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景気動向指数の「先行・一致比率」は上昇。

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景気動向指数の「先行・一致比率」は上昇。
景気循環研究所
鹿野達史の日本経済の視点
2015 年 7 月 9 日
景気動向指数の「先行・一致比率」は上昇。景気の持ち直しを示唆
●景気動向指数の一致指数の基調判断は「足踏み」に下方修正
CI・一致指数は再
景気のもたつきが、景気動向指数でも確認されている。景気動向指数の
び低下。
CI・一致指数は 2、3 月の大幅な低下ののち、4 月に上昇したものの、5
内閣府は基調判断を
月(速報値)は再び大幅な低下となった(同 1.8 ポイント低下、図 1)。指
引き下げ。
数の低下とともに、3 カ月後方移動平均の低下も続いており(同)、その
低下が「累積で 1 標準偏差分(0.98)以上」となっていることから内閣府
は、基調判断をこれまでの「改善を示している」から「足踏みを示してい
る」に下方修正した(表 1)。
なお、5 月は、7 カ月移動平均も前月比で低下しているが(同▲0.23 ポ
嶋中 雄二
景気循環研究所長
鹿野 達史
景気循環研究所副所長
イント、図 1)、先行き低下が続き、7 カ月移動平均の低下幅が「累積で 1
標準偏差分(7 カ月移動平均の場合は 0.82)以上」となると、基調判断は
「事後的に判定される景気の山が、それ以前の数カ月にあった可能性が高
いこと」を示す「下方への局面変化を示している」に引き下げられること
になる(表 1)。
シニアエコノミスト
03-6213-5224
shikano-tatsushi1@sc.mufg.jp
図 1. 景気動向指数のCI・一致指数の推移
(10年=100)
宮嵜
浩
116
シニアエコノミスト
03-6213-6573
114
miyazaki-hiroshi@sc.mufg.jp
112
福田
圭亮
110
シニアエコノミスト
03-6213-2608
108
fukuda-keisuke@sc.mufg.jp
106
景気循環研究所
7カ月後方
移動平均
CI・一致指数
3カ月後方
移動平均
104
東京都千代田区丸の内 2-5-2
102
三菱ビルヂング
100
2012
2013
2014
2015
(資料)内閣府資料をもとに三菱UFJモルガンスタンレー証券景気循環研究所作成
2015 年 7 月 9 日
表 1. 景気動向指数のCIによる景気の基調判断の定義と基準
基調判断
①改善
②足踏み
③局面変化
④悪化
⑤下げ止まり
定義
基準
原則として3カ月以上連続して、3カ月後方移動平均が上昇し
た場合。
景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高い 3カ月後方移動平均の符号が変化し、1カ月、2カ月、または3
ことを示す。
カ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。
事後的に判定される景気の山・谷が、それ以前の数カ月 7カ月後方移動平均の符号が変化し、1カ月、2カ月、または3
にあった可能性が高いことを示す。
カ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。
原則として3カ月以上連続して、3カ月後方移動平均が下降し
景気後退の可能性が高いことを示す。
た場合。
景気後退の動きが下げ止まっている可能性が高いことを 3カ月後方移動平均の符号が変化し、1カ月、2カ月、または3
示す。
カ月の累積で1標準偏差分以上逆方向に振れた場合。
景気拡張の可能性が高いことを示す。
(資料)内閣府「『CIによる景気の基調判断』の基準」
●「先行・一致比率」は上昇基調、夏場から秋にかけての景気持ち直しを示唆
先行指数の先行指数
一方、CI・先行指数も 5 月は低下したが、小幅にとどまっている(前
である「先行・一致
月差▲0.2 ポイント)。先行指数は、14 年 12 月の上昇ののち、15 年 1、2
比率」は上昇。
月の低下をはさみ 3、4 月と上昇し、5 月に小幅低下となったが、今のと
夏場から秋にかけて
ころ、14 年 11 月に底をつけたかたちは崩れていないといえる(図 2)。
の景気持ち直しの兆
また、先行指数の先行指数となる「先行・一致比率」(CI・先行指数
しはみえてきてい
/CI・一致指数)の上昇基調もはっきりとしてきている(図 2)。15 年
る。
6、7 月の製造工業生産予測指数や 9 月までのトヨタ自動車の生産計画が
増産基調となっていることは、先週の本欄(「鹿野達史の日本経済の視点」
15 年 7 月 3 日号)で示したが、先行・一致比率の上昇も生産活動の持ち
直しを示唆している(図 3)。
過去をみると、先行・一致比率は、生産水準の底入れに平均で 7.8 カ月、
生産の変動率(3 カ月前比)に対しては、同じく 5.3 カ月先行している(90
年代後半以降の平均)。株価の軟調な推移は懸念材料といえるが、夏場か
ら秋にかけての景気の持ち直しの兆しはみえてきているといえよう。
図 2. CI・先行指数と先行・一致比率の推移
(10年=100)
(10年=100)
125
108
106
120
CI・先行指数
(右目盛)
104
102
115
110
100
105
98
100
96
95
94
90
92
90
先行・一致比率
(左目盛)
88
85
80
75
86
1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012 2014 2016
(注)先行・一致比率はCI・先行指数/CI・一致指数。
(資料)内閣府資料をもとに三菱UFJモルガンスタンレー証券景気循環研究所作成
巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。
2
2015 年 7 月 9 日
図 3. 先行・一致比率と鉱工業生産の推移
(3カ月前比、%)
(10年=100)
10
8
6
106
先行・一致比率
5カ月先行(右目盛)
104
102
4
100
2
98
0
96
-2
94
-4
92
-6
90
鉱工業生産
(左目盛)
-8
-10
-12
2000
88
86
84
2002
2004
2006
2008
2010
2012
2014
2016
(資料)内閣府資料をもとに三菱UFJモルガンスタンレー証券景気循環研究所作成
(15.7.9
巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。
3
鹿野 達史)
2015 年 7 月 9 日
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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引業協会
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巻末に重要なお知らせを記載していますので、ご参照ください。
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