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JAN2012issue

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JAN2012issue
 インドで活躍中!!公認会計士岩瀬先生が教える
使える!!インドの会計・財務の豆知識
第16回目 日本インド社会保障協定の署名
<代表者経歴> 岩瀬雄一 公認会計士(日本)税理士(日本)
2000 年に大手監査法人東京事務所に入所。製造業を中心に、USGAAP、IFRS、日本会計基準の
会計監査業務を手掛ける。'07 年 10 月よりインド事務所に赴任し '10 年 11 月に日本に帰任
2011 年 9 月に Fair Consulting India 開業。複雑なインドの税務や手続きの多い会社等の設立は
豊富な実務経験と、インド専門家のネットワークが不可欠です。
2012 年 11 月 16 日に日本インド社会保障協定 (「社会保障に関する日本国とインド共和国との間の協定」)
が署名されました。社会保障協定とは、海外で勤務した会社員などの社会保険料の二重払い防止を目的とした
もので、これによりインドでビジネスを行う日系企業の負担が軽減されます。
一般的に、会社員などが海外勤務を行う場合は当該国での社会保険制度にも加入する必要があります。公的
年金などの社会保険制度は、勤務先国の制度に加入することが原則だからです。然しながら日本の親会社から
の出向で海外勤務を行う場合は、海外勤務中も出向元である日本の親会社との雇用関係が実質的には継続して
いるため、出向期間中は日本と海外の両方の社会保険制度に加入しなければならない局面が多く、出向期間中
は保険料を二重に払うことになります。また多くの場合、年金の受給には一定以上の加入期間が必要となり、
ローテーションで日本に帰る駐在員の多くは海外勤務先の国での保険料は掛け捨てになっておりました。
インドもこの例外ではなく Provident Fund 等の掛金が実質的に日系企業負担になっておりましたが、日本
インド社会保障協定により次の通り問題が解消されます。
【二重加入】
インドでの勤務見込み期間が5年以下の場合、日本の年金制度のみに加入すれば足り、インドの年金制度 に加入する義務がなくなります。インドでの勤務見込み期間が5年を超える場合は、インドの年金制度のみ
に加入すれば足り、日本の年金制度に加入する義務がなくなります。
【掛け捨て】
インドの Pension Scheme( 被用者年金制度 ) は、10 年の加入期間後に受給権が発生します。従来インド での勤務が 5 年などの場合はインドの年金を受給できませんでした。
然しながら日本インド社会保障協定により、日本とインドの年金加入期間の通算が可能となります。日本と
インドの年金加入期間を通算して 10 年を上回る場合、インドでの年金受給権が発生します。
【一時金】
インドの制度で支払った Provident Fund( 被用者積立基金制度 ) 掛金は、協定発効前に支払った掛金も含め、
日本本帰国時に全額を受け取ることが可能となります。
また、Pension Scheme( 被用者年金制度 ) については、日本本帰国時において保険期間合計が 10 年未満の
者について、脱退給付を受けることが可能となります。
アジアのもう一つの大国である中国では、中国国内で就業する外国人についても社会保険料の納付が義務付
けられる事となり、中国でビジネスを展開する外資系企業の間で社会保険料の二重負担への懸念が高まってい
ます。これに対してインドのビジネス環境は改善の方向にあります。
日本の発効済みの社会保障協定はドイツ、英国、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、
オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイスとの間のもので、日本インド社会保障協定も
日本側における国会の承認などを経て発効となります。
Fair Consulting India Pvt.Ltd.
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