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ミール・ソリューション ロイヤルティ・マーケティング 半年のまとめ+α Ⅲ.ミール・ソリ
1 米国食品小売業界における 競争対応のための4大テーマ 他業態 ECR(効率的消費者対応) カテゴリー・マネジメント ミール・ソリューション 同業者 外食 ロイヤルティ・ マーケティング FMI(米国食品マーケティング協会) でのこの10年間の主要トピックス 小売経営論 経営戦略(2) ミール・ソリューション ロイヤルティ・マーケティング 半年のまとめ+α 3 Ⅲ.ミール・ソリューション 背景:社会環境の変化と消費者ニーズの変化・ 多様化 RTE Ready to Eat 食べられる状態にある RTH Ready to Heat 温めれば食べられる状態にある RTC Ready to Cook 料理できる状態にある Ready to Prepare RTP 料理のための食材が用意 されている状態にある 1 8 外食比率の増加 消費者の支出の割合の変化 100% 90% 外食 80% 70% 60% 50% 食品小売 40% 30% 20% 10% 0% 1972 1977 1987 1992 1996 日本の外食比率は15.9% 9 ミール・ソリューションと ホーム・ミール・リプレースメント ミール・ソリューション 来店客が抱える食事に関する諸問題を解決 できるよう、カテゴリーの括りや、品揃え、レイ アウト、店内表示、メニュー提案等の施策を 食品小売業者が行うこと ホーム・ミール・リプレースメント フォーマルな外食ではなく、またジャンク・ フードでもない、「家庭で作る食事」と代替で きるメニューの提供という、外食産業におけ るコンセプト 10 ミール・ソリューションの位置づけ 顧客のニーズに適合するよう、カテゴリーの括 りとレイアウトを変更し、総菜のMDを強化 つまり、カテゴリー・マネジメントの一形態 全てのチェーンがミール・ソリューション対応を 行っているわけではない 主要顧客層がミドル・クラス以下のチェーンでは、 全くミール・ソリューション対応を行わずに、 Hi-Loを主要な戦術としているところもある 2 11 ミール・ソリューションの効果 テイクアウト食品の購入先 ファースト・フード店 スーパーマーケット レストラン デリ、ピザ、サンドイッチ、 コーヒーショップ等 グルメ・スペシャルティ・ストア コンビニ 1996 その他 1997 買わない 不明 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50% 14 Ⅳ.ロイヤルティ・マーケティング マス→マイクロは80年代以降のマーケティングの大き な流れ 顧客満足(CS)向上ブーム データベース・マーケティング ワン・トゥ・ワン(個別対応)マーケティング リテンション(囲い込み)・マーケティング リレーションシップ(関係性構築)・マーケティング ロイヤルティ・マーケティング 市場の拡大が停滞している環境下での競争戦略 売上拡大指向から利益指向、顧客指向へ 既存顧客がもたらす売上 その際、 新規顧客がもたらす売上 新規顧客獲得コスト < 既存顧客維持コスト 15 営業収益の構造 客単価 購買個数 延べ客数 営業収益 商品単価 商圏人口 来店確率 来店者の購買確率 購買者の利用頻度 3 18 20/80の法則 「20%の顧客が売上(利益)の 80%を占める」という経験則 その合理的説明 客単価の異質性 優良顧客の存在 19 米国食品小売業の競争対応 実施している比率 生鮮の品揃え強化 個店の品揃えをそれぞれの商圏に適合させる 総菜の品揃えの追加 PBの品揃えのさらなる強化 主要顧客層に焦点を当てる フリークエント・ショッパー・プログラム 新店・改装での新しい店舗フォーマットの開発 低価格イメージに焦点を当てる グレードの異なったPB商品の開発 ドライクリーニングやDPE等の新サービスを提供 ホームショッピングや配達サービス 0% 20% 40% 60% 80% 100% 1997年FMI調査 20 米国でのFSP 日本のポイント・カード・ブームは 米国でのFSPの普及の影響 そのルーツは航空会社のマイレッジ・プログラム つまりポイントによる顧客の囲い込み しかし米国のFSPでより注目すべきは 「お客様は同じではない」という点を発見し、プログラム開発 の基礎にしていること チラシや他の広告との原資のトレードオフ 4 21 米国での導入実態 45.6%の小売業がFSPに基づくプロモーションを行っ ている。 このうち56.4%が「非常にうまく行っている」と回答して いる (Supermarket News 97年4月調査) FMIの調査 全米売上の25.8%がFSPとして捕捉されている。 顧客のロイヤルティの改善効果 11% 店舗宣伝広告費削減効果 10∼20% 市場シェアの改善効果 7%(最大) 22 米国での事例 Green Hills Farms (Syracuse, N.Y.) 累積利用額により5%∼20%まで4段階の割引 割引率は日々アップデートされ、DMと店内端末で確認 新規メンバーへの利用促進インセンティブ メンバー指定の学校や教会へ売上高の1%を寄付 25,000枚以上のカードを発行し、13,000枚がアクティブ 売上の85%以上、トランザクションの70%以上を 捕捉 23 「お客様は同じではない」 店にとって利益になるお客様もいるが、 そうでないお客様(チェリーピッカー)もいる 従来のチラシはチェリーピッカーを集客するために 資源を投入していたのではないか? ポイント・カードは、店にとって利益になるお客様にそ の分の経営資源を配分し、よりロイヤルティの高いお 客様になっていただくための手段 5 25 ポイント・カード ブーム (例)神奈川県内でのポイントカード実施 状況 チェーン名 店舗数 名称 特典 小田急OX 20 謝恩サービスカード 1000円毎にシール1枚 10枚で10%引き 三和 34 三和ポイントカード Aコープ神奈川 1000円以上でポイントが付く。 何点までで 19 メンバーシップカード も貯められる たまや 8 アップルカード すえひろ 20 スマイルカード 富士シティオ 42 不明 1000円毎にポイント 貯まると商品券(500 円)と引き替え 会員に入会しているか否かで売価が違う 1000円以上でポイントが付く。 何点までで も貯められる。 会員には特別お買い物デー がある 500円で1個スタンプがもらえる。富士シティ オ薬品部のみ 26 ポイント・カードの機能・利点 ポイントによる固定客化 増額ポイントセールによるプロモーション 固定客の単価増は期待できるが、非固定客の来店促進 効果は疑問 顧客データベースの構築と活用 顧客の識別とダイレクト・コミュニケーション(DM) 店舗別の来店状況の把握・管理 27 ポイント・プログラムの弱点 競合店もポイント・カードを始めれば差別 化手段にはならない ポイント・インフレーションの危険 ロイヤルティの対象はポイントか、店か? 優良顧客が誰かはわかった。では彼らに 何をすればよいのか? 小売業が本来お客様に対して果たすべき機能 の強化にどうつなげるか 6 28 FSPのメリット ポイントによるインセンティブ ロイヤル・カスタマーに直接コンタクトできる ロイヤル・カスタマーの固定化 DMによるターゲタブル・プロモーション 来店の少ない地域の把握とチラシ範囲の絞り込み チラシ(マス・プロモーション)・コストの削減 購買履歴・顧客属性の蓄積と活用 精度の高いマーチャンダイジング プロモーションの効率化 カテゴリー・マネジメントのための成果指標 29 購買履歴・顧客属性の蓄積と活用 精度の高いマーチャンダイジング 優良顧客の特定とアイテムの選定 広域集客に寄与するアイテム・カテゴリーの明確化 個々の商圏の世帯構成の把握とMD(品揃えの幅、サ イズ、フレーバー、アイテム)の適合 プロモーションの効率化 ロス・リーダー・アイテム/カテゴリーの効果検証 カテゴリー購買間隔の把握とSPスケジュール設定 同時購買分析(ショッピング・バスケット)によるクロスMD開発 30 顧客データ活用例 合計金額 金額ランク 最大値 平均値 世帯数 構成比 1 1,355,099 732,309 24 1.3% 2 598,576 386,165 438 24.4% 3 288,899 214,157 724 40.3% 4 148,785 84,402 611 34.0% 7 32 まとめ (小売)企業の第一義的な経営目標は、 利潤の追求である。その為には 営業収益の増加(より多く、より高く) 営業費用(原価、販管費)の削減 その他 その際、顧客満足や社会的責任を 犠牲にしてしまう場合がある 33 一方、外部環境が変化 異業種からの新規参入やグローバル化 による競争激化 独占禁止法など公正な競争を確保する 為の法的規制の強化 IT普及による、情報の透明性の向上 従って営業収益の増加の為には、 顧客満足の追求が必要 しかし当然、コストの増大は不可避 37 利潤追求(コスト削減)と 顧客満足を両立するには コスト支出に関する大胆な選択と集中 新技術を活用した新戦術 その為には データに依拠した客観的な効果測定 新しい知識や技術に対する貪欲な好奇 心 マーケティングに対する本質的理解 8