Comments
Description
Transcript
株式会社リコー「インドにおける教育サービス事業」
インドにおける教育サービス事業 2015年1月26日 ~BOP・インクルーシブビジネス 支援セミナー~ 株式会社リコー 環境推進本部 社会環境室 CSRグループ 赤堀 久美子 P.1/18 The RICOH WAY ● 創業の精神 「人を愛し、国を愛し、勤めを愛す」 ─三愛精神─ ● 経営理念 私たちの使命 - 顧客に対する使命: 人と情報のかかわりの中で、世の中の役に立つ 新しい価値を生み出し、提供しつづける - 社会に対する使命: かけがえのない地球を守るとともに、 持続可能な社会づくりに責任を果す 創業者 市村 清 P.2/18 2013年3月期 地域別・分野別連結売上高 地域別では、日本が4割強、米州と欧州の合計で5割弱。 分野別では、主力の「画像&ソリューション分野」で8割強を占める。 地域別売上高 分野別売上高 その他 その他 1,357 (7.1%) 欧州 4,217 (21.9%) 産業 930 (4.8%) 日本 8,703 (45.2%) 1,460 (7.6%) 画像&ソリューション 16,853 (87.6%) ネットワークシステム ソリューション 2,087 (10.8%) 米州 4,966 (25.8%) プロダクション プリンティング オフィス イメージング 1,470 (7.6%) 単位:億円 13,296 (69.1%) 単位:億円 P.3/18 リコーの提供価値の拡大 デジタル化による進化 Visual Communication 情報量 プロジェクター デジタルデータ量 インタラクティブ ホワイトボード ビデオ会議 システム Image Communication プリント量 現在 時間 コピー 複合機 プリンター P.4/18 リコーの目指す「価値創造CSR」 本業を通じて(自社の強みやリソースを活かし)、 「社会的課題の解決」と「自社の成長」の両立を目指す取り組み P.5/18 インドにおける教育の現状と課題 【現状と課題】 子どもの人口 未就学率 初等教育中退 約4億7千万人 9% 5.6% <課題> ・ 教育サービスの質の向上 ・ 教員の意識向上、研修などのサポートの充実 ・ インフラ改善 【インド政府の取り組み】 ・2015年までに6-14才の児童の就学率100%達成を目標としている。 ・義務教育普及のための政府機関が設立され、投資を行っている。 政府の政策は行き届いておらず、学校現場での改善をNGOが担っている。 P.6/18 日本と新興国の学校市場規模比較 学校数、15歳未満の子どもの数ともにインドは世界No.1 国名 学校数 (万校) 識字率 (%) GDPに対する 教育費比率(%) 日本 約5万校 99.0% 中国 約40万校 (日本の8倍) インドネシア 人口(千人) ※各国統計データ調査より 各学校校数 全人口 15歳未満 3.4% (2007年) 127,176 16,533 初等(小中):33,400 中等(高校):5,200 高等(大学):2,200 93.3% 4.0% (2011年) 1,351,512 (日本の10倍) 264,900 (日本の16倍) 初等(小):340,000 中等(中高):88,000 高等(大学):2,300 約19万校 (日本の4倍) 88.5% 3.5% (2006年) 239,600 (日本の2倍) 63,973 (日本の4倍) 初等(小中):170,300 中等(高校):17,000 高等(大学):2,700 ブラジル 約19万校 (日本の4倍) 90.0% 5.2% (2006年) 198,982 (日本の1.5倍) 53,327 (日本の4倍) 初等(小中):162,727 中等(高校):23,561 高等(大学):1,180 インド 約125万校 (日本の25倍) 66.0% 3.2% (2006年) 1,046,235 (日本の8倍) 366,182 (日本の22倍) 初等:769,181 上級初等:299,049 中等・上級:162,850 高等:18,599 ロシア 約7万校 (日本の1.4倍) 99.5% 3.9% (2006年) 140,318 (日本の1.1倍) 21,047 (日本の1.3倍) 初等:9,075 初等・中等:51,953 中等:6,054 高等:1090 トルコ 約5.5万校 (日本の1.1倍) 88.7% 2.9% (2006年) 77,703 (日本の0.6倍) 20,358 (日本の1.2倍) 初等(小中):42,500 中等(高校):11,400 高等(大学):100 P.7/18 プロジェクターの全需 (世界の教育市場) 新興国の成長は著しく2010年で先進国を逆転、2015年で全体の約70%に成長 国別の全需の予測 教育におけるプロジェクター全需の予測(単位:千台) Forecast* Actual 先進国 5,741 4,958 新興国 4,253 3,669 3,229 2,883 3,858 (67.2%) 2,0762,176 3,194 (64.4%) 2,182 (59.5%) 1,885 1,798 2,626 1,463(55.7%) (61.8%) 866 (50.7%) 471 937 705 (29.1%) (37.4%)(41.7%) (43.1%) 1,617 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 (単位:千台) 2011実績 出荷台数 占有率 China 1 766 23.7% US 2 525 16.3% 3 Indonesia 176 5.5% Brazil 4 145 4.5% India 5 116 3.6% UK 6 105 3.3% France 7 97 3.0% Russia 8 91 2.8% 9 Germany 77 2.4% 10 Mexico 72 2.2% Spain 11 67 2.1% Japan 12 61 1.9% 13 Turkey 57 1.8% 14 Canada 55 1.7% UAE 15 53 1.6% 16 Australia 52 1.6% 17 Thailand 43 1.3% Italy 18 40 1.2% Taiwan 19 33 1.0% 20Saudi Arabia 30 0.9% Korea 21 26 0.8% 22 Malaysia 26 0.8% 23 Netherlands 26 0.8% 24 Poland 24 0.8% 25 Philippines 23 0.7% 26 Sweden 23 0.7% 27 Argentina 18 0.5% 2015予測 出荷台数 占有率 China 1 1,505 26.2% US 2 629 11.0% 3 Indonesia 408 7.1% Brazil 4 355 6.2% India 5 341 5.9% Russia 6 176 3.1% Mexico 7 167 2.9% France 8 120 2.1% 9 Germany 98 1.7% UK 10 95 1.7% 11 Argentina 85 1.5% UAE 12 74 1.3% Spain 13 72 1.3% 14 Australia 70 1.2% 15 Canada 70 1.2% Japan 16 69 1.2% 17 Poland 65 1.1% Italy 18 64 1.1% Korea 19 63 1.1% 20 Saudi Arabia 53 0.9% 21 Malaysia 52 0.9% 22 Thailand 52 0.9% 23 Turkey 50 0.9% 24 Taiwan 44 0.8% 25 South Africa 34 0.6% 26 Philippines 34 0.6% 27 Vietnam 29 0.5% P.8/18 現地の授業の様子 (公立の小学校) ①一方通行の授業 先生が一方的に話し、ノートに写す、 問題を解くというスタイル ②補助教材の不足 学校には実験機材・模型などがないため、 体感する授業を行なうことが難しい。 ~NGOによる 補習~ P.9/18 現地の授業の様子 (公立の小学校) コンテンツは先生たちの自作 「数字」、「動物」、「言語」 、「人物」etc… ビジュアルに訴える授業が実践されてい たが、カードが小さく、後方の生徒は、 見えないため、授業に参加できていない P.10/18 新興国市場参入の課題 ・チャネル開拓と価格競争が課題であり、箱売りでは価値が 出せないため、ソリューションとしての価値創造の必要性 ・国家施策、環境などの地域差が大きいため、状況に合わせた 適切なソリューション提案が必要 現地課題に即したサービスソリューションを提供するため NGO・現地政府、学校とともに、調査を実施 <パートナー> 子ども支援専門の国際NGO 2013/9 JICAのBOPビジネス協力準備 調査に採択 P.11/18 教育サービス事業構築のための調査 教育の課題解決 ビジネスの成長 ・教員の質の向上、教授法の改善 ・効果的な教材の提供 ・新興国での教育ソリューション提供 による新しい価値創造 プロジェクターとデジタル教材のパッケージ化したサービス提供により 教育の質の改善とビジネスモデル構築を狙う Step1 Step2 Step3 学校での トライアル デジタル教材開発 &教員研修 基礎調査 コンセプト受容性調査 GOAL 継続的な教育の 質改善のための サービス提供 2016.4以降 P.12/18 調査事業の対象 ■主な調査対象地 デリ、ビハール州、アンドラプラデシュ州(現テランガナ州)の 公立校各10校 ■対象学年と教科 5年生の生活(理科+社会の内容) ⇒子どもたちの生活の改善につながる教科 P.13/18 目指す教育サービス事業のコンセプト PCレスで、2種類のコンテンツ(デジタル+体験型)を使って学べる教育パッケージ 3つのツールを パッケージ化 Virtual contents (Digital) + Real contents (analog) 教師用コンテンツ (どうやって教えるか) 教員研修で使い方を学ぶ (何をどう教えるか) 教室で実践 Ex.)Grade5 science 教室用コンテンツ (教室で学ぶ) Ex.)Grade5 science プロジェクター デジタルコンテンツを 投影 体験型 コンテンツ 体験型コンテンツ + Device Projector What is water? Why ・・・・ ? 好奇心や興味を喚起し、実生活につながるインタラクティブなコンテンツを提供 P.14/18 関連するステークホルダーの役割 CSR ・SCとの調整 ビジネス パートナー ・インパクト調査 ・教育改善の支援 ビジネスソリューション 事業本部 ビジネス パートナー ・調査事業全体統括 ・製品調査 ・チャネル調査 ・私学/塾調査 ・ビジネスモデル化 ・ 資金支援 ・現地パートナー紹介 ・他社とのネットワーキング SC Japan ・公立校調査コーディネート (政府調整、教員研修、 パイロット授業、教材開発、 インド政府 (教員養成機関) ・教員研修実施 ・パイロット授業アレンジ インパクト調査) ビジネス パートナー Ricoh India ・チャネル調査 ・私学/塾調査 ・ビジネスモデル化 学校 SC India ・公立校調査実施 ・教員研修参加 ・パイロット授業実施 保護者、生徒 P.15/18 パイロット授業の様子 <子どもの反応> ・授業がわかりやすくなった <先生の反応> ・子どもたちがより積極的になった。 ・ 想像しにくい内容も教えやすく なった ・子どもの欠席が減った P.16/18 ここまで来るまでの紆余曲折 1.社内説得 2.セーブ・ザ・チルドレンとの関係構築、社会的価値の位置づけ 3.現地の人とのコミュニケーション P.17/18 事業化に向けた課題 1.資金 2.公立校への販売のための予算確保 3.ソリューションパッケージのバリエーション 4. スケールアウト P.18/18 更なる途上国の課題解決に向けて (新しい試み)お役立ちスキーム 今までの状況 現地政府 役割)教育を受ける機会を提供 強み)予算、権限を保持 弱み)現場への直接展開 NGO 役割)子供の保護等 強み)現場の難しさや 困りごとを熟知 弱み)課題解決方法の 引き出しが少ない 支援機関 役割)課題解決の支援 強み)資金 弱み)現場への直接展開 企業 役割)CSRが中心 強み)技術やノウハウを保持 弱み)社会課題に対しては 資金支援が中心 途上国の課題 政府 支援機関 NGO 企業 それぞれのステークホルダーが強みを 活かしてインパクトを最大化する 途上国の課題へのブレークスルー! インド発で展開する「マルチステークホルダー協働スキーム」を 新興国・途上国へ展開していく P.19/18 P.19/6 8 インド教育支援プログラム http://www.ricoh.com/ja/csr/india_edu/