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留学生レポート
留学生レポート イギリス/ロンドン大学アジア・アフリカ研究院 岩田茉莉奈(社会学部 4 年) 平成22年9月27日から平成23年6月19日迄の9ヶ月間、派遣生としてイギリスのロン ドン大学アジア・アフリカ研究院に留学をさせて頂いていた、社会学部4年の岩田茉莉奈と申しま す。如水会や国際課の方々を始めとして、留学前・留学中にご支援を頂いていた全ての皆様に向 けて、感謝の気持を込めながら、イギリス生活の総括とご報告をここにさせて頂きたいと思いま す。 派遣先はこんな大学です ロンドン大学アジア・アフリカ研究院(以下SOAS)は、イギリスで唯一地域研究に特化し た学校です(冠についている「ロンドン大学」は連合の総称で、SOASはその一部)。アジア・アフリ カ・中近東における教育・研究機関としては世界最大で、100万冊以上を誇る図書館は学生だけ でなく外部の研究者にも利用されています。またマルチカルチャーなロンドンという都市の中心部 に位置するうえに(大英博物館はご近所)、半数近くが留学生なので、キャンパスはまさに世界の 縮図です。教授や学生は政治的にアクティブな方が多く、世界のメインストリームに批判的視点・ 思考をもつ傾向は授業にも反映されています。1年通えば校内でデモやストライキが起こっていて もさほど驚きはしなくなるような、非常に刺激的な環境です。 こんな授業を取っていました 本学で所属する児玉谷ゼミにて学んでいるアフリカの地域研究・地域開発について理解 を深めるべく、SOASでは①世界トップレベルの環境で開発学を学ぶ、②アフリカの文化に深く触 れる、③世界中から集まる優秀な学生たちと議論を交わす、ことを目標にしました。上記の目標を 達成するために以下の4つの授業を受講しました。 Development Conditions and Experience(開発学科1年生必修。リレー方式で毎週講師を招き、 様々な角度から開発学について学ぶ授業。) Culture of Africa(アフリカ言語文化学科生必修。アフリカ文化について学ぶ授業。) Swahili(アフリカ東部で話されているスワヒリ語の語学授業。先生はケニアとタンザニア出身の3 人で、講義・リスニング・スピーキングの3部構成。) International Marketing(金融・経営学科2年生必修。グローバルを舞台にしたマーケティングにつ いて学ぶ授業。日系企業も多く紹介される。) 授業によって雰囲気は異なりましたが、どれも以前とは全く違う視点を取り入れることができた、 非常に貴重な学習経験でした。 寮での楽しい生活 私が住んでいたのは、メインキャンパスから徒歩30分ほどのところにある大学寮でした。 ハリーポッターの舞台として有名なキングスクロス駅が最寄りであり、休日は徒歩で観光スポット 巡り(ロンドナーはよく歩きます)、と立地条件としては非常に恵まれたものでした。寮のシステムと しては1つのキッチンを数人で共有するというもので、私のフラットメイト(イギリスではアパートの ような住居単位をフラットと呼びます)には、イギリス人・スコットランド人・アメリカ人・フィリピン人・ 韓国人・香港人がいました。他人、もしてや国籍が違う人々と同居するのは初めての経験でした が、人に恵まれ、留学生活中の楽しい思い出の大半は寮で出来たものとなりました。 メディア機関でのインターン 大学や寮での生活以外では、縁あって日本のテレビ局の支局で数ヶ月インターンをさせ て頂きました。外国人に英語相手でビジネスをしたり、取材に同行して一般では入られないような 現場に連れてって頂いたり、イギリスの公共放送局(BBC)のラジオに出演させて頂いたり、貴重 な経験をたくさんすることができました。「ロンドンでしか出来ないことをいっぱいする!」という思い が強かった自分にとっては最高の環境でしたし、最新の情報が集まるメディアの現場では世界の 動きをより身近に感じることが出来ました。 アフリカへの旅行 冬休みと春休みを利用して、2度アフリカ大陸に旅行をしました。1度目は北部のモロッ コ・チュニジア・エジプト、2度目は東部のケニア・タンザニアを訪れました。日本からでは物理的・ 金銭的に難しかったためになかなか行けなかった、アフリカ。本やテレビを通じてしか知りえなか った光景が目前に広がったときの感動は、二度と忘れられません。現地で良くしてもらった人々と は今でも連絡を取り合う関係です。このように、旅行も留学生活の大きな醍醐味でした。 最後に…ありがとうございました 至らない部分は多々ありましたが、このようにして振り返ると自分なりに非常に有意義で 実りの多いイギリス生活でした。途中、ロンドン特有のどんよりと続く冬の気候に悩まされ、身体 的・精神的にうまく自分をコントロールできずに苦しい思いをすることもありました。住みなれた土 地で、何も言わずとも手を差し伸べてくれる人々に囲まれてぬくぬく生活してきた自分にとって、今 回の留学は「自分の弱さと向き合う」ための試練でもあったように思います。とは言え、自分ひとり で切り抜けたわけでは到底なく、周りの方々の暖かいお力添えに何度も助けられた結果です。 末筆ではありますが、この度留学をご支援して頂いた如水会の皆様、明治産業株式会 社様、明産株式会社様、伊藤様をはじめとした国際課の皆様、そしていつも暖かく見守ってくれる 両親に心より感謝の気持をお伝えしたいと思います。帰国した今後も本制度のOGとして恥ずかし くないよう、より一層精進して、いい人間になりたいと思います。本当にありがとうございました。 SOASの正面玄関(ごく自然に民族衣装を着ている学生) 息を飲んだアフリカの大地(ケニア) フラットメイトたち(みんなお寿司が大好き) (2011/9/1)