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PCAインドウィークリー

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PCAインドウィークリー
PCA インド ウィークリー
2006年6月28日号
今週のインド動向 今週のインド経済
インド政府、経済改革を継続
デリーメトロの“激混み”がさらに悪化?
今週のインド産業・企業
ジェットエア、エアサハラ買収が頓挫
リライアンスとハリヤナ州、共同で大規模経済特区整備計画
今週のインド政治
インドの国連事務総長、安保理常任理事国入り影響なし
ブッシュ大統領、サミットでシン首相と会談へ
今週のインド社会-----こんなことが起きている
インドの億万長者急増
未来のリーダーに、36キロのバースデーケーキ
インド株式ウイークリー・レビュー(2006/6/19∼6/25)
今週のコラム――現代インド事情 “インドNOW!” 第74回
インド人の「うち」と「そと」
製作・著作 ピーシーエー・アセット・マネジメント株式会社 www.PCAasset.co.jp
掲載記事の無断転載を禁じます。
〔当資料に関しご留意いただきたい事項〕
当資料は、ピーシーエー・アセット・マネジメント株式会社が、インドの政治、経済、文化等にかかる一般的な情報をご紹介するために株式会社インド・ビジネス・センターの協力により任意に作成した資料であり、証券取引法に基づく開示資
料ではありません。当資料は、特定のファンドへの投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は信頼できると判断される材料を使い、十分な注意を払って作成しておりますが、弊社及び株式会社インド・ビジネス・センターは、その正
確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、弊社が運用を行う投資信託への組
入れを示唆するものでもありません。当資料に記載したコメントは、当資料作成時点における当社の見解や予想ですが、今後予告なしに変更することがあります。
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PCA インド ウィークリー
2006年6月28日号
今週のインド経済
インド政府、経済改革を継続
インドのチダンバラム蔵相は6月20日、ニューデリーの会合で講演し、インド政府は今後も経済改革を持続させ、
8%台のGDP成長率を維持する努力を継続していくことを明言した。インドの有力経済紙フィナンシャル・エクスプレ
スが伝えた。同蔵相は貧困層の割合は減少しているが、極貧にあえぐ人は依然多いと指摘。「貧困削減に努め、
10%にまで持っていけるよう努力する」と述べた。また、そのためには人材への投資がポイントになる、とも語った。
その中で、インド政府が主導している農村部での雇用保障制度について「効果は出ているが、現在カバーできて
いるのは全国で200地域のみ。これを向こう5年間でインド全土に拡大したい」と農村部での経済活性化にインド政
府が力点をおいていることを明確にした。
デリーメトロの“激混み”がさらに悪化?
地下鉄の混雑は今や新たなデリー名物。インドではコルカタに続く2番目の地下鉄であるデリーメトロは、2002年
末に一部が開業して以来延伸を繰り返し、現在では計3路線の総延長が20キロを超えた。この路線の拡大ととも
に利用客も増加。1日の総利用者数は約50万人に達し、通勤時間帯の混雑は激化の一途だ。デリーメトロ公社は
対策として車両数の増強を図っているが、製造元である韓国ロテム社から新車両がインドに届くのは早くても来年
の1月。その後、バンガロールのバラート・アース・ムーバーズ社でデリー向けの改装が行われるため、デリーへの
導入はさらに後になると見られる。
地下鉄計画には車両の国産化も盛り込まれているのだが、実現は遅れている。後手後手に回る当局への非難
も出そうだ。こうした状況のなか、この秋にデリーメトロにはさらに3駅、2.8キロが加わる。混雑の悪化は必至で、デ
リーメトロ公社では「降りる人が先」や、「降りるとき便利な特定車両に集中しないように」といった乗車・降車マナー
の普及の徹底を図る考えだが、効果のほどは不明だ。
今週のインド産業・企業
ジェットエア、エアサハラ買収が頓挫
インド国内線民間最大手の航空会社ジェットエアによる、エアサハラ獲得が失敗したようだ。インド主要各紙が21
日伝えた。ジェットエアのナレシュ・ゴヤル会長兼社長が、エアサハラの役員になるために必要な民間航空局長の
承認を得られなかったことと、資産価値をめぐる意見相違などがあり、予定した期間内で手続きが完了せず、取引
が不調に終わったもの。
エアサハラのアロク・シャルマ社長は、ニューデリーで緊急記者会見を開き「ジェットエアは、230億ルピーというエ
アサハラの企業価値の2割削減を要求してきたが、それに応じるつもりはない。22日(木)から我々はこれまでどおり
運航し、これまで13年間やってきたようにエアサハラを運営していく。過去3年、毎年170億ルピーの売上があり利益
も出ている。利用者も増加している」と自社での単独経営続行に自信を見せた。エアサハラのシェアは今年1月に12%
に達し、昨年同期比6%の成長をみせている。なおシャルマ社長は法的な面でのコメントは避けた。
本件を受けて両社とも所轄の裁判所に自社の主張を申し立てており、暗礁に乗り上げたジェットエアによるエアサ
ハラの買収劇は、今後法廷で演じられることになりそうだ。
リライアンスとハリヤナ州、共同で大規模経済特区整備計画
インドの財閥リライアンス・インダストリーズは6月19日、デリーに隣接するハリヤナ州産業・インフラ開発公社
(HSIIDC)と合弁会社を設立し、同州に大規模な経済特区(SEZ)を整備する計画を発表した。インドの主要各紙はこ
の計画についていずれも大々的に報じた。
この新SEZは既に多くの企業が工場を構えるグルガオンに隣接し、総面積は約25,000エーカー(約101平方キロメー
ル)。これを今後5∼10年かけて整備する。開発コストは最終的に4,000億ルピー(約1兆800億円)にのぼる見込みで、
国内最大規模の開発案件となる。航空輸送のための空港や2,000メガワット級の発電施設も備え、完成すれば50万
人分の新規雇用、1,000億ルピー(約2,700億円)の売上を見込み、投資収益率は年18∼20%を予定。開発を担当す
る合弁会社は、リライアンス90%、HSIIDCが10%出資する「リライアンス・ハリヤナSEZ」。
同社のアンバニ会長は、フォーチュン500に入る企業を誘致し、中国やマレーシア、シンガポール等が持つSEZを
超える産業集積地を目指すという。ディズニーやワーナーブラザーズとも提携して娯楽施設も作る予定。
製作・著作 ピーシーエー・アセット・マネジメント株式会社 www.PCAasset.co.jp
掲載記事の無断転載を禁じます。
〔当資料に関しご留意いただきたい事項〕
当資料は、ピーシーエー・アセット・マネジメント株式会社が、インドの政治、経済、文化等にかかる一般的な情報をご紹介するために株式会社インド・ビジネス・センターの協力により任意に作成した資料であり、証券取引法に基づく開示資
料ではありません。当資料は、特定のファンドへの投資勧誘を目的としたものではありません。当資料は信頼できると判断される材料を使い、十分な注意を払って作成しておりますが、弊社及び株式会社インド・ビジネス・センターは、その正
確性、完全性をお約束するものではありません。また、掲載された企業につきましては、あくまで直近のトピックとしてご紹介させていただいたものであり、個別銘柄の売買の推奨を意図したものではなく、弊社が運用を行う投資信託への組
入れを示唆するものでもありません。当資料に記載したコメントは、当資料作成時点における当社の見解や予想ですが、今後予告なしに変更することがあります。
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PCA インド ウィークリー
2006年6月28日号
今週のインド政治
インドの国連事務総長、安保理常任理事国入り影響なし
最近インド政府より、アナン国連事務総長の後任候補に指名されたシャシ・タルール国連広報担当事務次長
(インド人)は6月18日、ニューデリーでソニア・ガンディー国民会議派総裁などの要人と会談した後、『表敬訪問』
の形でマンモハン・シン首相とも面談した。インド主要各紙が伝えた。インドが国連事務総長のポストを狙うのは
今回が初めてで、インド政府とタルール候補はそのための戦略を慎重に練っているとのこと。常任理事国五カ国
のうち、中国と米国が事務総長選出の鍵を握るものとみられるが、パキスタンがインドに対抗して候補者を立て
た場合、パキスタンに肩入れする中国と、インドに肩入れする米国という図式ができ、状況はややこしくなる。19
日、タルール候補はタイムズ・オブ・インディア紙のインタビューで、「チャンスがあると思わなければ、誰も立候補
しない。自分には(当選する)チャンスはあると思う」と語り、事務総長選挙に自信を見せた。また、「インドが事務
総長のポストを占めたとしても、それがインドの安保理常任理事国入りに影響することはない」との見解を明らか
にした。
ブッシュ大統領、サミットでシン首相と会談へ
7月に開催されるロシア・サンクトペテルブルグでのG8首脳会議の際、インドのマンモハン・シン首相とブッシュ
米大統領の会談が実現しそうだ。両首脳の直接会談は今年3月、ニューデリーで民生用原子力分野の協力協定
締結で基本合意に達した時以来となる。
米国務省のニコラス・バーンズ副長官は6月22日の記者会見で、「米国側もサンクトペテルブルグでのブッシュ、
シン両首脳の会談の実現を強く望んでいる」と前置きし、「印米両国の原子力平和利用協力問題は今回のサミッ
トの正式議題にならないが、シン首相が開催中にサンクトペテルブルグを訪問すれば、この問題が非公式に協
議されることは有り得る。参加国のすべての協力を期待している」と述べると共に、ロシアや英国、フランス、ドイ
ツを含む原子力供給国グループ加盟国の過半数が印米核協力協定へ支持を表明していることを米側は歓迎し
ており、他の参加国も支持に回るよう希望している、と語った。
今週のインド社会―こんなことが起きている
インドの億万長者急増
国際的な金融サービスグループのメリルリンチと仏コンサルティング会社であるキャップジェミニが最近発行した
「世界の富裕層調査(World Wealth Report)によると、2005年時点でのインドの億万長者(居住用不動産を除く金融
資産で100万米ドル、または4,500万ルピー以上を保有する個人)は8万3,000人で、前年比19.3%と、約2割の大幅増
加となった。全世界では870万人(同6.5%増)が億万長者に名を連ね、国別では米国が267万人でトップ。その他、日
本(141万人)、ドイツ(76.7万人)、英国(44.8万人)、中国(32万人)、ブラジル(10.9万人)、そしてロシア(10.3万人)となっ
ている。それらの人たちの総資産額は33.3兆ドル(約3,830兆円)。
億万長者数の伸び率よりも、個人資産規模の伸び率が高く、富の偏在が伺える。なお、調査元では、富裕層の
今後の年平均伸び率を6.5%と予想、2009年には富裕層の資産総額は42.2兆ドル(現在の為替相場で約4,853兆円)
になるとしている。
未来のリーダーに、36キロのバースデーケーキ
6月19日、インドの次代を背負って立つ政界のリーダーとして有望視されているラフール・ガンディー国会議員(ソ
ニア・ガンディー国民会議派総裁の長男)の36歳の誕生日を祝って、重さ36キロのバースデーケーキが贈られた。
これは、デリー地区の国民会議派青年部幹部が催したもので、ケーキは学生鞄やオーディオなどとともに視聴障
害を持つ学生や孤児に振舞われた。当の主役は内輪で静かに祝いたいとのことから、当日の誕生日会には出席
しなかったものの、中央の大臣や関係お歴々の出席もあり、大臣の一人は「彼にはインドの若者のリーダーとなっ
て、党の要職にもついてほしい」と発言、ラフール議員への期待の高さをアピールした。
情報は、インド国内外の情報を総合して掲載しております。
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PCA インド ウィークリー
2006年6月28日号
インド株式ウィークリー・レビュー(2006/6/19∼6/25) 株式会社インド・ビジネス・センター
代表取締役社長 島田 卓
16日ぶり、1万台回復
6月6日に終値で1万台を割り込んだ株価が21日、16日ぶりに1万台(10,040)を回復した。その後も堅調に推移、
週末の25日(日)(注)終値は10,413と、前週末比528ポイント上げた。年初来の終値ベースの最安値(6月14日の
8,929)からは16.6%(1,484ポイント)回復したことになるが、5月10日の最高値(12,612、終値ベース)からはまだ
17.4%(2,199ポイント)の下げとなっている。
週明けの19日は、インドの5月輸出実績が前年同月比29.6%増加と好調だったことから、海外市場の下落に関
係なく上昇した。個別ではリライアンス・インダストリーズがデリーの隣接州のハリヤナ州に経済特区建設のため
2,500億ルピーを投資すると発表、買いが入った。
その後株価は20日に下げた後反発、週末まで連騰した。FII(外国機関投資家)からの資金流入も前週(65.8百万
ドル)より若干増え、66.7百万ドルの買い越しとなり、3週連続の入超となった。インド経済そのものは好調で、今
年度第1四半期(06/4-6)の企業業績への期待感も出てきているものと思われる。
システムのアップグレードを行ったムンバイ証券取引所とナショナル証券取引所、両所システムのチェックのために1時間だけの特別取
引を実施した。
(注)
1 1 ,5 0 0
1 1 ,4 0 0
1 1 ,3 0 0
1 1 ,2 0 0
1 1 ,1 0 0
1 1 ,0 0 0
1 0 ,9 0 0
1 0 ,8 0 0
1 0 ,7 0 0
1 0 ,6 0 0
1 0 ,5 0 0
1 0 ,4 0 0
1 0 ,3 0 0
1 0 ,2 0 0
1 0 ,1 0 0
1 0 ,0 0 0
9 ,9 0 0
9 ,8 0 0
9 ,7 0 0
9 ,6 0 0
9 ,5 0 0
9 ,4 0 0
9 ,3 0 0
9 ,2 0 0
9 ,1 0 0
9 ,0 0 0
8 ,9 0 0
8 ,8 0 0
8 ,7 0 0
2006/6/19∼6/25
SENSEX指数推移
高値
10,510.1
↓
↑
安値
9,745.2
5/29
(注)
5/31
6/2
6/6
6/8
6/12
断り無き限り、株価はムンバイ証券取引所 SENSEX指数を指す。
14%
10%
8%
6%
4%
2%
費
行
久
消
銀
財
車
動
6/20
6/22
6/25
6/19 始値 9,903.1
6/25 終値 10,412.9
産業
石油開発
石油化学
情報技術
情報技術
通信
情報技術
たばこ
多角企業
銀行
電子部品
騰落率
10.0%
9.3%
0.9%
6.7%
0.1%
7.9%
5.2%
2.5%
0.1%
-0.0%
耐
自
資
本
財
ア
ケ
IT
ス
油
ヘ
ル
・ガ
ス
属
0%
石
6/16
銘柄
オイル&ナチュラル ガス
リライアンス インダストリーズ
タタ コンサルタンシー
インフォシス テクノロジーズ
バルティ テレベンチャーズ
ウィプロ リミテッド
ITC リミテッド
ヒンドゥスタン リーバ
ICICI バンク
バーラト ヘビー エレクトリカルズ
12%
金
6/14
先週のインド株式市場は、全セクタープラスとなりました。特に金属セクターが、ロンドン金属取引所の金属市況の
回復や、ミタルとアルセロールの合併観測による鉄鋼メーカーの再編期待などから+13.1%の大幅高。主要銘柄で
は、大型投資を発表したオイル&ナチュラル ガス及びリライアンス・インダストリーズが大幅な上昇となりました。
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PCA インド ウィークリー
2006年6月28日号
今週のコラム 現代インド事情 インドNow! ネルー大学日本語学科教授
プレム・モトワニ博士
第74回 インド人の「うち」と「そと」
バンガロールとIT企業が数多く拠点を構えるエレクトロニクス・シティを結ぶ有料高架高速道路が6月24日、定礎式
を迎えた。出席したシン首相が演説し、「インド人は知人には非常に親切であるのに、いったん外に出るとそのマナー
を忘れてしまうのはなぜか」と述べた。首相はさらに、「モダンな道路を建設したり、最新の車に乗ったりすることだけ
が近代化ではなく、よい交通マナーや歩行者に対する思いやり、駐車していけない場所やクラクションを鳴らしては
いけない時をわきまえることなどが、本当の近代化である。これからインドが車社会になるにつれ、そのようなちょっ
としたことが重要になってくる」と強調した。
インド人の運転マナーは確かに悪い。しかし、これは国民性よりも社会制度やルールに問題がある。なぜなら、
同じインド人が日本で運転する場合、日本でのルールに従うので、とたんに運転マナーがよくなるからである。つま
り、責任は政府側にある。インドでは免許を取るのも簡単(インドに自動車教習所が無く、試験も厳しくない)で、交
通違反をしてもコネやワイロが効くシステムになっている。そもそも罰金もあまり高くない。そして、関係者がその特
権を手放したくないため、なかなか改善が見られない。
インドが車社会になり始めたのはごく最近のことである。交通ルールが厳しくなるのは時間の問題であるが、その
時期を早めるため、政治家にはきれい事ではなく、その責任に目覚めてほしい。
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