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論文8 インドにおける若年層の失業問題
インドにおける若年層の失業問題# 佐藤隆広 [1] はじめに [2] インドの失業構造 (1)失業概念 (2)失業 (3)不完全就業 (4)失業の州間格差 [3] インド若年層の失業要因 (1)就業・失業選択モデル (2)実証分析 [4] おわりに [1] はじめに 非農業部門雇用の拡大と農業労働実質賃金率の上昇に象徴される,インド農村における 近年の雇用状況の変化をめぐっては,「残差部門仮説」(近年の非農業部門雇用の拡大は,農 業部門では吸収できなかった過剰労働力が滞留しているために引き起こされたとする仮説) と「トリックルダウン仮説」(非農業部門における労働需要の拡大が農業労働者実質賃金率 の上昇をもたらし,農村の雇用状況の改善を促しているとする仮説)が対立していた.両仮 説のいずれがより妥当であるのかについて,われわれは,一連の研究のなかでトリックル ダウン仮説の相対的優位性をさまざまな角度から支持してきた(宇佐美 2002; 宇佐美・角井 2000; 佐藤 2002: 第 8 章; Sato 2000; 佐藤・宇佐美 1997; Sato and Usami 1999; 角井・宇佐美 2001).すなわち,農業部門および非農業部門における経済成長が農村労働需要を高め農業 労働賃金率の上昇を促進した.その結果,貧困層の圧倒的多数である農業労働世帯の実質 所得水準が向上し,1970 年代から現在にいたるまで観察される大幅な貧困比率の低下に帰 結したのである. もちろん,インド就業構造変化の基底に,残差部門仮説が想定するような人口圧・土地 所有の零細化・労働の臨時化が存在することを軽視しているわけでは決してないし(宇佐美 2000; 藤田 2002: 116-117),各種の政府による貧困緩和計画が果たした役割も見逃すことが できない.また,農村雇用の多様化をめぐっては,トリックルダウン仮説と残差部門仮説 の相対立する両仮説が依然として重要な焦点を形成していることも否定できない(Chadha and Sahu 2002).したがって,とりわけ 1991 年の経済改革から現在までの時期については, より詳細な雇用・賃金構造分析が必要である(杉本 2002: 第 2 章). しかしながら,注目すべきことは,自身が提起した残差部門仮説(Vaidyanathan 1986)を誤 りとし,農村雇用状況の一定程度の改善を認め,トリックルダウン仮説に事実上の軍配を あげた Vaidyanathan 本人が,若年の失業問題が深刻でかつ新たな社会問題として浮上してき # 本論文は, 大阪市立大学経済学部の金曜セミナー(2003 年 10 月 3 日)と日本南アジア学会(京 都大学,2003 年 10 月 4 日-5 日)において報告した草稿に,加筆修正を加えて作成したもの である.学会報告の討論相手になって頂いた柳沢悠先生をはじめとして,草稿に含まれて いた不十分な部分や誤った箇所を指摘して下さった多数の方々に感謝の意を表したい.も ちろん,本稿に含まれるであろう誤りについては,すべて筆者の責任であることはいうま でもない.なお,本稿は,文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(A)(1)(代表 長崎暢子) 「南アジア近代における『民主主義と開発』の歴史的研究」(課題番号 14209016)の研究成果 の一部である. 1 ていることを指摘していることだ(Vaidyanathan 1994).さらに,Visaria (1998: 44)も,若年層 が失業する「結果,発生するフラストレーションは,実際に,インド社会政治構造の安定 性を深刻な脅威にさらす可能性をもっている」とその懸念を表明している. しかし,貧困研究に比較して,若年層の失業問題に関する研究はインドにおいてもあま り試みられてこなかった.教育ある若年の失業者を心理学の手法を用いて分析している Singh, Kumari and Singh (1992: 90)は,若年の失業が悲惨であることを述べたうえで,「最も 不運なことは,このような深刻な問題がわが国の社会科学者によって真剣な注意が払われ ていないことだ」と指摘している.われわれは,問題の深刻さや大きさに比較してこれま で軽視されてきた若年層の失業問題を検討してみる価値が十分にあると判断している.そ れでは,若年の失業問題をどのように考えればよいのであろうか. 第 1 に,Vaidyanathan (1994)や Visaria (1998)が懸念しているように,それは犯罪率の上昇 や宗派暴動の発生件数の増加をはじめとする社会的・政治的緊張の源泉として把握するこ とが可能である.たとえば,心理学の研究においても,教育のある若者の失業者は,社会 関係の途絶・規範の喪失・意欲の低下・無関心・諦め・自己懐疑・鬱・宿命論的信念・主 流政治に対する無関心・直接的政治活動,違法行為や暴力による変化をのぞむ野蛮な態度・ 目的意識の欠如・地位やアイデンティティの喪失・絶望・怒り・罪悪感・恥の意識・迷い・ いらいら感・自信の喪失・無気力・集中力の欠如・敵意などの精神的特徴をもち,実際に, 心理テストの結果,他のカテゴリーの集団よりも「疎外感」に対して脆弱であり,「攻撃性」 が高いことなどが明らかにされている(Singh and Singh 1996; Singh, Kumari and Singh 1992). 国民民主同盟政権の国防大臣 G. Fernandes も, 「なぜ教育を受け,かつ就業している若者が テロリズムに走ろうか,そんなことはありえないことだ」と若年層の失業がテロを生む温 床になっていることを指摘している(The Hindu, October 22, 2002). 第 2 に,とくに教育のある若年の失業率が極めて高く,このことは,経済学では雇用の ミスマッチ問題として取り上げられることがある.また,人的資本の蓄積や教育投資の収 益率計測とも密接に関連してくるであろう.たとえば,w=logW=β o+ β 1age+ β 2age2+ β 3education+...+uというMincer型の賃金関数を推計することで(ここでW=賃金率,age=年齢, education=教育水準を表す変数,βi=推計パラメータ,u=確率誤差項である),推計された β3から,教育水準の向上が賃金率を高めること,さらには教育投資の収益率が著しく高い ことが複数の研究において確認されてきた(Saha and Sarkar 1999; Duraisamy 2002; Heyneman 1980; Fallon 1983; Swaminathan 1997).また,こうした賃金関数の説明変数に,失業期間やイ ンフォーマル部門での就業経験年数などを説明変数に導入すると,一見無駄に見える求職 期間や就業経験の積み重ねによって,教育が賃金率に与える影響が一層高まることがSaha and Sarkar (1999)によって明らかにされている.こうした研究はどちらというと,教育のあ る若年層の失業率が高いことのコストが教育を受けることによって得られるベネフィット によって十分相殺されうると結論している.しかし,いずれにしても,こうした角度から 問題を立てるのであれば,開発のミクロ経済学が有益な分析ツールとなるであろう. これに対して本稿では,政治経済学にしろ経済学にしろ特定の視角からの厳密な分析と いうよりもむしろ,「問題の把握と課題の提示」という観点を重視して,インドにおける若 年の失業問題を検討してみたい.第 3 節において,就業・失業選択モデルから若年の失業 行動に関する実証分析を行っているが,これは当然,理論仮説の検証という性格を持って いる.しかしながら,ここでの関心は必ずしもその理論の妥当性を厳密に問い詰めること にあるわけでない.むしろ,本稿では,それを,大規模な標本調査データを分析するうえ での研究上の戦略すなわち「事実発見」のための計量経済分析としてみなしていることに 注意を喚起しておきたい(この点については,Deaton (1997: chapter 2)を参照). 本論文の構成はつぎのとおりである.第 2 節では,マクロでかつ時系列の失業の動向を 大づかみに把握する.そこで,全国標本調査(National Sample Survey: NSS)レポートを利用し て,失業概念の様々な定義やインドにおける失業の規模と特徴などを明らかにする.第 3 節では,1999-2000 年の NSS の個票データを利用して,どのような属性をもった若年が失業 2 しているのかを計量経済分析を通じて明らかにする.第4節では,若年層の失業対策をご く簡単に紹介したあと,本論文を要約するとともに残された課題を整理したい. [2] インドの失業構造 本節では,インドの失業に関するマクロでかつ時系列の動きを把握したい.利用する資 料は,第 55 次全国標本調査(National Sample Survey: NSS)の雇用・失業調査(1999-2000 年)の レポートである(Government of India 2001). (1)失業概念 NSS は,3 種類の失業概念を採用している.すなわち,「ふだんの状態」(usual status: us) 基準,「1 週間の状態」(current weekly status: ws)基準,「1 日の状態」(current daily status: ds) 基準である.それぞれ,簡単に解説することにしよう. us 基準での失業概念は,調査対象期間 365 日のうち相対的に長い間にわたって失業して いる人数を示すものであり(メジャータイム基準:major time criterion),これは,慢性的な失 業を近似的に表すものである.しかしながら,この「主たる状態」(principal status: ps)での 失業者のなかには,「副次的な状態」(subsidiary status: ss)では仕事に従事している人も存在 している.したがって,失業人数の推計値には,「主たる状態でかつふだんの状態での失業 者」(usually unemployed according to the principal status (ps): us-ps)と「主たる状態および副次 的な状態でかつふだんの状態で失業者」(usually unemployed excluding the subsidiary status or us (adjusted): us (adj.))の 2 種類となる. ws 基準での失業概念は,調査日前における 1 週間の平均的な失業をとらえるものである. これは,慢性的な失業と us 基準では就業している人が労働市場の季節的変動によって引き 起こされる一時的失業を示す. ds基準での失業概念は,調査日前 1 週間の 1 日における平均的な失業水準を示すものであ る.ds基準は,(1)慢性的失業者の失業日数,(2)調査対象週において一時的に失業したus基 準では就業者の失業日数,(3)wsのプライオリティ基準(priority criterion)では就業者として分 類される人の失業日数1,などの失業に関する 3 つの側面をとらえている.したがって,ds 基準による失業概念は,最も包括的であると考えられる. 加えて,NSS の失業それ自体の定義が,2 種類存在することを付記しておく.第 1 のもの は,「求職活動を行っている」(seeking for work)という失業の定義であり,第 2 のものは,「仕 事があればいつでも就業する意思がある」(available for work)である.第 1 の seeking for work 定義は,先進国の失業定義に相当するものであるが,職業紹介所や民間の職業紹介サービ スなどが依然十分に普及していない途上国においてはこの概念で失業を判定するのは妥当 ではない.したがって,通常,インドで失業を考える場合には,seeking for work 定義にく わえて,available for work 定義が利用されている.本稿でも,失業といった場合には,seeking for work 定義でも available for work 定義でみても,失業している状態を意味している. 最後に,いうまでもなく,失業率の定義は,労働力(就業者+失業者)に対する失業者数の 1 NSSでは,非労働力よりも労働力に,そして,失業よりも就業に対して,高い優先度があ たえられている.こうした優先度のつけ方を,NSSはプライオリティ基準(priority criterion) と呼称している.就業の優先順位が最も高いため,たとえば,あるひとが,ds基準でみて 1 週間のうち 6 日間失業していたとしても,たった半日だけでも就業しさえすれば,ws基準 では就業者としてカウントされてしまうわけである.また,こうしたプライオリティ基準 のため,NSSの失業率が,外部の研究者による村落調査での推計失業率を大きく下回ること が問題視されている.詳しくは,たとえば,Lanjouw and Stern (1998: 444-449)を参照された い. 3 比率である2. (2)失業 以下では,インドの失業構造の特徴を簡単に検討したい. 第 1 表 ふだんの状態(us),1 週間の状態(ws),1 日の状態(ds)別の失業率,1999-2000 年 [第 1 表] 注) 括弧内の数値は,1000 人あたりの失業割合を示したものである. 資料) Government of India (2001: table 7. 1). 第 1 表は,1999-2000 年におけるふだんの状態(us)・1 週間の状態(ws)・1 日の状態(ds)の失 業率を示したものである.ここから,つぎのようなことが判明する.①農村よりも都市の 方が,失業率が高い.たとえば,us-ps 基準の失業率でみて,農村男子 2.1%に対して都市男 性で 4.8%と都市で 2 倍以上も高い,②失業概念別でみると,us よりも ws が,ws よりも ds の方が,失業率が高い.たとえば,農村男性でみると,2.1%(us-ps),1.7%(us adjusted),3.9%(ws), 7.2%(ds)となっており,us-ps と ds をとれば 3 倍以上の格差が存在する.このことは,季節 的失業,不完全雇用や低雇用の存在を強く示唆するものである.③農村では女性よりも男 性が,都市では男性よりも女性の方が,失業率が高い. 第 2 表 NSS 調査でみる失業率推移 (1972-73 年から 1999-2000 年) [第 2 表] 資料) Government of India (2001: table 7. 2). 第 2 表は,1972-73 年から 1999-2000 年までの失業率の推移を示したものである.ここで 注意しなければならないのは,1987 年が独立後インドのなかでも,史上最悪の部類に入る 旱魃が発生した年であることだ.旱魃の発生による雇用喪失を,中央政府ならびに州政府 が大規模な雇用計画事業を行うことで対処したことが,これまでもよく指摘されてきた. 以下の表をみる場合にも,1987 年には,通常年とは違う要因が強く働いていることに注意 する必要がある.さて,この表からは,つぎのようなことが判明する.①農村男性の推移 をみると,あまり大きな変化が観察されない.ただし,1993-94 年から 1999-2000 年にかけ て若干ではあるが,失業率が悪化していることがわかる.経済改革の雇用に与える影響と の関連で,現在,その原因をめぐってインドでも盛んに議論されている(Chadha and Sahu 2002; Sundaram 2001a; 2001b).②農村女性をみると,農村男性と比較してその変動が激しい ことがわかる(とくに,usにおいてそうである).また,1993-94 年までの期間において,ws とdsでみる限り,失業率が改善傾向にあることがわかる.ただし,これまでもよく議論され てことではあるが,女性の就業・失業率は計測上だけでなく概念上においても微妙な問題 を孕んでおり,統計精度が男性と比べて低く,信頼性に問題が存在することにも注意する 必要があるだろう3.③都市男性は,1977-78 年から 1993-94 年までの期間において,失業率 がわずかであるが改善傾向を示していたが,1993-94 年から 1999-2000 年にかけて若干の悪 化がみられる.④都市女性については,us基準でみて 1983 年において,失業率が最も低く, その後,いったん上昇し,1999-2000 年に若干の改善を示している.wsとdsでみると,1987 2 ただし,1 週間を半日単位にわけて雇用調査を行っているds基準の場合は,労働力人日(就 業人日+失業人日)に対する失業人日の比率である. 3 この問題については,Sato and Usami (1999),宇佐美(1999)および木曽(2003)の第 3 章を参 照されたい. 4 年を例外として穏やかな改善傾向が見られる. 第 3 表 15 歳以上の学歴別失業率 [第 3 表] 注) 括弧内の数値は,NSS50 次(1993-94 年)調査の失業率を表す. 資料) Government of India (2001: table 7. 4). 第 3 表は,学歴別の失業率を示したものである.ここで定義している教育のある者(the educated)とは,高等学校(secondary)か,それ以上である.したがって,15 歳未満は対象には ならないことに注意されたい.ここから,都市の大卒以上をのぞけば,教育水準が高くな ればなるほど失業率が高くなっていることがわかる.たとえば,農村男性をみれば,非識 字の 0.4%に対して大卒では 10.6%となっており,20 倍以上ものひらきがある.また,高等 学校以上でみれば,us-ps 基準で農村男性 6.8%,農村女性 20.4%,都市男性 6.6%,都市女性 16.3%と先進国並の失業率の高さとなっている. 第 4 表 若年層(15-29 歳)における失業率 [第 4 表] 注) 括弧内の数値は,NSS50 次(1993-94 年)調査の失業率を表す. 資料) Government of India (2001: table 7. 5). 第 4 表は,若年層における失業率を示したものである.インドで若年層(the youth)といえ ば,15-29 歳の年齢階層を指す.若年層は,総人口の 25-29%を占める人口規模である.こ の表から,若年層の失業率が平均失業率の 2 倍以上の高さになっていることがわかる.た とえば,us-ps 基準で,農村男性の平均が 2.1%に対して若年でみると 5.1%となっている. また,15-19 歳,20-24 歳,25-29 歳別では,農村都市別や性別にかかわりなく,25-29 歳の 失業率が最も低くなっていることがわかる.すなわち,15-24 歳で失業率のピークがみられ, その後,年齢とともに低下するということである. 第 5 表 失業者総数(復元値) [第 5 表] 資料) Government of India (2001: A-1, A-2, A-4, A-5, A-19, A-20, A-22, and A-23). それでは,若年層の失業規模はどの程度であろうか.第 5 表によれば,農村男性で us-ps 基準で 341 万人,ws 基準で 490 万人,農村女性で 101 万人,206 万人,都市男性で 270 万 人,292 万人,都市女性で 79 万人,86 万人という失業規模である.全国合計で,us-ps 基準 で 792 万人,ws 基準で 1074 万人もの若年層が失業していることになる.また,失業者総数 に占める若年の失業者の比率は極めて高く,全国合計で us-ps 基準で 84%,ws 基準で 69% となっている.インドの失業問題を考えるうえで,若年層のそれを明示的に取り上げる必 要があることが理解できるだろう. 第 6 表 年齢および教育水準別でみた失業者 1000 人あたり就業経験者数 [第 6 表] 資料) Government of India (2001: table 7. 6). つぎに,調査対象週の全 7 日間にわたって失業している 15-59 歳までの年齢階層を検討す ることにしたい.こうした失業者で,過去において就業経験のあるものを「就業経験者」(the ever employed)とみなすこととする.失業者がこうした「就業経験者」なのかどうかを調査 5 することで,新規に求職活動を行っている者を識別することできる.これを示したのが, 第 6 表である.若年層に注目すると,つぎのことがわかる.①農村若年男性で失業者のう ち 6 割が,農村若年女性で 5 割程度が,就業経験がない.さらに,都市ではいっそう顕著 であるが,男子で 8 割,女子で 9 割弱が就業経験がないことがわかる.ここから,若年層 の失業者の多くが,新規労働力として労働市場に参入してきたものから成り立っているこ とがわかる.②教育水準でみても,高等学校以上の教育水準をもっている失業者のうち, 農村男性で 7 割,農村女性で 9 割弱,都市男性で 8 割,都市女性で 9 割弱が就業経験をも っていない.高等教育を受けた新規学卒者の多くが即座には就業できず,失業者になって いることが推察されよう. 第 7 表 失業している就業経験者(15-59 歳)の失業以前の従業上の地位 [第 7 表] 資料) Government of India (2001: table 7. 7). 第 8 表 失業している就業経験者(15-59 歳)の失業以前における産業分類別雇用 [第 8 表] 資料) Government of India (2001: table 7. 8). 第 9 表 失業している就業経験者(15-59 歳)の失業以前における職業分類別雇用 [第 9 表] 資料) Government of India (2001: table 7. 9). それでは, 「就業経験者」の失業以前における従業上の地位はどうであろうか.また,失 業以前の雇用先を,産業部門別では,さらに職業分類でみるとどうなのか.従業上の地位 別,産業部門別および職業分類別の雇用構造は,ws 基準でみた実際の就業構造とおおよそ 対比できるものと考えてよい. 第 10 表 失業している就業経験者(15-59 歳)の失業した理由 [第 10 表] 資料) Government of India (2001: table 7. 10). 「就業経験者」が失業した理由はどうであろうか.第 10 表によれば,農村で「地域にお ける仕事の欠如」,都市で「前職の喪失」「事業閉鎖」が多いことは,それぞれ,農村の臨 時労働,都市の常用労働の大きさを反映していると考えてよい.農村では,「地域における 仕事の欠如」と「事業所における仕事の欠如」という理由が過半以上を占めるのに対して, 都市では上記 2 理由に加えて,「辞職」と「事業閉鎖」という理由で過半を占めることがわ かる. 第 11 表 失業している就業経験者(15-59 歳)の辞職した理由 [第 11 表] 資料) Government of India (2001: table 7. 11). NSSではわずかサンプル総数が 393 しかないことに留意しなければならないが,「就業経 験者」が辞職した理由が,第 11 表からわかる.農村でも都市でも,「その他」という理由が 一番多いが,それに次いで多いのが「仕事の報酬が十分ではないこと」である.また,都 市男性では「過酷な労働条件」と「自発的退職計画の受入れ」が多いことが注目される. 6 とくに,後者の理由は,1991 年からの経済改革(構造調整計画)による余剰人員整理に対応し たものである4. (3)不完全就業 インドの失業構造をごく簡単に一瞥してきた.つぎに,こうした失業概念では十分把握 できない不完全就業あるいは低雇用の問題を考えることにしよう.低雇用(underemployment) とは,通常,就業者の労働時間が十分に利用されていない状態をいう.us 基準でみた就業 者が,仕事の季節性やその他の要因によって年間を通じて就業できない場合がある.これ が,低雇用である.より短い調査対象期間でみて,こうした就業者が「仕事があればいつ でも就業する意思がある」(available for work)という状況であれば,これは「目にみえる低 雇用」(visible underemployment)と呼称される.NSS データからは,この「目にみえる低雇用」 を(1)us 基準と ws 基準,(2)us 基準と ds 基準,(3)ws 基準と ds 基準,の 3 つのペアの対比か ら把握することができる. 就業者のなかでもとくに自営業者は,年間を通じて就業しているようにみえるかもしれ ない.しかし,彼らが従事している仕事では,満足な水準の所得を得るうえでは不十分で あるかもしれない.そのため,彼らは追加的な仕事あるいは代替的な仕事,あるいはその 両方を求めているかもしれない.このような低雇用は,「目にみえない低雇用」(invisible underemployment)と呼称される.NSS は,us 基準での就業者に対する一連の追加的質問 (probing questions)を通じて,「目に見えない低雇用」の水準を算出している. 第 12 表 ふだんの状態(us)での失業者(主たる状態(ps)と副次的な状態(ss)の合計)1000 人にお ける週の状態(ds)での内訳 [第 12 表] 資料) Government of India (2001: table 8. 1). まず,us 基準での就業者の ws 基準でみた就業状況をみることにしよう.ここでは,すべ ての us 基準での就業者(すなわち,主たる状態(ps)+副次的な状態(ss))を対象にしている.表 では,50 次調査(1993-94 年)と 43 次調査(1987-88 年)も示されている.第 12 表によれば,us 基準で就業者の 1-2%程度が ws 基準では失業者になっていることがわかる.また,女性と くに農村女性では ws 基準で 1999-2000 年をみると,15%も非労働力化していることも注目 される.これは,農閑期になって仕事がなくなり,農村女性が非労働力化してしまうとい う「労働意欲減退効果」が見かけ上の失業率を低くしている可能性があることを示唆する ものである. 第 13 表 ふだんの状態(us)での失業者(主たる状態(ps)と副次的な状態(ss)の合計)における 1 日の状態での 1000 人日(person-days)の内訳 [第 13 表] 資料) Government of India (2001: table 8. 2). つぎに,ds 基準でみた us 基準での就業者の状況をみることにしよう.第 13 表によれば, つぎのことがわかる.①ds 基準でみると,その低雇用水準がよりいっそう高くなっている 4 1991 年からIMF・世界銀行との提携のもと実施した構造調整計画において,世界銀行から 20 億ドルが供与され,失業問題対策として国民復興基金(National Renewal Fund: NRF)が設置 された.このNRFの資金が利用され,多くの企業が自発的退職計画(Voluntary Retirement Scheme: VRS)を実施している.この点について詳しくは,木曽(2003)の第 7 章を参照された い. 7 ことがわかる.農村男性の 1999-2000 年でみて,5%が失業している.②女性とくに農村女 性では 3 割弱が非労働力化している.③農村でみると,1987-88 年から 1999-2000 年の期間 で低雇用水準が上昇してきており,雇用状況の悪化が観察される. 第 14 表 週の状態(ws)での失業者における 1 日の状態(ds)での 1000 人日(person-days)の内訳 [第 14 表] 資料) Government of India (2001: table 8. 3). 調査対象週において就業していると分類されている人も,かならずしも 1 週間を通して 仕事をしているわけではないかもしれない.したがって,ws 基準での就業者を ds 基準でみ れば,彼らが人日単位で計ってどれだけの割合で仕事がない状態であったのかがわかる. 第 14 表によれば,つぎのことがわかる.①ws 基準での就業者のうち,1999-2000 年でみて 1-3%程度が失業している.②女性とくに農村女性で,1999-2000 年でみて 17%近くが非労働 力化している.③農村で,1987-88 年から 1999-2000 年の期間で低雇用水準が上昇してきて いる. 第 15 表 ふだんの状態(us)での就業者 1000 人あたり,年間を通じて恒常勤務していない人 数 [第 15 表] 資料) Government of India (2001: table 8. 4). NSS 調査では,us 基準での就業者に「年間を通じて,多かれ少なかれ恒常勤務していた かどうか」を質問している.就業者のうち,そうではない人数の比率が,見えない低雇用 の指標になるであろう.この場合の低雇用はどのようになっているのであろうか.第 15 表 によれば,us 基準で就業者のうち,農村男性で 10%,農村女性で 13%,都市男性で 6%,都 市女性で 9%が恒常勤務していない.また,たとえば,農村男性の農業自営で 8%,非農業 自営で 6%が恒常勤務していない.すなわち,自営業においても低雇用が観察されるのであ る.また,農村男子の臨時労働者で,公的雇用で 17%,その他で 16%が低雇用となってい る. 第 16 表 ふだんの状態(us)での就業者(15 歳以上,主たる状態(ps))1000 人に対する,追加的 な仕事があれば求職ないしは仕事をする意思があるふだんの状態(us)での就業者(15 歳以上, 主たる状態(ps))人数の割合と,そうした低雇用者 1000 人の求職ないしは仕事をする意思が ある理由の内訳 [第 16 表] 資料) Government of India (2001: table 8. 5). us 基準では就業者であるが,利用可能な労働時間を十分に活用できていない人や仕事量 は十分あるが不十分な所得しか獲得していない人に,「(1)追加的な仕事と(2)他の代替的な 仕事があれば,求職するか仕事をする意思があるかどうか」を質問している.us 基準での 就業者に対して,追加的な仕事ないしは他の代替的な仕事があれば求職ないしは仕事をす る意思がある人数の割合は,低雇用の 2 つの指標になりうるだろう.第 16 表によれば,追 加的な仕事を求めている就業者割合は,6-10%である.また,その理由としては,「所得を 補うため」「十分な仕事がないため」 「その両方の理由」の 3 つをあわせると 9 割以上にな る.結局,労働所得不足のため,追加的な仕事を求めていると考えてよいだろう. 第 17 表 ふだんの状態(us)での就業者(15 歳以上,主たる状態(ps))1000 人に対する,他の代 8 替的な仕事があれば求職ないしは仕事をする意思があるふだんの状態(us)での就業者(15 歳 以上,主たる状態(ps))人数の割合と,そうした低雇用者 1000 人の求職ないしは仕事をする 意思がある理由の内訳 [第 17 表] 資料) Government of India (2001: table 8. 6). 代替的な仕事についてはどうであろうか.第 17 表によれば,就業者のうち,6-9%が代替 的な仕事をしたいと考えている.また,その理由としては,「現在の仕事の報酬が十分な額 ではないこと」と「雇用保障の欠如」をあわせて 7 割を占める.また,「仕事の満足感が得 られないこと」が 1 割程度となっている. (4)失業の州間格差 最後に,失業の州間格差を検討することにしたい.第 1 図は,us-ps 基準での失業率でみ て,農村男性のそれが低い州から高い州へと並べた棒グラフである.ここから,ケララと アッサムが他州と比較して顕著に失業率が高いことがわかる.また,州間格差について, 男性と比較して女性のそれが大きいことも理解できる.それぞれの変動係数を第 1 図で示 されていない連邦直轄地(Union Territory)と北東諸州などをあわせて計算してみると,農村男 性で 0.82,農村女性で 1.91,都市男性で 0.56,都市女性で 0.82 となっている. 第 1 図 失業率(ふだんの状態かつ主たる状態: us-ps)の州間格差 [第 1 図] 資料) Government of India (2001: table 7, Appendix). [3] インド若年層の失業要因 本節では,インドの若年層の失業要因に関するミクロでかつ横断面の状況を把握したい. 利用する資料は,第 55 次全国標本調査(National Sample Survey: NSS)の雇用・失業調査 (1999-2000 年)の個票データである.この個票データは,個人規模でみて約 60 万人,世帯規 模でみて約 12 万世帯の詳細なデータを収録している.本稿では,このサンプルから若年(15 歳から 29 歳まで)のサンプルを取り出して,分析に利用する. (1) 就業・失業選択モデル 若年層が就業するのかそれとも失業するのかを選択するとき,労働市場でその個人に対 して提示された賃金率と,その個人の留保賃金率を比較していると考えることができる. ここで,留保賃金率とは,最低,その水準であれば就業すると考える賃金率のことである. 提示賃金率が留保賃金率を上回れば,その若者は就業を選択し,逆に留保賃金率が提示賃 金率を上回れば失業を選択するであろう.そこで,まず Mincer 型の賃金関数を考えること にしよう. wm= logWm= Xα + u wr= logWr= Yβ+ v ここで,Wm=提示賃金率,X=提示賃金関数の説明変数ベクトル,Wr=留保賃金率,Y= 留保賃金関数の説明変数ベクトル,α=β=推計パラメータベクトル,u=v=確率誤差項, である.失業を選択する若者は,留保賃金率が提示賃金率を上回っていると考えられるの で,失業確率Pは次式となる. 9 P = P(wr≧wm) = P(wr- wm≧0 ) =P (Yβ- Xα+ v - u≧0 ) したがって,賃金率のデータが存在しなくとも,プロビットモデルないしはロジットモ デルとしてパラメータであるα,βを推定することによって,失業確率の決定要因を探る ことが可能となる(以上のモデルは,樋口 (2001: 180-181)による). また,失業確率の推計にあたって,こうした理論を明示的に想定しない立場もありうる. 「たとえ,因果関係の考察をあきらめたとしても,データの注意深い調査や記述から多く のことを学ぶことができる」(Deaton 1997: 66)のである.たとえば,Deaton (1997: 65)によれ ば,ミクロデータにおいて,貧困者を 1,非貧困者を 0 とするダミー変数を被説明変数に, 地域ダミーを説明変数にとって,回帰分析を行うとする.この場合,地域ダミーの推計係 数は,各地域の貧困の割合がどうなっているかを示す「貧困プロフィール」(poverty profile) をあらわす.こうした回帰分析は,灌漑地と非灌漑地における貧困の差異を検討するため にも利用できるし,教育水準が低いことによって,どの程度,貧困の深刻さが高まるのか などを知るうえでも有益である.こうした回帰分析の結果は,貧困緩和計画のターゲティ ング政策を考える場合にも,ひとつの指針を提示するであろう.もちろん,これは,貧困 の決定要因(determinants)を示すものではない.相関と因果関係は区別されるべきだからだ. しかしながら,こうした回帰分析が因果関係を必ずしも示すものでないことに注意しさえ すれば,十分意義のある分析になるのである. すなわち,こうした立場からの回帰分析は,たとえば,若年の失業と様々な変数との間 で,無数のクロス表を作成する手間を省き,若年層の失業の特質を抽出するという事実発 見すなわちファクトファインディングを重視するものであると言い換えてよいだろう. (2) 実証分析 以下では,NSS の雇用・失業調査(1999-2000 年)の個票データを利用して,若年層の失業 要因(正確には失業プロフィール)を探ることにしたい.実証分析で利用する変数は,第 18 表と第 19 表でとりまとめている. [第 18 表] [第 19 表] 被説明変数は,15 歳から 29 歳の労働者における失業状態である.主たる状態でかつふだ んの状態(us-ps)での失業(usuer)と,1 週間の状態(ws)での失業(wsuer)の 2 種類の失業概念を とりあげる.変数としては,失業を 1,就業を 0 としている.ここでは,非労働力は分析対 象から除外していることに注意されたい. つぎに説明変数をそれぞれ解説することにしよう.地域(region)ごとの組合組織率(union) を,個々の若年労働者にとって与件である労働市場の硬直性をあらわす変数として採用す る.ここで,地域(region)とは県(district)よりも大きく,州よりも小さい地域単位であり,生 態や天候などの地理的な面で共通性をもつ地域をひとまとめにしたものである.組合組織 率の算出にあたっては,農村と都市で別個に計算した5.通常,労働市場が硬直的であれば 5 NSSでは,就業者(自営も含む)に対して「あなたの仕事で,組合が存在していますか」と いう質問項目がある.ここでいう「組合」(union/association)とは,労働組合だけではなく, 雇用者組合や自営業組合なども含む.回答は, 「はい」,「いいえ」,「わからない」の三択式 となっている.これから標本復元乗数(マルティプライヤー)を利用して,すべての回答の復 元人数に対する「はい」と回答した復元人数の比率を組合組織率として定義した.したが って,本論文で利用されている組合組織率は通常の組合組織率とは若干異なることに注意 されたい. 10 あるほど,失業確率が高くなることが想定されるであろう.また,説明変数として,都市 と農村別での地域ごとの失業率(uer)を利用する.これは,個々の労働者が直面する労働市場 の需給状況をあらわす代理変数とみなすことができる.当然,地域失業率が高ければ,地 域労働市場で需要不足になっており,したがって若年労働者個人の失業確率が高くなるで あろう6.さらに,州ごとの状況の違いをコントロールするために,州ダミーを採用した. 若年労働者が所属している世帯属性をあらわす変数としては,①農村においては,世帯 類型における非農業自営世帯ダミーと農業自営ダミー(自営を 1,それ以外を 0)を,都市に おいては自営ダミー(自営を 1,それ以外を 0)を採用する(都市では非農業と農業自営の区別 がない),②世帯の土地所有規模(ヘクタール単位),③世帯の月額 1 人当たり平均消費額(ル ピー単位)を採用する. 世帯が自営業であれば,若年の労働者も就業しやすいと考えられるので想定される符号 はマイナスになることが予想される.土地所有規模と消費額は,世帯の富をあらわす代理 変数として考えられるが,消費額については内生性が問題になるだろう.ここでは,厳密 に経済理論との整合性を問い詰めないで,推計された符号がどうなっているのかを事後的 に確認するにとどめたい. 個人の属性をあらわす変数としては,①年齢と年齢の 2 乗値,②性別(男性を 1,女性を 0),③婚姻状態(未婚を 1,それ以外を 0),④教育指数(非識字=1,識字で,初等学校(primary school)以下=2,初等学校卒=3,中等学校卒(middle school)=4,高等学校卒(secondary school)=5, 上級高等学校卒(higher secondary school)=6,大学以上(graduate school)=7),⑤世帯主との続柄 ダミー(未婚の子どもと未婚の孫をそれぞれ 1,それ以外を 0 とする変数),⑥社会集団ダミ ー(ST,SC,その他後進諸階級をそれぞれ 1,それ以外を 0 とする変数),⑦宗教ダミー(ヒ ンドゥー教徒,イスラム教徒,キリスト教徒をそれぞれ 1,それ以外を 0 とする変数)など を採用する.ここでも,内生性が問題になる変数が存在する(たとえば,婚姻状態ダミーや 世帯主との続柄ダミー).繰り返しになるが,本稿では,若年層の失業の特質を抽出すると いう事実発見的方法を重視しているため,先見的に符号条件を想定しないでおこう. なお,プロビットモデルの推計にあたっては,統計パッケージソフト TSP ver4.5 を利用し た.推計結果は,非説明変数がふだんの状態(us-ps)での失業については第 20 表で,1 週間 の状態(ws)での失業については第 21 表でとりまとめている.ここから,つぎのことが判明 する. [第 20 表] [第 21 表] 第 1 に,第 20 表によれば,組合組織率(union)は農村では有意な変数ではないが,都市で 推計された係数の符号がプラスで,有意水準 10%で統計的に有意である.この結果からは, 都市労働市場における硬直性が若年層の失業確率を高めるように作用していることがわか る.ところが,第 21 表では,組合組織率(union)は農村ではマイナスで有意になり,都市で 有意な変数ではなくなってしまう.被説明変数の違いで,このような結果になってしまう ことをどのように考えればよいのであろうか.ひとつの解釈としては,1 週間の状態とふだ 6 ここで,なぜ,県(district)ではなく複数県からなる地域(region)単位の変数を使ったのか, その理由を示しておきたい.端的にいえば,NSSの個票データでは,県単位で平均失業率な どを算出すると,多くの県で失業率がゼロになってしまう.これは,明らかに,サンプル エラーによるものである.そもそも,インドの失業率は極めて低いため,県を単位とする と失業者が全く抽出できない県が多数でてきてしまうということである.サンプル数が十 分存在し,精度の高い平均値を算出するためには,NSS個票データを扱ううえでは地域 (region)単位が最小のようである. 11 んの状態での失業の差が,主として季節的失業や一時的な失業によって発生すると考える なら,組合組織がなされている地域ほどそうした季節的あるいは一時的失業を抑制してい る可能性がある,ということである.組織化が失業率にどのような影響を与えるのかにつ いては,今度さらに検討に値する課題である. 第 2 に,地域失業率(uer)は第 20 表と第 21 表のすべてのケースにおいて,符号はプラスで 1%水準で有意となっている.これは,直観的にも納得できる結果であり,個々の若年労働 者が直面する地域労働市場の需給状況の悪化が,直接,彼らの失業確率を高めるのである. 第 3 に,州ダミーで興味深いことは,第 20 表と第 21 表ともに,ケララのダミー変数が 符号がマイナスで,都市ではかならずしも有意ではないが,農村で有意な変数となってい ることである.第 2 節で,ケララの失業率が極めて高いことを指摘したが,他の変数をコ ントロールすれば,ケララ州の失業確率が低くなるわけである. 第 4 に,自営ダミーは第 20 表と第 21 表のすべてのケースで,符号はマイナスで 1%水準 で有意である.したがって,世帯属性が自営であれば(すなわち,世帯主の年間所得でみて, 自営業からの収入が最も大きい世帯であれば),若年労働者が失業する確率が低くなるので あり,直観的にも理解しやすい結果であろう. 第 5 に,世帯の富の代理変数として想定した世帯の土地所有規模や月額 1 人当たり平均 消費額はどうであろうか.第 20 表では,どちらの変数も符号はマイナスであるが,農村で 土地が有意で,消費が有意ではないのに対して,都市で逆になっている.これに対して, 第 21 表では,どちらの変数もすべてのケースにおいてマイナスで有意な変数になっている ことがわかる.ここでは,因果関係は想定せずに,他の条件が一定であるならば,「富裕な 世帯では若年の失業確率が低くなる傾向がある」とひとまず結論付けておくことにしたい. 第 6 に,①年齢と年齢の 2 乗値の推計結果をみると,15 歳から 29 歳の間で,いったん年 齢とともに失業確率が上昇したあと,失業確率のピークをむかえ,そのあと,年齢の上昇 ②性別(男性を 1,女性を 0)では, ととも失業確率が下がるという関係があることがわかる7. 男性の方が失業確率が低いことがわかる.③婚姻状態(未婚を 1,それ以外を 0)では,未婚 であれば失業確率が高くなっている.この変数の解釈としては,未婚だから失業確率が高 くなるというのではなく,失業している若年は結婚することが困難であると考えた方がよ り現実的であろう.したがって,ここでは,「未婚である若年層の失業確率は高い」とまと めておきたい.④教育指数については,プラスで有意な変数となっている.教育のある若 年の失業確率が高いことが,今回の回帰分析からも再確認できる.⑤世帯主との続柄ダミ ー(未婚の子どもと未婚の孫をそれぞれ 1,それ以外を 0 とする変数)も,いくつかの例外を 除けば,世帯主の未婚の子どもや孫の地位にある若年層の失業確率が高くなっていること が判明した.⑥社会集団ダミー(ST,SC,その他後進諸階級をそれぞれ 1,それ以外を 0 と する変数)は,第 21 表によれば,農村においてSTがマイナス,その他後進諸階級がマイナ ス,都市においてはSCとSTがプラスとなっている.第 21 表によれば,農村においてSTの みマイナス,ただし,説明変数に消費(mpce)を採用した場合,SCがプラス,STがマイナス, 都市ではSCがプラスとなっている.SCの失業確率がとくに都市において高くなっているわ けである8.これはより詳細な検討を要すると思われるが,SC/STやその他後進諸階級など 7 このような年齢と失業率の間に観察される逆U字の関係から,若年層の失業は単なる摩擦 的失業ないしはより満足の高い職に就くための非自発的失業である,とみなすことも可能 であるのかもしれない.すなわち,若年層は学校卒業後の一定期間,新規労働力として求 職活動を行い,やがて就業していく,ということである.本稿では,こうした考えを完全 に否定することはできないが,若年層の失業についてそのような考えを必ずしもとらない 研究者も存在していることだけは指摘しておきたい.たとえば,その分析対象はわが国の 若年層の失業問題であるが,玄田(2001)のとくにプロローグを参照されたい. 8 1990 年代にグジャラート州アフマダーバード市の組織部門工場を調査した木曽(2003)の第 Ⅱ部で,工場労働者の参入プロセスにあたって,カーストが重要な要因になっていること 12 に対する留保政策などとの関連で, 「事実発見」としては興味深い結果といえるだろう.⑦ 宗教ダミー(ヒンドゥー教徒,イスラム教徒,キリスト教徒をそれぞれ 1,それ以外を 0 と する変数)は,都市でキリスト教ダミーがマイナスで有意になっているほかは,有意な変数 ではない.これは,農村においては,宗教と失業確率に相関がないことを示すものである. [4] おわりに 若年層向けの政策指針としては, 「インド国家青年政策」(National Youth Policy 1985)が重 要である.このなかで, 「青年向けの計画における最重要課題は,農村と都市,教育のある ものと教育のないものの両方の次元で,失業を取り除くことにある」(Government of India 1985: par. 11)として,インド政府が若年の失業問題に真剣に取り組むことが規定されている. 本論では,若年層に対するインド政府による政策について全く言及してこなかったので, ここで簡単にそれらを紹介することにしたい.Visaria (1998)が取り上げている若年層に関連 する雇用政策と雇用制度は,①職業安定所,②雇用者組合と労働組合,③法制度,④職業 訓練,⑤職業訓練生(Apprenticeship)計画,⑥工芸職人の訓練,⑦都市失業青年に対する首相 計画(Prime Minister’s Scheme for Unemployed Urban Youth),⑧自営のための農村青年職業訓 練計画(Training of Rural Youth for Self-Employment: TRISEM),⑨州政府の特別計画,⑩その 他の特別雇用計画などである.それぞれ,Visaria (1998)に依拠して,ごく簡単に解説するこ とにしよう. ①労働省管轄の職業安定所は,全国 900 箇所にある.しかし,1995 年の数値でみて,590 万人の求職者に対して,求人件数はわずか 38 万 6000 件しかなく,実際に就職できた件 数は 21 万 5000 件に過ぎない.また,職業安定所は,比較的大きな町や都市にしか現在 のところ設置されていない. ②労働組合は,組合員の利益を守るうえで効果的であるが,失業者の雇用拡大にはほとん ど関心を示していない. ③1950 年に,インドは 14 歳までの無料の義務教育制度を設けようとした.しかし,実際の 進展は緩慢であった.最低就学年数を国民に遵守させることは困難である.そのため, 若年のなかでも,非識字者のままで新規労働力化するものが多数存在することになった. 1948 年最低賃金法によって,中央政府と州政府は,未組織部門をふくむ各種の雇用範疇 に対して,最低賃金を設定することができる.1996 年 6 月 1 日までに,最低賃金が 1175 にものぼる雇用範疇に対して規定されていた.また,産業紛争法(Industrial Dispute Act)は 過度の雇用保障を与えるものであるとみなされてきている.結果として,雇用者はより 資本集約的な技術を採用した. ④1996 年後半までに,895 箇所のうち 314 の職業安定所と 84 箇所の就職情報提供所(Universal Employment Information and Guidance Bureaux)で,職業ガイダンスや職業カウンセリングが 行われている.しかし,就職情報提供所は相談に訪れるひとだけに対応しており,学校 や大学などと連携していない.また,所在地が都市に偏重している.より重要なことに, 1986 年国家青年政策が,1992 年に改正され,高等教育の「職業訓練校化」(vocationalisation) が謳われた.その目的は,高等学校修了試験後に就学する学生のうち 10%を 1995 年に, 25%を 2000 年に職業訓練コースに送り込むことである.約 150 の職業訓練コースが,農 業・ビジネスと商業・エンジニアと技術・健康と準医療サービス・生活科学・人文学な が指摘されている.このことと本稿の実証結果は符号するように思われる.都市で恒常的 な仕事に就くうえで,カーストのネットワークを利用することが重要になってくるが,そ の点,指定カーストはそもそも経営者や恒常的労働者数が相対的に少ないため,就職上不 利な状況にあるといえよう. 13 どの 6 つの主要領域で導入されている.1961 年の職業訓練生制度法(Apprenticeship Act of 1961)のもと,60 の職業訓練コースが追加されている.1994 年 3 月 31 日時点で,5701 の 学校で 1 万 6450 の職業訓練局があり,約 91 万人が在籍している.しかしながら,職業 訓練コースの質には問題がある. ⑤特定産業において半年から 4 年の間,職業訓練を雇用者に義務付けるという目的で,職 業訓練生法が 1961 年に立法化された.施行は 1963 年 3 月 1 日以降である.訓練は,中 央職業訓練生審議会(Central Apprenticeship Council)からの助言にもとづき政府によって規 定された基準にしたがってなされる訓練も含む.1973 年と 1986 年に法律が改正され,こ の計画の対象に,エンジニアと技術の学士学位と修士学位保有者や技能資格(職業訓練) 取得者を含むようになった.これまで,2 万 5000 企業で 218 産業の 132 業種で,計画が 実施された.この計画下の訓練生は当初の 1200 人から,1991 年の 12 万 9000 人,1995-96 年の 15 万人と増加した.しかし,雇用者がどこまで真剣に計画に取り組んでいるのかは 疑問の声もある. ⑥工業訓練機構(Industrial Training Institutes: ITIs)は, 42 のエンジニアリング業種と 22 の非 エンジニアリング業種で 1 年あるいは 2 年間にわたって,15-25 歳までの若年層を対象に 訓練を施している.ITIs は 1956 年の 59 から,1992 年の 2447,1996 年の 3000 と増加し てきた.ITIs が収容できる人数は,現在,42 万 5000 人である.ITIs への入学には多くの 州で大変な需要があり,ITIs は職人を養成するうえで有益な役割を果たした.しかしなが ら,旧式の設備と職業技術にはしばしば問題点が指摘されてきた. ⑦1983 年と 1993-94 年までに,インドは教育のある都市青年のための自営計画を実施して きたが,1994-95 年からは都市失業青年に対する首相計画(Prime Minister’s Scheme for Unemployed Urban Youth: PMRY)として再編成された.PMRY は,年齢が 18-35 歳で,そ のなかでも,世帯年間所得が 2 万 4000 ルピー以下で,担保なしで 10 万ルピーの銀行融 資で小規模な事業を起業できる青年が対象になっている.1993-94 年に,3 万 2000 人の青 年が受益者になった.1994-95 年には,22 万人が受益者目標人数となっている. ⑧自営のための農村青年職業訓練計画(Training of Rural Youth for Self-Employment: TRISEM) は,1979 年 8 月 15 日にスタートした.これは,貧困ライン以下の世帯における農村青年 に対して基本的な技術と経営技術を身に付けさせることを目的とするものである.原則 として,18-35 歳が対象年齢である.この計画では,ST/SC を受益者者の 50%,障害者を 3%にすることを目標としている.1980-96 年の 16 年間で,390 万人の農村青年に訓練が 施された.しかしながら,訓練を受けた青年のうち,53%しか就業していない.また,就 業できたもののうち,4 分の 1 が賃金雇用である.TRYSEM は,雇用創出のために,農 村青年を訓練するという問題に取り組む計画のなかでは最大のものである.しかしなが ら,農村青年の訓練の必要性に比較して,その役割はかなり限られたものでしかない. ⑨各州政府は,青年の雇用創出に対して独自の取り組みを行っている.たとえば,AP 州に よって設置された職業訓練と自営業支援のための Society for Employment and Training in the Twin Cities: SETWIN や,西ベンガル州政府の Scheme for Self-Employment for the Registered Unemployed (SESRU)などである. ⑩失業している青年が受益者になれる政府のその他の計画としては,Scheme of Urban Micro Enterprises (SUME),A Scheme of Urban Wage Employment (SUWE),A Scheme of Shelter and Housing Upgradation (SHAHU),Housing and Urban Development Corporation (HUDCO)から のローンと補助金,マハラシトラ州の Employment Guarantee Scheme (EGS),National Employment Assurance Scheme (NEAS)などがある. 以上,若年層の失業問題対策に関連する各種の政策や制度を紹介してきた.いずれの政 策や制度も,若年層の失業問題の解決にあたって決め手を欠くものである.それぞれの政 策や制度には改善の余地が多数あることが Visaria (1998)の指摘からも理解できるが,それら 全てが改善されたとしても,1000 万人規模にも達する若年の失業問題が全面的に解決する 14 と考えるのは,あまりにも楽観的にすぎるであろう. つぎに,2 人の教育ある若年失業者の生の声に耳を傾けることにしたい.どちらも,若年 失業者であるが,全く対照的である.UP 州の教育を受けたダリット青年 Brijpal は,つぎの ように述べている.「教育の最も偉大な恩恵は,それが生み出す文明の開花なんです.人類 は文明化されました.人類はよきマナーを発達させました.その他の人たちも教育の恩恵 を感じることでしょう.つまり,われわれがマナーよく振舞っていることを彼らも理解す るのです.….教育を受けた者は恐れることなく自分たちの権利を主張します.教育は大 変強い自信を与えます.だから,教育ある者は[政府の]役人を恐れたりはしません.そして, 人々も教育ある者にはいかなる馬鹿な振る舞いもしません.彼らは,教育ある者が法律に 関する知識をもっていること,そして,それを理解していることを知っているからです」 (Jeffrey, Jeffrey and Jeffrey 2003: 1).これに対して,同じ地域の同じカーストに所属している 青年 Amarpal は,つぎのように述べている.「ぼくは,こう思うんです.教育を受けても無 力だと.教育を受けたものは罠にはまっているんです.彼らは,できる仕事が制限されて いるんですよ.教育のないひとは,自由だと思います.彼らは好きなように好きなことを するし,労働だって,農業だって,…,何だってそうです.それで,もし文字が読めない ひとがなにか悪いことをしても,あまり罰されないし.みんな知っているんですよ,字が 読めないひとは頭が悪いってこと,だからこそ,彼らには罪はないんだと思われています. …教育を受けた者は,肉体労働とか農作業ができないんです.彼らは,農作業するのを恥 だと思っていますし,そもそもそういうことをやった経験もないんです.もしあなた方が, 子供のころから農作業をしているひとと教育を 25 年も受けたあと農家になったひとを連れ て来れば,その差は明らかですよ」(Jeffrey, Jeffrey and Jeffrey 2003: 16-17).とくに,Amarpal の発言は,開発における教育の役割について再考をせまるものとみなすことができるかも しれないが,注意しなければならないことは,彼らはどちらも指定カーストであることだ. そもそも,彼らは,社会のなかで最も差別的な扱いをうけてきた指定カーストであり,高 等教育を受けられたこと自体で,インドでは成功者であるとみなすことができる(Singh, Kumari and Singh 1992).にもかかわらず,Amarpal は就職できないことの深い挫折感や無力 感を表明している.仮に同じことを,高カーストで教育のある若年失業者なら,どのよう に答えるのであろうか.われわれが想像さえできないほどのルサンチンマンをかかえてい るに違いないだろう.そして,反留保政策暴動や頻発する宗派暴動など,ヒンドゥー民族 主義の興隆を想起せずにはいられないのである. すなわち,貧困研究がインドにおいては依然として重要すぎる課題であるのは間違いが, 大きな変貌をとげつつあるインド経済において,若年の失業問題が新たな開発の課題にな るのもほぼ間違いがない. 最後に,本論文は,「問題の把握と課題の提示」という観点を重視して,問題発見的な方 法として,若年層の失業要因(失業プロフィール)を計量経済分析によって明らかにした.そ の結果,①組合組織化は都市においてはふだんの状態(us-ps)での失業確率を高めるが,農村 では 1 週間の状態(ws)での失業確率を低める可能性がある,②地域労働市場の需給悪化は, 都市・農村にかかわりなく,失業確率を高める,③他の変数でコントロールしたとき,州 間の失業率格差に逆転が生じることがある(とくに,ケララで顕著である),④世帯属性が自 営業の場合,失業確率が低くなる,⑤世帯の富が大きくなれば,失業確率が低くなる傾向 がある,⑥(a)年齢と失業確率の間には逆 U 字の関係がある,(b)男性のほうが女性と比較し て失業確率が低い,(c)未婚の若年労働者の失業確率が高い,(d)教育が高くなればなるほど, 失業確率が高くなる,(e)世帯主からみて未婚の子供と孫で,失業確率が高い,(f)SC の失業 確率がとくに都市において高い,(g)農村においては,宗教と失業確率には相関がみられな い,などの事実が明らかになった.しかしながら,説明変数には内生変数の疑いのあるも のも含めているため,推計には改善の余地が多々ある.今後は,そうした推計上の問題を クリアーする必要がある.また,現在利用可能である 1983 年・1987 年・1993 年の NSS 個 票データの利用も視野に入れる必要もあるだろう.さらに,NSS 個票データには,第 2 節 15 で示したように失業に関する詳細な追加的情報が収録されているが,実証分析ではそれら を全く利用できなかった.以上は,今後の課題としたい. <参考文献> 英語文献 Chadha, G. 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農村 男性 主たる状態でかつふだんの状態: 21 us-ps (11) 主たる状態および副次的な状態 17 でかつふだんの状態:us (adjusted) (9) 一週間の状態:ws 39 (21) 一日の状態:ds 72 (37) 状態 女性 15 (4) 10 (3) 37 (10) 70 (15) 男女計 19 (7) 15 (6) 38 (15) 71 (26) 都市 男性 48 (26) 45 (24) 56 (30) 73 (38) 女性 71 (9) 57 (8) 73 (10) 94 (12) 男女計 52 (18) 47 (17) 59 (21) 77 (26) 第2表 調査年次 農村 55次(1999-2000) 50次(1993-94) 43次(1987-88) 38次(1983) 32次(1977-78) 27次(1972-73) 都市 55次(1999-2000) 50次(1993-94) 43次(1987-88) 38次(1983) 32次(1977-78) 27次(1972-73) 失業率 男性 us us (adj.) ws 女性 us ds us (adj.) ws ds 21 20 28 21 22 17 14 18 14 13 12 39 31 42 37 36 30 72 56 46 75 71 68 15 13 35 14 55 10 9 24 7 20 5 37 29 44 43 41 55 70 56 67 90 92 112 48 54 61 59 65 45 41 52 51 54 48 56 52 66 67 71 60 73 67 88 92 94 80 71 83 85 69 178 57 61 62 49 124 60 73 79 92 75 109 92 94 104 120 110 145 137 注)失業概念の定義については,本文または第1表を参照. 第3表 教育水準 非識字 農村男性 usual 4 (3) usual (adj.) 3 (2) ws 30 (18) 農村女性 usual 2 (2) usual (adj.) 1 (2) ws 27 (22) 都市男性 usual 14 (11) usual (adj.) 13 (9) ws 31 (22) 都市女性 usual 6 (4) usual (adj.) 5 (3) ws 20 (22) 高等教 識字およ 育: び初等教 secondar 育まで 中等教育 y 教育: higher secondar 高等教育 y 大学以上 以上 11 (8) 9 (4) 30 (19) 28 (30) 23 (22) 43 (38) 52 (67) 43 (50) 65 (65) 73 (98) 61 (73) 74 (90) 106 (132) 82 (98) 95 (122) 68 (88) 56 (65) 73 (83) 9 (10) 6 (5) 26 (26) 47 (53) 32 (30) 55 (53) 147 (199) 98 (113) 121 (145) 227 (291) 143 (199) 177 (243) 331 (346) 298 (274) 318 (320) 204 (249) 146 (160) 169 (198) 30 (25) 28 (23) 41 (35) 56 (57) 52 (54) 64 (64) 55 (63) 51 (56) 61 (66) 83 (85) 77 (75) 86 (91) 66 (64) 63 (56) 67 (63) 66 (69) 62 (60) 69 (70) 25 (45) 19 (29) 36 (48) 111 (157) 79 (109) 102 (143) 144 (200) 120 (157) 135 (176) 189 (222) 167 (192) 185 (216) 163 (206) 147 (189) 161 (202) 163 (206) 143 (182) 158 (196) 注)失業概念の定義については,本文または第1表を参照. 第4表 年齢階層 失業率 男性 us 農村 15-19 65 (47) 20-24 62 (67) 25-29 32 (32) 15-29 51 (48) 都市 15-19 154 (134) 20-24 139 (139) 25-29 75 (67) 15-29 115 (108) us (adj.) ws ds 女性 us us (adj.) ws ds 55 (33) 52 (49) 26 (23) 43 (35) 91 (56) 79 (72) 56 (44) 73 (58) 131 (90) 117 (103) 92 (77) 111 (90) 31 (33) 49 (45) 24 (19) 37 (32) 32 (19) 35 (28) 16 (9) 27 (19) 91 (51) 82 (59) 40 (35) 68 (48) 128 (83) 121 (82) 77 (65) 106 (76) 142 (119) 128 (126) 72 (57) 108 (96) 162 (134) 146 (146) 85 (73) 124 (114) 190 (162) 171 (170) 103 (93) 147 (137) 155 (168) 226 (277) 115 (129) 166 (194) 132 (128) 194 (217) 93 (97) 139 (150) 153 (157) 231 (258) 111 (129) 166 (185) 180 (186) 259 (285) 131 (155) 191 (212) 注)失業概念の定義については,本文または第1表を参照. 第5表 農村男性 農村女性 農村全体 都市男性 都市女性 都市合計 全国合計 人口総数 失業者総数(us-ps) 失業者総数(ws) 人口総数 失業者総数(us-ps) 失業者総数(ws) 人口総数 失業者総数(us-ps) 失業者総数(ws) 人口総数 失業者総数(us-ps) 失業者総数(ws) 人口総数 失業者総数(us-ps) 失業者総数(ws) 人口総数 失業者総数(us-ps) 失業者総数(ws) 人口総数 失業者総数(us-ps) 失業者総数(ws) 15-29歳(A) 8778 341 490 8679 101 206 17457 442 696 3559 270 292 3206 79 86 6766 349 377 24222 792 1074 (単位:万人) 全年齢(B) A/B (%) 35069 25% 386 88% 736 67% 33619 26% 134 75% 336 61% 68688 25% 520 85% 1073 65% 12225 29% 318 85% 367 79% 11185 29% 101 79% 112 77% 23411 29% 419 83% 479 79% 92099 26% 939 84% 1551 69% 注)失業概念の定義については,本文または第1表を参照. 第6表 農村 男性 都市 男性 女性 女性 年齢階層 15-29 30-44 45-59 409 799 908 529 813 895 196 669 902 132 396 720 教育水準 非識字 識字および初等教育まで 高等教育以上 計(15-59歳) 836 545 275 525 896 483 144 619 609 345 218 296 537 227 141 194 第7表 前職の従業上の地位 自営 常用労働者:regular wage/salaried 臨時労働者 計 農村 男性 都市 男性 女性 185 69 746 1000 332 38 630 1000 女性 251 387 362 1000 119 505 376 1000 第8表 産業大分類 第1次産業:01-05 第2次産業:10-45 第3次産業:50-99 第2次および第3次産業:10-99 計:01-99 農村 男性 都市 男性 女性 743 165 92 257 1000 913 35 52 87 1000 女性 60 447 493 940 1000 229 183 588 771 1000 注) 産業分類1998年版(NIC-1998)はつぎのとおり.農業:01-05,鉱業:10-14, 工業:15-37,公益事業:40-41,建設:45,商業:50-55,運輸:60-74,金融65-74, サービス75-99. 第9表 職業分類 0,1 2 3 4 5 6 7,8,9 計 農村 男性 194 3 15 21 14 544 209 1000 都市 男性 女性 309 0 9 3 4 629 46 1000 女性 140 44 79 103 65 59 510 1000 275 21 166 50 73 225 190 1000 注) 職業分類1968年版(NCO-1968)はつぎのとおり. 専門技術職(professinal, technical and related workers):0,1, 管理経営職(administrative, executive and managerial workers):2, 事務職(clerical and related workers):3,販売職(sales workers):4, サービス職(service worker):5,農業・漁業・狩猟・木材伐採職 (farmers, fishermen, hunters, loggers and related workers):6, 製造・運輸職(production and related workers, transport equipment abours):7,8,9. 第10表 失業の理由 前職の喪失 辞職 支払いなしの解雇 事業閉鎖 事業所における仕事の欠如 地域における仕事の欠如 その他 計(不明も含む) 農村 男性 都市 男性 女性 21 57 9 23 120 507 263 1000 10 34 5 8 316 544 84 1000 女性 83 135 16 144 160 225 232 1000 80 187 10 44 50 300 314 1000 第11表 前職を辞職した理由 仕事の報酬が十分ではないこと 環境が好ましくないこと 過酷な労働条件 健康に支障があること 自発的退職計画の受入 その他 計 農村 男性 都市 男性 女性 336 88 21 51 0 504 1000 0 397 0 0 47 0 556 1000 0 女性 321 62 145 86 74 312 1000 0 499 0 0 0 0 501 1000 0 第12表 1週間の状態(ws) 就業 失業 非労働力 計 農村 都市 男性 女性 男性 女性 1999-00 1993-94 1987-88 1999-00 1993-94 1987-88 1999-00 1993-94 1987-88 1999-00 1993-94 1987-88 956 957 931 832 807 675 977 976 967 900 884 768 22 15 23 21 14 8 11 11 17 9 9 17 22 28 46 148 179 317 12 12 16 91 107 215 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 0 0 0 1 0 0 0 -1 0 0 0 0 第13表 一日の状態(ds) 就業 失業 非労働力 計 農村 都市 男性 女性 男性 女性 1999-00 1993-94 1987-88 1999-00 1993-94 1987-88 1999-00 1993-94 1987-88 1999-00 1993-94 1987-88 897 909 926 676 663 638 942 949 938 791 766 716 53 40 27 41 30 26 27 27 37 22 24 37 51 51 47 283 306 336 31 25 25 187 210 247 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1 0 0 0 -1 0 0 1 0 0 0 0 第14表 一日の状態(ds) 就業 失業 非労働力 計 農村 都市 男性 女性 男性 女性 1999-00 1993-94 1987-88 1999-00 1993-94 1987-88 1999-00 1993-94 1987-88 1999-00 1993-94 1987-88 936 949 995 808 819 945 963 970 969 873 860 922 32 26 4 25 21 26 16 15 22 15 17 29 32 24 1 167 158 29 21 13 9 112 122 49 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 1000 0 -1 0 0 -2 0 0 -2 0 0 -1 0 第15表 主たる状態でかつふだんの状態 農村 都市 (us-ps) 男性 女性 男性 女性 自営 農業 79 82 66 80 非農業 61 64 52 80 常用労働 農業 55 48 35 54 非農業 31 51 37 40 臨時労働 公的雇用(public works) 170 200 152 232 その他 158 177 164 156 計 105 133 65 89 第16表 追加的な仕事を 求職ないしはする 意思がある就業 追加的な仕事を求職ないしはする意思がある理由 者1000人あたり の割合 十分な仕事がない ため 所得を補うため その両方の理由 農村 男性 女性 都市 男性 女性 その他 計 105 83 573 565 204 196 205 218 18 21 1000 1000 0 0 61 58 556 641 225 146 198 200 21 14 1000 1000 0 1 第17表 代替的な仕 事を求職ない しはする意思 代替的な仕事を求職ないしはする意思がある理由 がある就業者 1000人あたり の割合 現在の仕事の報 仕事の満 酬が十分な額で 足感が得ら 雇用保障の 職場が遠距 賃金・サラ はないため れない 欠如 離すぎる リー職を希望 その他 農村 男性 女性 都市 男性 女性 計(不明を 含む) 91 60 565 589 109 88 80 102 7 10 140 86 70 91 1000 1000 -29 -34 68 60 589 673 96 55 114 106 4 2 116 97 43 37 1000 1000 -38 -30 第18表 ふだんの状態の若年労働者の記述統計量 農村(NOB=49216): 失業ダミー(失業=1,就業=0) 地域別失業率(単位:%) 地域別組合組織化率(単位:%) 年齢 性別(男性=1,女性=0) 婚姻ダミー(未婚=1,それ以外=0) 教育変数(本文参照のこと) 世帯土地所有規模(単位:ヘクタール) 世帯の月額1人当たり平均消費額 世帯主の未婚子供ダミー 世帯主の未婚孫ダミー 非農業自営世帯ダミー 農業自営世帯ダミー STダミー SCダミー その他後進諸階級ダミー ヒンドゥー教ダミー イスラム教ダミー キリスト教ダミー UEPUS UER UNION AGE SEX1 MSTAT1 GEDUAJ OLANDAJ MPCE RELHOH5 RELHOH6 HHTYP1 HHTYP4 SGRP1 SGRP2 SGRP3 RELIGN1 RELIGN2 RELIGN3 平均 標準偏差 0.057339 0.23249 2.22333 2.41471 11.69807 9.19143 22.54801 3.95328 0.72493 0.44656 0.47523 0.49939 3.00859 1.80555 1.40811 3.15589 486.06299 293.20491 0.3904 0.48785 0.018145 0.13348 0.13912 0.34608 0.42161 0.49382 0.17116 0.37666 0.18431 0.38774 0.35379 0.47815 0.80382 0.39711 0.095111 0.29337 0.054982 0.22795 最小 0 0.05 2.65 15 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 最大 1 21.98 72.61 29 1 1 7 128 7191 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 都市(NOB=26524): UEPUS 0.13667 0.3435 0 1 失業ダミー(失業=1,就業=0) UER 5.51834 3.00206 0.19 18.15 地域別失業率(単位:%) UNION 31.18754 7.79375 15.94 66.64 地域別組合組織化率(単位:%) AGE 23.07559 3.81129 15 29 年齢 SEX1 0.82039 0.38387 0 1 性別(男性=1,女性=0) MSTAT1 0.62762 0.48345 0 1 婚姻ダミー(未婚=1,それ以外=0) GEDUAJ 4.1099 1.9047 1 7 教育変数(本文参照のこと) OLANDAJ 0.20234 1.82608 0 160 世帯土地所有規模(単位:ヘクタール) MPCE 762.67301 561.66342 0 21090 世帯の月額1人当たり平均消費額 RELHOH5 0.4689 0.49904 0 1 世帯主の未婚子供ダミー RELHOH6 0.015156 0.12218 0 1 世帯主の未婚孫ダミー HHTYP1 0.42064 0.49367 0 1 自営世帯ダミー SGRP1 0.070012 0.25517 0 1 STダミー SGRP2 0.1424 0.34947 0 1 SCダミー SGRP3 0.31918 0.46617 0 1 その他後進諸階級ダミー RELIGN1 0.72123 0.4484 0 1 ヒンドゥー教ダミー RELIGN2 0.18677 0.38974 0 1 イスラム教ダミー RELIGN3 0.051161 0.22033 0 1 キリスト教ダミー STATEAJi=i番目の州ダミー i=1(AP州),2(アッサム州),3(ビハール州),4(グジャラート州),5(ハリヤナ州),6(HP州),7(JK州), 8(カルナータカ州),9(ケララ),10(MP州),11(マハラシトラ州),12(オリッサ),13(パンジャブ), 14(ラジャスタン),15(タミルナード州),16(UP州),17(西ベンガル州),18(北東諸州) 第19表 1週間の状態の若年労働者の記述統計量 農村(NOB=51449): 失業ダミー(失業=1,就業=0) 地域別組合組織化率(単位:%) 地域別失業率(単位:%) 年齢 性別(男性=1,女性=0) 婚姻ダミー(未婚=1,それ以外=0) 教育変数(本文参照のこと) 世帯土地所有規模(単位:ヘクタール) 世帯の月額1人当たり平均消費額 世帯主の未婚子供ダミー 世帯主の未婚孫ダミー 非農業自営世帯ダミー 農業自営世帯ダミー STダミー SCダミー その他後進諸階級ダミー ヒンドゥー教ダミー イスラム教ダミー キリスト教ダミー UEPWS UNION UER AGE SEX1 MSTAT1 GEDUAJ OLANDAJ MPCE RELHOH5 RELHOH6 HHTYP1 HHTYP4 SGRP1 SGRP2 SGRP3 RELIGN1 RELIGN2 RELIGN3 平均 標準偏差 0.060176 0.23782 11.78473 9.15134 2.24231 2.3943 22.51049 3.97579 0.69793 0.45916 0.4729 0.49927 3.01872 1.80627 1.43539 3.13524 491.29781 293.98378 0.38916 0.48756 0.018582 0.13504 0.13963 0.34661 0.43161 0.49531 0.1684 0.37422 0.18407 0.38754 0.34846 0.47649 0.7963 0.40275 0.09594 0.29451 0.055978 0.22988 最小 0 2.65 0.05 15 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 最大 1 72.61 21.98 29 1 1 7 128 7191 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 都市(NOB=27076): 失業ダミー(失業=1,就業=0) 地域別組合組織化率(単位:%) 地域別失業率(単位:%) 年齢 性別(男性=1,女性=0) 婚姻ダミー(未婚=1,それ以外=0) 教育変数(本文参照のこと) 世帯土地所有規模(単位:ヘクタール) 世帯の月額1人当たり平均消費額 世帯主の未婚子供ダミー 世帯主の未婚孫ダミー 自営世帯ダミー STダミー SCダミー その他後進諸階級ダミー ヒンドゥー教ダミー イスラム教ダミー キリスト教ダミー UEPWS UNION UER AGE SEX1 MSTAT1 GEDUAJ OLANDAJ MPCE RELHOH5 RELHOH6 HHTYP1 SGRP1 SGRP2 SGRP3 RELIGN1 RELIGN2 RELIGN3 0.13447 0.34117 31.21263 7.83749 5.51384 2.99953 23.03498 3.82503 0.80802 0.39386 0.62879 0.48314 4.11977 1.90437 0.20313 1.8082 765.03701 564.22721 0.4709 0.49916 0.015807 0.12473 0.42296 0.49404 0.072832 0.25987 0.14127 0.34831 0.31663 0.46517 0.71909 0.44945 0.1864 0.38944 0.053959 0.22594 0 15.94 0.19 15 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 66.64 18.15 29 1 1 7 160 21090 1 1 1 1 1 1 1 1 1 第20表 若年の失業要因のプロビットモデル(被説明変数=ふだんの状態での失業UEPUS) 都市 NOB= 26524 NOB= 26524 R2= 0.1816 R2= 0.1856 正答率 0.8686 正答率= 0.8693 尤度比(係数ゼ 尤度比(係数ゼ 4364.2 [.000] 4446.2 [.000] ロ)LR= ロ)LR= 対数最大尤度= -8398 対数最大尤度= -8357 農村 NOB= R2= 正答率= 尤度比(係数ゼ ロ)LR= 対数最大尤度= 49216 0.1885 0.944 6079.7 [.000] -7767 NOB= R2= 正答率= 尤度比(係数ゼ ロ)LR= 対数最大尤度= 49216 0.1875 0.9439 6060 [.000] -7777 変数 係数 t値 確率(P)値 限界効果 係数 t値 確率(P)値 限界効果 係数 t値 確率(P)値 限界効果 係数 t値 確率(P)値 限界効果 C -2.86228 -7.27 [.000] -0.50058 -2.79752 -7.08 [.000] -0.48695 -4.16289 -10.80 [.000] -0.35443 -4.16454 -10.81 [.000] -0.35499 UNION 3.75E-03 1.66 [.097] 0.00065667 4.30E-03 1.90 [.058] 0.00074769 3.83E-04 0.23 [.817] 0.000032612 5.25E-04 0.32 [.751] 0.000044768 AGE 0.060735 1.73 [.084] 0.010622 0.062146 1.76 [.078] 0.010817 0.118237 3.37 [.001] 0.010067 0.118286 3.37 [.001] 0.010083 AGE2 -2.67E-03 -3.39 [.001] -0.0004661 -2.65E-03 -3.36 [.001] -0.00046117 -3.63E-03 -4.56 [.000] -0.00030874 -3.63E-03 -4.57 [.000] -0.00030926 SEX1 -0.290724 -10.54 [.000] -0.050845 -0.297597 -10.75 [.000] -0.051801 -0.226174 -7.80 [.000] -0.019257 -0.227473 -7.84 [.000] -0.01939 MSTAT1 0.212449 5.41 [.000] 0.037155 0.251484 6.34 [.000] 0.043774 0.395595 9.08 [.000] 0.033681 0.402379 9.22 [.000] 0.034299 GEDUAJ 0.246748 32.51 [.000] 0.043154 0.265722 33.56 [.000] 0.046253 0.343267 44.21 [.000] 0.029226 0.342024 43.42 [.000] 0.029154 UER 0.079094 16.00 [.000] 0.013833 0.080225 16.18 [.000] 0.013964 0.117291 16.38 [.000] 0.0099864 0.120009 16.77 [.000] 0.01023 OLANDAJ -0.019882 -1.62 [.104] -0.0034772 -0.024483 -4.28 [.000] -0.0020845 MPCE -2.10E-04 -8.83 [.000] -0.000036485 -5.08E-05 -1.50 [.134] -4.32870D-06 RELHOH5 0.435302 13.37 [.000] 0.07613 0.396872 12.04 [.000] 0.069081 0.186559 4.80 [.000] 0.015884 0.183973 4.74 [.000] 0.015682 RELHOH6 0.385003 4.63 [.000] 0.067333 0.330191 3.94 [.000] 0.057474 0.19465 2.65 [.008] 0.016573 0.168483 2.30 [.021] 0.014362 HHTYP1 -0.477635 -19.90 [.000] -0.083534 -0.492505 -20.46 [.000] -0.085727 -0.181379 -5.68 [.000] -0.015443 -0.178865 -5.60 [.000] -0.015246 HHTYP4 -0.273902 -10.06 [.000] -0.02332 -0.311179 -12.01 [.000] -0.026525 SGRP1 0.101081 2.03 [.042] 0.017678 0.087076 1.75 [.080] 0.015157 -0.129295 -3.00 [.003] -0.011008 -0.127291 -2.95 [.003] -0.01085 SGRP2 0.163313 4.62 [.000] 0.028562 0.131413 3.69 [.000] 0.022874 -0.053251 -1.53 [.126] -0.0045339 -0.042588 -1.22 [.221] -0.0036302 SGRP3 6.06E-04 0.02 [.983] 0.00010594 -0.026248 -0.91 [.360] -0.0045689 -0.09378 -3.30 [.001] -0.0079845 -0.089154 -3.14 [.002] -0.0075995 RELIGN1 4.22E-03 0.07 [.942] 0.00073854 -4.61E-03 -0.08 [.937] -0.00080277 -0.015425 -0.24 [.814] -0.0013133 -6.73E-03 -0.10 [.918] -0.00057337 RELIGN2 0.099681 1.56 [.118] 0.017433 0.072157 1.13 [.260] 0.01256 0.041942 0.57 [.572] 0.003571 0.052496 0.71 [.479] 0.0044748 RELIGN3 -0.168487 -2.24 [.025] -0.029467 -0.169854 -2.25 [.024] -0.029565 -0.022827 -0.29 [.768] -0.0019435 -7.92E-03 -0.10 [.918] -0.00067537 STATEAJ2 -0.019622 -0.22 [.825] -0.0034317 -0.075549 -0.85 [.398] -0.01315 0.228024 3.85 [.000] 0.019414 0.213651 3.58 [.000] 0.018212 STATEAJ3 0.329705 5.89 [.000] 0.057662 0.272361 4.83 [.000] 0.047408 0.488714 8.99 [.000] 0.04161 0.481787 8.84 [.000] 0.041068 STATEAJ4 -0.146439 -2.18 [.029] -0.025611 -0.160938 -2.39 [.017] -0.028013 -0.243705 -2.67 [.008] -0.020749 -0.24729 -2.72 [.007] -0.021079 STATEAJ5 0.079901 0.78 [.435] 0.013974 0.06001 0.58 [.559] 0.010446 0.028593 0.26 [.794] 0.0024344 0.031005 0.28 [.777] 0.0026428 STATEAJ6 0.03813 0.37 [.709] 0.0066686 0.052454 0.51 [.609] 0.0091303 0.091908 1.18 [.237] 0.0078251 0.103524 1.34 [.182] 0.0088244 STATEAJ7 0.187915 2.14 [.032] 0.032864 0.184629 2.10 [.036] 0.032137 0.02572 0.30 [.761] 0.0021899 0.042597 0.50 [.615] 0.0036309 STATEAJ8 -0.150214 -2.43 [.015] -0.026271 -0.18236 -2.94 [.003] -0.031742 -0.176558 -2.26 [.024] -0.015032 -0.198419 -2.54 [.011] -0.016913 STATEAJ9 -0.042035 -0.63 [.530] -0.0073515 -0.078082 -1.16 [.245] -0.013591 -0.264583 -3.31 [.001] -0.022527 -0.275752 -3.44 [.001] -0.023505 STATEAJ10 0.044551 0.80 [.426] 0.0077916 -2.60E-03 -0.05 [.963] -0.00045213 -9.72E-03 -0.13 [.896] -0.00082784 -0.040777 -0.55 [.584] -0.0034758 STATEAJ11 4.99E-03 0.12 [.904] 0.00087253 -0.015342 -0.37 [.711] -0.0026704 0.09381 1.60 [.109] 0.0079871 0.075829 1.30 [.194] 0.0064637 STATEAJ12 0.315589 4.31 [.000] 0.055193 0.256813 3.48 [.000] 0.044702 0.356171 5.72 [.000] 0.030325 0.34416 5.51 [.000] 0.029336 STATEAJ13 0.025669 0.35 [.723] 0.0044892 0.018834 0.26 [.795] 0.0032783 0.083728 0.99 [.322] 0.0071287 0.086135 1.02 [.308] 0.0073421 STATEAJ14 -0.01825 -0.25 [.801] -0.0031917 -0.045348 -0.63 [.532] -0.0078935 0.182529 2.18 [.029] 0.015541 0.14912 1.80 [.073] 0.012711 STATEAJ15 -0.079548 -1.60 [.109] -0.013912 -0.103187 -2.07 [.038] -0.017961 0.117108 2.01 [.045] 0.0099707 0.117591 2.02 [.044] 0.010024 STATEAJ16 0.024741 0.48 [.632] 0.004327 -0.011028 -0.21 [.831] -0.0019195 0.234528 4.17 [.000] 0.019968 0.237109 4.22 [.000] 0.020211 STATEAJ17 0.211402 4.17 [.000] 0.036972 0.171935 3.37 [.001] 0.029928 0.337289 6.16 [.000] 0.028717 0.333844 6.08 [.000] 0.028457 STATEAJ18 0.07117 1.09 [.275] 0.012447 0.03489 0.53 [.593] 0.006073 0.177182 2.77 [.006] 0.015086 0.177808 2.78 [.005] 0.015156 第21表 若年の失業要因のプロビットモデル(被説明変数=1週間の状態での失業UEPWS) 都市 NOB= 27076 NOB= 27076 R2= 0.1523 R2= 0.156 正答率= 0.8675 正答率= 0.868 尤度比(係数ゼ 尤度比(係数ゼ ロ)LR= ロ)LR= 3674.2 [.000] 3745.6 [.000] 対数最大尤度= -8853 対数最大尤度= -8817 変数 係数 t値 確率(P)値 C -3.20159 -8.36 [.000] UNION 2.11E-03 0.95 [.341] AGE 0.104958 3.07 [.002] AGE2 -3.27E-03 -4.28 [.000] SEX1 -0.240251 -9.05 [.000] MSTAT1 0.247779 6.55 [.000] GEDUAJ 0.199151 28.14 [.000] UER 0.062191 12.76 [.000] OLANDAJ -0.025541 -1.95 [.051] MPCE RELHOH5 0.393662 12.46 [.000] RELHOH6 0.263861 3.21 [.001] HHTYP1 -0.486527 -20.82 [.000] HHTYP4 SGRP1 3.59E-03 0.07 [.942] SGRP2 0.157815 4.63 [.000] SGRP3 2.51E-03 0.09 [.927] RELIGN1 5.37E-03 0.09 [.925] RELIGN2 0.097638 1.56 [.119] RELIGN3 -0.129727 -1.75 [.079] STATEAJ2 -0.065897 -0.75 [.455] STATEAJ3 0.303237 5.51 [.000] STATEAJ4 -0.163799 -2.53 [.011] STATEAJ5 0.07093 0.73 [.463] STATEAJ6 0.135603 1.38 [.168] STATEAJ7 0.221772 2.61 [.009] STATEAJ8 -0.129664 -2.19 [.029] STATEAJ9 -0.018437 -0.28 [.782] STATEAJ10 0.091562 1.72 [.085] STATEAJ11 0.030474 0.76 [.447] STATEAJ12 0.312713 4.29 [.000] STATEAJ13 4.02E-03 0.06 [.954] STATEAJ14 -0.084077 -1.19 [.235] STATEAJ15 -0.108768 -2.24 [.025] STATEAJ16 0.037275 0.75 [.452] STATEAJ17 0.21698 4.37 [.000] STATEAJ18 6.19E-03 0.10 [.924] 限界効果 係数 t値 -0.57853 -3.14663 -8.20 0.00038192 2.52E-03 1.13 0.018966 0.107211 3.13 -0.0005901 -3.28E-03 -4.28 -0.043413 -0.24568 -9.23 0.044773 0.283422 7.42 0.035987 0.216262 29.27 0.011238 0.063099 12.92 -0.0046152 -1.92E-04 -8.37 0.071135 0.358761 11.23 0.047679 0.212924 2.57 -0.087915 -0.501028 -21.40 0.0006493 0.028517 0.00045435 0.00097077 0.017643 -0.023442 -0.011907 0.054795 -0.029598 0.012817 0.024503 0.040074 -0.02343 -0.0033315 0.016545 0.0055067 0.056507 0.00072703 -0.015193 -0.019654 0.0067356 0.039208 0.0011187 -0.011113 0.12826 -0.021924 -2.50E-03 0.072345 -0.127362 -0.118101 0.250029 -0.178164 0.054653 0.150321 0.218771 -0.16058 -0.049756 0.046997 0.010211 0.257267 -4.15E-03 -0.11184 -0.131102 4.65E-03 0.180993 -0.028368 -0.23 3.74 -0.79 -0.04 1.15 -1.72 -1.33 4.51 -2.75 0.56 1.53 2.57 -2.70 -0.75 0.88 0.25 3.52 -0.06 -1.58 -2.69 0.09 3.63 -0.44 農村 NOB= 51449 R2= 0.1211 正答率= 0.94 尤度比(係数ゼ ロ)LR= 4285.9 [.000] 対数最大尤度= -9559 確率(P)値 限界効果 係数 t値 [.000] -0.56648 -4.53657 -13.20 [.257] 0.00045387 -3.20E-03 -2.02 [.002] 0.019301 0.208319 6.69 [.000] -0.00058969 -5.19E-03 -7.37 [.000] -0.044229 -0.130746 -5.33 [.000] 0.051023 0.303885 7.72 [.000] 0.038933 0.222976 35.47 [.000] 0.011359 0.093771 14.03 -0.038929 -6.59 [.000] -0.000034623 [.000] 0.064586 0.170983 4.72 [.010] 0.038332 0.153067 2.19 [.000] -0.090198 -0.248512 -8.55 -0.36835 -14.76 [.822] -0.0020006 -0.077241 -2.06 [.000] 0.02309 0.039064 1.28 [.430] -0.0039468 -0.030527 -1.17 [.965] -0.00045031 0.042116 0.70 [.250] 0.013024 0.068503 1.00 [.086] -0.022929 -0.062794 -0.85 [.183] -0.021261 -0.028428 -0.52 [.000] 0.045012 0.263047 5.83 [.006] -0.032074 -0.233196 -3.34 [.573] 0.0098389 0.117884 1.44 [.127] 0.027062 -0.296351 -4.05 [.010] 0.039385 -0.138389 -1.81 [.007] -0.028909 -0.263622 -3.99 [.455] -0.0089574 -0.264148 -3.46 [.378] 0.0084608 -0.025348 -0.44 [.800] 0.0018383 -0.057219 -1.12 [.000] 0.046315 0.098561 1.80 [.952] -0.00074762 -0.212793 -2.82 [.115] -0.020134 0.122502 1.90 [.007] -0.023602 -0.030665 -0.61 [.925] 0.00083782 -0.034978 -0.74 [.000] 0.032583 0.130005 2.69 [.661] -0.0051071 -0.074922 -1.29 NOB= 51449 R2= 0.1199 正答率= 0.9399 尤度比(係数ゼ ロ)LR= 4242.2 [.000] 対数最大尤度= -9581 確率(P)値 限界効果 係数 t値 [.000] -0.45125 -4.51708 -13.15 [.043] -0.00031799 -2.87E-03 -1.81 [.000] 0.020721 0.207287 6.66 [.000] -0.00051662 -5.16E-03 -7.33 [.000] -0.013005 -0.131785 -5.38 [.000] 0.030227 0.314841 7.99 [.000] 0.022179 0.221809 34.73 [.000] 0.0093272 0.097719 14.63 [.000] -0.0038722 -9.98E-05 -3.02 [.000] 0.017007 0.166211 4.60 [.029] 0.015225 0.112216 1.61 [.000] -0.024719 -0.246168 -8.47 [.000] -0.036639 -0.427925 -18.22 [.040] -0.0076831 -0.074683 -1.98 [.201] 0.0038857 0.050963 1.67 [.240] -0.0030365 -0.025749 -0.99 [.487] 0.0041893 0.05108 0.84 [.318] 0.0068139 0.081029 1.18 [.394] -0.006246 -0.044176 -0.60 [.606] -0.0028277 -0.055749 -1.00 [.000] 0.026165 0.251979 5.56 [.001] -0.023196 -0.239057 -3.43 [.149] 0.011726 0.118445 1.45 [.000] -0.029478 -0.278555 -3.81 [.071] -0.013765 -0.111515 -1.46 [.000] -0.026222 -0.293128 -4.44 [.001] -0.026274 -0.280977 -3.68 [.658] -0.0025213 -0.06678 -1.17 [.261] -0.0056915 -0.085506 -1.69 [.072] 0.0098038 0.078159 1.42 [.005] -0.021166 -0.210472 -2.80 [.057] 0.012185 0.076651 1.20 [.544] -0.0030502 -0.032163 -0.64 [.462] -0.0034792 -0.031618 -0.67 [.007] 0.012931 0.121348 2.51 [.198] -0.0074524 -0.076011 -1.30 確率(P)値 限界効果 [.000] -0.45019 [.070] -0.00028574 [.000] 0.020659 [.000] -0.00051448 [.000] -0.013134 [.000] 0.031378 [.000] 0.022106 [.000] 0.0097391 [.003] [.000] [.107] [.000] [.000] [.047] [.095] [.321] [.398] [.237] [.548] [.316] [.000] [.001] [.147] [.000] [.145] [.000] [.000] [.240] [.092] [.155] [.005] [.229] [.524] [.505] [.012] [.192] -9.94324D-06 0.016565 0.011184 -0.024534 -0.042649 -0.0074431 0.0050791 -0.0025662 0.0050908 0.0080756 -0.0044028 -0.0055561 0.025113 -0.023825 0.011805 -0.027762 -0.011114 -0.029214 -0.028003 -0.0066555 -0.0085219 0.0077896 -0.020976 0.0076393 -0.0032054 -0.0031512 0.012094 -0.0075755