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業務用 IH 調理器 と 調理士の健康 - 市民研アーカイブス

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業務用 IH 調理器 と 調理士の健康 - 市民研アーカイブス
『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
概要
業務用 IH 調理器(IH クッキングヒーター、電磁調理器)と
調理士の健康
[注:本稿はスイス連邦政府機関が 2011 年 11 月 8 日に公表した、業務用電磁調理器からの磁界ばく露に関す
る研究結果報告(全 93 ページ)
Magnetfeld-Expositionen durch professionelle Induktionskochherde – Gesundheitsschutz am Arbeitsplatz
(著者 René Guldimann1 及び Martin Meier )
http://www.news.admin.ch/NSBSubscriber/message/attachments/25627.pdf
の主な内容をまとめたものです。 ]
翻訳ならびに概要の制作:永瀬ライマー桂子/監修:上田昌文(NPO 法人市民科学研究室)
1.
はじめに
IH 調理器は、調理時間が短い、エネルギーを節約できる、熱を使わない、臭いが出ない
などの長所を持っています。IH 調理器は磁場を出し、それが鍋の底で交流電流を誘導し、
熱を発生させます(報告書 p.3)。
IH 調理器が出す磁場の一部は、調理器周辺にも漏れ出ます。その磁場は、調理する人の
体内に電流を発生させます。もし磁場が強い場合は、それによって体内で発生する電流に
よって、感覚器官や神経細胞、筋細胞に急性の刺激をひきおこす可能性があります。この
ような刺激が、IH 調理器を使用する際におきるかどうかは、これまで IH 調理器を使うこ
とでどれくらいの磁場を人が浴びることになるのかが明らかでなかったため、わかりませ
んでした。そこで、業務用の新しい調理器(3 年未満)、そして古い調理器(4 年から 10
年)を使って、実際にスイスのレストランで調査を行いました(p.3)。
Abb. 1-1: Prinzipschemen Induktionskochherd und Induktionskochen: 1 Induktionsspule, 5 Funktionsanzeige, 2
Temperaturfühler, 6 Topfboden
aus ferromagnetischem Material, 3 Wärmedämmung, 7 Elektromagnetisches Wechselfeld, 4 Glaskeramikplatte (Quelle:
BAG) (p.19)
【IH 調理器の内部構造と加熱の原理】
1
『市民研通信』 第 12 号
2.
通巻 140 号 2012 年 6 月
IH 調理器からの磁場
下の表にある 13 種類の IH 調理器を対象に、磁場を測定しました。
検査機器番
号、製造年
種類
ヒーターのコイル
のタイプ
↓人が立つ向き↓
熱板あたりの
出力(kW)
ヒーターから調
理台の縁までの
距離(mm)
トッププレートか
ら調理台の縁まで
の距離(mm)
#1 (2003)
Herd
[調理台型]
#2 (2003)
Herd
2 x 3.5 = 7
260
180
5
260
190
#3 (2007)
Herd
2 x 3.5 = 7
160
120
#4 (2001)
Herd
6
170
120
#5 (2001)
Herd
9
170
120
#6 (2001)
Herd
9
170
120
#7 (2009)
Herd
2 x 3.5 = 7
180
130
#8 (2009)
Herd
9
210
160
#9 (2009)
Herd
2 x 3.5 = 7
210
160
#10
(2008)
Herd
#11
(2008)
Herd
5
190
140
2 x 3.5 = 7
190
140
#12
2.5
235
(2009)
Kochgerät
[調理器型]
#13
5
205
(2009)
WOK
[中華鍋型]
【測定した調理器のテクニカル・データ】
200
155
Tab. 5-2: Technische Angaben zu den ausgemessenen Induktionskochherden und -kochgeräten.
2
『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
調理台の縁からの距離が 0 ミリメートルのところと、調理台の縁から 30 センチメートル離
れたところ(一般的な距離とされている)の 2 点で、磁場の最大値を測定した結果は、下
記のグラフの通りです。
ヒーター
トッププレート
トッププレートまでの距離
測定距離
調理台の縁
仕事中、多くの人が立っている位置
一般的とされている立ち位置
測定ゾンデ
【調理器の名称および測定距離
(p.43)】
Abb. 5-2: Schema Kochherd, Spulenarten, Begriffe, Messabstände; Fotoillustrationen Spulen von MS®
(p.43)
この測定においては、IH 調理器から放射される磁場のうち、その成分として最も強い値を
示す 19.5~22.5kHz の中間周波数帯の磁場を測っています。
この周波数帯における曝露制限値は以下のとおりです。
・ICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)のガイドラインでは
一般人の曝露制限値……6.25μT(1998 年版)/27μT(2010 年改訂版)
職業人の曝露制限値……30.7μT(1998 年版)/100μT
・スイスの防護基準では
一般人の曝露制限値……8.8 μT
職業人の曝露制限値……30.7μT
3
『市民研通信』 第 12 号
[注:
通巻 140 号 2012 年 6 月
赤い棒は、調理台の縁からの距離が 0 mm の地点の測定値、
緑の棒は、距離が 30cm の地点の測定値、
赤の点線は、スイスの職業人の曝露における基準値(30.7μT)
青の点線は、ICNIRP98 による一般人の曝露における基準値(6.25μT) ]
一般的な立ち位置とされている距離 30cm の地点では、調理器#1 を除いては、すべて両方
の基準値を満たしています(p.51-52)。
4
『市民研通信』 第 12 号
3.
通巻 140 号 2012 年 6 月
鍋の置き方と火力
コンロの上の鍋の置き方を変えて、磁場を測定しました。その結果、必ずしも、コンロの
中央に鍋を置かないと磁場が大きい、とは言えないことがわかりました。但し、鍋がコン
ロの位置から大きくはずれて置いた場合には、原則として磁場の曝露は大きくなります
(p.55-56)。
[注:上から
調理器#1
調理器#2
普通の鍋 26cm(そして 18cm)
位置:中央
手前右側
手前中央
小さい鍋(18cm)
後方左側
古い鍋(26cm)中央
古い鍋 26cm (底が平らでないもの)調理器#1
中央
手前右側
手前中央
後方左側
]
理想的なの鍋は、コンロ(埋め込まれているコイルの部分)より大きく、コンロ部分を全
部カバーするようにおくことです。そのためには、鍋はできるだけ中央に置きましょう
(p.56)。
5
『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
また、IH 調理器#1 および#9 について、火力と調理台の端の磁場の強さの関係を測定した
ところ、火力と磁場の強さが比例することが明らかになりました。但し、火力が大きいと
きには、磁場は一定の強さに達するとそれ以上にはならないこともわかりました(p.56)。
Abb. 6-6; Herd #1: Herd mit stärkster Abstrahlung; Magnetische Flussdichte
in T als Funktion der Kochleistungsstufe; 0 dB = Arbeitsplatzgrenzwert
30.7T
Abb. 6-7; Herd #1: Herd mit stärkster Abstrahlung; Magnetische
Flussdichte in dB als Funktion der Kochleistungsstufe; 0 dB =
Arbeitsplatzgrenzwert 30.7 T
【図:IH 調理器#1 における火力の強さと磁場の関係(p.57)】
[注:図 6-6 は横軸は火力の強さ(9 段階)、縦軸は磁場の大きさ(実数目盛))。図 6-7 は横軸は火力の強
さ、縦軸は「火力 5」を基準にしたときの磁場の強さ(対数目盛)]
6
『市民研通信』 第 12 号
4.
通巻 140 号 2012 年 6 月
調理士の立ち位置
調理士が IH 調理器で調理中、どのような位置に立っているかを調査したところ、30 %の時
間は調理台の縁(調理台の縁から 0 センチから 5 センチ)ぴったりに立っていることがわ
かりました。通常の立ち位置とされている 30 cm よりも調理台にくっついて仕事をしてお
り、磁場による負担もその分高くなると考えられます(p.60)。
5.
人体への影響をコンピュータでシミュレーション
人体の内部に発生する電流を直接測定することはできないため、コンピュータを使ってシ
ミュレーションを行いました。シミュレーションは、以下のモデルについて行いました:
(p.61-65)
- 女性(26 歳、身長 160 センチ、体重 58 キロ)
- 同じ女性(妊娠 3 ヶ月、妊娠 6 ヶ月、妊娠 9 ヶ月の状態)
- 胎児(妊娠 3 ヶ月、妊娠 6 ヶ月、妊娠 9 ヶ月の状態)
- 男性(34 歳、身長 174 センチ、体重 70 キロ)
5.1
調理士への影響(職業人)
調理士が調理台によりかかっている場合(このとき、腹部は調理台の縁から 5 センチ、コ
ンロに近くなります(距離= マイナス 5 cm)。グラフでは黄色の棒)と、調理士が調理台
の縁に立っている場合(グラフでは水色あるいは緑の棒)の二つのケースについて、シミ
ュレーションした結果は、職業人の基準値を 100 %にとったとき、下記の通りです。ちな
みに、赤の点線は ICNIRP98 で規定された職業人の基準値、青の点線は ICNIRP98 で規定さ
れた一般人の基準値を示します。
Abb. 8-2: Körperströme in einer nicht schwangeren Frau 58 kg. 100 % = Basisgrenzwert für Arbeitsplätze. GELB  an der
Herdkante anlehnend
(Bauch 5 cm näher zum Kochfeld), GRAU  an Herdkante stehend
7
『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
Abb. 8-3: Körperströme im Mann 70 kg; 100 % = Basisgrenzwert für Arbeitsplätze. GELB  an der Herdkante anlehnend
(Bauch 5 cm näher zum Kochfeld), GRÜN  an Herdkante stehend
男性生殖器官
Abb. 8-5: Körperströme in der männlichen Gonade. 100 % = Basisgrenzwert für Arbeitsplätze.
GELB  an der Herdkante anlehnend (Bauch 5 cm näher zum Kochfeld), GRÜN  an der Herdkante stehend
8
『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
以上から、一般的な立ち位置とされる、調理台の縁から 30 センチで調理をすれば、職業人
の基準値は満たされます。(p.63)
5.2
妊婦と胎児への影響(一般人)
妊婦についてのシミュレーション結果は、職業人の基準値を 100 %にとった場合と、一般
人の基準値を 100 %にとった場合の二つのグラフが報告書に掲載されていますが、ここで
は一般人の基準値を 100 %にとった場合を、下記に示します。(p.68-69)。
Abb. 8-9: Körperströme in schwangerer Arbeitnehmerin im 9. Monat. 100 % = Basisgrenzwert für die
Allgemeinbevölkerung; GELB  an Herdkante anlehnend (Bauch 5 cm näher zum Kochfeld), GRAU  an Herdkante
stehend
Abb. 8-10: Körperströme in schwangerer Arbeitnehmerin im 7. Monat. 100 % = Basisgrenzwert für die
Allgemeinbevölkerung; GELB  an der
Herdkante anlehnend (Bauch 5 cm näher zum Kochfeld), GRAU  an Herdkante stehend
9
『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
Abb. 8-11: Körperströme in schwangerer Arbeitnehmerin im 3. Monat. 100 % = Basisgrenzwert für die
Allgemeinbevölkerung; GELB  an der Herdkante anlehnend (Bauch 5 cm näher zum Kochfeld), GRAU  an Herdkante
stehend
以上から、調理台の縁に立ったり、調理台の縁によりかかったりして調理する妊婦は、ど
の妊娠月でも、一般人の基準値を上回っていることがわかります。(p.67)
胎児については、一般人の基準値を 100 %にとると、下記のような結果になります。9 ヶ月
の胎児については、ほとんどの調理器で基準値を上回っています。7 ヶ月の胎児でも、複
数の調理器で基準値を上回っています。一方、3 ヶ月の胎児では、基準値を下回っていま
す。しかし、妊婦が調理台の縁から 30 センチの距離を保っていれば、胎児への磁場の負担
が、一般人の基準値を上回りませんでした。(p.70-72)
Abb. 8-13: Körperströme im Fötus im 9. Monat. 100 % = Basisgrenzwert für die Allgemeinbevölkerung;
BLAU  an der Herdkante anlehnend (Bauch 5 cm näher zum Kochfeld), GRAU  an Herdkante stehend
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『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
Abb. 8-14: Körperströme im Fötus im 7. Monat. 100 % = Basisgrenzwert für die Allgemeinbevölkerung;
BLAU  an der Herdkante anlehnend (Bauch 5 cm näher zum Kochfeld), GRAU  an Herdkante stehend
Abb. 8-15: Körperströme im Fötus im 3. Monat. 100 % = Basisgrenzwert für die Allgemeinbevölkerung;
BLAU  an der Herdkante anlehnend (Bauch 5 cm näher zum Kochfeld), GRAU  an Herdkante stehend
11
『市民研通信』 第 12 号
6.
通巻 140 号 2012 年 6 月
結論
IH 調理器を使用することによって、次のような人々に危険が生じます:(p.77)
- 妊婦の調理士
- 心臓・循環器系に疾患のある人(ペースメーカーをつけている人など)
- 金属インプラントを体内につけている人
- 腹部にピアスをしている人
- 調理台の高さにちょうど頭の位置がある子供
ペースメーカーを装着している人について、シミュレーションしたところ、磁場が最も強
い調理器#1 では、心臓の位置が 121cm 以下にある人では、ピーク磁場が許容値(8.8μ
T)を越えることがわかりました(p.58)。
7.
磁場を減らすための対策:遮蔽シールド(p.75、p.77)
ミューメタルと呼ばれるブリキ素材が、磁場の遮断に使われます。これは磁気的におだや
かな(つまり˂10 A/cm である)ニッケルと鉄の合金(ニッケルが 75 から 80 %)で、比較
的高い透磁率[注]を備えています。)(p.73)実験してみたところ、磁束密度を 15%まで減
らすことができました。これによって、一般人の基準値を満たさせることができます。
[注:例えば 1kHz の磁場においてミューメタルの透磁率μr は 20000 で、30kHz での鉄の透磁率の 40 倍であ
り、一般的に透磁率が高いほど遮蔽効果が高い。]
Abb. 9-2: Herd #9 mit NiFe-Blechabschirmung 110x380mm; Messung am Hotspot; die Feldstärke wird bei max.
Leistungsstufe am Hotspot von 26.5 T auf ca. 8 T reduziert (- 30-35%). (p.74)
12
『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
8. 使用上の注意
IH調理器製造業者の操作マニュアルに書かれている安全性に関する情報は、統一されてお
らず、部分的に必要事項が欠けています。どのように調理するかについての情報も、不完
全です。管轄官庁の見方に従って、製造業者は防護措置を含む必要な情報を提供しなけれ
ばなりません。マニュアルに含むべき重要な注意事項は、書きに示すとおりです:
(p.79)
磁場による負担に関する注意事項(p.80)
-
コンロの近辺には強い電磁場が存在します。これによって例えばペースメーカーが
リセットされることがあります。このような医療インプラント機器との干渉が完全
にないと証明されない機器は、ペースメーカー禁止のマークをつけるべきです。
-
雇用主は、IH調理器で仕事をする従業員に対し、ペースメーカー装着者へのリスク
について説明すること。
ペースメーカー装着者は、かかりつけの医師に、仕事でIH調理器を使用する旨を伝
えること。
調理器に埋め込まれているコイルと鍋の間に電場が生じているので、鍋にさわった
とき、静電気を感じることがあります。これは負担ではありますが、危険ではあり
ません。
クレジットカードや時計などは、調理器のすぐ近く(ズボンのポケットの中など)
で壊れる可能性があります。
交流磁場を減らすために、調理器の手前に磁場遮蔽シールドを設けるのもよいでし
ょう。
-
-
誘導電流に関する注意事項(p.80)
-
鍋の中身をかき混ぜるための、おたまや泡だて器は、金属製のものや、手で持つ部
分が金属でできているものは、避けましょう。
いくつものコンロを同時に使う場合、鍋と鍋が触れないように気をつけましょう。
鍋のもち手ともち手が接触するのも、過度の過熱や火傷の危険があるため、避ける
べきです。
電気安全性に関する注意事項(p.80-81)
-
-
調理器は、設置マニュアルと使用規約に従って、正しくアースしてください。電気
回路を保護するためのケーブルとは別に、アースを設置してください。この二重の
安全措置は、誘導電流から起きる危険から守るために規定されています。
アースは使用前に、調理器を設置した会社にテストしてもらってください。
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『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
最適な調理テクニックに関する注意事項(p.81)
-
鍋は IH 調理器用のものであること。
鍋の大きさは、コンロの大きさにあっていること。
鍋は出来る限りコンロの中央に置くこと。
直径 12cm 以下の小さな鍋は使用しないこと。これによって、鍋に入れたままの金
属のスプーンなどが加熱され、それがもとで火傷が生じるのを防ぎます。
鍋のもち手が、コンロの上にならないようにすること。コンロの真上にあると、加
熱され、火傷の原因になります。
強い磁場を避けるため、強い火力を使うものは後方のコンロで調理すること。そし
て、弱火から中火のものだけを、手前のコンロで調理すること。
空焚きは決してしないこと(鍋とコンロが破損します)。
壊れている鍋(底がでこぼこのものなど)は、使用しないこと。このような鍋を使
用すると、強い磁場が発生します。
(以上)
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『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
報告書『業務用IH調理器による磁場の照射』
目次
スイス連邦政府機関が 2011 年 11 月 8 日に公表した、業務用電磁調理器からの磁界ばく露に関する研究結果
報告(全 93 ページ)
Magnetfeld-Expositionen durch professionelle Induktionskochherde – Gesundheitsschutz am Arbeitsplatz
(著者 René Guldimann1 及び Martin Meier )
http://www.news.admin.ch/NSBSubscriber/message/attachments/25627.pdf
1.
1.1
1.2
1.3
1.3.1
1.3.2
1.3.3
序章
IH調理器:磁場で調理
レストラン業界におけるIH調理
磁場による負担とIHコンロからの誘導電流Ableitströme
漂遊電磁界(Magnetische Streufelder, stray field)とコイル・システム
誘導電流と逆調整電流?(Ausgleichsströme, equalization current)
逆調整電流による溶接部分の発生
2.
なぜ職業でIH調理システムを使う人々の健康への負担を調査するのか?
3.
3.1
3.2
3.3
交流磁場の健康への影響
中周波磁場による急性の健康への影響
医療インプラント(ペースメーカーなど)の故障による間接的な健康への影響
中周波磁場による長期的な健康への影響
4.
制限値と法的決定
4.1
ICNIRP98の原稿の推奨制限値
4.2
推奨制限値ICNIRP(2010)
4.3
スイスにおけるEMF制限値と法的決定
4.3.1 職場での制限値
4.3.2 AIMD:ノルムと許容されているピーク磁場の強さ
4.3.3 妊婦のための決定事項と原則
4.4
職業用ICH調理器用のノルム
4.4.1 ノルムSN EN 50499(職業用IH調理器に適用可能)
4.4.2 その他のノルム(職業用IH調理器に適用不可)
4.5
機器と職場におけるEMFを管理する所轄の機関
4.5.1 機器からのEMF
4.5.2 職場におけるEMF
4.5.3 母性保護(妊娠中や産後の職業女性に対する法律上の保護措置。ドイツでは予定日の2ヶ月前か
ら出産から6週間後まで)とEMF
4.5.4 職業用ICH調理器:法律―官庁―管轄領域
4.6
労働基準に従った調理場における人間工学的な最低限の要求
方法と評価
5.1
測定コンセプト
5.2
測定機器
5.3
調査対象のICH調理器
5.4
評価と測定データ
5.5
測定不確定性と磁場測定
6.
6.1
6.2
6.3
6.4
IH調理器の磁場測定結果
IH調理器による磁場の負担、その値の制限値との比較
磁場の曝露:ゾーン測定の概要
磁場の曝露:距離によって測定
磁場の曝露: 磁場の強度を推定するための近似式
15
『市民研通信』 第 12 号
通巻 140 号 2012 年 6 月
6.5
6.6
6.7
磁場の曝露:コンロ上の鍋(フライパン)の位置と鍋(フライパン)の種類
磁場の曝露:火の強さ
磁場の曝露:ペースメーカーへの影響
7.
7.1
7.2
調理場で労働するときの立ち位置の測定
行動分析の説明
行動分析の結果
8.
8.1
8.2
8.3
8.3.1
8.3.2
8.4
8.4.1
8.4.2
コンピュータを利用した、IH調理器を使用したときに体内に生じる電流(誘導電流)の
シミュレーション
序章と課題
妊婦でないヒトの体内に生じる電流と、生殖腺近辺に生じる電流
妊娠している調理師の体内に生じる電流
職場における基準値との比較(ICNIRP98 Occupational)
一般人用の基準値との比較(ICNIRP98 General Public)
母体内の胎児の体内に生じる電流
母体内の胎児の成長に関するまえがき
結果:胎児にかかる磁場の負担
9.
9.1
9.2
IH調理器を使う場合の磁場からの防護
防護の可能性
IH調理器近辺の低周波磁場を低減した結果
10.
10.1
10.2
10.2.1
10.2.2
10.2.3
10.2.4
10.2.5
10.3
ディスカッションと結論
IH調理におけるEMFの負担
IH調理器に対して特に要求すべき事項
IH調理には専用の鍋(フライパン)が必要
防護:推奨
IH調理器から生じる誘導電流
静電気のチャージ(静電気がたまってしまうこと)
操作マニュアル:安全と使用に関する情報
ノルムSN EN 62233 および IEC 62233に対する備考
11.
11.1
11.2
11.2.1
11.2.2
11.3
11.3.1
11.3.2
11.4
11.4.1
11.4.2
IH調理器に関する対処法
所轄の機関:どこが何を担当しているか
所轄の機関:どの機関何を実施するか
母体保護に関する規定と法的基盤
情報(リーフレットなど)
技術スタンダード:技術の現状
IH調理器のメーカーおよび販売店への対策
新しく推奨された測定方法
レストラン業界の雇用主に対する対策
一般義務
母体保護
参考文献
付録1 IH調理器のゾーン・プロット(コンロの端までの距離0/30cm)
付録2
コンロの上の鍋(フライパン)の位置
16
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