...

10.環境問題い関する世界の動き(PDF:635KB)

by user

on
Category: Documents
30

views

Report

Comments

Transcript

10.環境問題い関する世界の動き(PDF:635KB)
10.環境問題に関する世界の動き
● 環境問題に関する世界の動き
1972年
■「国連人間環境会議」の開催(ストックホルム)。
「人間環境宣言」の採択。
「各国はその管理下にある諸活動についても責任を負い、また他国の環境だけでなく、
公海、深海底、宇宙・天体等の国際的地域の環境に対する損害の防止・排除の責任を負
う」ことを宣言。
■「国連環境計画」
(UNEP:United Nations Environment Programme)の発足。
環境保護を目的とした国連機関。オゾン層保護のウィーン条約、モントリオール議定書
の締結をはじめ地球温暖化防止、有害廃棄物の越境移動問題、砂漠化阻止、熱帯林保
護など、地球全体にかかわる環境問題の調整、調査、啓発の国際機関の中核となって
いる。本部はナイロビ。
■ ローマクラブの「成長の限界」が発表された。
「世界人口、工業化、汚染、食料生産及び資源の使用などの点で、現在のような成長が
不変のまま続けば今後100年の間に地球上での成長は限界に達するであろう」しかし
「こうした成長傾向を改め、遠い将来にまで持続可能な生態的・経済的安定状態を確立
することも不可能ではない」という見解。
● 環境に関する宣言
■ ストックホルム人間環境宣言
(「国連人間環会議」、
1972)
原 則
前文
原則1
:健全な環境で生活する基本的権利と環
境を保全する責任
原則2∼7:天然資源の保全
(生態系、野生生物、海洋等)
原則8
:経済社会開発の必要性
原則9∼12:発展途上国の環境保全対策
原則13∼17:合理的、計画的な資源管理
原則18
:科学技術の重要性
原則19∼20:環境教育、調査研究
原則21∼22:主権の尊重と、管轄地域外の環境を破
壊しない義務
原則23 :環境基準の差異の存在
原則24∼25:各国の協調、国際機関との協力
原則26 :核兵器等の破棄
3
■ 環境と開発に関するリオ宣言(1992)
1982年
■「国連人間環境会議」の10周年記念として「国連環境計画」管理理事会特別会合の開催
(ナイロビ)。
1984年
■「環境と開発に関する世界委員会」
(ブルントラント委員会)の発足。
1987年
■「環境と開発に関する世界委員会」が「持続可能な開発」の考え方を提唱。
「持続可能な開発」とは、
「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足
させるような開発」であり、
「持続可能な開発は生態系を破壊することなく、かつすべ
ての人々にとって妥当な消費水準をめざした価値観をつくり上げて初めて可能となる」
とされている。
「持続可能な開発」
(Sustainable Development)
は、環境問題に取り組
む上でのキーワードであり、世界的な共通認識となっている。
1992年
■「環境と開発に関する国連会議」
(地球サミット)の開催(リオデジャネイロ)。
「生物多様性条約」
「気候変動枠組み条約」
「森林に関する原則声明」
「環境と開発に関
するリオ宣言」
「アジェンダ21」の採択。地球サミットで採択された行動計画を受け、
国連総会の決議により、持続可能な開発委員会(CSD:Comission on Sustainable
Development)が設立されて活動を展開している。
1997年
■「気候変動枠組み条約第3回締約国会議」
(温暖化防止京都会議)の開催(京都)。
先進締約国全体で、2008年から2012年までの間に1990年比で5%以上の排出量の削減
を行うことが規定された京都議定書が採択された。
原 則
前 文 ストックホルム宣言の再確認と発展、新
しい公平な地球的規模のパートナーシップ
の構築、地球的規模の環境・開発システム
の一体性保持への国際的合意
原則1 :人類は持続可能な開発への関心の中心に
ある。
原則2 :自国の資源開発の主権の尊重と管轄権の
及ばない地域の環境に害を与えない責任
原則3
:開発の権利の現在と将来世代間の公平
原則4∼9:持続可能な開発の達成(途上国優先、先
進国の技術・財源上の義務、各国の協力、
人口政策)
原則10
:市民参加と情報公開の促進
原則11∼14:各国の国内施策の実施
原則15
:予防的方策
原則16
:汚染者の汚染による費用の負担、環境費
用の内部化と経済的手段の使用の促進
原則17∼19:環境影響評価の実施、自然災害等の他
国への通報と被災国支援等
原則20∼23:各主体の参加(女性、若者、先住民、抑圧・
制圧・占領下の人民等)
原則24∼26:戦争・紛争・平和と環境
原則27
:各国・国民の協力
■アジェンダ21の構成
[アジェンダ21の計画分野の項目:環境庁]
1.アジェンダ21前文
セクションⅠ 社会的、経済的要素
2.発展途上国における持続可能な開発を促進する
ための国際協力と関連国内政策
3.貧困の撲滅
4.消費形態の変更
5.人口動態と持続可能性
6.人の健康の保護と促進
7.持続可能な人間居住の開発の促進
8.意思決定における環境と開発の統合
セクションⅡ 開発のための資源の保全と管理
9.大気保全
10.陸上資源の計画及び管理への統合的アプローチ
11.森林減少対策
12.脆弱な生態系の管理:砂漠化と干ばつの防止
13.脆弱な生態系の管理:持続可能な山岳開発
14.持続可能な農業と農村開発の促進
15.生物多様性の保全
16.バイオテクノロジーの環境上健全な管理
17.海洋、閉鎖性及び準閉鎖性海域を含むすべての
海域、及び沿岸地域の保護、及びこれらの生物資
源の保護、合理的利用及び開発
18.淡水資源の質と供給の保護:水資源の開発、管理
及び利用への統合的アプローチの適用
19.有害及び危険な製品の違法な国際的移動の防止
を含む、有害化学物質の環境上健全な管理
20.有害廃棄物の違法な国際的移動の防止を含む、
有害廃棄物の環境上健全な管理
21.固形廃棄物及び下水関連問題の環境上健全な管理
22.放射性廃棄物の安全かつ環境上健全な管理
セクションⅢ 主要な社会構成員の役割の強化
23.セクション 。
の前文
24.持続可能かつ公平な開発に向けた女性のための
地球規模の行動
25.持続可能な開発における子供及び青年
26.先住民及びその社会の役割の認識及び強化
27.非政府組織(NGO)の役割の強化:持続可能な
開発のパートナー
28.アジェンダ21の支持における地方自治体の役割
29.労働者及び労働組合の役割の強化
30.産業界の役割の強化
31.科学的、技術的団体
32.農民の役割の強化
セクションⅣ 実施手段
33.資金源及びメカニズム
34.環境上健全な技術の移転、協力及び対処能力の
向上
35.持続可能な開発のための科学
36.教育、意識啓発、訓練の推進
37.途上国における能力開発のための国のメカニズム
及び国際協力
38.国際的な機構の整備
39.国際的法制度及びメカニズム
40.意思決定のための情報
● 気候変動枠組条約と京都議定書
増加︵%︶
+10%
アイスランド
+8%
オーストラリア
温室効果ガスの排出量枠を各国間で売買する
排出量取引の導入については、国内対策の補
足であるとしたうえで、今後、詳細な指針を
定めることとなっています。
●共同実施
先進国が他の先進国で温室効果ガス削減プロ
ジェクトを実施し、その結果温室効果ガス排
出が削減された場合は、自国の削減量にでき
る制度です。
(ただし、
HFC、
PFC、SF6については、1995年
にできる。)
●クリーン開発メカニズム
●温室効果ガス排出削減目標値
先進国における温室効果ガスの人為的な排出
量を2008年∼2012年の平均が1990年の
水準より少なくとも5%削減とすることを目
的として、右図のように、各先進国に対し国別
に差異化された削減目標が課せられました。
●吸収源
森林などは二酸化炭素を吸収する能力を持っ
ています。このため、国別の排出量には、植
林や森林減少などによる二酸化炭素吸収量の
変化についても含めることになりました。た
だし、詳細については今後議論されることに
なっています。
二酸化炭素排出量
●排出量取引
1990年
54
52
−5%
クロアチア
−6%
日本/カナダ/ハンガリー/ポーランド
−7%
アメリカ
46
EU(オーストリア/ベルギー/デンマーク/フィンランド/フランス/ドイツ/
ギリシャ/アイルランド/イタリア/ルクセンブルグ/オランダ/ポルトガル/
スペイン/スウェーデン/イギリス)、
リヒテンシュタイン/モナコ/スイス/ブルガリア/チェコ/エストニア/ラトビア/
リトアニア/ルーマニア/スロバキア/スロベニア
44
−8%
50
+4.8%
48
議定書がある場合
1990年比5.2%の削減
−4.8%
−5.2%
42
40
1990
1995
2000
2005
2010
2015(年)
資料:気候変動枠組条約事務局資料
● 京都議定書の発行の要件
締結した附属書Ⅰ 国(※)の合計の二酸化炭素の1990年の排出量が、全附属書Ⅰ 国の合計の排出量の55%以上。
※京都議定書に基づき、その温室効果ガスは排出量について、法的拘束力のある数値目標の達成が義務づけられている国。
(先進国及び経済移行国が該当する)
京 都
議定書
●基準年
ニュージーランド/ロシア/ウクライナ
安定化
3 ②
二酸化炭素
メタン
一酸化二窒素
ハイドロフルオロカーボン(HFC)
バーフルオロカーボン(PFC)
六フッ化硫黄(SF6)
ノルウェー
+24%
議定書がない場合
1990年比2.4%の増加
以下の両方の条件を満たした後、90日後に発効。
① 5ヶ国以上の国が締結。
● 京都議定書のポイント
●対象となる温室効果ガス
炭素換算トン(億トン)
58
56
+1%
減少︵%︶
「大気中の温室効果ガス濃度を気候系に危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準に安定化させる」
ことを目的とした気候変動枠組条約が、1992年5月に採択され、同年6月の国連環境開発会議(リオ・デ・ジャ
ネイロ)で各国首脳により署名式が行われました。
(現在、我が国を含む186ヶ国(含1地域)が締結)
1997年12月には京都で同条約第3回締約国会議(COP3)が開催され、同条約の目的の実現を図るための京
都議定書が採択されました。同議定書の中で、我が国は、2008年から2012年までの間(第1約束期間)に二酸化
炭素を始めとする温室効果ガスを1990年比で6%削減するという数値目標が定められました。
その後、2000年11月にオランダのハーグで行われた第6回締約国会議(COP6)では、京都議定書を遅くとも
2002年までに発効させるために、京都議定書で導入された排出量取引、共同実施、クリーン開発メカニズム
(CDM)からなる京都メカニズムの制度の具体化、排出量の削減・抑制の約束を守れなかった国の取扱を定め
た遵守制度等の主要要件について協議が行われました。しかし、締約国間での内容の合意に到らず、COP6
は一旦中断し、引き続き論議が行われることになりました。
その後、2001年7月にドイツのボンで行われた気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP6)再開会合では、
京都メカニズム等について基本的な合意(ボン合意)が得られ、さらに、同年11月の第7回同会合(COP7)
では、ボン合意が法文化され、京都議定書の実施に係るルールが決定されました。
● 温室効果ガス排出削減目標(1990年比) ● 京都議定書によって期待される二酸化
炭素排出削減効果(先進工業国分)
先進国が途上国において温室効果ガス削減プ
ロジェクト実施し、これにより得られる削減
量を国際的に認証して、支援国の削減量に繰
り入れるものです。
●繰越し(バンキング)
排出量が削減目標値を下回る実績が得られた
場合は、その差を次の目標の達成の際、排出
量から差し引くことができることとなりました。
●複数国による共同達成(バブル)
● 附属書
国の1990年の二酸化炭素排出量割合
国 名
二酸化炭素排出量(千t)
割合(%)
国 名
二酸化炭素排出量(千t)
割合(%)
EU15カ国
3,326,423
24.2%
ドイツ
1,012,443
584,078
7.4%
米国
4,957,022
36.1%
4.3%
カナダ
457,441
3.3%
428,941
3.1%
オーストラリア
288,965
2.1%
フランス
366,536
2.7%
スペイン
260,654
1.9%
ノルウェー
ニュージーランド
35,533
25,530
0.3%
0.2%
オランダ
167,600
1.2%
アイスランド
2,172
0.0%
ベルギー
113,405
0.8%
日本
1,173,360
8.5%
ギリシャ
82,100
61,256
0.6%
ロシア
2,388,720
17.4%
0.4%
0.4%
0.4%
13,728,306
100.0%
フィンランド
デンマーク
59,200
53,900
52,100
ポルトガル
42,148
0.3%
アイルランド
30,719
0.2%
ルクセンブルグ
11,343
0.1%
1,073,140
7.8%
英 国
イタリア
スウェーデン
オーストリア
EU・アンブレラグループ
以外の附属書 国
0.4%
● ポーランド
414,930
3.0%
△ ルーマニア
171,103
1.2%
● チェコ
169,514
1.2%
△ ブルガリア
● ハンガリー
82,990
71,673
0.6%
0.5%
△ スロバキア
スイス
58,278
0.4%
43,600
0.3%
● エストニア
37,797
0.3%
△ ラトビア
リヒテンシュタイン
22,976
208
0.2%
0.0%
71
0.0%
モナコ
アンブレラグループ
合計
●はEU加盟候補国
△はEU加盟を目指し交渉中の国
資料:環境省
いくつかの国が共同で目標を達成することが
認められています。EU諸国が対象となって
います。
本ページ資料:交通エコロジー・モビリティ財団
● 環境保全のための国際規格制定への協力
現在ISOにおいて、環境マネージメント・監査、環境パフォーマンス評価、製品のLCA、環境ラベルなど、
企業の環境保全のための有力なツールとして国際環境規格(ISO14000シリーズ)が制定されてきています。
「ISO(アイ・エス・オー)」とは?
『国際標準化機構:International Organization for Standardization』と称し、電気・電子関係を除くあらゆる
分野の標準化(国際規格の制定と普及)を推進する非政府間国際機関〔NGO〕のことで、企画は1万種類以上
もあり、代表的には
★品質システム規格=ISO 9000s
★環境システム規格=ISO14000s があります。
ISO14000sとは、1996年9月に国際標準化機構(ISO)によって制定された「環境マネージメントに関する
国際規格」のことです。この規格は、組織が環境への負荷を継続的に改善していくためのシステムについて、必
要な事項を定めています。
● 制定の経緯
その制度の経緯は、
1991年に開かれた「持続可能な開発のための産業人会議」
(BCSD)から始まります。こ
の会議は1992年に開かれた地球サミットを成功させるために設立された組織で、環境保全と経済発展について
議論を行いました。そして、1992年の地球サミットのリオ宣言、アジェンダ21を受けて、BCSDが環境に関する
規格づくりISOに要請しました。
この会議の要請を受けて、環境管理に関する国際規格「ISO14000シリーズ」が作成され、1996年9月に発効しま
した。わが国でも、唯一の認定機関である(財)日本適合性認定協会(JAB)によって、1996年6月に「環境管理
システム審査登録制度」が発足しました。また、10月には、このSO14000シリーズを基準とて、日本工業規格
のJIS−Q14000シリーズが制定されました。
自動車メーカーのISO14001審査登録件数推移(国内)
45
44
40
35
33
30
25
21
20
13
15
10
5
0
4
2
'97/1
'97/7
'98/1
'98/7
'99/1
'99/4
年/月
資料:「豊かな環境を次の世代に」日本自動車工業会
各自動車メーカーはISO14001の認証を取得する事で、より環境に配慮した効果的な体制を構築しています。
Fly UP