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経営戦略試験問題

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経営戦略試験問題
経営戦略試験問題
【平成 26 年度】
1.次の(1)~(40)の記述が正しければ○、間違っていれば×を解答用紙の番号の右に記入しなさい。
(減点法により 36 点満点)
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
(6)
(7)
(8)
(9)
(10)
(11)
(12)
(13)
(14)
(15)
(16)
(17)
(18)
(19)
(20)
(21)
(22)
(23)
(24)
(25)
(26)
(27)
(28)
(29)
(30)
(31)
(32)
(33)
(34)
(35)
(36)
(37)
(38)
(39)
(40)
業界構造分析は、SCPモデルを前提としている。
ヘドニック関数は製品の価格と品質の関係を数理的に分析するモデルである。
PPMの功績として、ROI重視による経営の是正があげられる。
戦略を策定する場合、環境のことはあまり考慮しないようにして、環境に翻弄されないほうが良
い。
SWOT分析は自社の強みと弱み、環境の機会と脅威を列挙するだけで、戦略オプションが考察で
きる強力なツールである。
ハーフィンダル指数が大きいほど激しい競争に陥りやすい。
浸透価格政策は他社より高い成長率で売り上げを伸ばし、シェアを拡大し、急速にコストを低下さ
せるためのもので、特に製品の成熟期に効果を持つ。
リーダー企業の基本戦略は、常に新しい技術や製品など、イノベーションをリードすることである。
衰退期の戦略オプションは、撤退戦略が基本である。
PPMにおいて、製品ライフサイクルの代理変数として、相対的マーケットシェアをとる。
大きな方向性だけでなく、詳細な計画まで事前に示すことが経営者の重要な役割である。
組織能力は組織に属している個人の才能を含む概念である。
生産能力の拡張が小刻みに行えると、競争が激しくなる。
トヨタなど自動車会社が組立生産をA社に外注した場合、A社をOEMと呼ぶ。
ニッチャー企業は開放型チャネル政策をとるのが定石である。
企業ドメインは企業内の事業ごとの事業ドメインを包括した概念である。
長期、安定的、継続的な取引関係が結ばれるのは、系列部品メーカーに限られる。
差別化マーケティングでは、複数セグメントにそれぞれ異なるマーケティング・ミックスで対応する。
相乗効果(狭義のシナジー効果)は、ある事業が異なる事業から生まれる情報的資源を使うこと
で生まれる効果である。
流通企業が自社生産を始めるのは後方統合(Backward Integration)である。
創発戦略は、場当たり的な対応を地道に続けていくことである。
買い手のスイッチングコストが高いと、後発企業が有利になる。
異なる業界で同様の戦略をとる企業のグループを、戦略グループという。
価値マップの軸は価格と絶対的品質の2つで成り立つ。
Rogersの普及曲線において、初期の2.5%の新製品採用者を、初期少数採用者という。
Abellによると、事業は製品戦略、顧客ターゲット、流通戦略で定義できる。
本質的コアを外部から調達するためのコストを動態的取引費用と呼ぶ。
閉鎖型チャネル政策は、価格やブランドイメージの維持に適している。
ドミナント・ロジック(dominant logic)とは長年の経験・知識の蓄積のなかで選び抜かれた、当該組
織専用の成功のロジック(考え方・物の見方)を意味する
深層の競争力が高くても、企業のパフォーマンスは落ちることがある。
セル生産方式は多品種少量生産に適した生産方式であり、顧客ニーズの多様化に対応できる。
PPMはカネのダイナミックな相補効果の1つである。
その製品と同じ製品を使用するユーザーの数が増大するにしたがって、その製品から得られるユー
ザーの便益が増大する性質を、ネットワーク外部性という。
プロセス型戦略論では、戦略の「策定」と「実施」を 相互に独立した段階として捉える。
価値があり、稀少な資源を保有していれば、持続的な競争優位が得られる。
時系列で分析したコスト低減は経験効果だけで説明可能である。
イノベーターのジレンマはイノベーションによって競争優位を確保した既存企業が、ライバル企業
の垂直的差別化に対応できずに衰退していくことを指す。
製品ライフサイクルにおいて、導入期の戦略の焦点は、ブランド選好を確立し、市場成長率以上で成
長することである。
多角化で、特化率が高く,資源集約的な展開であるほど,成長性は高くなる。
コンセンサス標準戦略においては、オープン戦略をとり、できる限り多くの技術を標準化してしまうこと
が重要である。
2.次の(1)(2)について解答用紙裏面を使って答えなさい。
(1)
オイルショック後のトステムの戦略に関する資料を読んだうえで、トステムの戦略形成プ
ロセスについて、下図の①~③に該当する用語を答えなさい。(9 点)
Ⅰ期
目的
Ⅱ期
製品多様化
高付加価値化
③
1976年
手段
①
全社的に大物流
センターの導入
九州の物
流改革
問題点
オイルショックに
よる需要縮小
②
(2)
トステムのⅠ期、Ⅱ期を戦略形成プロセスの観点から、どこが違っているか論述してくだ
さい。その際に、
「意図された戦略」と「創発的戦略」という用語を使い、使用した箇所に下線
を引いてください。(20 点)
【平成 25 年度】
1.次の4つの用語について、各々4 行以内で説明しなさい。(5×2=10 点)
a) コンセンサス標準
b) 準市場的取引
2.下記のケースについて、どの企業が OEM(Original Equipment Manufacturer)といわれる企業
か記号で解答しなさい。(5×2=10 点)
(1) A 社は B 社に部品を納入していたが、B 社からセカンドソースを求められ、C 社にライセ
ンス供与した。その結果、C 社も同じ部品を B 社に納入するようになった。
(2) A 社はある自動車を開発したが、その生産を自動車組み立て専業メーカーB 社に委託し、C
社のディーラー網を使って販売した。
→ 以上、解答用紙 表面・上半分
3.以下の図は、アパレル産業の戦略グループを 4 つに分類したものである。(1) C から A、(2) C か
ら D、(3) A から B、(4) D から B になろうとしたときの移動障壁について説明しなさい。
(5×4=20
点)
製品ライン
垂
直
統
合
度
狭い
広い
高
(A)
カテゴリーキラー系の
SPA 企業
(B)
フルライン系の
SPA 企業
低
(C)
GMS 向けのプライベート
ブランドのメーカー
(D)
GMS などプライベートブ
ランドの販売者
→ 解答用紙 表面・下半分
4.携帯電話端末について分析した参考資料を参照しながら、次の (1)から(3)の設問に答えなさい。(25 点)
→ 解答用紙 裏面
(1) 2006 年時点において、画素数が 500 万画素のカメラ機能と音楽機能がついている携帯電話端末の価格を推
定しなさい。
(5 点)
(2) 2006 年時点と、2008 年時点で価格に影響を与える機能にどのような変化があったのかを表 1 の結果に即し
て述べなさい。
(10 点)
(3) 図 1 は、2006 年時点におけるカメラ画素数と価格の関係を、音楽機能がついているものとついていないも
のを区別したうえで、図示している。このときの製品はおおまかにカメラ画素数が大きいか小さいか、音楽
機能がついているかどうかの 2 軸によって 4 つのグループ(図において①~④で表示)にわけることがで
きる。2006 年時点で①のグループ(カメラ画素数が小さく音楽機能がついている)に属している携帯を発
売している企業に対して差別化戦略を取る際に、②と④のグループに属しているような携帯を出す場合に、
それぞれの戦略に対して「垂直的差別化」
「水平的差別化」という言葉を用いてどのような戦略であるのか
を述べなさい。
a) ②のグループに属している携帯を出す場合(5 点)
b) ④のグループに属している携帯を出す場合(5 点)
に分けて解答しなさい。
参考資料
以下の表は、2006 年 7 月と 2008 年 7 月において販売されていた携帯電話(2006 年 35 機種、
2008 年 105 機種)について重回帰分析を行った結果である。被説明変数として価格をとり、説明
変数としてワンセグ機能、音楽機能、カメラ画素数(単位は万)をとっている1。なお、ワンセグ機能
と音楽機能はダミー変数であり、ワンセグ機能に関してはワンセグ機能がついているものは 1、つ
いていないものは 0 となるダミー変数であり、音楽機能に関しては音楽機能がついているものは 1、
ついていないものは 0 となるダミー変数である。
1
コントロール変数として、au ダミーと softbank ダミーを用いて、キャリアの差による影響を排除している。
表1
重回帰分析結果
2006 年 (n=35)
定数項
ワンセグ機能
音楽機能
カメラ画素数(万)
2008 年 (n=105)
係数
t値
係数
t値
14,335*
6.40
6,766*
49*
3.14
3.76
20,886*
13,899*
7,134*
0.05
3.98
4.99
2.48
0.43
係数の右肩に*がついているものは 5%有意。
2006 年の携帯にワンセグ機能はなかったとする。
図1
2006 年のカメラ画素数と価格の関係
45000
40000
① 音楽機能あり
②音楽機能あり
画素数小
画素数大
35000
価
格
30000
25000
音楽機能付き携帯
20000
カメラのみ携帯
15000
10000
③音楽機能なし
④音楽機能なし
5000
画素数小
画素数大
0
0
50
100
150
200
250
300
350
カメラ画素数(万)
【平成 24 年度】
1.次の4つの用語について、各々5行程度で説明しなさい。(5×4=20 点)
a) 創発的戦略
b) VRIO
c) イノベーターのジレンマ d) 生産性のジレンマ
2.先発の優位(first-mover advantage )が長期間維持可能となる条件、先発の劣位が発生する条件
をそれぞれ2つずつあげて説明しなさい。(20 点)
3.次の文章と資料を参照しながら、テレビメーカーの戦略として、(A)液晶パネルを内製するメリットとデメリ
ットについて垂直統合の理論を使って説明した上で、(B)現在のテレビ市場でパネル内製のメリットを活かす
ための戦略について論じなさい。
(25 点)
<参考資料>
フラットパネル TV(薄型テレビ)の市場は、市場のほとんどがブラウン管テレビだった 1998 年にシャープの
社長に就任した町田氏が「国内で販売するテレビを 2005 年までに液晶テレビに置き換える」という液晶テレビ
宣言を出したことを契機にして本格的に立ち上がっていった。シャープは 2003 年に世界初のテレビ用液晶パネ
ル工場(亀山)を立ち上げ、液晶テレビの大型化をけん引した。
フラットパネル TV 市場は、当初は日本市場がその成長を先導したが(図 1-a)、その後、西欧、米国、中国
の市場も追いかけるように成長してきた(図 1-b)。その結果、2007 年時点で先進国では 70~90%の高い普及率を
示すようになった(表1)
。とりわけ、大きな成長を示した 2010 年は世界全体で 2 億台の規模に達した。
46 インチの液晶テレビのコスト構成をみると、メーカーの出荷価格に占める液晶パネルコストの占める割合は
極めて大きい(表2)
。日本企業では、シャープがパネルを内製して自社テレビに利用すると同時に他企業にも
販売している。韓国のサムスン電子、LG 電子も、同様にパネルを製造して、自社利用と外販をしている。パナ
ソニックは、液晶パネルを製造しているが、大型はプラズマパネルですみ分けている。ソニーは、2004 年にサム
スン電子と合弁会社 S-LCD を設立して、サムスン製液晶パネルの調達を確保した。ソニーは同時にサムスン以
外からもパネル調達してきたが、2011 年末にサムスンとの合弁を解消した。東芝は、SED という新しい薄型パ
ネルの生産を立ち上げるために、2004 年にキヤノンと合弁会社を設立したが、結局、SED 事業は立ち上がらず、
様々なパネルメーカーから液晶パネルを調達している。
テレビ用の液晶パネルは、2003 年シャープ亀山工場の後、韓国のサムスン電子、LG 電子、台湾の AUO、CMO
などが次々に大型投資でパネル工場を建設してきた。液晶工場は資本集約度が高く、生産規模も大きいため、外
販して規模の経済を追及することが必要と言われている。また、市場の成長に対して小刻みに規模を拡大するこ
とはできない。そのため、フラットパネル TV 市場の立ち上がり期は、パネル供給が不足気味で、市場で取り合
いとなった。しかし、フラットパネル TV の先進国市場は 2010 年をピークにして成長が鈍化した。日本でも、地
デジ化対応が一巡して、市場は成熟期に入ったと思われる。そうなると、パネルとテレビの需給関係は逆転し、
パネルが市場でだぶつくようになり、パネル価格は下落傾向にある。しかも、円高の進行によって、日本のパネ
ルメーカーは、韓国企業・台湾企業に対して為替上不利な状況に追い込まれている。2008 年、40 インチ代のテ
レビ用液晶パネルのシェアは、韓国企業が 67%、台湾企業 26.5%に対して、日本企業はわずか 6.5%の状況にあ
る。
表1 フラットパネルTVの普及率(%)
中南 アジア・パ 中近東・
中国 東欧 北米 西欧 日本
米 シフィック アフリカ
2007年Q2
10
16
17
24
37
77
88
92
表2 液晶テレビ(46インチ)の付加価値構造
TVメーカー利益
17%
労務費など
5%
その他部品
14%
5%
パネル企業利益
労務費、減価償却費など
TVメーカー
出荷価格
=100%
9%
その他部品
7%
液晶パネル バックライトユニット
出荷価格
IC
=64%
液晶
24%
偏光板
4%
カラーフィルター
6%
ガラス
5%
1%
2%
【平成 23 年度】
1
次の4つの用語について、各々5行程度で説明しなさい。(5×4=20 点)
a) 習熟率
b) 戦略グループ
c) 価値ネットワーク
d) 企業ドメイン
→ 解答用紙 表面・上半分
2 アパレル産業において、無差別マーケティング、差別化マーケティング、集中マーケティング、
個別マーケティングといった各戦略アプローチをそれぞれ例をあげながら説明しなさい。(20 点)
→ 解答用紙 表面・下半分
3 中国の自動車産業は急成長し、いまや世界最大の市場になった。当初は、欧米や日本の自動車メーカーが中
国国営企業との合弁により、大きなシェアを取っていたが、近年は奇瑞、BYD、吉利といった中国民族系企業(私
企業)が急成長している。とりわけ、2009 年は 10 万元以下(1 元=約 12 円)の低価格車市場セグメントが市場
の約半分の規模までに成長し、そのほとんどが民族系企業の自動車で占められた。民族系企業の乗用車は、現段
階では、耐久性などの品質面で、日本企業の自動車に劣るが圧倒的な低価格を武器に浸透しており、品質面でも
改善されつつある。彼らの製品は、同サイズの日本車の半分から三分の一の価格で販売されている。
こういった状況下で、日本の自動車メーカーがとるべき戦略について、講義で使われた諸概念を駆使して提案
してください。なお、事実関係については、参考資料を前提にすること。
(25 点)
参考資料
日本と中国の自動車生産台数推移の比較
中国乗用車総生産台数
日本自動車総生産台数
2009
2007
2005
2003
2001
1999
1997
1995
1993
1991
1989
1987
1985
1983
1981
1979
1977
1975
1973
1971
1969
1967
1965
1963
1961
1959
1957
1955
1800
万 1700
台 1600
1500
1400
1300
1200
1100
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
2009年主要乗用車メーカー中国国内販売台数
合計(万台)
市場全体
対前年同期
比
1033.13
139.74
81.17
70.84
62.69
57.52
51.90
45.27
44.84
31.61
30.98
27.00
VW合計(上海VW +一汽VW )
現代合計(北京現代+東風悦達キア)
上海GM
トヨタ合計(=一汽トヨタ+広州トヨタ)
ホンダ合計(=広州本田+東風本田)
東風日産
★奇瑞汽車
★比亜廸BYD
長安フォードマツダ
★吉利汽車
神龍汽車(東風シトロエン)
52.93%
41.29%
85.95%
59.27%
16.51%
22.53%
48.04%
116.38%
162.40%
54.46%
69.98%
51.64%
参考
別途2009年輸出47615台
別途2009年輸出19350台
注:★は民族系メーカー, 奇瑞汽車と吉利汽車の販売台数は輸出台数控除済みの国内販売台数。
出所:CATARC、筆者作成。
表1:日本メーカーの海外生産台数の推移
経済発展と自動車の普及(2010年)
900
米国
800
700
千人当たり保有台数
600
日本
500
400
300
ブラジル
200
ロシア
100
中国
インド
0
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
一人当たりGDP
出所:塩地洋(2011)「新興国における日系自動車メーカーのマーケティング戦略」の図
をベースに加筆。
注:1.原則として日本ブランド車のみを対象。 2.1997年までは各国自動車工業会資料による。 3.トルコは欧州に、メキシコは中南米
に含む。 4.単なる技術援助的なものは除外。 5.2007年より集計方法を変更。
資料:日本自動車工業会
【平成 22 年度】
1
次の4つの用語について、各々5行程度で説明しなさい。(5×4=20 点)
a) 脱成熟
c) 創発的戦略(emergent strategy)
b) 先発の優位(first-mover advantage )
d) 分断的技術(disruptive technologies)
2
経験曲線効果が発生する原因を4つあげて、説明せよ。(20 点)
3
デジタルカメラ産業は、革新的な製品が主に日本から生まれてきた産業であり、日本が現在でも強い競争力
を持つ産業である。参考資料を参考にして、日本市場におけるデジタルカメラの製品ライフサイクルの各段
階で、デジタルカメラ企業が取った製品戦略について説明しなさい。ただし、①導入期の戦略(1995~1999
年)
、②成長期の戦略(2000~2002 年)
、③成熟期の戦略(2003 年~)の時代区分で説明すること。最後に、
日本市場が成熟する中で、④今後の戦略について論述しなさい。なお、ここに提示した以外の情報を用いて
も構わない。
(25 点)
参考資料
各カメラの国内出荷台数(国内需要)
千台
12,000
10,000
8,000
6,000
4,000
2,000
銀塩カメラ
デジタルカメラ
デジタル一眼レフ
*デジタルカメラの出荷台数にはデジタル一眼レフの出荷台数も含まれている。
2009年
2008年
2007年
2006年
2005年
2004年
2003年
2002年
2001年
2000年
1999年
1998年
1997年
1996年
1995年
0
12
10
8
6
4
2
0
120%
100%
80%
60%
40%
20%
0%
1998年1999年 2000年2001年2002年2003年 2004年2005年
150万画素以上の製品を発売した企業数
厚さが20mm以下の製品を発売した企業数
ズーム装備率(%)
500万画素以上の製品を発売した企業数
手振れ補正搭載企業数
※上記は主要 11 社のデジタルコンパクトカメラを対象にしている。
※ズーム装備率に関しては、ソニー、カシオ、キヤノン、オリンパス、富士フィルムの 5 社のみ
100000
90000
80000
70000
60000
円 50000
40000
30000
20000
10000
0
700
600
500
400
300
200
100
年
年
05
20
年
04
20
03
年
20
02
年
平均価格
20
01
年
20
年
00
20
年
99
19
98
年
19
19
97
年
0
96
19
画素
平均画素
主要製品
発売日
製品
メーカー
特徴
1995 年 3 月
QV-10
カシオ
低画素(25 万画素)、低価格(6 万 5000 円)
1997 年 4 月
DS-300
富士フィルム
メガピクセル機
1997 年 10 月
C-1400L
オリンパス
メガピクセル機
2000 年 5 月
IXY DIGITAL
キヤノン
小型・スタイリッシュ
カシオ
薄型カード型
2002 年 6 月
EXILIM EX-S1&M1
2002 年 12 月
DMC-FZ1
松下
手振れ補正
2003 年 5 月
μ -10 DIGITAL
オリンパス
生活防水
2005 年 10 月
GR DIGITAL
リコー
ズーム無し、重量感、高価格(79800 円)、こだわり派向け
2005 年 11 月
DSC-R1
ソニー
1000 万画素級製品
【平成 21 年度】
1
次の4つの用語について、各々5行程度で説明しなさい。(5×4=20 点)
a) 差別化マーケティング
c) スイッチング・コスト
b) 習熟率
d) 自律的戦略行動
2
コンセンサス標準は業界共通のオープン標準であるため、価格低下や利便性の増大などユーザ
ーの便益は高めるが、個別企業の競争優位にはつながらないと言われることが多い。コンセン
サス標準を企業の競争優位の確立に活用する戦略について、説明しなさい。(20 点)
3
ゲームソフト市場で個別製品のライフサイクルを調べると、以下のような特徴をもっている。
(1) ゲームソフトの多くは、購入して実際に遊んでみないと、その製品がおもしろいかどうかを判定するこ
とが難しい経験財である。
(2) 売上本数の推移を見ると、下図のようにAとBという二つのパターンがある。
(3) Aパターンの商品が市場では多い。ヒット商品やヒットしたシリーズ物もこのパターンである。
(4) Bパターンは、それまで市場になかった新しいタイプのゲームに多いが、この種の製品は少なく、例外
的である。
(5) ソニーのプレイステーションが市場で支配的になった 1990 年代後半には、ますますAパターンの比率
が増えている。
このような特徴をもつゲームソフト市場は、
1994 年にソニーのプレイステーションでの参
入で市場が一気に成長した。しかしその後、
98 年をピークにして市場規模は縮小し、衰退
期に入った。縮小傾向は、次世代機の PS2 が
売
上
本
数
B
市場に投入されても変わらなかった。
ゲーム市場の衰退について、上記の特徴、
および流通システム(別紙資料)を参考にし
て、衰退にいたったメカニズムを説明しなさ
A
時間
い。
(25 点)
【平成 20 年度】
1
次の4つの用語について、各々5行程度で説明しなさい。(5×4=20 点)
a) 創発的戦略(emergent strategy)
b) ダイナミック・シナジー
c) 分断的技術(disruptive technologies) d) 5つの競争要因(five competitive forces)
2
先発の優位(first-mover advantage )が長期間維持可能となる条件、先発の劣位が発生する条件を
それぞれ2つずつあげて説明しなさい。(20 点)
3
電子レンジの経験曲線は 1976、80、87 年と 3 回屈折している。屈折した理由について、それぞれの屈折点
について考えられうる要因をあげて、説明してください。さらに、電子レンジの事例とその考察から、製品
ライフサイクルに応じた戦略に関して言えることを指摘しなさい。解答に当たっては、別紙参考資料も活用
すること。
(25 点)
(a) 1976 年の屈折
(b) 1981 年の屈折
(c) 1987 年の屈折
(d) 製品ライフサイクル戦略
【平成 19 年度】
1
次の4つの用語について、各々5行程度で説明しなさい。(5×4=20 点)
a) EMS
b) Excess Inertia
c) ニッチャー
d) 価値マップ
2
トヨタ自動車の持続的競争優位の源泉となる経営資源について、
「トヨタ式生産システム」
「組
織能力」
「価値」
「希少性」
「模倣可能性」という言葉を使って説明しなさい。指定された用語を
初めて使用する際には、その言葉に下線を引くこと。(20 点)
3
書込記録が可能であるCD―Rディスクは、当初、日本企業が支配的であった。しかし、1990 年代後半か
ら台湾企業が低価格で参入し、日本企業のシェアは急速に低下した。その後登場したDVDの書き込みディ
スクでも、台湾企業が高いシェアを誇っている。しかし、台湾企業ブランドのディスクは低価格だが、多く
の品質上の問題を抱えていると言われている。(1)まったく記録できないディスクが混入して売られていたり、
(2)記録できるが規定容量まで記録できなかったり、(3)記録できてもデータの保存期間が短い、といった問題
が指摘されている。しかし、日本ブランドと台湾ブランドとの品質の差が消費者には分かりづらいため、高
品質戦略をとる日本企業の製品は、消費者にとっては単に割高な製品という印象を与えていた。とりわけ第
3の耐久品質を客観的に伝える基準はなかった。そこで、最近、記録ディスクの寿命を推定する方法が国際
標準として制定されつつある。別紙の表は、その方法で国内外ブランドの寿命を推定した結果である。海外
ブランドは、推定不能、すなわち寿命ゼロと評価されたものが多数あり、前記の耐久品質上の欠陥が証明さ
れた。
さて、このような品質評価基準の制定を前提にして、日本企業はどのような差別化戦略をとれば良いのだ
ろうか。ターゲティング、セグメンテーション、マーケティング・ミックスの4つのP、といった概念を使
って論じなさい。
(25 点)
出所:「寿命ゼロのメディアが存在するワケ」『日経パソコン』2006 年 9 月 25 日
注:DVD-Rは書き換えができない1回限り記録のディスク標準、DVD-RWは書き換え可能なディス
ク標準、DVD-RAMも書き換え可能な別のディスク標準である。
【平成 18 年度】
1
次の4つの用語について、各々5行程度で説明しなさい。(5×4=20 点)
a) VRIO
b) 創発的戦略(emergent strategy)
c) 分断的技術(disruptive technologies)
d) リーダー企業の同質化戦略
2 「市場地位別の戦略」でチャレンジャー企業が成功する戦略について、どのような戦略をとれ
ばリーダー企業の同質化戦略を阻止することができるか、その理由とともに説明しなさい。ま
た、そのような成功事例をひとつ取り上げて説明しなさい。ただし、アサヒビールの事例以外
のものを取り上げること。(20 点)
大型の液晶パネル産業はシャープなど日本企業がリードして立ち上がった。1990 年代にまずノート PC、そ
3
の後デスクトップ PC 用モニター、
2000 年代に入ってからはテレビが液晶パネルの市場として成長してきた。
そのような成長市場を狙って 90 年代半ばに韓国企業(三星電子、LG)、90 年代末に台湾企業(AUO,CMO など)
が参入した。それとともに価格競争が激化し、撤退する日本企業が相次いだ。その結果、大型液晶パネルの
数量シェアでみると、2001 年に韓国が日本をぬいてトップに立ち、2002 年には日本は台湾にも逆転された。
現在は、韓国と台湾が約 40%で並び、日本が 13%前後といった状況である(図1参照)。
液晶パネルの製造は、まず大きなガラス基板に対して、1 枚はトランジスタ、もう 1 枚はカラーフィルタ
ーを作り込み、それを目的のサイズに切断して液晶材料を 2 枚のガラスで挟み込む。このベースになるガラ
ス基板をマザーガラスというが、マザーガラスが大きいほど、1 枚から多くのパネルを作ることができ、生産
効率が上がる。そのマザーガラスのサイズによって、液晶パネル工場は、第1世代から順次大型化し、現在
は第 7 世代の工場までが稼働している。たとえば第 6 世代工場では、1500 ミリ×1800 ミリのマザーガラス
を使い、1 枚のガラスから 32 インチのパネルを 8 枚、37 インチのパネルなら 6 枚製造することができる。
現在シャープが建設中の第 8 代の工場になると、45 インチパネルが 8 枚とれるようになる。表1は、主要企
業の工場の稼働時期を示している。
一般的に、新世代の工場を他社に先駆けて立ち上げたほうが、大型のパネルではコスト上優位に立てると
言われている。しかし、新しい世代の大きなガラスを加工するには、新しい設備や製造ノウハウが必要とさ
れ、技術力のある企業でないと歩留まりがあがらず、かえって高コストになってしまう。
先発優位と後発優位(劣位)の理論をベースにして、表1を参照しながら、韓国企業と台湾企業がどのよ
うな戦略で日本企業を逆転してきたか分析しなさい。とりわけ、韓国企業と日本企業の戦略の相違について
言及しなさい。
(25 点)
図1
大型 TFT 液晶パネルの地域別生産数量シェア
Japan
80%
Korea
Taiwan
China
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
1998
1999
2000
出所:Nikkei Market Access, DIR
2001
2002
2003
2004
2005
表1
国名
液晶パネル工場の稼働時期
メーカー名
Q1
1999
Q2
Q3
AUO
2000
Q2
Q3
Q1
Q4
Q1
2001
Q2
Q3
Q4
Q1
2002
Q2
Q3
Q4
Q1
2003
Q2
Q3
Q4
Q1
G5
G3.5
CMO
CPT
Q4
G3.5
2004
Q2
Q3
Q4
G5
G5
G3.5
Q1
2005
Q2
Q3
G6
G5
Q4
Q1
2006
Q2
Q3
Q4
G7.5
G5.5
G5
G6
G3
台湾
QDI
G3.5
HannStar
G5
G6
G3
G5
G6
InnoLux
G5
Sharp
G4
G6
G8
日本
IPS Alpha
G6
Samsung
G4
G5
G5
G7
G7
韓国
LPL
G3.5
G5
G5
G6
G7.5
注:G5.5 は5.5世代工場の稼働を示す。また、Q1 は第一四半期(1~3 月)を意味する。
世界需要
単位:千台
品種
ブラウン管
テレビ
地域
年度
度予測
3,900
北米
30,586
29,760
28,230
欧州
31,355
30,320
29,320
アジア・中国
47,891
49,280
50,440
内、中国
30,452
31,000
31,400
内、インド
7,519
8,000
8,500
18,969
20,050
20,920
5,728
5,900
6,200
合計
135,607
134,760
132,810
日本
1,412
2,680
4,200
北米
713
1,750
3,200
欧州
620
1,980
4,000
127
480
770
40
130
400
40
110
230
合計
2,912
7,000
12,400
日本
252
370
520
北米
285
620
1,090
欧州
330
530
800
アジア・中国
69
140
190
内、中国
43
60
80
19
30
50
955
1,690
2,650
内、中国
その他
テレビ
年度
5,350
カラーテレビ アジア・中国
プラズマ
2005 年
6,807
内、ブラジル
(10 型以上)
2004
日本
その他
大型液晶
2003
その他
合計
【平成 17 年度】
1)次の4つの用語について、各々5行程度で説明しなさい。(10×4=40 点)
a) SWOT 分析
b) 脱成熟
c) 習熟率
d) 関連拡散型多角化
2)「経営資源と競争優位」について、Jay Barney の VRIO フレームワークにもとづいて解説し
なさい。(25 点)
3)近年、日本市場では薄型テレビの市場が立ち上がり、成長期に入りつつある。その一方で、旧来のブラウン
管テレビの市場は成熟期にはいってきた。ブラウン管テレビは、日本など一部の市場では衰退期に入りつつ
ある。しかし、中国やインドなどでは、低価格のブラウン管テレビを主軸にしてテレビの普及が進んでいる
状況にある。また、薄型テレビにも、プラズマ、液晶と異なる方式があり、どの方式が支配的になるか激し
い競争を繰り広げている。
こういった状況の中で、とるべきテレビメーカーの戦略を、製品ライフサイクルの段階別の戦略の観点か
ら提言せよ。提言にあたって、裏面の市場規模のデータを参考にすること。
(25 点)
【平成 16 年度】
1)次の4つの用語について、各々5行以内で説明しなさい。(5×4=20 点)
a) 生産性のジレンマ
b) ダイナミック・シナジー
c) 持続的競争優位
d) OEM
2)「リーダー企業の失敗」について、クリステンセンの説にそって、どのような場合に、なぜリ
ーダー企業は失敗し、どうすれば失敗を回避できるかについて解説しなさい。(20 点)
3)書込記録が可能であるCD―Rディスクは、当初、日本企業が支配的であった。しかし、1990 年代後半か
ら台湾企業が参入し、価格競争をしかけてきた。その結果、2000 年頃、日本のCD-Rメーカーは3つの道
をたどった。第一は、この事業から完全に撤退した企業群である。撤退の際に、台湾企業に設備を安く売却
した企業もある。第二は、自社生産を止めて、台湾企業からの調達に切り替えた企業群である。台湾製のデ
ィスクを自社ブランドで販売する企業で、有名ブランドをもつ企業の多くがこの道を選択した。それら企業
の一部は、台湾企業に生産を委託するだけでなく、台湾企業に対して、ディスク生産のための材料を販売し
たり、生産ノウハウを有償で供与したりしている。第三は、依然として日本国内での生産で台湾企業に対抗
しようとする企業である。第二の戦略をとる企業が多いのに対して、この戦略をとっているのはほぼ一社だ
けである。人件費などの要素コストでは、台湾企業にはかなわないが、全体的なコスト競争力はある。しか
も、日本市場では高品質との評判があり、第二の企業群は、台湾企業から調達する一方でこの企業からも調
達し、パッケージに「日本製」
、
「台湾製」と明記して販売している。
第二の戦略と第三の戦略について、それぞれのメリット、デメリットを考慮しながら、比較考察を論じな
さい。また、日本企業にとって、これら3つとは異なる戦略を考えて、提言してください。(25 点)
*講義中の小レポート(35 点。内訳はホームページ参照)と本日の最終試験(65 点)を合計して、最終評
価とします。
【平成 15 年度】
なし
【平成 14 年度】
1 ) 経験曲線効果について簡単に説明したうえで、経験曲線効果と持続的競争優位の関係について論じなさい。
(20 点)
2 ) 戦略形成プロセスについて、
「意図された戦略(intended strategies)
」と「創発的戦略(emergent strategies)」
のそれぞれのメリットとデメリットについて説明したうえで、新規事業への参入戦略の立案と実行につい
て論じなさい。
(20 点)
3 ) 独自の先端技術によって超薄型のモバイル・パソコンを発売し、製品の差別化に成功している企業がある。
その製品は高めの価格で販売されているにもかかわらず、その製品の収益性は低いという。この状況を説
明しながら、
「差別化戦略と収益性」について、下記の用語を使って論述しなさい。使った用語には下線を
引くこと。
(25 点)
使用する用語:品質、コスト、価格、シェア
* 講義中の小レポート(35 点。内訳はホームページ参照)と本日の最終試験(65 点)を合計して、最終評価
とします。
【平成 13 年度】
1-a) 先発の優位(first-mover advantage )が長期間維持可能となる条件、先発の劣位が発生する条件をそれぞ
れ3つ列挙しなさい。
(6 点)
1-b) 書籍のインターネット販売において、先発企業の優位性が維持されうるか否かについて、上記の条件をも
とに考察して論述しなさい。
(9 点)
2-a) 要素技術としては大きな変化ではない製品変化に直面したリーダー企業が失敗する理由を、持続的技術
(sustaining technology)と分断的技術(disruptive technology)の概念を使って説明しなさい。
(10 点)
2-b) そのような製品変化にリーダー企業が対応するための条件をひとつあげ、説明しなさい。
(10 点)
* 講義中の小レポート・エクササイズ(5 点×7 回=35 点)、カシオのレポート(30 点)、本日の最終試験(35
点)を合計して、最終評価とします。
【平成 12 年度】
1-a) 経験曲線効果を利用した浸透価格政策について説明せよ。(15 点)
1-b) 製品進化モデルを使って,上記の浸透価格政策の限界について論述せよ。適宜,図示すること。
(15 点)
2) 経営資源に基づく企業観(Resource-Based View of the Firm)に関連して、持続可能な競争優位(sustainable
competitive advantage)の源泉となる経営資源の特徴を複数あげ、その特徴が競争相手の模倣を困難にする
理由について実例をあげながら説明せよ。
(25 点)
3) 通常は、環境要因は企業にとって受動的に対応すべきものであると考えられ、製品ライフサイクルの理論は
そのひとつである。
3-a)成熟期における基本戦略について説明しなさい。
(15 点)
3-b)企業の戦略的行動によって、成熟期だと思われていた製品のライフサイクルのあり方が変化した事例をひ
とつとりあげ、その場合の戦略が基本戦略とどのように異なるかについて説明しなさい。
(15 点)
* 講義中のレポート(5 点×3回=15 点)とこの最終試験(85 点)を合計して、最終評価とします。
【平成 11 年度】
1)垂直的差別化と水平的差別化の違いについて説明しなさい。(15 点)
2)既存のリーダー企業が、技術転換に乗り遅れて競争優位を失う理由について、説明しなさい。(20 点)
3)DRAM(Dynamic Random Access Memory)と呼ばれる半導体を生産する産業については、次のような a~e
の 5 つの特徴が観察される。これらの特徴を踏まえて、以下の2つの設問に答えなさい。
(30 点)
a)同一の世代(集積度)の製品は比較的同質的である。
b)生産コストに関して経験曲線効果が大きい。
c)製造技術は資本集約的である。
d)好況期と不況期の需要の変動幅が大きい。
e)集積度が 4 倍になった新しい世代の製品が、3~4 年ごとに市場に投入される(1 メガから 4 メガ、16 メ
ガへの世代交代)
。
(3-1)a、b、c の 3 つの特徴だけを前提にして、同一世代の DRAM 産業における競争戦略について述べなさい。
(15 点)
(3-2)d、e を加えた 5 つの特徴を前提にした場合、考えられうる新規参入戦略について述べなさい。(15 点)
*11 年度は,上記の期末試験 65 点,レポート 35 点の配点になっています。
【平成 10 年度】
1)下記の問題文の中で、[1]~[10] に入れるべき適当な語句・数字を解答しなさい(3×10=30 点)。
ある企業は事業を多角化しており、その売上構成は A 事業 40%、B 事業 30%、C 事業 25%、D 事業 5%で
ある。A 事業と D 事業、B 事業と C 事業はそれぞれ技術・市場面で相互に密接に関連しているが、A=D グ
ループと B=C グループの 2 つのグループ間にはほとんど関連性は見られない。
この企業の特化率は [1] %、
関連比率は [2] %である。
非関連多角化戦略をとっている日本企業についてその本業を調べてみると、事業環境が不安定で、技術的差
別化競争がほとんどない場合が多い。したがって、この種の企業群は、多角化の必要性は [3] にもかかわ
らず、多角化のための能力は
[4] ために、非関連型の多角化戦略を採ってきたと考えられる。
ある時点での生産量が大きくなるほど単位コストが減少する効果を
[5] というのに対して、
[6]
が倍
増するたびに一定の比率で単位コストが減少する効果のことを経験曲線効果という。経験曲線効果の程度を
表わす [7] は、同一産業内ではどの企業にとっても大きな差は見られない。その場合、競争企業間のコス
トの差は
[8]。
ある産業内で、特定の戦略グループへの参入を妨げる要因を [9] といい、それが高い戦略グループに属す
る企業の収益率はその業界の平均収益率よりも
[10]。
2)PPM(製品ポートフォリオ・マネジメント)の理論構築にあたっては、2つの前提となる理論がある。各々
の前提の名称を書き、その前提が成立しないにもかかわらず PPM を適用しようとした場合に起こりうる問題
点について簡単に記述しなさい(15+15=30 点)。
3)競争ポジション別の戦略で、チャレンジャー企業が、リーダー企業の同質化戦略を阻止して成功する戦略に
ついて論述しなささい(20 点)
。
4)テレビゲーム業界では、第 1 世代では任天堂の「ファミコン」、第 2 世代も同じく任天堂の「スーパーファミ
コン」が市場を制覇し、第 3 世代の競争ではソニーの「プレイステーション」が圧倒的な市場地位を築いてい
る。1998 年末、セガは第 3 世代の競争で敗退した「セガサターン」に代わり、新製品の「ドリームキャスト」
を発売した。ドリームキャストが成功するための条件を、「ネットワーク外部性」
「インストールド・ベース」
という用語を使って説明しなさい(20 点)
。
【平成 9 年度】
現在、環境問題に対する社会的関心の高まりを背景にして、自動車産業では、従来の内燃式エンジンの自動車
から電気自動車への転換が模索されている。電気自動車はコスト面・性能面などで解決すべき問題があるため、
急速に普及するとは考えられないが、既存の自動車メーカーにとって長期的には大きな脅威になりうる。この問
題に関して、次の 3 つの問いに簡潔に答えてください。
1)この変化を機会に新規参入を考えている企業や、競争力の強化をはかろうとする下位メーカーにたいして、
従来競争優位にある自動車メーカー(最終組立メーカー)が保有している「模倣が困難な経営資源」は何か?
経営資源一般で模倣困難な要因を 2 つ明示した上で、説明しなさい。
2)内燃式エンジンの自動車から電気自動車への転換を妨げる要因を「ネットワーク外部性」の観点から説明し
なさい。
3)
「分断的技術」と「Sカーブ」の概念を使って、電気自動車への転換について論述しなさい。
【平成8年度】
1)下記の問題文の中で、空欄には適当な用語を記入し、(
)内は適当な選択肢の番号を○で囲みなさい。ま
た、問8については枠内に収まるよう簡単に記述しなさい。
1ある企業は事業を多角化しており、その売上構成は A 事業 40%、B 事業 30%、C 事業 25%、D 事業 5%であ
る。A 事業と D 事業、B 事業と C 事業はそれぞれ技術・市場面で相互に密接に関連しているが、A=D グループ
と B=C グループの 2 つのグループ間にはほとんど関連性は見られない。この企業の特化率は[ ]、関連比率
は[
]である。
2非関連多角化戦略をとっている日本企業についてその本業を調べてみると、事業環境が不安定で、技術的差
別化競争がほとんどない場合が多い。したがって、この種の企業群は、多角化の必要性は(1.低い 2.高い)
にもかかわらず、多角化のための能力は(1.低い 2.高い)ために、非関連型の多角化戦略を採ってきたと
考えられる。
3多角化の程度と財務成果との関連を調べてみると、多角化の程度が(1.低い 2.中程度の 3.高い)企業群
が最も高い投下資本収益率を示している。これは、そのような多角化の場合に最も高い[ ]効果が期待され
るからである。その種の効果をもたらす源泉は、主として[ ]資源である。なぜならば、この種の経営資源
は①同時に複数の場で利用できる、②使いべりしにくい、③複数の場で使うことによって[ ]が創造される、
という特徴を持っているからである。
4ある時点での生産量が大きくなるほど単位コストが減少する効果を[ ]というのに対して、[ ]が倍増する
たびに一定の比率で単位コストが減少する効果のことを経験曲線効果という。経験曲線効果の程度を表わす
習熟率が、同一産業内ではどの企業にとっても大きな差は見られない場合、企業間のコストに(1.大きな差
異は生じえない
2.大きな差異が生じうる)。
また、産業によっては、ある時点を屈折点にして経験曲線
が下向きに屈折し、明らかに習熟率が変化していることがある。これは、その時点を境にして(1.急速に需
要が成長した 2.基盤技術が変わった 3.差別化競争が激化した)からである。
5業界の競争を規定する 5 つの要因について、既存企業間の対抗度が(1.弱く 2.強く)
、新規参入の脅威が
(1.小さく
2.大きく)
、買い手の交渉力が(1.弱く
2.強く)、売り手の交渉力が(1.弱く
2.強く)、代
替品の脅威が(1.小さい 2.大きい)とき、その業界の潜在的な平均利益率は低くなり、その点で魅力的な
業界ではないと判断される。
6多くの企業について、マーケット・シェアと収益率を調べてみると、
右図のような関係が観察された。これと競争の基本戦略を結びつける
と、Aに位置する企業群は基本戦略として[ ]戦略をとって成功して
収 A
益
率
C
マーケット・ シェア
B
おり、B に位置する企業群は[
]戦略または[ ]戦略のどちらか一方を追求して成功していると考えられる。
B で観察される2つの戦略はどちらか一方に徹底することが競争上・組織上重要であり、両方を追求すると
中途半端になり失敗する。C に位置する企業群の失敗はそのためであると考えられる。ただし、
(1.技術進歩
のスピードが速い成長産業
2.技術進歩のスピードが遅い成熟産業)では、この2つの戦略を同時追求する
ことが競争上有効な戦略となりうる。
7「最近、シャープが液晶ビューカムなどで競争力のある差別化製品を出せるようになったのは、電卓関連部
門における(1.要素技術による技術主導の差別化 2.使いやすさなどニーズ主導の差別化)と家電部門にお
ける(1.要素技術による技術主導の差別化 2.使いやすさなどニーズ主導の差別化)が結びついた新製品開
発がなされるようになったからであろう」と新宅先生は説明していた。
8PPM(製品ポートフォリオ・マネジメント)の理論構築にあたっては、2つの前提となる理論がある。各々
の前提の名称を書き、その前提が成立しないにもかかわらず PPM を適用しようとした場合に起こりうる問題
点について簡単に記述しなさい。
〜C の4つの事業のどれかひとつを選択して、そこに集中的に資源を投入
するとすれば、どの事業を選択するべきか?
選択すべき事業の記号を
書き、それを選択した理由を述べなさい。また、判断できないと考えた
場合には記号欄に×を書き、選択できない理由を述べなさい。
【平成7年度】
C
A
2)右のような PPM マトリックスが描かれる企業が、問題児のセルにある A
市 高
場
成
長
率 低
花形
B
金の成る木
高
相対的マーケット・シェア
問題児
D
負け犬
低
1)規模の経済性と経験曲線効果はいずれも企業間のコストの差を説明す
る概念であるが、2つの概念の違いについて説明しなさい。
2)業界の魅力度(平均的な収益性)を規定する5つの競争要因をあげ、それらの要因がどのような場合に業界
の収益性が高くなるか、簡単に説明しなさい。
3)下図のカシオのPPMを見て、各事業のPPMでの名称、PPMの考え方をそのまま適用した場合の各事業
に対する戦略、全社的な資源配分について述べた上で、その戦略の問題点を指摘しなさい。
[各事業の名称と戦略]
[全社的な資源配分]
[問題点]
<図は WEB 掲載にあたって,省略しました>
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