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Kozuka Gothic Pro AJ14 OpenType Medium Adobe Japan1 4

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第 5 章 生物の進化と系統
進化論
1.さまざまな進化論
用不用説…ラマルク「動物哲学」
よく使う器官は発達し,使わない器官は退化する.獲得形質は遺伝する.
※
獲得形質は遺伝しないので,この点については否定される.
自然選択説…ダーウィン「種の起源」
環境に適した形質をもつ個体のみが生き残って(適者生存)子孫を残
す.
突然変異説…ド=フリース
隔離説…ワグナー
地理的隔離
突然変異が進化の原動力
隔離によって種の分化が起こる.
土地の沈降や隆起によって,地理的な隔離が起こり,その土
地の環境に合わせた自然選択などにより,種の分化が起こる.
生殖的隔離
生殖器の構造や生殖時期の違いなどによって交配ができなく
なり,種分化が起こる.
総合進化説…突然変異によって生じた形質が,環境に対して有利であったとき,そ
の形質を持つ個体が生き残り,集団中に広がる.ここで隔離が起こる
ことで,種の分化が起こる.
中立説…木村資生
多くの突然変異は自然選択とは無関係(中立)である.
突然変異遺伝子が集団内に蓄積することによって(遺伝子頻度が高まる),
進化が起こる.
22
第 63 講 進化論
2.進化のしくみ
突然変異が起こる
↓
自然選択が起こる
↓
→
不利
=
絶滅
有利(または不利にはたらかない)
増殖・変異した遺伝子の頻度が高まる
↓
隔離などにより種の分化が起こる
23
第 5 章 生物の進化と系統
生物進化に関する次の設問に答えなさい.
問1
)に最も適切な語をそれぞれ以下の語群から 1 つ選び,文を完成
次の文章の(
しなさい.
生物の進化に関する考えを理論的に取り上げた初期の研究者である(
ア
)は,用
不用説とよばれる考え方を提唱したが,これにはキリンの首は高い所の葉を食べるよ
う努力したため長くなったとする例がよく挙げられる.また,ガラパゴス諸島のフィ
ンチが生活場所や餌によってクチバシの形の異なることに気づいた(
イ
「種の
)は,
起源」という本を著わし,ある環境における変異を持つ個体の集団では,生存に有利
な個体が生き残り,その形質が次世代に伝えられていくという(
そして,オオマツヨイグサを長年にわたって研究した(
ウ
a
)説を発表した.
)は,同一条件下でも多
くの変異体が現れ,その形質が遺伝することを発見し,生物の進化は突然変異によっ
て起こると考えた.
現代の動物種を見渡す時,他の地域ではあまり見られないいろいろな有袋類がオー
ストラリアで見られるが,このように限られた地域で,祖先の同じ動物が食物や生活
場所に適合するよう多くの種に進化していく現象は(
(
(
24
ア
)~(
ウ
b
)とよばれる.
)の語群
①
リンネ
②
メンデル
③
ワトソン
④
ド・フリース
⑤
ヘッケル
⑥
ラマルク
⑦
ダーウィン
⑧
シュライデン
⑨
シュペーマン
⑩
パスツール
a
)(
b
)の語群
①
食物選択
②
環境選択
③
進化発展
④
自然選択
⑤
選択遺伝
⑥
変異遺伝
⑦
生存競争
⑧
隔離進化
⑨
適応放散
⑩
地域進化
第 63 講 進化論
問2
次の文章のうち,正しいものは①,間違っているものは②をマークしなさい.
(1)
生物の進化は種々の事実から推定されてきたが,クルマエビとフジツボが発生
過程で似た幼生段階を示すことは,共通の祖先をもつことの証拠と言ってよい.
(2)
多くの動物の細胞が ATP を合成するミトコンドリアをもっていることは,共通
の祖先をもつことの証拠にはならない.
(3)
進化の基盤となる遺伝子の変化として DNA の塩基配列に注目すると,一般に
重要な機能をもつ遺伝子ほど変化の速度が速いと言える.
(4)
DNA の塩基配列におこる突然変異には,適応面で不利でも有利でもないもの
が多いが,このような変異は自然に淘汰されることはない.
(5)
特定の遺伝子に注目すると,DNA の塩基配列の変化は多くの生物で一定の割
合で起こっているので,このような変化は進化の時計として利用することができ
る.
25
第 5 章 生物の進化と系統
次の文章を読み,以下の問いに答えよ.
地球上には多様な生物がさまざまな場所に生息している.それぞれの生物は,その生息
環境で生き残り,子孫を残す上で都合の良い性質をもっている.これら適応的な性質は,
生物の進化の結果もたらされたものである.現在,進化のしくみについては,次の考えが
広く受け入れられている.生物では資源をめぐり個体間で(ア)が生じる.遺伝子に(イ)が生
じ,そのうち個体の生存力や繁殖力を高めるものがあると,その遺伝子タイプが時間とと
もに集団中に増えることになる.このような過程,すなわち(ウ)によって進化が起こる.
この理論の基礎は,
「種の起源」を著した(エ)により提唱された.また,高次の分類群の進
化と対比させて,このような進化は(オ)と呼ばれている.
問1
文章中の(ア)~(オ)に適切な語句や人名を入れよ.
問2
ラマルクの唱えた用不用説は,現在受け入れられていない.この説の問題点は何か,
10~30 字で具体的に述べよ.
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第 63 講 進化論
イギリスの博物学者ベイツは,1948 年から 10 年あまりの間アマゾン河流域を探検した.
この探検旅行中に,ベイツはたくさんのドクチョウ科のチョウを採集した.ドクチョウは
一般に黒地に赤色や黄色の混ざった派手な色彩をもつ.このように毒をもつ動物には色彩
が派手なものが多い.これを(
a
)色という.また捕食者にとって味のよいエサ動物が味
のまずいエサ動物に容姿を似せる現象を(
されにくい体色をもつ現象を(
c
b
)という.(
a
)色とは逆に,捕食者に発見
)色という.ベイツは,ドクチョウ科のチョウと思って
採集したチョウのなかに,やはり黒地に赤色や黄色の色彩をもつシロチョウ科のチョウが
しばしば混ざっているのに気づいた.鳥などの捕食者にとってドクチョウは毒作用を示す
のに対して,シロチョウはおいしいと考えられている.ベイツは,鳥にとっておいしいエ
サであるシロチョウは, ア 鳥が食べるのを嫌がるドクチョウに容姿を似せることで,鳥た
ちに食べられるのを避けていると考えた.
問1
文章中の(
a
)~(
c
)に適切な語句を入れよ.
問2
下線部アのように,シロチョウがドクチョウに容姿を似せるように進化した理由を,
「遺伝」,「変異」,「自然選択」という三つの言葉を使って 100 字以内で述べよ.
問3
もしアマゾン河流域でのチョウの主な捕食者が鳥であり,しかも鳥が赤色や黄色の
色彩を認知できないとすれば,この地域ではどのようなことが生じる可能性があるか.
次の(1)~(5)のうち予測されるものを二つ選び,番号で答えよ.
(1)
ドクチョウに色彩を似せるシロチョウの割合は増えない.
(2)
ドクチョウの個体数に比べてシロチョウの個体数の割合が高くなる.
(3)
鳥はシロチョウを食べなくなってしまう.
(4)
シロチョウのなかまで派手な色彩をもつものが多くなる.
(5)
シロチョウのなかにドクチョウのにおいや行動をまねる個体が現れる.
27
第 5 章 生物の進化と系統
問4
上の文章は,自然選択による進化で説明できる内容について述べたものである.次
の(1)~(7)のうち生物の進化を示すと考えられるものをすべて選び,番号で答えよ.
(1)
結核菌やブドウ状球菌に抗生物質を投与すると,耐性をもった個体が生き残り,
耐性菌が生じた.
(2)
飼育していたオオクワガタの幼虫がさなぎを経てついに成虫になった.
(3)
カモやガンのひなは,親鳥の後に従って後追い行動をする習性をもつ.
(4)
19 世紀後半のイギリスでは,工業化にともない黒色型のオオシモフリエダシ
ャクの個体頻度が増加した.
(5)
一度,赤い色彩の毒をもつチョウを食べた鳥は,二度と同じ色彩をもつチョウ
を食べなかった.
(6)
干ばつが続くと,フィンチ(ヒワの仲間)の集団の中で,大きな硬い種子を食べ
ることのできる太いくちばしをもった個体の割合が増えた.
(7)
28
両生類が,硬骨魚類のある仲間から誕生した.
第 63 講 進化論
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