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第8号 - 静岡市
第8号 2009年 月末日発行 発行:静岡市こころの健康センター 〒422-8006 静岡県静岡市駿河区曲金三丁目1-30 Tel 054-285-0434 Fax 054-285-0404 http://www.city.shizuoka.jp/deps/kokoro/index.html 孤立させない、生きやすい社会を目指して 「静岡市自殺対策行動計画」ができました。 年間₃万人を超える自殺者。その数は交通事故死者の数倍にも上り、重大な社会問題となっています。 静岡市においても年間約150人が自ら命を絶っています。₂~₃日に₁人の割合で市民が自殺をして いるのです。 「自殺は、自由な意志による選択の結果だから防ぐことはできない。」と思っている人はいませんか? 自殺をする人は、さまざまな問題を抱えていて、それらを解決す ることができず、その結果、精神的に追い詰められ、相談し解決し ていく力を失い、死を選択せざるを得なくなる状態になることが 分かってきました。 そこで、 静岡市では、 行政だけでなく民間の関係機関団体も含めた 総合的な自殺対策を推し進めようと、 このほど「自殺対策行動計画」 を策定しました。計画では平成21年度から平成28年度までの₈年間 で、 自殺死亡率を20%減少させるという数値目標を定めています。ま た、₃つの基本認識を市民共通の認識としたうえで、₄つの基本方 針のもとに、重点施策を配し、その下に約90個の事業があります。 自殺に対する基本認識 基 本 方 針 1.自殺は追い込まれた末の死です 1.自殺についての市民の理解を深めます 2.自殺は防ぐことのできる死です 2.社会的な取組みで自殺の要因となる様々な問 3.自殺を考えている人は悩みを抱え込みながら もサインを発しています 題を解決します 3.自殺のリスクが高いうつ病等の精神疾患の早 期発見・早期対応の体制を整備します 4.自殺未遂者や自殺者家族に対する支援の充実 保健所精神保健福祉課 ☎054-249-3174 に努めます 自殺の現状と背景 ▶ 自殺の現状と背景 自殺者数が昨年も 3 万人台を超え、高水準が続いています。この背景には、不況の影響が大きいですが、 動機別にみると健康問題が半数を占めており、高齢者や病気や障害を抱える弱い立場の人にそのしわ寄せ がいっていることが考えられます。昨年は30歳代の増加がみられますが、こうした背景を分析するには、警 察庁による更に詳細なデータの公表を期待しております。 ▶ 今後の対策について 自殺対策基本法が制定されて 3 年になりますが、残念ながら成果が上がっていません。その原因として、 精神保健対策以外の取組が遅れていること、精神保健対策も部分的、一点突破的で総合的な対策になって いないことが挙げられます。 例えば、うつ病を精神科につなぐことができたとしても、最近増えている神経症性うつ病などの心因性 うつ病は薬もあまり効かず、 「心因」を解決するための精神療法やケースワークを現在のクリニックに期待 するのは難しいと思います。 うつ病に限らず、すべてのこころの病と不健康に対して、十分な保健、医療、福祉対策がなされなけれ ばなりません。要するに、精神保健福祉の全体のレベルアップを図っていくことです。 ▶ どのような方向を目指すのか 精神保健対策と同様に、自殺対策も市民、関係者、行政が一体となって進めていかなければいけないと 考えます。 互いに気づき、支え、助け合える地域づくりを目指し、ゆとり、希望、信頼を回復することが大切だと 思います。 保健福祉子ども局理事 佐野光正 気分障害の新・旧分類と生涯発病率 旧 分 類 新 分 類 生涯発病率 躁 う つ 病 双極性障害 うつ病性障害 0.4〜1.6% 内因性うつ病 大 う つ 病 男性 5 〜12% 女性 10〜25% 気分変調症 6% 重 神経症性うつ病 軽 (カプラン「臨床精神医学ハンドブック」より改変) 2 しずおかこころ リーフレット紹介 自殺予防のための相談マニュアル 精神保健福祉編 ○内 容:自殺の現状や、そのサインと心理、サインに気付いた時の対応、相談窓口リスト等 日本では、年間 3 万人を超える方が自殺で亡くなっている状況が10 年以上続いており、大変な社会問題となっています。最近の調査から、 自殺の原因は決して 1 つではなく、様々な問題が重なっているという ことがわかりました。この冊子は、相談を受ける立場の方が自殺に関 する知識を持ち、自殺予防の視点を持って相談に活用していただくこ とを目的に作成しました。 大切な人を自殺で亡くされた方へ ○内 容:大切な人を自殺で失ったことで起きる心の状態、健康への影響、 困難を乗りきるための相談機関等 大切な人を自殺で失ってしまうことは、誰にとっても大きな衝撃 です。 「なぜ」「どうして」と、その事実に納得いかず、喪失感やくい止め られなかった無力感、深い悲しみなどに襲われ、誰かに相談するこ ともできず、一人で抱え悩まれる方が多いのです。このリーフレッ トは、そのような苦しみを安心して話せる場があることを知ってい ただき、活用していただくために作成しています。 はればれフェア ’09 毎年恒例のはればれフェア、今年も開催します。 開催日時:平成21年10月17日㈯ 12:30~ 場 所:静岡市民文化会館中ホール 内 容:映画「ふるさとをください」上映 講演 テーマ「愛と希望の回復~共に生きる~」 講師 脚本家 ジェームス三木氏 ふれあい交流コーナー(授産製品等展示、販売、相談コーナー) ※お申込み受付 コールセンターへ(054-200-4894)先着順 毎年、著名人を講師に迎えこころの健康について考えるためのフェアです。 近年、自殺者数が年間 3 万人を上回り、景気や雇用について厳しい状況が続 いています。障害のある・なしにかかわらず、生きづらさを感じることが多く なってきているのかもしれません。 はればれフェアは、こころの健康の保持・増進の大切さと精神疾患の正しい 理解を促すこと、気軽にこころの健康について相談できる意識・環境づくりを 目的に「うつ・自殺対策」の一環として、開催しています。 今年は映画「ふるさとをください」の上映と、この映画の脚本を書かれたジ ェームス三木氏を講師にお迎えして『愛と希望の回復~共に生きる~』につい てお話していただきます。 映画と講演のなかに「ささえあい」 「生きる」ためのヒントが見つかるかもし れません。どうぞ、みなさんご参加ください。 しずおかこころ 3 静岡から こんにちは 第7回 みんなのお店 わ ■お店の紹介 みんなのお店・わは、NPO静岡県作業所連合会から生まれたショップです。 「わ」を数字に治すとゼロとも読めます。ゼロの発見は、古代インド人が発見 した広い宇宙観とも言われております。多様でしなやかで、自由な発想が作 業所の真骨頂ともいえます。 作業所で生まれたpure・safe・warmな商品をお客様に提供しております。 共同販売・仕事開拓・就労援助等の活動と地域の人々との交流の場としての ショップです。 ■事業本部長永井さんのお話 静岡県内初の一般商店街で授産製品を販売するお店として、多くの方のご利用を頂いております。結婚式の引 き出物に利用して頂いたり、懇意で旅館の中に授産製品の販売コーナーを作っていただいたり、行政と協働でプ ロジェクトを進めたりと「わ」は確実に広がっていってます。授産製品をとおして、サービス業を媒体とした支 援、福祉を伝えていくこと等に力をいれていきたいと考えております。オープンして、まだ一年しか経ってない ので、現状に満足することなく永続的に運営できるようしていくことが永遠のテーマです。 第1回 こころの健康講座 「あなたは大丈夫? アルコール依存症」 医療法人十全会聖明病院 院長 近藤直樹 氏 平成21年 6 月 2 日、グランシップにて第 1 回静岡市こころの健康講座が 開催され、市内外から50名の方が参加下さいました。 講師の近藤先生は、普段の臨床経験より、具体例を織り交ぜながらアル コール依存症や薬物依存症の治療法や回復についてとてもわかりやすく説 明して下さいました。また、講演の中では、依存症と家族について、サザ エさんの家系図を用いて説明されたり、治療過程を富士山登山に例えたり とユニークさもあり大変好評でした。 引き続き、静岡市こころの健康講座においては、様々なテーマで年 4 回 開催予定ですので、多くの方の御参加をお待ちしております。広報については、広報静岡「しずおか気分」等に おいて、周知させて頂きますのでご参考にして下さい。 静岡市からの お知らせ 4 りんどう相談室 てるてるハート 自殺者ご遺族のためのメンタルケア相談 うつ病に関する電話相談 大切な方を失い、一人で悩んでいませんか? 誰にも話せなかったことを話してみませんか? 水曜日 午前 予約制 精神科医等による相談 申込み 静岡市こころの健康センター ☎054-285-0434 月・水・金 13:00~16:00 ☎054-285-0316 しずおかこころ 古紙配合率100%再生紙を 使用しています 「紙へリサイクル可」