の利用と貯蔵は許容されなくなった。
• 塩水は、新しい規制要件に準拠して処理しなければな
らない。
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲:うまく定義されていないが、逆浸透膜
処理プロセスを持つすべての発電所に適用できる。
• プロジェクトの体制:考えられるソリューションの性質が知
られていないため、事業および財務モデルは決まっていない。
• 契約モデル:

代替サプライヤーがあれば、競争入札プロセスによる
Eskomの集中調達を適用すると考えられる。

代替サプライヤーがなければ、現地調達要件に供給開発
および現地化(SDL)基準が含まれる可能性がある。
• 技術:技術は指定されていない。
• 予算または資金調達元:実行可能な技術とコストを特定した
ら決定する。
• 連絡先: Anesh Surendra (運用マネージャー:水)、 083
564 5085
Eskom発電所
スケジュールの状況:
• 国家環境管理法(NEMA):廃棄物法規制が施行
された。
• 現在、Eskomは現地で開発された塩水処理技術の
工業化に共同出資している。
36
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
Sasol塩水および廃水処理(再利用)
Sasolは処理した廃水を排出して資源に戻す。処理した廃水は最小排出仕様を満たさなければならない一方、閉じ込め
た廃水が飽和レベルに達したため、廃水のバランス管理に関する課題がSasolの大きな懸念になっている。
プロジェクトの概要:
• Sasolは、日量約350 ,000㎥を取水する南アフリカ最大
の水ユーザーの1社である。処理された水の供給元は、

ランド Water:日量80~150 ,000㎥

VRESAP(バール川)システム:最大日量220 ,000
㎥
• Sasolは、発電によって生成された塩水と冷却およびそ
の他のプロセス廃水の組み合わせを環境に適合させる
課題に直面する。
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲:

総容量が10,000 ,000㎥を超えて、既存の廃水貯蔵ダム
が最大容量に達した(最大の貯蔵ダムは4,000 ,000㎥)。

最大限の蒸発を見越して開発されたが、最大容量に達し
たダムでの蒸発は排出前の廃水量に十分対応できない。
• プロジェクトの体制と契約モデル:Sasolは、標準調達条件
に従ってソリューション・プロバイダーと直接契約する私企
業である。
• 技術:結晶化蒸発または関連技術
• 予算と資金調達:Sasolは十分な設備投資予算を持ち、NYSE
に上場している。約400万ランド/1,000㎥(約3.8万円/㎥)を
支払うと考えられる。
• 連絡先: Simon Baloyi、(017) 610 8702
Sasol Synfuels
スケジュールの状況:
• Sasolは塩水蒸発試験用に0.6 ,000㎥のパイロッ
ト・ソリューションを導入したが、そのシステム
では効果がないと考えられた。
• 即時の蒸発に対処するための短期ソリューション
により、目標とする水収支を達成する必要がある
• 問題に対処するための長期「技術」ソリューショ
ンが2020年より前に必要である。
37
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
エクルレニ-ERWAT廃水処理および再利用
エクルレニ市は、廃水を処理・再利用して飲用水の供給量を増やす必要があることを確認した。
プロジェクトの概要:
• エクルレニ市は280万人にサービスを提供し、日量 560
,000㎥の飲料水を供給している。
• エクルレニ市の年間予算は210億ランド(約1,995億円)で
あるが、投資計画に対して資金調達が不十分である。
• その他の課題は、提供するサービスが不十分であるこ
と、17カ所の下水処理施設のうちわずか1カ所しか適合
していないために水損失が多いことなどである。
• ERWATは、エクルレニ市、ヨハネスブルグ市、および
レセディ市と共同で所有する公共団体である。
• ERWATは19カ所で下水処理施設を運用し、日量約700
,000㎥を処理している。
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲:

エクルレニ市は、日量最大200 ,000㎥の廃水を処理・再
利用する機会を特定した。

プロジェクトはERWATが実行する。
• プロジェクトの体制と契約モデル:プロジェクトはプランニ
ング・フェーズの初期にあり、エクルレニ市の資本に制約が
あることを考慮するとPPPに機会を与えるであろう。
• 技術:技術はまだ特定されておらず、エクルレニ市はサプラ
イヤー候補とともにプロジェクトの実現可能性と選定すべき
技術を判断する。
• 予算と資金調達:予算やコストの見積もりはまだであるが、
エクルレニ市はPPPを受け入れる。
• 連絡先: Kennedy Chihota(プランニング担当ディレク
ター)、082 457 3664
エクルレニ市、
ERWAT
スケジュールの状況:
• プロジェクトはプランニング・フェーズの初期に
ある。
• フィージビリティー・スタディー、プロジェクト
範囲の決定、技術の選定などを行う必要がある。
• 初期にエクルレニ市と協働したことが、技術タイ
プと契約方法(エクルレニ市とともにPPPを定義
するなど)に影響する可能性がある。
38
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
アルゴア廃水処理および再利用
アルゴア・ベイ市は、さまざまな自動車メーカーが拠点を置く南アフリカで4番目に大きな経済のハブである。この地
域は、慢性的な水不足によって今後の経済発展に制約を受けている。
プロジェクトの概要:
• ポート・エリザベスで無駄遣いされずに1サイクル使用
した後の水のほとんどが大洋に放流されている。
• 日量約40 ,000㎥を取水して再利用処理が可能である
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲:

プロジェクトは未定義であり、プランニング段階の
初期(フィージビリティー前)にある。

DWA水調整スタディーにより、 アルゴアの水利用
要件での工業用水と飲用水の供給を日量最大
40 ,000㎥増やすべきであることが特定された。
• プロジェクトの体制と契約モデル:プロジェクトはプ
ランニング・フェーズの初期にあり、技術の複雑さと
水の再利用に伴うリスクを考慮するとPPPに機会を与え
るであろう。
• 技術:技術はまだ特定されていない。
• 予算と資金調達:予算やコストの見積もりはまだであ
る。
• 連絡先: Laurie Pieterse(プランニングおよびリサーチ
担当アシスタント・ディレクター)、041 506 2209
アルゴア・
ベイ (ネルソ
ン・マンデ
ラ・ベイ市)
スケジュールの状況:
• プロジェクトはプランニング・フェーズの初期に
あるが、今後3年の間に契約すると予想される。
39
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
エテクィニ市北部廃水処理施設(下水処理施設)および再利用
エテクィニ市北部下水処理施設は、容量を大幅に増やして 大都市圏での需要の増加に対処する必要がある。
プロジェクトの概要:
• エテクィニ市は、クワァズルナタルに住む約340万人に
サービスを提供している。
• 人口増加率は年率1.95%で増えている。
• Metroの年間予算は330億ランド(約3,135億円)である。
• 廃水網と処理プラントの資産評価は150億ランド(約
1,425億円)を超える。
• エテクィニ市は、廃水処理と水の再利用を含む北部下
水処理施設の大容量化に着手する。
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲:

プロジェクトには、下水処理施設の能力向上、新しい貯
水池、パイプラインおよびポンプ場、廃水を飲用水品質
にするための処理が含まれる。

処理コスト全体(ランド/Kℓ)を下げることが重要な技
術集約型プロジェクト
• プロジェクトの体制と契約モデル:成果物に基づく出来高部
分払方式を採用した、MFMAの下での公開入札プロセス
• 技術:非公開であるが、水を再利用するので技術集約型プロ
ジェクトになるであろう。
• 予算と資金調達:予算見積もりは20億ランド(約190億円)
であるが、プロジェクト予算はまだ確保されていない。
• 連絡先: Dave Larkin(設計担当マネージャー)、031
3118650
エテクィニ市
Metro
スケジュールの状況:
• 現在、Golder & Associatesが公聴会のプロセスを
引き受けている。
• プロジェクトの実施スケジュールは約3年であるが
具体的なスケジュールは未確定。地域の淡水不足
度(または干ばつの状況)によって決める。
40
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
ケープタウンでの海水淡水化
ケープタウンでは、大規模な海水淡水化によって飲用水の供給を増やすことが検討されている。
プロジェクトの概要:
• ケープタウン市が水の供給を増やすには、大規模淡水
化プラント、水の再利用、ケープタウン帯水層の開発
という3つの選択肢がある。
ケープタウ
ン淡水化
• しかし、現在の水調整戦略に基づくと、上の3つの選択
肢から得た水が必要な時期は2021~2024年にすぎない。
• 2012年に始まったケープタウンの淡水化フィージビリ
ティーは2014年央に完了する。
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲:

容量は未定義であるが、プラントの規模は日量100
~150 ,000㎥と見積もられている。

処理コストとパラメーターを決めるための小さなパ
イロット施設がPOCとして提案・設置される可能性
がある。
• プロジェクトの体制と契約モデル:プロジェクトは
ケープタウン市による公開入札で調達する予定である。
• 技術:技術はフィージビリティー・スタディーの結果
で選定されるが、逆浸透ベースになると考えられる。
• 予算と資金調達:15億ランド(約142.5億円)超と考え
られる。
• 連絡先: Nigel Ireland(上級プロフェッショナル責任
者)、021 918 7369
スケジュールの状況:
• 実施は都市でのプランニングと開発の傾向によっ
て決まる。
• 淡水の不足量をさらに明確にして淡水化のみ5年後
(2020/21会計年度)に計画する。
41
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
Eskom沿岸天然ガス複合発電所(淡水化)
将来は、西ケープ州のアトランティスとモッセル・ベイにある既存のガス・タービン発電所を含む、沿岸部にあるすべ
てのエネルギー・プラントに淡水化設備が必要になる。
プロジェクトの概要:
• アトランティスとモッセル・ベイにある既存のガス・
タービン発電所は、統合資源計画(IRP 2010)に従っ
て天然ガス複合サイクルに変換する必要がある。
アトランティ
スCCGT発電所
• 天然ガス複合サイクル技術によりこれらの発電所が必
要とする水の量が増えるため、発電所への淡水化設備
の設置が必要になる。
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲: 未定義
• プロジェクトの体制:Eskomはまだ事業モデルも財務
モデルも最終決定していないが、外部当事者が資金を
調達して「テイク・オア・ペイ」ターンキー・モデル
で淡水化プラントを運用するモデルが望ましい。
• 契約モデル:さまざまな代替サプライヤーが存在する
ため、Eskomが競争入札/テンダー・プロセスをフォ
ローすると考えられる集中調達
• 技術:発電所が近くにあるため、熱蒸留技術が使用さ
れるとEskomは予想する。
• 予算または資金調達元:プロジェクトはプランニン
グ・フェーズの初期にある。ベンダーがプロジェクト
に資金を供給する可能性がある。
• 連絡先: Anesh Surendra (運用担当マネージャー:
水)、083 564 5085
モッセル・ベイ
CCGT発電所
スケジュールの状況:
• IRP 2010はコンプライアンスの適時性を規定して
おり、それらの要件はIRPの改訂版で拡張される
可能性がある。
• Eskomでの実施状況は、新しいビルド、その他の
設備投資、およびコンプライアンス・プロジェク
トの優先順位付けに依存する。
42
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
エムフレニ市 RBIG廃水処理施設(下水処理施設)
エムフレニ市 下水処理施設は、容量を増やして地域での需要の増加に対応する必要がある。
プロジェクトの概要:
• エムフレニ市 は721,663人にサービスを提供している。課
題は、限りある資源、インフラの老朽化、O&M計画がない
こと、極めて高い水損失率(49%)などである。
• 日量50 ,000㎥の増分で日量100 ,000㎥にするシーボーケン
下水処理施設の段階的アップグレードが始まった。
• リエップルーイット 下水処理施設とLeeukuil 下水処理施設
は今後アップグレードする予定である。
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲:

プロジェクトの土木、機械、および電気部分は別契約に
なる。

当初はPPPに機会を与えることを検討したが、実現しな
かった。
• プロジェクトの体制と契約モデル:成果物に基づく出来高部
分払方式を採用した、MFMAの下での公開入札プロセス
• 技術:

従来の廃水処理プロジェクト

コンサルタントであるエンジニアは活性汚泥を指示した
が、エネルギー・コストが上昇したため、リエップルー
イット市とLeeukuil市には別の技術も考慮する。
• 予算と資金調達:シーボーケンの予算はRBIG経由で調達す
る3.28億ランド(約31億円)である。その他のプロジェクト
の予算はまだ付いていない。
• 連絡先: Sydney Chauke、083 238 2576 / 082 818 4039
エムフレニ市
スケジュールの状況:
• シーボーケンの1回目の日量50 ,000㎥へのフェー
ズ・アップグレードを担当する土木工事業者が決
まった。電気および機械工事業者は2014年2/3月
に入札予定である。
• シーボーケンの第1フェーズは3年で完了する予定
• シーボーケンの第2フェーズとリエップルーイット
/ Leeukuilプロジェクトは今後5年で実施する予定 43
である。
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
その他の廃水処理施設
ケープタウン、ネルソン・マンデラ・ベイ 市、およびエテクィニ市の既存の廃水処理施設には拡張や更新が必要である。
ポツダム廃水処理施設、ケープタウン:
• 範囲: 廃水処理施設のフェーズ1拡張には、既存の処
理容量を日量20 ,000㎥増やすことが含まれる。
• 技術:膜技術による従来の廃水処理施設
ポツダム、
ケープタウ
ン
フィッシュウォー
ター・フラッツ、ネ
フェニックス、
エテクィニ市
ルソン・マンデ
ラ・ベイ市
• 契約モデル:土木、機械、および電気工事は公開自治
体入札
• 予算:設備予算から2億8000万~3億ランド(約26.6
億円~28.5億円)
• スケジュール: 2014年2~4月に公開入札、実施期間
は3年
• 連絡先: Keith Olsen(処理プラント担当エンジニア、
CCT)021 487 2608 / 084 609 8668
フェニックス、エテクィニ市:
• 範囲: 既存の廃水処理施設の処理容量を倍増(日量
25 ,000㎥増加)して水質要件を満たす。
• 技術:汚泥処理の改良、活性浄化槽およびメタン吸着
設備の設置
フィッシュウォーター・フラッツ、ネルソン・マンデ
ラ・ベイ市:
• 範囲: 容量と処理品質を改良するための廃水処理プ
ロジェクトが進行中
• 技術:従来の廃水処理施設
• 契約モデル:土木、機械、および電気工事は公開自治
体入札
• 契約モデル:土木、機械、および電気工事は公開自治
体入札
• 予算:設備予算から2億ランド(約19億円)
• 予算:設備予算から2.42億ランド(約23億円)
• スケジュール: 土木工事は2013年に契約締結、機械
および電気工事は2014年第1四半期に入札
• 連絡先: Dave Larkin(設計マネージャー)031 311
8650
• スケジュール: 現行の4つの契約で容量をアップグ
レードする進行中のプロジェクトは未確定、別のプロ
ジェクトが継続する。
44
• 連絡先: Butch Julian、041 506 2439
セクション 3 – プロジェクト機会のアセスメント
エクルレニ WC/WDM
エクルレニ市は、 WC/WDMの目標を達成するための包括的な戦略と計画を実施し始めた。
プロジェクトの概要:
• エクルレニ市は280万人にサービスを提供し、日量560
,000㎥の飲料水を供給している。
• エクルレニ市は、収益を生まない水(NRW)の割合が極
めて高い(38.9%)。
• エクルレニ市は、WC/WDM目標を達成するために以下の
包括的なターンアラウンド戦略と計画を定義した。

NRWを許容できるレベルである30%未満に減らす。

年間消費量を50,000 ,000㎥減らす内部目標
エクルレニ市 /
ERWAT
範囲、事業体制、および技術:
• プロジェクトの範囲: 2013~2022年にかけて実装する17プログ
ラムからなる18億ランド(約171億円)のWC/WDMプロジェク
ト
エクルレニ市は以下のプログラムを開始した。

2万個の節水メーター(WCM)の設置

漏水レポートとアクション・センターの導入
• プロジェクトの体制と契約モデル:成果物に基づく出来高部分
払方式を採用した、MFMAの下での公開入札プロセス
• 技術:WC/WDMプログラムは一般的に技術集約的であり、プ
ログラムの目的に依存する。
• 予算と資金調達:既存の7.7億ランド(約73億円)の予算が割り
当てられた(WCMメーターの予算は4億1400万ランド)。
• 連絡先: Kennedy Chihota(プランニング担当ディレクター)、
082 457 3664
スケジュールの状況:
• WCメーターと漏水検出報告の入札は2013年に終
了した。
• 圧力管理の入札は2013/14会計年度の終わり
(2014年6月30日)までに発表される。
• その他のプログラムは2022年まで毎年契約を締結
して実施する。
45
セクション 4
官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
南アフリカ水セクター事業機会の調査と分析
• Japanese Ministry of Economy, Trade and Industry
(経済産業省)
46
セクション 4 – 官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
南アフリカ水セクターでのPPP
“…民間事業者が政府の機能を代替し、民間事業者は財務面・技術面・運営面のリスクを負い、政府機関
または需要者から得る対価で便益を得ることを想定した取引である”
PPPにふさわしいとされるためには、民間事業者は少な
くとも以下5つの要素のうち、2つに大きく関与していな
ければならない。
• 設計
• 建設
• 運営
• 維持
• 事業資金提供
その他の要素として、バリュー・フォー・マネー、リス
クの適切な移転、組織・法人の調達にかかる価格の適切
性等が含まれる。
典型的なPPP事業のサイクルには以下5つの要素が含
まれる。
開始
実現可能性評価
調達
開発
実行
PPPは、①PFMA(中央政府)②MFMA(地方自治地体)により規定された2領域に分類される。異なった法律及
び規制がこれら2領域には適用される;
中央政府及び中央政府関連機関(例:水供給公社)
地方自治体及び地方自治体管轄機関
 Public Financial Management Act (PFMA)

Municipal Financial Management Act (MFMA)
 Treasury Regulation 16

Municipal Systems Act (MSA)
 PPP Partnership Manual

Municipal PPP Regulations
 Standardised PPP Provisions
47
セクション 4 – 官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
水セクターで実施可能性のあるPPP事業領域(1/2)
飲用上水処理及び配水インフラ設備
バルク水 (インフラ設備及び処理)
下水処理インフラ設備
現存インフラの改修
• セムコープ(主要株主はシンガポールのソブリン・ウェルス・ファンドである
テマセク・ホールディングス)により現在2つのPPP事業が執り行われている。
• 設備投資を促進法制度及び政策がある。
• 水セクターでPPPの対象となりうる最も一般的な領域である。
• 貯水池での成功事例が、例えばレファラレ地区の鉱業会社の中間地点であ
る。
•
•
•
•
下水収集システム及び処理設備(水再利用)
合流式下水道とリアルタイムでの下水流との分離・コントロール
雨水収集システムと処理設備の分離
汚泥処理及び管理システム
• 多くの地方自治体が抱える問題である高い無収水率の改善のための取
組であるWC/WDM導入がPPPの機会を提供している
• IFCがブラジルで実施の民間事業者を水漏れ改修事業に引き込む取組
• 確実な収益基盤がPPPを成功に導くためには必要となるが、多くの地
方自治体で未だ問題となっている
• 採算性の取れうる地方自治体及び大都市圏自治体での、料金回収によ
る収益モデルが本事業領域の実施に際しては適していると考えられる
48
セクション 4 – 官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
水セクターで実施可能性のあるPPP事業領域(2/2)
ウィットウォーターズランドでの
AMD事業
• ハイドロダイナミック・セパレーション法及び逆浸透膜法が2016年まで
に運転予定のAMDプラントでの適した方式とみなされている
• 事業化時と同規模の、環境アセスメントを含む試験計画の予定がある
• 2013年末時点で組織・財務モデルが決定されていない
• 誰がオフテイカーとして、いくらで処理済みのAMDの使用者となるのか
という点が、PPP化に際して最大の懸念事項である。
海水淡水化
• 複雑な環境、契約及び調達に関する規制
• 海水淡水化プラント建設のリスクに際して負うべきリスクと、実質的
な需要とが具体化されていない
• 地方自治体が水需要者としてのオフテイカーとなるべきであり、事業
者に対し保証を付さなければならない
• 需要リスクを水供給価格に含めることは、政府側からするとPPPを魅
力的なものとしない
• 代わりにDBOMモデルが適用されることが想定される
水力発電
• エネルギー省のアドバイザリーチームが、リスク評価及び調達モデル
立案のため、実施可能性のある水力発電事業を評価している。
• IPP事業者が事業性のある水力発電プラントの建設・運営のために調
達される予定である
• 水力発電事業はPPPの機会を提供しうるが、小規模の水力発電事業者
の補助が問題となる
• 小規模の水力発電事業を発見する能力がPPPの事業採算性を決定する
要素となる
49
セクション 4 – 官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
水セクターでのPPP実施における問題点 (1/2)
PPP事業は完了までに12から18 カ月を要するが、この期間内に完了することはほとんどない。水事業でのPPPはほぼすべ
て“開発”段階にあり、その理由はPPP事業が未だ完了していないことに起因する。
理由
詳細
実施機関と関連セクター機
関とのずれ
• いくつかの事業は事業採算性が取れていると証明されているが、政府による必要な支
援を揃えられないことが、延々とPPP事業を遅らせる理由となっている
PPP事業の料金設定
公的機関の意思決定に関す
る問題
DWAがPPPに着目していな
い
全体として複雑な事業提案
を要する
• 水バリューチェーンは水資源~水道~水資源のサイクルにより規制されている
• 規制された料金は原価回収の原則に則っており、水の経済価値に則っていない
• PPP事業に限らず、公的機関が時間軸に沿って意思決定をする能力がないことが問題
になっている
• 地方自治体になれば、より能力がない傾向がある
• DWAは自身の有する投資モデルまたはTCTAを実施機関とする方法を好む
• DWAが複数かつ複雑なPPP事業を処理する能力があるかは疑問である
• 事業提案は概して複雑になり、信頼性のあるPPP事業を構築するには追加的な作業が
求められる
• 提案されたPPP事業の開始前に、その他の事業が先行して完了する
50
セクション 4 – 官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
水セクターでのPPP実施における問題点(2/2)
理由
水事業は実効までに長期間
を要する
地方政府をはじめとする公
的機関で担当者の入れ替わ
りが高頻度である
PPPの複雑さと地方自治体
によるPPP事業実施能力
詳細
• 水セクターのPPP事業実施に際し、通常10年やそれ以上の期間を要するため、DWAや
通常の水セクター事業者のアプローチにうまく対処する必要がある。
• DWAのアプローチは政治プロセスの結果であることが多く、優先順位が適切ではない
• 地方自治体により実施される際に大きな問題が生じる;特定のPPPプロジェクトに最
も深く関与している担当者がPPP期間全体を通じて担当せず、完了前に入れ替わりが
発生する
• 首都圏自治体を除くほとんどの地方自治体で、PPPを実施能力のある人材がいない
• ほとんどの地方自治体は実施可能性評価・入札書類作成及び調達段階におけるトラン
ザクション・アドバイザーとなるコンサルタントを指名する必要がある。
• PPPプロセスは一般的に否定的な認知があり、実施に際しては困難を要する
PPP事業に対する市場から
の否定的な認知と、水事業
という社会的側面
• 水は他のインフラ設備よりも取扱が変化しやすく、複雑である
• 水は経済商品との認知はされておらず、水の価格という概念は認識はされていない
• 水の価格規制は無収水や、フリー・ベーシック・ウォーター政策(すべての家庭が水
資源へのアクセスを持つべきという政府の政策)によってもなされている側面がある
PPPに代替する方策:
南アフリカ地方自治体連合会(SALGA)は、政治家が民間事業者の水セクターへの投資に対して準備ができていないのと
同様に、PPP事業を好んでいない。これは、民間事業者を取り込むことに価値/効率性があるとみなされていないことと、
一方で自治体は利益がすべて民間事業者に移転してしまうことを恐れているためである。SALGAはBOTTが下水処理施設
の事業実施に際しては好ましい選択肢であるものと考えている。
51
セクション 4 – 官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
水道セクターで成功したPPP
水道セクターで成功したPPPには、以下のプロジェクトなどがある。
PPPプロジェクト
説明
ムボムベラ (ネルスプロイト) 水道および公衆衛生
免許
免許を受けた地域のあらゆる住宅に水道と公衆衛生の基本サー
ビスを提供する、Greater Nelspruit Utility Company (GNUC)
(Silulumanziに改称)との30年にわたる免許契約
イレンベ市地区自治体のドルフィン・コースト民
間部門免許
スタンガー市のドルフィン・コースト地域に水道と公衆衛生の
サービスを提供する、シザ Water Companyとの免許契約
ダーバン水リサイクル・プロジェクト - 南アフリ
カ初の民間水リサイクル・プラント
モンディ Paper MillとSapref Refinery(ShellとBPが所有)とい
う工業顧客に販売する、日量40~50 ,000㎥の高品質再生廃水を
生産するDurban Water Recycling (Pty) Ltdとの20年にわたる免
許契約
ラステンバーグ市およびWSSA水処理プラント
10,000 ,000㎥/aの放流下水を処理に使用し、プロセス水を地域
内の2つの鉱山事業に供給する、ラステンバーグ市とのAnglo
Americanの購入契約
Anglo American ウィットバンク水再生プラント
Anglo Americanは、ウィットバンク炭田での採炭作業から生じ
た日量25~50 ,000㎥の傾瀉AMD水を処理する水再生プラント
に投資し、飲用水をウイットバンク市に供給する。
52
セクション 4 – 官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
ケース・スタディー1:ダーバン水リサイクル・プロジェクト
目標:家庭廃水と工業廃水を飲用に近い規格に従って処理し、工業顧客がプロセスに直接使用するために販売すること
プロジェクトの背景:
• ダーバンは日量450 ,000㎥を超える廃水を処理している。
• 廃水を飲用に近い規格に従って処理するのに技術的に成功した
ことは、1995年にエテクィニ市 Water Servicesが証明した。
• EWSは、1997年にモンディ Paperとの官民パートナーシップ
(PPP)を検討して促進した。

モンディは、ダーバンの南部廃水処理施設(SWTW)に隣
接している。
• PPPに含まれていたもの:

日量50,000㎥から77,000㎥への活性汚泥プロセスのアップ
グレード

以前からある資産や廃棄した資産と接続した第3プラントの
建設

SWTW高レベル貯蔵タンクの改修

再生水細網化システムの設置
プロジェクトの体制:
• 入札者が正式な入札プロセスに招待された。
• Durban Water Recycling (Pty) Ltdとの間で、市の廃水の
10%を処理する20年にわたるBOOT免許契約を1999年に締
結した。
• Vivendi WaterはDWRの主要株主である。

パートナーは、Zetachem、Khulani Holdings、ウム
ジェニウォーター、丸紅ヨーロッパなどである。
投資されたファンド:
• 建設フェーズのコストは74億ランド(約703億円)
ダーバン
PPPの運用:
• Veoliaは、特化した処理プロセスを導入してモン
ディの水質要件を満たした。
• DWRの下水から上水へのリサイクル・プラントは、
日量47.5 ,000㎥の廃水を飲用に近い規格に従って
処理して工業顧客に販売する。
• モンディ Paperは、プロセス水の品質と水の明度
から大きな影響を受ける上質紙の生産にリサイク
ル水を直接使用する。
53
セクション 4 – 官民連携パートナーシップ(‘PPP’)
ケース・スタディー2:ウィットバンク水再生プラント(eMWRP)
目標: ウィットバンク炭田での採炭作業から得られた傾瀉坑内水を処理すること
プロジェクトの背景:
ウィットバンク
• ウィットバンク市は、水からストレスを受けているムプマランガ地域
の51万人にサービスを提供している。
• ウィットバンク周辺のAnglo American Thermal Coal (AATC) 採炭場
は日量約140 ,000㎥の水を含み、毎日25~30 ,000㎥以上増加してい
る。
プロジェクトの体制:
• パートナーシップ:

AATCのリサーチ・プロジェクトは、Eskomや主なHighveld炭田の
鉱業会社とパートナーシップを結んで10年以上にわたって継続した。

AATCは、逆浸透ベースのeMWRPを構成して運用するPPPを構築し
た。

PPPには、AATC、BHP Billiton、およびウィットバンク市が含まれ
る。

Aveng WaterがPPPを代表するeMWRPの運用者として指名された。

AATCの操業および使用を停止したBHP Billiton鉱山から得られた坑
内水を処理するためのeMWRPの試運転が2007年に行われた。
• PPPの運用:

ウィットバンク市は日量75 ,000㎥を取水するライセンスを持って
いる。

ウィットバンク市は日量120 ,000㎥を取水し、2030年までに日量
60 ,000㎥増加すると見積もられている。

現在、eMWRPは日量25~30 ,000㎥を処理し、ウィットバンク市
が使用する飲用水の約12%を供給している。

AATC(および鉱業会社)は、飲用水が処理コストよりはるかに低
い価格でウィットバンク市に販売されているため、運用コストを助
成している。
投資されたファンド:
• AATCは、eMWRPの第1フェーズ中に約10億
ランドを投資した。
• 第2フェーズの設備投資とその運用コストに
対する影響は現時点では不明である。
将来の拡張:
• eMWRPの処理容量を第2フェーズで日量50
,000㎥に増やす。
• 第2フェーズは2013年末までに運用可能にな
る予定である。
54
セクション 5
調達方針と法制度
南アフリカ水セクター事業機会の調査と分析
• Japanese Ministry of Economy, Trade and Industry
(経済産業省)
55
セクション 5 – 調達方針と法制度
政府の一般的な調達プロセス
フィージビリ
ティー・スタ
ディー
コンサルタントであるエンジニア、
プロフェッショナル・サービス・プロバイダー、
その他のアドバイザー
入札仕様
標準条件:
政府の構成要素
・南アフリカ政府
・水供給公社
・自治体
・SOE(Eskom/その他)
入札または
RFP
・サプライヤー登録
・契約
・申告
・権限
・優先(BB-BEE)
・定款
・サプライヤー開発、その他
特別条件:
・サプライヤー開発および現
地化(CSDP、その他)
・工業開発
(NIPP、その他)
評価と裁定:
・標準条件への適合
・技術および機能スコア
・BB-BEEスコア
・財務スコア
・合計スコア
・特別条件
日本企業
契約の構成要素
(日本企業、JV、
SPV、その他)
入札
契約
• サービス
• FIDIC、その
他
56
セクション 5 – 調達方針と法制度
調達方針 – 一般条件
首都圏自治
体
SOE Eskom
内容
サプライヤー登録
データベースへの登録
x
x
一般契約事項
応札者への説明
x
x
NEC3, GCC, その他の契約
行為規制
贈与、接待、利益相反に関する規
制
守秘契約
二者間での守秘義務契約
利益申告
州政府機関での雇用者との関係性
優先事項
現地調達規定(供給企業の育成と現地
化)
定款や他の規定
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
x
現地調達、工業開発等の貢献度合
いの詳細についての取り決め
x
x
x
x
CIPC提出文書、登録文書、株主総
会開催書類、納税通知書等
x
x
x
x
公正な入札条件への宣言、談合の禁止
入札書類提出権限
地方自治体
水供給公
社
入札条件
入札書類には取締役会により正式
に承認された人物によるサインが
必要
優先権ポイントシステム:
80/20 system: <1 百万ランド
90/10 system: > 1 百万ランド
BBBEE証明書の発行
57
セクション 6
水セクターで事業を行う民間事業会社の紹介
南アフリカ水セクター事業機会の調査と分析
• Japanese Ministry of Economy, Trade and Industry
(経済産業省)
58
セクション 6 – 水セクターで事業を行う民間事業会社の紹介
水セクターで事業を行う民間事業会社
名称
領域
Aecom
(南アフリカ)
技術コンサルティング
Aurecon
(南アフリカ)
技術コンサルティング
Bigen Africa
(南アフリカ)
技術コンサルティング
Royal Haskoning B.V.
(オランダ)
技術/サービス
水事業の広範な範囲に対して技術コンサルティング
サービスを実施している代表的な企業
技術コンサルティング
AQUA Industrial Water Treatment
食品加工産業
(オランダ)
工業排水や水と汚泥の分離、汚泥乾燥等の処理を実
施
General Electric
(アメリカ)
コングロマリット
新型発電設備及び水最適化技術
Gormann Rupp
(ドイツ)
ポンプ
上下水、建設、産業機械用のポンプの設計、生産及
び販売
Hatz
(ドイツ)
ポンプ
多様な機器類に用いられる動力付きポンプ
Hach Corporation
(アメリカ)
器具類
生産・配送管理機器及び、水・その他の液体検査薬
の製造
59
セクション 6 – 水セクターで事業を行う民間事業会社の紹介
水セクターで事業を行う民間事業会社
名称
領域
技術/サービス
IDE
(イスラエル)
上水
海水淡水化・産業排水処理プラントの設
計・建設・運営に特化
水処理機器
下水処理機器(従来型のもの、膜処理、
及び加圧分離)
下水処理
ポンプ設備、下水処理設備、水力発電所、
建設
下水分離
地方自治体の汚泥処理、飲料水、工業排
水、バイオガスの精製
上水
カートリッジフィルター、化学フィル
ター、ろ過装置、下水処理設備
環境コンサルティング
下水処理、浄水、海水淡水化を含む種々
の水処理サービス等
水ソリューション及び水関連技術
Exelys™という汚泥減少のためのプラン
ト
水事業コンサルティング及び建設
水処理及び鉱山排水の再利用
INVESTeau B.V.
(オランダ)
Landustrie Sneek B.V.
(オランダ)
Pieralisi Benelux B.V.
(オランダ)
Südchemie
(スイス)
Suez
(フランス)
Veola
(フランス)
Aveng Water
(南アフリカ)
WSSA
(南アフリカ)
ユーティリティマネジメント、浄水、下 水事業関連政府機関に代わり、水インフ
水処理
ラ設備の運営改善や管理を実施
60
セクション 6 – 水セクターで事業を行う民間事業会社の紹介
建設事業を行う民間事業会社
名称
Aveng Ltd
(南アフリカ)
Basil Read Holdings Ltd
(南アフリカ)
Esorfranki Ltd
(南アフリカ)
Group Five Construction (Pty) Ltd
(南アフリカ)
Murray & Roberts Holdings Ltd
(南アフリカ)
Raubex Group Ltd
(南アフリカ)
Stefanutti Stocks Holdings Ltd
(南アフリカ)
Wilson Bayly Holmes-Ovcon Ltd
(南アフリカ)
領域
技術/サービス
総合建設/エンジニアリング
エネルギー、インフラ、鉱山セクター
での土木建設
総合建設/エンジニアリング
土木建設、道路建設、ビル、露天掘り
鉱山、 mixed integrated housing
developmentsなど
土木・建設
地質工学、土木、導水管の運営
重量構造物建設
道路建設、橋梁、ダム、ビル
総合/特殊建設
建設及びエンジニアリング、地下鉱脈
開発、建設資材、fabrication
総合/特殊建設
道路建設及び補修、関連インフラ設備
の建設
総合建設/エンジニアリング
鉱山開発、property and concession、道
路及び掘削
総合建設/エンジニアリング
ビル建設、土木工事、道路及び掘削工
事
61
セクション 7
結論
南アフリカ水セクター事業機会の調査と分析
• Japanese Ministry of Economy, Trade and Industry
(経済産業省)
62
セクション 7 – 結論
まとめ
• 南アフリカと日本の間には協力の歴史があり、他の業界には多くの日本企業がすでに参画している。
• 南アフリカの水道セクターは過渡期にあり、直面している課題や問題は、それらに対応するソリューション
を持つ日本企業が参画するのによい機会をもたらす。
• 南アフリカが水道セクターのインフラ要件に対処するには、今後10年間に7000億ランド(700億ランド(約
6,650億円)/年)が必要であると見積もられている。政府は、独力では解決できない問題があることを認識
しており、民間部門を参画させることに前向きである。
o
補完的な政策と法的枠組み(セクターの法制化 - 水道サービス法は水道サービス・プロバイダーを規定
し、s78アセスメントでは自治体がサービス提供協定、PPPの枠組みなどをレビューすることが要求され
る)
o
公共機関(財務省のPPPユニット)がPPPに参入するのを支援している
•
南アフリカには、プロジェクトの技術以外のコンポーネントに対するパートナーシップを構築するのに優
れた基盤をもたらし、企業が現地調達やBEEの要件に適合するのを支援できる、よく発達したエンジニアリ
ング・セクターと建設セクターがある。
•
南アフリカの調達の枠組みにより、自治体がコスト効率に優れた独自ソリューションを持つ企業と競争入
札を行わずに契約する機会が与えられるため、最先端の事業を展開している日本企業は自治体やそのアド
バイザーと関わるべきである。
63
セクション 7 – 結論
参入方法:下水道分野
ニーズ
•
•
•
人口増加等に伴い、下水道の利用が増加しており今後拡大が見
込まれる。
短期的には、技術は高度なものは期待されていないものの、需
要増加に伴い高度化が進むことが見込まれる。
PPPによる実施を試行している自治体も存在し、規模は大きく
ないながら受注可能性が見込まれる。
参入方法
プロジェクト例
•
•
•
•
エテクィニ北部廃水処理施
設(下水処理施設)および
再利用
エムフレニ市 RBIG廃水処
理施設(下水処理施設)
ポツダム下水処理施設,
ケープタウン
フェニックス、エテクィニ:
下水道分野に関しては現状の低コストニーズに短期的な視点で参
画する場合と中長期的な環境変化を見据えた対応が考えられる。
①
低コスト技術による参入(短期的)
• 対象自治体に簡易的な処理方法や浄化槽を活用した整備方
法を提案しFSを実施
• 入札において差別化するためローカル企業と連携
②
高度技術をベースにした参入(中長期的)
• 対象自治体に高度処理技術による環境への影響等を実証実
験により検証
• 高度処理技術を用いたFSを実施
• 入札において差別化するためローカル企業と連携
64
セクション 7 – 結論
参入方法:AMD(鉱山酸性排水)分野
ニーズ
•
•
鉱山酸性排水(AMD)が全国的に課題になっており、この
排水処理を一括的に実施する事業が期待されている。
処理方法は最低限の処理を実施する場合や処理後に再生水
として利用する場合など想定される。
プロジェクト例
•
•
ウィットウォーターズランド
AMD処理及び再利用
クリエル・マトラ鉱山廃水処理
及び再利用
参入方法
鉱山酸性排水(AMD)の領域では水処理のレベルは発注者との
協議次第で変わりうることから最低処理のみ施す場合と高度技
術を用いて再生水とする場合が考えられる。
① 最低処理による参入
• 入札において差別化するためローカル企業と連携
• Eskom等の入札に参加
②
高度技術をベースにした再生水の提案
• TCTAに対して高度処理技術による再生水の処理方法に
ついてFSにより検証
• 入札において差別化するためローカル企業と連携
• Eskom等入札に参加
65
セクション 7 – 結論
参入方法:Brine Treatment分野
ニーズ
•
•
•
RO処理後の塩水が環境に対する影響が深刻化されており対
応策がEskomやSasolという大手ユーティリティ企業で求めら •
れている。
水供給公社はこの課題についてこれまでの状況などを把握し
ており、まずは水供給公社と対話を始めることが考えられる。
プロジェクト例
Eskom塩水処理・再利用
Sasol塩水/下水処理・再利用
参入方法
水供給公社との対話を通じて現状把握を進め、その上で具体的な
実証実験を進めることが考えられる。技術的に他の企業で実施が
困難な場合には随意契約が可能であり、そのようなソリューショ
ン開発を目指すことが考えられる。
①
処理技術の開発を通じた事業モデルの提案
• 水供給公社と対話を実施
• 塩水の対応技術を実証実験を通じて検討を実施
• FSを通じて事業実施モデルを確立
• 技術が他で実施できない場合には随意契約が可能
66
セクション 7 – 結論
参入方法:海水淡水化分野
ニーズ
•
•
全国的な水資源不足を踏まえて海水淡水化に関するニーズが •
広く存在する。
既にFSを完了している自治体等も存在するが、日本技術の
適用をベースにしたFSの実施などの可能性が存在する。
プロジェクト例
ケープタウン海水淡水化
参入方法
水供給公社やTCTAに対して技術的ソリューションを開発することから開
始し案件の応札等に参画することが考えられる。
①
水供給公社に対して日本技術を活用したFSを実施し、事業
実施モデルを提案
• 水供給公社に対するFSやTCTAに対する実証実験により
検討を実施
• FS、実証実験を通じて事業実施モデルを確立
• 事業の入札に参画(技術が他で実施できない場合には随
意契約が可能)
67
セクション 7 – 結論
参入方法:漏水改善分野
ニーズ
•
•
•
•
•
管網の老朽化により、修繕・更新が期待されている。
NRWも高い水準になっており併せて漏水低減が期待される。
住民からの抗議運動なども生じており改善が求められている。
また、更新においては日本企業の有する更生工法等の活用も
期待される。
プロジェクト例
エクルレニ WC/WDM
参入方法
各自治体と対話を進める中で事業モデルを確立し参入すること
が考えられる。
① 自治体に対して調査を実施し改善提案を行う
•
実証実験支援等を活用して漏水調査を通じた漏水原
因の分析及び改善方法の提案
•
次章実施方法としては、O&Mの事業モデルやメンテ
ナンスサービスの提供を提案
68
参考 : JICA協力準備調査(PPPインフラ事業)
JICAでは、PPP事業を推進する企業に対してフィジビリティスタディの実施を支援する資金を提
供している。
制度概要
対象事業 以下を満たすPPPインフラ事業
途上国の経済社会開発・復興や経済の安定に寄与する事業
日本政府・JICAの方針(国別援助実施方針等)・先方政府の開発計画等に沿った事業
円借款・海外投融資を活用する見込みがある事業
建設及び運営を含むPPPインフラ事業であり、提案した当該企業が事業への投資の形で参画予定で
あること
調査費用 1億5,000万円を上限
調査範囲 以下①~⑤等の検討を行い、PPPインフラ事業全体(PPPインフラ事業のうち、公共事業として事
業化される部分と民間事業として事業化される部分の両方を含む)の実現可能性を確認する。
① 当該国における当該セクターの現状・課題の整理と当該事業の必要性
② 当該事業にかかる事業計画の検討・策定
③ 当該事業のキャッシュフロー分析と事業スキーム・資金調達方法の検討
④ 当該事業にかかるリスク分析とリスク緩和策の検討
⑤ 当該事業の効果の確認
採択実績
(全49
件)
PwC
セクター
件数
セクター
件数
国
件数
国
件数
水
9
電力
4
ベトナム
21
モンゴル
2
都市開発・工業団地
8
港湾
3
インドネシア
11
ラオス
2
道路
7
鉄道
3
インド
1
4
廃棄物
2
イラク
環境
2
空港
2
スリランカ
発電、交通、物流、林業、製
造
カンボジア
1
4
フィリピン
2
タイ
1
ミャンマー
2
ボスニア・ヘルツェゴ
ビナ
1
モザンビーク
1
* 第七回公示分(平成25年5月10日)まで含めている。
各1
参考 : BBBEE制度について
BBBEE(またはBEE)制度は、南アフリカ政府による経済改革を進めるための重要な政策である。
概要
•
•
•
種々のBroad-Based Black Economic
Empowerment (“BBBEE” or “BEE”) 制度に準拠
することが南アフリカで事業を実施する上で求
められる。
産業貿易相は、改訂版のBBBEE実施方針を2013
年10月11日に発行した。BEE評価機関による
BEE証明書は、2015年4月30日以後、改訂版実
施方針に準拠することとなり、2015年4月30日
までは移行期となる。
改訂版実施方針は、政府及び民間企業による、
過去の不平等を是正し、広く南アフリカの黒人
の生活向上に貢献したことに対する努力を純粋
に示す仕組みとなっている。
•
改訂版実施方針は単純に出資額による評価では
なく、個人の生活水準や人的資源の開発プロセ
ス、技能開発等を重視している。また、どの法
人がBEEにより準拠しているかを測定するため
のスコアカードを規定している。
•
民間企業は、同法および同規準による法的拘束
を受けないが、 BEE を推進する民間企業の入札
価格が、そうした努力を行わない別の企業より
高い場合でも、前者を落札者とする可能性があ
り、実質的な影響を及ぼすものである。
PwC
実施方針における5つの評価要素とスコアカード:
詳細
ポイ
ント
持分
黒人により、何割かの議決権及び経済的便益が保有
されていることが求められる。さらに、BEE規制を
受ける組織が黒人による株式購入で債務の水準を最
小化する場合、更なるポイントが配賦される。
25
従業員割合
各管理者層において、何パーセントの従業員を黒人
が占めているかによりポイントが配賦される。
15
技術開発
黒人の学習、実習、実務研修を推奨すること。
20
企業及びサプライ
ヤーの開発
BEE対応の高いサプライヤーを用いて事業を実施し
ている組織に対して優位性が与えられる。さらに、
黒人により運営される中小企業(収益が50百万ラ
ンド(約480百万円)以下)の発展に寄与した組織に
対し、更なるポイントの配賦が行われる。
40
社会経済的側面で
の発展
便益の受益者が黒人である地域の社会経済の発展に
寄与している組織に対し、ポイントが付与される。
5
実施方針に基づく
評価要素
合計(追加的なポ
イントを除く)
105
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「PwC」は、PricewaterhouseCoopers Private Limitedを指す。同社は
PricewaterhouseCoopers International Limitedの会員会社であり、その各会員会社は独立した
法人である。
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