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関係機関の役割

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関係機関の役割
関係機関の役割
6 関係機関と相談窓口
(1)保健福祉事務所
通告、相談のあった子どもの状況把握や安全確認については、各市町等と連絡をとりながら実施
することになります。その結果、緊急を要するケースや一時保護・施設入所が必要なケースは児童
相談所に送致します。緊急性が低く、在宅指導で対応できるケースについては、市町と連携をとり
ながら支援を行っていきます。
① 在宅支援
定期的な家庭訪問による子ども・保護者との面接、
健康相談、
福祉サービスの提供などにより、
予防から早期発見・早期対応、アフターケアにいたるまでの切れ目ない子どもと家庭に対する
総合的な支援が必要です。
② 関係機関との連携
医療、保健、教育、警察など地域の関係機関や地域住民との幅広い協力体制の構築。また、
個別ケース検討会議への出席、子どもと家庭の見守りと状況把握、関係機関の役割分担が必要
です。
子どもと家庭に対する支援
地域の関係機関
〔保育所・幼稚園・学校・医療機関等 地域機関〕 住 民
通告、相談
市町主管課
(要保護児童対策地域協議会 調整機関)
緊急度を組織で判断
緊急性高い
緊急性低い
サポート
サポート
児童相談所
立入調査・一時保護
保健福祉事務所
保健福祉事務所
市 町
見守り・支援
福祉サービスの提供
母子保健訪問
地域機関との連携
親へのサポート
施 設 ・里 親
家族統合 ・ 家庭復帰
地域の受入・見守り体制
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③ 家族統合・家庭復帰
一時保護や施設入所等の措置をした子どもについての家庭復帰へ向けての支援が必要です。
児童相談所へ送致した一時保護、施設入所、里親委託の子どもについては、送致後も引き続き、
児童相談所との情報共有に努めます。また、地域に残る保護者には引き続き訪問等による見守
りや心理・精神面など適切なケアが必要となります。
県内の児童養護施設には、入所措置された子どもが再び家族のもとで生活できるよう施設入
所前から退所後のアフターケアに至る総合的な家族調整を行う家庭支援専門相談員(ファミリ
ーソーシャルワーカー)が配置されており、子どもの家庭復帰に向けての連携を図っていく必
要があります。
④ 関連業務
〔福祉分野〕
生活保護の認定等事務
助産施設、母子生活支援施設への入所事務
母子家庭の就労等生活相談
DV、婦人一時保護等相談
〔保健分野〕
ア.子育てに不安や困難を伴いやすい子どもや家庭への支援
未熟児の家庭訪問指導及び家族への支援
長期療養児等に対する療育指導
虐待発生のハイリスク者(家族)を対象とした支援
その他、乳幼児の子育てに悩みや不安をかかえる保護者等に対する相談
イ.精神障害等で育児能力に問題を抱える保護者(家族)への支援
精神疾患が虐待の原因となることが少なくないことから、保護者に精神疾患やアルコー
ル問題がある場合、精神保健相談、家庭訪問等の精神保健サービスの提供を図ります。
ウ.その他児童相談所との連携
児童相談所長は、相談に応じた児童、その保護者又は妊産婦について保健指導その他の
必要な協力を求めることができるとされているため(児童福祉法第12条の6第2項)
、次
のような対応が必要となります。
・ 保健、栄養上の指導依頼
・ 保護者が育児ストレス、産後うつ病、育児ノイローゼがある場合のほか、いじめ問題、
不登校、ひきこもりその他の思春期に特有の精神保健問題への対応が必要な場合などへ
の協力依頼など
(2)児童委員・主任児童委員
佐賀県下には18年3月20日現在児童委員が1,902名、主任児童委員が220名配置され
ており、きめ細かく配置された児童委員は、地域協議会や児童虐待防止ネットワークの一員として
欠かせない存在であり、近隣からの通告が寄せられる先として、一番身近な存在です。
児童委員は、住民からの虐待の相談があった際には、相談者の秘密が守られることを説明し、相
手の話をそのまま聞き、推測、解釈、誘導を避け、わかる範囲で聞き取ることが重要です。内容に
よって、市町、保健福祉事務所、児童相談所に連絡・通告します。
また、市町、保健福祉事務所、児童相談所から家庭についての状況調査の依頼があった場合、日
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常的な生活の様子、家庭での子どもの様子を地域の様々なネットワークを通して、わかる範囲で情
報を集めます。その際には、プライバシーの保護に充分配慮し対応します。
具体的に援助を行う必要がある場合は、地域協議会調整機関に個別ケース検討会議の開催を要請
し、役割を決め、家庭への援助等を行います。児童委員は、家庭の見守りや安全の確認、保護者の
身近な相談相手などの役割を担います。
また、最近では、子どもへの虐待や不登校などの背景にDVが存在しているという事例が増えて
います。
「どうやら暴力があるようだ」という家庭を発見した場合、子どもの虐待とDVの両方の視
点を持って訪問し、
必要に応じて婦人相談所、
DV総合対策センター等の相談機関を紹介するほか、
暴力が子どもにも及んでいること、子どもの目の前で暴力行為が行われていることを発見した場合
には、速やかに市町、保健福祉事務所、児童相談所に通告します。
児童虐待への取組(
「児童委員の活動要領」より)
(1) 発生予防:子育て中の保護者等の身近な相談者、聞き役、支え役として、子育て
に関する相談に応じるとともに、地域の子育て支援活動への参加・協力を行いな
がら子育て中の保護者等に対し該当活動への参加を勧奨し、関係機関と連携を図
りながら保護者等を支援すること等により、児童虐待の発生を予防する。
(2) 早期発見・早期対応:児童の福祉に職務上関係のあることを認識し、地域住民、
関係機関等と密接に連携して児童虐待の早期発見に努め、これを発見した場合に
おいては、速やかに通告を行い、市町、児童相談所等の関係機関との連携により
早期対応を図る。なお、児童相談所が行う立入調査の実施に当たって関係機関か
ら協力依頼を受けた場合は、積極的に情報提供を行う等これに協力すること。
(3) 再発防止:市町、児童相談所、保健福祉事務所等の関係機関と連携し、一時保護
所、児童養護施設等の退所後等についても、定期的な相談や地域で見守りを行う
などにより児童虐待の再発防止やフォローアップを行う。
(4) 要保護児童対策地域協議会(虐待防止ネットワーク)への参画:住民に最も身近
な市町において、子ども・家庭に関わる多くの機関が参加する地域協議会(虐待
防止ネットワーク)に積極的に参画する。
(3)保育所・幼稚園・地域子育て支援センター
入所している子どもの保護者からだけでなく、在宅で子育てをする保護者からも身近にある相談
窓口としての役割が期待されています。その機能と特徴を生かし、虐待の発生を予防するための対
応が日常的に行われることが望まれます。
これらの施設は、早期に虐待を発見できる立場にあります。発見の際には、虐待を受けた子ども
を守る為にも、加えて虐待者を犯罪から救うためにも、迅速な通告が最適の支援であることを理解
しておくことが大切です。
① 予防のための支援
ア.まず、保護者と信頼関係を築くことが重要となります。
子どもが入所している場合は、基本どおり、日々の成長を具体的に教え、その喜びを一緒
に分かち合うことが効果的です。
地域の在宅子育て親子の場合、ともかく最初は保護者が話しやすい雰囲気を作り、傾聴し
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てあげることが重要です。
そして両者に共通することとして、保護者として頑張っているところを見つけ、言葉に出
して認め、肯定的なメッセージを介して良好な関係をつくることが大切です。
イ.保護者の訴えをきちんと受け止めましょう。
どういう行為が虐待なのか保護者に広く啓発することは大切です。しかし、リスクの高い
個人を前にして虐待の怖さを説いたり、指導をしても反発を招くだけで効果は期待できませ
ん。
話ができる機会が得られたら、むしろ保護者の苦労や不安、気持ちの訴えをきちんと受け
止められるように配慮をしましょう。受け止めてもらえることで孤立感だけでなく悩みの解
消につながることもあります。本当に悩みを解決するのは本人の力です。その力を引き出す
には、話を聞いてあげることが大きな助けになることを忘れないようにしましょう。
ウ.アドバイスがある場合でも、いくつも言うと混乱を招きます。
実践しやすい1∼2点にポイントを絞ります。後日、実践できていることがわかったら、
大いにねぎらうことにしましょう。
エ.園庭開放など施設の開放、親子の居場所提供、一時保育などの特別保育、子育てサークル
支援等を実施している場合には、虐待の予防に効果的に利用しましょう。
悩みを抱える保護者の場合、予約し定期的に通う等が苦手なことも多いため、先方が参加
する気になるタイミングを逃すことがないよう、柔軟な受け入れ態勢を用意しましょう。
「地
域子育て支援センター」等が実施する相談援助事業を紹介するのも有効です。また、地域の
子育てサークルやアドバイザー等の情報を提供することも検討します。
オ. グレーゾーンの場合、気づいたことは事実と推測を区別し、随時記録しておくことが重要
です。そして、一定の期間ごとに記録を確かめ、現状をチェックする場を持つ必要がありま
す。
② 虐待を疑ったとき・発見したときの支援
ア.市町、保健福祉事務所、児童相談所への通告が原則です。
しかし、子どもの生命が今現在も脅かされているなど緊急のケースは、ためらわず警察へ
の110番通報を行いましょう。
イ.虐待が行われている場合、通告は家庭全体を救うための、不可欠の支援です。
また、保護者自身にとっても、通告が最も良い支援の形態となります。
ウ.虐待と確信が持てない場合も多く、そう思いたくない場合もあります。
しかし、ためらっているうちに取り返しのつかないことになります。手遅れとならない段
階で通告するか、少なくとも専門機関に相談しましょう。決して見て見ぬふりをしてはいけ
ません。
エ. 通告の後でも、保育所や幼稚園の果たすべき役割として、保護者との信頼関係に基づく連
絡体制を保つよう努力しましょう。
連絡を絶たれることは問題を一層悪化させる可能性が高いといえます。
保護者へ強い訓戒等が必要な場合でも、その役割は意識して他機関に任せる等の配慮をし、
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たとえ、状態が悪化する中であっても、保護者が心を開いて話ができる場として機能できる
ように努めましょう。
また、問題が解決し、状況が好転した後も地域の保育所による見守り機能はとても重要で
あり、そのためにも保護者とのパイプを絶たないようにしましょう。
③ 保育士・幼稚園教諭の心構え
ア. 保育士や幼稚園教諭は子どもを愛するが故に、親に厳しくなりがちですが、正義感に駆ら
れて保護者を責めても状況は好転しません。
保護者も自分の対応が不適切であることはわかっており、理詰めの説得は効果をあげず、
逆に保護者を追いつめ事態を悪化させる危険性が高いことを意識しておきましょう。
イ.虐待は、専門職といえども一人の保育士、幼稚園教諭の援助の限界を超えるものです。
すべてを自分の力で解決しようとするのでなく、むしろ禁欲的であることが必要な場合が
多いのです。まず、問題を自分だけで抱え込まないことが重要です。
担任だけでなく施設長をはじめ保育所・幼稚園全体で情報交換と役割分担をして取り組む
ことはもちろん、専門機関や市町の担当課にも相談し、専門職間や地域におけるネットワー
クと緊密に連絡を取り、活用することが必要です。そのためにも、それぞれの機能や役割を
知り、日頃から連絡を取り合える体制を準備しておきましょう。
ウ.虐待に直面したとき、担任保育士には大変大きなストレスが生じます。
精神的なダメージを適切にケアできるように、保育所内で適切に悩みを相談しあえるよう
な、風通しの良い人間関係づくりを実現しておきましょう。
※ 児童虐待への具体的な対応
1 児童虐待の早期発見の義務
保育所・幼稚園・学校関係者には、児童虐待の早期発見に努める義務があります。
① 幼稚園や学校、保育所や児童福祉施設、病院その他
② 保育関係者、幼稚園・小・中・高等学校・特別支援学校の教職員、児童福祉施設の職員、
医師、保健師、弁護士その他
児童の福祉に職務上関係のある団体(機関)や職員には、児童虐待を発見しやすい立場にある
ことを自覚し、児童虐待の早期発見に努める義務があります。
● 児童虐待の防止等に関する法律第5条
2 児童虐待を見逃さないために
(1)
「不自然さ」こそ最も重要なサイン
不自然な傷・あざ
子どもはよくけがをしますが、不自然な傷・あざとは、遊んでいてけがをしないようなところ
にある傷・あざや、ちょっとした事故ではあり得ないような火傷といったものです。このような
傷・あざが多くあったり、頻繁に傷・あざができたりする場合は注意が必要です。
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不自然な説明
これは虐待している大人にも、虐待を受けている子どもにもみられます。子どもの傷の原因に
ついて聞いても、傷の状況からあり得ない説明をしたり、話がころころ変わったりします。子ど
もの方も、打ち明けたい気持ちと、打ち明けることへの不安が入り交じり、不自然な説明が多く
なります。
不自然な表情
無表情であったり、変に大人の機嫌を取るような表情をしたり、ちょっとしたことでおびえる
ような表情をしたり、落ち着きなくキョロキョロして周囲をうかがうような表情をしたりします。
不自然な行動・関係
親が現れると急にそわそわしたり、初めての人にも馴れ馴れしくしたり、年齢にそぐわない言
動をみせたりすることがあります。また、虐待している大人も、子どもの事を非常に心配してい
ると言いながら子どもの様子に無頓着だったり、平気で子どもを一人にして遊びにいってしまっ
たりするなど、不自然な行動がみられることがあります。
(2)早期発見のためのチェックリスト
次ページから、チェックリストが掲載されています(保育所・幼稚園用)。
冒頭部にある※の注意書きを読んでから使用してください。
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保育所・幼稚園用
※ チェックリストのどれかに該当するからといって、必ず虐待が行われているということではあ
りません。
チェックリストの複数に該当し、繰り返しているようなら虐待を疑い、SOSのサインが他に
もないか、子どもや保護者に対して、これまで以上に十分に注意してかかわる必要があります。
子どもの様子
● 乳児(1歳未満児)
□ 不自然な打撲によるあざや火傷などがよく見られる
□ 特別な病気もないのに、身長の伸びが悪い、体重の増加が悪かったり、次第に
低下したりしている
□ 表情や反応が乏しく、語りかけ、あやしにも無表情である
□ 抱かれると異常に離れたがらなかったり、おびえたような様子が見られたりす
る
□ お尻がただれていたり、身体、衣類が極端に汚れたままで登園(所)する
□ 母子健康手帳の記入が極端に少ない
● 幼児(1歳から就学前)・・・乳児に見られる特徴の他に、
□ 原因不明の不自然な傷やあざが多く見られ、手当ても十分でない
□ おびえた泣き方をしたり、かんしゃくが激しい
□ 親が迎えに来ても帰りたがらない
□ 職員を試したり、独占しようとまとわりついて離れない
□ 転んだりけがをしても泣かない、助けを求めない
□ おやつや給食をむさぼり食べる、おかわりを何度も要求する
□ 身体、衣類が極端に汚れたままで登園(所)することがよくある
□ 予防接種や健診を受けていない
□ 理由のはっきりしない、または連絡のない遅刻や欠席が多い
□ ささいなことでカーッとなり、他の子への乱暴な言動がある
□ 小動物に残虐な行為をする
□ いつもおどおどしていて、何気なく手をあげても身構える
□ 親の前ではおびえた態度になる
□ 年齢不相応な性的な言葉や、性的な行動が見られる
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保護者の様子
□ 子どもの扱いがハラハラするほど乱暴である
□ 子どもとの関わりが乏しかったり、冷たい態度をとったりする
□ 子どもの要求をくみ取ることができない(要求を予想したり理解したりできな
い、なぜ泣くのかわからない)
□ 予防接種や健康診断を受けさせない
□ 感情的になったり、イライラしていてよく怒る
□ 子どもが自分の思いどおりにならないとすぐに叩いたり、蹴ったりする
□ 子どもに能力以上のことを無理矢理教えよう(させよう)とする
□ きょうだいと著しく差別したり、他の子どもと比較ばかりしている
□ 無断で欠席させることが多い
□ 理由がないのに、長時間、保育所や幼稚園におきたがる
□ 保育士や教職員との面談を拒む
□ 夫婦関係や経済状態が悪く、生活上のストレスになっている
□ 母親にも暴力を受けた傷がある※DVが疑われる
★ 緊急性が高い場合 → 早急に児童相談所(警察あるいは医療機関)へ通告する
□ 子ども自身あるいは保護者が保護や救済を求めており、訴える内容が切迫して
いる
□ 確認には至らないものの、性的虐待が強く疑われる
□ 頭部や顔面、腹部のあざや傷が繰り返されている
□ 慢性的にあざや火傷(タバコや線香、熱湯など)がみられる
□ 親が子どもにとって必要な医療処置をとらない(必要な薬を与えない、乳児の
下痢を放置するなど)
□ 子どもにすでに重大な結果が生じている(性的虐待、致死的な外傷、栄養失調、
衰弱、医療放棄等)
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(4)学校
① 児童虐待への適切な対応
子どもたちの健全育成に著しい影響を及ぼす児童虐待を防止するためには、家庭、地域の関
係機関との密接な連携のもと、地域に根ざした学校教育の推進を図っていくことが重要です。
教職員は、教育活動全体を通して子どもたち相互、子どもたちと教職員の望ましい人間関係
づくりを図りながら、子どもたちの心のサインを見逃さないことが大切です。そのため、教職
員が相互に連携しながら子どもの理解に努めるとともに、教職員一人一人が児童虐待について
理解を深め、虐待の予防や解決に向けての積極的な取り組みを進めることが必要です。
特に、学級担任は、服装の乱れや遅刻、欠席、不登校、身体の外傷などの他、過剰に接触を
求めてきたり、
逆に極端に身体接触を嫌がるなど、
子どもに不自然な様子がないか十分な観察、
注意を払いながら、早期発見・早期対応に努める必要があります。児童虐待の疑いがあるとき
には、速やかに市町、保健福祉事務所又は児童相談所に通告するとともに、管理職のリーダー
シップのもと学級担任、生徒指導担当教員、養護教諭、スクールカウンセラー等と密接な連携
をとり、保護者や関係者には、理解を求め、改善を図らなければなりません。
「通告」はゴールではなくスタートであるという認識をもって、関係機関との連携を継続す
ることが大切です。児童虐待は、自然に解消するものではなく、誰かが止めなければなりませ
ん。放置しておけばエスカレートし、子どもの命に関わる場合もあります。
したがって、虐待を発見したときだけでなく、虐待が疑われる場合においても、組織として
学校から通告する必要があります。学校においては、保護者との関係が悪化することなどを懸
念して通告をためらうことがないようにすることが重要です。
② 特別な支援が必要な子どもへの支援体制
障害のため特別な支援を必要とする子どもたちは、学習や生活を行ううえで支障があること
が多いため、周囲の理解と支援が重要であり、生徒指導上も十分な配慮が必要です。
特に、いじめや不登校などの生徒指導上の諸問題に対しては、表面に現れた現象のみにとら
われず、その背景に障害が関係している可能性があるか否かなど、子どもを取り巻く環境に十
分留意しつつ慎重に対応する必要があります。
そのため、各学校においては、障害についての知識を深めるとともに、特別支援教育コーデ
ィネーターをはじめ、生徒指導担当者、養護教諭、スクールカウンセラー等が連携し、支援に
係る適切な判断や必要な支援を行うことができる体制を整えておくことが重要です。
また、特別な支援が必要な子どもを早期に発見し、適切な対応をすることが重要であり、教
育、福祉、医療等の関係機関が連携・協力して支援するためのネットワークづくりが大切です。
別添1「学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供に関する指針」ポイント
別添2 学校及び保育所から市町村又は児童相談所への定期的な情報提供に関する指針
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学 校 用
※ チェックリストのどれかに該当するからといって、必ず虐待が行われているということではあ
りません。
チェックリストの複数に該当し、繰り返しているようなら虐待を疑い、SOSのサインが他に
もないか、子どもや保護者に対して、これまで以上に十分に注意してかかわる必要があります。
子どもの様子
□ 説明が不自然な、打撲によるあざや火傷などがよく見られる
□ 特別な病気もないのに身体的発達が著しく遅れている
□ 表情や反応が乏しく、元気がない
□ いつもおどおどしていて、何気なく手をあげても身構える
□ ささいなことでカーッとなり、他の子への乱暴な言動がある
□ 親の前ではおびえた態度になる
□ 小動物に残虐な行為をする
□ 身体、衣類が極端に汚れたまま、または季節や気温にそぐわない服装で登校す
る
□ 基本的な生活習慣が身に付いていない
□ 給食などをむさぼり食べる、おかわりを何度も要求する
□ 友だちの家や近所のお宅でたびたび食事をごちそうになっている
□ 授業に集中できず、ボーッとしている
□ 急激な成績の低下がみられる
□ 理由のはっきりしない、または連絡のない遅刻や欠席が多い
□ 放課後、帰宅したがらず、時には家出・外泊をする
□ 接触の回数を重ねても関係が深まらない
□ 盗みや嘘を繰り返す
□ 極端な性への関心や、拒否感が見られる(特に女子の性的逸脱行為)
□ 長期間欠席しており、家族との連絡が取れない
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保護者の様子
□ 子どもの扱いがハラハラするほど乱暴である
□ 子どもとの関わりが乏しかったり、冷たい態度をとったりする
□ 子どもが自分の思いどおりにならないとすぐに叩いたり、蹴ったりする
□ 感情的になったり、イライラしていてよく怒る
□ 子どもに能力以上のことを無理矢理教えよう(させよう)とする
□ きょうだいと著しく差別したり、他の子どもと比較ばかりしている
□ 無断で欠席させることが多い
□ 長期病欠していても、医療機関を受診させていない
□ 子どもの学校での生活に無関心である
□ 教職員との面談を拒む
□ 夫婦関係や経済状態が悪く、生活上のストレスになっている
□ 母親にも暴力を受けた傷がある※DVが疑われる
★ 緊急性が高い場合 → 早急に児童相談所(警察あるいは医療機関)へ通告する
□ 子ども自身あるいは保護者が保護や援助を求めており、訴える内容が切迫して
いる
□ 確認には至らないものの、性的虐待が強く疑われる
□ 頭部や顔面、腹部のあざや傷が繰り返されている
□ 慢性的にあざや火傷(タバコや線香、熱湯など)がみられる
□ 親が子どもにとって必要な医療処置をとらない(必要な薬を与えない、大きい
けがや重病を放置するなど)
□ 子どもにすでに重大な結果が生じている(性的虐待、致死的な外傷、栄養失調、
衰弱、医療放棄等)
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