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株式市場が大幅下落しても中国の投資テーマは健在
MOBIUS BLOG 新興国市場をめぐる冒険の旅 情報提供資料 株式市場が大幅下落しても中国の投資テーマは健在 マーク・モビアス, Ph.D. エグゼクティブ・チェアマン、 テンプルトン・エマージング・ マーケッツ・グループ 2015年7月9日 6ヵ月ほど前は、上昇を続けていた中国市場に関する質問を受けました。当時、上昇相場が 継続する様相を示すなか、個人的には大きな調整局面に陥る可能性もあるものの、短期間 の調整は我々の長期的な投資テーマにとって大きな懸念材料にはならないと考えていました。 6月半ば以降、中国の株式市場は上海総合指数(A株)が約30%下落し、香港のハンセン指数 (H株)は5月の高値から約20%下落1しています。それでは、この調整局面はどのくらいの期間 続くのでしょうか?現在、市場が抱える不透明性を勘案すると、個人的には次に何が起こる かは予測できませんが、その一方で、テンプルトン・エマージング株式グループは、中国株式 市場は投げ売りに近い状態で下落する可能性が高いものの、長期的にみると同市場への投 資は、引き続き魅力的なテーマであると考えています。 急落の要因 個人的には、3つの要因が今回の中国株式市場における一連の混乱につながったと考えま す。まず、昨年市場が急上昇し、多くの銘柄が割高な水準となったことから、一部の投資家が 利益確定売りをしたという点が挙げられます。2番目は、多数の新規株式公開(IPO)が実施さ れ、大きな人気を集めた結果、多くの投資家の利益につながったという点です。なかには、公 募価格から40%上昇したケースもあり、さらに巨大なIPOの流れを生みました(IPOが実施され ると、他の市場からの資金がそこに集中します)。3番目の要因としては、昨年終わりに開始さ れた上海と香港の株式市場の相互接続が挙げられます。これは中国本土と香港の市場間の クロスボーダーな資金の流れを可能にしました。接続当初は、資金が上海に流れる一方で、 中国本土の投資家は香港市場に積極的な投資を行わなかったことから、両市場のパフォー マンスと資金の流れに大きな差が生じるという問題がみられました。 個人的には、最近の中国株式市場の大幅下落は、基本的には過度のユーフォリア(熱狂的 陶酔感)とその後の正常な調整局面の結果であると考えます。 後掲の「当資料のお取扱いにおけるご注意」を必ずご覧下さい。 Copyright ©2015 Franklin Templeton Investments. All Rights Reserved. (続く) FRANKLIN TEMPLETON INVESTMENTS 情報提供資料 2 (続き) 中国政府はしばらく前から株価上昇に懸念を抱いており、一部の市場参加者の間で信用取引や借入資金によ る取引が増加するなか、レバレッジの規制や管理を試みてきました。株式市場は上昇から大幅下落に転じまし た。ここ数日、政府は市場の安定化を図る動きに転じ、5%以上の株式を保有する株主に対する6ヵ月間の売却 禁止や中国大手証券会社による協調下支えを目的とした大量資金投入、IPO中止などによって下落を食い止め ようと試みてきましたが、逆効果になっていると考えられます。一連の努力は投資家に信頼感を植え付けるには 至っておらず、今週は株式市場の下落が続くにつれて、市場で取引されていた多くの株式が取引停止になりま した。 政府の動きはさらに不透明感と不安をもたらしました。なぜなら、多くの投資家は、政府が市場でこのような手段 を講じているのであれば、きわめて深刻な状況にあるのは確実であり、中国株を売却した方がよいと判断したと みられるためです。個人的には、おそらく政府は追加介入せずに、初期の市場下落をそのまま容認すべきだっ たと考えます。政府による介入が下落を加速させた可能性があります。 また、ギリシャ情勢が中国の市場センチメントに及ぼした悪影響も同様に重要であると考えます。なぜなら、当 然のことですが、現地の投資家は世界で何が起きているかを知っており、海外投資を手掛ける向きはギリシャ 問題で明らかに神経質になっていました。この結果、多くの投資家は何らかの行動を取ることを躊躇しています。 つまり、混乱が収まるまで動きを止め、様子見に徹しています。残念なことに、様子見の期間が長すぎて、市場 の機会を逃してしまうというケースも頻繁にみられます。現在の悲観的な市場の雰囲気に引き込まれないよう気 をつけなければなりません。 我々の戦略: バリュー投資の機会を待つ 我々はすでに中国に投資を行っていますが、その一方で、株価がさらに長期的な投資機会を追求できる魅力的 な水準になるまで待つという戦略を取っています。一部の株式はこうした水準が近いと考えられますが、おそらく 市場はまだ底を打っていないでしょう。これまでの調査に基づくと、幸いなことに、この種の弱気相場(私は今回 は弱気相場だと考えます)は短期間で終了する傾向にあります。つまり、長期に渡って継続することはなく、回 復に転じた場合の上昇幅も大きい場合が多いといえます。 個人的にはおそらく中国株は投げ売りの状態に近づいていると考えます。ただ少なくとも、すぐに短期的な反発 が予想されます。その時には、これまで取引を手控えていた投資家の多くがこの機会を利用して売却に動く可 能性があります。その後はバリュエーションに問題がなければ、市場が回復に転じるまで様子見が続く可能性 が高いとみています。 中国に関する投資テーマは引き続き健在であると考えます。中国は順調なペースで成長を続けており、長期に 渡って投資を継続したいと考える重要なグローバル市場の1つと考えます。中国の経済成長がかつての10%超 から減速していることは理解しています。それでも急成長を続ける大規模経済であるという点に変わりはなく、 中国株に投資するメリットを確信しています。そして中国株により安い水準で投資することができれば、さらに好 都合と考えます。 注:1 出所:ブルームバーグ(2015年7月8日現在)。株価指数は運用されておらず、直接投資することはできません。 (続く) 後掲の「当資料のお取扱いにおけるご注意」を必ずご覧下さい。 Copyright ©2015 Franklin Templeton Investments. All Rights Reserved. 情報提供資料 FRANKLIN TEMPLETON INVESTMENTS 3 当資料に言及されるコメント、意見、分析は情報提供のみを目的としており、投資助言や特定の証券、運用戦略を 推奨するものではありません。市場や経済環境は急速に変動することがあることから、運用担当者のコメント、見解、 分析はあくまでも当資料の作成時点におけるものであり、その内容は予告なく変更されることがあります。当資料の 内容は特定の国、地域、市場、産業、投資および戦略の重要な事実についての完全な分析を意図するものではあ りません。 すべての投資にはリスクがあり、元本を割り込むことがあります。外国の資産への投資は、為替の変動や政治、経 済情勢の不確実性などに起因する特殊なリスクを伴います。また、これらの要因に加え、フロンティア市場を含む新 興国市場は、市場規模が小さいことや、流動性の低さ、また金融市場の支えとなる法的、政治的、商業的、また社 会的な体制の整備が不十分であることなどから、より高いリスクを伴います。また、フロンティア市場は、これらの社 会制度の整備で更に後れを取っており、極端な価格変動、流動性、証券取引の障壁、為替管理など様々な要因が 存在することから、新興国市場のリスクは、フロンティア市場においてより高いものとなります。為替は短期間にお いて著しく変動し、リターンを低下させる可能性があります。 当資料は、Mark Mobiusのブログ(Investment Adventures in Emerging Markets)の「Story of China Still Intact Despite Market Downturn」を翻訳したものです。オリジナル英語版は http://mobius.blog.franklintempleton.com/2015/07/09/story-of-china-still-intact-despite-market-downturn/ でご覧いただけます。 <当資料のお取扱いにおけるご注意> ●当資料はフランクリン テンプルトン インベストメンツ(フランクリン・テンプルトン・リソーシズ・インクとその 傘下の関連会社を含みます。)が作成したものを、フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ株式会社 が抜粋・翻訳した資料であり、特定のファンドの勧誘を目的とするものではありません。 ●フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ株式会社が設定・運用する投資信託は、国内外の株式や債 券など値動きのある金融商品等に投資します(外貨建資産には為替変動リスクもあります。)ので、基準 価額が変動し、投資元本を割り込むことがあります。従って、元金が保証されているものではありません。 投資信託の運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属します。投資信託は預貯金とは異なります。 また、投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、各ファン ドの最新の投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。 ●当資料は信頼できると判断した情報に基づいて作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するも のではありません。当資料に記載されている予測、見通し、見解のいずれも実現される保証はありませ ん。当資料の内容、データ等は作成時点のものであり、今後予告なく変更されることがあります。 ●当資料にかかわる著作権その他の一切の権利は引用部分を除き当社に帰属します。当資料の一部又 は全部の無断での使用・複製は固くお断りします。 フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第391号 加入協会/ 一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 Copyright ©2015 Franklin Templeton Investments. All Rights Reserved.