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- 1 - 第19回 詩 5年下で、再度詩が出てきます。それとともに、短歌・俳句
第 19回 詩 5年下で、再度詩が出てきます。それとともに、短歌・俳句と韻文と言われるものがそろ います。 「詩」は、説明的文章以上に得手・不得手がはっきりする分野だと思います。 特に、抽象度が高いものになると何を聞かれているかが捉えにくく、必然的に何を答えた らよいのか、分からないことになります。 指 導 す る 側 も 抽 象 的 な 問 題 は 説 明 し て い て 、ど こ ま で 分 か っ て も ら え る か 不 安 に な り ま す 。 予習シリーズ 216・ 217ペ ー ジ 詩の種類とおもな表現技法を理解。 詩 の 種 類 は 、小 学 生 が 学 習 す る の は「 口 語 」「 自 由 詩 」「 叙 情 詩 」が ほ と ん ど で す か ら 、( テ ストなどで)分からなかったらそれを書いておきなさい、としつこく言います。だが、い ざとなると違う物を選んでしまうお子さんが出てきます。 表 現 技 法 は 、 比 喩 の 「 直 喩 」 と 「 隠 喩 」 の 違 い 、「 対 句 」 が 理 解 し に く い も の な の で 、 重 点的に確認します。 こ こ ま で は 、 例 年 の こ と な の で 2014.7.7日 に 記 述 し て い ま す 。 以 降 は 7月 8と 11日 の 実 際 の 授業中の様子から、それ以後に書きます。一方通行でない形で長年教えているとライブ・ パフォーマーのように生徒たちの反応を見ながら、理解度や取り組み方で、教え方、どこ に重点を置くかなどが変わってきます。 1 問一 例年、話を聞いていなさそうな生徒にあてる。口語詩・自由詩・叙情詩 覚えてい て、確実に選択できるかどうかの確認のためです。 一旦、マスターするとなんの不安もない生徒もいれば、あとでプリントで同種の問 題で幾度も間違える生徒も出てきます。大人感覚では、たかだかこの程度と捉えます が、子どもにとってはそうでないこともあるのです。 問二 ( へ た な 絵 を 書 い て 、) 山 頂 か ら (青 い 大 き な 弧 を 描 )水 平 線 を 見 て い る 様 子 を 想 像 させる。実際は、水平線が山より高ければ、水没してしまう。しかし、自分がいる山 の山頂からいくつかの山越に海を見ると、あたかも水平線の方が高いかのように感じ ら れ る 。 同 じ よ う に 情 景 を 詩 の ラ ス ト の 3行 で 書 か れ て い る こ と に 気 づ く と す ば ら し い。 問三 問題形式から簡単だが、入試問題ではその情景を説明させる問いが出ていた記憶が ある。記述となると、表現が難しくなります。 問四 実際に聞いたことがあれば、想像しやすい。鳴き声が問いとは逆に「聞こえなくな るときの様子」を書いている選択肢を選ぶところが、ちょっぴり選びにくいか。 問五 「 適 切 で な い も の 」 さ え 、 読 め れ ば 大 丈 夫 の は ず 。 た だ 、「 爽 快 感 」 が ぴ ん と こ な い子もいる。清涼飲料のコマーシャルでは、よく使われる言葉ですが…。街の看板や - 1 - ポスターなどから、文字などの情報・知識を学ぶことが少なくなっています。 問六 五月が初夏という感覚がないため、八月にしやすい。若葉→初夏 短歌・俳句を学 習 す れ ば 、そ の 後 は 平 気 の は ず で す 。た だ し 、今 回 は「 四 季 の こ と ば 」と い う 題 名 で 、 知 識 分 野 が こ の 種 の 学 習 で す 。 シ リ ー ズ P 225の 夏 、 植 物 の と こ ろ に 出 て き ま す 。 問七 意 外 に で き な い 。「 感 動 し て い る の は ど ん な こ と で す か 。」 詩 の 1 ・ 2 行 目 と 問 二 か ら 呼 び か け ( 問 い か け ) の 「 君 は ~ が あ る か 。」 つ ま り 、 自 分 は そ れ を 見 て 感 動 し て い る 。 そ の 感 動 を 他 人 に 伝 え た い た め の 詩 で あ る 。 冒 頭 の 2行 と 最 後 の 3行 の 文 の 関 係 がつかめるか。また、前述の問いかけの表現の意味が理解できるか。 問八 選択肢 ア 水平線 にしてしまいがちです。確かに、この高く感じられる水平線 を見たことが感動の主原因ですから無理もありません。しかし、すべて問三・問四・ 問 五 に も あ る よ う に そ の よ う な 情 景 を 見 る こ と が で き て 、爽 快 な 気 持 ち に な れ た の も 、 山の頂上に来たからです。 2 問一 口語自由詩。このテキストの後に、前回書きました「やってもってらっしゃい」を しましたが、このプリントに漢字五字指定がありました。口語詩と自由詩をくっつけ ると六字になり、指定された字数にならないと、悩む生徒がいました。この問いで見 覚えていれば、そんな悩みもおきないはずでしたが。 問二 「連」は、散文での段落に当たると事前に説明していますが、散文という言葉は使 い ま せ ん 。「 花 は 静 か な 微 笑 を 見 せ て い る 」 選 択 肢 に 擬 人 法 が な い の で 、 迷 わ ず に 比 喩法。問五に関係してくる設問。 問五 意 外 に 差 が 大 き く 出 て く る 記 述 問 題 。 ま ず 解 答 の 最 後 の 確 認 。「 … ど の よ う な こ と を … 」 と 問 い に あ る の で 、「 … こ と 。」 一連目の倒置から 紫大根の花が咲いていた 半日の外出から帰った夕暮れの かたわ 家の戸口の 傍 らに または 三連目から 昨年も 花はそこに咲いていたと それさえ忘れていた私に 花は静かな微笑の姿を見せている かたわ 花 何の花→紫大根の花 □ そこ はどこ→家の戸口の 傍 ら 問いの文の確認 10行 め 「 忘 れ て い た 私 」 と あ り ま す が 、 ど の よ う な こ と を 忘 れ て い た の で す か 。 従って単純に三連を使う。つまり何を言いたいかというと、分かっているのでつ い つ い 一 連 目 か ら 解 答 し て し ま い 、「 昨 年 も 」 の 部 分 を 忘 れ て し ま い が ち だ と い う ことです。 - 2 - 問八 この問題が大切だとおわかりでしょう。模範解答にある「認める」という言葉を使 わ な く て も 、( 人 間 に )「 知 ら れ な く て も 」、( 自 分 を )「 評 価 し て い る 」「 ほ め て い る 」 といった、砕いた表現であっても、書けるだけすばらしいことだと思います。 説明として、動植物は子孫を残すことが、DNAの中に組み込まれていて…と話し て、しかしこの問いの答えに書く必要はないと言っていながら、書かせると「…子孫 を 残 せ る か ら 。」 と 強 く 印 象 に 残 っ て い る の か 、 書 い て し ま う 生 徒 が い て 、 理 解 さ せ るための背景説明と、答えに書くべき内容との区別がつきにくいようです。この種の 説明をすると、毎回感じることですが。 p,221 発展問題 1 問八 記述問題として物語文でもよく出てくる比喩表現の問題。学習経験が無いと、5年 生では思いつかないのが通例だと思う。 「風」 この誌では強い風で、邪魔な存在。あるいは邪魔をする存在。 ポプラの葉に絶えられているものが、われわれ人間であること。 人間にとって生きていく上で、その邪魔をするようなもの。 困難 苦労 苦しさ 辛さ 不幸 悲しみ(さ) 試練 などなど このあとに学習したプリントでは、甘酸っぱいが出てきた。 甘いと酸っぱい 甘いは 幸福 幸せ 喜び などプラスに働くもの 酸っぱいは、前述の困難などに似たもの。 プ リ ン ト で の 学 習 の 際 に は 、 ヒ ン ト を 言 う と (前 回 の 学 習 後 の た め か )理 解 が 早 か っ た 。 こ の ほ か に は 、「 荒 波 」「 悪 天 候 」「 夕 暮 れ 」( そ の 逆 に 日 が 昇 る 、 晴 天 な ど ) な どが登場する。物語文の場合は、情景描写といえるが、少年向けの物語では自転車が よく登場する。 さて、別のプリントテキストでは、全く同じ詩が使われている問題がありました。 問いで聞いていることが違っても、その違いを認識できずに、この問題の問七の解答 を書いてしまう生徒が結構いた。問七をしっかり理解していたとわかった反面、問題 文を読んでいないのか、思い込みなのか、読んでも同じ問いにしか思えないのか、複 雑な思いがした。 - 3 -