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生物の進化

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生物の進化
生物の進化
進化のメカニズム
進化のメカニズム
• 生物が自然界で進化するメカニズムは、大き
く分けて、種分化と自然選択があります。
• 種分化:種が分化して複数種になる過程
• 自然選択:種や集団の個体の性質・形質が
変化する過程
種分化の契機には異所的と同所的がある
• 異所的種分化
• 海浸などによる陸地の分離や島嶼への分布
によって地理的に集団間の遺伝子交流が妨
げられる=地理的隔離
• 分離の時代的経過のときに集団間に差違が
生じる
• 差違が生殖的隔離を成立させると別種となる
異所的種分化のモデル
• 地理的隔離が集団の遺伝子交流を分断して
いる時代に両集団間に生殖隔離が成立する
と種分化するという説明図
生殖隔離(配偶前隔離)
• 空間的隔離:生息場所や繁殖集合地などが異な
る。
• 時間的隔離:繁殖季節や婚姻行動時間の違い
など時間的要素が交雑の障壁となる。
• 行動的隔離:婚姻行動や視覚、嗅覚、聴覚など
種の認識に関する特徴が異なる。
• 機械的隔離(構造的隔離):交尾器の形態の違
いなどによって交尾ができない。
• 配偶子不和合:たとえ交尾や放卵放精が別種間
で起きたとしても受精に至らない。
生殖隔離(配偶後隔離)
• 雑種奇形:別種が交雑して発生したとしても
奇形となって生存できない。
• 雑種不妊・不稔:別種が交雑して子が生育し
ても、子の生殖能力がない。
• 雑種弱勢:別種が交雑して子が生育しても、
子の生存能力が低い。
同所的種分化のモデル
• 選好する果実の種類が異なる集団が果実樹
林別に形成されると、選好果実集団間に生態
的隔離が生じるという説明図
サンザシに産卵していたショウジョウバエの1種
から栽培リンゴに産卵する集団が生じた
• サンザシを選好する集団と栽培リンゴを選好
する集団に関する写真
シクリッドの種分化
(マラウィ湖)
• マラウィ湖の湖底での生活タイプと種分化し
た集団の分岐関係を示した図
シクリッドの同所的種分化の説明
• 単調な湖底で隠れ場所や繁殖場所の選択に
違いが生じる。
• 同じハビタットの利用集団内で体の模様の選
択が特化する。
• 繁殖行動の違いが生殖隔離となる。
• ますます形態などの違いが大きくなる。
シクリッドの食性によるニッチ分離
• 藻類食や動物プランクトン食などの食性によ
る共存種の例
オオニジュウヤホシテントウの例
• ジャガイモ食の集団と野生のルイヨウボタン
食の集団
• ジャガイモ食の集団の親テントウムシはジャ
ガイモ葉に産卵
• ルイヨウボタン食集団の親テントウムシはル
イヨウボタンに産卵
• 産卵葉の探索の化学受容と葉上の交尾場所
が一緒であるので食草選択が生殖隔離とな
る。
自然選択
• 種あるいは種の地域個体群(集団)は、年代
を経ていく間に、形態的形質や生態的性質が
変化していく。
• 生存して子孫を残した個体の形質や性質が
後継世代に受け継がれる。→自然選択
• 個体群(集団)全体の形質や性質の頻度分
布は、年代の環境変化などによって変化して
いく。
自然選択の例
(オオシモフリエダシャクの工業黒化)
• 工業黒化のガの体色と背景のモデル絵
樹皮の地衣が死滅して
背景が黒くなったことで
コケ色個体が目立ち捕
食され、黒色個体が生
存するようになった。
自然選択の例
(ガラパゴスフィンチの種分化)
• 祖先種から分岐した複数のフィンチ類の絵
南米の祖先種がガラパ
ゴス諸島で多種に種分
化し、くちばしの形態や
サイズ、食性の異なる
共存種となった。
人為選択の例
(アブラナ科の1種から多品種の野菜)
• 祖先の野生種とキャベツ、芽キャベツ、コー
ルラビ、ケール、ブロッコリー、カリフラワーと
いった品種の関係を表す図
自然界で起きてきたこ
とと同様のことを、ヒト
は品種選抜してきた。
自然選択の方向性
• 選択による分布パタン変化の
モデル図がある
方向性選
択:新たな
適応値に分
布が移動
分断化選択:
集団内に2型
が存在
安定化選択:
平均的な個体
が優占する
自然選択には理
論的に3つのパタ
ンが考えられる。
自然選択の方向性(2)
• 方向性選択:環境変化に応じて、気候への適
応、食物への適応、天敵への対応などで、温
度適応、消化効率、走る能力などが変化する
場合。
• 安定化選択:婚姻で選択される特徴や保護
色など、特定の有利な形質が優占される。
• 分断化選択:異なる形質や性質が集団内に
存在することで集団が維持される。例:ESS
ESS(進化的安定戦略)
• 例えとして、喧嘩で決着をつけるタカ派個体と
儀礼で決着をつけるハト派個体を想定して、
決着で得る利得を50点、喧嘩で負ける損害
を-100点、儀礼の負荷を-10点、ハト派
はタカ派と対戦せずに負けるので0点とする
と、タカ派個体が7/12、ハト派個体が5/12で
集団内は安定する。
計算
• タカ派対タカ派 勝ち50点 負け―100点
平均―25点
• タカ派対ハト派 勝ちはタカ派50点、負けは
ハト派0点
• ハト派対ハト派 勝ち40点 負け―10点 平
均15点
• タカ派個体の割合をpとすると、
-25p+50(1-p)=0p+15(1-p) p=7/12
現存種の分布
• 自然選択によって適応的な形態や性質となっ
た種の個体群(集団)が存在し続けるとは限
らない。
• 気候変動や地域の生物群集の変化は、個体
群(集団)の絶滅をもたらしてきた。
• 種の個体群(集団)がすべて絶滅して、種が
絶滅する場合もあった。
陸上の動物の分布
• 旧北区:ユーラシア(アジア中北部・ヨーロッ
パ)とアフリカ大陸北部
• エチオピア区:アフリカ大陸中部・南部
• 東洋区:東南アジア
• オーストラリア区:オーストラリア、ニュージー
ランド、ニューギニア
• 新北区:北アメリカ
• 新熱帯区:南アメリカ
特徴的な動物相の地域
• マダガスカル:原猿類、カメレオンなど
• ニュージーランド:原始的な鳥類、ムカシトカ
ゲなど
• オーストラリア、ニューギニア:有袋類、単孔
類など
• 琉球列島:アマミノクロウサギ、ノグチゲラな
ど
• 日本列島:オオサンショウウオ、ムカシトンボ
など
分布と進化系統の関係
• 大きな大陸塊の形成や配置が系統群の分布
と密接に関係する。
• たとえば、トカゲ類のトカゲ科は全世界の熱
帯、温帯域の全体に分布するのに対して、形
態が相同的なカナヘビ科(アフリカ、ヨーロッ
パ、アジア)、テグー科(北アメリカ)、ピグミー
テグー科(南アメリカ)は、各系統が別分布と
なっている。
トカゲ科のトカゲ属
カナヘビ科のコモチカナヘビ属
カナヘビ科と系統的には分岐している
似た形態の北米、南米のグループ
• テグー科のハシリトカゲ属
• ピグミーテグー科のピグミーテグー属
分布と進化系統の関係
• さらにカナヘビ科は、アフリカ・ヨーロッパに分
布するホンカナヘビ属(Lacerta)などと東アジ
アに分布するカナヘビ属(Takydromus)がいる
が、その中でコモチカナヘビ属(Zootoca)のコ
モチカナヘビ(Zootoca vivipara)だけがヨー
ロッパからアジア(北海道の一部にも達する)
に分布する。
カナヘビ属のニホンカナヘビ
(Takydromus tachydromoides)
日本周辺の主な生物地理的境界
八田線
ブラキストン線
対馬線
渡瀬線
※
※
※
ミシシッピアカミミガメ
※
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※
○
○
○
○
ニホントカゲ 注1)
ヒガシニホントカゲ 注1)
△
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○
○
○
○
○
ツシマスベトカゲ
ニホンカナヘビ
○
アムールカナヘビ
○
コモチカナヘビ
○
○
○
シマヘビ
○
○
アオダイショウ
○
○
ジムグリ
○
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○
△
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○
ヒバカリ
△
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○
ヤマカガシ
△
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○
タカチホヘビ
シロマダラ
?
○
ツシママムシ
タンビマムシ
ヨーロッパクサリヘビ
○
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※
※
○
○
○
○
△
ニホンヤモリ
ニホンマムシ
中国東部
※
韓・朝鮮
九州
クサガメ
対馬
本州西部
○
奥尻
○
色丹
○
国後
※
択捉
イシガメ
サハリン
本州東部
天売・焼尻
利尻・礼文
北海道本島
ロシア極東
北海道に分布する種と関連する種の分布(爬虫類)
△は一部に分布、※は移入分布
○
○
△
○
△
○
△
△
○
○
○
○
○
注1:最近、本州の中間から東と西でヒガシニホントカゲとニホントカゲの別種とされた。
△
△
• 大陸東南部と本州の共通種 ニホンアカガエ
ル、(トノサマガエル)、(ツチガエル)、ヤマカ
ガシ、ヒバカリ、タカチホヘビ→ほとんどは北
海道に非分布
• 本州と北海道の共通種 ニホンアマガエル、
(ツチガエル)、ヒガシニホントカゲ、ニホンカ
ナヘビ、アオダイショウ、シマヘビ、ジムグリ、
シロマダラ、ニホンマムシ→爬虫類が多い
進化パタンの例を調べる
• Gallotia(カナヘビ科のトカゲ)の例
• ISLAND BIOGEOGRAPHY AND
EVOLUTION.docx
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