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原油価格下落とその影響 - フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ

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原油価格下落とその影響 - フランクリン・テンプルトン・インベストメンツ
Beyond Bulls & Bears
情報提供資料
2015年 投資環境見通し:原油価格下落とその影響
Norman J. Boersma, CFA
チーフ・インベストメント・オフィサー
テンプルトン グローバル株式
グループ
2015年1月13日
Cindy L. Sweeting, CFA
ポートフォリオ・マネジメント責任者
テンプルトン グローバル株式
グループ
原油価格下落は2015年初めも引き続き注目を集めており、経済、投資への影響に関して
様々な憶測が飛び交っています。テンプルトン グローバル株式グループの3人の専門家、
Norm Boersma、Cindy Sweeting、Heather Arnold が同問題に関する我々の見方を説明しま
す。
何が起きているのか?
Heather Arnold, CFA
リサーチ責任者、
ポートフォリオ・マネージャー、
リサーチ・アナリスト
テンプルトン グローバル株式
グループ
世界の原油市場は需給不均衡の状態にあります。これは北米のシェールオイルによって供
給が増加する一方で、欧州、中国その他の新興国の需要が落ち込んでいるためです。原油
価格の下落圧力に拍車をかけているのがサウジアラビアをはじめとする石油輸出国機構
(OPEC)の姿勢の転換です。サウジアラビアは、もはや進んでスイングプロデューサー(調整
弁)や価格安定の事実上の担い手としての役目を果たしていないとみられます。同国の政策
担当者は一定の供給量を維持し、価格変動を受け入れるという状況に甘んじたうえで、高コ
ストの石油生産会社に圧力をかけ生産能力削減に追い込もうとしているのは明白です。
供給サイドに関しては、原油生産の伸びは鈍化に転じていますが、プラスを維持しています。
これまでに総合石油会社は2015年に約15~20%、探鉱・生産会社(E&P)は20~30%の設備
投資削減を示唆しています。米国のシェールオイル生産は、短期的には引き続き増加する見
通しですが、高水準の自然減少率 (つまり油田からの産出量は何もしなければ自然に減少す
ることを意味します)と投資削減によって、今後の予想は引き下げられる見通しです。原油市
場が均衡点に達しない場合には、OPECが減産と供給正常化に踏み切る可能性が依然、残
ります。OPECは2015年6月に次回の定例総会を予定していますが、状況によっては前倒し
される可能性もあります。
(続く)
後掲の「当資料のお取扱いにおけるご注意」を必ずご覧下さい。
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(続き)
需要サイドに関しては、非OECD諸国では引き続き増加が予想されます。主に中国とインドの輸送用燃料の増加が
牽引役を果たす見通しです。また、短期的には原油安は米国を中心とする世界的な需要拡大につながり、市場均
衡を後押しする可能性があります。長期的には、燃料効率基準やその他の資源保護/代替エネルギーのイニシア
ティブが原油需要の緩やかな後退につながることが予想されます。ただ、従来型エネルギー価格の下落によって、
需要後退ペースが鈍化する可能性もあります。また、ここ数年、原油市場において金融機関等の参加者が存在感
を増しており、これが今後も引き続き短期的な価格変動に寄与する可能性は高いと考えられます。
何が起こる可能性があるか?
供給サイドに関しては、世界の原油生産に影響を及ぼす可能性がある展開が数多く見受けられます。イランと米国
の核協議の結果、イランに対する経済制裁が解除されれば、大量のイラン産原油が世界市場に流入する可能性が
あります。イラクは、1日当たりの原油生産量を大幅に引き上げるという目標を表明してきましたが、同地域で現在
の紛争が沈静化しない限り、目標達成は難しいかもしれません。米国では、エネルギー価格の下落と同等にシェー
ルオイルの生産コストが低下を続ければ、シェールオイルの生産は高止まりする可能性もあります。また、ほかにも
独自にシェールオイル計画を展開する国が出現するかもしれません。ただ、現在の価格水準では、採算は厳しいこ
とから実現の可能性は低いと考えられます。
一方、軍事衝突、テロ攻撃、ひいてはOPECの想定外の戦略転換に至るまで様々な不測の出来事が発生する可能
性も排除できません。いずれも世界の原油市場に供給面で大きなショックを与える可能性があります。
投資に対する影響は?
ファンダメンタル分析による慎重なアプローチに従って、得られるすべての情報を検討した結果、我々はOPECが市
場シェアと現在の目標生産量を維持するという見方を掲げています。供給の伸びは市場原理により抑制され、需要
は徐々に回復に転じる見通しで、原油市場は中期的には均衡を取り戻すことが予想されます。減産を見送るなどし
たOPECの抵抗は、供給の伸びの大半が北米のシェールオイルによって占められている可能性が高いことを意味
しています。金融市場がこの点を認識するようになるにつれて、米国の石油サービス会社に悪影響が及んでいます
が、この市場においては供給の柔軟性が非常に高いという点を思い出すことが重要です。
北米の原油掘削装置(リグ)の稼働数は急減する可能性がある一方で、同様に急回復する可能性もあります。我々
はコモディティ価格の明確な予想をするのではなく、原油価格の幅広い予想シナリオを用いて、エネルギー銘柄に
対して「正常な」条件のもと手堅い分析を試みます。ただ、過去の例や現状の利益を踏まえると、原油価格は、最終
的に投資継続を促す水準を回復することが予想されます。一部のE&Pや総合石油会社にとって、長期的には有利
な状況になると考えられます。
我々の分析では、エネルギーが世界で最も割安なセクターの1つであり、我々の保有銘柄の多くのバリュエーション
が過去最低水準に近いことを示しています。市場センチメントの冷え込みによって短期的には引き続き変動がみら
れますが、その一方で、現在の環境は、我々が長期的な利益や成長機会を見込む銘柄を大幅に割安な価格で購
入する絶好のチャンスと考えられます。テンプルトンの創始者、故Sir ジョン・テンプルトンは「他者が失望売りする
際に買い、熱狂的に買い進めるなかで売るためには、強靭な精神力が必要だが、最大の報酬をもたらす」と語って
います。
(続く)
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(続き)
当資料に言及されるコメント、意見、分析は情報提供のみを目的としており、投資助言や特定の証券、運用戦略を
推奨するものではありません。市場や経済環境は急速に変動することがあることから、運用担当者のコメント、見解、
分析はあくまでも当資料の作成時点におけるものであり、その内容は予告なく変更されることがあります。当資料の
内容は特定の国、地域、市場、産業、投資および戦略の重要な事実についての完全な分析を意図するものではあ
りません。
すべての投資にはリスクがあり、元本を割り込むことがあります。外国の資産への投資は、為替の変動や政治、経
済情勢の不確実性などに起因する特殊なリスクを伴います。また、これらの要因に加え、フロンティア市場を含む新
興国市場は、市場規模が小さいことや、流動性の低さ、また金融市場の支えとなる法的、政治的、商業的、また社
会的な体制の整備が不十分であることなどから、より高いリスクを伴います。また、フロンティア市場は、これらの社
会制度の整備で更に後れを取っており、極端な価格変動、流動性、証券取引の障壁、為替管理など様々な要因が
存在することから、新興国市場のリスクは、フロンティア市場においてより高いものとなります。為替は短期間にお
いて著しく変動し、リターンを低下させる可能性があります。
当資料は、Franklin Templeton Investmentsのブログ(Beyond Bulls & Bears)の「2015 Investment Outlook: Oil Price
Declines and Implications」を翻訳したものです。
オリジナル英語版は
http://global.beyondbullsandbears.com/2015/01/13/2015-investment-outlook-oil-price-declines-implications/
でご覧いただけます。
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●当資料はフランクリン テンプルトン インベストメンツ(フランクリン・テンプルトン・リソーシズ・インクとその
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が抜粋・翻訳した資料であり、特定のファンドの勧誘を目的とするものではありません。
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