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参考資料 5
平成18年検討会において
指摘された重点課題について
食料産業局
平成25年9月13日
(論点)重点課題①(育成者権取得・権利行使を容易にするための取組)
(課題)
①審査の質の充実を図りつつ、審査の迅速化に向けた取組を強化する必要
②種苗管理センターによる侵害対策支援業務を継続・強化する必要
③特性調査形質の過多指定を見直す必要
(対応状況)
①審査体制の充実
○審査官・審査専門職の計画的増員
(23名(平成19年度当初)→33名(平成25年度))
○品種登録迅速化総合電子化システム(VIPS)の構築
(平成19年に構築、平成20年稼働)
②品種保護Gメンによる各種支援活動の実施
○種苗管理センターの品種保護Gメンにより、
侵害対策に係る相談の受付及び助言、
侵害に関する情報の収集及び提供等を実施
③審査基準の見直し
○UPOVガイドラインに沿った審査基準の見直し、作成
(現行の審査基準約600種類のうち、253種類について
UPOVガイドラインに沿って見直し、作成)
平均審査期間は、
2.9年(平成19年度)から
2.34年(平成24年度)に短縮
(目標:2.3年(平成26年度))
品種保護Gメンへの相談件
数は、
72件(平成19年度)から
150件(平成24年度)に増加
平均形質数は、UPOVテスト
ガイドラインに沿った見直し
により、
60形質から39形質に減少
(参考)
・引き続き、UPOVテストガイドラインに沿った審査基準の見直し、侵害対策支援業務等を推
進。
-1-
① 育成者権取得・権利行使を容易にするための取組
○ 農林水産省では、審査の迅速化に向け、審査の実施体制の強化やUPOVテストガイドラインに準拠した
審査基準の改正、諸外国との審査協力の推進等を実施。
○ このような取組を通じ、平成19年に2.9年であった平均審査期間を平成24年度までに2.34年にまで
短縮。
(参考1)新品種の平均審査期間
平均審査期間(年)
22名(H18)→33名(H25)
-栽培試験実施体制の強化:
栽培試験実施点数613点(H17)→741点(H24)
-コンピュータシステムの更新による情報管理の効率化
(品種登録迅速化総合電子化システムの構築:H19構築、H20稼働)
審査基準の改正
UPOV同盟国の審査当局との協力体制の基盤づくりのた
め、我が国の審査基準を国際標準であるUPOVガイドライン
に沿って見直し・作成
H19:61基準、H20:30基準、H21:51基準、
H22:60基準、H23:46基準、H24:36基準
•
登録件数
(1)審査期間の短縮の取組
審査の実施体制の強化
•
-審査官・審査専門職の計画的増員:
(参考2)EUとの審査協力協定
海外審査機関との審査協力の推進
○審査の効率化に向け、既に審査が実施された品種に
ついて審査報告書の相互利用を進めるため、外国の
審査当局との間で審査協力に関する覚書等を締結
○これまで、英国(H9)、ドイツ(H9)、オランダ(H9)、イスラエル
(H10)、NZ(H12)、EU(H18)及びベトナム(H19)との間
で、覚書等を締結
-2-
○農林水産省生産局(当時)は、EU品種庁との間で審査協力協
定を締結し、先願国の栽培試験結果を後願国が利用できるよう、
審査基準及び栽培試験方法等の調和を図っているところ。
合
意
平成18年11月
対象植物
バラ(切り花)、ペチュニア、カリブラコア、キク(スプ
レータイプ)、バーベナ
(今後、対象植物の順次拡大を検討)
審査報告書の
購入実績
20年度 33件
22年度 6件
21年度 13件
23年度 2件
(論点)重点課題②(個人、中小企業等に対する侵害対策への支援)
(課題)
○育成者権侵害に対する相談・助言体制の強化
○裁判外での育成者権侵害紛争の適正・迅速な解決
(対応状況)
①権利侵害に関する各種情報提供、相談の受付、助言等を実施
(農林水産省、種苗管理センター)
②品種保護Gメンを全国に配置、求めに応じ国内外どこにでも出向く体制の整備
(種苗管理センター)
③「植物品種保護戦略フォーラム」の開催する講演会、知的財産ツアーなど関連活動に参加
(農林水産省、種苗管理センター)
④会員からの権利侵害に関する法律相談への対応
(植物品種保護戦略フォーラム:事務局 (公社)農林水産・食品産業技術振興協会)
⑤品種保護Gメンの品種の活用に関する相談等への対応(種苗管理センター)
(参考)
・情報提供は農林水産省のホームページなどを中心に、相談・助言活動は民間団体を中心に
適切に行われている。
・裁判外での育成者権侵害紛争の適切・迅速な解決については、品種保護Gメンの相談活動
により推進されている。
・今後とも、これらの活動の充実を図る。
-3-
② 個人、中小企業等に対する侵害対策への支援
育成者権の侵害事例(事実関係等は新聞報道による)
植物名
小 豆
いぐさ
いちご
品種名
きたのおとめ
(H23.3満了)
しゅまり
権利者
概
要
北海道
中国に種苗が持ち出され、その収穫物が我が国に輸入されていたことが、平成16年に北海道が輸入品をDNA検査して判
明した。
北海道からの警告により、輸入業者は中国からの日本品種の小豆の輸入を自粛。
ひのみどり
熊本県
①中国に種苗が持ち出され栽培されているとして、平成15年12月、熊本県が、関税定率法に基づき輸入差止めを申立て。
平成17年3月、長崎税関八代支署が八代港から輸入されようとした「ひのみどり」のいぐさを摘発し、刑事告発。平成17
年11月7日に熊本地検が起訴し、平成18年2月1日、業者に対し罰金百万円、同社長に対し懲役1年6ヶ月執行猶予4
年、いぐさ約8.8tの没収を命じる判決を言い渡した。
②平成23年4月、熊本県に、国内の公的施設に中国産との表示があるものの「ひのみどり」製であることが疑われる畳表が
あるとの連絡。熊本県の現地調査、DNA分析から当該畳表が「ひのみどり」と確認。平成24年1月、熊本県は、当該畳表
の輸入業者に対して是正・改善を要求し、2月にその旨を公表。
レッドパール
(H20.11満了)
個人
育種家
平成10年に韓国内の一部の生産者に利用を許諾したが、平成12年頃、増殖されて我が国に逆輸入。権利者が輸入業者
を相手に裁判を起こし和解した。
章姫
満了)
個人
育種家
平成8年に韓国内の一部の生産者に利用を許諾したが、平成12年頃、増殖されて我が国に逆輸入。
栃木県
①平成13年、「東京都中央卸売市場青果物速報」に韓国産「とちおとめ」の入荷状況が記載。栃木県より、市場関係者に調
査を実施したが、物的証拠は得られず。栃木県より許諾先の業者に文書で注意喚起。
②平成17年、韓国農水産物流公社が作成した韓国国際展示会のパンフレットに「韓国産イチゴ」として、「とちおとめ」、「さ
ちのか」が記載。
(H19.1
とちおとめ
(H23.11満了)
稲
つや姫
山形県
平成24年7月、山形県警が、山形県の許諾を得ずに、その種もみを販売した愛知県内の個人を種苗法違反の容疑で逮捕
。
いんげん
豆
雪手亡
(H22.9満了)
北海道
中国に種苗が持ち出され、その収穫物が我が国に輸入、販売されていたことが、平成13年に北海道が輸入品をDNA検査
して判明した。
北海道からの警告により、輸入業者は中国からの高級白あん原料用いんげん豆の輸入を自粛。
おうとう
紅秀峰
(H21.9満了)
山形県
オーストラリアに種苗が違法に持ち出されたとして、平成17年11月16日、山形県が、種苗法に基づき豪州で果実の生産・
販売を営む者等を刑事告訴した。平成19年7月、山形県は平成24年まで輸出しないこと等を条件に和解。
中国においても、種苗が違法に持ち出され、流通しているとの情報が寄せられている。
カーネー
ション
ヒルチェルテス
等4品種
種苗会社
(2社)
中国で種苗が増殖され、母の日を前にその収穫物が我が国に輸入。育成者権者は、平成18年5月11日、輸入業者に警告
し同年12月、輸入業者が謝罪金を支払うことで合意。 さらに、平成19年5月、別の輸入業者の輸入品に同様の収穫物を
発見し、輸入業者に対して警告を行っている。
輪菊
岩の白扇
(H22.8満了)
種苗会社
中国に種苗が持ち出され、その収穫物が我が国に輸入。育成者権者は、平成18年6月2日、輸入業者に警告。 その後、輸
入業者とは和解が成立。なお、平成16年にも同様の侵害があった。
② 個人、中小企業等に対する侵害対策への支援
○ 平成18年に全育成者権者を対象に行ったアンケートによると、33.6%が育成者権の侵害(その疑いも
含む)を受けたことがあると回答している一方、32%はそれに対して何らの対抗措置も講じていない。
○ 同アンケートの回答者に育成者権の行使にあたっての困難について伺ったところ、「権利侵害に関する
情報の収集が困難」(50%)や「侵害品か否かの判定が困難」(50%)などの回答が上位を占めた。
(1)育成者権侵害(その疑いも含む)の経験の有無
(3)育成者権侵害に対して執った措置(複数回答)
(2)育成者権侵害についての情報の入手経路(複数回答)
(4)育成者権の行使にあたっての困難(複数回答)
データ:「育成者権に関するアンケート2006」((社)農林水産先端技術産業振興センター)(対象:育成者権者2,055名・社(回収率26.1%))
-5-
登録品種の育成者権侵害対策
状況確認
国
内
で
の
侵
害
各都道府県
情報提供
育成者権侵害に関する情報収集、共有システムの構築
育
成
者
植物品種保護
戦略フォーラム
育成者権侵害に関する法律相談
相談
法律相談窓口
侵害相談
統一表示マーク
登
輸入
農林水産省
財務省
品
成
状況確認
種
海
外
で
侵
害
申立
録
育
税関
登録品種であ
ることの周知
水際
取締り
侵害判定のた
めの情報提供
者
種苗管理センター
品種類似性試験
特性比較
比較栽培
DNA品種識別
依頼
品種保護Gメン
中国・韓国等の取締り機関への要
請のための官民合同ミッション派遣
中国・韓国等に対する権利取得や権利行使
(中国・韓国における品種保護制度の活用、侵害への対応方法等をまとめた権利侵
害対策マニュアルの活用)
侵害相手国
(政府窓口)
申立
侵害調査
政府総合窓口
(経済産業省)
侵害状況調査制度
-6-
二国間協議
侵害の事実
確認
② 個人、中小企業等に対する侵害対策への支援
○ 育成者権の保護の強化を図るため、平成17年度より(独)種苗管理センターに品種保護Gメンを設置し、
①育成者権侵害対策に係る相談の受付及び助言、②権利侵害に関する情報の収集及び提供、③育
成者権侵害状況の記録、④証拠品となる侵害品の種苗等の寄託及び⑤育成者権者等からの依頼に
基づいた品種類似性試験等の活動を実施。
(参考)品種保護Gメンが関わった侵害事例
(1)品種保護Gメンの取組
(1)輪菊「岩の白扇」
○平成16年2月、権利者は品種保護Gメンに対し、無許諾で中国
から輸入された「岩の白扇」であることが疑われる輪菊と「岩
の白扇」との品種類似性試験(比較栽培)を依頼し、同年11月、
「両品種の類似性は極めて高い」との結果。
○権利者は、輸入業者に対して損害賠償を求める訴訟を起こし
たが、供試した種苗の正当性が争点となり勝訴できなかった。
○その後、平成18年6月、同じ輸入業者が再び中国産「岩の白
扇」を輸入しているとの情報に基づき、権利者は品種保護Gメ
ンとともに地方卸売市場を調査し、侵害疑義品を入手。
○侵害疑義品は、品種保護Gメンが寄託物として預かり、品種類
似性試験に供することとしていたところ、その結果を待たず、
今回は権利者と輸入業者との間で和解が成立。
-7-
(2)おうとう「紅秀峰」
○平成17年5月、グルメ雑誌において、オーストラリアの生産者が「紅
秀峰(山形県内のみで生産が許諾)」を生産し、我が国へ輸出
しようとしている旨の記事が掲載。
○記事には、オーストラリアの生産者に「紅秀峰」の苗木を譲渡した
者の名前も記載されていたため、権利者は品種保護Gメンとと
もに当該者へ事情聴取。当該者の証言を得た権利者は、同
年11月、オーストラリアの生産者を刑事告訴。
○その後、平成19年7月、「紅秀峰」の登録期間終了後も3年間
は、その種苗及び収穫物の我が国への輸出を行わないこと等
を条件に和解が成立。
② 個人、中小企業等に対する侵害対策への支援
○ 平成17年以降、品種保護Gメンへの相談件数は毎年増加。平成23年度からは、6次産業化の取組
を支援するため、品種の活用に関する相談等への対応も開始。
③寄託件数の推移(H18より実施)
(2)品種保護Gメンの実績
①相談件数の推移
150
25
海外侵害
国内侵害
100
品種登録一般
50
18
18
13
0
平成17
年度
5
27
7
26
6
25
47
39
24
18
19
20
2
24
9
25
20
3
19
4
24
13
15
10
128
10
8
13
10
7
5
98
76
69
22
0
21
22
23
平成17
年度
24
18
19
20
21
22
24
23
④品種類似性試験件数の推移
②侵害状況記録件数の推移(H18より実施)
88
100
80
15
12
60
40
9
10
20
5
3
3
3
1
18
19
20
21
22
23
29
22
4
5
19
20
0
2
22
23
0
2
平成17
年度
0
平成17
年度
16
18
21
24
⑤研修・講演実施件数の推移
24
回
数
参加者数
-8-
H18
年度
21
H19
年度
17
H20
年度
24
H21
年度
27
H22
年度
18
H23
年度
11
H24
年度
19
1,565
567
1,348
1,102
615
306
701
(論点)重点課題③(DNA品種識別技術開発の促進、水際取締り制度等に関する支援)
(課題)
○DNA品種識別技術の開発
○水際取締り制度の利用
(対応状況)
①品種識別技術の妥当性確認のためのガイドラインの作成 (平成19年度)
②DNA品種識別技術の開発・精度向上への支援 (たまねぎ、すいか等約30種類)
③DNA品種識別マニュアルのホームページへの掲載 (いちご、おうとう等10種類)
④育成者権者等からの依頼によるDNA分析の実施 (種苗管理センター)
⑤出願者の依頼に基づく、品種登録植物体の標本保存
(凍結乾燥2646標本など、種苗管理センター)
⑥いぐさ「ひのみどり」において輸入差止申立て (熊本県)
(平成23年横浜税関が「ひのみどり」の畳表1815点を差止め)
⑦いぐさ「ひのみどり」の輸入が育成者権の侵害に該当する旨関係業界へ周知徹底
(農林水産省、熊本県が共催し、税関、種苗管理センターの協力 を得て、平成24年5月8日
熊本市、9日岡山市、25日さいたま市で説明会を開催)
(参考)
・DNA品種識別技術の開発は、補助事業等により継続中。
・標本保存は品種識別の基盤として継続中。
・DNA品種識別技術の水際取締り制度への一層の活用を図るため、その充実に努める。
-9-
③ DNA品種識別技術開発の促進、水際取締り制度等に関する支援
DNA品種識別技術の開発(1)
○ DNA品種識別は、①迅速な品種の判定が可能、②植物の生育環境、栽培条件の影響を受けない、
③生きた個体を得ることが困難な場合でも利用可能、④加工品(複数の品種が利用されている場合を
含む)における判定も可能など、侵害品の判定のための極めて有効な手段。
○ このため、農林水産省では、補助事業や委託事業を通じてDNA品種識別技術の開発と精度向上へ
の支援を実施。
(1)DNA品種識別技術の開発等への支援
○農林水産省では、平成18年度以降、育成者等が行うDNA品種
識別技術の開発等への支援を実施。
○現在は、対象を輸出品目に重点化しつつ実施。
(参考)DNA品種識別技術の妥当性確認のためのガイ
ドライン
○個別に開発された品種識別技術の妥当性を確認するた
めのガイドラインを作成
【平成19年食料農業食品産業競争食強化支援事業
(委託先: (独)種苗管理センター)】
<事業のスキーム>
農産物の輸出
促進に取組む
産地
民間団体等
公益法人等を
含む
農産物の輸出
を行っている
民間企業等
(参考)特定非営利活動法人 DNA鑑定学会
1.DNA分析による品種識別技術の開発(補助率:1/2)
DNA分析手法及びDNAマーカーの開発
○DNA鑑定技術についての調査、研究を行い、その妥当
性、標準化、認証方法などを学術的に検証し、DNA鑑定
技術の振興、経済活動の活性化を図るとともに、広く啓発
活動を行う。
○平成20~22年度登録品種の標本・DNA保存等委託事業
のうちDNA品種識別技術の妥当性確認事業委託先
○平成23~24年度品種保護に向けたDNA品種識別技術
確立事業再委託先
2.識別技術の妥当性確認(補助率:定額)
第三者が別の施設で行っても再現可能か確認
○税関、(独)種苗管理センター等で広く利用が可能となり、 権利侵
害への適切な対応が可能
○ 権利侵害への抑止効果
-10-
③ DNA品種識別技術開発の促進、水際取締り制度等に関する支援
DNA品種識別技術の開発(2)
(1)農林水産省品種登録ホームページに掲載されてい
るDNA品種識別技術
(2)(独)種苗管理センターにおけるDNA品種識別技術の実施
状況
○(独)種苗管理センターでは、開発された技術に基づき、育成者等
からの依頼に応じてDNA品種識別を実施(手数料:33,390円)。
○現在、下記の他に約30種類の植物について技術が開発中。
DNAマーカー(CAPS法)によるイチゴ品種識別マニュアル
DNA分析による白いんげんまめ(手亡)品種の識別
(独)種苗管理センターにおいて分析可能な品種数
DNA分析による稲品種の識別
DNA分析によるいぐさ品種「ひのみどり」の識別
DNA分析による小豆品種の識別
稲・米飯
50品種以上が識別可能
いちご
「とちおとめ」、「あまおう」等125品種の識別が可能
小豆・
小豆あん
小豆は「きたのおとめ」、「しゅまり」等11品種、
小豆あんは、「きたのおとめ」、「しゅまり」の識別が
可能
いんげん豆
「雪手亡」等9品種の識別が可能
おうとう
「紅秀峰」等85品種の識別が可能
ニホンナシ
「あきづき」等96品種の識別が可能
茶
やぶきた等61品種の識別が可能
いぐさ
ひのみどりと他の16品種との識別が可能
DNA分析による小豆のあん品種の識別
DNA分析による製茶品種の識別
DNA分析による米飯品種の識別
DNA分析によるおうとう品種の識別
SSRマーカーによるニホンナシの品種識別技術
-11-
③ DNA品種識別技術開発の促進、水際取締り制度等に関する支援
DNA品種識別技術の開発(3)
○ 育成者権侵害に際して的確に対応を行うためには、品種類似性試験に供するための、登録品種で
あることが確かであるサンプルを確保しておくことが不可欠。
○ このため、平成20年度以降、(独)種苗管理センターにおいて、出願者の求めに応じて、品種登録が行
われた時の植物体を凍結乾燥標本・DNA又はさく葉標本として保存しているところ。
(参考)標本・DNA等の保存実績
(1)(独)種苗管理センターにおける真正サンプルの保存
○育成者権の侵害を立証するためには、DNA品種識別等の
品種類似性試験が決め手。
○(独)種苗管理センターでは、そのような試験に必要となる品種
の「真正サンプル」として、品種登録が行われた時の植物体を標
本・DNA等として保存。
侵害発生
保存標本数
(平成25年3月末現在)
うち、
平成24年度実績
育成者権者
品種類似性試験
提出
購入
侵害が疑われる品種
登録品種
侵害の現場で入手
<保存のフロー>
市 場
登録品種の
サンプルである
ことは確か?
(参考)DNA品種識別のイメージ
それぞれ来歴や育成者の異なる品種につき、当該品種で
あることが確かであるサンプルからDNAを抽出する必要
-12-
さく葉
標本
凍結乾燥
標本
DNA
標本
1,814
2,646
160
340
449
6
③ DNA品種識別技術開発の促進、水際取締り制度等に関する支援
水際取締り制度の利用
○ 農林水産省では、育成者権侵害物品の水際差止めの実効性の向上に向け、税関との情報交換や
税関に対するDNA品種識別技術の移転等を実施。
○ これまで、 いぐさ「ひのみどり」において、輸入差止申立てがなされ、中国からの輸入が実際に差し
止められた実績がある。
(1)育成者権侵害物品の水際取締りの概要
(参考)育成者権侵害物品の水際差止めの実績
○熊本県は、平成15年12月2日に、関税定率法に基づき輸入
差止めを、税関に申立。
○平成16年12月25日、長崎税関八代税関支署は、八代港か
ら輸入されようとした中国産「ひのみどり」のいぐさ原草860
袋(約8,788kg)を税関検査により発見・摘発し、平成17年3
月1日に熊本県内の畳表製造販売会社社長を、関税法違
反(輸入禁制品の輸入未遂)容疑で熊本地方検察庁へ告
発。
○平成17年11月7日に熊本地検が起訴し、平成18年2月1日に
熊本地裁で、会社に罰金100万円、会社社長に懲役1年6月、
執行猶予4年の有罪判決が下された。
○平成23年、横浜税関が、中国から輸入されようとした「ひの
みどり」の畳表1,815点を差し止め。
-13-
(参考) 農林水産省と税関の共同作成リーフレット
いぐさ「ひのみどり」の輸入は違法行為です!!
○ 平成23年、中国産「ひのみどり」製畳表の国内での流通が初めて確認され、その育成者権者
である熊本県は、当該畳表を輸入した業者に対して是正・改善を求めました。
○ 「ひのみどり」は種苗法に基づく登録品種であり、原草はもちろん、「ひのみどり」を使用した畳
表、ござなどの加工品を輸入した場合は、法律違反となりますのでご注意ください。
1.「ひのみどり」の輸入は育成者権の侵害となります
(参考1)国内初の中国産「ひのみどり」が確認
- 「ひのみどり」の育成者権者である熊本県は、その海外への持出
しを許諾していないため、中国等から輸入されたいぐさが「ひのみ
どり」と判明した場合は、育成者権の侵害に該当します。
- 育成者権を侵害した者は、種苗法による法的措置として、刑事罰
(10年以下の懲役又は/併科1000万円以下の罰金(法人は3億円
以下の罰金))を科せられる場合があります。なお、いぐさの育成
者権は、原草や畳表だけでなく、加工品であるござにも及びます。
2.「ひのみどり」の輸入は税関での取締りの対象となります
- また、育成者権侵害品を輸入した者は、関税法による法的措置と
して、刑事罰(10年以下の懲役又は/併科1000万円以下の罰金
(法人は1000万円以下の罰金))を科せられる場合があります。
(1) H23.4月、熊本県に、中国産「ひのみどり」製であることが
疑われる畳表の情報が寄せられました。
(2) 熊本県は、問題の畳表を輸入した業者に対して是正・改善
を求めました。
(3) 当該業者は、H24年1月、熊本県に対して
①当該畳表が見つかった施設における畳の全張替え
②再発防止のための業務改善の実施
を内容とする報告書を提出しました。
※詳細については、熊本県のウェブサイトに掲載されています。
(http://www.pref.kumamoto.jp/soshiki/70/20120210.html)
(参考2)「ひのみどり」の特徴
・茎が細い
・着花(花痕)が非常に少ない
・変色茎の発生がほとんどない
※DNA鑑定による原草や畳表、ござなどの加工品の品種
識別技術も確立しています。
- なお、税関としても、「ひのみどり」と他品種の識別のための研修
等を実施し、「ひのみどり」に係る水際取締りの実効性を強化。
「ひのみどり」
▲ひのみどり 直径約1.10㎜
税関
-14-
▲一般品種 直径約1.35㎜
【お問合せ先】
食料産業局新事業創出課 tel:03-6738-6444
東京税関業務部総括知的財産調査官 tel:03-3599-6260
Fly UP