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平成 27 年度 事業計画書
平成 27 年 4 月 1 日 平 成 27 年 度 事業計画書 (平成 27 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日まで) Ⅰ 法 人 の 概 要 1. 法人の目的及び設置する学校 (1) 法人の目的(寄附行為第 3 条) この法人は、教育基本法、学校教育法及び私立学校法に従い、学校を設置して、建学精神に 基づく学校教育を行い、KVA(Knowledge Virtue Art)を兼備する心身ともに健全な良き社会人・ 家庭人を育成することを目的とする。 (2) 設置する学校(寄附行為第 4 条) ① 東京家政学院大学 ・大 学 院 人間生活学研究科 ・現代生活学部 現代家政学科、健康栄養学科、生活デザイン学科、児童学科、 人間福祉学科 ② 筑波学院大学 ・経営情報学部 経営情報学科 ・国際別科 ③ 東京家政学院高等学校 (全日制の課程)普通科 ④ 東京家政学院中学校 ※筑波学院大学については、平成 28 年度から学科名称をビジネスコミュニケーション学科に変更する。 2. 沿革 別紙 1 のとおり 3. 役員一覧(理事・監事・評議員) 別紙 2 のとおり 4. 組織図 別紙 3-①、3-②のとおり 5. 教職員数見込み 別紙 4 のとおり 6. 学生・生徒数見込み 別紙 5 のとおり 1 別紙1 学校法人 東京家政学院の沿革 年 月 大正12年 2月 14年 4月 15年 4月 昭和 2年 7月 3年 4月 6年 4月 13年 4月 14年 4月 19年 4月 20年 3月 22年 4月 23年 2月 4月 25年 4月 26年 4月 4月 28年 4月 32年 4月 37年 8月 38年 4月 39年 3月 42年 4月 54年 2月 59年 4月 63年 4月 平成 4月 2年 5月 4月 5年 4月 7年 8年 4月 4月 11年 4月 16年 4月 17年 4月 21年 4月 22年 4月 23年 4月 事 項 東京市牛込区市ヶ谷富久町に家政研究所を開設(創立者 大江スミ) 東京市麹町区三番町に東京家政学院開学(家政高等師範部・家政専修部・家事実習部 各種選科)、校章・校歌制定 組織を財団法人に改め、大江スミ 理事長就任 家政高等師範部を東京家政専門学校とし、家政専修部を東京家政学院本科に改称 東京家政専門学校に研究科(裁縫科)・東京家政学院(各種学校)に専攻科設置 東京府北多摩郡千歳村に千歳船橋分教場開校 東京家政専門学校に家事専修科設置、千歳船橋分教場跡地に寄宿舎(千歳寮)竣工 東京家政学院高等女学校開学 東京家政専門学校に育児科・保健科・被服科設置 全校舎戦災により、千歳寮を臨時校舎とする 新学制により、東京家政学院中学校を設置・開学 世田谷区船橋町千歳寮の臨時校舎から千代田区三番町へ復帰 東京家政学院高等学校を設置・開学 東京家政学院短期大学開学 財団法人東京家政学院を学校法人東京家政学院へ改組 東京家政学院短期大学に別科設置 千歳船橋から中学校・高等学校を千代田区三番町へ復帰 東京家政学院短期大学に栄養士養成施設指定 長野県蓼科高原に「蓼科山の家」を開設 東京家政学院大学を設置、家政学部家政学科開学 東京家政学院大学家政学部家政学科に栄養士養成施設指定 東京家政学院短期大学別科を家政専修科に改称 千歳船橋寄宿舎跡地に東京電力(株)地下変電所完成、収益事業開始 東京家政学院大学の位置を東京都町田市相原町2600番地に変更 東京家政学院大学家政学部住居学科・同短期大学英語科開学 東京家政学院大学人文学部日本文化学科・工芸文化学科開学 つくば市に東京家政学院筑波短期大学を設置、国際教養科・情報処理科開学 東京家政学院生活文化博物館 町田校舎に開設 東京家政学院短期大学家政科を生活科学科に名称変更 東京家政学院大学大学院人間生活学研究科(修士課程)開学 東京家政学院筑波女子大学を設置、国際学部開学 東京家政学院筑波短期大学を東京家政学院筑波女子大学短期大学部へ変更 東京家政学院大学人文学部人間福祉学科・文化情報学科開学 東京家政学院短期大学生活科学科食品バイオ専攻開学 東京家政学院大学家政学部児童学科開学 東京家政学院筑波女子大学を筑波学院大学に名称変更 筑波学院大学情報コミュニケーション学部開学(男女共学) 東京家政学院大学家政学部現代家政学科・健康栄養学科開学 東京家政学院大学現代生活学部現代家政学科・健康栄養学科・生活デザイン学科・ 児童学科・人間福祉学科開学 筑波学院大学経営情報学部経営情報学科、経営情報専攻科・国際別科開学 東京家政学院大学現代生活学部現代家政学科・健康栄養学科の2学科を 千代田三番町キャンパスへ移転 2 別紙 2 学校法人 東京家政学院 理事・監事・評議員名簿 平成27年4月1日予定 理 事 評 議 員 廣 江 彰 ○寄附行為第7条第1項第1号理事 (学長・校長 3名) 大 島 愼 子 廣 江 彰 ○寄附行為第21条第1項第1号 評議員 (学長・校長 3名) 長 尾 宏 (理 事 長) 沖 吉 和 祐 (常務理事) 佐 原 成 夫 ○寄附行為第7条第1項第2号理事 (学識経験者のうちから理事会にお いて選任された者 5~8名) ○寄附行為第7条 第1 項第3号理事 (評議員のうちから評議 員会において選任され た者 3名) 大 学 中・高校 同窓会 (理事定数 11~14名) 長 尾 宏 沖 吉 和 祐 ○寄附行為第21条第1項第1号 評議員(理事長・役付理事1~4名) 佐 原 成 夫 清 水 幹 裕 (空 席 2) 遠 井 郁 雄 大 橋 竜 太 都 賀 善 信 大 学 白 井 増 子 千 勝 (4名) 四十九院成子 篤 吉 武 博 通 ○寄附行為第21条 松 野 妙 子 第1項第2号 評議員 渡 辺 一 雄 (法人の職員のうち 筑波学院 高 藤 清 美 大 橋 竜 太 から互選によって選 大学(2名) 坂 本 要 出され、理事会にお 伴 野 芳 浩 中 学 校 伴 野 芳 浩 いて選任された者 高校(2名) 笠 原 悦 子 永 山 ス ミ 11名) (理事数 14名) 萩 原 大 輔 事務職員 等 (3名) 監 事 森 藤 義 雄 川 崎 重 夫 ○寄附行為第21条 寄附行為第8条 監事 (評議員会の同意の議を得て 理事 長が選任 2名) 大 島 愼 子 山 口 孝 第1項第3号 評議員 山 本 眞 一 (法人の設置する学 校を卒業した者で同 永 山 ス ミ 光 塩 会 大 塩 順 子 (4名) 大久保 恵美子 窓会から推薦、理事 ※ 廣江彰氏の理事・評議員任期は、 平成27年4月1日から平成31年3月31日まで 会において選任され あづま会 (1名) た者 5名) ※ 大島愼子氏、長尾宏氏の理事・評議員任期は、 平成24年4月1日から平成28年3月31日まで 河 村 京 子 澤 田 三和子 江 原 絢 子 ○寄附行為第21条第1項第4号 評議員 (法人の功労者又は学識経験者 のうちから理事会において選任 された者 4~7名) ※ その他のの理事・評議員任期は、 平成26年5月31日から平成29年5月30日まで ※ 沖吉和祐氏の理事長任期は、 平成26年6月2日から平成29年5月30日まで ※ 佐原成夫氏の常務理事任期は、 平成26年6月27日から平成29年5月30日まで 落 合 稔 篠 崎 睦 男 関 原 暁 子 宮 川 晃 一 (空 席 2) (評議員定数 24~30名) 3 (評議員数 26名) 別紙 3-① 学校法人 東京家政学院 組織図 平成27年4月1日見込 監 法 学 校 法 人 東 京 家 政 学 院 人 事 室 務 局 人間生活学研究科 大 学 院 東 京 家 政 学 院 大 学 査 現 代 家 政 学 科 健 康 栄 養 学 科 現 代 生 活 学 部 生活デザイン学科 児 童 学 科 人 間 福 祉 学 科 東京家政学院大学事務局 筑 波 学 院 大 学 経 営 情 報 学 部 経 営 情 報 学 科 国 際 別 科 筑波学院大学事務局 東京家政学院高等学校 東京家政学院高等学校・中学校事務室 東京家政学院中学校 4 別紙 3-② 学校法人 東京家政学院 事務組織図 平成27年4月1日見込 監 査 室 企画グループ 総務グループ 法 人 事 務 局 経 理 グ ル ープ 施設グループ 総務グループ 教育研究支援グループ 教育研究支援千代田三番町グループ 学生支援グループ 事 務 局 学生支援千代田三番町グループ 入試広報グループ 学術情報グループ 学術情報千代田三番町グループ 附属図書館 東 京 家 政 学 院 大 学 附属三番町図書館 評議員会 理 理 事 会 事 長 監 事 生活文化博物館 情報処理センター 保健管理(町田)センター センター等 保健管理(千代田三番町)センター 学生支援(町田)センター 学生支援(千代田三番町)センター 学生相談室 保 健 室 学生相談室 保 健 室 学習支援室 就職支援室 学習支援室 就職支援室 国際交流センター 地域連携・研究(町田)センター 地域連携・研究(千代田三番町)センター アドミッションセンター 企画総務グループ 入試広報グループ 事 務 局 筑 波 学 院 大 学生支援グループ 学 国際交流センター 学習支援センター センター等 ICT活用教育研究センター 総 務 係 東京家政学院高等学校 東京家政学院中学校 附属図書館事務室 図 書 係 事 務 室 保 健 係 5 OCP推進室 就職支援室 別紙 4 平成27年度 教 職 員 数 職種別 学校別 (平成27年4月1日現在) 専 任 教 員 教 授 准教授 講 師 助 教 助 手 教 諭 学長・(副学長) 校長・(教頭) 大学院 担当教員 計 非常勤 合 計 職 員 学長・校長含む 講 師 東京家政学院大学 1 (2) 42 31 1 16 1 91 ( 46 ) 133 [4] 50 275 筑 波 学 院 大 学 1 13 8 2 2 1 26 47 [2] 14 88 21 21 24 [1] 5 51 14 14 1 20 3 3 73 437 東京家政学院高等学校 1 (2) 東京家政学院中学校 法 人 合 計 3 (4) 55 39 3 18 2 35 5 152 ( 46 ) 209 [7] 備 考 : 東京家政学院大学の教授数は、副学長2名を含み、大学院担当教員数( )は、内数。 非常勤講師数は、大学院非常勤講師を含む実数で、[ ]はカウンセラー数で内数。 校長・教頭は、高等学校・中学校の校長・教頭を兼任している。 東京家政学院高等学校・中学校の教諭数は、教頭2名を含む。 平成27年度 大 学 学 科 別 教 員 数 職種別 専 任 教 員 学 部 ・学 科 東 京 家 政 学 院 大 学 教 授 准教授 講 師 助教 助手 計 大学院 担当教員 非常勤講師 合 計 大学院 学部等 大学院 学部等 現 代 家 政 学 科 12 6 0 2 1 21 ( 13 ) 健 康 栄 養 学 科 8 4 1 7 0 20 ( 12 ) 現代生活 生活デザイン学科 学 部 8 10 0 4 0 22 ( 12 ) 科 8 6 0 1 0 15 ( 11 ) 人 間 福 祉 学 科 6 5 0 2 0 13 ( 10 ) 42 31 1 16 1 91 ( 58 ) 13 8 2 1 2 26 47 [2] 73 13 8 2 1 2 26 47 [2] 73 - - - - - - - - 55 39 3 17 3 117 ( 58 ) 4 176 [6] 297 児 童 学 計 大筑 波 学 学院 (平成27年4月1日現在) 経営情報学部 経 営 情 報 学 科 計 国際別科 合 計 4 129 [4] 4 220 4 129 [4] 4 220 備 考 : 現代家政学科及び生活デザイン学科の教授数は、副学長をそれぞれ1名含む。 大学院担当教員数( )は、内数。 非常勤講師数は主たる担当学部に配置した実数で表示し、[ ]はカウンセラー数で内数表示。 平成27年度 高等学校・中学校 教 科 別 教 員 数 (平成27年4月1日現在) 区分 校長 教頭 国語 社会 数学 理科 英語 保健体育 芸術 家庭 情報 カウンセラー 華道茶道 合計 教諭 1 (2) 7 5 5 4 8 3 0 2 1 - - 36 講師 - - 4 4 2 2 3 1 5 2 0 1 5 29 合計 1 (2) 11 9 7 6 11 4 5 4 1 1 5 65 備 考 : 教頭( )は、内数。 6 別紙 5 平成27年度 大 学 学 生 数 (在籍者数) 学 年 別 大 学 別 東 京 家 政 学 院 大 学 現 代 生 活 学 部 入学定員 収容定員 1 年 2 年 3 年 4 年 合 計 人間生活学研究科 10 20 7 7 14 計 10 20 7 7 14 現 代 家 政 学 科 130 (10) 520 134 138 132 [3] 143 [6] 547 健 康 栄 養 学 科 105 420 125 132 119 502 生 活 デザ イン 学 科 120 (10) 500 83 90 108 [5] 124 [0] 405 科 90 (5) 350 85 106 99 [0] 107 [1] 397 人 間 福 祉 学 科 60 (5) 290 17 19 41 [1] 37 [2] 114 計 505 (30) 2,080 444 485 499 [9] 537 [9] 1,965 515 2,100 451 492 499 [9] 537 [9] 1,979 200 800 116 102 [3] 96 [3] 168 [0] 482 200 800 116 102 [3] 96 [3] 168 [0] 482 50 50 28 - 715 2,900 567 児 童 学 小 計 筑 波 学 院 大 学 (平成27年4月8日現在) 経営情報学部 経営情報学科 小 計 国際別科 合 計 126 - - 594 [3] 595 [11] 705 [20] 28 2,461 ※ ( )の数は、編入学の定員数。 [ ]の数は、編入学の学生数で内数を表す。(児童学科3年は学士入学) ※ 国際別科は、合計に含まず。国際別科人数は、9月卒業者4名を含む。 平成27年度 高等学校・中学校 生 徒 数 学年別 (平成27年4月8日現在) 1年 2年 3年 合 計 入学定員 収容定員 高等学校 200 600 117 (4学級) 100 (4学級) 91 (4学級) 308 (12学級) 中 学 校 200 600 28 (1学級) 28 (1学級) 21 (2学級) 77 (4学級) 合 計 400 1,200 145 学校別 128 7 112 385 Ⅱ 事 業 計 画 の 概 要 学校法人東京家政学院(以下「学院」という。 )は、創立者大江スミの『KVA精神』を基盤に、 少子高齢化、高度情報化、国際化、知識基盤社会の進展など社会情勢の変化に対応して、 「現代の 課題を見つけ解決できる力」 、 「新たな展望と勇気をもって取り組むことのできる力」を涵養し、 「グ ローカルな市民としての教養と行動力」を身に付けた人材を地域と協働して社会に送り出すこと を目指し、教育研究活動を展開してきた。 学院は、発展の過程において、教育研究分野を家政学から人文科学・社会科学の分野まで広げ たが、その一部において不振を余儀なくされた。 そこで、学院は、 「構造改革基本方針」(平成 20 年 3 月)、 「経営改善計画(平成 22~26 年度) を策定し、各大学・学校の学生・生徒の満足度の重視を第一に、教育サービスの向上のための教 学改革を基本に据え、それが結実することを前提に、学生・生徒の確保の数値目標及び財務上の 数値目標を定めて改革に取り組んだが、危機感の共有を基盤とする学院一体となった経営・教学 改革の取組みが実行できなかったことなどから、学院全体としては目標を達成することができな かった。 次期経営改善計画「新KVAルネサンス計画(平成 27~31 年度)」では、理事長のリーダーシ ップのもと、学院らしい独自の特徴、学院による最初の取り組みなど、これまでにない斬新な要 素を取り入れ、学院イメージの創出という将来の夢を掲げ一歩一歩実現に向かう“ビルド&スク ラップ”をモットーに、学院、大学・学校が一体となって総力戦で臨む。 「新KVAルネサンス計画」 (以下「新計画」という。)は、平成 27 年度を初年度とする 5 ヵ年 計画であるが、平成 27・28 年度を現行の学科組織の下での集中的な「改善」期間と位置付け、収 支均衡を達成すると同時に、平成 29 年度以降の将来ビジョンを踏まえた学部・学科の再編その他 の改革の諸準備を実行し、後半 3 ヵ年(平成 29~31 年度)の「改革断行」に円滑に移行できる準 備作業に着手する。 経営改革は、設置者である学院の責任の重大性に鑑みその先導性を基本とし、大学・学校の実 情等への十分な配意の上、スピード感と実効性の高い対応を行い、学生・生徒、保護者等に対す る説明責任を果たす。 行動に当たっては、新計画に示された学院、大学・学校の改革の重点事項について、目標を設 定したうえスピード感と透明性をもって集中対応するため、部門横断型のプロジェクト方式を導 入する。 当年度 4 月以降、順次プロジェクトを設置して具体的行動に移り、PDCAサイクルを早く回 して、課題対処の成否が検証された時点で速やかに解散することとする。 本年度、学院が取り組む重点事項は次のとおりである。 (1) 教育研究、学生・生徒サービスの質的改善 大学・学校が提供する教育サービスについて、その質的改善の観点から抜本的に見直し、教 育機関として果たすべき役割、すなわち学生・生徒の目線に立った教育研究の充実を最優先課 題として位置付ける。 当年度は、具体的な競合大学・学校を念頭にこれらに打ち勝つ教育、学生サービスの差別化 8 を図るための方策を講じ、本学院らしい教育課程や教育方法を開発・改善するとともに、各大 学、高等学校・中学校におけるきめ細かな学習支援、進学・就職支援、卒業後のフォロー、課 外活動の充実など学生・生徒サービスの向上を図る。 この一環として、近隣の自治体と連携しつつ、福祉施設や児童施設との交流活動を試行し、 また、キャンパスへのアクセスの改善について具体的な検討を進める。 (2) 教職員力の強化、組織化 教員が十分な教育を行えるような環境の整備を進めるため、当年度は、教育の基礎となる研 究や授業計画の策定に必要な時間の確保、公開授業の拡充、研究費の確保等に関する基礎調査 を実施し、順次実行に移す。 特に、カリキュラムの精選にあわせ標準授業時間の設定を行い、教育の質的改善につなげる とともに、出前授業や公開授業を充実させ学生募集に関連付けていく。 また、これを実現するための力ある職員による支援体制の整備が不可欠であり、当年度は専 門性を備えた職員の確保・配置するとともに、役員や有識者・専門機関の協力のもと資質向上 に資する研修の実施、自己研鑽の奨励を進める。 その際、新計画後半の改革断行に備え、それを推進する事務組織の整備を図るため、業務の ビジュアル化に基づき、教職力の強化や組織化に向けた課題の洗い出しに着手する。 (3) 財務基盤の整備 財務経営の健全化の達成には、学生・生徒数の増とそれに伴う学納金・補助金を中心とする 帰属収入の確保を図ることが、他の大学に比して非常に高い人件費比率・人件費依存率の是正 を図るうえで、最大の課題である。 当年度予算は、各部門からの要求を積み上げる新しい方式による予算編成を行った。当年度 は、退職に伴う人件費の増という特別の要因により、支出超過予算を編成せざるを得なかった が、平成 28 年度は、特別の先行投資を行う場合を除いて、新しい収支計算書上、収入超過(黒 字)予算を編成することとする。 支出の大半を占めている人件費について、新計画期間中に人件費比率の5%引き下げること を目標に、各種手当をはじめとする人件費のあり方について検討し、組合との交渉を行うこと とする。 また、新計画の「改革断行」や 100 周年記念事業の準備を進めることも考慮し、寄附金募集 の継続、資金運用方法、施設等の貸し出し、収益事業の実施等について検討する。さらに、環 境整備・予算措置と教育活動の向上・学生確保との好循環が図られるよう、先行投資を行う必 要性と資金の確保(借入金、学校債発行など)について検討を始める。 (4) キャンパスの特徴を活かした環境整備 千代田三番町キャンパスは、都心立地の環境のメリットを活かし現代生活学の中核および千 代田区を中心とする地域との連携活動の拠点、町田キャンパスは、町田、八王子、相模原、多 摩地域を中心とする自治体、NPO、企業、地域住民等との連携による地(知)の拠点、筑波 キャンパスは、立地条件の優位性や遊休スペース等の利用実態に着目した自治体、学校、NP 9 Oはじめ民間団体等との連携を推進するための環境整備に努める。 当年度は、限られた予算の範囲内で、施設計画特別委員会のまとめる計画に基づき、施設の 維持に不可欠な改修等を中心に整備する。 千代田三番町キャンパスのKVA会館は、現在の使用状況を踏まえ、専門業者の調査を実施 したうえで必要な安全策を講じたうえで、新計画の「改革断行」に向けた整備構想がまとまる までの間、使用することとする。校舎については、学生・生徒の募集状況に基づき、教育活動、 学生・生徒サービス向上の観点から、有効活用を検討し必要な改修・整備を進めることとする。 筑波キャンパスの多目的広場は、地域連携の観点から、総合型地域スポーツクラブの施設(サ ッカー場)として整備(NPO法人つくばフットボールクラブが、地域スポーツ施設助成を受 けて整備)し、地域と共同使用する。 (5) 地域連携・協力、国際化への積極的な取組み 近隣自治体、学校、公的機関(施設)、企業、各種施設、NPO、地域住民等と連携・協力 した地域振興、生涯学習の推進、産・学・官連携活動等を進める。 当年度は、上記のキャンパスの環境整備にあわせて、グランドや図書館等の地域利用を進め るとともに、公開講座、出前授業等を通じて住民の生涯学習に資する事業を展開する。また、 企業等による寄付金や寄付講座等の協力をいただく。 交流協定を締結した海外の大学との学生・学術交流協力を引き続き具体的に進めていくと同 時に、中国・韓国以外の東アジアや英語圏の国々の大学との交流を積極的に支援する。また、 留学生の受入の増やし、その質の向上を図るとともに、学生の短期留学、ショートビジット、 生徒の海外研修等を充実する。留学生に対する日本語・日本文化に関する教育・指導に両大学 が協力して当たる。 (6) 同窓会、保護者との連携協力 学院と同窓会とはこれまでも共同での各種記念事業の実施、それぞれの事業の相互支援、名 簿管理、ホームページをはじめとする広報等に関して協力をしてきた。当年度は、協議会を定 期的に実施し、引き続き良好な関係の維持と相互の発展に向け協力していく。 また、保護者に対しては、大学・学校の教育方針や学生・生徒の状況を十分にお知らせし、 協力を得るための努力を行っていく。 さらに、当年度から開始する 100 周年事業および募金について協議し、協力をいただく。 Ⅲ 各 学 校 の 事 業 計 画 1.東京家政学院大学 (1) 大学の教学理念 東京家政学院大学では、平成 22 年度の学部・学科改組の届出に当たって、学部設置の目的 を、知・徳・技のバランスを重視する建学の精神に基づき、生活者の視点から、家政(衣、 食、住、家族、消費、生活文化)、教育(初等教育、幼児教育、保育)、福祉を中心的な分野 として教育・研究を行い、個人・家庭・地域の暮らしはもとより、地球規模の問題解決にま 10 で貢献できる人材を育成し、社会に送り出すこととしている。 従来の家政学を生活者の視点から捉えなおした「現代生活学」を確立するため、大学院研 究科の改革を進めるとともに、学問的基盤、実践研究、応用研究に資する「現代生活学研究 所(仮称) 」の実質化を進めていく。 千代田三番町キャンパスの 2 学科(現代生活学科、健康栄養学科)は、定員を充足してい るものの平成 27 年度募集においては受験生が前年度を大きく下回り、町田キャンパスの欠員 状況は深刻である。 社会全体として今後 18 歳人口が継続的に減少する中、当年度は、次に示す学科の概要(特 徴)を最大限発揮できるよう、本学らしい魅力ある授業を実施するとともに、効果的な学生 募集と広報戦略を展開し、定員に見合う学生を確保するとともに、アクティブラーニング、 ポートフォリオ、ラーニングコモンズ、キャリア教育、卒業研究指導など一貫した指導によ り学生の能力(成長値)を高め、また、就職・進学支援活動を効果的に進めて、学生を社会 に送り出す努力をする。その際、初年次教育(導入教育)やゼミ形式の指導を重視する。 本学の将来に大きく係る平成 29 年度以降の全学的な改革・再編に向け、大学の教学基盤整 備を強化するため怠りなく諸準備を進めていく。 (2) 学科、研究科の概要 ① 現代家政学科 家族、生活者の観点を基礎に、家政学の専門教育・研究を進め、現代社会の複雑・多様な諸問 題を解決し、持続可能なライフスタイルを切り開く人材を育成するため、食文化、ファッショ ン、リビング、生活ビジネスの履修モデルのより具体的な展開を図る。千代田区をフィールド に、より良い社会・より良い生活を構築するための提案をし、現代生活学のプロフェッショナ ルを育てる。 平成 25 年度は、文科省、消費者庁、千代田区その他関係者の協力を得て行ったシンポジウ ム「都市型アクティブラーニングと現代生活学」は、その実践を紹介するものとして、高い評価 を得ている。平成 26 年度は、「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことも踏まえ、「大 江文庫」をはじめ大学が保有する貴重な歴史的資料や技術を、広く社会へ発信していくことが できた。 当年度は、消費者教育・生活設計をはじめとする現代家政学科の存在意義を明確にし、受験 生の増加、入学者の確保を重点的に進める。 ② 健康栄養学科 食を通して、乳幼児から高齢者に至るまで、さまざまな身体状況・栄養状態の人々の生活の あり方について、理論的・実践的な提案を行い、健康的な生活の構築に貢献できる人材を養成 する。その柱となる管理栄養士の養成体制を引き続き強化する。また、複雑化・多様化する社 会において、食をめぐる諸問題に対応できる専門的知識と実践的技術を習得させるため、都 心という地の利を活かした産・官・学の連携を進める。その実践の場となる給食経営管理実習 は、学生のみならず教職員や高校生からの評価を聞く格好の機会となっている。 特に、平成 27 年度は、社会的に高まる管理栄養士需要に的確に応えるため、その国家資格 の取得率向上が大きな課題であり、入学時から卒業まで一貫した指導体制をいっそう充実す 11 る。 ③ 生活デザイン学科 生活の質の向上と安心・安全に暮らせる社会を実現するため、人や自然に優しい生活(暮ら し)をデザインし、それを実現できる能力を備えた人材を養成する。「衣」 、「食」、「住」の領 域に「ものづくり」を加えることにより、高い専門性と幅広い知識の修得ができるように、カ リキュラムを構成している。これにより、地域や産業界との連携を通じて、社会の多方面で 幅広く、即戦力として活躍できる人材を育成する。三井アウトレットパーク多摩南大沢で開 催されるファッションショーや、新宿高島屋で開催される「大学は美味しい! !フェア」は、そ の実践の場として定着している。 しかし、近年、学科の教育内容が見えにくいとの指摘もあり、入学生が未充足の状況が続 いており、当年度は、カリキュラム及び進路の明確な理解を着実に深めていくこととする。 ④ 児童学科 未来を担う子どもたちの幸せと、健全な発達を実現できる人間関係について、探求してい く。そして、子どもを取り巻く人的、物的環境をつなぎ、豊かな社会環境や文化の創造に貢 献できる人材を育成する。また、幼稚園・保育園・小学校での子どもたちとの接触を通じ、そ の発育・発達、心理等を観察し、学習に役立てる。地域のお母さん方と未就園児を主な対象と する子育て講座は、個別相談も交え、「共に学び、共に育つ」機会として好評を得ている。 社会的にますます高まる知育・保育需要に応えるため、子どもたちに対応する知識と、実習 によって培われた実践力を兼ね備えた、人材育成を着実に進めていく。そのために、地域の 子ども・保護者・家族が、共に健やかに成長・発達する実践教育の場、地域の幼稚園や保育所と 連携・協力できる場・機会をいっそう拡充する。 当年度は、町田キャンパスと人的資源を有効に活用し、 「子ども体験塾」や「森のようちえ ん」活動を中心に、 「地域の子育て支援」の拠点となるための基礎を作る。こうした取り組み を広く周知しつつ、学生確保に努める。 ⑤ 人間福祉学科 心身の病気や障害、高齢あるいは経済的理由などにより、幸福な社会生活を送るうえで困 難を抱えた人たちが、自立していけるような社会づくりに貢献できる人材を育てる。履修モ デルは、「社会福祉」を共通基盤に、「心理・精神保健」、「子ども・家庭」、 「福祉ビジネス」の 3 つを基本としているが、高校生の関心や福祉に対するイメージを明るくするカリキュラム への改革を進める。併せて、福祉現場での実習の機会を豊富に設け、ケアを必要とする高齢 者、心身の障害者、悩みを抱える子どもたちと実際にかかわることにより、豊かな人間性や コミュニケーション能力を養っていく。これらにより福祉への理解を促し、就業力を高める 指導を充実する。 社会における福祉への期待が高まる中、現代生活学部設置以来、入学者未充足の状況が続 いている。当年度は、コミュニティと連携した健康で明るい生活を実現する福祉のイメージ を構築するとともに、今後、学科の履修モデルを一新し新しいコース設定の諸準備を進める とともに、平成 28 年度入学生の大幅な増に向け、募集活動を徹底的に強化する。 ⑥ 人間生活学研究科 大学院人間生活学研究科は、企業の求人ニーズ停滞と厳しい家計事情による進学意欲の低 12 迷、中国・韓国との外交軋轢及び東電福島原発事故等による留学生の減少で、入学者の減少が 続いている。この状況を打開するため、学生の受講ニーズとカリキュラムのマッチング状況 を改めて確認し、カリキュラム改革を行ってきた。これにより、現代生活学部 5 学科での履 修内容を発展的に学修できる視点を重視した専門化を図っている。 また、現代生活学研究所の開設を契機として、「現代生活学」という学問分野の確立に向け て研究活動の活性化を図る。 当年度は、学生確保に向け履修コースのカリキュラムを改善するとともに、長年懸案とな っている実践的な研究科の設置のための現実的・具体的な検討に入る。 (3) 重点課題に関する事業概要 現行の学部・学科体制の下で以下に示す重点課題に関する事業を実施する。同時に、平成 29 年度以降の学部・学科及び研究科の改革・再編について、平成 27 年度の早い時期に方向性 と具体策を示すこととする。 ① 魅力ある授業実現に向けた環境整備 ア)学生主体型学び(アクティブラーニング)の積極的展開 イ)ポートフォリオシステムの積極的な活用とそのサポート ウ)公開授業の奨励等 FD 活動の更なる推進 ② 学生確保と広報戦略 ア)アドミッションセンターのリーダーシップによる戦略的学生募集対策の実施 イ)新規訪問校開拓等を補完する目的での外部業者の導入による高校訪問の強化 ウ)授業料免除・特待生制度を生かした学生募集戦略の実施 ③ 教育内容の充実と学生サービスの向上 ア)図書館のラーニングコモンズ計画と連動した学習支援体制の整備 イ)学生アンケート結果等を反映させた学生サービスの向上 ウ)各学科の履修モデルの改善の検討・実施 ④ キャリア教育と就職支援の強化 ア)ライフキャリア(キャリアデザイン)教育、インターンシップの充実 イ)就職活動時期の後ろ倒しに伴う就職支援体制の強化 ウ)キャリア支援講座の継続展開と受講指導の徹底 ⑤ キャンパス、通学環境の整備 ア)教育の質・学生サービスの向上や地域連携に必要なキャンパス整備の工夫 イ)町田キャンパスの通学環境の改善 ウ)学生が参画したミュージアムの整備、活動の活性化 ⑥ 管理運営体制の充実 ア)職員の教育支援力の向上のための研修の強化 イ)効率的な運営・管理に向けた各種委員会の整理・再編の検討 ウ)補助金を活用したIR委員会活動の推進 ⑦ 特別の取り組み 【現代生活学研究所(仮称)の設置】 13 現代生活学という生活者視点の学問分野を人間生活の持続・生活の質の向上に貢献する総合 科学として確立すること及び本学が現代生活学の教育研究拠点としての地位を確立するための 活動を開始する。 【 「森のようちえん」の活動】 町田キャンパス内の森で、地域の子供たちを活動させる試み。教員と学生・卒業生がボラ ンティアで参加。地域の子育て支援の拠点づくりの第一歩と位置づけ、魅力的な活動へと発 展させる。 【高大連携活動の一層の推進】 各学科の魅力的な授業やイベント、課外活動の年間計画を作成し、関心のある高校生の参加 を連携校に呼びかける。 2.筑波学院大学 (1)大学の教学理念 経営情報学部の特色は、多様化する産業界の人材ニーズに応えるため、「経営情報」を学際 的に捉え、系列の壁を超えて研究し、KVA 精神を継承したバランスのよい人材、国際的な教養 を基礎としてマネジメント知識と情報スキルを修得し、職業人および起業家として地域社会に貢献 する人材を育成する。 このため、社会のグローバル化、高度情報化に即応し、自立できる人材の輩出を基本に「総合的 教養教育」 、 「幅広い分野での専門職業人材養成」、 「地域の生涯学習の拠点」を教育理念としてきた これまでの経緯を踏まえるとともに、茨城県からの進学者が大半を占める実情に配慮し、その教育 需要に確実に応え地元から信頼される教育活動を実現するとともに、県外からの進学者や留学生の 確保を追及するなど可能な限りの取り組みを実行する。 更には国際都市つくば市との連携カリキュラムの開発など地域連携の大きな利点、潜在力を教育 研究活動に十分に生かせるよう、グローバル人材養成の観点から思い切ったカリキュラム改革を実 行し、当面のビジョンとしては、 “地域と大学の協働活動の拠点、地域で活躍するグローバル人材 を育てる筑波”のスローガンを掲げることとする。 なお、平成 27 年度は、茨城県教育委員会の協力による組織力強化を図り、大学の自立・存続を かけた学院先導による茨城県等との連携・調整など未着手の条件の手当てを法人と一体になって敢 行する。 また、大学の維持・発展を期待して採択された未来経営戦略経費等を活用し、本学の経営改 善・発展に向けて、大学の取組みのビジュアル化を図り、広く社会に周知して、筑波学院大学 の維持・自立のため、所要の学生数確保に全学を挙げて取り組むこととする。 さらに、地域における生涯学習の拠点機能を強化し、地域及び住民に貢献できる大学として の存在意義を明確にしていく。これに資するため、筑波学院大学の人的・物的資源を地域に提 供するとともに、地域の知的財産を積極的に本学に取り入れる。こうしたことで、つくば市、 茨城県との公私協力、その他企業・団体等との連携を、教育内容面で実質化して、筑波学院大 学の特色を鮮明にする。 当年度は、大学の存続・発展をかけた極めて重要な年であることを認識し、有識者会議の報 告を踏まえ、学科改革、学生確保、教育研究・学生指導の充実、進路の開拓・就職率の向上に、 14 全学挙げて取組む。特に、平成 28 年度に名称変更するビジネスデザイン学科の内容充実に最 大限の努力を注入する。 平成 22 年度に設置した国際別科は、大学または大学院への進学希望者を対象とすることを 平成 26 年度に鮮明にし、学部への進学、編入者は微増している。当年度はアジアからの学部 留学生の日本語補完の教育も含め、将来的に留学生の日本における就業力を高めるために英語 教育の必要性も考慮し、専任教員が教育に責任をもち学部との連携を強化する。 (2)経営情報学科及び平成 28 年度設置の新学科「ビジネスデザイン学科」の概要 経営情報学科は、①情報システム、②メディアデザイン、③ビジネスマネジメント④ビジネ スコミュニケーションの4コース制とする。とりわけ、現代社会の情報化、国際化に対応する 人材育成を目的に、IT とマネジメントに関する能力を学際的に習得できる教育を充実する。 これにより、社会人としてのモラル、経営センス、情報スキルを兼ね備えた学生を輩出してい く。 平成 28 年度は、経営情報学科の名称を「ビジネスデザイン学科」に改め、社会のニーズ及 び学生目線を踏まえ、履修モデルとして①ビジネスマネジメント ②グローバルコミュニケー ション、③メディアデザイン、④情報デザインの 4 つコースを準備することとし、当年度は、 そのための次のようなカリキュラムを検討する。その際、初年次教育と卒業研究(ゼミ)との 関連を重視する。 ビジネスマネジメントコースでは、グローバル企業および地域の企業で求められる基礎知識と応 用を学ぶ。新規に開講するビジネスコミュニケーションコースでは、地球市民として持続可能な社 会に必要なコミュニケーション能力を磨き、地域の問題解決を中心とする。メディアデザインコー スでは、デザイン系ソフトを使用して多彩な自己表現力を修得する。そして、情報システムコース では、ITのプロを目指し、システム開発や Web 制作を修得する。1 年次、2 年次には「つくば市 をキャンパス」に地域の自治体、企業のプロジェクトに参加する地域連携プログラムを必修とし、 社会に貢献する意欲を養い、3 年次では、地域貢献、 ((OCP), 海外研修およびインターンシップを 選択必修として、就業力の育成を行う。卒業研究は 3 年次までに各コースを横断的に履修した中か ら選択し、指導教員のもとに卒業制作(論文、作品報告)により専門性を高める。 (3)重点課題に対する事業概要 平成 28 年度入学生 170 名の確保、履修モデルなどカリキュラムの改善による魅力ある授業実現 等に向け、以下に示す主要課題に対する事業を実施する。また、平成 29 年度以降の存続を念頭に、 大学が一体となって各事業の実現に向け成果をあげることとする。 ① 魅力ある授業実現のための環境整備 ア)他大学・専門学校との連携、高大連携の拡充(中等教育人材育成プロジェクトと高等教 育の連携) イ)学習支援センター機能の実質化(リメデイアル教育、大学院進学ゼミ、資格取得支援等) ウ)ICT 教育活用センターによる情報教育および遠隔授業 CCDL の実質化(助成金の活用) エ)外部資金(特別補助金、科研費、企業からの支援資金、寄付講座)導入の推進 オ)研究成果の公表の奨励(学生の学会発表も含む) 15 ② 学生確保と広報戦略 ア)入試広報戦略の抜本的な見直し、入試の達成目標に応じた予算執行 イ)教職員の適性に応じた入試専門スタッフの配置とマニュアルの作成 ③ 教育内容の充実と学生支援・学習支援の強化 ア)教育の質保証のため初年次教育の強化、ゼミの充実、放送大学との提携 イ)ポートフォリオの充実、資格取得に対する奨励制度の導入 ウ)教職員の資質向上を図る FD・SD の推進および非常勤講師の連絡会実施 エ)保護者会との協力強化、学長と学生(新入生、留学生、自宅外通学生等)の対話推進 ④ キャリア支援と進学・就職支援活動の強化 ア)茨城県、地域産業人材 UIJ ターン・定着促進事業に参加 イ)大学院進学を支援・促進するオリエンテーション開催 ウ)学生の就職先企業開拓 エ)つくばインターンシップコンソーシアム、観光庁インターンシップの継続 ⑤ キャンパスの施設利用のサービス向上 ア)茨城県、つくば市との連携体制の強化、定期協議の実施、各種事業(まつりつくば、つ くば科学フェスティバル、県教委主催高校生向け公開講座等)の協力推進 イ)つくば FC と連携によるサッカー練習場の設置と活用 ウ)つくば市ロボット特区としてロボットセラピー研究、小型モビリティ実証実験 ⑥ 管理運営体制の整備 ア)教職協働の実施を視野に職員能力の向上と適材適所の配置 イ)認証評価結果を踏まえた学生確保体制と教育の質保証体制の強化 ウ)危機管理マニュアルの徹底、改訂 ⑦ 特別の取り組み ア)図書館と OCP を核とした地域交流センター(仮称)の設置 イ)未来経営戦略推進経費(平成 24~28 年度)の活用(地産地消の推進、生涯学習の拠点化、 OCP の改善、 ・入学者増強の活性化(英語スピーチコンテスト、映像コンテスト) ウ)国際交流センターによる海外提携大学との連携プログラム推進、留学生の支援強化、学 生の短期海外研修の奨励(アジア、オセアニア) 3.東京家政学院高等学校・中学校 (1)高等学校・中学校の教学理念 高等学校および中学校は、学校教育法、同施行規則、学習指導要領等に準拠しつつ、私立学 校としての独自性と特色を活かして「生きる力を身につけ自尊の心を育てる」を教学理念に掲 げ、社会に貢献できる自立した女性を育成することを目標とする。 学習支援のほか、情操教育、キャリア教育、エンカウンター教育およびチューター制により、 知・徳・技をその個性に応じて身につけさせる教育を展開する。 高等学校は内進生と高入生の共生を図る中で、特別進学クラスは難関大学全員合格を、総合 進学クラスは高大連携を基盤とした進路指導により在籍者数の3割以上の併設大学進学を目 指す。 16 中学校は、生徒の未知なる潜在能力を引き出すべく、確かな学力を身につけるとともに、コ ミュニケーション力、ディベート力およびプレゼン力を高める本校独自のキャリア教育の推 進・充実により建学の精神に則った健全な生徒の育成を図る。 (2)学校の概要 ① 高等学校 1939(昭和 14)年に東京家政学院高等女学校として開学、1948(昭和 23)年には学制改革によ り東京家政学院高等学校に改編し、K(確かな知識)、V(「ごきげんよう」の挨拶から始まる 心の教育) 、A(知識を実社会で活用できる技能)を建学の精神としている。 1993(平成 5)年度以降、受験クラス(現在の特進クラス) 、一般クラス(現在の総進クラス) を設置し、生徒の資質、特性に即した教育を展開している。 ② 中学校 1939(昭和 14)年に東京家政学院高等女学校として開学、1947(昭和 22)年には学制改革によ り東京家政学院中学校に改編し、K(知識から知恵へ)、V(「ごきげんよう」の挨拶から始ま る心の教育) 、A(実社会で活用できる技能)を建学の精神としている。 中高一貫教育の更なる充実を図るため、平成 23 年度以降、特進クラス(コース)、総進クラ ス(コース)を設置し、きめ細やかな教育を展開している。 (3)重点課題に関する事業概要 平成 28 年度の中学校入学生 40 名、高校からの入学生 100 名を目指し、教育内容の各段の充実と 進学実績を示すため、以下に示す重点課題に関する事業を実施する。また、中高一貫教育の意義を 明確にすべく実績をあげることとする。 ① 魅力ある授業実現に向けた環境整備 ア)パソコン教室の整備・充実 イ)生徒・保護者の満足度の向上に向けた3号館ラウンジの魅力化(売店の再開) ウ)教育効果を高める ICT 教育の推進に向けた環境整備(eポートフォリオ等) ② 生徒確保と広報戦略 ア)ホームページの魅力化と管理運営体制の整備 イ)効果的な学校説明会等の設定および内容の更なる充実 ③ 教育課程の改善・充実 ア)e ポートフォリオを中核とした ICT 教育の促進 イ)グローバル人材育成のためのプログラム構築 ・キャリア教育の体系化 ・わが国の文化、歴史、経済等が統合的に学習できるプログラムの作成 ・英語力の強化と異文化理解・国際感覚の早期萌芽に向けた英語合宿、外国人講師の英会 話授業およびホームスティの計画的な実施 ウ)コース制(特進・総進)の見直し(中学) エ)多様な進路希望に対応できるコース別授業内容の魅力化と、その特色を生かした教育の推 進(高校) 17 オ)自主教材のリニューアル カ)講習・補習および校内予備校の実施による進学実績の向上 キ)資格取得の推進(英語検定・漢字検定・数学検定) ク)学校・授業評価アンケートの実施とFD活動の推進による教育内容・指導方法等の向上 ④ キャリア教育と生徒指導 ア)キャリア教育の充実 ・コミュニケーション力、ディベート力、プレゼン力の育成 ・的確な進路選択 ・明確な目的意識から誘発される向上心の育成 イ)担任2人制(中1・中2)および相談体制の整備による中途退学者の低減 ⑤ キャンパス(校舎)の整備 ア)計画的な学習環境の整備 イ)生徒・保護者の満足度向上に向けた施設設備の魅力化 ⑥ 管理運営体制の整備 ア)SD活動の推進、適材適所に配慮した人事配置と効果的な嘱託員等の導入 イ)教員および生徒支援に向けた事務体制(兼務業務を含めた総務・経理・教育・生徒・入試 広報など担当業務)の確立 ⑦ 特別の取り組み ア)教科教育・自学自習の向上を目的とした大学との連携による「eポートフォリオ・まなふりく ん」の推進(全国初の試み) イ)グローバル教育に対応した特進・総進コースの再編成(中学) 18